JPH053081A - 面発光装置 - Google Patents
面発光装置Info
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- JPH053081A JPH053081A JP17867891A JP17867891A JPH053081A JP H053081 A JPH053081 A JP H053081A JP 17867891 A JP17867891 A JP 17867891A JP 17867891 A JP17867891 A JP 17867891A JP H053081 A JPH053081 A JP H053081A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 明るさの視角依存性を低減すること。
【構成】 発光強度分布のピークを与える領域と反射層
との間の膜厚を、膜厚輝度減衰特性の一つの極小値を生
じる膜厚を含みかつその振幅が収束輝度値以下の輝度を
生じる範囲内でかつ収束輝度値を生じる膜厚値以上で一
つの極小値を生じる膜厚値以下の範囲内の一つの値とし
た。
との間の膜厚を、膜厚輝度減衰特性の一つの極小値を生
じる膜厚を含みかつその振幅が収束輝度値以下の輝度を
生じる範囲内でかつ収束輝度値を生じる膜厚値以上で一
つの極小値を生じる膜厚値以下の範囲内の一つの値とし
た。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、視角による明るさの低
下を低減した面発光装置に関する。
下を低減した面発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】面発光装置として、例えば、LEDや白
熱電球照明による照光表示器等が知られている。
熱電球照明による照光表示器等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの面発光装置
は、有限な面積を持ち、ほぼ完全拡散面による光の放射
パターンになることから、正面または斜め方向でも輝度
はほぼ一定となる。そこで、視角θにおける明るさT
は、
は、有限な面積を持ち、ほぼ完全拡散面による光の放射
パターンになることから、正面または斜め方向でも輝度
はほぼ一定となる。そこで、視角θにおける明るさT
は、
【数1】 で表される。
【0004】ここで、Sは面発光装置の面積、Lは輝度
である。従って、明るさTは、視角θに依存することと
なり、斜め方向から見ると表示器としては視認性が低下
し、また、照明としては暗くなる。
である。従って、明るさTは、視角θに依存することと
なり、斜め方向から見ると表示器としては視認性が低下
し、また、照明としては暗くなる。
【0005】本発明は、このような事情に対処してなさ
れたもので、明るさの視角による依存性を抑制した面発
光装置を提供することを目的とする。
れたもので、明るさの視角による依存性を抑制した面発
光装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、発光層上に直接または透明層を介して積
層された反射層を備え、前記発光層はその厚さ方向に所
定の発光強度分布を有する面発光装置であって、前記発
光強度分布のピークを与える領域と反射層との間の膜厚
を、膜厚輝度減衰特性の一つの極小値を生じる膜厚を含
みかつその振幅が収束輝度値以下の輝度を生じる範囲内
でかつ収束輝度値を生じる膜厚値以上で前記一つの極小
値を生じる膜厚値以下の範囲内の一つの値としたことを
特徴とする。
成するために、発光層上に直接または透明層を介して積
層された反射層を備え、前記発光層はその厚さ方向に所
定の発光強度分布を有する面発光装置であって、前記発
光強度分布のピークを与える領域と反射層との間の膜厚
を、膜厚輝度減衰特性の一つの極小値を生じる膜厚を含
みかつその振幅が収束輝度値以下の輝度を生じる範囲内
でかつ収束輝度値を生じる膜厚値以上で前記一つの極小
値を生じる膜厚値以下の範囲内の一つの値としたことを
特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の面発光装置では、発光層としてその厚
さ方向における発光強度分布の半値幅がきわめて小さい
ものを用い、反射層、または透明層を介して反射層を積
層した構成とし、発光層、または発光層及び透明層の膜
厚に応じて視角により輝度が光の干渉効果により変化す
ることに着目して、発光層または透明層の膜厚を特定の
範囲に設定し、それによって正面方向の輝度よりも斜め
方向の輝度を十分に大きくし明るさの視角による依存性
を低減することができる。
さ方向における発光強度分布の半値幅がきわめて小さい
ものを用い、反射層、または透明層を介して反射層を積
層した構成とし、発光層、または発光層及び透明層の膜
厚に応じて視角により輝度が光の干渉効果により変化す
ることに着目して、発光層または透明層の膜厚を特定の
範囲に設定し、それによって正面方向の輝度よりも斜め
方向の輝度を十分に大きくし明るさの視角による依存性
を低減することができる。
【0008】
【実施例】以下に、面発光装置として有機EL素子を用
いた本発明による実施例を図面を参照にしつつ説明す
る。
いた本発明による実施例を図面を参照にしつつ説明す
る。
【0009】有機EL素子として、図1に示すように、
金属陰極1と透明陽極2との間に、それぞれ有機化合物
からなり互いに積層された発光体薄膜からなるEL層3
及び正孔輸送層4が配された2層構造のものや、図2に
示すように、金属陰極1と透明陽極2との間に互いに積
層された有機化合物からなる電子輸送層5、EL層3及
び正孔輸送層4が配された3層構造のものが知られてい
る。ここで、正孔輸送層4は陽極から正孔を注入させ易
くする機能と電子をブロックする機能とを有し、電子輸
送層5は陰極から電子を注入させ易くする機能と正孔を
プロックする機能とを有している。
金属陰極1と透明陽極2との間に、それぞれ有機化合物
からなり互いに積層された発光体薄膜からなるEL層3
及び正孔輸送層4が配された2層構造のものや、図2に
示すように、金属陰極1と透明陽極2との間に互いに積
層された有機化合物からなる電子輸送層5、EL層3及
び正孔輸送層4が配された3層構造のものが知られてい
る。ここで、正孔輸送層4は陽極から正孔を注入させ易
くする機能と電子をブロックする機能とを有し、電子輸
送層5は陰極から電子を注入させ易くする機能と正孔を
プロックする機能とを有している。
【0010】これら有機EL素子において、透明陽極2
の外側にはガラス基板6が配されており、金属陰極1か
ら注入された電子と透明陽極2からEL層3へ注入され
た正孔との再結合によって励起子が生じ、EL層におけ
る正孔輸送層との境界面近傍にて励起子が放射失活する
過程で光を放ち、この光が透明陽極2及びガラス基板6
を介して外部に放出される(特開昭59−194393
号公報及び特開昭63−295695公報参照)。
の外側にはガラス基板6が配されており、金属陰極1か
ら注入された電子と透明陽極2からEL層3へ注入され
た正孔との再結合によって励起子が生じ、EL層におけ
る正孔輸送層との境界面近傍にて励起子が放射失活する
過程で光を放ち、この光が透明陽極2及びガラス基板6
を介して外部に放出される(特開昭59−194393
号公報及び特開昭63−295695公報参照)。
【0011】本実施例の有機EL素子は、図1に示すも
のと同様な、一対の金属陰極1と透明陽極2との間にE
L層3及び正孔輸送層4を薄膜として積層、成膜した2
層構造のものである。例えば陰極1には、アルミニウ
ム、マグネシウム、インジウム、銀又は各々の合金等の
仕事関数が小さな金属からなり厚さが1000〜500
0オングストローム程度のものが用い得る。また、例え
ば陽極2には、インジウムすず酸化物(以下、ITOと
いう)等の仕事関数の大きな導電性材料からなり厚さが
1000〜3000オングストローム程度で、又は金で
厚さが800〜1500オングストローム程度のものが
用い得る。
のと同様な、一対の金属陰極1と透明陽極2との間にE
L層3及び正孔輸送層4を薄膜として積層、成膜した2
層構造のものである。例えば陰極1には、アルミニウ
ム、マグネシウム、インジウム、銀又は各々の合金等の
仕事関数が小さな金属からなり厚さが1000〜500
0オングストローム程度のものが用い得る。また、例え
ば陽極2には、インジウムすず酸化物(以下、ITOと
いう)等の仕事関数の大きな導電性材料からなり厚さが
1000〜3000オングストローム程度で、又は金で
厚さが800〜1500オングストローム程度のものが
用い得る。
【0012】本発明による有機EL素子のEL層3を形
成する有機蛍光化合物の具体的な例としては、アルミキ
ノリノール錯体すなわちAlオキシンキレート(以下、
Alq3 という)、テトラフェニルブタジエン誘導体等
が用いられ得る。正孔輸送層4にはトリフェニルジアミ
ン誘導体であるN,N´−ジフェニル−N,N´−ビス
(3メチルフェニル)−1,1´−ビフェニル−4,4
´−ジアミン(以下、TPDという)が好ましく用いら
れ、更にCTM(Carrier Transport
ing Materials)として知られている化合
物を単独、もしくは混合物として用い得る。
成する有機蛍光化合物の具体的な例としては、アルミキ
ノリノール錯体すなわちAlオキシンキレート(以下、
Alq3 という)、テトラフェニルブタジエン誘導体等
が用いられ得る。正孔輸送層4にはトリフェニルジアミ
ン誘導体であるN,N´−ジフェニル−N,N´−ビス
(3メチルフェニル)−1,1´−ビフェニル−4,4
´−ジアミン(以下、TPDという)が好ましく用いら
れ、更にCTM(Carrier Transport
ing Materials)として知られている化合
物を単独、もしくは混合物として用い得る。
【0013】発明者は、2層構造の有機EL素子のEL
層膜厚、発光スペクトル及び輝度並びにの視角度の研究
の結果、輝度にはEL層膜厚による依存性及び視角度依
存性があることを知見した。すなわち、図3に示すよう
に有機EL素子のガラス基板6側表面を目視者が見る角
度によって発光スペクトル及び輝度が変化する。目視者
にとってEL層内の発光源Pの1点から発した光には、
図中の直接基板6へ向かう経路A及び背面の金属電極1
で反射し基板6へ向かう経路Bの2つの光が含まれる。
この2つの経路の光は以下の数式2に示す光路差L、さ
らに数式3に示す位相差ηyを保持しているので、互い
に干渉する(両数式中、nはEL層3の屈折率を、yは
発光源Pから金属電極1までの距離を、θはEL層内に
おける表示表面の法線からそれる視角を、λは波長をそ
れぞれ示す。以下、同じ)。
層膜厚、発光スペクトル及び輝度並びにの視角度の研究
の結果、輝度にはEL層膜厚による依存性及び視角度依
存性があることを知見した。すなわち、図3に示すよう
に有機EL素子のガラス基板6側表面を目視者が見る角
度によって発光スペクトル及び輝度が変化する。目視者
にとってEL層内の発光源Pの1点から発した光には、
図中の直接基板6へ向かう経路A及び背面の金属電極1
で反射し基板6へ向かう経路Bの2つの光が含まれる。
この2つの経路の光は以下の数式2に示す光路差L、さ
らに数式3に示す位相差ηyを保持しているので、互い
に干渉する(両数式中、nはEL層3の屈折率を、yは
発光源Pから金属電極1までの距離を、θはEL層内に
おける表示表面の法線からそれる視角を、λは波長をそ
れぞれ示す。以下、同じ)。
【0014】
【数2】
【0015】
【数3】 よって、干渉効果としてその強度I(y、λ)は数式4
の如く表せる。
の如く表せる。
【0016】
【数4】
【0017】EL層中での発光強度f(y)の分布は、
図4に示すように正孔輸送層4の境界面においては強く
金属電極1に向かうほど減少し、膜厚に関する指数関数
分布として数式5の如く表せ、EL層全体としては数式
6の如く正規化できる(両数式中、dは発光源から金属
電極までの距離を、εは発光強度分布パラメータを、k
は定数をそれぞれ示す。以下、同じ)。
図4に示すように正孔輸送層4の境界面においては強く
金属電極1に向かうほど減少し、膜厚に関する指数関数
分布として数式5の如く表せ、EL層全体としては数式
6の如く正規化できる(両数式中、dは発光源から金属
電極までの距離を、εは発光強度分布パラメータを、k
は定数をそれぞれ示す。以下、同じ)。
【0018】
【数5】
【0019】
【数6】
【0020】発光源自体の発光スペクトルの強度分布F
(λ)は発光体特有の波長λの関数として表せる。よっ
て、目視者によって実際に観察されるEL素子の発光強
度T(λ,θ,d)は数式7のように表せる。
(λ)は発光体特有の波長λの関数として表せる。よっ
て、目視者によって実際に観察されるEL素子の発光強
度T(λ,θ,d)は数式7のように表せる。
【0021】
【数7】
【0022】ここで、EL素子の発光強度T(λ,θ,
d)を確認するために、膜厚(y=d)6000オング
ストロームとしたAlq3 からなるEL層を含む有機E
L素子を作成し、視角θを0゜から75゜まで種々変化
させてその発光強度の試験を行った。図5は、発光波長
に対する発光強度分布を示す。かかる発光強度分布と上
記数式7の発光強度T(λ,θ,d)とが略一致するこ
とが確認された。図から明らかなように、目視者にとっ
ては視角0゜から75゜までEL素子表示面を見る方向
によって色彩が順次異なるように見える。
d)を確認するために、膜厚(y=d)6000オング
ストロームとしたAlq3 からなるEL層を含む有機E
L素子を作成し、視角θを0゜から75゜まで種々変化
させてその発光強度の試験を行った。図5は、発光波長
に対する発光強度分布を示す。かかる発光強度分布と上
記数式7の発光強度T(λ,θ,d)とが略一致するこ
とが確認された。図から明らかなように、目視者にとっ
ては視角0゜から75゜までEL素子表示面を見る方向
によって色彩が順次異なるように見える。
【0023】さらに、実用に沿うように、波長λに対し
て特定値で感応する目視者または光検出器の視感度特性
E(λ)を考慮する。例えば視感度特性E(λ)を正規
分布とすると、かかる感度特性内におけるEL素子の輝
度特性L(d)は、数式8のようにdの関数として表せ
る(Kは定数を示す。)
て特定値で感応する目視者または光検出器の視感度特性
E(λ)を考慮する。例えば視感度特性E(λ)を正規
分布とすると、かかる感度特性内におけるEL素子の輝
度特性L(d)は、数式8のようにdの関数として表せ
る(Kは定数を示す。)
【0024】
【数8】
【0025】図6は、Alq3 からなるEL層(θ=
0,n=1.7)についてその膜厚を略0オングストロ
ームから8000オングストロームにわたって変化させ
計算した場合の膜厚に対する輝度/電流特性の膜厚輝度
減衰(特性)曲線を示し、この減衰曲線が有機EL素子
における輝度の膜厚依存性を示している。
0,n=1.7)についてその膜厚を略0オングストロ
ームから8000オングストロームにわたって変化させ
計算した場合の膜厚に対する輝度/電流特性の膜厚輝度
減衰(特性)曲線を示し、この減衰曲線が有機EL素子
における輝度の膜厚依存性を示している。
【0026】かかる有機EL素子の輝度の膜厚依存性を
確認するための有機EL素子を作成し試験を行うと、図
7に示すような減衰特性の結果が得られる。試験した複
数の有機EL素子は膜厚500オングストロームのTP
Dの正孔輸送層と膜厚1150オングストロームから7
725オングストロームのAlq3 のEL層との2層構
造を有するものである。図示するように、かかる有機E
L素子は、図6と同様に、最小膜厚かつ最大輝度を示し
これを1次極大値として順次次数が増加(膜厚増加)す
るにつれて周期的に輝度の極大値及び極小値が現れ、こ
の極大値が減少し、極小値が増大する膜厚輝度減衰曲線
の特性すなわち、輝度の膜厚依存性を示している。
確認するための有機EL素子を作成し試験を行うと、図
7に示すような減衰特性の結果が得られる。試験した複
数の有機EL素子は膜厚500オングストロームのTP
Dの正孔輸送層と膜厚1150オングストロームから7
725オングストロームのAlq3 のEL層との2層構
造を有するものである。図示するように、かかる有機E
L素子は、図6と同様に、最小膜厚かつ最大輝度を示し
これを1次極大値として順次次数が増加(膜厚増加)す
るにつれて周期的に輝度の極大値及び極小値が現れ、こ
の極大値が減少し、極小値が増大する膜厚輝度減衰曲線
の特性すなわち、輝度の膜厚依存性を示している。
【0027】なお、図6において各極大値又は極小値の
周期Tはλm/2nで表される。ここではλmはF
(λ)において最大強度を与える波長(ピーク波長)、
nは金属陰極から発光強度分布のピークを与える位置
(正孔輸送層とEL層の界面)までの間の平均屈折率で
ある。
周期Tはλm/2nで表される。ここではλmはF
(λ)において最大強度を与える波長(ピーク波長)、
nは金属陰極から発光強度分布のピークを与える位置
(正孔輸送層とEL層の界面)までの間の平均屈折率で
ある。
【0028】また、図7の膜厚輝度減衰曲線は、横軸を
500オングストロームの膜厚のTPD正孔輸送層を含
む有機EL層全体の膜厚としているために、特性曲線全
体が図6のものに比して図の右方に変移している。図8
は、上記したTPD正孔輸送層及びAlq3 EL層の2
層構造の有機EL素子の各々について、視角度に対する
輝度/電流の相対値を測定した結果を示す。
500オングストロームの膜厚のTPD正孔輸送層を含
む有機EL層全体の膜厚としているために、特性曲線全
体が図6のものに比して図の右方に変移している。図8
は、上記したTPD正孔輸送層及びAlq3 EL層の2
層構造の有機EL素子の各々について、視角度に対する
輝度/電流の相対値を測定した結果を示す。
【0029】図から明らかなように、1次、2次及び3
次極大値に対応する膜厚1150オングストロームから
2500オングストローム及び4565オングストロー
ムを有する有機EL素子は、視角の増加に従って輝度が
小さくなる方向に変化する傾向にあり、また、1次、2
次及び3次極小値に対応する膜厚2050オングストロ
ーム、3550オングストローム及び5275オングス
トロームを有する有機EL素子は、視角が増加するにつ
れて輝度が増加する傾向があることがわかる。
次極大値に対応する膜厚1150オングストロームから
2500オングストローム及び4565オングストロー
ムを有する有機EL素子は、視角の増加に従って輝度が
小さくなる方向に変化する傾向にあり、また、1次、2
次及び3次極小値に対応する膜厚2050オングストロ
ーム、3550オングストローム及び5275オングス
トロームを有する有機EL素子は、視角が増加するにつ
れて輝度が増加する傾向があることがわかる。
【0030】かかる有機EL素子の内、好適な実施例
は、図6から明らかなようにAlq3のEL層の厚さ
を、例えば2400オングストローム〜2700オング
ストロームとした有機EL素子である。
は、図6から明らかなようにAlq3のEL層の厚さ
を、例えば2400オングストローム〜2700オング
ストロームとした有機EL素子である。
【0031】すなわち、このEL層の膜厚範囲は、図6
に示すEL層材質に応じた膜厚(正孔輸送層とEL層の
界面、すなわち発光強度分布のピークを与える領域と、
金属陰極すなわち反射層までの距離)に対する輝度/電
流特性の膜厚輝度減衰曲線の収束輝度値に対応する膜厚
値l1 1、l2 1、l3 1から輝度の極小値に対応する膜厚値
l1 2、l2 2、l3 2までの範囲l(l1 1〜l1 2、l2 1〜l
2 2、l3 1〜l3 2)である。尚、l1 1、l2 1、l3 1は上述
の周期Tを用いるとそれぞれ、l1 2−0.25T、l2 2
−0.25T、l3 2−0.25Tと表される。
に示すEL層材質に応じた膜厚(正孔輸送層とEL層の
界面、すなわち発光強度分布のピークを与える領域と、
金属陰極すなわち反射層までの距離)に対する輝度/電
流特性の膜厚輝度減衰曲線の収束輝度値に対応する膜厚
値l1 1、l2 1、l3 1から輝度の極小値に対応する膜厚値
l1 2、l2 2、l3 2までの範囲l(l1 1〜l1 2、l2 1〜l
2 2、l3 1〜l3 2)である。尚、l1 1、l2 1、l3 1は上述
の周期Tを用いるとそれぞれ、l1 2−0.25T、l2 2
−0.25T、l3 2−0.25Tと表される。
【0032】そして上記の範囲にEL層膜厚を選定すれ
ば、視角が大きくなることは膜厚が小さくなることに等
しい効果を与えられるので、視角が大きくなるにつれ
て、輝度が増加することとなり、有限な大きさをもつ表
示器においては明るさの視角による依存が少ない有機E
L素子が得られることとなる。
ば、視角が大きくなることは膜厚が小さくなることに等
しい効果を与えられるので、視角が大きくなるにつれ
て、輝度が増加することとなり、有限な大きさをもつ表
示器においては明るさの視角による依存が少ない有機E
L素子が得られることとなる。
【0033】本発明は、上記実施例のAlq3 のEL層
に限らず、EL層の材質に応じた図6に示す膜厚に対す
る輝度/電流特性の膜厚輝度減衰曲線から極小値振幅に
対応するEL層膜厚値を得ることができる。
に限らず、EL層の材質に応じた図6に示す膜厚に対す
る輝度/電流特性の膜厚輝度減衰曲線から極小値振幅に
対応するEL層膜厚値を得ることができる。
【0034】また、本発明は、上記実施例の2層構造に
限らず、図2に示す3層構造の場合も同様に電子輸送層
(透明層)及びEL層(発光層)の膜厚に対する輝度/
電流特性の膜厚輝度減衰曲線が得られ、その極小値振幅
に対応する膜厚値を得ることができる。
限らず、図2に示す3層構造の場合も同様に電子輸送層
(透明層)及びEL層(発光層)の膜厚に対する輝度/
電流特性の膜厚輝度減衰曲線が得られ、その極小値振幅
に対応する膜厚値を得ることができる。
【0035】さらに本発明は、上記実施例の有機EL素
子に限らず、発光層の厚さ方向の発光強度分布の半値幅
(強度分布曲線がピーク値の半分になるときの発光領域
の厚さ方向の幅)が例えば、500オングストローム以
下の発光層であれば良く、その発光層及び反射層を積層
したもの、または発光層、透明層、反射層を積層した、
面発光装置の場合においても、図6と同様な減衰特性が
得られ、その極小値振幅に対応する発光層又は、発光層
及び透明層の膜厚値を得ることができる。
子に限らず、発光層の厚さ方向の発光強度分布の半値幅
(強度分布曲線がピーク値の半分になるときの発光領域
の厚さ方向の幅)が例えば、500オングストローム以
下の発光層であれば良く、その発光層及び反射層を積層
したもの、または発光層、透明層、反射層を積層した、
面発光装置の場合においても、図6と同様な減衰特性が
得られ、その極小値振幅に対応する発光層又は、発光層
及び透明層の膜厚値を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による面発
光装置は、発光層又は発光層及び透明層の膜厚(発光強
度分布のピークを与える領域から反射層までの距離)を
膜厚輝度減衰特性の一つの極小値を生じる膜厚を含みか
つその振幅がその収束輝度値以下の輝度を生じる範囲内
でかつ収束輝度値を生じる膜厚値以上で前記一つの極小
値を生じる膜厚値以下の一つの値としたことにより、明
るさの視角依存性を低減することができる。
光装置は、発光層又は発光層及び透明層の膜厚(発光強
度分布のピークを与える領域から反射層までの距離)を
膜厚輝度減衰特性の一つの極小値を生じる膜厚を含みか
つその振幅がその収束輝度値以下の輝度を生じる範囲内
でかつ収束輝度値を生じる膜厚値以上で前記一つの極小
値を生じる膜厚値以下の一つの値としたことにより、明
るさの視角依存性を低減することができる。
【図1】2層構造の有機EL素子を示す構造図である。
【図2】3層構造の有機EL素子を示す構造図である。
【図3】2層構造の有機EL素子における光の干渉を説
明する部分拡大断面図である。
明する部分拡大断面図である。
【図4】2層構造の有機EL素子におけるEL層の膜厚
発光度分布を説明するグラフである。
発光度分布を説明するグラフである。
【図5】2層構造の有機EL素子におけるEL層の波長
発光度分布を説明するグラフである。
発光度分布を説明するグラフである。
【図6】2層構造の有機EL素子におけるEL層の単体
層の膜厚輝度減衰曲線を説明するグラフである。
層の膜厚輝度減衰曲線を説明するグラフである。
【図7】EL層及び正孔輸送層の2層構造の有機EL素
子における実測した膜厚輝度減衰曲線を示すグラフであ
る。
子における実測した膜厚輝度減衰曲線を示すグラフであ
る。
【図8】EL層及び正孔輸送層の2層構造の有機EL素
子における実測した視角度輝度特性曲線を示すグラフで
ある。
子における実測した視角度輝度特性曲線を示すグラフで
ある。
1 金属陰極 2 透明陽極 3 EL層 4 正孔輸送層 5 電子輸送層 6 ガラス基板
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 発光層上に直接または透明層を介して積
層された反射層を備え、前記発光層はその厚さ方向に所
定の発光強度分布を有する面発光装置であって、前記発
光強度分布のピークを与える領域と反射層との間の膜厚
を、膜厚輝度減衰特性の一つの極小値を生じる膜厚を含
みかつその振幅が収束輝度値以下の輝度を生じる範囲内
でかつ収束輝度値を生じる膜厚値以上で前記一つの極小
値を生じる膜厚値以下の範囲内の一つの値としたことを
特徴とする面発光装置。
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---|---|---|---|
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JP17867891A JP2843924B2 (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | 面発光装置 |
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Family Applications (1)
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- 1991-06-24 JP JP17867891A patent/JP2843924B2/ja not_active Expired - Fee Related
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