JPH05313001A - プラスチック製光学部品の反射防止膜 - Google Patents

プラスチック製光学部品の反射防止膜

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JPH05313001A
JPH05313001A JP4121604A JP12160492A JPH05313001A JP H05313001 A JPH05313001 A JP H05313001A JP 4121604 A JP4121604 A JP 4121604A JP 12160492 A JP12160492 A JP 12160492A JP H05313001 A JPH05313001 A JP H05313001A
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JP
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film
layer
indium
oxide film
tin oxide
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JP4121604A
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English (en)
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Toshiaki Ogura
敏明 小倉
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチック製光学部品の反射防止膜に関
し、密着性、耐久性、光学特性および量産性を向上させ
る。 【構成】 プラスチック製光学部品1の表面側から順に
酸化インジウム・錫膜からなる第1層2、酸化セリウム
膜、五酸化タンタル膜または酸化ハフニウム膜からなる
第2層3、酸化珪素膜からなる第3層4の3層構造から
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロジェクション型テ
レビ受像機、ビデオカメラ、スチルカメラなどの光学系
に使用されるプラスチック製光学部品の反射防止膜に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、レンズなどの光学部品には無機ガ
ラスが多く使用されてきたが、近年、軽量で加工が容易
でありかつ量産性にすぐれているプラスチックが光学部
品の素材として用いられるようになってきた。しかしな
がら、プラスチックレンズなどのプラスチック製光学部
品も無機ガラス製光学部品と同様に表面での光の反射が
大きいという欠点がある。この欠点を解消するために、
プラスチック製光学部品の表面に無機ガラス製光学部品
と同様の反射防止膜を形成し、表面での光反射を防ぐこ
とは一般技術として知られている(たとえば「精密プラ
スチック光学レンズの設計、成形技術とその問題点」ト
リケップス資料集No.87、P6−1〜P6−4)。
【0003】以下図面を参照しながら従来のプラスチッ
ク製光学部品の反射防止膜についてその形成方法ととも
に説明する。単層の反射防止膜としてはフッ化マグネシ
ウム(MgF2)膜からなるものが一般的であり、その
断面を図3に示し、屈折率1.49のアクリル樹脂(ポ
リメチルメタクリレート)製光学部品(以下光学部品と
略す)11の表面にフッ化マグネシウム膜12を形成し
たときの分光反射特性を図4の(d)で示す。図4の
(e)で示す特性は比較のための反射防止膜を形成して
いない光学部品(ポリメチルメタクリレート製)の分光
反射特性である。フッ化マグネシウム膜12等の反射防
止膜は通常真空蒸着法によって形成されるが、最近では
反射防止膜と光学部品との密着性や耐久性を向上させる
ために光学部品を60℃〜80℃に加熱して真空蒸着す
る方法や、RFイオンプレーティング法を用いて形成す
る方法が行われている。図3に示す反射防止膜は1種類
の蒸着物質を使用したものであるが、2種類を使用した
ものとしては二酸化珪素膜とフッ化マグネシウム膜を用
いたもの(特開昭60−129701号公報参照)や酸
化セリウム膜と酸化珪素(SiOx)膜を用いたもの
(特開昭63−172201号公報参照)などがある。
【0004】なお図4に示すように、フッ化マグネシウ
ム膜12を形成したものの反射分光特性(d)は中心波
長520nmで1.5%と(e)に比べてずいぶん改善
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、以下に示す課題を有していた。
【0006】(1)プラスチックの流動温度、熱変形温
度が低くまたプラスチック内部からの放出ガスの問題も
あるために無機ガラス基板に反射防止膜を形成するとき
に行う基板加熱(300℃〜400℃)が不可能で強固
な蒸着膜を得ることができず、40℃〜50℃以下の低
温でプラスチック製光学部品の表面に反射防止膜の形成
を行うが、この低温で形成された反射防止膜はプラスチ
ック表面との密着性が悪く、耐久性も低い。
【0007】(2)プラスチック製光学部品を60℃〜
80℃に加熱したり、RFイオンプレーティング法など
を用いて形成した反射防止膜はクラックが生じやすく、
また形成時の条件を一定にしかつプラスチック表面の状
態を一定に保つことが困難であり量産に適するものでは
ない。
【0008】(3)図4の(d)で示すように、フッ化
マグネシウム単層膜での反射防止膜は中心波長(λ0
において残存反射率が約1.5%もあり、反射防止膜と
しては十分な特性を持っていない。またフッ化マグネシ
ウム膜と二酸化珪素膜を用いた反射防止膜ではクラック
は発生せず耐久性も比較的良いが、残存反射率が単層膜
と同程度あり十分な特性ではない。また酸化セリウム膜
と一酸化珪素膜を用いた反射防止膜は一酸化珪素膜の屈
折率が経時的に変化しやすいので光学特性の安定性に問
題がある。
【0009】以上のように従来の反射防止膜には、プラ
スチック表面との密着性が悪い、耐久性に劣る、反射防
止膜としての光学特性が十分でない、光学特性の安定性
に欠けるという課題を有していた。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、プラスチック製光学部品に対しての密着性、耐久性
および光学特性に優れたプラスチック製光学部品の反射
防止膜を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のプラスチック製光学部品の反射防止膜は、プ
ラスチック製光学部品の表面から空気側へ順に、第1層
が酸化インジウム・錫膜、第2層および第3層が金属酸
化物膜からなる構成を有している。
【0012】
【作用】この構成によって、第1層の透明かつ導電性を
持つ酸化インジウム・錫膜がプラスチック製光学部品と
の密着性を向上させ、その結果、密着性、耐久性、光学
特性に優れた反射防止膜を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0014】図1は本発明の一実施例におけるプラスチ
ック製光学部品の反射防止膜の断面図であり、図2の
(a)ないし(c)にその分光反射特性を示す。図2に
は同時に従来の反射防止膜(d)および反射防止膜なし
(e)の特性を示した。本実施例では光学部品はアクリ
ル樹脂(ポリメチルメタクリレート)製である。図1に
おいて、1はアクリル樹脂製の光学部品、2は酸化イン
ジウム・錫膜、3は酸化セリウム膜(五酸化タンタル膜
または酸化ハフニウム膜でもよい)、4は二酸化珪素膜
である。
【0015】(第1の実施例)第1の実施例の反射防止
膜の構成は(表1)に示す通りである。
【0016】
【表1】
【0017】各膜の形成条件は以下の通りである。第1
層の酸化インジウム・錫膜は、真空蒸着槽内を1.0×
10-5Torrまで排気した後酸素を3×10-5Tor
rまで導入し、酸化インジウムに酸化錫を2wt.%添
加した酸化インジウム・錫膜を光学的膜厚λ0/4(λ0
=520nm)の厚さに蒸着速度約2〜3Å/secで
形成した。このときの酸化インジウム・錫膜の屈折率は
1.90である。次に酸素を5×10-5Torrまで導
入し、酸化セリウム膜を光学的膜厚λ0/4(λ0=52
0nm)の厚さに蒸着速度約5〜8Å/secで形成し
た。このときの酸化セリウム膜の屈折率は2.20であ
る。次に酸素の導入を停止し、真空度1×10-5Tor
rで二酸化珪素膜を光学的膜厚λ0/4(λ0=520n
m)の厚さに蒸着速度約10Å/secで形成した。こ
のときの二酸化珪素膜の屈折率は1.46である。
【0018】第1の実施例の分光反射特性を図2の
(a)で示す。中心波長(λ0=520nm)で反射率
は0.2%以下であり、反射防止膜として優れておりか
つ広帯域において優れた特性が得られた。
【0019】(第2の実施例)第2の実施例の反射防止
膜の構成は(表2)に示す通りである。
【0020】
【表2】
【0021】各膜の形成条件は以下の通りである。第1
層の酸化インジウム・錫膜は、真空蒸着槽内を1.0×
10-5Torrまで排気した後酸素を3×10-5Tor
rまで導入し、酸化インジウムに酸化錫を3wt.%添
加した酸化インジウム・錫膜を光学的膜厚λ0/4(λ0
=520nm)の厚さに蒸着速度約2〜3Å/secで
形成した。このときの酸化インジウム・錫膜の屈折率は
1.85である。次に酸素を5×10-5Torrまで導
入し、五酸化タンタル膜を光学的膜厚λ0/4(λ0=5
20nm)の厚さに蒸着速度約7〜8Å/secで形成
した。このときの五酸化タンタル膜の屈折率は2.10
である。次に酸素の導入を停止し、真空度1×10-5
orrで二酸化珪素膜を光学的膜厚λ0/4(λ0=52
0nm)の厚さに蒸着速度約10Å/secで形成し
た。このときの二酸化珪素膜の屈折率は1.46であ
る。
【0022】第2の実施例の分光反射特性を図2の
(b)で示す。中心波長(λ0=520nm)で反射率
は0.4%以下であり、反射防止膜として優れておりか
つ広帯域において優れた特性が得られた。
【0023】(第3の実施例)第3の実施例の反射防止
膜の構成は(表3)に示す通りである。
【0024】
【表3】
【0025】各膜の形成条件は以下の通りである。第1
層の酸化インジウム・錫膜は、真空蒸着槽内を1.0×
10-5Torrまで排気した後酸素を3×10-5Tor
rまで導入し、酸化インジウムに酸化錫を2wt.%添
加した酸化インジウム・錫膜を光学的膜厚λ0/4(λ0
=520nm)の厚さに蒸着速度約2〜3Å/secで
形成した。このときの酸化インジウム・錫膜の屈折率は
1.90である。次に酸素を5×10-5Torrまで導
入し、酸化ハフニウム膜を光学的膜厚λ0/4(λ0=5
20nm)の厚さに蒸着速度約5〜7Å/secで形成
した。このときの酸化ハフニウム膜の屈折率は2.15
である。次に酸素の導入を停止し、真空度1×10-5
orrで二酸化珪素膜を光学的膜厚λ0/4(λ0=52
0nm)の厚さに蒸着速度約10Å/secで形成し
た。このときの二酸化珪素膜の屈折率は1.46であ
る。
【0026】第3の実施例の分光反射特性を図2の
(c)で示す。第3の実施例の分光反射特性は第2の実
施例とほとんど同じであった。中心波長(λ0=520
nm)で反射率は0.4%以下であり、反射防止膜とし
て優れておりかつ広帯域において優れた特性が得られ
た。
【0027】上記の第1ないし第3の実施例の反射防止
膜の密着性、耐久性を確認するために行った試験は、
(1)剥離試験(温度40℃、相対湿度85%の高温・
高湿雰囲気中に1000時間放置した後、粘着テープを
プラスチック製光学部品表面に密着し、引きはが
す。)、(2)耐湿試験(温度40℃、相対湿度95%
の高温・高湿雰囲気中に1000時間放置)、(3)熱
衝撃試験(温度−30℃、70℃の低温・高温雰囲気中
に交互に30分間ずつ放置を約100時間)である。密
着性・耐久性試験結果は(表4)に示す通りである。
【0028】
【表4】
【0029】(表4)に示すように本実施例の反射防止
膜はいずれも密着性、耐久性に優れている。さらに従来
は反射防止膜形成時にクラックの発生が見られるものも
あったが、本実施例においては常時安定していた。なお
上記の実施例では、各膜厚を(表1)ないし(表3)に
示すものにしたが、膜厚は特に上記の値に限定されるも
のではなく、設計波長に応じて変化させれば良い。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明は、酸化インジウム
・錫膜からなる第1層、金属酸化物からなる第2層、第
3層で構成される3層構造であり、プラスチック製光学
部品との密着性に優れ、反射防止膜の耐久性の向上と共
に分光特性にも優れ、クラックも発生しない優れたプラ
スチック製光学部品の反射防止膜を実現できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるプラスチック製光学
部品の反射防止膜の断面図
【図2】同反射防止膜の分光反射特性図
【図3】従来のプラスチック製光学部品の反射防止膜の
断面図
【図4】同反射防止膜の分光反射特性図
【符号の説明】
1 プラスチック製光学部品 2 酸化インジウム・錫膜(第1層) 3 酸化セリウム膜(金属酸化物膜;第2層) 4 二酸化珪素膜(金属酸化物膜;第3層)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック製光学部品の表面から空気側
    へ順に、第1層が酸化インジウム・錫膜、第2層および
    第3層が金属酸化物膜であるプラスチック製光学部品の
    反射防止膜。
  2. 【請求項2】第2層が酸化セリウム膜、酸化タンタル膜
    または酸化ハフニウム膜であり、第3層が二酸化珪素膜
    である請求項1記載のプラスチック製光学部品の反射防
    止膜。
JP4121604A 1992-05-14 1992-05-14 プラスチック製光学部品の反射防止膜 Pending JPH05313001A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7534500B2 (en) * 2001-10-05 2009-05-19 Bridgestone Corporation Transparent electroconductive film, method for manufacture thereof, and touch panel
JP2013195649A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Hoya Corp プラスチックレンズ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7534500B2 (en) * 2001-10-05 2009-05-19 Bridgestone Corporation Transparent electroconductive film, method for manufacture thereof, and touch panel
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