JPH0534314Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動二輪車等の倒立型フロントフオー
クに付設されるプロテクタに関するものである。

〔従来の技術〕

近時、自動二輪車等、例えばオフロード用の自
動二輪車等にあつては、トツプブリツジとボトム
ブリツジに固着される一対のアウタチユーブの下
方にそれぞれインナチユーブを伸縮自在に突出さ
せた倒立型フロントフオークが採用されている。

かかるフロントフオークにあつては、下方に位
置するインナチユーブに泥などが付着する事を防
止するため、その前側を覆う縦長の板材よりなる
プロテクタが備えられている。

このプロテクタは、下端部を前記インナチユー
ブの下端に固着していることから、インナチユー
ブの伸縮に追随して上下動するために、ガイド部
材を介してアウタチユーブに上下動可能に保持さ
れている。

そして、前輪制動用のブレーキホースが、フロ
ントフオークに沿つて上方から下方に配設されて
いる。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、前輪制動用のブレーキホースのう
ち、インナチユーブの近傍に配設されている部分
が、フリーであるとインナチユーブのクツシヨン
ストロークに連れて該ブレーキホースの下側が弛
み、タイヤやインナチユーブに当たる虞があり、
特にインナチユーブの摺動面に傷等が付くと、フ
ロントフオークのシール性の低下につながる。

本考案はかかる課題を解決するためのものであ
つて、インナチユーブのクツシヨンストロークに
よつてもブレーキホースが下側で弛むことなく、
かつ飛石等からもブレーキホースを保護するフロ
ントフオークのプロテクタを提供することを目的
とする。

〔課題を解決するための手段〕

かかる課題を解決するため、本考案は、倒立型
フロントフオークのインナチユーブの下端に、下
端部を固着するとともにガイド部材を介してアウ
タチユーブに上下動可能に保持したプロテクタに
ブレーキホースを嵌装配置する係合部を設けたこ
とを特徴とするものである。

〔作用〕

したがつて、ブレーキホースは、プロテクタの
係合部にインナチユーブと所定の間隙を存して嵌
装配置され、インナチユーブのクツシヨンストロ
ークによつてもブレーキホースの下側が弛むこと
なく、かつ飛石等からもブレーキホースを保護す
ることができる。

〔実施例〕

以下に本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示すも
ので、自動二輪車１はオフロードタイプであつ
て、車体フレーム２の前部には、バーハンドル３
にて操向される倒立型フロントフオーク４の下端
にフロントフエンダ５で覆われる前輪６が懸架さ
れ、また車体フレーム２の後部には、該フレーム
２の後方上部に配設したリアフエンダ７の下部
に、スイングアーム８とリアサスペンシヨン９と
により、後輪１０が懸架されている。

また、車体フレーム２の上部には、フユーエル
タンク１１が、その後部には、シート１２がリア
フエンダ７の上部に亘つて配置され、フユーエル
タンク１１下部の車体フレーム２の内部空間に
は、エンジン１３が搭載されるとともに、その前
方には冷却装置であるラジエータ１４が配設され
ている。

前記倒立型フロントフオーク４は、一対のアウ
タチユーブ１５，１５に下方からそれぞれインナ
チユーブ１６，１６を嵌挿して突出させ、それら
の内部にコイルスプリング及びオイルダンパ（図
示せず）を収納して伸縮自在としたテレスコピツ
ク型のものである。

また、前記アウタチユーブ１５，１５間には、
トツプブリツジ１７およびボトムブリツジ１８が
所定の間隔で架設され、両ブリツジ１７，１８間
に設けたステアリングステム（図示せず）が、車
体フレーム２の前端に形成されたヘツドパイプ１
９に回動自在に軸着されている。さらに、前記ト
ツプブリツジ１７の上面にはバーハンドル３がハ
ンドルホルダ２０により固着され、前記ボトムブ
リツジ１８の下面にはフロントフエンダ５が前記
両アウタチユーブ１５，１５に挟まれた状態で固
着されている。

そして、前記倒立型フロントフオーク４のイン
ナチユーブ１６の前方には、断面略弧状の縦長の
板材よりなるプロテクタ２１が備えられている。
このプロテクタ２１は、その下端をインナチユー
ブ１６の下端に装着したロアブラケツト２２の前
部にネジ２３により固着するとともに、ガイド部
材２６を介してアウタチユーブ１５に上下動可能
に保持されている。

前記プロテクタ２１は、その裏面２１ａの略中
央部に、上下方向に縦溝状の係合部２８が形成さ
れ、該係合部２８にロアブラケツト２２に設けた
前輪制動用のデイスクブレーキのキヤリパ２９を
作動せしめるブレーキホース３０が嵌装配設され
ている。

したがつて、ブレーキホース３０は、プロテク
タ２１の係合部２８にインナチユープ１６と所定
の間隙を存して嵌装配置され、インナチユーブ１
６のクツシヨンストロークによつてもブレーキホ
ース３０の下側が弛むことなく、かつ飛石等から
もブレーキホース３０を保護することができる。

また、プロテクタ２１は、その裏面２１ａの係
合部２８の両側に、案内溝２４，２４を縦方向に
形成する。一方、前記アウタチユーブ１５の下端
前部側には、ブラケツト２５を一体に突設し、該
ブラケツト２５に前面Ｔ字形のガイド部材２６
が、その取付腕２６ａを取付ボルト２７により固
設されており、前記ガイド部材２６の取付腕２６
ａを挟んで両側にガイド部２６ｂ，２６ｂを一体
形成し、該ガイド部２６ｂ，２６ｂをプロテクタ
２１の前記案内溝２４，２４に遊装して、プロテ
クタ２１を上下動可能に保持している。

したがつて、フロントフオーク４が伸縮しても
前記プロテクタ２１の上下動には何ら障害がな
く、また該プロテクタ２１が上下動する際は、前
記案内溝２４，２４が前記ガイド部材２６のガイ
ド部２６ｂ，２６ｂ上を移動するため、前記プロ
テクタ２１の前面や前記アウタチユーブ１５の外
周面に傷が付くことがない。

尚、本実施例では前記ガイド部材２６をアウタ
チユーブ１５と別体に形成して該アウタチユーブ
１５に取り付ける構成としたため、ガイド部材２
６の摩耗による交換および前記案内溝２４内に配
設したブレーキホース３０の修理、交換が容易に
できるが、ガイド部材２６をアウタチユーブ１５
と一体に形成してもよく、この場合は部品点数を
減少することができる。

さらに、プロテクタ２１は、前述のようにロア
ブラケツト２２に直接取付けたものに限らず、例
えば第４図に示す実施例の如く、プロテクタ２１
を、デイスクブレーキのデイスク３１およびキヤ
リパ２９を覆うブレーキカバー３２と一体に形成
したものでもよく、この場合はフロントフオーク
４のみならず、デイスク３１およびキヤリパ２９
をも同様に保護することができるものである。

〔考案の効果〕

以上の如く本考案の倒立型フロントフオークの
プロテクタは、ブレーキホースを嵌装配置する係
合部を設けたので、ブレーキホースは、プロテク
タの係合部にインナチユーブと所定の間隙を存し
て嵌装配置され、インナチユーブのクツシヨンス
トロークによつてもブレーキホースの下側が弛ん
で、インナチユーブの摺動面に摺接することな
く、フロントフオークのシール性の低下を防止
し、しかも飛石等からもブレーキホースを保護す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図は自動二輪車の側面図、第２図は同
じく正面図、第３図は第１図の−断面図であ
り、第４図は本考案の他の実施例を示す自動二輪
車の側面図である。 ４……フロントフオーク、１５……アウタチユ
ーブ、１６……インナチユーブ、２１……プロテ
クタ、２１ａ……裏面、２４……案内溝、２６…
…ガイド部材、２８……係合部、３０……ブレー
キホース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トツプブリツジとボトムブリツジの両側に固着
   される一対のアウタチユーブの下方にそれぞれイ
   ンナチユーブを伸縮自在に突出させて倒立型フロ
   ントフオークを構成し、該インナチユーブの下端
   に下端部を固着したプロテクタを、ガイド部材を
   介してアウタチユーブに上下動可能に保持した倒
   立型フロントフオークのプロテクタにおいて、該
   プロテクタにブレーキホースを嵌装配置する係合
   部を設けたことを特徴とする倒立型フロントフオ
   ークのプロテクタ。