JPH05311097A - 感光性絶縁ペ−スト - Google Patents

感光性絶縁ペ−スト

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JPH05311097A
JPH05311097A JP4117494A JP11749492A JPH05311097A JP H05311097 A JPH05311097 A JP H05311097A JP 4117494 A JP4117494 A JP 4117494A JP 11749492 A JP11749492 A JP 11749492A JP H05311097 A JPH05311097 A JP H05311097A
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JP
Japan
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powder
insulating paste
acrylate
paste
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JP4117494A
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English (en)
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Yoshiki Masaki
孝樹 正木
Mamoru Ono
守 大野
Akiko Yoshimura
亜紀子 芳村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】この発明は、(a)無機粉末、(b)側鎖にカ
ルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系
共重合体、(c)光反応性化合物および(d)光重合開
始剤を含有することを特徴とする感光性絶縁ペ−ストで
ある。 【効果】本発明によれば、ヴィアホールやスルホ−ルの
形成が極めて容易にかつ精度よくできしかも微細な孔を
確実に安価に形成できる利点がある。また、この発明の
絶縁層により形成したセラミック多層基板は性能的に優
れているうえ、スルホ−ルやヴィアホ−ルが飛躍的に小
形化されるので、高信頼性、高性能化、高密度化などを
達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック多層基板の
絶縁層などに好適に使用される絶縁ペ−ストに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】セラミック多層基板の製造方法には大別
すると、厚膜印刷法とグリ−ンシ−ト法によるものがあ
る。さらにグリ−ンシ−ト法には積層法と印刷法があ
る。
【0003】グリ−ンシ−ト印刷法はグリ−ンシ−ト上
に導電ペ−ストと絶縁ペ−ストを交互に印刷積層し、多
層化するもので、印刷、乾燥を繰り返し行なった後に一
回で焼成を完了するものである。厚膜印刷法はアルミナ
や窒化アルミなどの焼結後の基板上に導体ペ−ストと絶
縁ペ−ストを交互に印刷する毎に焼成を繰り返して多層
化する方法である。
【0004】一方、セラミック多層基板において多層配
線層間の層間接続をなすためにヴィアホ−ルの形成が必
要である。ヴィアホ−ルの形成には厚膜印刷法がある。
この方法は予めパタ−ン化されたスクリ−ンを用いて絶
縁ペ−ストを、第1層配線層が形成されているセラミッ
ク基板上に印刷し、乾燥、焼成してヴィアホ−ルを形成
するものである。この方法は工程が比較的簡単であり容
易に多層パタ−ンが形成可能であることから広く用いら
れているが、パタ−ン形成をスクリ−ンによって行うた
めヴィアホ−ルの形成には限界があり200μm以下の
ものを形成することができなかった。
【0005】これを改良するために特開昭54−750
67号公報では絶縁層の表面に感光性レジストを塗布し
た後、露光、現像してヴィアホ−ルを形成する方法が提
案されている。しかしながら、この方法では感光性レジ
ストを塗布する工程が必要であるためコストを下げるに
は限界があった。
【0006】また、特開昭63−120499号公報で
は光硬化性絶縁ペ−ストを露光、現像することにより従
来のスクリ−ン印刷法では得られない微小ヴィアホ−ル
を形成させる方法が提案しているが、光硬化性樹脂とし
て特に500℃付近での分解特性が悪いメチルメタアク
リレ−トを多量に使用したものであるため脱バインダが
困難であるという問題があり、この結果、焼成後の絶縁
層にピンホ−ルが残存し、絶縁ペ−ストの抵抗が低くな
り、リ−ク電流が大きくなる欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の絶縁
ペ−ストが有する問題点であるリ−ク電流が大きい点や
工数がかかり過ぎるいう欠点を大幅に改良した感光性絶
縁ペ−ストを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
(a)無機粉末、(b)側鎖にカルボキシル基とエチレ
ン性不飽和基を有するアクリル系共重合体、(c)光反
応性化合物および(d)光重合開始剤を含有することを
特徴とする感光性絶縁ペ−ストにより達成される。
【0009】すなわち、本発明は絶縁ペ−ストに感光性
を付与してなるもので、これによりホトリソグラフィ技
術を用いてヴィアホ−ルやスル−ホ−ルの形成が容易に
精度よくできかつ微細な孔を安価に効率良く形成できる
ものである。
【0010】本発明において使用される無機粉末として
は特に限定されず、公知のセラミック絶縁材料がいずれ
も適用できるが、500〜1000℃で焼成可能な低温
焼成用絶縁材料が好ましい。
【0011】本発明において使用される無機粉末として
は、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ム
ライト、コ−ディライト、スピネル、フォルステライ
ト、アノ−サイト、セルジアンおよびシリカの群から選
ばれた少なくとも一種のセラミックが挙げられるが、こ
れらに限定されない。この中でもとくに電気絶縁性が高
いセラミックスとしてアルミナ、マグネシア、スピネ
ル、アノ−サイトが好ましい。
【0012】また、本発明に使用される無機粉末として
は60〜40重量%の珪酸塩ガラス粉末とアルミナ、ジ
ルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、コ−ディ
ライト、スピネル、フォルステライト、アノ−サイト、
セルジアンおよびシリカの群から選ばれる少なくとも一
種のセラミック粉末40〜60重量%との混合物が使用
できる。
【0013】珪酸塩ガラス粉末としては酸化物換算表記
で SiO2 60〜90重量% Al2 3 0.1〜10重量% B2 3 5〜30重量% BaO 0.1〜10重量% 酸化アルカリ金属 0.1〜6重量% の組成範囲からなるものを珪酸塩ガラス粉末全体量の9
5重量%以上含有してなるものが好ましい。
【0014】セラミック粉末は電気絶縁性、融点や熱膨
張係数を制御するのに有効であり、とくにアルミナ、マ
グネシア、ムライト、スピネル、アノ−サイトはその効
果が優れている。セラミック粉末の割合が60重量%を
越えると焼結しにくくなり、緻密性のある絶縁層が得ら
れない。また40重量%未満では、電気絶縁性が低下
し、リ−ク電流が多くなる。また熱膨張係数の制御が難
しくなる。
【0015】珪酸塩ガラスの組成はSiO2 は60〜9
0重量%の範囲であることが好ましく、60重量%未満
の場合はガラス層の緻密性、強度や安定性が低下し、ま
た熱膨張係数が高くなり所望の値から外れる。一方90
重量%より多くなると絶縁層の熱膨張係数が高くなり、
電気抵抗が低下する。またAl2 3 は0.1〜10重
量%の範囲で配合することが好ましく、0.1重量%未
満ではガラス相中の強度が低下する。10重量%を越え
るとガラス組成をフリット化する温度が高くなり、緻密
な絶縁層が1000℃以下の温度で得られなくなる。さ
らにB2 3 は5〜30重量%の範囲で配合することが
好ましい。またB2 3 はガラスフリットを1300〜
1450℃付近の温度で溶解するためとセラミックスの
焼成温度をAl2 3 が多い場合でも電気絶縁性、強
度、熱膨張係数、絶縁層の緻密性などの電気、機械およ
び熱的特性を損なうことのないように焼成温度を800
〜1000℃の範囲に制御するために配合されるもの
で、5重量%未満では絶縁層の強度が低下し、また30
重量%を越えるとガラスの安定性が低下し、セラミック
とガラスとの反応による再結晶化が速くなり、組成とし
ては良くない。さらにBaOは0.1〜10重量%含有
することが好ましく、0.1重量%未満では絶縁層の緻
密化に効果がなく、また電気絶縁性が低下する。10重
量%を焼結性が低下しまた熱膨張係数の制御が困難にな
る。
【0016】本発明の無機粉末に含有する珪酸塩ガラス
粉末は、0.1〜6重量%までのNa2 O,K2 O,L
iOなどの酸化アルカリ金属を含むことができる。酸化
アルカリ金属は絶縁層の緻密化促進に有効に作用する。
またPbO,ZnO,TiO2 ,ZrO2 ,Fe
2 3 ,NiOを含有することができる。またガラス粉
末に含有するセラミック粉末も上記ガラス粉末と同様の
不純物を5重量%まで含有しても良い。
【0017】珪酸塩ガラス粉末の作製法は原料であるS
iO2 ,Al2 3 ,B2 3 ,BaOおよび酸化アル
カリ金属を所定の配合組成となるように混合し、125
0〜1450℃で溶融後、急冷し、ガラスフリットにし
てから粉砕して0.5〜3μmの微細な粉末にする。原
料は高純度の炭酸塩、酸化物、水酸化物などを使用でき
る。またガラス粉末の種類や組成によっては99.99
%以上の超高純度なアルコキシドや有機金属の原料を使
用し、ゾル・ゲル法で均質に作製した粉末を使用すると
高電気抵抗で緻密な気孔の少ない、高強度な絶縁層が得
られるので好ましい。
【0018】上記において使用する無機粉末の粒子径は
作製しようとする絶縁層の厚みや焼成後の収縮率を考慮
して選ばれるが、粉末の粒子径は0.05〜4μmと比
表面積で2〜30m2 /gを同時に満たす事が好まし
い。より好ましくは0.5から2μm、比表面積2〜2
0m2 /gである。この範囲にあると紫外線露光時に光
が十分透過し、上下の孔径差のない均一なヴィアホ−ル
が得られる。粉末粒子径が0.05μm未満、比表面積
が30m2 /gを越えると焼成後の収縮率が大きくなり
緻密な絶縁層が得られない。粉末の形状は球状である方
が紫外線露光時に散乱の影響を低く抑制することができ
るので好ましい。
【0019】本発明で使用される側鎖にカルボキシル基
とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体は、
不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物を共重合さ
せて形成したアクリル系共重合体にエチレン性不飽和基
を側鎖に付加させることによって製造することができ
る。
【0020】不飽和カルボン酸の具体例としては、アク
リル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マ
レイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無
水物などがあげられる。一方、エチレン性不飽和化合物
の具体例としては、メチルアクリラ−ト、メチルメタア
クリラ−ト、エチルアクリラ−ト、エチルメタクリラ−
ト、n−プロピルアクリラ−ト、イソプロピルアクリラ
−ト、n−ブチルアクリラ−ト、n−ブチルメタクリラ
−ト、sec−ブチルアクリラ−ト、sec−ブチルメ
タクリラ−ト、イソ−ブチルアクリラ−ト、イソブチル
メタクリラ−ト、tert−ブチルアクリラ−ト、te
rt−ブチルメタクリラ−ト、n−ペンチルアクリラ−
ト、n−ペンチルメタクリラ−ト、スチレン、p−メチ
ルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン
などが挙げられるが、特にここに挙げたものに限られる
ものでない。これらのアクリル系主鎖ポリマの主重合成
分として前記に挙げたエチレン性不飽和化合物の中から
少なくともメタクリル酸メチルを含むことによって熱分
解性の良好な共重合体を得ることができる。
【0021】側鎖のエチレン不飽和基としてはビニル
基、アリル基、アクリル基、メタクリル基のようなもの
がある。このような側鎖をアクリル系ポリマに付加させ
る方法は、アクリル系ポリマ中のカルボキシル基にグリ
シジル基を有するエチレン性不飽和化合物やクロライド
アクリレ−トを付加反応させて作る方法がある。
【0022】ここで云うグリシジル基を有するエチレン
性不飽和化合物やクロライドアクリレ−トとしてはグリ
シジルアクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−ト、アリ
ルグリシジルエ−テル、α−グリシジルエチルアクリレ
−ト、クロトニルグリシジルエ−テル、クロトン酸グリ
シジルエ−テル、イソクロトン酸グリシジルエ−テル、
クロライドアクリラ−ト、クロライドメタアクリラ−
ト、アリルクロライドなどが挙げられる。またこれらの
エチレン性不飽和化合物或いはクロライドアクリラ−ト
の付加量はアクリル系ポリマ中のカルボキシル基に対し
て0.05〜0.8モル当量の範囲であることが望まし
く、さらに好ましくは0.1〜0.6モルである。エチ
レン性不飽和化合物の付加量が0.05当量未満では現
像許容幅が狭いうえ、パタ−ンエッジの切れが悪くなり
やすく、またこの付加量が0.8当量より大きい場合
は、未露光部の現像液溶解性が低下したり、塗布膜の硬
度が低くなる。
【0023】本発明で使用される光反応性化合物は光反
応性を有する炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物
で、その具体例としてアリルアクリラ−ト、ベンジルア
クリラ−ト、ブトキシエチルアクリラ−ト、ブトキシト
リエチレングリコ−ルアクリラ−ト、シクロヘキシルア
クリラ−ト、ジシクロペンタニルアクリラ−ト、ジシク
ロペンテニルアクリラ−ト、2−エチルヘキシルアクリ
ラ−ト、グリセロ−ルアクリラ−ト、グリシジルアクリ
ラ−ト、ヘプタデカフロロデシルアクリラ−ト、2−ヒ
ドロキシエチルアクリラ−ト、イソボニルアクリラ−
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリラ−ト、イソデキシ
ルアクリラ−ト、イソオクチルアクリラ−ト、ラウリル
アクリラ−ト、2−メトキシエチルアクリラ−ト、メト
キシエチレングリコ−ルアクリラ−ト、メトキシジエチ
レングリコ−ルアクリラ−ト、オクタフロロペンチルア
クリラ−ト、フェノキシエチルアクリラ−ト、ステアリ
ルアクリラ−ト、トリフロロエチルアクリラ−ト、アリ
ル化シクロヘキシルジアクリラ−ト、ビスフェノ−ルA
ジアクリラ−ト、1,4−ブタンジオ−ルジアクリラ−
ト、1,3−ブチレングリコ−ルジアクリラ−ト、エチ
レングリコ−ルジアクリラ−ト、ジエチレングリコ−ル
ジアクリラ−ト、トリエチレングリコ−ルジアクリラ−
ト、ポリエチレングリコ−ルジアクリラ−ト、ジペンタ
エリスリト−ルヘキサアクリラ−ト、ジペンタエリスリ
ト−ルモノヒドロキシペンタアクリラ−ト、ジトリメチ
ロ−ルプロパンテトラアクリラ−ト、グリセロ−ルジア
クリラ−ト、メトキシ化シクロヘキシルジアクリラ−
ト、ネオペンチルグリコ−ルジアクリラ−ト、プロピレ
ングリコ−ルジアクリラ−ト、ポリプロピレングリコ−
ルジアクリラ−ト、トリグリセロ−ルジアクリラ−ト、
トリメチロ−ルプロパントリアクリラ−トおよび上記の
アクリラ−トをメタクリラ−トに変えたもの、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−
2−ピロリドンなどが挙げられる。本発明ではこれらを
1種または2種以上の混合物、またはその他の化合物と
の混合物などを使用することができる。
【0024】本発明で使用する光重合開始剤としての具
体的な例として、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息
香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフ
ェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノ
ン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベ
ンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニル
ケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2、2−ジ
エトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フ
ェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ
−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロ
ロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキ
サントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピ
ルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジ
ル、ベンジルジメチルケタノ−ル、ベンジルメトキシエ
チルアセタ−ル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テ
ル、ベンゾインブチルエ−テル、アントラキノン、2−
t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノ
ン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズア
ントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4
−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−
アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス
(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサ
ノン、2−フェニル−1,2−ブダジオン−2−(o−
メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパ
ンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、
1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エ
トキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エト
キシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキ
シム、ミヒラ−ケトン、2−メチル−[4−(メチルチ
オ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、
ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニル
クロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−ア
ゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、
ベンズチアゾ−ルジスルフィド、トリフェニルホスフィ
ン、カンファ−キノン、四臭素化炭素、トリブロモフェ
ニルスルホン、過酸化ベンゾイン及びエオシン、メチレ
ンブル−などの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリ
エタノ−ルアミンなどの還元剤の組合せなどが挙げられ
る。本発明ではこれらを1種または2種以上使用するこ
とができる。
【0025】側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和
基を有するアクリル系共重合体は、光反応性化合物に対
して、重量比で0.1〜10倍量用いることが好まし
く、より好ましくは0.1〜5倍量である。該アクリル
系共重合体の量が少なすぎると、スラリ−の粘度が小さ
くなり、スラリ−中での分散の均一性が低下するおそれ
がある。一方、アクリル系共重合体の量が多すぎれば、
未露光部の現像液への溶解性が不良となる。
【0026】さらに、光重合開始剤は、側鎖にカルボキ
シル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合
体と光反応性化合物の和に対し、0.1〜50重量%の
範囲で添加するのが好ましく、より好ましくは、2〜3
0重量%である。光重合開始剤の量が少なすぎると、光
感度が不良となり、光重合開始剤の量が多すぎれば、解
像度が低下するおそれがある。
【0027】本発明の感光性絶縁ペ−ストは、側鎖にカ
ルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系
共重合体と光重合開始剤を光反応性化合物に溶解し、こ
の溶液に絶縁性粉末を分散させることによって製造する
ことができる。側鎖にエチレン性不飽和基を有するアク
リル系共重合体と光重合開始剤が光反応性化合物に溶解
しない場合或いは溶液の粘度を調整したい場合には該ア
クリル系共重合体、光重合開始剤及び光反応性化合物の
混合溶液が溶解可能である有機溶媒を加えてもよい。こ
の時使用される有機溶媒は側鎖にカルボキシル基とエチ
レン性不飽和基を有するアクリル系共重合体、光重合開
始剤及び光反応性化合物の混合物を溶解しうるものであ
ればよい。たとえばメチルセルソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサ
ン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、
イソブチルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、テト
ラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロ
ラクトンなどやこれらのうちの1種以上を含有する有機
溶媒混合物が用いられる。
【0028】感光性絶縁ペ−ストの好ましい組成として
は、次の範囲で選択するのが良い。 (a)無機粉末 ;75〜90重量% (b)側鎖にカルボキシル基とエチレン不飽和基を有す
るアクリル系共重合体 と光反応性化合物;25〜10重量% (c)光重合開始剤 ;上記(b)成分の総和に対し
て2〜30重量%。
【0029】さらに必要に応じて可塑剤、分散剤、増感
剤、熱重合禁止剤、有機溶媒および有機或いは無機の沈
殿防止剤を添加し、混合物のスラリ−となされる。
【0030】可塑剤としては、例えばジブチルフタレ−
ト、ジオクチルフタレ−ト、ポリエチレングリコ−ル、
グリセリンなど公知のものを用いることができる。
【0031】上記において無機粉末および上記(b)の
より好ましいは配合割合はそれぞれ78〜87重量%お
よび22〜13重量%である。この範囲にあると露光時
において紫外線が良く透過し、光硬化の機能が十分発揮
され、ヴィアホ−ルの精度が向上する。また絶縁層が緻
密になりリ−ク電流が小さくできる。
【0032】本発明において使用可能な増感剤として
は、例えば、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザ
ル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルア
ミニベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−
ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノ
ン、ミヒラ−ケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)
−ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カ
ルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p
−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメ
チルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチ
ルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾ−ル、
1,3−^ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセト
ン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベ
ンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジ
エチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエ
タノ−ルアミン、N−フェニルエタノ−ルアミン、N−
トリルジエタノ−ルアミン、N−フェニルエタノ−ルア
ミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルア
ミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイ
ルチオ−テトラゾ−ラゾ−ル、1−フェニル−5−エト
キシカルボニルチオ−テトラゾ−ルなどが挙げられる。
本発明ではこれらを1種または2種以上使用することが
できる。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても使
用できるものがある。
【0033】増感剤を本発明の感光性絶縁性ペ−ストに
添加する場合、その添加量は側鎖にカルボキシル基とエ
チレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体と光反応
性化合物の和に対して0.1〜30重量%の範囲で添加
するのがよく、より好ましくは0.5〜15重量%であ
る。増感剤の量が少なすぎる場合は感度を向上させる効
果が発揮されず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存
率が小さくなりすぎるおそれがある。
【0034】本発明の感光性絶縁性ペ−ストにおいて保
存時の熱安定性を向上させるため、熱重合禁止剤を添加
すると良い。熱重合禁止剤の具体的な例としては、ヒド
ロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチア
ジン、p−t−ブチルカテコ−ル、N−フェニルナフチ
ルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノ
−ル、クロラニ−ル、ピロガロ−ルなどが挙げられる。
熱重合禁止剤を添加する場合、その添加量は、側鎖にカ
ルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系
共重合体と光反応性重合性化合物の和に対し、0.01
〜20重量%の範囲で添加するのがよく、より好ましく
は、0.05〜10重量%である。熱重合禁止剤の量が
少なすぎれば、保存時の熱的な安定性を向上させる効果
が発揮されず、熱重合禁止剤の量が多すぎれば、露光部
の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
【0035】また本発明の感光性絶縁性ペ−ストには保
存時におけるアクリル系共重合体の酸化を防ぐために酸
化防止剤を添加できる。酸化防止剤の具体例としては
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、ブチル化ヒ
ドロキシアニソ−ル、2、6−ジ−t−4−エチルフェ
ノ−ル、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−
t−ブチルフェノ−ル)、2,2−メチレン−ビス−
(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4−
チビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、
1,1,3−トリス−(2−メチル−6−t−ブチルフ
ェノ−ル)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−
ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス[3,
3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニ
ル)ブチリックアッシッド]グリコ−ルエステル、ジラ
ウリルチオジプロピオナ−ト、トリフェニルホスファイ
トなどが挙げられる。酸化防止剤を添加する場合、その
添加量は通常、無機粉末、側鎖にカルボキシル基とエチ
レン性不飽和基を有するアクリル系共重合体、光反応重
合性化合物、ガラスフリットおよび光重合開始剤の総和
に対して0.01〜5重量%の範囲で添加するのがよ
く、より好ましくは0.1〜1重量%である。酸化防止
剤の量が少なければ保存時のアクリル系共同重合体の酸
化を防ぐ効果が得られず、酸化防止剤の量が多すぎれば
露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
【0036】次にこの感光性絶縁性ペ−ストを用いて配
線導体層を形成した焼結後のアルミナ、窒化アルミ或い
はガラス・セラミックスなどからなる低温焼成多層基板
上或いはセラミック・グリ−ンシ−ト上にスクリーン印
刷法など方法で所定の印刷、乾燥を行い絶縁層を形成す
る。このガラス・セラミックスからなる低温焼成多層基
板は本発明の無機粉末と同じ原料粉末を使用して作製で
きる。この時、配線導体層の形成は配線パタ−ンの精度
に応じてスパッタリング、メッキ或いはスクリ−ン印刷
などの方法が用いられる。導体金属はCu,Au,A
g,Pd,Ag−Pd,W,Moなどが適宜選ばれる。
また必要な層数に応じて導体形成プロセスと絶縁層形成
プロセスを繰り返して多層基板が形成される。
【0037】ここでペ−ストを上述のガラスやセラミッ
クスなどの基板上に塗布する場合、基板と塗布膜との密
着性を高めるために基板の表面処理を行うとよい。表面
処理液としてはシランカップリング剤、例えばビニルト
リクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、トリス−(2−メトキシエトキシ)
ビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシ
シラン、γ(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシランなど或いは有機金属
例えば有機チタン、有機アルミニウム、有機ジルコニウ
ムなどである。シランカップリング剤或いは有機金属を
有機溶媒例えばエチレングリコ−ルモノメチルエ−テ
ル、エチレングリコ−ルモノエチルエ−テル、メチルア
ルコ−ル、エチルアルコ−ル、プロピルアルコ−ル、ブ
チルアルコ−ルなどで0.1〜5%の濃度に希釈したも
のを用いる。次にこの表面処理液をスピンナ−などで基
板上に均一に塗布した後に80〜140℃で10〜60
分間乾燥する事によって表面処理ができる。
【0038】塗布厚みは塗布回数、スクリ−ンのメッシ
ュ、ペ−ストの粘度を選ぶことによって調整できるが、
5〜150μmの範囲が好ましい。5μm未満では緻密
な膜を均質にしかも高電気絶縁性を保持することが難し
い。また150μmを越えると紫外線露光において透過
が難しきくなるのでヴィアホ−ルの形成ができなくな
る。
【0039】本発明の絶縁性ペ−ストの場合、絶縁層の
ヴィアホ−ルの形成において上下の孔径差がなく微細に
でき、しかも絶縁層が緻密にできる好ましい厚みの範囲
は10〜100μmである。またヴィアホ−ルの解像度
は絶縁層の厚みによって異なるが、アスペクト比は1以
下であるのが紫外線の透過が十分行われる点で好まし
い。例えば40μm厚の場合は40μmのヴィアホ−ル
を良好に形成できる。
【0040】上記で乾燥後の絶縁層の塗布膜は、フォト
リソグラフィ−法により選択的に露光した後、現像して
未硬化部分を除去(いわゆるネガ型)して、絶縁層に所
定のヴィアホ−ルを形成する。次にヴィアホ−ル(或い
はスル−ホ−ル)部の信号層或いは電源層に導体ペ−ス
トを用いて埋め込まれる。埋め込みは配線パタ−ン形成
に用いたもの同じ或いは別の銅、銀、銀−パラジウム、
タングステン、モリブデン或いは金導体ペ−ストを用い
てスクリ−ン印刷、スキ−ジ、デヂィスペンサ或いはロ
−ラなどの方法により行う。この絶縁層のヴィアホ−ル
に対する導体ペ−ストの埋め込みは層数ごとに繰り返し
行う。
【0041】次に焼成炉にて焼成を行ってヴィアホ−ル
に導体が形成された多層の絶縁層が形成される。焼成雰
囲気や温度はセラミック基板や導体の種類によって異な
る。ガラス・セラミックスからなる低温焼成多層基板の
上に絶縁膜を形成する場合は500〜1000℃の温度
で数時間保持して絶縁層を焼成する。アルミナや窒化ア
ルミ基板では500〜1600℃の温度で数時間かけて
焼成する。Cu,W,Mo,W−Moなどの導体では窒
素などの中性や水素を含む還元性雰囲気で焼成する。焼
成時に感光性絶縁ペ−スト中に含まれる側鎖にカルボキ
シル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合
体、光反応重合性化合物、安定化剤、或いは溶媒などの
有機物の酸化、蒸発を可能にする雰囲気であればよい。
そのようなものとして導体がCu,W,Mo,W−Mo
では酸素を3〜50ppm含有し、残部が窒素或いはア
ルゴンなどの中性ガスまたは水蒸気で制御した雰囲気中
で焼成できる。焼成温度は有機バインダ−完全に酸化、
蒸発させる温度として300〜550℃で30分〜数時
間保持した後、500〜1600℃の温度で数時間保持
してから絶縁層を焼結させる。
【0042】焼成後の絶縁体層中に残存する炭素量は2
50ppm以下であることが好ましい。250ppmを
越える場合は絶縁体層の気孔率の低下、強度低下、誘電
率の増加、誘電損失の増加、リ−ク電流の増加或いは絶
縁抵抗の低下などの問題を生ずる。また残存炭素量は1
00ppm以下であることが好ましく、より好ましくは
50ppm以下である。
【0043】本発明の感光性絶縁ペ−ストの調合、印
刷、露光、現像工程は紫外線を遮断できるところで行う
必要がある。そうでないとペ−ストや塗布膜が紫外線に
よって光硬化してしまい、本発明の効果を有する絶縁層
が得られない。セラミック基板上に塗布後の膜は70〜
120℃で10分〜1時間加熱して溶媒類を蒸発させて
から露光、現像処理を行う。
【0044】上記において露光条件は絶縁層の厚みによ
って異なるが、5〜100mW/cm2 の出力の超高圧
水銀灯を用いて10秒〜30分行う。
【0045】絶縁層は上述のごとく通常のフォトマスク
法を用いて露光されるが、この際使用される活性光源は
たとえば紫外線、電子線、X線などが挙げられるが、こ
れらの中で紫外線が好ましく、その光源としては公知の
もの、例えば超高圧水銀灯が使用される。現像方法とし
ては浸漬法やスプレ−法で行なうことができ、現像液と
しては前記の側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和
基を有するアクリル系共重合体、光反応性化合物及び光
重合開始剤の混合物が溶解可能である有機溶媒を使用で
きる。また該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で
水を添加してもよい。またアクリル系共重合体の側鎖に
カルボキシル基が存在する場合、アルカリ水溶液で現像
できる。アルカリ水溶液として水酸化ナトリウムや水酸
化カルシウム水溶液などのような金属アルカリ水溶液を
使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時
にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。有機アル
カリの具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒド
ロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキ
サイド、モノエタノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミンな
どが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は通常0.01
〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%であ
る。アルカリ濃度が低すぎれば未露光部が除去されず
に、アルカリ濃度が高すぎれば、露光部を腐食させるお
それがあり良くない。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されない。なお、下記の実施
例では濃度はすべて重量%で表わす。
【0047】実施例1〜8 A.無機粉末 次の組成のものを使用した。
【0048】96%純度のアルミナ粉末;平均粒子径
0.8μm。
【0049】コ−ディライト粉末;平均粒子径1.0
μm ガラス−セラミックス粉末(1);アルミナ粉末50
%と硼硅酸塩ガラス粉末50%とからなるもので、硼珪
酸塩ガラス粉末の組成は、SiO2 70%,Al2 3
7%,B2 3 18%,BaO3%,Na2 O2%であ
る。ガラス粉末は予めアトライタ−にて微粉砕し、粒子
の平均粒子径、1.2μm,比表面積、30m2 /gと
したものを使用した。
【0050】ガラス−セラミックス粉末(2);セラ
ミックス粉末45%と硼硅酸塩ガラス粉末55%とから
なるもので、セラミックス粉末はAl2 3 65%、M
gOマグネシア30%、SiO2 2%およびその他不純
物3%からなるもの。硼硅酸塩ガラス粉末はSiO2
0%,B2 3 30%,Al2 3 1%,BaO3%、
2 O1%,Na2 O2%からなるものである。
【0051】B.側鎖にカルボキシル基とエチレン性不
飽和基を有するアクリル系共重合体 (以下、単にポリマ−と略す) ポリマ−I;40%のメタアクリル酸、30%のメチル
メタアクリレ−トおよび30%のスチレンに対して0.
4当量のグリシジルアクリレ−トを付加反応させたポリ
マ−。
【0052】ポリマ−II;30%のメタアクリル酸、
35%のエチルメタクリレ−トおよび35%のスチレン
に対して0.3当量のクロライドアクリレ−トを付加反
応させたポリマ−。
【0053】C.光反応性化合物(以下、単にモノマ−
と略す) モノマ−I ;トリメチロ−ル・プロパン・トリアクリ
ラ−ト モノマ−II;2−ヒドロキシエチルアクリラ−トを1
にプロピレングリコ−ルジアクリラ−トを2の割合で混
ぜたもの。
【0054】D.溶媒 γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコ−ル、メチル
アルコ−ルおよびα−テレピネオ−ルの混合溶媒。
【0055】E.光重合開始剤 α−アミノ・アセトフェノン F.感光性絶縁性ペ−ストの製造 a.有機ビヒクルの作製 溶媒およびポリマ−を混合し、攪拌しながら80℃まで
加熱しすべてのポリマ−を均質に溶解させた。ついで溶
液を室温まで冷却し、開始剤を加えて溶解させた。その
後この溶液を400メッシュのフィルタ−を用いて濾過
した。
【0056】b.ペ−スト調製 ペ−ストは上記の有機ビヒクルにモノマ−および無機粉
末を所定の組成となるように添加し、3本ロ−ラで混合
・分散して調製した。調製した組成を表1および表2に
それぞれ示す。
【0057】
【表1】
【表2】 c.アルミナ基板の表面処理 表面処理液として(2−アミノエチル)アミノプロピル
トリメトキシシランのイソプロピルアルコ−ルの1重量
%溶液を用いる。次にこの溶液1.0mlをアルミナ基
板上に落とし、スピナ−で回転数3000rpmで10
秒で塗布した後、100℃で30分間保持し、乾燥して
表面処理を行った。
【0058】d.微細配線形成 上記のアルミナ基板(100mm角、厚み0.5mm)
の表面全体にTiとPdの2層膜をスパッタリング方式
でつける。次にフォトレジストをコ−ティングした後露
光・現像し、続いてホトレジストのない部分だけを選択
的にAuメッキして配線を形成する。導体の厚みは12
μm,線幅は25μmであった。残ったレジストを55
0℃で焼成して取り除いた。その後Pd,Tiをエッチ
ングして取り除いてAu配線を得た。
【0059】なお、無機粉末としてのアルミナを用い
た絶縁ペ−ストの場合は、250メッシュのスクリ−ン
を用いて、W導体ペ−ストで配線パタ−ンの形成を行っ
た。 e.絶縁ペ−ストの印刷 上記のdで微細配線を形成した基板上に250メッシュ
のスクリ−ンを用いて絶縁ペ−ストをスクリ−ン印刷す
る。印刷はピンホ−ルなどの影響を防ぐため数回繰り返
し印刷する。その後80℃で30分乾燥した。乾燥後の
膜厚は50〜58μmであった。印刷は紫外線を遮断し
た室内で行った。
【0060】f.露光、現像 上記のeで作製した絶縁ぺ−ストの膜上にクロムマスク
を用いて45μm角ののヴィアホ−ルで、数2000本
を有するクロムマスクを用いて、上面から50mW/c
2 の出力の超高圧水銀灯で紫外線露光した。次に25
℃に保持したモノエタノ−ルアミンの1重量%の水溶液
に浸漬して現像し、その後スピンスプレ−を用いて光硬
化していないヴィアホ−ルを水洗浄した。
【0061】g.導体の埋め込み 次にヴィアホ−ル部分にAg−Pdの導体ペ−ストをス
クリ−ン印刷法で埋め込む。その後85O℃で20分焼
成を行ってヴィアホ−ルを有する絶縁層が形成した。
【0062】なお、アルミナを絶縁ペ−ストとして用い
た場合はヴィアホ−ルの埋め込みをWペ−ストで行っ
た。
【0063】h.多層化 さらに、多層化のために上記のd〜gのプロセスの微細
配線形成を繰り返して導体層4層および絶縁層3層から
なるセラミッス多層基板を作製した。
【0064】i.焼成 得られた多層基板を空気中500℃で3時間焼成を行
い、バインダを蒸発させた後、900〜1000℃にて
0.5時間保持して多層基板を得た。アルミナを絶縁ペ
−ストとして使用し、Wを導体にした基板はH2 ガスと
2 ガス雰囲気中500℃で3時間焼成し、脱バインダ
後、1600℃の温度にて0.5時間焼結し、多層基板
を作製した。
【0065】j.評価 微細配線部を形成したセラミックス多層基板についてリ
−ク電流、ヴィアホ−ル部からの断線不良発生の有無、
ヴィアホ−ルの抵抗の変化率および湿中負荷(THB)
試験を行った。THB試験は初期の絶縁抵抗を調べ、さ
らに温度85℃,湿度85%の環境下で1500時間保
持後、絶縁層間に50Vの直流電圧を印加して絶縁抵抗
を測定し、結果を表1および表2にそれぞれ示した。
【0066】表には示さなかったが、感光性絶縁ペ−ス
トを用いて作製した多層基板のヴイアホ−ル部からは断
線不良発生は全く認められなかった。また、本発明の絶
縁層はリ−ク電流が6μA以下であるので絶縁層として
使用でき、絶縁抵抗が5.5×1011以上、またTHB
1500時間後の絶縁抵抗の変化率も小さく問題なかっ
た。
【0067】比較例1 上記のセラミックス粉末のうちのガラス−セラミック
ス粉末およびのガラス−セラミックス粉末を用いて粉
末組成55%、アクリレ−ト樹脂12%、トルエン24
%、イソプロピルアルコ−ル8%およびジブチルフタレ
−ト5%を3本ロ−ラで混合・分散し調整した。
【0068】次に絶縁層のヴィアホ−ルの形成以外は上
記と同じ方法で、アルミナ基板上に導体4層、絶縁体3
層からなるセラミックス多層基板を作製した。ヴィアホ
−ルの形成は250メッシュのスクリ−ンを用いて印刷
法で、サイズ45μm角を作製した。
【0069】焼成は500℃で3時間保持して脱バイン
ダ後、950℃或いは900℃で0.5時間保持して焼
結した。
【0070】得られた多層基板のヴィアホ−ルの周りに
は導体層のにじみが多く観察された。またリ−ク電流が
100μA以上で高く、絶縁抵抗も107 Ω以下で非常
に低く、基板として使用できなかった。
【0071】
【発明の効果】本発明は上述の構成を有するため、ヴィ
アホールやスルホ−ルの形成が極めて容易にかつ精度よ
くできしかも微細な孔を確実に安価に形成できる利点が
ある。また、この発明の絶縁層により形成したセラミッ
ク多層基板は性能的に優れているうえ、スルホ−ルやヴ
ィアホ−ルが飛躍的に小形化されるので、高信頼性、高
性能化、高密度化などを達成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/46 H 6921−4E T 6921−4E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)無機粉末、(b)側鎖にカルボキシ
    ル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合
    体、(c)光反応性化合物および(d)光重合開始剤を
    含有することを特徴とする感光性絶縁ペ−スト。
  2. 【請求項2】無機粉末がアルミナ、ジルコニア、マグネ
    シア、ベリリア、ムライト、コ−ディライト、スピネ
    ル、フォルステライト、アノ−サイト、セルジアンおよ
    びシリカの群から選ばれた少なくとも一種のセラミック
    である請求項1記載の感光性絶縁ペ−スト。
  3. 【請求項3】無機粉末が60〜40重量%の珪酸塩ガラ
    ス粉末とアルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリ
    ア、ムライト、コ−ディライト、スピネル、フォルステ
    ライト、アノ−サイト、セルジアンおよびシリカの群か
    ら選ばれる少なくとも一種のセラミック粉末40〜60
    重量%との混合物であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の感光性絶縁ペ−スト。
  4. 【請求項4】珪酸塩ガラス粉末が酸化物換算表記で SiO2 60〜90重量% Al2 3 0.1〜10重量% B2 3 5〜30重量% BaO 0.1〜10重量% 酸化アルカリ金属 0.1〜6重量% の組成範囲からなるものを95重量%以上含有してなる
    請求項3記載の感光性絶縁ペ−スト。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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