JPH05332071A - コンクリート製扉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 高強度で軽量化と大型化を図ることができ、
耐火性、遮音性、耐久性が優れ、タイル打込みやレリー
フ仕上げ等を施した意匠性が高いコンクリート製扉を提
案する。 【構成】 セメント・砂混合物スラリーに炭素繊維ある
いはアラミド繊維の短繊維を混入した繊維補強コンクリ
ートを母材とし、上記繊維の連続糸条を芯材とするＦＲ
Ｐ補強筋を配筋して型枠内で塑造してなり、塑造時に化
粧タイルを打込んだり、レリーフ仕上げを施す、必要に
応じ補強筋にプレストレスを導入し補強する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は化粧扉あるいは防火扉
等として用いるコンクリート製扉に関する。

【０００２】

【従来技術および発明が解決しようとする課題】従来、
化粧扉は一般に木材やスチール、アルミなどの金属系材
料で製作されている。

【０００３】木製化粧扉の場合は耐火性、遮音性の問題
や天然木材の枯渇問題を含んでいる。また、高級感を表
現するため扉表面に彫刻などのデザイン性を付与すると
高度技術を必要とする作業が多くなり、高価格になる。

【０００４】一方、スチールやアルミなどの金属系材料
の化粧扉の場合は、錆などの耐久性の問題や断熱性の問
題、さらにドア開閉時およびノック時の不快な金属音の
発生などの使用環境に問題がある。

【０００５】また、集合住宅や事務所ビル、公共・商用
建物の防火扉は、一般に金属系の材料で製作されている
が、扉自体が重く、大型扉の場合は女性や子供が容易に
開閉できない。また、鉄の熱伝導率が高いため火災時に
扉が熱くなって開閉ができず避難障害となる場合も生ず
る。さらに開閉時の金属音が大きい。デザイン性に欠け
る。錆などの耐久性の問題がある。

【０００６】この発明は上記の問題点に着目しなされた
ものであり、その目的は軽量、堅牢、無錆で耐火性に富
み、しかも金属音を発生せず彫刻などの豊かな表現力の
付与できるコンクリート製扉を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このコンクリート製扉は
型枠内にコンクリートを打設し塑造してなるコンクリー
ト製扉であって、短繊維補強材を混入した繊維補強コン
クリートを母材とすることを特徴とする。

【０００８】この発明で用いる短繊維補強材とは、炭素
繊維，芳香族ポリアミド繊維（アラミド繊維）ビニロン
繊維、あるいは耐アルカリ性ガラス繊維等の高引張強
度、高引張弾性率をもった繊維であり、繊維長数ｍｍ〜
数ｃｍの短繊維となし、コンクリートスラリーに混入
し、繊維補強コンクリートとする。この繊維補強コンク
リートには骨材として砂等のほか、シラスバルーン、黒
曜石発泡粒等の軽量骨材を用い軽量化を図ることができ
る。

【０００９】このコンクリート製扉には補強筋として、
前記繊維の連続糸条を芯材とするＦＲＰ（繊維強化プラ
スチック）や鉄筋等の補強筋を配筋し、あるいはこれら
の補強筋にプレストレスを導入し補強することもでき
る。

【００１０】

【作用】このコンクリート製扉は母材の繊維補強コンク
リートが、高い曲げ強度を発現するので大型化と薄肉化
による軽量化を図ることができる。また、繊維補強コン
クリートは耐酸性，耐蝕性が優れているため耐久性が向
上し、不燃材料であるため耐火性に富み、遮音性，振動
減衰性が良いため音に関する環境問題を緩和できる。

【００１１】また、この扉は型枠内で塑造するために、
レリーフなどによる立体的表面仕上げ，装飾タイルや自
然石の打込み等が容易であり、意匠性が高い高級扉を能
率よく製造できる。

【００１２】なお、この扉にＦＲＰ等の補強筋を配筋し
たり、あるいはプレストレスを導入することにより、一
層の高強度化、軽量化を図ることができる。また、軽量
骨材の使用によって一層の軽量化と、鋸切断や釘打ちな
どの加工性の改善ができる。

【００１３】

【実施例】図１に示す実施例のコンクリート製扉１は、
炭素繊維の短繊維を砂・セメント混合物スラリーに混合
してなる繊維補強コンクリート２を母材とし、型枠内で
塑造してなる化粧扉である。この扉１は炭素繊維の連結
糸条を芯材とするＦＲＰ補強筋３を格子状に配筋してあ
り、表面には化粧タイル４を打込みなっている。なお、
補強筋３にはプレストレスを導入することもできる。

【００１４】図２に示す実施例のコンクリート製扉１
は、図１の扉と同様に、繊維補強コンクリート２を母材
とし、ＦＲＰ補強筋３で補強した化粧扉であり、変断面
をなし、表面に塑造時に形成したレリーフ仕上５が施し
てある。

【００１５】図３に示す実施例のコンクリート製扉１は
周囲のフレーム６と中央部に嵌込んだ上下２つの耐熱性
ガラス７からなる有窓扉である。フレーム６は繊維補強
コンクリート２を母材とし型枠内で塑造したものであ
り、フレーム６の長さ方向に沿い連結繊維糸条を芯材と
する帯状のＦＲＰ補強筋３を配筋し補強してある。

【００１６】図４に示す実施例のコンクリート製扉１
は、繊維補強コンクリート２を母材とし、ＦＲＰ補強筋
３を格子状に配筋してなった防火扉であり、２枚の扉
１，１を一平面に並べた例である。

【００１７】

【発明の効果】このコンクリート製扉は以上の構成から
なり、次の効果を奏する。扉の軽量化と大型化を図る
ことができる。耐久性と耐火性を向上できる。遮音
性，振動減衰性が優れ、音に対する環境問題を改善でき
る。タイル打込みやレリーフ仕上げした高級扉を能率
よく製造できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a),(b) 化粧タイルを打込んだ実施例の扉の平
面図およびＡ−Ａ断面図である。

【図２】(a),(b) レリーフ仕上げをした実施例の扉の平
面図およびＡ−Ａ断面図である。

【図３】(a),(b) 耐熱ガラスを嵌込んだ実施例の扉の平
面図およびＡ−Ａ断面図である。

【図４】(a),(b),(c) 実施例の防火扉の平面図，Ａ−Ａ
断面図，およびＢ−Ｂ断面図である。

【符号の説明】

１…コンクリート製扉、２…繊維補強コンクリート、３
…ＦＲＰ補強筋、４…化粧タイル、５…レリーフ、６…
フレーム、７…耐熱性ガラス。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 型枠内にコンクリートを打設し塑造して
   なるコンクリート製扉であって、短繊維補強材を混入し
   た繊維補強コンクリートを母材とすることを特徴とする
   コンクリート製扉。