JPH05320686A - 菜種油の製造方法 - Google Patents

菜種油の製造方法

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JPH05320686A
JPH05320686A JP12342892A JP12342892A JPH05320686A JP H05320686 A JPH05320686 A JP H05320686A JP 12342892 A JP12342892 A JP 12342892A JP 12342892 A JP12342892 A JP 12342892A JP H05320686 A JPH05320686 A JP H05320686A
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JP
Japan
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oil
rapeseed
pressed
rapeseed oil
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Application number
JP12342892A
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English (en)
Inventor
Seiji Suzuki
清次 鈴木
Toru Nakamura
徹 中村
Teruo Ishida
輝雄 石田
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TOYO SEIYU KK
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
TOYO SEIYU KK
Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】菜種油の分解が少なく、従って難脱ガム性リン
脂質の発生も低く、原油精製が容易であり、その結果菜
種油の収量が高く、またグルコシレート含量の少ない良
質の圧搾粕が得られる菜種油の製造方法を提供する。 【構成】水分含量5〜20重量%の菜種種子を丸粒のまま
101〜150℃、1〜120分間加熱後、菜種種子の組織を破
壊することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物油脂の原料である
菜種から良質の油を得る製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、菜種種子からの菜種油の製造は、
菜種種子を圧扁(すなわちフレーク化)し、次いでクッ
キング処理(すなわち加熱処理)し、その後一軸圧搾機
で圧搾して菜種原油を得る。また圧搾粕からも、抽出処
理により菜種原油を得る。その後、これらの原油を精製
(すなわち脱ガム処理等)し、精製菜種油が製造され
る。
【0003】しかしながら上記従来の製造方法では、菜
種油成分の加水分解が著しく、遊離脂肪酸と難脱ガム性
リン脂質を多量に生じさせる。その結果、原油自体が十
分に得られず、かつその原油の精製も非常に困難であり
精製歩留りが低い、といった問題を有する。
【0004】そこで、菜種種子を圧扁せずに丸粒のまま
90℃以下という低温にてクッキングし、その後圧搾して
菜種油を得る方法が提案される(米国特許第4024168
号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記方法
においても、圧搾粕を抽出処理する際には難脱ガム性リ
ン脂質の発生を十分に抑えることはできず、原油は精製
し易いものではない。更に圧搾粕についても、ミロシナ
ーゼ酵素によるグルコシレートの生成含量が高く、飼料
原料として利用するには適さない、といった問題を有す
る。
【0006】そこで本発明は、菜種油の分解が少なく、
従って難脱ガム性リン脂質の発生も低く、原油精製が容
易であり、その結果精製菜種油の収量が高く、またグル
コシレート含量の少ない良質の圧搾粕が得られる菜種油
の製造方法を提供することを、目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、菜種種子の組織を破壊する前に菜種種子を丸粒のま
ま先ず101℃以上の高温にてクッキングすれば、優れた
功を奏することを見出し本発明を成すに至った。
【0008】すなわち本発明は、水分含量5〜20重量%
の菜種種子を丸粒のまま101〜150℃、1〜120分間加熱
後、菜種種子の組織を破壊することを特徴とする菜種油
の製造方法、を提供する。
【0009】本発明の製造方法において、菜種種子は丸
粒のままクッキングする。菜種種子の水分含量は、5〜
20重量%、好ましくは7〜10重量%である。水分含量が
5重量%未満では、酵素の失活が不充分となり、充分な
効果が期待できない。また、20重量%を超過すると脱脂
粕の乾燥で負荷が増大し好ましくない。菜種種子は丸粒
のまま使用されるが、これは未脱皮のものであっても、
脱皮したものであっても構わない。
【0010】クッキング温度は101〜150℃、好ましくは
105〜120℃である。101℃未満では難脱ガム性リン脂質
の発生を十分に抑制することができず、また150℃を超
過すると搾油した油にコゲ臭が発生する。また、エネル
ギー効率的にも好ましくない。クッキング時間は1〜12
0分、好ましくは1〜30分である。1分未満では難脱ガ
ム性リン脂質の発生を十分に抑制することができず、ま
た120分を超過してもこれ以上十分な効果は発揮しな
い。クッカーは特に限定されず、縦型、横型、蒸気加熱
方式等の何れであってもよい。
【0011】上記クッキング後、菜種種子の組織を破壊
して菜種原油を採油する。そのような採油法としては、
搾油(すなわち圧搾採油)が好ましい。搾油において
は、通常の一軸圧搾機を使用してもよいが、二軸圧搾
機、特に特開平2−251397号公報に記載の二軸圧搾機を
使用するのが好ましい。この圧搾機を使用すれば、未脱
皮の丸粒は勿論、脱皮した丸粒(半割れ以下の細かい種
子も含む。)でも効率良く搾油できる。なお、上記クッ
キング後に菜種種子組織を、予め圧扁処理により或る程
度にまで予備破壊しておいて、それから搾油してもよ
い。圧扁処理は、例えばローラー等によって行ってよ
い。
【0012】一方圧搾粕からも、抽出処理により菜種原
油が採油される。抽出溶剤としては、例えば有機溶剤、
具体的にはヘキサン、エタノール、イソプロパノール等
が挙げられる。抽出機は、例えばロートセル型等であっ
てよい。なお、本発明によれば、脱酸の際の排水はCO
D(化学的酸素要量)を0.03kg/油t以下とすることが
できる。また、抽出後の圧搾粕はグルコシレート含量が
通常0.05重量%以下と少なく、例えば飼育飼料として最
適である。
【0013】その後、前記および上記の菜種原油は併さ
れ、精製される。なお、本発明によれば、これらの菜種
原油は酸価1.5以下、P含量30ppm以下(脱ガム油)とす
ることができる。精製は、具体的には菜種原油を、まず
脱ガム処理し、脱酸処理し、脱色処理し、そして脱臭処
理して行われる。これらは常法に従って処理してよい。
脱ガム処理により菜種原油中に含有されるリン脂質が除
かれる。また脱酸処理により、遊離脂肪酸、未除去のリ
ン脂質、更には各種金属が除去される。
【0014】本発明の製造方法により、菜種油の精製収
率を95%以上とすることができる。
【0015】
【作用】従来の菜種油の製造方法では、菜種種子を圧扁
した後にクッキング加熱される。すなわち、組織破壊し
て種子中の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ等)
と油成分とが接触した後に、酵素の最も適する温度に一
時的に昇温される。その結果、油成分中のトリグリセラ
イドやリン脂質は酵素により速やかに加水分解され、遊
離脂肪酸と難脱ガム性リン脂質が生成する。
【0016】一方本発明の製造方法では、種子の組織破
壊を行う前に高温クッキングを行う。すなわち、予め種
子中の酵素を高温加熱により失活させておいてから、種
子組織の破壊を行う。そのため、組織破壊によって酵素
と油成分とが接触し更に酵素活性温度にまで昇温された
としても、既に酵素は失活しているので、もはや油成分
が加水分解されることがなく、従って遊離脂肪酸や難脱
ガム性リン脂質も生成しない。
【0017】
【実施例】(実施例1)菜種種子(キャノーラ、水分含
量8.0重量%)を丸粒のまま、攪拌羽根と蒸気による間
接加熱ジャケットを取り付けたクッカー中に投入し105
℃で5分間加熱した後、特開平2−251397号公報に記載
の二軸圧搾機に供給し、圧搾油と圧搾粕とを得た。
【0018】圧搾粕は3倍重量のヘキサンを加えて、60
℃で30分間抽出し、この操作を3回繰り返した。油を含
むヘキサンは全て併せて蒸留しヘキサンを留去して抽出
油を得た。抽出粕は風乾によりヘキサンを完全に除去し
た後、水分含量を20重量%とし100℃で30分間加熱処理
した。
【0019】前記圧搾油と上記抽出油とを併せ(粗原
油)、これに水2重量%とリン酸0.05重量%を加えて70
℃で20分間攪拌し、遠心分離してガム分を除去した。こ
の脱ガム処理油に苛性ソーダとリン酸を加えて脱酸し、
生成したソーダ油層を遠心分離した。更に熱水10重量%
を加えて80℃で1分間攪拌して遠心分離した。ソーダ油
層と熱水洗浄水とを併せたものに、濃硫酸を加えてpH1
に調整し、100℃で4時間加熱して脱酸油を浮上させ
た。なお水層について、COD(化学的酸素要求量)を
測定した。脱酸油に活性白土1.5重量%を加えて80℃で3
0分間真空下で攪拌して濾過し、脱色油を得た。この脱
色油を常法に従って250℃で加熱脱臭し、精製油を得
た。
【0020】上記粗原油及び脱ガム油の酸価とP含量、
各工程で得られた油の収率、上記COD値、並びに圧搾
粕中のグルコシレート含量を表1に示す。
【0021】(比較例1)菜種種子を圧扁し105℃で5
分間クッキングしものを二軸圧搾機に供給した以外は、
実施例1と同様にして精製油を得た。又、実施例1と同
様に、各油の収率および成分分析結果を求めた。結果を
表1に示す。
【0022】(比較例2)クッカー中で95℃で30分間加
熱した以外は、実施例1と同様にして精製油を得た。ま
た、実施例1と同様に、各油の収率および成分分析結果
を求めた。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】(実施例2〜14)表2に示す水分含量の菜
種種子を使用しクッカー中の加熱条件を表2に示す通り
にした以外は、実施例1と同様にして粗原油、脱ガム
油、および圧搾粕を得た。得られた粗原油及び脱ガム油
の酸価とP含量、並びに圧搾粕中のグルコシレート含量
を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】(比較例3〜15)表3に示す水分含量の菜
種種子を圧扁したものを使用しクッカー中の加熱条件を
表3に示す通りにした以外は、実施例1と同様にして粗
原油、脱ガム油、および圧搾粕を得た。得られた粗原油
及び脱ガム油の酸価とP含量、並びに圧搾粕中のグルコ
シレート含量を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明の製造方法により、酸価が低くか
つ脱ガム処理のし易い菜種原油が得られる。その結果、
原油精製が非常に容易であり、精製油の収率が向上す
る。また、排水の汚濁負荷量が極めて低く、環境上非常
に好ましい。更に、搾油後の圧搾粕はグルコシノレート
含量が低く品質に優れ、従って飼料原料として最適であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 輝雄 千葉県千葉市美浜区新港230 東洋製油株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分含量5〜20重量%の菜種種子を丸粒
    のまま101〜150℃、1〜120分間加熱後、菜種種子の組
    織を破壊することを特徴とする菜種油の製造方法。
  2. 【請求項2】 加熱後、二軸圧搾機により圧搾する工程
    を含む請求項1記載の菜種油の製造方法。
JP12342892A 1992-05-15 1992-05-15 菜種油の製造方法 Pending JPH05320686A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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