JPH05313391A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH05313391A
JPH05313391A JP11610392A JP11610392A JPH05313391A JP H05313391 A JPH05313391 A JP H05313391A JP 11610392 A JP11610392 A JP 11610392A JP 11610392 A JP11610392 A JP 11610392A JP H05313391 A JPH05313391 A JP H05313391A
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JP
Japan
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layer
carrier
group
polymer
heterocyclic group
Prior art date
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Application number
JP11610392A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisaya Sato
壽彌 佐藤
Soukou Ri
相鎬 李
Hiroyuki Nomori
弘之 野守
Osamu Sasaki
収 佐々木
Yukie Hosogoezawa
幸恵 細越澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 正孔輸送能が優れ、可撓性、機械的強度、接
着性が優れ、かつ十分な帯電能を有し、更に複写プロセ
スの小型化と高速化の両立に応じうる電子写真感光体を
提供する。 【構成】 一般式〔I〕の繰返し構造単位を有する複素
環基含有有機シリコーンポリマーを感光層に含有させ
る。一般式〔I〕 [式中、Siは、シリコン原子を表し、R1,R2は、置換
基を有してもよいアルキル基、アラルキル基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アリール基、複素環基を表
し、nは1から10までの正の整数を表し、Xは-S-また
は-(NR3)-を表し、R3は水素原子または、置換基を有し
てもよいアルキル基、アラルキル基、アリール基、複素
環基を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真複写に関し、特
に感光体感光層の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体としては、セレン、酸化
亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性化合物を用いて
構成された無機感光層を備えた無機感光体が広く用いら
れている。
【0003】しかし、このような無機感光体は、感度、
熱安定性、耐湿性、耐久性等の点においては、必ずしも
十分に満足し得るものではない。例えばセレンを用いて
構成された無機感光層を備えた無機感光体は、高温にな
ると結晶化して電子写真感光体としての特性が劣化しや
すく、製造プロセスにおいて厳しい温度管理が必要とさ
れ、又取扱う際にも熱や指紋等による結晶化を避ける必
要がある。又、硫化カドミウムや酸化亜鉛を用いて構成
された無機感光層を備えた無機感光体は、耐湿性、耐久
性が劣る。
【0004】前記事情から、近年においては、有機光導
電性化合物を用いて構成された有機感光層を備えた有機
感光体の研究開発が盛んに行われている。
【0005】例えば特公昭50‐10496号には、ポリ‐N‐
ビニルカルバゾールと2,4,7‐トリニトロ-9‐フルオレ
ノンを含有した有機感光層を備えた有機感光体が開示さ
れている。しかし、この有機感光体は、感度及び耐久性
の点においていまだ不十分である。
【0006】これに対して、キャリア(正孔又は電子)
発生機能とキャリア輸送機能とを異なる物質に分担させ
る機能分離型の有機感光層を有する有機感光体が開発さ
れた。このような有機感光体によれば、感光層を構成す
る材料の選択範囲が格段に広り、種々の性能を有する有
機感光体を比較的容易に作成し得る利点がある。
【0007】前記、キャリア発生機能を分担するキャリ
ア発生物質としては、各種のアゾ化合物が実用化され、
キャリア輸送機能を分担するキャリア輸送物質として
は、例えば特開昭51-94829号、同52-72231号、同53-270
33号、同55-52063号、同58-65440号、同58-198425号等
に提案されている。
【0008】しかし、上記のキャリア輸送物質を用いて
構成された有機感光体は、キャリア輸送能が十分ではな
く、特に環境温度が低い状態で高速度の複写プロセスに
供すると感度低下を起し、或は残留電位上昇の不利を招
く。又、感光体ドラムの小径化によって複写プロセスの
簡便化を図っても従来のキャリア輸送物質ではキャリア
輸送能が十分ではなく、ドラム小径化は必然的にプロセ
ス速度の低下を招く。
【0009】このような事情から、最近、キャリア(正
孔)輸送物質として特定の構造のポリシランを用いる技
術が提案された(特開昭61-10747号、同62-269964号、
同63-285552号参照)。このポリシランによれば、既述
のキャリア輸送物質と異り自己成膜性を有しているた
め、他のバインダと組合せることなく容易に膜状の感光
層を形成することができ、又、正孔の移動度が約10-4cm
/V・secのオーダもしくはそれ以上にあって従来のキャ
リア輸送物質に比して約1桁以上大きく、従来のキャリ
ア輸送物質を用いて構成された有機感光体の欠点は、こ
の物質を用いることによって解消される。
【0010】しかし、このポリシランを用いて構成され
た感光層は可撓性に乏しく、又膜強度が概して低く、更
に接着性に乏しい。そのため、可撓性をもったベルト基
体上にポリシランを製膜しても罅割れ、膜剥れ等の損傷
が発生しやすく、更に電子写真プロセスを繰返して遂行
すると、更にこの現象が進行し拡大してゆく。その上、
現像時のトナー或はクリーニング時のクリーニング部材
等により受ける擦過力により表面が損傷され、或は膜剥
れが生じ、その結果、得られる複写画像には、白筋、黒
筋等の欠陥が早期に発生して画質が劣化する。この現象
は複写プロセスの小型化を図り、ドラムの小径化又はベ
ルト基体の曲率増加を行った場合に顕著に認められる。
又、ポリシランは暗抵抗が比較的小さく、これを用いて
構成した有機感光体は帯電能が不十分であることがもう
1つの問題である。
【0011】
【発明の目的】以上の如き事情に基き、本発明の目的
は、(1)正孔輸送能が優れ、可撓性、機械的強度、接
着性が優れ、かつ十分な帯電能を有する電子写真感光体
を提供すること、(2)複写プロセスの小型化と高速化
の両立に応じうる電子写真感光体を提供することにあ
る。
【0012】
【発明の構成及び作用効果】前記本発明の目的は、前記
「化1」に示した一般式〔I〕を繰返し単位とし、前記
規制を有する複素環含有有機シリコーンポリマー(以後
ヘテロシランポリマーと略す)を感光層に含有する電子
写真感光体によって達成される。
【0013】前記ヘテロシランポリマーのスチレン換算
の数平均重合度は1,000〜20,000、重量平均重合度は1,0
00〜200,000であることが好ましい。重合度が上記範囲未
満であると成膜性及び電子写真性能が劣り、重合度が上
記範囲を越えると可撓性が著しく低下する。
【0014】前記一般式〔I〕を構成するR1〜R3の表
すアルキル基としては、炭素数が1〜24、好ましくは1
〜8の直鎖又は枝分かれしたアルキル基、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキ
シル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ペンタデシ
ル基、ステアリル基、シクロヘキシル基などのシクロヘ
キシル基、これらの置換アルキル基等を挙げることがで
きる。
【0015】アリール基としては、炭素数が6〜24のも
のが好ましく、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基
等を挙げることができる。
【0016】アルコキシ基としては、炭素数が1〜10の
ものが好ましく、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。
【0017】前記R1〜R3への置換基としては、アルキ
ル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、ニトロ
基、シアノ基及びハロゲン原子或はその他の置換基が挙
げられる。
【0018】前記ヘテロシランポリマーの具体的化合物
例として、以下のものが挙げられるが、これらの化合物
群に限定されるものではない。
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】これらのヘテロシランポリマーを合成する
方法としては、例えば、Chem.Mater,Vol3.No1.8-10.1
991及びその引用文献等に記載の方法等により合成する
ことが出来る。以下に合成例を示すがこの方法に限定さ
れるものではない。
【0026】<合成例1>(例示化合物A−1) モノマーの合成 (ジメチルジチエニルシランの合成)アルゴン下におい
てチオフェン22ml(0.28mol)を無水ジエチルエーテル1
40mlに溶解させn-BuLi;0.28mol(ジエチルエーテル
中)およびテトラメチルエチレンジアミン42.2ml(0.28
mol)を0℃で30分で滴下した。その後、0℃で2時間
撹拌した。ジメチルジクロロシラン16.7ml(0.14mol)
を無水ジエチルエーテル30mlに溶解させ前の反応溶液に
15分で滴下した(0℃)。室温に昇温した後、12時間撹
拌した。その後、蒸留水400mlを反応溶液に加え、有機
相を分液した。さらにジエチルエーテル100mlで3回水
相を抽出した。これらを合わせ無水硫酸マグネシウムで
脱水した後、溶媒除去し、減圧蒸留でモノマーを得た
(2mmHg/85-88℃)(収率65-67%)。
【0027】ポリマーの合成 (−Si(Me)2−Th−)nの合成 アルゴン下においてジメチルジチエニルシラン2.9ml(1
3.5mmol)を無水テトラヒドロフラン(THF)20mlに
溶解し、0℃において27.0mmolのn-BuLi(15.4ml,1.75
M;ヘキサン中)およびテトラメチルエチレンジアミン
4.1ml(27.0mmol)を加えた。3時間0℃で撹拌後、ジ
メチルクロロシラン1.6ml(13.5mmol)のTHF5ml溶
液を10分間で滴下した。0.5時間撹拌後、1.1MoLi溶液2.
5mlを反応溶液に加え反応を停止した。得られたポリマ
ーは水で洗浄後、THF/メタノールで再沈精製した
(収量3.8g:95%)。
【0028】<合成例2>(例示化合物A−2) モノマー合成 (メチルフェニルジチエニルシランの合成)アルゴン下
においてチオフェン22ml(0.28mol)を無水ジエチルエ
ーテル140mlに溶解させn-BuLi;0.28mol(ジエチ
ルエーテル中)およびテトラメチルエチレンジアミン4
2.2ml(0.28mol)を0℃で30分で滴下した。その後、0
℃で2時間半撹拌した。メチルフェニルジクロロシラン
21.2ml(0.14mol)をジエチルエーテル30mlに溶解させ
前の反応溶液に15分で滴下した(0℃)。室温に昇温し
た後、12時間撹拌した。その後、蒸留水400mlを反応溶
液に加え、有機相を分液した。さらにジエチルエーテル
100mlで3回水相を抽出した。これらを合わせ無水硫酸
マグネシウムで脱水した後、溶媒除去し、減圧蒸留でモ
ノマーを得た(1mmHg/141−142℃)(収率42%)。
【0029】ポリマー合成 合成例1のと同様の方法である。ただし、ジメチルジ
チエニルシランの代りにメチルフェニルジチエニルシラ
ンを、ジメチルジクロロシランの代りにメチルフェニル
ジクロロシランをそれぞれ用いた(収率79%)。
【0030】<合成例3>(例示化合物A−31) モノマー合成 (ジメチルジチエニルシランの合成)合成例1と同様の
方法で合成した。
【0031】ポリマーの合成 (-Si(Me)2-(Th)3-)nの合成 アルゴン下においてジメチルジチエニルシラン2.9ml(1
3.5mmol)を無水THF50mlに溶解し、0℃において27.
0mmolのn-BuLi(15.4ml,1.75M;ヘキサン中)お
よびテトラメチルエチレンジアミン4.1ml(27.0mmol)
を加えた。3時間0℃で撹拌後、3.67gのZnCl2(2
7.0mmol)のTHF50ml溶液を加え、さらに1時間撹拌
した。その後、0.156gのPd(PPh3)4(0.135mmol)
を加え、さらに1.52mlの2,5-ジブロモチオフェン(13.5
mmol)のTHF50ml溶液を加え50℃で24時間加熱撹拌し
た。反応溶液に0.1MHCl水溶液30mlを加えて反応を
停止した。有機相を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し
たのち、大量のメタノールでポリマーを沈殿させた。得
られたポリマーは再沈により精製した(収率95%)。
【0032】本発明の電子写真感光体は、前記の特定の
正孔輸送性物質;ヘテロシランポリマーを含有する有機
感光層を備えたものである。すなわち、本発明の電子写
真感光体は、基本的には、ヘテロシランポリマーをキャ
リア発生物質と組合せて構成した機能分離型の有機感光
層を有し、この有機感光層を直接もしくは他の層を介し
て例えば導電性支持体上に積層して構成したものであ
る。
【0033】該有機感光層の具体的構成は、特に限定さ
れず、以下のように種々の構成が可能である。
【0034】(1)キャリア輸送層と、キャリア発生層
とを別個独立の層とした構成(以下「構成(1)」とい
う。)。
【0035】(2)独立したキャリア発生層を形成せず
に、ヘテロシランポリマー中にキャリア発生物質を分散
含有させた構成(以下「構成(2)」という。)。
【0036】斯かる機能分離型の有機感光層によれば、
キャリアの発生と、キャリアの輸送とを別個の物質に分
担させるので、キャリア発生物質の選択範囲が広範とな
り、画像形成プロセスにおいて要求される諸特性、例え
ば帯電させたときの表面電位が高く、光感度が高く、又
反復使用における安定性が大きい等の優れた特性を有す
る有機感光体を構成することが可能となる。
【0037】そして、本発明の特定の正孔輸送性物質;
ヘテロシランポリマーは、それ自身で高い成膜性を有し
ているので、バインダを併用せずに上記構成(1)にお
けるキャリア輸送層或は上記構成(2)における感光層
を形成することができる。
【0038】そして、上記構成(1)におけるキャリア
輸送層或は上記構成(2)における感光層は、ヘテロシ
ランポリマーのみより形成してもよいし、必要に応じて
その他の物質を併用して所望の特性を付与してもよい。
斯かるその他の物質としては、 (1)絶縁性を高めるためのバインダ 斯かるバインダとしては、絶縁性を有し、かつ、ヘテロ
シランポリマーと相溶性のあるものが用いられる。具体
的には、例えばポリカーボネート、ポリエステル、メタ
クリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポ
リイソプレン、ポリプタジエン、ポリアミド樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレ
ン-メタクリル酸メチル共重合体等のスチレン共重合体
樹脂;塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体等の
アクリロニトリル系共重合体樹脂;塩化ビニル-酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸
共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹
脂、フェノール樹脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-
N-ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルホルマール、ポリヒドロキシスチレン等を挙げるこ
とができる。
【0039】これらのバインダは、単独で又は2種以上
を混合して用いることができる。これらバインダの併用
割合は、上記構成(1)におけるキャリア輸送層及び上
記構成(2)における感光層のキャリア発生物質を除い
た重量の例えば5〜50Wt%である。
【0040】(2)残留電位の低下を図るための他のn
型のキャリア輸送物質 斯かる他のn型のキャリア輸送物質としては、テトラシ
アノエチレン、テトラシアノキノジメタン、ジクロルジ
シアノパラベンズキノン、トリニトロフルオレノン、テ
トラニトロフルオレノン、フルオレニリデンマロノシニ
トリル、アニール類等を挙げることができる。斯かるキ
ャリア輸送物質は、上記構成(1)におけるキャリア発
生層にも添加して用いることができる。
【0041】(3)電位及びポリマー特性の安定化を図
るための添加剤 光、熱、オゾン等の化学物質などに起因する電位及びポ
リマー特性の劣化防止のために下記のような物質を添加
剤することができる。
【0042】ヒンダートフェノール系酸化防止剤(例
えばチバガイギー社製;IRGANOX 1010,同245,同259,
同1035,同1076,同1081,同1098,同1222,同1330,同
1425WL,同3114,同5057など) 紫外線吸収剤(例えばチバガイギー社製;TINUVIN P,同
234,同320,同326,同327,同328,同213など) 耐光安定剤、紫外線安定剤(例えばチバガイギー社
製;TINUVIN 622LD,CHINASSORB 944LD,TINUVIN 144,C
HINASSORB 119など) キャリア発生物質としては、一般に可視光から紫外光に
到る範囲の光を吸収して、自由キャリアを発生するもの
であれば特に限定されないが、具体的には、無機顔料及
び有機顔料等から選択することができる。
【0043】斯かる無機顔料としては、例えば無定形セ
レン、三方晶形セレン、セレン-砒素合金、セレン-テル
ル合金、硫化カドミウム等を挙げることができる。
【0044】又、有機顔料としては、例えば(1)モノア
ゾ顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、金属鎖塩アゾ
顔料等のアゾ系顔料、(2)ペリレン酸無水物、ペリレン
酸イミド等のペリレン系顔料、(3)アンスラキノン誘導
体、アンスアンスロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘
導体、ピランスロン誘導体、ビオランスロン誘導体、イ
ソビオランスロン誘導体等の多環キノン系顔料、(4)イ
ンジゴイド誘導体、チオインジゴイド誘導体等のインジ
ゴイド系顔料、(5)金属フタロシアニン、無金属フタロ
シアニン等のフタロシアニン系顔料、等を挙げることが
できる。
【0045】斯かるキノン発生物質は、それ自身では成
膜性が乏しいので、別個独立のキャリア発生層を形成す
る場合には、バインダを併用することが好ましい。
【0046】上記構成(1)におけるキャリア発生層に
用いられるバインダとしては、特に限定されないが、例
えば疎水性でかつ絶縁性の膜の形成が可能な高分子重合
体を用いることが好ましい。斯かる高分子重合体として
は、前記絶縁性を高めるためのバインダとして例示した
物質と同様のものを用いることができる。これらのバイ
ンダは、単独で又は2種以上を混合して用いることがで
きる。斯かるバインダは、キャリア発生物質の1重量部
に対して、5重量部以下の範囲で使用することが好まし
い。
【0047】導電性支持体としては、(1)アルミニウ
ム、ステンレス等の金属よりなる板状もしくはドラム状
の導電性支持体、(2)紙或はプラスチックフィルム等
の支持体上に、アルミニウム、パラジウム、金等の金属
よりなる薄層をラミネートもしくは蒸着によって設けた
構成の導電性支持体、(3)紙或はプラスチックフィル
ム等の支持体上に、導電性ポリマー、酸化インジウム、
酸化スズ等の導電性化合物の層を塗布もしくは蒸着によ
って設けた構成の導電性支持体等が挙げられる。
【0048】次に、本発明に係る電子写真感光体の具体
的構成例を図面を参照しながら説明する。
【0049】図1(1)は、導電性支持体1上に、キャ
リア発生層2を積層し、更にこの上に、キャリア輸送層
3を積層して、電子写真感光体を構成した例である。こ
の例では、それぞれ独立したキャリア発生層2とキャリ
ア輸送層3とにより有機感光層4が構成されている。
【0050】同図(2)は、(1)の例において、キャ
リア発生層2と、キャリア輸送層3の積層順を逆にした
構成である。
【0051】同図(3)は、(1)の例において、キャ
リア発生層2と導電性支持体1との間に中間層5を付加
した構成である。この中間層5は、例えば接着層、バリ
ア層等として機能するものである。
【0052】同図(4)は、(2)の例において、キャ
リア輸送層3と導電性支持体1との間に中間層5を付加
し、更に、キャリア発生層2の上にオーバコーティング
層8を設けた構成である。このオーバコーティング層8
は必要に応じて設けられるものである。
【0053】同図(5)は、正孔輸送性物質を含有して
なる層6中に、微粒子状のキャリア発生物質7を分散含
有させて構成した単一層からなる有機感光層4を導電性
支持体1上に積層した構成である。
【0054】同図(6)は、(5)の例において、有機
感光層4と導電性支持体1との間に中間層5を付加した
構成である。
【0055】有機感光層4を、キャリア発生層2及びキ
ャリア輸送層3を含む多層構成とする場合において、キ
ャリア発生層2とキャリア輸送層3のいずれを上層とす
るかは、有機感光層4の帯電極性に基いて定めるのが好
ましい。すなわち、帯電極性を負とする場合には、図1
(1)及び(3)に示すように、キャリア輸送層3を上
層とするのが有利である。
【0056】キャリア輸送層3の形成手段としては特に
限定されないが、具体的には、ディップコーティング
法、スプレーコーティング法、ブレードコーティング
法、ロールコーティング法、ラミネーティング法、熔融
押出法、等の種々の手段を適用することができる。
【0057】すなわち、本発明に係るヘテロシランポリ
マーは、十分な溶剤可溶性を示すので、通常の塗布法を
適用してキャリア輸送層を形成することができる。
【0058】又、塗布液には、必要に応じて架橋モノマ
ーを添加し、更に架橋反応開始剤を加えてもよい。この
場合には、架橋構造を有する強靭なキャリア輸送層3を
形成することができる。
【0059】斯かるキャリア輸送層3の厚さは、必要に
応じて変更し得るが、通常2〜50μmであり、好ましく
は5〜30μmである。
【0060】キャリア発生層2の形成手段としても特に
限定されないが、具体的には、真空蒸着法、キャリ
ア発生物質を適当な溶剤に溶解した溶液を塗布する方
法、キャリア発生物質をボールミル、サンドグライン
ダ等によって分散媒中で微細粒子状とし、必要に応じて
バインダと混合分散して得られる分散液を塗布する方
法、等の手段を適用することができる。
【0061】斯かるキャリア発生層2の厚さは、通常0.
01〜10μmであり、好ましくは0.05〜5μmである。
【0062】尚、図1(5)又は(6)に示すように、
正孔輸送性物質を含有してなる層6中に、微粒子状のキ
ャリア発生物質7を分散含有させて感光層4を構成する
場合には、キャリア発生物質7の含有割合は感光層4の
10〜90Wt%が好ましい。
【0063】前記中間層5は、接着層又はバリア層とし
て機能するものであり、具体的には、キャリア発生層に
用いられるバインダとして例示した既述の物質のほか、
例えばポリビニルアルコール、エチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、カゼイン等により構成するこ
とができる。
【0064】前記オーバコーティング層8には、キャリ
ア発生層のバインダに用いられる樹脂を用いることがで
きる。又、該層中でのキャリアの走行を助けるために前
記したn型のキャリア輸送物質、或はピラゾリン誘導
体、ベンチジン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジ
アゾール誘導体、ポリフェニルアミン誘導体、スチリル
アミン誘導体、ビトラゾン類等のp型のキャリア輸送物
質を混合して用いるのが好ましい。このオーバコーティ
ング層8の厚さは0.1〜10μmが好ましく、特に0.5〜5
μmの範囲が好ましい。
【0065】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する
が、本発明がこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0066】実施例1 アルミニウム蒸着したポリエステルベース上に共重合ポ
リアミド(CN-8000;東レ製)よりなる厚さ0.15μmの中
間層を作成した。
【0067】次いでキャリア発生物質としてチタニルフ
タロシアニン2部、バインダ樹脂としてシリコーン樹脂
(「KR-5240.15%キシレンブタノール溶液」信越化学社
製)15部、分散媒としてシクロヘキサノン100部をサン
ドミルを用いて分散し、これをワイヤバーにて塗布して
膜厚0.2μmのキャリア発生層とした。
【0068】次いでキャリア輸送層として合成例1の化
合物20部をテトラヒドロフラン100部に溶解し、ブレー
ド塗布機を用いて膜厚20μmとした。 実施例2〜7並びに比較例(1)及び(2) 化合物だけを変えて感光体を同様に作製した。
【0069】評価1 得られたサンプルは半導体レーザ光源を装着したプリン
タLP-3010(コニカ製)の改造機を用いて評価した。未
露光部電位Va、露光部電位VLを感度の評価値とし、表
1に示した。初期1回目のプロセス操作におけるそれぞ
れの電位を、Va1,VL1で表し、繰返しテストによる1
万回後のそれぞれの電位をVa10,000,VL10,000で示し
た。
【0070】比較例には、下記の合成によって得られた
比較化合物1及び比較化合物2を用いた。
【0071】<比較化合物1>500mlの3つ口丸底フラ
スコに還流冷却器、モータ回転による撹拌棒、滴下漏斗
をつけ、この装置を完全に乾燥しArガスにてパージし
た。精製した16.9gの2.7-ジブロム-9-フルオレノンのテ
トラヒドロフラン100ml溶液にマグネシウム2.43gによ
り、グリニヤール試薬を作成する。本グリニヤール試薬
に、減圧蒸溜したメチルフェニルジェトキシシラン(信
越化学工業社製LS-3970)21.0gを約3時間で撹拌しなが
ら滴下した。この反応液を濾過し、溶媒を蒸溜除去し
て、10gの2,7-ビス(メチルフェニルエトキシシリル)9-
フルオレンを得た。次に、10gの2,7-ビス(メチルフェ
ニルエトキシシリル)9-フルオレノンと25gの塩化アセ
チルをおよそ5時間還流し、蒸溜精製により2.7-ビス
(クロルメチルフェニルシリル)9-フルオレノンを7.2g
得た。
【0072】更に、300mlの3つ口丸底フラスコに還流
冷却器、モータ回転による撹拌棒、滴下漏斗をつけた。
これを用いて、5gの金属ナトリウムと100mlのトルエン
の分散液に15gの2.7-ビス(クロルメチルフェニルシリ
ル)9-フルオレノンを含有するベンゼン100ml溶液を滴
下した。この間、反応液を激しく回転し、70〜80℃にお
よそ20時間加熱した。この後、反応液をベンゼン/エタ
ノール-1/1溶液に投入して沈澱させ、濾過・乾燥し
た。更に水洗を行い塩を除去し、ベンゼン/エタノール
-1/1に再投入して沈澱、濾過、乾燥ののち後記「化
8」に示すポリマー:比較化合物1を得た。
【0073】<比較化合物2>2000mlの3つ口丸底フラ
スコに還流冷却器、モータ回転による撹拌棒、滴下漏斗
をつけた。これに減圧蒸溜精製したメチルフェニルジク
ロルシラン(信越化学工業株式会社 LSl490)0.5モルと
ジメチルジクロルシラン(信越化学工業株式会社 LSl13
0) 0.4モルと2.7-ジクロル-9フルオレノン(関東化学株
式会社)0.1モルと1lの脱水トルエンを入れて、1時間
還流した。その後、細く砂状にした金属ナトリウム2.05
モルを徐々に3時間かけて添加し、更に30時間還流し
た。この間反応液は紫色に変化した。これを室温冷却し
たのち、5gのNaHCO3と50mlの2-ブロパノールを添加
し、5時間撹拌した。この反応液を10lの2-プロパノー
ルに投入し、紫色沈澱物を採取した。この沈澱物を1l
のトルエンに溶解し、10lの純水により2相抽出を行っ
た。トルエン相の部分を取り出し、トルエンを蒸発・乾
燥させ後記「化8」に示す白色ポリマー:比較化合物2
を得た。
【0074】
【表1】
【0075】表1より、本発明の感光体は、比較例と比
べ、帯電性に優れ、かつ繰返しでの電位の安定性に優れ
ることがわかる。
【0076】実施例8〜14並びに比較例(3)及び
(4) アルミニウム蒸着ポリエステルベースからなる導電性支
持体上に、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重
合体「エスレックMF-10」(積水化学工業社製)よりな
る厚さ0.1μmの中間層を設けた。後記「化8」に示す構造
式(1)で示されるジブロムアンスアンスロン「モノラ
イトレッド2Y」(ICI社製)1重量部と、ポリカーボ
ネート樹脂「パンライトL-1250」(帝人化成社製)0.5
重量部とを、1,2-ジクロルエタン100重量部に混合し、
ボールミルで24時間分散して塗布液を調製し、この塗布
液を用いて浸漬法により、前記中間層上に、乾燥後の膜
厚が0.5μmのキャリア発生層を形成した。次いで、合成
例1で得られたポリマーを用いて塗布液を作製し、前記
キャリア発生層上に乾燥後の膜厚が20μmのキャリア輸
送層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0077】評価2 得られたサンプルはKonica 1550MR(コニカ製)の改造
機を用いて評価した。黒紙電位Va、白紙電位VLを求
め、感度を評価した。
【0078】
【表2】
【0079】表2より、本発明の感光体は、比較例と比
べ、帯電能に優れ、かつ繰返しでの電位の安定性に優れ
ることが分かる。
【0080】実施例15〜21並びに比較例(5)及び
(6) アルミ蒸着ポリエステルベースからなる導電性支持体上
にナイロン共重合体X1874M(ダイセルヒュルス株式会社
製)よりなる厚さ0.1μmの中間層を設けた。更に、後記
「化8」に示す構造式(2)で示されるビスアゾ顔料1重
量部と、ポリカーボネート樹脂「パンライトL-1300」
(帝人化成社製)0.5重量部とを、テトラヒドロフラン10
0重量部に混合し、ボールミルで24時間分散して塗布液
を調製し、この塗布液を用いて浸漬法により、中間層上
に、乾燥後の膜厚が0.4μmのキャリア発生層を形成し
た。
【0081】評価3 評価2と同様の測定及び評価を行った。結果を表3に示
す。
【0082】
【表3】
【0083】表3により、本発明の感光体は、比較に比
べて、帯電能に優れ、かつ繰返しでの電位の安定性に優
れることがわかる。
【0084】
【化8】
【0085】
【発明の効果】本発明の構成を採ることにより感光特性
が良好で好ましい物性を有する感光層を形成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の層構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 キャリア発生層 3 キャリア輸送層 5 中間層 8 オーバコーティング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細越澤 幸恵 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔I〕を繰返し単位とする、
    複素環基含有有機シリコーンポリマーを感光層に含有す
    る電子写真感光体。 【化1】 [式中、Siは、シリコン原子を表し、R1,R2は、置換
    基を有してもよいアルキル基,アラルキル基,アルコキ
    シ基,アリールオキシ基,アリール基,複素環基を表
    し、nは1から10までの正の整数を表し、Xは-S-また
    は-(NR3)-を表し、R3は水素原子または、置換基を有し
    てもよいアルキル基,アラルキル基,アリール基,複素
    環基を表す。]
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2770230A1 (fr) * 1997-10-27 1999-04-30 Centre Nat Etd Spatiales Reflecteurs solaires

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WO1999021661A1 (fr) * 1997-10-27 1999-05-06 Centre National D'etudes Spatiales Reflecteurs solaires
US6284385B1 (en) 1997-10-27 2001-09-04 Centre National D'etudes Spatiales Solar reflectors

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