JPH05311322A - 高強度高じん性低温用アルミキルド鋼 - Google Patents

高強度高じん性低温用アルミキルド鋼

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JPH05311322A
JPH05311322A JP3211357A JP21135791A JPH05311322A JP H05311322 A JPH05311322 A JP H05311322A JP 3211357 A JP3211357 A JP 3211357A JP 21135791 A JP21135791 A JP 21135791A JP H05311322 A JPH05311322 A JP H05311322A
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JP3211357A
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Osamu Furukimi
古君  修
Shigeharu Suzuki
重治 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温液化ガス(L.P.G., L.N.G.) 類の定置又
は搬送用の貯蔵容器や槽の構築に適合する溶接部じん性
を含めた低温じん性にすぐれた高強度の低温用アルミキ
ルド鋼を提供することを目的とする。 【構成】 C 0.005 〜0.03wt% Nb 0.005 〜0.04wt%を、 Si 0.10〜0.5wt % Mn 0.5 〜1.45wt% N 0.01wt%以下 Al 0.005 〜0.10wt% P 0.025 wt%以下 S 0.020 wt%以下 Ni 0.5 %をこえて4.0 wt%以下 とともに含み、残部鉄および不可避不純物の組成の低温
用アルミキルド鋼

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、高強度、高じん性低
温用アルミキルド鋼に関するものである。低温用鋼は、
LPG, LNGなどの低温液化ガス類の定置または搬送用の貯
蔵容器や槽の構築に用いられ、主として安全性の観点か
ら、溶接部じん性を含めた低温じん性が、また経済性の
面から高強度の要請が、殊のほかきびしい。 【0002】 【従来の技術】これらの両面的な性能を同時に満足すべ
く、まず溶接部じん性に関しては鋼中成分のうちCおよ
びNの低減が企図されるがその反面で母材強さの低下を
余儀なくするので、これまでもたとえば加工熱処理など
で強さの不足を補うことが試みられた。 【0003】とは云えここにCの低減は、0.03重量%
(以下%で示す。)が限度であって、0.03%未満、とく
に0.009 %程度にも達するときは、母材の強さを45kgf
/mm2以上に確保することが困難であるため、この種の
鋼材につきC;0.03%未満にして、高強度、高じん性化
を図る事例は乏しく、発明者らのうちの一人が参画した
特開昭56−150157号公報において、Bを活用
し、母材の強さの不足を補うことの開示が見られるにす
ぎない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】この発明は更に進んで
検討と実験を重ねてB添加によることなく、また特別ま
たは面倒な加工手順を経ることなく容易に、C;0.005
%にも及ぶ低炭域でとくに有効な溶接部じん性の確保の
下で、45kgf /mm2 以上、70kgf /mm2 にも達する母材
強さの増強を得る低温用アルミキルド鋼の成分組成に関
する開発成果を、ここに提案しようとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明はC;0.005 %
以上、0.03%未満でNb;0.005 〜0.4 %を、Si;0.10〜
0.50%, Mn;0.5 〜1.4 %,N;0.01%以下,Al;0.00
5 〜0.1 %,P;0.025 %以下、およびS;0.020 %以
下とともに含み、かつ、0.05〜0.5 %のMoおよび0.1 〜
4.0 %のNiのうち少なくとも1種を含有する成分組成に
おいて、所期した程度において高い母材強さが、高いじ
ん性にあわせ実現されることの実験的知見に由来し、ま
た上記成分組成を基本として、さらに0.01〜0.08%のV
を、またさらに0.1 〜1.5 %のCuを含有させることによ
って何れもじん性の劣化なく有利に、母材強さをさらに
一層増強し得ることを確認したものである。 【0006】この発明による低温用鋼は、常法に従う溶
製と、一般的な熱間圧延を行って、圧延のまま使用する
ことができ、もちろん母材性能上の要請如何で、焼なら
し処理や、焼入れ−焼もどし処理を行って、然るべき用
途に供することができる。 【0007】 【作用】発明者らは、鋼中C量を0.03%未満にそして更
にN:0.050 %未満に低減すると、0.005 〜0.04%のNb
の含有によって溶接部じん性が著しく改善され、それが
C量低減による粒粗大化をNbが阻止する機能に由来する
事実を究明し、かかる挙動を阻害することのない強さの
増強手段を講じることによってこの発明に到達した。 【0008】この発明で鋼中成分を限定した根拠とする
理由については、次に掲げるとおりである。 C;0.005 %以上、0.03%未満 鋼中Cは、溶接部じん性の観点で低い程よいにしても精
錬工程の複雑化の難点を伴うので、下限を0.005 %に止
めまた上限についてはNbによる有利なじん性改善を遂げ
るために、0.03%未満とする必要がある。 【0009】Nb;0.005 〜0.04% C;0.005 %以上、0.03%未満でかつN;0.0050%未満
においてNbの含有による溶接部じん性の著しい改善は、
Nb量が0.005 %に満たないと、低C化による結晶粒の粗
大化防止に寄与せず、じん性の改善効果をあらわすこと
ができず、一方0.04%をこえる過量のNbは、それにより
格別な効果の増進がみられないので、0.005 〜0.04%を
必要とし、ここに結晶粒微細化作用は、溶接部じん性の
改善にあわせ母材の強さとじん性の増強によって、低C
化による母材強さの低下を有効に補うことができる。 【0010】Si;0.10〜0.50% 溶鋼溶製段階での脱酸のため、さらには、安価な強化元
素として有用であり、0.10%に満たないときは、必要な
効果をあらわさず、一方0.50%をこえた過量のSiは、鋼
の清浄度を害し、溶接性やじん性の低下を却ってもたら
す。 Mn;0.5 〜1.4 % Mnは、じん性を低下させずに強さを高めるのに寄与し、
そのためには0.5 %以上を必要とし、反面1.4 %をこえ
ると、溶接性が損なわれる。 【0011】N;0.01%以下 Nは0.01%をこえるとき溶接部じん性劣化の原因とな
り、それ故0.01%以下とすることが必要である。 Al;0.005 〜0.1 % 溶鋼の脱酸のために不可欠であり、結晶の微細化に役立
つために、0.005 %以上でなければならないが、0.1 %
を越えると溶接熱影響部におけるじん性を低下させるの
で、0.005 〜0.10%の範囲にしなければならない。 【0012】P;0.025 %以下、S;0.020 %以下 P,Sは母材、溶接部ともにじん性を損なうことから、
Pは0.025 %以下、Sは0.020 %以下にする必要があ
る。 Mo;0.05〜0.50%、Ni;0.1 〜4.0 % MoおよびNiは、それぞれ0.05, 0.1 %以上においてマト
リックスの強度を高めるとともに、じん性とくに溶接部
じん性を確保する寄与に関して同効であるが、過量にな
ると溶接性を損なったり、また高価につく不利を来すの
で、それぞれ0.5, 4.0%を上限とした。 【0013】この発明においては上記した各成分の調整
で一応の所期した目的を遂げることができるが、さらに
要請される強さレベルに従って、VまたはCuを含有させ
ることで、じん性への悪影響なく強さの増進が可能であ
る。 【0014】ここにVは0.15%以下、とくに0.01〜0.15
%で、析出物の形成による強さの増強効果をもたらす
が、0.15%をこえると、じん性の激しい低下を生じるこ
とから含有量上限が規定される。またCuは、鋼の焼入れ
性を高めることによる強さの上昇に役立ち、0.1 %以上
で好結果を得るが、1.5 %をこえると、じん性の悪化を
来すので、この値を上限とする必要がある。 【0015】 【実施例】この発明につき上掲した成分調整から逸脱し
た比較鋼0〜7と、この発明に従う供試鋼8〜16の成分
組成を、それらの試験成績とともに表1に対比して示し
た。 【0016】 【表1】 【0017】ここに母材強度はインストロン引張試験に
よる降伏点(Y.P.)および引張強さ(T.S.)で
評価し、一方母材じん性はシヤルピー衝撃試験によるぜ
い性延性破面遷移温度(VTs)で評価した。なお供試母材
はすべて焼入れ−焼もどし処理を施したものを用いた。 【0018】また溶接部じん性は、焼入れ−焼もどし処
理を施した母材に、最高温度1350℃, 800 〜500 ℃の冷
却時間が30sec である再現溶接熱サイクルを付与したと
きのvTs で評価した。ちなみにこの再現溶接熱サイクル
は、板厚20mmの鋼板を入熱量30KJ/cmで溶接した時のボ
ンド部での熱履歴に相当する。 【0019】表1から明らかに、この発明に従う供試鋼
は溶接部じん性が著しくすぐれ、なおかつ45〜70kgf /
mm2 の高い強さを有することがわかる。また図1には溶
接部じん性におよぼすC量およびNb量の効果を明らかに
するため、比較鋼1〜5鋼、供試鋼8〜12および16につ
いて、C量と溶接部じん性の関係をまとめて示すよう
に、この発明に従いC量を0.005 %以上0.03%未満にし
かつNbを0.005 〜0.04%含有させると、著しくすぐれた
溶接部じん性を有することがわかる。 【0020】 【発明の効果】以上のべたようにしてこの発明は−80℃
以下の低温で使用され、高い強さが必要な鋼材に適用し
てとくに有用である。
【図面の簡単な説明】 【図1】C量と再現溶接熱サイクルボンド部のじん性と
の関係を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】 【提出日】平成3年8月28日 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】全文 【補正方法】変更 【補正内容】 【書類名】 明細書 【発明の名称】 高強度高じん性低温用アルミキルド
鋼 【特許請求の範囲】 1.C;0.005〜0.03wt%未満、 Si;0.10〜0.50wt%、 Mn;0.5〜1.45wt%、 Nb;0.005〜0.04wt%、 Al;0.005〜0.10wt%、 N;0.0050wt%未満、 P;0.025wt%以下および S;0.020wt%以下 を含みかつ、0.5wt%を超え4.0wt%以下のN
iを含有し、残部は鉄および不可避不純物の組成にな
り、溶接部じん性に優れることを特徴とする高強度高じ
ん性低温用アルミキルド鋼。 2. C;0.005〜0.03wt%未満、 Si;0.10〜0.50wt%、 Mn;0.5〜1.45wt%、 Nb;0.005〜0.04wt%、 Al;0.005〜0.10wt%、 N;0.005wt%未満、 P;0.025wt%以下および S;0.020wt%以下 を含みかつ、0.5wt%を超え4.0wt%以下のN
iを、0.08wt%以下のVとともに含有し、残部は
鉄および不可避不純物の組成になり、溶接部じん性に優
れることを特徴とする高強度高じん性低温用アルミキル
ド鋼。 3. C;0.005〜0.03wt%未満、 Si;0.10〜0.50wt%、 Mn;0.5〜1.45wt%、 Nb;0.005〜0.04wt%、 Al;0.005〜0.10wt%、 N;0.0050wt%未満、 P;0.025wt%以下および S;0.020wt%以下 を含みかつ、0.5wt%を超え4.0wt%以下のN
iを、1.5wt%以下のcuとともに含有し、残部は
鉄および不可避不純物の組成になり、溶接部じん性に優
れることを特徴とする高強度高じん性低温用アルミキル
ド鋼。 4. C;0.005〜0.03wt%未満、 Si;0.10〜0.50wt%、 Mn;0.5〜1.45wt%、 Nb;0.005〜0.04wt%、 Al;0.005〜0.10wt%、 N;0.0050wt%未満、 P;0.025wt%以下および S;0.020wt%以下 を含みかつ、0.5wt%を超え4.0wt%以下のN
iを、0.08wt%以下のV及び1.5wt%以下の
Cuとともに含有し、残部は鉄および不可避不純物の組
成になり、溶接部じん性に優れることを特徴とする高強
度高じん性低温用アルミキルド鋼。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、高強度、高じん性低
温用アルミキルド鋼に関するものである。低温用鋼は、
LPG,LNGなどの低温液化ガス類の定置または搬送
用の貯蔵容器や槽の構築に用いられ、主として安全性の
観点から、溶接部じん性を含めた低温じん性が、また経
済性の面から高強度の要請が、殊のほかきびしい。 【0002】 【従来の技術】これらの両面的な性能を同時に満足すべ
く、まず溶接部じん性に関しては鋼中成分のうちCおよ
びNの低減が企図されるがその反面で母材強さの低下を
余儀なくするので、これまでもたとえば加工熱処理など
で強さの不足を補うことが試みられた。 【0003】とは云えここにCの低減は、0.03wt
%(以下%で示す。)が限度であって、0.03%未
満、とくに0.009%程度にも達するときは、母材の
強さを45kgf/mm以上に確保することが困難で
あるため、この種の鋼材につきC;0.03%未満にし
て、高強度、高じん性化を図る事例は乏しく、発明者ら
のうちの一人が参画した特開昭56−150157号公
報において、Bを活用し、母材の強さの不足を補うこと
の開示が見られるにすぎない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】この発明は更に進んで
検討と実験を重ねてB添加によることなく、また特別ま
たは面倒な加工手順を経ることなく容易に、C;0.0
05%にも及ぶ低炭域でとくに有効な溶接部じん性の確
保の下で、45kgf/mm以上、70kgf/mm
にも達する母材強さの増強を得る低温用アルミキルド
鋼の成分組成に関する開発成果を、ここに提案しようと
するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明はC;0.00
5%〜0.03%未満でNb;0.005〜0.4%
を、Si;0.10〜0.50%,Mn;0.5〜1.
45%,N;0.0050%未満,Al;0.005〜
0.1%,P;0.025%以下、およびS;0.02
0%以下とともに含み、かつ、0.5%を超え4.0%
以下のNiを含有する成分組成において、所期した程度
において高い母材強さが、高いじん性にあわせ実現され
ることの実験的知見に由来し、また上記成分組成を基本
として、さらに0.01〜0.08%のV又は/及び
0.1〜1.5%のCuを含有させることによって何れ
もじん性の劣化なく有利に、母材強さをさらに一層増強
し得ることを確認したものである。 【0006】この発明による低温用鋼は、常法に従う溶
製と、一般的な熱間圧延を行って、圧延のまま使用する
ことができ、もちろん母材性能上の要請如何で、焼なら
し処理や、焼入れ−焼もどし処理を行って、然るべき用
途に供することができる。 【0007】 【作用】発明者らは、鋼中C量を0.03%未満にそし
て更にN:0.0050%未満に低減すると、0.00
5〜0.04%のNbの含有によって溶接部じん性が著
しく改善され、それがC量低減による粒粗大化をNbが
阻止する機能に由来する事実を究明し、かかる挙動を阻
害することのない強さの増強手段を講じることによって
この発明に到達した。 【0008】この発明で鋼中成分を限定した根拠とする
理由については、次に掲げるとおりである。 C;0.005%以上、0.03%未満 鋼中Cは、溶接部じん性の観点で低い程よいにしても精
錬工程の複雑化の難点を伴うので、下限を0.005%
に止めまた上限についてはNbによる有利なじん性改善
を遂げるために、0.03%未満とする必要がある。 【0009】Nb;0.005〜0.04% C;0.005%以上、0.03%未満でかつN;0.
0050%未満においてNbの含有による溶接部じん性
の著しい改善は、Nb量が0.005%に満たないと、
低C化による結晶粒の粗大化防止に寄与せず、じん性の
改善効果をあらわすことができず、一方0.04%をこ
える過量のNbは、それにより格別な効果の増進がみら
れないので、0.005〜0.04%を必要とし、ここ
に結晶粒微細化作用は、溶接部じん性の改善にあわせ母
材の強さとじん性の増強によって、低C化による母材強
さの低下を有効に補うことができる。 【0010】Si;0.10〜0.50% 溶鋼溶製段階での脱酸のため、さらには、安価な強化元
素として有用であり、0.10%に満たないときは、必
要な効果をあらわさず、一方0.50%をこえた過量の
Siは、鋼の清浄度を害し、溶接性やじん性の低下を却
ってもたらす。 Mn;0.5〜1.45% Mnは、じん性を低下させずに強さを高めるのに寄与
し、そのためには0.5%以上を必要とし、反面1.4
%をこえると、溶接性が損なわれる。 【0011】N;0.005%未満 Nは0.005%以上のとき溶接部じん性劣化の原因と
なり、それ故0.0050%未満とすることが必要であ
る。 Al;0.005〜0.1% 溶鋼の脱酸のために不可欠であり、結晶の微細化に役立
つために、0.005%以上でなければならないが、
0.1%を越えると溶接熱影響部におけるじん性を低下
させるので、0.005〜0.10%の範囲にしなけれ
ばならない。 【0012】P;0.025%以下、S;0.020%
以下 P,Sは母材、溶接部ともにじん性を損なうことから、
Pは0.025%以下、Sは0.020%以下にする必
要がある。 Ni;0.50%を超え4.0%以下 Niは0.5%を超える含有量でマトリックスの強度を
高めるとともに、じん性とくに溶接部じん性を確保する
が、過量になると溶接性を損なったり、また高価につく
不利を来すので4.0%を上限とした。 【0013】この発明においては上記した各成分の調整
で一応の所期した目的を遂げることができるが、さらに
要請される強さレベルに従って、V及び/又はCuを含
有させることで、じん性への悪影響なく強さの増進が可
能である。 【0014】ここにVは0.08%以下、とくに0.0
1以上で、析出物の形成による強さの増強効果をもたら
すが、0.08%をこえると、じん性の低下を生じるう
れいのあることから含有量上限が規定される。またCu
は、鋼の焼入れ性を高めることによる強さの上昇に役立
ち、0.1%以上で好結果を得るが、1.5%をこえる
と、じん性の悪化を来すので、この値を上限とする必要
がある。 【0015】 【実施例】この発明につき上掲した成分調整から逸脱し
た比較鋼0〜7と、この発明に従う供試鋼8〜16の成
分組成を、それらの試験成績とともに表1に対比して示
した。 【0016】 【表1】 【0017】ここに母材強度はインストロン引張試験に
よる降伏点(Y.P.)および引張強さ(T.S.)で
評価し、一方母材じん性はシヤルピー衝撃試験によるぜ
い性延性破面遷移温度(VTs)で評価した。なお供試
母材はすべて焼入れ−焼もどし処理を施したものを用い
た。 【0018】また溶接部じん性は、焼入れ−焼もどし処
理を施した母材に、最高温度1350℃,800〜50
0℃の冷却時間が30secである再現溶接熱サイクル
を付与したときのvTsで評価した。ちなみにこの再現
溶接熱サイクルは、板厚20mmの鋼板を入熱量30K
J/cmで溶接した時のボンド部での熱履歴に相当す
る。 【0019】表1から明らかに、この発明に従う供試鋼
は溶接部じん性が著しくすぐれ、なおかつ45〜70k
gf/mmの高い強さを有することがわかる。また図
1には溶接部じん性におよぼすC量およびNb量の効果
を明らかにするため、比較鋼1〜5鋼、供試鋼8〜12
および16について、C量と溶接部じん性の関係をまと
めて示すように、この発明に従いC量を0.005%以
上0.03%未満にしかつNbを0.005〜0.04
%含有させると、著しくすぐれた溶接部じん性を有する
ことがわかる。 【0020】 【発明の効果】以上のべたようにしてこの発明は−80
℃以下の低温で使用され、高い強さが必要な鋼材に適用
してとくに有用である。 【図面の簡単な説明】 【図1】C量と再現溶接熱サイクルボンド部のじん性と
の関係を示すグラフである。 【手続補正2】 【補正対象書類名】図面 【補正対象項目名】全図 【補正方法】変更 【補正内容】 【図1】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. C:0.005 重量%以上、0.03重量%未満でNb;0.00
    5 〜0.40重量%を、Si;0.10〜0.50重量%, Mn;0.5 〜
    1.4 重量%, N;0.01重量%以下、Al;0.005 〜0.10重
    量%、P;0.025 重量%以下およびS;0.020 重量%以
    下とともに含みかつ、0.05〜0.50重量%のMoおよび0.1
    〜4.0 重量%のNiのうち少なくとも1種を含有し、残部
    は鉄および不可避不純物の組成になることを特徴とする
    高強度高じん性低温用アルミキルド鋼。 2. C;0.005 重量%以上、0.03重量%未満でNb;0.00
    5 〜0.04重量%を、Si;0.10〜0.50重量%、Mn;0.50〜
    1.4 重量%、N;0.01重量%以下、Al;0.005 〜0.10重
    量%、P;0.025 重量%以下およびS;0.020 重量%以
    下とともに含み、かつ0.05〜0.50重量%のMoおよび0.1
    〜4.0 重量%のNiのうち少なくとも1種と、0.08重量%
    以下のVとを含有し、残部は鉄および不可避不純物の組
    成になることを特徴とする高強度高じん性低温用アルミ
    キルド鋼。 3. C;0.005 重量%以上、0.03重量%未満でNb;0.00
    5 〜0.04重量%を、Si;0.10〜0.50重量%、Mn;0.5 〜
    1.4 重量%、N;0.01重量%以下、Al;0.005 〜0.10重
    量%、P;0.025 重量%以下およびS;0.020 重量%以
    下とともに含み、かつ0.05〜0.50重量%のMoおよび0.1
    〜4.0 重量%のNiのうち少なくとも1種と、1.5 重量%
    以下のCuとを含有し、残部は鉄および不可避不純物の組
    成になることを特徴とする高強度高じん性低温用アルミ
    キルド鋼。 4. C;0.005 重量%以上、0.03重量%未満でNb;0.00
    5 〜0.04重量%を、Si;0.10〜0.50重量%、Mn;0.5 〜
    1.4 重量%、N;0.01重量%以下、Al;0.005 〜0.10重
    量%、P;0.025 重量%以下およびS;0.020 重量%以
    下とともに含み、かつ0.05〜0.50重量%のMoおよび0.1
    〜4.0 重量%のNiのうち少なくとも1種と、0.08重量%
    以下のVならびに1.5 重量%以下のCuを含有し、残部は
    鉄および不可避不純物の組成になることを特徴とする高
    強度高じん性低温用アルミキルド鋼。
JP3211357A 1982-04-22 1991-07-30 高強度高じん性低温用アルミキルド鋼 Pending JPH05311322A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5411774A (en) * 1977-06-28 1979-01-29 Nissin Electric Co Ltd Peak value detector
JPS5541929A (en) * 1978-09-16 1980-03-25 Kobe Steel Ltd Steel for high efficiency welding and low temperature use
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