JPH05325635A - 導電性ペーストおよび導電性塗膜 - Google Patents

導電性ペーストおよび導電性塗膜

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Publication number
JPH05325635A
JPH05325635A JP14852992A JP14852992A JPH05325635A JP H05325635 A JPH05325635 A JP H05325635A JP 14852992 A JP14852992 A JP 14852992A JP 14852992 A JP14852992 A JP 14852992A JP H05325635 A JPH05325635 A JP H05325635A
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JP
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conductive
acid
conductive paste
resin
powder
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Application number
JP14852992A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Yoneda
康洋 米田
Yoshihei Meiwa
善平 明和
Hiromitsu Hayashi
宏光 林
Yuzo Yamamoto
裕三 山本
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】導電性粉末、有機バインダー、添加剤、および
溶剤を含む導電性ペーストにおいて、該有機バインダー
が熱硬化性樹脂を必須成分とし、該添加剤として一般式
(I)で示されるエステルカルボン酸および/またはそ
の塩を含有することを特徴とする導電性ペースト、並び
に該導電性ペーストを基材上に塗布、または印刷後、硬
化してなることを特徴とする導電性塗膜。 【効果】本発明によると、導電性を低下させることなく
密着性の向上が図れ、その環境安定性を大幅に改善し、
総合的に優れた導電性ペーストを提供することができ、
これを用いれば、回路基板上に極めて信頼性が高く、か
つ効果の大きい電磁波シールド層を容易にかつ安定的に
形成することができる。また、回路基板の配線用の導
体、電子機器部品、回路部品の電極などにも有効に使用
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機体をバインダーとす
る導電性ペースト、およびこの導電性ペーストを用いた
導電性塗膜に関し、より詳しくは、紙・フェノール樹脂
基板やガラス・エポキシ樹脂基板などの回路基板上に、
スクリーン印刷等で塗布後、加熱硬化することにより、
特に導電性、密着性に優れた導電性塗膜を形成し、回路
基板の電磁波ノイズ対策用もしくは回路基板の配線用の
導体等の用途に適した導電性ペースト、およびこの導電
性ペーストを塗布または印刷後、硬化してなる導電性塗
膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に導電性ペーストは、エポキシ樹
脂、飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール
樹脂、アミノ樹脂等の有機バインダー(以下、バインダ
ーと略すこともある)と導電性粉末及び溶剤とから基本
的に構成されている。この導電性ペーストは、従来から
回路基板用の導体として用いられている。また最近で
は、プリント回路基板の電磁波シールド材料として導電
性ペーストを使用する試みも行われ始めている。即ち、
この応用は基板上にアースパターンを含む回路パターン
を有する導電層を形成してなる印刷配線基板において、
この基板の導電層が設けられた面のアースパターンの部
分を除いて基板上に導電層を覆うように絶縁層が印刷さ
れ、さらにこの基板の絶縁層を覆いアースパターンに接
続するように導電性ペーストを印刷することにより、電
磁波シールド層を形成させ、電磁波ノイズ対策用回路基
板の導体として使用するものである(特開昭63−15
497号公報や実開昭55−29276号公報参照) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の導電性ペースト
の中でも、近年特に導電性銅ペーストは、導電性銀ペー
ストに比べ安価である等の理由から導電性銀ペーストに
代わる導体として注目されている。この導電性銅ペース
トは、高導電性、密着性、耐久性、印刷性など種々の物
性が要求されるが、銅が銀よりも本質的に酸化されやす
く、酸化により電気絶縁性の酸化被膜を形成するという
欠点を有しているため、ペースト状態もしくは加熱硬化
膜状態での長期間にわたる導電性の維持という点におい
て実用上大きな問題を残していた。
【0004】この欠点に対してこれまでに各種の酸化防
止剤、還元剤、金属キレート剤等の添加剤を添加するこ
とが行われている。例えば、導電性銅ペーストに対し酸
化防止剤としてサリチル酸およびその誘導体を用いる方
法(特開平1−158081号公報)、還元剤としては
γ−アミノイソプロピルトリエトキシシランを用いる方
法(特開昭50−6638号公報)や2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピルフォスファイトを用いる方法
(特開昭52−24936号公報)、金属キレート剤と
しては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等
を用いる方法(特開昭62−230869号公報)やア
セチルアセトン等を用いる方法(特開平2−66802
号公報)などが提案されている。しかしながら、上記添
加剤を配合した導電性銅ペーストでは、導電性の向上ま
たは維持という点では改良されているものの、他の物
性、すなわち銅箔表面(特に金属銅表面)との密着性、
スクリーン印刷性に乏しく、更なる改良が強く求められ
ていた。特に、導電性と密着性の関係は一般に二律背反
の関係にあり、これまで導電性ペースト開発の大きな障
害になっていた。
【0005】従って、当業界では導電性、密着性がとも
に優れ、かつ耐久性、印刷性等、総合的に優れた性能を
有する導電性銅ペーストの開発が期待されている。本発
明の目的は、まさにこの点にありかかる課題を解決する
ものとして、導電性ペーストにおいて、特に、酸化され
易い金属を導電性粉末として用いた場合においても導電
性、密着性、耐久性等、総合的に優れた性能を有する導
電性ペーストを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる現状
に鑑みて、導電性ペーストの導電性の維持及び向上、並
びに銅箔表面との密着性の改善を鋭意検討した結果、添
加剤としてエステルカルボン酸および/またはその塩を
用いることによって上記課題を解決できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、導電性粉末、有機バインダ
ー、添加剤、および溶剤を含む導電性ペーストにおい
て、該有機バインダーが熱硬化性樹脂を必須成分とし、
該添加剤が次の一般式(I)で示されるエステルカルボ
ン酸および/またはその塩を含有することを特徴とする
導電性ペーストに関するものであり、また本発明は、こ
の導電性ペーストを基材上に塗布または印刷後、硬化し
てなることを特徴とする導電性塗膜に関するものであ
る。
【0008】
【化2】
【0009】(式中、Ra は炭素数1〜28の直鎖もし
くは分岐のアルキル基を示す。Rb は単結合、あるいは
炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、ア
ルケニレン基または芳香族環を示す。Rc は炭素数1〜
10の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、または芳香族
環を示す。Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類
金属、遷移金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム
またはヒドロキシアルキルアンモニウムを示す。nは
1,2または3を示す。)
【0010】本発明における添加剤には前記の一般式
(I)で表されるエステルカルボン酸および/またはそ
の塩、即ち、一般式(I)の(a)および/または
(b)で表される化合物を含有することに特徴がある。
ここでRa はアルキル基を示し、直鎖状、分岐状のいず
れでもよい。また、アルキル基の炭素数は、通常1〜2
8であり、好ましくは1〜24である。アルキル基の炭
素数が28を超える場合、導電性が低下したものしか得
られず好ましくない。Rb は単結合あるいはアルキレン
基、アルケニレン基もしくは芳香族環を示し、直鎖状、
分岐状のいずれでもよい。アルキレン基もしくはアルケ
ニレン基の炭素数は、通常1〜10であり、好ましくは
1〜8である。アルキレン基もしくはアルケニレン基の
炭素数が10を超える場合、導電性が低下したものしか
得られず好ましくない。Rc はアルキレン基もしくは芳
香族環を示し、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。アル
キレン基の炭素数は、通常1〜10であり、好ましくは
1〜8である。アルキレン基の炭素数が10を超える場
合、導電性が低下したものしか得られず好ましくない。
【0011】本発明におけるエステルカルボン酸の具体
例としては、シュウ酸モノメチル、シュウ酸モノエチ
ル、シュウ酸モノヘキシル、シュウ酸モノオクチル、シ
ュウ酸モノドデシル、シュウ酸モノステアリル、マロン
酸モノエチル、マロン酸モノヘキシル、マロン酸モノオ
クチル、マロン酸モノドデシル、マロン酸モノステアリ
ル、マロン酸モノヘキサコシル、コハク酸モノメチル、
コハク酸モノエチル、コハク酸モノブチル、コハク酸モ
ノヘキシル、コハク酸モノオクチル、コハク酸モノドデ
シル、コハク酸モノステアリル、コハク酸モノ−2−エ
チルヘキシル、コハク酸モノオレイル、グルタル酸モノ
ヘキシル、グルタル酸モノドデシル、グルタル酸モノス
テアリル、アジピン酸モノエチル、アジピン酸モノヘキ
シル、アジピン酸モノステアリル、スベリン酸モノヘキ
シル、スベリン酸モノステアリル、ドデカン二酸モノブ
チル、ドデカン二酸モノヘキシル、ドデカン二酸モノス
テアリル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチ
ル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノヘキシル、
マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノデシル、マレ
イン酸モノドデシル、マレイン酸モノステアリル、マレ
イン酸モノ−2−エチルヘキシル、フタル酸モノオレイ
ル、フタル酸モノメチル、フタル酸モノエチル、フタル
酸モノブチル、フタル酸モノヘキシル、フタル酸モノオ
クチル、フタル酸モノデシル、フタル酸モノドデシル、
フタル酸モノステアリル、フタル酸モノ−2−エチルヘ
キシル、フタル酸モノオレイル、トリメリト酸モノヘキ
シル、トリメリト酸モノドデシル、トリメリト酸モノス
テアリル、ピロメリト酸モノヘキシル、ピロメリト酸モ
ノドデシル、ピロメリト酸モノステアリル、ナフタレン
ジカルボン酸モノヘキシル、ナフタレンジカルボン酸モ
ノオクチル、ナフタレンジカルボン酸モノドデシル、ナ
フタレンジカルボン酸モノステアリル、アセチルオキシ
酢酸、ブチリルオキシ酢酸、ペラルゴノイルオキシ酢
酸、ラウロイルオキシ酢酸、ステアロイルオキシ酢酸、
オレオイルオキシ酢酸、3−アセチルオキシプロピオン
酸、3−ブチリルオキシプロピオン酸、3−ペラルゴノ
イルオキシプロピオン酸、3−ラウロイルオキシプロピ
オン酸、3−ステアロイルオキシプロピオン酸、3−オ
レオイルオキシプロピオン酸、4−アセチルオキシブタ
ン酸、4−ブチリルオキシブタン酸、4−ペラルゴノイ
ルオキシブタン酸、4−ラウロイルオキシブタン酸、6
−アセチルオキシヘキサン酸、6−ブチリルオキシヘキ
サン酸、6−ペラルゴノイルオキシヘキサン酸、6−ラ
ウロイルオキシヘキサン酸、8−アセチルオキシオクタ
ン酸、8−ブチリルオキシオクタン酸、8−ペラルゴノ
イルオキシオクタン酸、8−ラウロイルオキシオクタン
酸、p−アセチルオキシ安息香酸、p−ブチリルオキシ
安息香酸、p−エナントイルオキシ安息香酸、p−ステ
アロイルオキシ安息香酸、アセチルオキシフタル酸、ブ
チリルオキシフタル酸、エナントイルオキシフタル酸、
ラウロイルオキシフタル酸、アセチルオキシナフトエ
酸、ブチリルオキシナフトエ酸、エナントイルオキシナ
フトエ酸、ラウロイルオキシナフトエ酸等が挙げられ、
好ましくは、シュウ酸モノヘキシル、マロン酸モノヘキ
シル、コハク酸モノヘキシル、コハク酸モノオクチル、
コハク酸モノオレイル、グルタル酸モノヘキシル、アジ
ピン酸モノヘキシル、マレイン酸モノヘキシル、マレイ
ン酸モノオクチル、マレイン酸モノオレイル、フタル酸
モノメチル、フタル酸モノブチル、フタル酸モノヘキシ
ル、フタル酸モノオクチル、フタル酸モノオレイル、ナ
フタレンジカルボン酸モノヘキシル、ペラルゴノイルオ
キシ酢酸、オレオイルオキシ酢酸、3−ペラルゴノイル
オキシプロピオン酸、3−オレオイルオキシプロピオン
酸、4−ペラルゴノイルオキシブタン酸、6−ブチリル
オキシヘキサン酸、エナントイルオキシ安息香酸、エナ
ントイルオキシナフトエ酸等である。
【0012】本発明におけるエステルカルボン酸化合物
の塩を構成するものとして、Xは、通常ナトリウム、カ
リウム、リチウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マ
グネシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、銅など
の遷移金属、アンモニウム、またはトリエチルアミンな
どのアルキルアミンにより形成されるアルキルアンモニ
ウム、トリエタノールアミンなどのヒドロキシアルキル
アミンにより形成されるヒドロキシアルキルアンモニウ
ムなどが挙げられ、好ましくはナトリウム、カリウム、
銅、アンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリヒド
ロキシエチルアンモニウム等である。以上のエステルカ
ルボン酸および/またはその塩は、単独であるいは2種
以上を混合して用いてもよい。
【0013】本発明の導電性ペースト中のエステルカル
ボン酸および/またはその塩の配合量は、溶剤を除く全
重量に対して0.05〜25重量%、好ましくは0.1
〜10重量%、さらに好ましくは0.2〜5重量%であ
る。配合量が0.05重量%未満の場合は、エステルカ
ルボン酸および/またはその塩の絶対量が不足して導電
性、密着性が低下し、25重量%を超えると導電性粉末
をバインドする効果が不足して導電性、密着性、耐久性
が低下する。
【0014】本発明において使用されるエステルカルボ
ン酸の製造方法は、特に限定されることなく、例えば
通常のジカルボン酸、あるいはその酸無水物、または酸
塩化物とアルコールとのエステル化反応、ヒドロキシ
カルボン酸とカルボン酸とのエステル化反応等により容
易に得ることができる。また、エステルカルボン酸の塩
は、例えば金属水酸化物、アンモニア、アルキルアミ
ン、ヒドロキシアルキルアミン等で中和することにより
得られる。
【0015】本発明においては、このようなエステルカ
ルボン酸および/またはその塩を添加剤として用いるこ
とによって、高い導電性を発現し、かつその硬化塗膜は
優れた環境安定性を示す。さらに銅箔の表面状態(特に
酸化状態)によらず良好な密着性を示す。
【0016】本発明の導電性ペーストの有機バインダー
は、熱硬化性樹脂を必須成分とする。本発明に有効に用
いられる熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、アミノ樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、ケイ
素樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル・ポリオール
樹脂、アクリル樹脂、メチロール化ヒドロキシスチレン
系重合体および/またはその誘導体等の公知の熱硬化性
樹脂を用いることができるが、特にフェノール樹脂、ア
ミノ樹脂、キシレン樹脂が好ましい。本発明で用いられ
る前述の熱硬化性樹脂は、単独であるいは2種以上を混
合して使用してもよい。
【0017】フェノール系樹脂としては、一般に公知の
もの、市販のものが使用できるが、例えばフェノール、
クレゾール、キシレノール、p−アルキルフェノール、
クロルフェノール、ビスフェノールA、フェノールスル
ホン酸、レゾルシンや各種変性フェノールなどのフェノ
ール性水酸基を有するものにホルマリン、フルフラール
などのアルデヒド類を付加、縮合した樹脂を挙げること
ができる。特にレゾール型フェノール系樹脂が好まし
い。ノボラック型フェノール系樹脂を用いる場合はヘキ
サメチレンテトラミンを併用することが好ましい。
【0018】アミノ樹脂としては、一般に公知のもの、
市販のものが使用できるが、重量平均分子量が500以
上5万以下の範囲のものが好ましい。例えば、尿素、メ
ラミン、グアナミン、アニリン、スルホンアミドなどの
アミノ基にホルマリンを付加縮合した樹脂、あるいはエ
ポキシ変性メラミン樹脂、フェノール変性メラミン樹
脂、アクリル変性メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブ
チル化尿素メラミン共縮合樹脂、ブチル化メラミン・グ
アナミン共縮合樹脂、アミノ・アルキド共縮合樹脂、ア
ルキルエーテル化メラミン樹脂等が挙げられる。好まし
くはアルキルエーテル化メラミン樹脂である。アルキル
エーテル化メラミン樹脂としては、メチルエーテル化メ
ラミン樹脂、n−ブチルエーテル化メラミン樹脂、 iso
−ブチルエーテル化メラミン樹脂等があり、例えば大日
本インキ化学社製スーパーベッカミン(商品名)、ある
いは三井東圧化学社製ユーバン(商品名)がある。これ
らのアルキルエーテル化メラミン樹脂の中で好ましいも
のは重量平均分子量(Mw)が500〜5万の範囲でか
つそのエーテル化度が10〜95%(100%でトリア
ジン環1ユニットに対し6個のアルキルエーテル基が導
入される)の範囲、さらに好ましくはMwが1000〜
3万の範囲でかつエーテル化度が20〜80%の範囲、
最も好ましくはMwが1000〜2万の範囲でエーテル
化度が30〜60%の範囲のメラミン樹脂である。Mw
が500未満では硬化塗膜の可撓性が不足し、5万を超
えると密着性、導電性が悪くなるからである。エーテル
化度が10%未満ではメラミン樹脂が不安定で、導電性
ペーストのポットライフが短くなり95%を超えると硬
化速度が低下して通常の硬化条件では十分な緻密塗膜が
得られず良好な密着性、導電性等が得られにくくなるか
らである。
【0019】キシレン樹脂としては、一般に公知のもの
市販のものが使用できるが、例えば、キシレン、変性キ
シレンなどにホルマリン、フルフラールなどのアルデヒ
ド類を付加、縮合した樹脂等を挙げることができる。
【0020】本発明の導電性ペーストの有機バインダー
には、熱硬化性樹脂とともにさらに熱可塑性樹脂を併用
することが好ましい。本発明に有効に用いられる熱可塑
性樹脂はヒドロキシスチレン系重合体および/またはそ
の誘導体、飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ノボ
ラック型フェノール樹脂、熱可塑性のキシレン樹脂等の
公知の熱可塑性樹脂を用いることができるが、特にヒド
ロキシスチレン系重合体および/またはその誘導体が好
ましい。本発明で用いられる前述の熱可塑性樹脂は、単
独であるいは2種以上を混合して使用してもよい。
【0021】ヒドロキシスチレン系重合体および/また
はその誘導体は、重量平均分子量1000〜200万の
ものを含有することがより好ましい。このバインダー成
分の添加によって、導電性、密着性、耐久性、印刷性等
の性能が向上する。このヒドロキシスチレン系重合体お
よび/またはその誘導体は、特開平3−2283、特開
平3−2248、特開平3−173007号公報に記載
のものが好ましい。例えば、次の一般式(II)で表され
るものが挙げられる。
【0022】
【化3】
【0023】〔式中、n、mはm≧0、n≧3で、それ
ぞれ一般式(II)の有機高分子の平均分子量が1000
〜200万になるまでの任意の数、k,p,uは重合体
中の平均値を示し、その範囲はそれぞれ、0≦k≦2,
0≦p≦2,0<u≦2、ただしk+p+u>0、R1
〜R3 は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、Qは
重合性のビニル系単量体、Y,Zは同種又は異種であ
り、かつ
【0024】
【化4】
【0025】又は炭素数1〜18のアルキル基もしくはア
リール基から選ばれるものである (式中、Mは水素原
子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアミン類など
の有機カチオン、Y1 ,Y2 はハロゲン、Y3 はハロゲ
ンイオン、有機酸アニオン、無機酸アニオンなどの対イ
オン、WはSまたはO、R4 〜R8 は同種又は異種であ
って直鎖又は分岐鎖アルキル基あるいはヒドロキシアル
キル基等のアルキル誘導体、芳香族基又は水素原子、さ
らにR6 とR7 はN原子とともに環を形成していてもか
まわない。R9 〜R15は同種又は異種であって直鎖又は
分岐鎖アルキル基、あるいはヒドロキシアルキル基等の
アルキル誘導体、芳香族基、又は水素原子、q,sは0
又は1、rは0,1又は2を示す)〕
【0026】上記一般式(II)で表されるヒドロキシス
チレン系重合体およびその誘導体は、一般式(II)にお
いてYまたはZで表されるような置換基を有するかある
いは有しないところのヒドロキシスチレン、ヒドロキシ
−α−メチルスチレン、あるいはヒドロキシ−α−エチ
ルスチレン等のヒドロキシスチレン系単量体同士のみの
共重合体、あるいはこれらのヒドロキシスチレン系単量
体と他の重合性のビニル系単量体(Q)との共重合体で
あり得る。重合単位のヒドロキシスチレン系単量体は、
オルソ体、メタ体、パラ体あるいはこれらの混合物であ
ってもよいが、パラ体あるいはメタ体が好ましい。
【0027】また共重合体である場合の他のビニル系単
量体(Q)としては、アニオン系、カチオン系等のイオ
ン性単量体やノニオン性単量体、メタクリレート、ビニ
ルエステル、ビニルエーテル、マレート、α−オレフィ
ンなどの公知の化合物を挙げることができる。本発明に
おいては、前記のようにヒドロキシスチレン系単量体同
士のみの共重合でもよいが、他の重合性のビニル系単量
体(Q)との共重合とする場合には、ヒドロキシスチレ
ン系単量体/他のビニル系単量体(Q)の割合は、モル
比で1/10〜20/1までが適当である。
【0028】ビニル系単量体(Q)の割合がヒドロキシ
スチレン系単量体より10倍量(モル比)を超えるとヒ
ドロキシスチレン系単量体の効果が発揮されないので好
ましくなく、ビニル系単量体(Q)の割合が1/20未
満では、共重合させる効果が発揮されないので、あえて
ビニル系単量体(Q)と共重合させる必要はない。従っ
て、本発明においてはこのようなビニル系単量体(Q)
の個数はm≧0である。
【0029】これらのヒドロキシスチレン系重合体およ
びその誘導体は、公知の方法により容易に調製すること
ができる(C.G.Overberger,J.C.Salamone,S.Yaroslavsk
y,J.Am.Chem.Soc.,89,6231(1967);D.I.Packham,J.Chem.
Soc.,2617(1964);M.Kato,J.Polym.Sci.,Part A-1,7,217
5(1969) )。
【0030】本発明の導電性ペースト中のバインダーの
配合量は、溶剤を除く全重量に対して5〜50重量%、
好ましくは5〜40重量%であり、5重量%未満の場合
はバインダーの絶対量が不足して密着性が低下し、さら
に得られる組成物の流動性が悪くなり、印刷性が低下す
ると共に加熱硬化時に導電性粉末が酸化されやすくな
り、可撓性、導電性の低下をまねく。バインダーの量が
50重量%を超えるときは逆に導電性粉末の絶対量が不
足し、回路を形成するのに必要な導電性が得られない。
【0031】本発明に用いる導電性粉末としては、銅粉
末、銀粉末、ニッケル粉末、アルミニウム粉末等の金属
粉末、及び表面に上記金属の被覆層よりなる金属層を有
する固体粉末が挙げられるが、特に銅粉末が好ましい。
導電性粉末の形態は樹枝状、フレーク状、球状、不定形
のいずれの形態であっても良いが、好ましくは、電解に
より生成した樹枝状の電解銅粉、あるいは球状粉であ
る。平均粒子径は30μm以下であることが好ましく、
高密度、多接触点充填の点から、1〜10μmの樹枝状
粉がより好ましい。ただしここでいう平均粒子径とは堀
場製作所製「LA−500型レーザー回析式粒度分布測
定装置」で求めた体積基準によるメジアン径を指すもの
とする。平均粒子径が30μmを超えると導電性粉末の
高密度充填が難しくなり、導電性が低下するとともに、
印刷性が悪くなるからである。さらに表面処理が施され
た銅粉を用いると特に優れた導電性、耐久性、印刷性が
得られやすい。本発明の銅ペーストおよびその塗膜は表
面に半田を付着させる必要はないので、有機系の表面処
理剤であっても差し支えない。上記導電性粉末の使用形
態としては単独又は混合系で使用できる。上記金属粉末
の純度は高い方が好ましい。特に銅粉末については、回
路基板の導体に用いられている銅箔又はメッキ銅層の純
度と一致するものが最も好ましい。
【0032】本発明において、エステルカルボン酸およ
び/またはその塩の作用効果は、金属銅粉末を用いた場
合により顕著に発現されるので、本発明は導電性銅ペー
ストの製造にとって特に重要である。本発明の導電性ペ
ースト中の導電性粉末の配合量は、溶剤を除く全重量に
対して50〜95重量%の範囲で用いられ、好ましくは
70〜90重量%、さらに好ましくは80〜90重量%
である。配合量が50重量%未満では充分な導電性が得
られず、逆に95重量%を超える時は導電性粉末が十分
バインドされず、得られる塗膜も脆くなり、耐湿性が低
下するとともに導電性も悪くなる。
【0033】本発明の導電性ペーストには、添加剤とし
て前記のようなエステルカルボン酸またはその塩を用い
る他に導電性粉末の酸化防止のため、必要に応じて公知
の還元剤またはキレート剤を1種又は2種以上用いるこ
とができる(例えば、特願平2−341074、特願平
2−341076に記載の化合物、または公知の化合物
が挙げられる)。本発明においては、なかでも好ましい
還元剤として、例えば亜リン酸、次亜リン酸などの無機
系還元剤、およびヒドロキノン、カテコール類、アスコ
ルビン類、ヒドラジン化合物、ホルマリン、水素化ホウ
素化化合物、還元糖類などの有機系無機系の化合物など
が挙げられる。
【0034】また、好ましいキレート剤としては、例え
ばトリエタノールアミン等のアルカノールアミン、トリ
エチルアミン、パルミチルアミン等のアルキルアミン、
o−アミノフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノ
ール、o−アミノチオフェノール、8−ヒドロキシキノ
リン、2−メチル−8−ヒドロキシキノリン、1−ニト
ロソ−2−ナフトール、1−(2−ピリジルアゾ)−2
−ナフトール等の芳香族系アミノ化合物、EDTA(エ
チレンジアミン四酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、
CDTA(t−1、2−シクロヘキサンジアミン−N,
N,N’,N’−四酢酸水和物)、DTPA(ジエチレ
ントリアミン五酢酸)等のポリアミノカルボン酸類、ポ
リビニルアミンおよびビニルアミン/ビニルアルコール
共重合体等の誘導体、o−ニトロフェノール樹脂、高分
子エステルにヒドロキシルアミンを反応させて得られる
高分子ヒドロキサム酸、コハク酸、プロピオン酸、フミ
ン酸等のカルボン酸、クエン酸、アスコルビン酸等のヒ
ドロキシカルボン酸、サリチル酸、スルホニルサリチル
酸、サリチルアミド、サリチルヒドロキシサム酸等のサ
リチル酸系化合物、フェニルアラニン、チロシン、アン
トラニル酸、アスパラギン酸等のアミノ酸、プロリン等
のイミノ酸、ニコチン酸等のピリジンカルボン酸、ヒド
ラジン、フェニルヒドラジン等のヒドラジン類、ベンゾ
イルアセトン、アセチルアセトン等のβジケトン類、ラ
ウリルメルカプタン等が挙げられる。
【0035】本発明において還元剤又は金属キレート剤
の配合量は、溶剤を除く全重量に対して通常0.1〜2
0重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。配合
量が0.1重量部未満であると添加効果が充分でなく、
20重量部を超えると密着性の低下、耐マイグレーショ
ン性の低下をまねくので好ましくない。
【0036】また、さらに添加剤として銅粉の分散性
や、ペーストのスクリーン印刷性を向上させる目的で、
必要に応じて公知の消泡剤、チキソトロピー剤、レベリ
ング剤を用いることができる。本発明の導電性ペースト
を製造するには、ディスパーやボールミルや三本ロール
等により十分均一に混練することにより調製する。
【0037】ここで用いることのできる溶剤としては、
ベンゼン、トルエン、ヘキサノン、メチルイソブチルケ
トン、メチルアミルケトンあるいはブチルカルビトー
ル、ブチルカルビトールアセテート、ブチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のエ
チレン系もしくはプロピレン系のグリコールエーテル
類、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク
酸ジメチル等の2塩基酸のジエステル塩等の公知の溶剤
が挙げられる。溶剤の配合量は混練機の種類、混練条件
及び溶剤の種類によって異なってくる。混練終了後のペ
ースト粘度がスクリーン印刷の行える範囲で溶剤量を調
整することが好ましい。
【0038】本発明の導電性ペーストを用いて、回路基
板上に電磁波シールド層を設けた電磁波ノイズ対策用回
路基板を作製する方法は、例えば以下の方法がある。即
ち、金属張積層板よりエッチドフォル法によって形成さ
せた導電回路上に加熱硬化型又は紫外線硬化型の有機絶
縁体をアースパターン部を除いて塗布して絶縁層を設
け、絶縁体層上に本発明に係る導電性ペーストを用い
て、スクリーン印刷によってアースパターンに接続する
ように絶縁体層上のほぼ全面に導電性ペーストを塗布
し、これを加熱硬化させることにより、有効な電磁波シ
ールド層を有した電磁波ノイズ対策用回路基板を作製す
ることができる。この回路基板は静電シールド層として
も有効に活用することができる。
【0039】使用できる金属張積層基板は、ガラス・エ
ポキシ樹脂系基板、紙・フェノール樹脂系基板、セラミ
ックス系基板、ポリイミド樹脂系基板、フレキシブル基
板等のプリント回路技術便覧(日刊工業新聞社、昭和6
2年出版)などに記載されている公知の基板であればい
ずれでもよい。さらに本発明の導電性ペーストを回路基
板の配線用の導体として使用する方法は、従来と同様の
方法が使用できる。塗布する絶縁基板は、上記同様、公
知または市販の基板等いずれでもよい。配線形成方法は
スクリーン印刷、凹版印刷、スプレー又はハケ塗り等に
より塗布する方法を用いることができる。本発明におい
て導電性塗膜とは、本発明の導電性ペーストを乾燥硬化
させて得られる1×10-2Ω・cm以下の体積固有抵抗を
有する硬化体もしくは硬化塗膜を意味するものとする。
【0040】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限
定されるものではない。実施例及び比較例において配合
量について「%」とは「重量%」を意味する。
【0041】実施例1〜19ペースト調製 表1に示す導電性粉末、表2に示すエステルカルボン酸
またはその塩、表3に示す有機バインダー、表4に示す
その他の添加剤を表5、6に示す組成となるように配合
して、ディスパーや三本ロールにより十分均一に混練し
て導電性ペーストを調製した。
【0042】基板調製 ガラス・エポキシ樹脂基板(CEM-3) を用い、銅箔との密
着試験部分および、電極部分を残して、予め有機絶縁層
(太陽インキ製 S-222, HR-6またはMF-100S 、TS-17 )
を印刷・硬化した。銅箔の前処理には、硫酸/クエン酸
アンモニウム(1:3)の10%水溶液を用いて、40
℃にて60秒浸漬して表面酸化被膜を溶解後、ジェット
エアーで風乾した。
【0043】ペースト印刷 得られた各導電性ペーストを用いて180〜250メッ
シュのテトロン製スクリーンを装着したスクリーン印刷
機を用いて密着性試験部分および導電性測定パターン
(2mm×360mm)を有機絶縁体上または銅箔上に
印刷した。次に140〜160℃で10〜30分間加熱
硬化し、厚さ約30μmのペースト硬化塗膜を得た。
【0044】オーバーコート印刷 有機絶縁層(太陽インキ製MF-200、TS-92E)を約20μ
mの厚さでペースト硬化塗膜上に印刷し、UV硬化(高
圧水銀灯、1200mJ/cm2 )および150℃×2
0分で加熱硬化した。上記の過程で得た導電回路につい
て諸特性を調べた結果を表5、6に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】導電性の測定 塗膜の導電性とは、加熱硬化された塗膜の体積固有抵抗
をデジタルマルチメーター(アドバンテスト社製 R655
1)を用いて2端子法により測定した値である。なお、
体積固有抵抗の算出式を次式に示す。 体積固有抵抗(Ω・cm)=(R×t×W)/L R:電極間の抵抗値(Ω) t:塗膜の厚さ(cm)
W:塗膜の幅(cm) L:電極間の距離(cm)
【0052】耐湿性試験 塗膜の耐湿性は、40℃、90%相対湿度の環境下で3
00時間の放置試験を行い、その前後での抵抗値の変化
率WR を次式により求めた。 抵抗変化率WR (%)=(R300 −R0 )/R00 :試験前の塗膜の抵抗値(Ω) R300 :300時間試験後の抵抗値(Ω) WR の値により塗膜の耐湿性を次の如く表示する。 A:WR が30%未満 B:WR が30%以上100%未満 C:WR が100%以上
【0053】密着性試験 密着性試験は、JIS K 5400(1979)の碁盤目セロテープ剥
離試験方法に準じて行い、銅箔や有機絶縁層上に残る塗
膜の碁盤目個数を求めた。判定基準は次の通りである。 A:100/100 B: 90/100以上〜100/100未満 C: 50/100以上〜 90/100未満 D: 0/100以上〜 10/100未満
【0054】比較例1〜5 表6に示す組成の導電性ペーストを比較品として調製
し、実施例と同様に評価した。結果を表6に併せて示
す。
【0055】表5、6は本発明に係る導電性ペーストお
よび導電性塗膜の各種特性を比較例とともに示したもの
である。本発明の導電性ペーストは、実施例1〜19に
示されるように、高い導電性(10-3〜10-4Ω・cm)
を維持したまま、金属銅表面に対する密着性が大きく改
善されている。またこれらの物性は、耐湿性などの環境
安定性にも優れていることが分かる。
【0056】これに対して、エステルカルボン酸および
/またはその塩を用いない導電性ペースト(比較例
1)、あるいはアルキル基部分の炭素数が適性範囲を外
れたエステルカルボン酸を用いた導電性ペースト(比較
例2,3,4)では、各種物性(導電性、耐湿性、及び
密着性)を総合的に満たすことが困難であり、また本発
明に使用されるエステルカルボン酸またはその塩の配合
量が適正でない場合(比較例5)にも各種物性を総合的
に満たすことが困難である。
【0057】また、本発明の導電性ペーストは160℃
で高温酸化した銅箔表面についても良好な密着性を示し
た(実施例6,7,8)。具体的な数値は示していない
が、以下に述べる評価を行った結果、本発明の導電性ペ
ーストは耐マイグレーション性が良好であった。さらに
作用機構は不明だが、有機バインダーとしてヒドロキシ
スチレン系共重合体および/またはその誘導体を含む本
発明の導電性ペーストは耐マイグレーション性が特に良
好であった。耐マイグレーション性の評価は次のように
行った。基板上に印刷された有機絶縁体上に各導電性ペ
ーストを回路/スペース=2.0/0.5mmの櫛形パ
ターンに印刷・硬化し、厚さ約20μmのペースト塗膜
を得た。さらにオーバーコート層を印刷・硬化した。こ
のペースト塗膜に直流電圧を50V印加しながら、60
℃、95%RHの恒温恒湿下、1000時間放置した後
の絶縁抵抗を測定した。結果は何れのペーストも108
Ω以上の絶縁抵抗を維持していた。
【0058】
【発明の効果】本発明において、エステルカルボン酸お
よび/またはその塩を用いることにより、導電性を低下
させることなく密着性の向上が図れ、その環境安定性を
大幅に改善し、総合的に優れた導電性ペーストを提供す
ることができる。従って、本発明の導電性ペーストを用
いれば、回路基板上に極めて信頼性が高く、かつ効果の
大きい電磁波シールド層を容易にかつ安定的に形成する
ことができる。また、回路基板の配線用の導体として用
いた場合においても、信頼性の高い配線を形成すること
ができる。さらに、電子機器部品、回路部品の電極など
にも有効に使用でき、これらの効果は産業上極めて大き
いものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性粉末、有機バインダー、添加剤、
    および溶剤を含む導電性ペーストにおいて、該有機バイ
    ンダーが熱硬化性樹脂を必須成分とし、該添加剤として
    一般式(I)で示されるエステルカルボン酸および/ま
    たはその塩を含有することを特徴とする導電性ペース
    ト。 【化1】 (式中、Ra は炭素数1〜28の直鎖もしくは分岐のア
    ルキル基を示す。Rb は単結合、あるいは炭素数1〜1
    0の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、アルケニレン基
    または芳香族環を示す。Rc は炭素数1〜10の直鎖も
    しくは分岐のアルキレン基、または芳香族環を示す。X
    は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金
    属、アンモニウム、アルキルアンモニウムまたはヒドロ
    キシアルキルアンモニウムを示す。nは1,2または3
    を示す。)
  2. 【請求項2】 有機バインダーが熱可塑性樹脂を含む、
    請求項1記載の導電性ペースト。
  3. 【請求項3】 有機バインダーがフェノール樹脂、アミ
    ノ樹脂、キシレン樹脂、ヒドロキシスチレン系重合体お
    よびその誘導体からなる群から選ばれる一種類以上を含
    有することを特徴とする請求項1または2記載の導電性
    ペースト。
  4. 【請求項4】 導電性粉末が金属粉末または表面に金属
    層を有する固体粉末である請求項1記載の導電性ペース
    ト。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3、または4記載の導電
    性ペーストを基材上に塗布、または印刷後、硬化してな
    ることを特徴とする導電性塗膜。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2012161201A1 (ja) * 2011-05-23 2014-07-31 旭硝子株式会社 導電ペーストおよびこれを用いた導電膜付き基材、ならびに導電膜付き基材の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2012161201A1 (ja) * 2011-05-23 2014-07-31 旭硝子株式会社 導電ペーストおよびこれを用いた導電膜付き基材、ならびに導電膜付き基材の製造方法

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