JPH05339169A - 経口ワクチン - Google Patents

経口ワクチン

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JPH05339169A
JPH05339169A JP4036493A JP4036493A JPH05339169A JP H05339169 A JPH05339169 A JP H05339169A JP 4036493 A JP4036493 A JP 4036493A JP 4036493 A JP4036493 A JP 4036493A JP H05339169 A JPH05339169 A JP H05339169A
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lipid
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antigen
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JP4036493A
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Harutsugu Tsuchiya
晴嗣 土屋
Yukihiko Aramaki
幸彦 新槇
Hisashi Hara
寿史 原
Hiroshi Kikuchi
寛 菊池
Kiyoto Yanai
清人 谷内
Kiyoshi Ikeuchi
澄 池内
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経口投与後効率的に抗体を産生せしめ感染防
御効果が得られる経口ワクチンを提供する。 【構成】 抗原と脂質からなる複合体であって、脂質と
してマンノースを結合している糖脂質および/またはホ
スファチジルセリンである燐脂質を含んでいる経口投与
用ワクチン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、経口投与後効率的に抗
体を産生せしめる経口ワクチンに関する。本発明の経口
ワクチンは、生体に経口投与後、保持した抗原に対する
抗体を効率的に産生せしめ、感染防御効果が得られるも
のである。
【0002】
【従来の技術】現行のワクチンのほとんどは皮下に接種
する注射剤であるが、少頻度で起こる副作用や投与時の
疼痛が臨床上問題となっている。これを改良するための
様々な投与方法の検討がなされてはいるが、経口ワクチ
ンは安全性と投与方法の便利さから、その早期開発が最
も望まれている剤形である。
【0003】経口ワクチンの検討は、従来より緩衝剤、
腸溶コーティング錠剤、マイクロパーティクル、ナノパ
ーティクル、アジュバント物質などを用いて行われてき
たが、未だ成功には至っていない(International Journ
al of Pharmaceutics,75, 1(1991)、Journal of Clinica
l Pharmacy and Therapeutics,16,309 (1991))。また、
これら総説においては、オーソドックスな膜組成のリポ
ソームを用いた経口ワクチンへの応用例も紹介されては
いるが、多少の抗体価の上昇は認められたものの、実用
化にはほど遠いことが記されている。
【0004】いずれにしても、従来技術においては、経
口投与後、抗体を効率的に産生せしめる手段はなかった
といえる。
【0005】ホスファチジルセリンで膜を修飾したリポ
ソームを静脈注射した例は知られており(Cancer Resea
rch, 40,4460 (1980))、また、マンノース誘導体または
マンナン誘導体で膜を修飾したリポソームが肝臓や肺に
集積性があるとの報告がある(Biochimica et Biophysic
a Acta 632,562 (1980) 、 病態生理 6, 771 (1985))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生体に経口
投与後、保持した微生物抗原もしくは弱毒化微生物等の
抗原に対する抗体を効率的に産生することができる経口
ワクチンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、抗原と脂質の
複合体である経口投与用ワクチンに関するが、この複合
体は、脂質としてマンノースを結合している糖脂質およ
び/またはホスファチジルセリンである燐脂質を含んで
いることにより経口投与によっても抗体価を上げること
ができる。
【0008】複合体は、抗原である蛋白質や糖蛋白質と
脂質とが疎水結合および/または水素結合により不規則
に配列した集合体である場合と脂質膜構造体である場合
とに分けることができる。
【0009】本発明の脂質膜構造体は広い意味で解釈す
べきであり、脂質を有し脂質が膜を形成している場合ま
たは油成分と水成分が境界として膜を形成している場合
があり、両親媒性脂質の極性基が界面の水相側に向かっ
て配列した膜構造を有する粒子ということもでき、具体
的にはリポソーム、エマルジョンあるいは水溶性ミセル
が例示される。本発明は、この複合体が脂質としてマン
ノースを結合している糖脂質および/またはホスファチ
ジルセリンである燐脂質を含んでいることにより、上記
課題を解決できるとの知見に基づいてなされたのであ
る。
【0010】本発明のワクチンは、場合によっては更に
アジュバント物質が添加されていてもよい。
【0011】ワクチンに使用する抗原はこの分野の研究
者が良く理解しているものであるが、例えば微生物の抗
原もしくは弱毒化微生物としては、インフルエンザウイ
ルスA型、インフルエンザウイルスB型、インフルエン
ザウイルスC型、ロタウイルス、サイトメガロウイル
ス、RSウイルス、アデノウイルス、エイズウイルス
(HIV)、C型肝炎ウイルス、A型肝炎ウイルス、B
型肝炎ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペス
ウイルス1型・2型、ATL(成人型T細胞白血病)ウ
イルス、コクサッキーウイルス、エンテロウイルス、突
発性発疹ウイルス(HHV−6)、麻疹ウイルス、風疹
ウイルス、ムンプス(おたふくかぜ)ウイルス、ポリオ
ウイルス、日本脳炎ウイルス、狂犬病ウイルスなどのウ
イルス類、虫歯連鎖球菌、コレラ菌、インフルエンザ
菌、肺炎球菌、百日咳菌、ジフテリア菌、破傷風菌など
の菌類、クラミジアなどのリケッチア類、マラリア病原
虫などの原虫類等の微生物の蛋白質抗原、もしくはこれ
ら微生物そのものの病原性を弱めた弱毒化微生物等を挙
げることができる。なお、微生物の蛋白質抗原として
は、インフルエンザウイルスの場合には、ヘマグルチニ
ン(HA)やノイラミニダーゼ(NA)の単品もしくは
混合物を、本発明の経口ワクチンに保持させるものとし
て例示することができる。
【0012】これらの抗原は、微生物から加工、精製す
る等の方法で得ることができるが、合成によって得るこ
ともでき、さらに遺伝子工学的に製造することもでき
る。
【0013】また、本発明の経口ワクチンが保持しうる
抗原は、脂質膜構造体の種類によっても異なる。例え
ば、リポソームが保持しうるものとしては特に制限がな
く、水溶性あるいは脂溶性の微生物抗原もしくは弱毒化
微生物等を挙げることができる。またエマルジョンの場
合には脂溶性の抗原を、ミセルの場合には水難溶性の抗
原を保持可能なものとして挙げることができる。
【0014】本発明にかかわるホスファチジルセリンと
しては、大豆、卵黄等の天然物に由来するホスファチジ
ルセリン、これらを水素添加した水素添加ホスファチジ
ルセリン、または、大豆、卵黄等の天然物に由来するホ
スファチジルコリンから半合成により得られるホスファ
チジルセリン、これらを水素添加した水素添加ホスファ
チジルセリン、さらに半合成もしくは全合成のジミリス
トイルホスファチジルセリン、ジパルミトイルホスファ
チジルセリン、ジステアロイルホスファチジルセリン等
が挙げられるが、好ましくは水素添加ホスファチジルセ
リン、ジパルミトイルホスファチジルセリンおよびジス
テアロイルホスファチジルセリンである。
【0015】本発明にかかわるマンノースを結合してい
る糖脂質としては、マンノース残基を有するホスファチ
ジルエタノールアミンの誘導体(Biocheimica et Bioph
ysica Acta, 632 562 (1980)) やコレステロールの誘導
体 (Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,77,4430 (1980)) 、ジ
マンノシルジグリセリド (Biochemical and Biophysica
l Research Communications, 110,140 (1983))、マンノ
ビオース脂肪酸エステル及びアミド(特開平 1-104088
号)、ホスファチジルマンノース等、多糖であるマンナ
ンに脂肪酸やコレステロールが部分的に置換された誘導
体(病態生理、6,771 (1985))等を挙げることができ
る。さらに具体的な化合物としては、4-0-(6-O- エイコ
サノイル- β-D- マンノピラノシル)-D-マンノピラノー
スおよびN-(2-N'-コレステリルカルボキシメチル)カル
バミルメチルマンナンを挙げることができる。
【0016】これら膜成分としての燐脂質(ホスファチ
ジルセリン)および糖脂質は、単品もしくは混合物とし
て、ホスファチジルコリン類(レシチン)、スフィンゴ
ミエリン等の他の膜成分を主体とした脂質膜構造体に添
加すれば良いが、これらのみで脂質膜構造体を形成して
も良い。
【0017】即ち、ホスファチジルセリン類はこれ単独
でもリポソームやエマルジョンを形成することは可能で
あるし、マンノースを結合している糖脂質(マンノビオ
ース脂肪酸エステルやアミド)はこれ単独でエマルジョ
ンやミセルを形成することが可能である。したがって、
本発明においては、本脂質膜構造体に膜成分として用い
られるホスファチジルセリン、マンノースを結合してい
る糖脂質の添加比率は上限においては何ら限定されるも
のではない。下限については、全脂質膜成分に対しモル
分率で1%以上とするのがよく、 5〜50%添加すること
が望ましい。
【0018】他の膜成分としては、ホスファチジルコリ
ン類(レシチン)、例えば、ホスファチジルコリン、大
豆や卵黄等の天然物由来のホスファチジルコリンに水素
添加した水素添加ホスファチジルコリン、半合成もしく
は全合成ジミリストイルホスファチジルコリン、半合成
もしくは全合成ジパルミトイルホスファチジルコリンお
よび半合成もしくは全合成ジステアロイルホスファチジ
ルコリン等や、スフィンゴミエリン等の脂質を挙げるこ
とができる。
【0019】また、他の脂質として荷電脂質を加えてリ
ポソームの物理的安定化を図ることもできる。荷電脂質
の例としては、ジアルキルホスフェート、ジアシルホス
ファチジン酸、ステアリルアミン、ホスファチジルグリ
セロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジ
ルエタノールアミンまたはイオン性界面活性化剤(酸性
または塩基性)を示すことができる。
【0020】さらに、リポソームの物理的および生物学
的安定を図るためにコレステロール等のステロール類を
加えることもある。
【0021】本発明において、場合によっては更にアジ
ュバント物質を添加することもできる。アジュバント物
質としては、例えば、結核菌の細胞壁にあるアジュバン
ト物質の最少有効物質である(N-アセチルムラモイル)-L
-アラニル-D-イソグルタミン(ムラミルジペプチド、M
DP)並びにその誘導体、例えば、6-O-(2-テトラデシ
ルヘキサデカノイル)-N-アセチルムラモイル)-L-アラニ
ル-D-イソグルタミン(B30−MDP)、6-O-(2-テトラ
デシルヘキサデカノイル)-N-アセチルムラモイル)-L-ア
ラニル-D-グルタムアミド(B30−MDPアミド体)、N
2-[(N-アセチルムラモイル)-L-アラニル-D-イソグルタ
ミニール]-N6-ステアロイル-L-リジン(MDP−Lys[L1
8])等を挙げることができる。水溶性であるムラミルジ
ペプチドの場合には、脂質膜構造体としてはリポソーム
が適用でき、リポソームの内水相に保持させれば良い。
このムラミルジペプチドの添加量は何ら限定されるもの
ではなく、水性溶媒への飽和溶解度まで添加可能であ
る。また脂溶性であるムラミルジペプチド誘導体の場合
には、脂質膜構造体としてはリポソーム、エマルジョ
ン、ミセルが適用できる。全脂質膜成分に対する添加比
率は何ら限定されるものではないが、モル分率で0.1 %
以上とするのがよく、 1〜30%添加することが好まし
い。
【0022】本発明のワクチンは、経口投与によって抗
体価をあげ感染を防御することに特徴を有するが、用量
としては成人一人一回当りインフルエンザワクチンで50
μg乃至 5mg、通常は 200μ乃至 2mg である。これを
一回投与するか、または一週間間隔で2回投与するか、
二週間間隔で2回投与するか、三週間間隔で2回投与す
るか、もしくは一か月間隔で2回投与するように応用す
ることもできる。さらに、同様な間隔で3回投与、4回
投与、5回投与、6回投与することもある。通常は単回
投与または一か月間隔での2〜4回投与である。また、
B型肝炎ワクチンの場合には用量としては成人一人一回
当たり20μg 乃至5mg 通常は50μg 乃至2mg である。用
法としては注射用ワクチンと同様に考えることができ
る。これ以外の抗原に対するワクチンに関しても、注射
用のワクチンの同量から20倍量で、用法もこれらに準じ
て適宜投与すれば良い。もちろん、投与される個人の免
疫応答性や年令等に応じて適宜増減する場合があっても
よい。
【0023】本発明で使用するホスファチジルコリン、
ホスファチジルセリンおよびコレステロール等は生体成
分であることから毒性は低いと考えられる。Y.M.Rustum
らが卵黄由来のホスファチジルコリン、ホスファチジル
セリンおよびコレステロールで調製したリポソームの急
性毒性を試験しているが、50% 致死毒性は5.5g/kg 以上
である(Cancer Research 39,1390〜1395 (1979) 参
照)。次に本発明のワクチンの製造法を説明する。
【0024】a)リポソーム型ワクチンの製造法 微生物の抗原もしくは弱毒化微生物そのものと、ホスフ
ァチジルセリン類(レシチン)、スフィンゴミエリン等
の膜成分物質と、ホスファチジルセリン及び/またはマ
ンノースを結合している糖脂質と、場合によっては更に
アジュバント物質とを用いて、公知の方法(例えば、Ann
ual Review of Biophysics and Bioengeneering, 9, 46
7 (1980))に従いリポソームの水分散液を調製する。か
かるリポソームには安定化剤としてコレステロール等の
ステロール類、ジアルキルホスフェート、ジアシルホス
ファチジン酸、ステアリルアミン等の荷電脂質及びα−
トコフェロール等の酸化防止剤を含ませても良い。
【0025】b)エマルジョン型ワクチンの製造法 微生物の抗原もしくは弱毒化微生物そのものと、レシチ
ン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Twe
en) 等の両親媒性物質と、大豆油等の油脂と、ホスファ
チジルセリンおよび/またはマンノースを結合している
糖脂質と、場合によっては更にアジュバント物質とを用
い、公知のエマルジョン調製方法に従ってエマルジョン
を調製する。
【0026】c)ミセル型ワクチンの製造法 微生物の抗原もしくは弱毒化微生物そのものと、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween) 、脂肪
酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のミ
セル形成界面活性物質(ミセル形成臨界濃度以上の濃度
で水性溶媒に加える)と、ホスファチジルセリンおよび
/またはマンノースを結合している糖脂質と、場合によ
っては更にアジュバント物質とを用い、公知のミセル調
製方法に従ってミセルの水分散液を調製する。
【0027】
【発明の効果】本発明の経口ワクチンは、生体に経口投
与後、保持した抗原に対する抗体を効率的に産生せしめ
るものである。したがって、従来経口では吸収されず、
その抗体産生が不可能であった微生物抗原もしくは弱毒
化微生物の経口ワクチンを可能ならしめたのである。
【0028】
【実施例】本発明を、微生物の蛋白質抗原のモデルとし
て牛血清アルブミン(BSA)並びにインフルエンザウ
イルス抗原およびB型肝炎ウイルス抗原を用いて実施例
及び試験例により説明するが、本発明はこれによって限
定されるものではない。なお、実施例において、脂質膜
構造体に封入されることなく、脂質膜構造体と遊離して
抗原蛋白の存在する場合あるいは別な形の複合体が存在
することもあるが、必要に応じてこれを超遠心分離法、
ゲル濾過法等の操作により除去して用いても、除去せず
に用いてもかまわない。
【0029】実施例1〜4:牛血清アルブミン(BSA) を
保持したリポソーム型経口ワクチン a)BSA封入リポソームの調製 膜組成比がジステアロイルホスファチジルコリン(DSP
C):水素添加ホスファチジルセリン (H-PS):コレステ
ロール (Chol) =1:1:2(モル比)からなる脂質160mg
に、クロロホルム:メタノール=9:1 混液を20ml加えて
溶解し、ロータリーエバポレーターを用いて37℃で加温
しながら溶媒を留去した。更に真空下で2時間乾燥し、
リピドフィルムを調製した。これに生理食塩液に溶解し
たそれぞれの濃度のBSA(表1参照)を 4ml加え、ボ
ルテックスミキサーで50℃、10分間の撹拌を行い、多重
層リポソーム (MLV 、multilamellar vesicle) を調製し
た。引きつづき、遠心分離(35,000 ×g、 4℃、20分)
を行い、上清を除去し、沈澱物に生理食塩液4ml を加え
て再懸濁した。この遠心分離操作を3回繰り返し、遊離
のBSAを除去した。このように調製したリポソーム懸
濁液を0.1 μmのポリカーボネート製メンブランフィル
ターを用いて3リットルの生理食塩液に対して12時間
透析を行い、粒子径が0.1 μm以下のリポソームを除去
して、最終的に表1右に示すBSA封入リポソーム型経
口ワクチンとした。
【0030】
【表1】
【0031】最終リポソーム懸濁液:DSPC/H-PS/Chol=
54.4/51.2/54.4 (mg) マウス1匹あたり1回 0.5ml投与するので、脂質投与量
は10μmol、BSA投与量は50μg(実施例1)〜400 μ
g (実施例4)となる。
【0032】b)免疫試験 調製したBSA封入リポソーム懸濁液もしくは対照例と
してのBSA単独水溶液(BSA投与量をリポソーム群
と一致させた)を表2に示すスケジュールに従い、胃ゾ
ンデを用いてBALB/cマウス(雄、7週齢)に1回
あたり0.1ml ずつ経口投与した(1群6匹)。血中及び
唾液中の抗体価を測定するために、血液は眼窩採血によ
り採取し、唾液は、マウスに12mg/ml のペントバルビタ
ールを0.1ml腹腔内投与して麻酔し、0.2mg/mlピロカル
ピンを腹腔内投与した後、パスツールピペットを口内に
挿入し採取した。
【0033】
【表2】
【0034】c)抗体価測定 血清中のIgG、IgA及び唾液中のIgA抗体価は下
に示すELISA法を用いて測定した。
【0035】[ELISA法]炭酸緩衝液(pH 9.4)に溶
解した 100μg/mlのBSAをマイクロプレートの各ウエ
ルに50μl ずつ加え、4℃で一夜放置し抗原であるBS
Aをマイクロプレートに固定した後、0.05%のTween 20
を含むリン酸緩衝液(PBST) 100μl/wellで3回洗浄し余
分なBSAを除去する。次に、3%スキムミルクでブロ
ッキングを行い、PBSTで3回洗浄し余分なスキムミ
ルクを除去した後、マウスから採取した血清をPBST
で倍倍希釈したものを50μl/wellずつ加え、25℃で2時
間インキュベーションする。PBST 100μl/wellで3
回洗浄して血清を除去し、500ng/mlの濃度の抗マウス抗
体IgG、あるいはIgAコンジュゲート・ホースラデ
イッシュ・パーオキシダーゼ50μl を各ウエルに加え、
25℃で2時間インキュベーションする。PBST 10
0 μl/well で3回洗浄し、余分な抗マウス抗体を除去
し、0.015 %過酸化水素を含む2,2'-アジノ−ビス(3-エ
チルベンズチアゾリン-6-スルホン酸)(500ng/ml)を50
μl/well加え、37℃で20分間インキュベーション後、マ
イクロプレートリーダーで405nm における吸光度を測定
する。抗体価(antibody titer)は、吸光度が血清では0.
2、唾液では0.1 を越える最大の希釈倍率を 2nとし、l
og22n で表す。
【0036】d)試験結果 表2に示すスケジュールで試験した時の血清中IgG、
IgA抗体価並びに唾液中のIgA抗体価を表3−1〜
4及び表4−1〜3に示す。試験例1の5日間連続投与
の場合(表3−1〜4)、対照例のBSA水溶液経口投
与群では血清中IgG抗体価は若干の上昇傾向が認めら
れたものの、実施例の経口ワクチン投与群の方が明らか
にその抗体価の上昇は大きかった。また血清中IgA抗
体価については、BSA水溶液群では投与量を増加させ
ても全くその変化が認められなかったが、経口ワクチン
投与群では確実な抗体価の上昇を認めることができた。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】試験例2の1週間ごと5回投与の場合(表
4−1〜3)の結果は以下の通りであった。即ち、対照
例のBSA水溶液経口投与群では、血清中IgG抗体価
は試験例1と同様の若干の上昇傾向しか認められず、投
与方法に基づく差も特に認められなかった。これに対し
て、実施例のリポソーム経口投与群では、試験例2の投
与スケジュールの方が更にその抗体価が上昇する傾向が
認められ、対照のBSA水溶液群と比較して明らかに抗
体価が高かった。また血清中IgA抗体価については、
BSA水溶液群では、試験例1と同様、投与量を増加さ
せても全くその変化が認められなかったが、リポソーム
投与群では確実な抗体価の上昇を認めることができた。
唾液中IgA抗体価についても、BSA水溶液投与群に
比べ、明らかにリポソーム投与群の方が高い価が得られ
た。
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】
【表9】
【0045】以上から、モデル抗原として牛血清アルブ
ミン(BSA)を用いて製造された本発明のワクチン
は、経口投与することにより、生体に対して効率的に抗
体を産生せしめることが明らかとなった。
【0046】実施例5〜8: a)インフルエンザHA抗原封入リポソーム型経口ワク
チンの調製 膜組成比がジステアロイルホスファチジルコリン(DSP
C):水素添加ホスファチジルセリン(H-PS):コレステロ
ール(Chol)=1:1:2(モル比)からなる脂質160mgに、ク
ロロホルム:メタノール=9:1混液を20ml加えて溶解
し、ロータリーエバポレーターを用いて37℃で加温しな
がら溶媒を留去する。更に真空下で2時間乾燥し、リピ
ドフィルムを調製する。これにリン酸緩衝化生理食塩液
(PBS、pH7.4)に分散したそれぞれの濃度のインフル
エンザHA抗原(表5参照)を4ml 加え、ボルテックス
ミキサーで10分間の撹拌を行い、多重層リポソーム(ML
V、multilamellar vesicle) を調製する。最終的には、
これらをPBSにより3.5 倍希釈して、表5右に示すイ
ンフルエンザHA抗原封入リポソーム型経口ワクチンと
する。
【0047】
【表10】
【0048】最終リポソーム懸濁液:DSPC/H-PS/Chol=
54.4/51.2/54.4 (mg) マウス1匹あたり1回0.5ml 投与するので、脂質投与量
は10μmol 、HA抗原投与量は10μg (実施例5)〜80
μg (実施例8)となる。
【0049】b)免疫試験 調製したインフルエンザHA抗原入リポソーム懸濁液も
しくは対照例としてのHA抗原単独のPBS液(HA抗
原投与量をリポソーム群と一致させる)を表6に示すス
ケジュールに従い、胃ゾンデ用いてBALB/cマウス
(雄、7週齢に1回あたり0.5ml ずつ経口投与する(1
群6匹)。血中及び唾液中の抗体価を測定するために、
血液は眼窩採血により採取し、唾液は、マウスに12mg/l
のペントバルビタールを0.1ml 腹腔内投与して麻酔し、
0.2mg/mlピロカルピンを腹腔内投与した後、パスツール
ピペットを口内に挿入し採取する。
【0050】
【表11】 試験例3のHA抗原投与量:10、20、40、80 μg/1回/マ
ウス
【0051】c)抗体価測定 血清中のIgG、IgA及び分泌型のIgA抗体価の測
定は、BSA封入リポソーム型ワクチンの場合と同様に
行い、HA抗原封入リポソームの抗体価の上昇が優れて
いることが認められる。
【0052】実施例9〜11: a)インフルエンザウイルス抗原またはB型肝炎ウイル
ス抗原封入リポソーム型経口ワクチンの調製 ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)19.3mg、コ
レステロール(Chol)19.3mgおよび水素添加大豆ホスファ
チジルセリン(HSPS) 18.2mg にクロロホルム:メタノー
ル混液(9:1 体積比) を50ml加えて溶解し、ロータリー
エバポレーターを用いて50℃に加温しながら溶媒を留去
した。次いで真空下で2時間乾燥しリピドフィルムを調
製した。これにリン酸緩衝化生理食塩液(PBS)に懸
濁した抗原(表7参照)を 2ml加え、ボルテックスミキ
サーで50℃、10分間撹拌した。これを50℃に加温しつ
つ、孔径0.6 μのポリカーボネート製メンブランフィル
ターで2回加温濾過し、多重層リポソームを調製した。
【0053】
【表12】
【0054】得られたリポソーム型経口ワクチンの粒子
径を準弾性光散乱法(ダイナミック光散乱計DLS-700、
大塚電子株式会社製)により測定した。結果を表8に示
す。抗原蛋白の不在下で調製したリポソームを対照例と
した。
【0055】
【表13】
【0056】これらの経口ワクチンの形態をネガティブ
染色法により染色し、透過型電子顕微鏡観察を行った。
実施例と対照例ともリポソームとしての形態をしている
ことを確認した。
【0057】ホスファチジルセリンとして、水素添加卵
黄ホスファチジルセリン、ジミリストイルホスファチジ
ルセリン、ジミリストイルホスファチジルセリン、ジパ
ルミトイルホスファチジルセリン、ジステアロイルホス
ファチジルセリンもしくは牛脳由来のホスファチジルセ
リンを用いた経口ワクチンも同様に調製できる。
【0058】実施例12:4-0-(6-O-エイコサノイル-
β-D- マンノピラノシル)-D-マンノピラノース 6.4mg、
ジステアロイルホスファチジルコリン 32.0mg、コレステ
ロール 19.3mg、ジセチルホスフェート 5.5mgを、抗原と
してA/PR/8(H1N1)由来のインフルエンザウイルス不活化
抗原(2mg/ml)を2ml 用いて実施例9と同様にして多重層
リポソームを調製した。
【0059】実施例13:膜成分にマンナン誘導体を含
有する経口ワクチンの調製 ジステアロイルホスファチジルコリン32.0mg、コレステ
ロール19.3mgおよびジセチルリン酸5.5mg を、抗原とし
てA/PR/8(H1N1)由来のインフルエンザウイルス不活化抗
原(2mg/ml)を2ml 用いて実施例9と同様にして多重層リ
ポソームを調製した。
【0060】PBS10mlにN-(2-N'-コレステリルカルボ
キシアミノメチル)カルボキシメチルマンナン 10.0mg
を溶解し、これを上記のリポソーム懸濁液に加え、液温
を20℃に保ちながら2時間攪拌し、膜成分にマンナン誘
導体を含有するリポソーム型経口ワクチンを得た。
【0061】実施例12および13で得た経口ワクチン
の粒子径を前記と同様にして測定した。重量平均粒子径
±標準偏差(nm)は実施例12が443.7 ±208 (nm)実施例
13が450.7 ±211 (nm)であった。また、透過型電子顕
微鏡観察を同様に行ってリポソームとしての形態を取っ
ていることを確認した。
【0062】マンノース誘導体として、マンノース残基
を有するホスファチジルエタノールアミンの誘導体、マ
ンノース残基を有するコレステロールの誘導体、ジマン
ノシルジグリセリド、ホスファチジルマンノースを用い
る経口ワクチンも同様に調製できる。
【0063】実施例14:膜成分にマンノース誘導体ま
たはマンナン誘導体およびホスファチジルセリンを含有
する経口ワクチンの調製 水素添加大豆ホスファチジルセリン20.0mg、ジステアロ
イルホスファチジルコリン20.0mgおよびコレステロール
19.3mgを用いて実施例9と同様にして多重層リポソーム
を製した。
【0064】N-(2-N'-コレステリルカルボキシメチル)
カルバミルメチルマンナン10.0mgをPBS 10 mlに溶解
し、これを上記のリポソーム懸濁液中に添加し、液温を
20℃に保ちながら、2時間撹拌し経口ワクチンを得た。
【0065】得た経口ワクチンの重量平均粒子径±標準
偏差は476.9 ±206 (nm)であった。また、透過型電子顕
微鏡観察によりリポソームとしての形態を取っているこ
とを確認した。
【0066】実施例15: a)アジュバント物質を添加した経口ワクチンの調製 (6-O-(2-テトラデシルヘキサデカノイル)-N-アセチルム
ラモイル)-L-アラニル-D-グルタミン 10mg 、水素添加
大豆ホスファチジルセリン20.0mg、ジステアロイルホス
ファチジルコリン20.0mgおよびコレステロール19.3mgを
実施例9と同様に処理し多重層リポソームを調製した。
重量平均粒子径±標準偏差は461.2 ±210 (nm)であっ
た。また、透過型電子顕微鏡観察によりリポソームとし
ての形態を取っていることを確認した。
【0067】アジュバント物質として、(6-O-(2-テトラ
デシルヘキサデカノイル)-N-アセチルムラモイル)-L-ア
ラニル-D-グルタムアミドおよびN2-[N-アセチルムラモ
イル)-L-アラニル-D-イソグルタミニール]-N6-ステアロ
イル-L-リジンを用いて同様に経口ワクチンを調製でき
る。
【0068】b)免疫試験 実施例9で得たインフルエンザウイルス不活化抗原(ina
ctivated whole virusparticles、0.05%ホルマリンで固
定)入りリポソーム懸濁液を表9に示すスケジュールに
従い、マウス用胃ゾンデを用いてBALB/cCr Slcマウス
(雌、7週齢)に1回あたり0.2ml ずつ経口投与した
(1群5匹)。免疫投与開始3週後(21または22日)に
各群のマウスから血清および腸管洗浄液を採取し、それ
らの投与した抗原に特異的なIgGおよびIgA抗体価
をELISAを用いて測定した。
【0069】血清および腸管洗浄液の調製は以下の手
順、手法を用いた。エーテル麻酔下、マウスの腋下静脈
を切断し採血した。得た血液は3000rpm で10分間遠心し
て血清分離し、抗体測定に供した。採血後、同一マウス
を開腹し、腸を摘出し、回腸と盲腸の結合部で腸を切断
した。胃、十二指腸結合部から25針付き注射筒(10ml
用) でサンプリング液(ELISAmate: KPL社のDiluent/
BlokingSolution) 5ml をゆっくり注入し、回腸末端部
から出てくる腸管洗浄液をシャーレに受けた。その洗浄
液を2000rpm で10分間遠心後、上清を抗体測定に供し
た。各サンプルは測定時まで-20 ℃に保存した。
【0070】
【表14】
【0071】c)抗体価測定 血清中および腸管洗浄液の、投与した抗原に特異的なI
gGおよびIgA抗体価測定は、KPL社 (Kirlegaard
& Perry Lab.Inc.)のELISA測定用キット(ELISAma
te) を用い、そのプロトコールに記載してある方法に準
じておこなった。
【0072】その結果、血清中に抗原に特異的なIg
A、Ig Gの産生が、腸管洗浄液中にIg Aの産生が認
められた。
【0073】[ELISA法]コーティング緩衝液に溶
解した2.5 μg/mlの抗原を96穴マイクロプレートの各ウ
エルに50μlずつ加え、室温で1時間静置し、抗原をマ
イクロプレートに固定する。各ウエルの液を捨て、ペー
パータオル上でプレートを良くはたいて完全に液を除去
した後、ブロッキング液100 μl ずつを各ウエルに加
え、室温で5分間静置する。ウエルの液を除去後、マウ
スから調製した、血清および腸管洗浄液の2倍段階希釈
液各50μl ずつを各ウエルに加え、室温で1時間静置す
る。ウエルの液を除去後、洗浄液 200〜300 μl で4回
洗浄を繰り返す。ウエルの液を除去後、ペルオキシダー
ゼ標識抗マウスIgG(γ)抗体あるいはペルオキシダ
ーゼ標識抗マウスIgA(α)抗体の200 倍希釈液、50
μl ずつを各ウエルに加え、室温で1時間静置する。ウ
エルの液を除去し、 200〜300 μl の洗浄液で4回洗浄
後、洗浄液でウエルを満たし、室温でさらに5分間静置
する。ウエルの液を除去後、ペルオキシダーゼ基質溶液
50μl ずつを各ウエルに加え、室温で20分静置後、ペル
オキシダーゼ反応停止液50μl ずつを各ウエルに加えて
反応を停止し、プレートミキサーで撹拌する。各ウエル
の405nm における吸光度をELISA READER(Multiskan PLU
S: Titertek社)で測定する。抗体価は、同時に測定す
る標準サンプル(抗体価が既知のサンプル) の各希釈で
の吸光度を式1に示すlogit-log変換式でYを求め、縦
軸にlogit Y を横軸に抗体価の対数値をプロットし、標
準直線を引き、その標準直線を基に、 各サンプルの抗体
価を算出する。
【0074】
【式1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/24 D 7433−4C 47/36 D 7433−4C (72)発明者 菊池 寛 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センタ−内 (72)発明者 谷内 清人 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センタ−内 (72)発明者 池内 澄 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センタ−内

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗原と脂質からなる複合体であって、脂
    質としてマンノースを結合している糖脂質および/また
    はホスファチジルセリンである燐脂質を含んでいること
    を特徴とする経口投与用ワクチン
  2. 【請求項2】 複合体が脂質膜構造体である請求項1の
    経口投与用ワクチン
  3. 【請求項3】 脂質膜構造体がリポソームである請求項
    2の経口投与用ワクチン
  4. 【請求項4】 脂質膜構造体がエマルジョンである請求
    項2の経口投与用ワクチン
  5. 【請求項5】 脂質膜構造体がミセルである請求項2の
    経口投与用ワクチン
  6. 【請求項6】 マンノースを結合している糖脂質が、4-
    0-(6-O-エイコサノイル-β-D-マンノピラノシル)-D-マ
    ンノピラノースまたはN-(2-N'-コレステリルカルボキシ
    メチル)カルバミルメチルマンナンである請求項1乃至
    請求項5の経口投与用ワクチン
  7. 【請求項7】 膜成分としてマンノースを結合している
    糖脂質および/またはホスファチジルセリンである燐脂
    質のほかに更に他の脂質を含有することを特徴とする請
    求項2乃至請求項6の経口投与用ワクチン
  8. 【請求項8】 他の脂質が大豆由来もしくは卵黄由来の
    ホスファチジルコリン、水素添加ホスファチジルコリ
    ン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミト
    イルホスファチジルコリンまたはジステアロイルホスフ
    ァチジルコリンであるホスファチジルコリン類および/
    または荷電脂質類および/またはスフィンゴミエリン類
    である請求項7の経口投与用ワクチン
  9. 【請求項9】 他の脂質が荷電脂質である請求項7また
    は請求項8の経口投与用ワクチン
  10. 【請求項10】 荷電脂質がジアルキルホスフェート、
    ジアシルホスファチジン酸、ステアリルアミン、ホスフ
    ァチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、
    ホスファチジルエタノールアミンまたはイオン性界面活
    性化剤である請求項9の経口投与用ワクチン
  11. 【請求項11】 脂質が大豆由来ホスファチジルコリ
    ン、卵黄由来ホスファチジルコリン、水素添加ホスファ
    チジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリンも
    しくはジパルミトイルホスファチジルコリン、およびホ
    スファチジルセリン、場合によっては更にコレステロー
    ルである請求項1乃至請求項10の経口投与用ワクチン
  12. 【請求項12】 抗原が微生物の抗原もしくは弱毒化微
    生物である請求項1乃至請求項11の経口投与用ワクチ
  13. 【請求項13】 抗原がインフルエンザウイルス抗原、
    A型肝炎ウイルス抗原、B型肝炎ウイルス抗原またはC
    型肝炎ウイルス抗原である請求項1乃至請求項12の経
    口投与用ワクチン
  14. 【請求項14】 抗原がインフルエンザヘマグルチニン
    である請求項1乃至請求項13の経口投与用ワクチン
  15. 【請求項15】 抗原と脂質のほかにアジュバント物質
    が添加された請求項1乃至請求項14の経口投与用ワク
    チン
  16. 【請求項16】 アジュバント物質がムラミルジペプチ
    ド(MDP)の誘導体であるる請求項15の経口投与用
    ワクチン
  17. 【請求項17】 アジュバント物質が(N-アセチルムラ
    モイル)-L-アラニル-D-イソグルタミン、6-O-(2-テトラ
    デシルヘキサデカノイル)-N-アセチルムラモイル)-L-ア
    ラニル-D-イソグルタミン、6-O-(2-テトラデシルヘキサ
    デカノイル)-N-アセチルムラモイル)-L-アラニル-D-グ
    ルタムアミドまたはN2-[(N- アセチルムラモイル)-L-ア
    ラニル-D-イソグルタミニール]-N6-ステアロイル-L-リ
    ジンである請求項15乃至請求項16の経口投与用ワク
    チン
  18. 【請求項18】 抗原と脂質からなる複合体であって、
    脂質としてマンノースを結合している糖脂質および/ま
    たはホスファチジルセリンである燐脂質を含んでいる経
    口投与用ワクチンを経口投与し、投与された個体の免疫
    性を上げる方法
  19. 【請求項19】 複合体が脂質膜構造体である請求項1
    8の方法
  20. 【請求項20】 脂質膜構造体がリポソームである請求
    項18の方法
  21. 【請求項21】 脂質膜構造体がエマルジョンである請
    求項18の方法
  22. 【請求項22】 脂質膜構造体がミセルである請求項1
    8の方法
  23. 【請求項23】 マンノースを結合している糖脂質が、
    4-0-(6-O-エイコサノイル-β-D-マンノピラノシル)-D-
    マンノピラノースまたはN-(2-N'-コレステリルカルボキ
    シメチル)カルバミルメチルマンナンである請求項18
    乃至請求項22の方法
  24. 【請求項24】 膜成分としてマンノースを結合してい
    る糖脂質および/またはホスファチジルセリンである燐
    脂質のほかに更に他の脂質を含有する脂質膜構造体であ
    る請求項18乃至請求項23の方法
  25. 【請求項25】 他の脂質が大豆由来ホスファチジルコ
    リン、卵黄由来のホスファチジルコリン、水素添加ホス
    ファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリ
    ン、ジパルミトイルホスファチジルコリンまたはジステ
    アロイルホスファチジルコリンであるホスファチジルコ
    リン類および/または荷電脂質類および/またはスフィ
    ンゴミエリン類である請求項24の方法
  26. 【請求項26】 他の脂質が荷電脂質である請求項24
    または請求項25の方法
  27. 【請求項27】 荷電脂質がジアルキルホスフェート、
    ジアシルホスファチジン酸、ステアリルアミン、ホスフ
    ァチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、
    ホスファチジルエタノールアミンまたはイオン性界面活
    性化剤である請求項25または請求項26の方法
  28. 【請求項28】 脂質が大豆由来ホスファチジルコリ
    ン、卵黄由来ホスファチジルコリン、水素添加ホスファ
    チジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリンも
    しくはジパルミトイルホスファチジルコリン、およびホ
    スファチジルセリン、場合によっては更にコレステロー
    ルである請求項18または請求項19の方法
  29. 【請求項29】 抗原が微生物の抗原もしくは弱毒化微
    生物である請求項18乃至請求項28の方法
  30. 【請求項30】 抗原がインフルエンザウイルス抗原、
    A型肝炎ウイルス抗原、B型肝炎ウイルス抗原またはC
    型肝炎ウイルス抗原である請求項18乃至請求項29の
    方法
  31. 【請求項31】 抗原がインフルエンザヘマグルチニン
    である請求項18乃至請求項30の方法
  32. 【請求項32】 抗原と脂質のほかにアジュバント物質
    が添加されている請求項18乃至請求項31の方法
  33. 【請求項33】 アジュバント物質ががムラミルジペプ
    チド(MDP)の誘導体であるる請求項32の方法
  34. 【請求項34】 アジュバント物質が(N-アセチルムラ
    モイル)-L-アラニル-D-イソグルタミン、6-O-(2-テトラ
    デシルヘキサデカノイル)-N-アセチルムラモイル)-L-ア
    ラニル-D-イソグルタミン、6-O-(2- テトラデシルヘキ
    サデカノイル)-N-アセチルムラモイル)-L-アラニル-D-
    グルタムアミドまたはN2-[(N-アセチルムラモイル)-L-
    アラニル-D-イソグルタミニール]-N6-ステアロイル-L-
    リジンである請求項32乃至請求項33の方法
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