JPH0532476U - 衛生器具固定用床フランジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衛生器具をセットした後その取付位置を調節
できる衛生器具固定用床フランジにおいて、衛生器具セ
ット時においては取付ボルトのスライドを阻止し、衛生
器具セット後は取付ボルトが自由にスライドする床フラ
ンジを提供する。 【構成】 排水管Ｃの開口端部Ｃ１に接続する連結管部
１外周に、ほぼ水平外方へ延びるフランジ部２を設け
る。フランジ部２には衛生器具の台座部を固定する取付
ボルト１２を装着するための長孔状のボルト挿通孔４を
設ける。ボルト挿通孔４内の相対向する側壁４ａ，４ａ
の夫々には左右一対の凸部７ａ，７ａを突設し、且つそ
れら凸部７ａ，７ａを前後に設ける。そうして、それら
四つの凸部７ａ…を取付ボルト１２の螺杆部１２ｂ外周
に圧接させて取付ボルト１２を係脱自在に係止し得るよ
うにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、大便器などの衛生器具を設置床面に固定するための衛生器具固定用 床フランジに関し、更に詳しくは、衛生器具の台座部を固定する取付ボルトをス ライド可能に装着して、衛生器具の取付位置を調節できる床フランジに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種床フランジＡ´は図７・８に示すように、排水管Ｃの開口端部Ｃ １に接続する連結管部１と、その外周に連続してほぼ水平外方へ延びるように形 成したフランジ部２とを備えており、そのフランジ部２には衛生器具Ｂの台座部 Ｂ２を締結するための取付ボルト１２が装着されていた。 このような床フランジＡ´を用いて大便器などの衛生器具Ｂを設置床面Ｆに固 定する場合、まず前記連結管部１を排水管Ｃの開口端部Ｃ１に接続・固定すると 共にフランジ部２を木ネジ１１等で設置床面Ｆに固定し、次に取付ボルト１２を フランジ部２に装着し、さらに衛生器具Ｂの台座部Ｂ２に設けたボルト孔Ｂ３に 前記取付ボルト１２を挿通して衛生器具Ｂをセットし、最後にその取付ボルト１ ２にナット１４を螺嵌して台座部Ｂ２を締結・固定するようになっている。 上記取付ボルト１２を装着するためにフランジ部２に開設するボルト挿通孔４ は、衛生器具Ｂをセットした後その取付位置を調節できるよう（衛生器具を回動 操作して角度調整ができるよう）、フランジ部２の周方向に沿って延びる長孔状 に形成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記したような従来の床フランジＡ´によれば、ボルト挿通孔４を長孔状とす ることで取付ボルト１２がスライド可能に装着され、これにより衛生器具Ｂセッ ト後の取付位置を調節可能としているが、そのため衛生器具Ｂをセットする際に 取付ボルト１２が動いてしまう虞れがあり、衛生器具Ｂセット時の便宜に問題を 残していた。 本考案は、上述したような従来事情に鑑みてなされたものであり、その目的と するところは、衛生器具セット時においては取付ボルトのスライドを阻止し、衛 生器具セット後は取付ボルトが自由にスライドする床フランジを提供することに ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案は、排水管の開口端部に接続する連結管部と 、該連結管部外周に連続してほぼ水平外方へ延びるフランジ部とを備え、前記フ ランジ部には該フランジ部の周方向へ伸びる長孔状のボルト挿通孔を設けて、衛 生器具の台座部を固定する取付ボルトを前記ボルト挿通孔内にスライド可能に装 着する衛生器具固定用床フランジにおいて、上記ボルト挿通孔内に前記取付ボル トを係脱自在に係止する係止部を設けたことを特徴とする。 上記係止部は、ボルト挿通孔内に、取付ボルトを係脱自在に係止する左右一対 の凸部を適宜間隔をおいて前後に設けて形成される。 また上記係止部は、ボルト挿通孔内に、取付ボルトを係脱自在に挟持する左右 一対の***部を設けて形成することも可能である。

【０００５】

【作用】

以上の構成によれば、衛生器具セット時においては係止部が取付ボルトのスラ イドを阻止し、衛生器具セット後は衛生器具を回動操作することで係止部による 取付ボルトの係止が解除され取付ボルトが自由にスライドする。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。 図１〜６においてＡは本考案の床フランジ、詳しくは図４に示すように衛生器 具（図面では腰掛け式の大便器を示す）Ｂを設置床面Ｆに固定するための床フラ ンジで、排水管Ｃの開口端部Ｃ１に接続する筒状の連結管部１と、その連結管部 １の上端開口縁に連続して外方へほぼ水平に延びる環状のフランジ部２とを備え ている。

【０００７】 前記フランジ部２の上面側には、衛生器具Ｂの排水口Ｂ１を囲む環状の係止縁 ２ａが形成され、さらにその係止縁２ａの外側には後述するシール材１０が充填 される環状の凹部２ｂが形成される。 また、上記フランジ部２の外周には、この床フランジＡを設置床面Ｆに固定す るための木ネジ１１等を挿通せしめる透孔３ａを有する左右の固定部３，３が耳 片状に延設されている。

【０００８】 上記固定部３はフランジ部２の外周に左右対称となるように設けられ、夫々の 固定部３の適宜位置に上記透孔３ａが設けられる。また夫々の固定部３には床フ ランジＡに衛生器具Ｂを固定するための取付ボルト１２を挿通するボルト挿通孔 ４が、上記透孔３ａとは別に開穿されている。 ボルト挿通孔４は、取付ボルト１２の下端座板１２ａを挿入することはできな いが螺杆部１２ｂを挿入するに足るだけの幅を有する長孔状に形成され、フラン ジ部２の周方向に沿って延びている。またこのボルト挿通孔４の端部には、前記 座板１２ａを挿入するに足る大きさを有する開口部５が、前記ボルト挿通孔４に 連続状に形成される。

【０００９】 また、上記固定部３の裏面には、ボルト挿通孔４及び開口部５の下方に位置す る凹窪部６を形成する。凹窪部６は、床フランジＡ設置状態において、床フラン ジＡと設置床面Ｆとの間に取付ボルト１２の座板１２ａを収納し得るようになっ ている。

【００１０】 そうして本考案においては、斯る構造の床フランジＡにおける夫々のボルト挿 通孔４に係止部７を設けることを特徴としている。 係止部７は図３に拡大して示すように、ボルト挿通孔４内の相対向する側壁４ ａ，４ａの夫々に左右一対の凸部７ａ，７ａを突設し、且つそれら凸部７ａ，７ ａを前後に設け、それら四つの凸部７ａ…を取付ボルト１２の螺杆部１２ｂ外周 に圧接させて取付ボルト１２を係脱自在に係止（取付ボルト１２のスライドを解 除可能に阻止）し得るように形成される。

【００１１】 また上記係止部７は図５，６に示すように、前記ボルト挿通孔４内の相対向す る側壁４ａ，４ａ夫々に、取付ボルト１２の螺杆部１２ｂの外周に圧接して取付 ボルト１２を係脱自在に挟持する左右一対の***部７ｂ，７ｂを設け、これによ りボルト挿通孔４の開口幅を部分的に狭くして取付ボルト１２を係脱自在に係止 し得るように形成することも可能である。 尚、図中８ａ，８ａ・８ｂ，８ｂは、設置床面Ｆに描いた十字状の罫書き線Ｇ で示される所定位置に床フランジＡを設置するための位置合わせ印である。また 、夫々のボルト挿通孔４に設けた係止部７，７同士はその位置合わせ印８ａ，８ ａを結ぶ線Ｇ１上において左右対称に位置するように設けることはいうまでもな い。

【００１２】 以下に、以上の構成からなる本実施例の床フランジＡを用いて衛生器具Ｂを設 置する際の手順を、図３及び４を参照して説明する。 まず従来の床フランジと同様、設置床面Ｆ下に配管した排水管Ｃの開口端部Ｃ １に連結管部１を挿嵌せしめて連結管部１と排水管Ｃを接続すると共に、位置合 わせ印８ａ，８ａ・８ｂ，８ｂを罫書き線Ｇ上に位置させてフランジ部２を設置 床面Ｆに木ネジ１１で固定する。 次に、フランジ部２上面の凹部２ｂに、断面くの字形の環状のシ―ル材１０を 配置し、且つそのシール材１０上方に発泡パッキン１３を配置する。さらに開口 部５を介してボルト挿通孔４に挿通した取付ボルト１２の螺杆部１２ｂを係止部 ７にて係止するをもって、取付ボルト１２を所定位置に起設する。

【００１３】 そうして、衛生器具Ｂの台座部Ｂ２に設けたボルト孔Ｂ３に取付ボルト１２の 螺杆部１２ｂを挿通させて衛生器具Ｂをセットし、さらに台座部Ｂ２上面側から ナット１４を螺嵌して衛生器具Ｂを仮置きする。その際、台座部Ｂ２裏面とフラ ンジ部２の凹部２ｂとでシ―ル材１０を圧潰して接続部分をシ―ルするが、衛生 器具Ｂの設置にあたってその排水口Ｂ１が連結管部１及び排水管Ｃから外ずれな いように係止縁２ａによりその位置を規制する。 上記発泡パッキン１３は所望な発泡材を用いて薄肉なリング状に形成されるも ので、接着剤などにより台座部Ｂ２の裏面に予め固定されて台座部Ｂ２裏面の凹 凸を吸収し、台座部Ｂ２とシール材１０との間に隙間が形成されることを防止す る。 最後に、取付ボルト１２に緩嵌したナット１４を締め上げて衛生器具Ｂを固定 する。 また、上記仮置き状態において、例えばフランジ部２が所定位置に設置されて おらず衛生器具Ｂの設置位置（角度）がずれていた場合には、衛生器具Ｂを回動 操作して係止部７による取付ボルト１２の係止を解除すると共に、当初設定のレ イアウト通りに配置されるよう衛生器具Ｂを回動調節する。そうして、調節後に ナット１４を締め上げて衛生器具Ｂを固定する。

【００１４】 尚、本実施例においてはフランジ部２に設けた位置合わせ印８ａ，８ａを結ぶ 線上において左右対称に位置するように係止部７，７を設けているので、各位置 合わせ印８ａ，８ａ・８ｂ，８ｂが罫書き線Ｇと合致するようにフランジ部２を 固定すれば前記係止部７によって係止される取付ボルト１２は自ずと所定位置に 起立する。よって、その取付ボルト１２の螺杆部１２ｂを台座部Ｂ２のボルト孔 Ｂ３に挿通させれば、衛生器具Ｂは自ずと当初設定のレイアウト通りに仮置きさ れるので、仮置き後にその設置位置を再調節する必要がなくなり衛生器具Ｂの設 置作業を簡略化できる。 また、図面では衛生器具Ｂを大便器としたが、本考案の床フランジは大便器固 定用に限定されず、小便器その他各種の衛生器具固定用として用いられるもので ある。 さらに、上記実施例においては床フランジＡの連結管部１を筒状のものとした が、図８に示すような漏斗状のものとすることは任意である。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の衛生器具固定用床フランジは以上説明したように構成したので、衛生 器具セット時においては係止部が取付ボルトのスライドを阻止するをもって衛生 器具をセットする際に取付ボルトが動いてしまうような従来の不具合を解消でき 、しかも衛生器具セット後は衛生器具を回動操作することで係止部による取付ボ ルトの係止が解除され取付ボルトが自由にスライドするので衛生器具セット後の 取付位置を調節可能とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の床フランジの一実施例を示す平面
図。

【図２】 図１の中央縦断面図。

【図３】 図１の要部拡大斜視図。

【図４】 衛生器具の取付状態を示す縦断面図。

【図５】 本考案の床フランジの他の実施例を示す平面
図。

【図６】 図５の要部拡大斜視図。

【図７】 従来の床フランジの平面図。

【図８】 図７の縦断面図で衛生器具の取付状態を示
す。

【符号の説明】

Ａ：床フランジ Ｂ：衛生器具 Ｂ
２：台座部 Ｃ：排水管 Ｃ１：開口端部 １：
連結管部 ２：フランジ部 ３：固定部 ４：
ボルト挿通孔 ７：係止部 ７ａ：凸部 ７
ｂ：***部１２：取付ボルト

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 排水管の開口端部に接続する連結管部
   と、該連結管部外周に連続してほぼ水平外方へ延びるフ
   ランジ部とを備え、前記フランジ部には該フランジ部の
   周方向へ伸びる長孔状のボルト挿通孔を設けて、衛生器
   具の台座部を固定する取付ボルトを前記ボルト挿通孔内
   にてスライド可能に装着する衛生器具固定用床フランジ
   において、上記ボルト挿通孔内に前記取付ボルトを係脱
   自在に係止する係止部を設けたことを特徴とする衛生器
   具固定用床フランジ。
2. 【請求項２】 ボルト挿通孔内に、取付ボルトを係脱自
   在に係止する左右一対の凸部を適宜間隔をおいて前後に
   設けて上記係止部を形成したことを特徴とする請求項１
   記載の衛生器具固定用床フランジ。
3. 【請求項３】 ボルト挿通孔内に、取付ボルトを係脱自
   在に挟持する左右一対の***部を設けて上記係止部を形
   成したことを特徴とする請求項１記載の衛生器具固定用
   床フランジ。