JPH05336941A - 食品用保存剤及び保存法 - Google Patents

食品用保存剤及び保存法

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JPH05336941A
JPH05336941A JP27928592A JP27928592A JPH05336941A JP H05336941 A JPH05336941 A JP H05336941A JP 27928592 A JP27928592 A JP 27928592A JP 27928592 A JP27928592 A JP 27928592A JP H05336941 A JPH05336941 A JP H05336941A
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品用保存剤及び食品の保存法を提供する。 【構成】 リゾチームとアラニンとを含有する食品用保
存剤ならびにリゾチームとアラニンとL−シスチン及び
(又は)フマル酸を含有する食品用保存剤ならびにそれ
ら保存剤を含有させる食品の保存法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品に対して優れた静
菌効果を有する食品用保存剤及び食品の保存法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より食品の保存剤、静菌剤として、
リゾチーム、またはリゾチームに低級脂肪酸モノグリセ
ライド、グリシン、没食子酸、ε−ポリリシン、シスチ
ン等を組み合わせると食品保存効果が増強されることが
報告されている。
【0003】本発明者らは既にグリシン、シスチン、シ
ステイン、インベルターゼ、ビタミンB1 等と、リゾチ
ームに代表される微生物細胞壁溶菌酵素とを添加する飲
食品の保存方法を発明した。(特公昭54−786
0)。また、その他にも例えば、リゾチームと脂肪酸グ
リセライド及びグリシンとを含有する食品保存剤(特開
平2−31666)、及びリゾチーム、没食子酸、フィ
チン若しくはベタインとε−ポリリシンを組み合わせた
食品保存剤(特公平2−28314)等がある。
【0004】しかしながら、グリシンにはえぐ味といわ
れる特有の異味があり、グリシンを添加すると食品の味
が悪くなってしまうという問題があった。また、グリシ
ンは褐変反応が早く起こるので褐変の進行が早いという
欠点があった。
【0005】その他の食品保存剤は、乳酸菌あるいは枯
草菌が品質劣化の原因となる食品に対しては、保存効果
が少ないという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、乳酸菌あるいは枯草菌が品質劣化の原因となる食
品、例えば、食肉加工品、食肉総菜類、水産練製品、漬
物、麺類、カスタードクリーム、ソフトクリーム等の食
品類に対して優れた保存効果を発揮し、かつ食品の味に
悪い影響を与えない保存剤及び保存方法を開発すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記食品
類を腐敗させる原因である乳酸菌のロイコノストック・
ラクティス(Leuconostoc Lactis)、ロイコノストック・
メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides) 及び一
般生菌に対して有効な食品用保存剤及び保存法の研究を
重ねたところ、リゾチームとアラニンとの組み合わせが
強い静菌効果を示すことを見出した。
【0008】更に本発明者等は、リゾチーム及びアラニ
ンに、L−シスチン又はフマル酸を加えることにより、
保存効果が増強されることを見出した。
【0009】更にまた、本発明者等は、リゾチーム及び
アラニンに、L−シスチン及びフマル酸を組み合わせる
ことにより、保存効果が増強されることも見出した。
【0010】本発明の対象となる食品は、任意である
が、とりわけ、食肉加工品、食肉総菜類、水産練製品、
漬物、麺類、カスタードクリーム、ソフトクリーム等を
あげることができる。
【0011】本発明を実施するにあたっては、通常の方
法でリゾチーム及びアラニンを配合する。またはリゾチ
ーム、アラニン及びL−シスチンを配合するか、若しく
はリゾチーム、アラニン及びフマル酸を配合する。また
はリゾチーム、アラニン、L−シスチン及びフマル酸を
組み合わせて配合する。
【0012】リゾチーム、アラニン、L−シスチン、フ
マル酸の配合量としては、リゾチーム0.0005 〜0.05
重量%、アラニン0.1〜1.0重量%、L−シスチン0.0
02〜0.2重量%、フマル酸0.01〜0.15重量%の範囲
内での組み合わせが好適である。
【0013】最小用量としてのリゾチーム0.0005 重量
%、アラニン0.1重量%、L−シスチン0.002重量%、
フマル酸0.01重量%は防菌効果を示す最小濃度であ
る。
【0014】最大用量としてのリゾチーム0.05重量%
は、それ以上投与量を増加しても効果増強が生じない量
であり、アラニン1.0重量%はそれ以上投与すると、む
しろ呈味性を強く感じるようになり好ましくない。
【0015】L−シスチンは0.2重量%以上投与すると
十分な溶解性が得られない。また、フマル酸は0.15 重
量%以上投与するとpH(約5.8)が下がり、加熱凝固さ
せる食品においては、十分に凝固しなくなる。
【0016】リゾチーム及びアラニンの投与量の範囲を
配合比率で示すと、リゾチーム、アラニン=1:2〜2
000の割合となる。またリゾチーム、アラニン及びL
−シスチンはリゾチーム:アラニン:L−シスチン=
1:2〜2000:0.04 〜400、リゾチーム、アラ
ニン及びフマル酸ではリゾチーム:アラニン:フマル酸
=1:2〜2000:0.2〜300の割合となる。ま
た、リゾチーム、アラニン、L−シスチン及びフマル酸
は1:2〜2000:0.04 〜400:0.2〜300の
比率が好適である。
【0017】なお、本発明の実施にあたっては、本発明
に示す保存剤組成物と共に、乳糖、デキストリン及び塩
等を食品に添加してもよい。
【0018】
【実施例】次に実施例、比較例及び実験例を示し、本発
明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの例のみ
に限定されるものではない。
【0019】実施例1 下記の材料にリゾチーム0.0006 重量%及びアラニン
0.15 重量%を練り込み、1本当り20〜25gのソー
セージを4本作成する。そして中心温度71℃以上で3
0分間ボイルした後、個別に包装し10℃で保存した。
【0020】ソーセージ配合 豚肉赤身 650g 脂身 350g 水 250g 食塩 17g 亜硝酸ナトリウム 0.13 g
【0021】初発菌数並びに、保存5、10及び15日
目の菌数を調べた結果、初発菌数:<102 、保存5日
目菌数:<102 、保存10日目菌数:<102 、保存
15日目菌数:4.4×103 となり、保存10日目まで
の菌数に変化なく、良好な保存効果を示すことがわかっ
た。
【0022】実施例2 実施例1と同様のソーセージ材料及び配合に、リゾチー
ム0.0006 重量%、アラニン0.15 重量%及びL−シス
チン0.003重量%を練り込み、ソーセージを作成した。
実施例1と同様の方法でボイル、保存日数及び、菌数を
調べた結果、初発菌数:<102 、保存5日目菌数:<
102 、保存10日目菌数:<102 、保存15日目菌
数:2.6×103 となった。保存10日目までの菌数に
変化はなく、良好な保存効果を示した。
【0023】実施例3 実施例1と同様のソーセージ材料及び配合に、リゾチー
ム0.0006 重量%、アラニン0.15重量%及びフマル酸
0.03重量%を練り込み、ソーセージを作成した。そし
て実施例1と同様の方法でボイル、保存日数及び、菌数
を調べた結果、初発菌数:<102 、保存5日目菌数:
<102 、保存10日目菌数:<102、保存15日目
菌数:2.2×103 となった。保存10日目までの菌数
に変化はなく、良好な保存効果を示した。
【0024】実施例4 実施例1と同様のソーセージ材料及び配合に、リゾチー
ム0.0006 重量%、アラニン0.15 重量%、L−シスチ
ン0.003重量%及びフマル酸0.03 重量%を練り込み、
ソーセージを作成した。そして実施例1と同様の方法で
ボイル、保存日数及び、菌数を調べた結果、初発菌数:
<102 、保存5日目菌数:<102 、保存10日目菌
数:<102 、保存15日目菌数:3.8×103 となっ
た。保存10日目までの菌数に変化はなく、良好な保存
効果を示した。
【0025】比較例 リゾチーム0.0006 重量%のみを使用し、実施例1と同
様の方法でソーセージを作成し、菌数を調べた結果、保
存5日目まででは初発菌数の増加は見られなかったけれ
ども、保存10日目では1.3×103 、保存15日目で
は3.9×106と菌数の増加が見られた。このことは、
リゾチームにアラニン、L−シスチンおよび(または)
フマル酸を加えることにより保存日数に延長が見られる
ことを実証するものである。
【0026】次に本発明の効果を実験例にて示す。
【0027】実験例1 乳酸菌に対する最小発育阻止濃
度 リゾチーム、リゾチーム+アラニン、リゾチーム+アラ
ニン+L−シスチン、リゾチーム+アラニン+フマル
酸、リゾチーム+アラニン+L−シスチン+フマル酸の
配合剤の乳酸菌に対する最小増殖阻止濃度の測定を行っ
た。
【0028】試験方法 試験は、定法の液体培地による2倍希釈法により行っ
た。
【0029】製剤中配合比率はリゾチーム0.2%、アラ
ニン50.0%、フマル酸10.0%、L−シスチン1.0%
とし、残部はデキストリンであり、リゾチーム、リゾチ
ーム+アラニン、リゾチーム+アラニン+L−シスチ
ン、リゾチーム+アラニン+フマル酸、リゾチーム+ア
ラニン+L−シスチン+フマル酸の配合物について添加
試験を行った。薬剤濃度は各配合物について0.5%、
0.25 %、0.125%、0.063%及び0%の5段階で行っ
た。
【0030】使用菌株はロイコノストック・ラクティス
(Leuconostoc Lactis)IFO12455である。
【0031】試験用培地として、ブドウ糖、硫酸マグネ
シウム、ペプトン培地(pH7.0)を用い、37℃で4
8時間インキュベートした。菌数測定用培地としては、
BCP添加プレートカウント培地を用い、37℃で48
時間インキュベートし、菌数をカウントした。
【0032】試験結果 試験結果を表1に示す。表中の数字は菌数を示す。
【0033】
【表1】
【0034】結果 リゾチーム単独では、0.5%の濃度で静菌効果は認めら
れなかった。
【0035】リゾチームとアラニンとを配合した場合の
最小増殖阻止濃度は、0.25 %と低く、乳酸菌に対する
抗菌活性が高いことを示している。
【0036】また、リゾチーム、アラニン及びL−シス
チンを配合した場合、及び、リゾチーム、アラニン及び
フマル酸を配合した場合における最小増殖阻止濃度は、
それぞれ0.125%となって、更に抗菌活性が増強される
ことを示している。
【0037】更にまた、リゾチーム、アラニン、L−シ
スチン及びフマル酸を配合した場合には、最小増殖阻止
濃度は0.063%となり一段と強力な抗菌活性を示した。
【0038】実験例2 枯草菌に対する最小増殖阻止濃
度 リゾチーム、リゾチーム+アラニン、リゾチーム+アラ
ニン+L−シスチン、リゾチーム+アラニン+フマル
酸、リゾチーム+アラニン+L−シスチン+フマル酸の
配合剤について、乳酸菌に対する最小増殖阻止濃度の測
定を行った。
【0039】使用菌株はバチルス・ズブチリス(Bacillu
s subtilis) TOA303Bである。
【0040】試験は実験例1と同様な方法、製剤の配合
割合および培地を使用して行った。
【0041】試験結果 試験結果を表2に示す。表中の数字は菌数を示す。
【0042】
【表2】
【0043】結果 リゾチーム単独では0.5%の濃度で静菌効果は認められ
なかった。
【0044】リゾチームとアラニンとを配合した場合の
最小増殖阻止濃度は、0.5%を示し、枯草菌に対する抗
菌活性が認められた。
【0045】また、リゾチーム、アラニン及びL−シス
チンを配合した場合、及びリゾチーム、アラニン及びフ
マル酸を配合した場合における最小増殖阻止濃度はそれ
ぞれ0.25 %となって更に抗菌活性が増強されることを
示している。
【0046】更にまた、リゾチーム、アラニン、L−シ
スチン及びフマル酸を配合した場合には、最小増殖阻止
濃度は0.125%となり、一段と強力な抗菌活性を示し
た。
【0047】次にグリシンとアラニンとが食品の味に与
える影響について、カスタードクリームとソーセージと
を使用して官能試験を行った。これらの官能試験は、日
本食品油脂検査協会のパネラー10人により行った。
【0048】添加剤を下記の表3、4、5及び6のよう
に調製した。カスタードクリームへは、対照添加剤A−
1、A−2、A−3及び添加剤B−1、B−2、B−3
を添加し、またソーセージへは対照添加剤C−1、C−
2及び添加剤D−1、D−2を添加した。
【0049】対照添加剤A−1、A−2、A−3及び対
照添加剤C−1、C−2はリゾチーム、グリシン、シス
チン及び乳糖の同一成分から成るが、ただし投与量(添
加率)が異なる添加剤である。添加剤を添加していない
カスタードクリームに対する対照添加剤A−1、A−
2、A−3の添加率を0.5、1.0、2.0%とし、添加剤
を添加していないソーセージに対する対照添加剤C−
1、C−2の添加率を0.5、1.0%とした。また、添加
剤B−1、B−2、B−3及び添加剤D−1、D−2は
リゾチーム、アラニン、シスチン及び乳糖の同一成分よ
りなるが、ただし投与量(添加率)が異なる添加剤であ
る。添加剤を添加していないカスタードクリームに対す
る添加剤B−1、B−2、B−3の添加率を0.5、1.
0、2.0%とし、添加剤を添加していないソーセージに
対する添加剤D−1、D−2の添加率を0.5、1.0%と
した。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】試験1 カスタードクリームを使用した官
能試験 試験方法 ボールに卵黄2個(60g)、グラニュー糖50
g、対照添加剤A−1を加え、泡立て器で白っぽくなる
まで混ぜる。別に牛乳を鍋に入れて中火にかけ、膜が張
る直前まで沸かす。
【0055】 に薄力粉13gとコーンスターチ1
3gを合わせて、ふるい入れ泡立て器でさっと混ぜる。
粉っぽさがなくなるまで混ぜる。
【0056】 に、沸かした牛乳200ccを2〜
3回に分けて加える。良く混ぜたら、牛乳が入っていた
鍋に戻し入れて中火にかけ、泡立て器でゆっくりと表面
を混ぜ、とろみがついたら、鍋底をこするように手早く
混ぜる。
【0057】 のり状にとろみがつき、表面にピカッ
とつやが出てきたら、火から下ろしてマーガリン(無
塩、15g)を加え、泡立て器で手早く混ぜカスタード
クリームとした。
【0058】対照添加剤A−1の代わりに、対照添加剤
A−2、対照添加剤A−3、添加剤B−1、添加剤B−
2、添加剤B−3をそれぞれ入れたカスタードクリーム
を作り、味を比較検討した。また添加剤を加えないカス
タードクリームを作りブランク・コントロールとした。
【0059】〔結果〕添加剤を加えないカスタードクリ
ームは良好な味であった。対照添加剤A−1を加えたも
のは、僅かにえぐ味を呈し、対照添加剤A−2を加えた
ものは、ややえぐ味を呈し、対照添加剤A−3を加えた
ものは強いえぐ味を呈した。対照添加剤A−1、A−2
及びA−3には添加剤B−1、B−2及びB−3に含ま
れていないグリシンが入っているため、このえぐ味はグ
リシンによるものと考えられる。それに対し、アラニン
が入っている添加剤B−1、B−2及びB−3の添加で
は、カスタードクリームは良好な味を呈した。結果を表
7に示す。
【0060】
【表7】
【0061】試験2 ソーセージを使用した官能試験 試験方法 氷10gをミキサーで砕き、豚肉70g、ラード2
0g、食塩1.5g、亜硝酸ナトリウム0.1g、グルタミ
ン酸ナトリウム0.3g、コショウ0.25g、ナツメグ
0.1g、オールスパイス0.05g、シナモン0.03g、対照
添加剤C−1を入れて、ミキサーで粘りが出て、空気が
入るまで混ぜる。
【0062】 1個30gの円盤状に成形し、蒸し器
で10分間蒸す。
【0063】対照添加剤C−1の代わりに、対照添加剤
C−2、添加剤D−1、添加剤D−2、をそれぞれ入れ
たソーセージを作り、味を比較検討した。また、添加剤
を加えないソーセージを作りブランク・コントロールと
した。
【0064】〔結果〕添加剤を加えないソーセージは良
好な味であった。対照添加剤C−1を加えたものは、や
やえぐ味を呈し、対照添加剤C−2を加えたものは、強
いえぐ味を呈した。対照添加剤C−1及び対照添加剤C
−2には、添加剤D−1及びD−2に含まれていないグ
リシンが入っているため、このえぐ味はグリシンによる
ものと考えられる。それに対し、アラニンが入っている
添加剤D−1、D−2の添加では良好な味を呈した。結
果を表8に示す。
【0065】
【表8】
【0066】次にグリシンとアラニンとについて、メイ
ラード反応による褐変の進行速度を比較検討するため
に、透過率とアミノ酸の減少率とを調べた。
【0067】試験3 褐変による透過率 試験方法 グリシン2g及びグルコース10gをコルトフ緩衝液1
88ml(pH6.0)に溶解した溶液(グリシン及びグ
ルコースについての濃度は各々1%(w/v)及び5%
(w/v)溶液となる)の中から15mlを試験管に入
れ、薬包紙をまいたコルク栓をする。この試験管を12
0℃の恒温槽にて1時間加熱する。氷水で急冷後島津分
光光度計UV−240で透過率(500nm)を測定し
た。
【0068】上記試験において、グリシン2gの代わり
に、アラニン2gを加えた溶液を調製し、同様の条件で
加温し、その透過率(500nm)を測定し比較した。
またグリシンとアラニンとについてそれぞれpH6.2、
pH6.5、pH7.0及びpH8.0における透過率につい
ても測定し、検討を行った。
【0069】〔結果〕図1に示す様に、透過率(500
nm)の値は、pH6.0〜8.0の各々のpHにおいて、
グリシンよりもアラニンの方が高く、メイラード反応に
よる褐変が少ないことを示している。
【0070】試験4 アミノ酸の減少率 グリシン5gとぶどう糖20gとを蒸留水100mlに
溶解し、撹拌した後、100℃で加熱してメイラード反
応の進行程度を見るためにアミノ酸の減少率を24時間
経時的に測定した。
【0071】〔結果〕グリシンと比較してアラニンの減
少率は経時的(0、4、7、13、24.5時間)に見る
と低く、グリシンの方がメイラード反応による褐変を起
こし難いことが判った。結果を図2に示す。
【0072】
【発明の効果】本発明の食品用保存剤及び保存方法によ
れば、リゾチームとアラニンとの組み合わせ、リゾチー
ム、アラニン及びL−シスチンの組み合わせ、リゾチー
ム、アラニン及びフマル酸の組み合わせ、並びにリゾチ
ーム、アラニン、L−シスチン及びフマル酸の組み合わ
せにより、顕著な抗菌活性を示し、保存効果が達成され
る。
【0073】また、各々の成分は天然物なので安全性が
高く、食品の味覚にも影響を与えることなく褐変も起こ
り難いので、食品用保存剤及び方法として好適である。
したがって、添加剤の増量が可能となるので従来保存効
果が十分でなかった食肉加工品、食肉総菜類、水産練製
品、漬物、麺類、カスタードクリーム、ソフトクリーム
等に優れた保存効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】褐変による透過率を示す説明図である。
【図2】アミノ酸の経時的な減少率を示す説明図であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リゾチームと、アラニンとを含有するこ
    とを特徴とする食品用保存剤。
  2. 【請求項2】 リゾチームと、アラニンとの比率が1:
    2〜2000である請求項1記載の食品用保存剤。
  3. 【請求項3】 リゾチームと、アラニンと、L−シスチ
    ン及び(又は)フマル酸とを含有することを特徴とす
    る、食品用保存剤。
  4. 【請求項4】 リゾチームと、アラニンとを含有させる
    ことを特徴とする食品の保存法。
  5. 【請求項5】 リゾチームと、アラニンと、L−シスチ
    ン及び(又は)フマル酸とを含有させることを特徴とす
    る食品の保存法。
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