JPH05303735A - 磁気ディスクおよび磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスクおよび磁気ディスク装置

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JPH05303735A
JPH05303735A JP10796892A JP10796892A JPH05303735A JP H05303735 A JPH05303735 A JP H05303735A JP 10796892 A JP10796892 A JP 10796892A JP 10796892 A JP10796892 A JP 10796892A JP H05303735 A JPH05303735 A JP H05303735A
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JP
Japan
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surface plate
substrate
magnetic disk
changing
processing apparatus
Prior art date
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Pending
Application number
JP10796892A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Nakamura
孝雄 中村
Shinya Sekiyama
伸哉 関山
Masami Masuda
正美 桝田
Yoshiki Kato
義喜 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP10796892A priority Critical patent/JPH05303735A/ja
Publication of JPH05303735A publication Critical patent/JPH05303735A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】浮上高さが小さく、高密度記録に対応可能な磁
気ディスク、磁気記録装置を提供することを目的とす
る。 【構成】表面粗さが小さく(1nmRmax以下)、且
つ、平面度が高い(1μm以下)の磁気ディスク用の基
板を使用する。このような基板を得るためには、位置ず
れセンサ13により上定盤4の位置ずれ量を監視するこ
とにより、基板3の弾性変形量を一定の範囲に留めつつ
両面研削を行なう。これにより基板3の反りを除去し平
面度を高める。また、動圧発生面を有する上下定盤4,
5の間に基板3を設置し、それぞれの定盤4,5と基板
3との間に介在する研磨剤の動圧効果により、基板3を
定盤4,5と非接触の状態で両面研磨し表面粗さを小さ
くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、より平面度が高く且つ
より表面粗さが小さい磁気ディスクおよびそれを用いた
磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスクは、ランダムアクセスが可
能であるなどの特徴を有するため、記録媒体として広く
使用されている。
【0003】該磁気ディスクは、スパッタ、めっき等の
薄膜形成技術を用いて、基板上に磁性薄膜を形成して成
るものである。通常、該磁気ディスクは、以下において
説明するような工程により作成される(図13参照)。
【0004】まず、アルミニウム合金基板を作成する。
例えば、5.25インチの磁気ディスク(外径130mm、内
径40mm、板厚1.9mm)では、アルミニウム合金の板
材から上記の寸法に打ち抜き基板を形成し、これを高温
炉中で加圧成形処理する(ステップ131)。加圧成形
処理を行うのは、アルミニウム合金のインゴットから圧
延加工により板材に形成するときの加工歪や板材からの
打ち抜きによる変形を矯正するためである。
【0005】つぎに、基板自体の平行度、平面度と表面
粗さを向上させるため弾性砥石を設置した両面同時研削
(たとえば、スピードファム社製の両面加工機;型式SF
DL-1000を用いる)を行う。場合によっては、さらにポ
リシングクロスと遊離砥粒の研磨剤を用いた両面同時研
磨によって表面仕上げを行う。そして、基板を洗浄した
後、その表面に厚さ約10μmのNiーPめっきを処理
する(ステップ132)。
【0006】そして、今度は該めっき面にたいして、両
面研削(ステップ133)、および、種々の粒度の砥粒
を用いてのポリシング加工(ステップ134)を行う。
そして、表面粗さ0.001〜0.003μmRa、0.005〜0.020
μmRmaxの範囲にまで研磨仕上げされる。この表面
粗さについては、両面同時研磨に使用するポリシングク
ロスの材質や遊離砥粒の材質及び粒径によって決まるも
のであり、現在の研磨方法、すなわち、ポリシングクロ
スと被加工物のNiーPめっき基板とが接触して研磨す
る方法では、上記の表面粗さが現状ではもっとも良い表
面精度である。
【0007】この後、さらに、このNiーPめっき基板
の研磨面には、より微細な砥粒を用いて基板の円周方向
に微細な溝を形成する、いわゆるテクスチャ加工が施さ
れる(ステップ135)。これは表面粗さを0.004〜0.0
08μmRaに粗くし、基板表面に微小な凹凸を形成する
ことによって、磁気ディスク装置としてのCSS(Cont
act-Start-Stop)におけるヘッド粘着を回避し、また、
この表面に形成する磁性媒体の磁気特性を改善するため
である。なお、該テクスチャ加工については、特開昭59
ー82626号(NTT;田子章男)や特開昭62-203748号
(日本電気)、U.S.Patent:4,735,840に記載されて
いる。
【0008】そして、最後に該基板に磁性膜及び保護膜
を形成し、さらに潤滑膜を形成して磁気ディスクが作ら
れる(ステップ136)。
【0009】上述の研削、研磨について図14を用いて
説明する。
【0010】基板3を治具31に接着する。そして、基
板3の被加工面を下向きにして、下定盤5の上に配置す
る(なお、研磨を行う場合には、下定盤5の上に配置さ
れたポリッシングクロス5の上に置くことになる。)。
そして、上側からある荷重を加えた状態で、加工液を供
給しつつ下定盤5を回転させることにより、研削、研磨
を行う。この場合、基板に加えられる荷重は、基板の反
りなどは特に考慮されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録装置には、小
型化、高密度記録、高速化への要望が大きい。該磁気デ
ィスクの記録容量を増大させるためには、磁気ヘッド2
の浮上高さHfly(図15参照)を非常に小さくする
必要がある。最近ではこの浮上高さHflyを0.2μm
〜0.1μm以下とすることが要求されている。また、書
き込みおよび読み取りの速さ、すなわちアクセス時間を
短くするために、磁気ディスクの回転数はこれまでの36
00min-1から5000min-1、あるいは7000min-1以上と高速
で回転させることが要求されている。
【0012】しかし上記従来技術による研削、研磨で
は、上述した目標を達成するにたる磁気ディスクを得る
ことができなかった。
【0013】本発明は高密度記録に対応可能な磁気ディ
スクおよび磁気ディスク装置を提供することを目的とす
る。
【0014】本発明は、高密度記録等に対応可能な磁気
ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
【0015】本発明は、高密度記録等に対応可能な磁気
ディスクの製造に適用可能な表面加工装置を提供するこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、これら
の要求を満足させるための磁気ディスクを得るため、こ
れまでディスク表面を研磨テープやヘッドを用いて表面
加工し、微小突起の低減を図ったディスク等について試
験を行ってきた。
【0017】例えば、テクスチャ加工後の表面粗さが、
0.004μmRa〜0.002μmRa以下の磁気ディスクを用
いて浮上特性やCSS特性を確認してきた。しかしなが
らその結果は、必ずしも良いものではなかった。つま
り、ディスク表面では、基板を両面研磨したときのスク
ラッチなどの研磨痕、すなわちスクラッチの溝肩部の微
小凸部により摺動欠陥が生じてしまった。また、著しい
ときにはヘッドクラッシュを生じる要因となった。さら
に、この現象は、磁気ディスクのランナウトが大きく、
またディスクの回転数が増大するにしたがって顕著にな
った。
【0018】また、磁気ヘッドが安定して浮上するため
に必要とされるディスク表面の動的な形状精度を示すも
のとしてランナウト、加速度の仕様がある。これは、図
16に示すように、ディスクの回転数にしたがって同一
の平面度のディスクにおいて加速度が非常に増大するこ
とがわかった。
【0019】以上のような結果から、信頼性を維持しつ
つ、さらにヘッド浮上高さを小さくし、あるいは磁気ヘ
ッドをディスク表面に接触した状態で情報を読み書きす
るためには、ポリシ加工面の表面粗さをより小さくし磁
気ディスクの表面上に存在する微小突起Rpを低減する
必要があることを本願発明者は明らかにした。
【0020】また、上記の表面粗さの高精度化だけでは
十分ではなく、従来あまり注意が払われていなかった磁
気ディスクのランナウトに関係する磁気ディスクのNi
ーPめっき基板の平面度を高くして磁気ディスクの面ぶ
れであるランナウトを低減することが重要であることを
本願発明者は明らかにした。
【0021】当面目標とすべき浮上高さ0.08μm以下を
実現するためには、表面粗さが0.001μmRa(望まし
くは0.0005μmRa)以下、数nmRmax(望ましく
は、5nmRmax)以下で、かつ、磁気ディスクの表面
形状である平面度が1μm以下である必要がある。
【0022】なお、発明者が、実際に現状での一般的な
加工プロセスによって得られている磁気ディスク用基板
の形状精度について調べた結果、外径がφ130mm(通
常5.25インチ基板と呼ばれている)NiーPめっき基板で
は、平面度が6.8μm、標準偏差が2.2μmであった。ま
た基板自体がガラス製の外径φ130mmのガラス基板で
は、平面度が5.1μm、標準偏差が1.3μmあった。その
ため、これらの基板を用いた磁気ディスクでは、ヘッド
浮上高さは約0.08〜0.1μmが限界であり、安定して0.0
8μm以下とすることは非常に困難であった。また、こ
のときの磁気ディスクの動的な表面精度を表わすランナ
ウト及び加速度は、ディスクの回転数が3600minー1に
て、それぞれ1〜15μm、1〜5m/s2であった。
【0023】また、本願発明者は上記従来の加工法では
どうしてこのような条件を満たした磁気ディスクを得る
ことができていなかったのかを検討した結果、従来法に
おいては以下のような問題があったことを見出した。
【0024】すなわち、磁気ディスク用基板のような薄
板円板の平面の研削、研磨では、両面を同時に、研削、
研磨する必要がある。これは、片面ずつ加工する場合に
は、被加工物(基板)3の治具への接着により被加工物
が変形した状態で研削、研磨を行うことになり、高い平
面度を得ることは困難だからである。
【0025】また、両面同時研磨した場合においても、
従来の鏡面研磨に用いられているポリシングクロス32
を用い、被加工面とポリシャとが接触して研磨する方法
では、上下定盤の加圧によるポリシングクロス32の粘
弾性変形により被加工物の周辺部にだれを生じ、高精度
な平面度を得ることが困難であった。
【0026】また、従来の研削及び研磨の方法は、上下
の定盤によってNiーPめっき基板を加圧し、相対摺動
させて研磨する方式である。そのため、薄板であるNi
ーPめっき基板は定盤の表面にならって弾性変形した状
態で加工を受けることになる。従って、加工終了後、上
下定盤から取り出されると、加工前と同様に反りがでて
しまう。このように、従来の両面同時研削及び両面同時
研磨ではNiーPめっき基板の平面度はほとんど変化せ
ず、高い平面度を得ることが非常に困難であった。
【0027】さらに、ポリシングクロスにより保持され
た砥粒が被加工面を研磨するので、遊離砥粒に含まれる
粗大な砥粒の影響や、被加工物の研磨屑が加工界面に介
在することによって研磨面にはスクラッチなどの加工欠
陥が生じ安く、表面粗さを大幅に向上することが難しか
った。
【0028】以上のことから、磁気ヘッドの浮上高さを
小さくし、CSS特性などの摺動特性に優れた磁気ディ
スク用基板を得るためには、従来の加工プロセスとは異
なり、表面粗さと平面度とをともに向上させることが可
能な技術が必要である。そのため、本願発明者は以下の
ような表面加工装置および加工方法を新たに発明した。
【0029】以下において本願発明の内容を具体的に述
べる。
【0030】表面粗さ1nmRa以下で且つ平面度1μm
以下の円環状基板と、該円環状基板上に形成された磁性
膜と、を含んで構成されることを特徴とする磁気ディス
クが提供される。
【0031】この場合、上記円環状基板は、表面粗さが
0.5nmRa以下であることがより好ましい。また、平
面度が0.5μm以下であることがより好ましい。
【0032】本発明の他の態様としては、円板状部材の
製造方法において、円板状部材の弾性変形量を一定の範
囲内に留めつつ研削する第1の工程と、上記円板状部材
の両面を同時に非接触研磨する第2の工程とを含むこ
と、を特徴とする円板状部材の製造方法が提供される。
【0033】なお、上記磁気ディスクの上記円環状基板
は、該円板状部材の製造方法により製造されたガラス基
板であることが好ましい。
【0034】また、該製造方法を用いて加工されたアル
ミニウム基板と、上記アルミニウム基板上に形成された
NiーPめっき層と、を含んで構成される磁気ディスク
用基板が提供される。
【0035】また上記磁気ディスクと、上記磁気ディス
クへの信号の書き込みおよび/または読み取りを行う磁
気ヘッドと、上記磁気ディスクおよび上記磁気ヘッドを
駆動する駆動手段と、上記磁気ヘッドおよび上記駆動手
段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする磁
気ディスク装置が提供される。この場合、動作中におけ
る、上記磁気ヘッドの上記磁気ディスクに対する浮上高
さが、0.06μm以下であることが好ましい。
【0036】本発明の他の態様としては、回転自在に構
成された第1の定盤と、上記第1の定盤との間に加工対
象物を配置される、回転自在に構成された第2の定盤
と、上記第1の定盤の位置を設定値に従って変更する変
更手段と、上記第1の定盤および上記第2の定盤を回転
させる回転駆動手段と、上記第1の定盤と上記加工対象
物との接触を検知する接触検知手段と、上記変更手段に
よる上記第1の定盤の位置の変更中、上記接触検知手段
が上記第1の定盤と上記加工対象物との接触を検知した
場合には、上記第1の定盤のその時点での位置を、上記
変更手段による位置の変更の基準点とする制御手段と、
を有することを特徴とする表面加工装置が提供される。
【0037】なお、上記制御手段は、上記変更手段によ
る上記第1の定盤の位置の変更中、上記接触を検知した
時には、上記変更手段による上記第1の定盤の位置の変
更を停止させるものであってもよい。
【0038】本発明の他の態様としては、回転自在に構
成された第1の定盤と、上記第1の定盤との間に加工対
象物を配置される、回転自在に構成された第2の定盤
と、上記第1の定盤の位置を設定値に従って変更する変
更手段と、上記第1の定盤および上記第2の定盤を回転
させる回転駆動手段と、上記第1の定盤の実際の位置
と、上記設定値に対応する位置との間の位置ずれ量を検
出する位置ずれ検出手段と、上記変更手段による上記第
1の定盤の位置の変更中、上記位置ずれ検出手段が位置
ずれの発生を検出した場合には、上記第1の定盤のその
時点での位置を、上記変更手段による位置の変更の基準
点とする制御手段と、を有することを特徴とする表面加
工装置が提供される。
【0039】なお、上記制御手段は、上記変更手段によ
る上記第1の定盤の位置の変更中、上記位置ずれの発生
を検知した時には、上記変更手段による上記第1の定盤
の位置の変更を停止させるものであってもよい。
【0040】上記制御手段は、上記変更手段による上記
第1の定盤の位置の変更中、上記位置ずれの発生を検出
した時には、上記変更手段による第1の定盤の位置の変
更を一旦停止させ、その後、上記第1の定盤の位置を予
め設定された量だけ変更させ、この時上記位置ずれ検出
手段の検出した位置ずれ量が0になるまで、上記回転駆
動手段により上記第1の定盤および上記第2の定盤を回
転させて上記加工対象物を研削する処理を、上記予め設
定された位置変更の量と上記位置ずれ検出手段の検出し
た位置ずれ量とが等しくなるまで繰り返させることが好
ましい。
【0041】上記制御手段は、上記変更手段による位置
変更量と、上記位置ずれ検出手段の検出した位置ずれ量
とを比較し、両者が等しい場合には上記加工対象物は弾
性変形していないと判断することが好ましい。
【0042】上記第1の定盤および/または上記第2の
定盤は、加工対象物と対向する面に砥石を含んで構成さ
れるものであってもよい。あるいは、上記第1の定盤お
よび上記第2の定盤は、加工対象物と対向する面に動圧
発生面を有するものであってもよい。
【0043】また、少なくとも、上記加工対象物と上記
第1の定盤および第2の定盤との間に、研磨液を供給す
る研磨液供給手段を有し、上記制御手段は、上記変更手
段による上記第1の定盤の位置の変更中、上記位置ずれ
の発生を検出した時には、上記変更手段による第1の定
盤の位置の変更を一旦停止させ、その後、上記第1の定
盤と上記第2の定盤との間隔が大きくなる方向に予め設
定された量だけ上記第1の定盤の位置を上記変更手段に
より変更させ、上記研磨液を供給しつつ、上記第1の定
盤および第2の定盤を回転させるものであってもよい。
【0044】
【作用】円板状部材の弾性変形量を一定の範囲内に留め
つつ研削する第1の工程の後、上記円板状部材の両面を
同時に非接触研磨する第2の工程を行なう。
【0045】最初に第1の工程を説明する。
【0046】加工対象物、例えば基板を第2の定盤に載
置する。そして、変更手段により第1の定盤を降下させ
る。この時、制御手段は、上記位置ずれ検出手段の出力
を監視する。そして、位置ずれの発生を検出すると、第
1の定盤と加工対象物とが接触したと判断し、上記第1
の定盤の降下を一旦停止させる。なお、該接触の検出に
関しては該位置ずれ検出手段が接触検出手段として機能
している。
【0047】その後、該停止位置から予め設定された量
(例えば、5μm)だけ、上記第1の定盤を降下させ
る。すると、加工対象物は第1の定盤から受ける力によ
り弾性変形する。一方、加工対象物から受ける反力によ
り第1の定盤の位置ずれも大きくなる。
【0048】この状態で、第1の定盤等を回転させて加
工対象物を研削する。すると、加工対象物の第1の定
盤、第2の定盤と接している部分が研削されることによ
り、上記位置ずれの量は徐々に小さくなる。
【0049】制御手段は、該研削中も該位置ずれの量を
監視しており、該値が0になると研削を、一旦停止す
る。
【0050】そして、再び、上記予め設定された量(例
えば、5μm)だけ、上記第1の定盤を降下させる。そ
して、同様に発生した位置ずれの量と、該降下量(この
場合、5μm)とを比較する。その結果、両者が一致し
ていなければ、弾性変形が生じているとして、同様に研
削を行う。そして、両者が一致するまで、同様の処理を
繰り返す。すなわち、両者が一致しているか否かによ
り、加工対象物に弾性変形が生じているか否かを判断
し、弾性変形が生じなくなるまで(注:加工対象物に反
りなどの歪みがない場合には、弾性変形が生じにく
い)、すなわち、平面度が高くなるまで研削を続ける。
【0051】両者が一致している場合には、最終的な研
削を行い、その時の位置ずれ量が0になった時に、研削
を終了する。但し、所望の量の研削が行われていなかっ
た場合には、さらに研削を続けても良いことは言うまで
もない。
【0052】このような研削を行えば、弾性変形量が小
さい状態で、すなわち基板が反ったままの状態で研削を
行うため、反りなどの歪みを有効に取り除くことができ
る。
【0053】第2の工程を説明する。
【0054】上記第1の工程と同様の手法により、加工
対象物と、第1の定盤とが接触した時点で、第1の定盤
の降下を停止する。そして、予め設定された量だけ第1
の定盤を上昇させる。そして、この状態で、研磨液供給
手段により上記加工対象物と上記第1の定盤および第2
の定盤との間に研磨液を供給有しながら、上記第1の定
盤および第2の定盤を回転させる。
【0055】すると、上記第1の定盤および上記第2の
定盤の動圧発生面により生じる動圧により加工対象物は
浮き上がった状態となる。すなわち、加工対象物と両定
盤との間には研磨液の層ができ、両定盤のいずれにも接
しない状態で研磨が行われる。
【0056】この研磨方法によれば、第1の工程により
えられた平面度を劣化させることなく、研磨することが
でき、平面度1μm以下の高い形状精度を達成すること
ができる。さらに、砥粒径を0.1μm以下の微細な砥
石粒を使用すれば、表面粗さ1nmRa以下、数nmR
max以下の加工面を得ることができる。また、両面の
形状精度が高く、板厚のバラツキも非常に小さいため、
基板を回転して測定したランナウト、加速度も大幅に改
善することができる。
【0057】
【実施例】本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
【0058】本実施例は、磁気ディスク用基板である外
径φ130mm、内径φ40mm、板厚1.9mmのアルミニウム円板
に、NiーPめっきを厚さ約10μm施し、両面研削及び
両面研磨すること目的とした表面加工装置である。
【0059】以下において説明する装置は、上定盤を降
下していった場合において、基板と上定盤とが接したこ
とを正確に検知すると共に、該接した位置を基準として
上定盤の位置を極めて精度良く調整できる点に特徴を有
するものである。また、該装置のもう一つの特徴は、両
面を同時に被接触研磨(フロ−トポリッシング)するこ
とができる点に特徴を有するものである。
【0060】この装置は、図1に示すように上定盤4
と、下定盤5と、キャリア8と、回転駆動手段11と、
位置ずれセンサ13と、上下駆動機構14と、加工液供
給装置9とから主に構成されている。
【0061】上定盤4と下定盤5とは、作業内容に応じ
て、最適なものに交換可能である。そして、研削時には
その仕上げ面が平面度1μmに仕上げられているものを
使用する。一方、研磨時には、その表面に動圧を発生さ
せるためのパタ−ンが形成されているものを使用する。
なお、該パタ−ンの詳細については後ほど説明する。
【0062】本実施例の上定盤4は、図2に示すとお
り、その回転軸、すなわち、スピンドル17、18を、
スラスト軸受20により支持されている。該スラスト軸
受20は、コンプレッサ19から送られる空気を潤滑剤
として使用しており、軸受剛性が比較的小さいものとな
っている。従って、上定盤4は、わずかではあるが該空
気の相の厚み分の”あそび”を有することとなってい
る。一方、下定盤5の支持機構は、上下方向の軸受剛性
が十分高いものとなっており、上下方向の”あそび”は
極めて小さい。従って、上下駆動機構14により上定盤
4を降下させていった場合に、基板3から受ける力は、
上定盤4の上下方向の位置にのみ影響を与えうる構成と
なっている。言い替えれば、基板から力を受けない場
合、すなわち、基板と上定盤4とが接触していない状態
においては、スラストカラ−201とスラスト受け20
2との間の間隔はある一定値であるが、基板から力を受
ける場合、すなわち、基板3と上定盤4とが接触し基板
の弾性変形による反力が生じている状態においては、該
スラストカラ−201とスラスト受け202との間の間
隔が変化する構成となっている。
【0063】さらに、上定盤4のスラスト軸受け20
は、静圧空気軸受であり、該空気は軸受の上側と下側で
別個に調整可能な構成となっている。従って、該空気圧
を調整することにより、その支持剛性を、軸受の上部と
下部とで異なるものとすることができる。本実施例にお
いては上部の軸受け剛性を10kgf/μmとし、下部の軸受
け剛性を10kgf/μmとしている。但し、具体的な値はこ
れに限定されるものではない。
【0064】なお、上定盤4の回転軸であるスピンドル
17の中心部には、加工液が通る空孔部15を設けられ
ている。また、上定盤4に加工液通過用の孔部16を設
けられており、これらの孔部を通じて、上定盤4と下定
盤5との間に加工液を供給する構成となっている。
【0065】また、図3に示すとおり、下定盤5の中央
にはセンタ−ギア54が設けられている。また下定盤5
の外周部には内側を向いてインタ−ナルギア52が設け
られている。これらは、キャリア8を、該下定盤5上に
おいて自転および公転させるためのものである。
【0066】上定盤4、下定盤5は、スラスト軸、ラジ
アル軸とも、空気圧P1〜P6に調整された静圧空気軸
受で支持されている。
【0067】位置ずれセンサ13は、図2に示すように
上定盤4のスラスト軸受20の下部に設けられており、
上定盤4のスラストカラ−201と、スラスト受け20
2との間隔の変動を検知する機能を有している。なお、
該検出結果は、後述する制御装置(図1,図2には示し
ていない)に出力される構成となっている。本実施例に
おいては、該位置ずれセンサ13に静電容量式変位計を
用いているが、これに限定されるものではない。
【0068】上下駆動機構14は、スラスト軸受け20
と共に、上定盤4を1μm以下のピッチで上下動させる
ことが可能な構成になっている。該上下駆動機構14
は、図示しない制御装置により制御されている。
【0069】キャリア8は、上定盤4と下定盤5との間
において基板3を保持するための略円板状の治具であ
り、基板を保持するための孔部82が設けられている。
そして、該孔部82の内側面には基板を固定するための
ストッパが設けられている。該ストッパは、後述すると
おり、研削時のみ使用するもので、両面非接触研磨を行
なう時には使用しない。また、キャリア8の外周にはギ
ア84が設けられている。該キャリア8は、該ギア84
が、下定盤5のインタ−ナルギア52およびセンタ−ギ
ア54と同時に噛み合う大きさとなっている。これによ
り、キャリア8は研削あるいは研磨中、遊星ギアのよう
に自転および公転をする構成となっている。
【0070】但し、キャリア8の構成はこれに限定され
るものではない。例えば、下定盤5とほぼ同じ大きさの
円板面をもつものであっても良い。この場合、キャリア
8は、下定盤5と同じ軸を中心と下地点のみを行うこと
になる。
【0071】回転駆動手段11は、上定盤4、下定盤
5、キャリア8を回転駆動させるものである。
【0072】加工液供給装置9は、温度制御した加工液
を供給する機能を有する。
【0073】なお、上述したとおり上記上下駆動機構1
4、回転駆動手段11、加工液供給装置9等の各部は
は、図には示さない制御装置により、その動作を制御さ
れている。なお、該制御の詳細については、動作説明と
併せて行なう。
【0074】以下において該装置による研削、すなわ
ち、特許請求の範囲において言う「第1の工程」におけ
る加工方法を図4、図5を用いて説明する。
【0075】該工程は、上定盤4および下定盤5とし
て、材質がセラミックや鋳鉄などの定盤、あるいはPV
A(ポリビニルアルコール)砥石のような弾性砥石をS
US基盤に保持した定盤を用いて行う。なおこの例にお
いては、ポリビニールアルコールの弾性砥石C#1500を使
用した。また、加工液には水溶性研削液(例えば、フジ
ミ製フジミカット)を用いた。
【0076】NiーPめっきした基板3をキャリア8に
セットして、下定盤5の上に配置する(ステップ40、
図5(a))。この例においては基板3を5枚搭載す
る。
【0077】そして、この状態から上定盤4を降下させ
てゆく(ステップ41)。この場合、基板3の200μm
上方位置からは0.1mm/minの低速で降下する。この間、
制御装置は、位置ずれセンサ13からの出力、すなわ
ち、スラストカラ−201とスラスト受け202との間
隔を監視することにより、上定盤4と基板3とが接触し
たか否かを監視している。
【0078】上定盤4がいずれかの基板3と接触したこ
とを検知すると上定盤4の降下を一旦停止する(ステッ
プ42、図5(b))。そして、該停止位置を原点と
し、上定盤4をさらに予め設定された設定降下量A(こ
こではA=5μm)だけ降下させる(ステップ43、図
5(c))。なお、該設定降下量Aは、基板3の弾性変
形量があまりに大きくならない範囲で、材質、厚さ、大
きさなどに応じて変更しうるものである(弾性変形が大
きい状態のままで、加工を行なうと、従来技術の説明に
おいても述べたとおり、基板3の反りなどを十分に除去
することができない)。
【0079】すると、下記数1、数3に示される量だけ
基板3が弾性変形する。
【0080】基板が傘状に反っている状態、例えば、内
側円周部が上定盤に、外側円周部が下定盤に接し、これ
ら両円周部に加重が集中しているような状態において
は、
【0081】
【数1】
【0082】但し、
【0083】
【数2】
【0084】また、円環のリング面が反ってリング面に
集中荷重が付加されている状態、例えば、円環の内側円
周部と外側円周部との両方が下定盤に接し、リング面が
上定盤に接しているような状態においては、
【0085】
【数3】
【0086】但し、
【0087】
【数4】
【0088】なお、上記数1〜数4において δ1:上下方向の変形量 δ2:上下方向の変形量 a:ディスク外周半径 b:ディスク内周半径 I:断面2次モ−メント L:円環のリング部の幅 P1:円周部への荷重 P2:リング部への荷重 t:板厚 ν:ポアソン比 E:縦弾性係数 すると、該弾性変形量に対応した大きさの反力が上定盤
4、下定盤5に作用する。
【0089】これにより上定盤4が上方に押し上げら
れ、上定盤4は実際には該設定降下量Aだけは降下しな
い。すなわち、上定盤4が存在するべき位置と、上定盤
4が実際に存在する位置との間に”ずれ”が生じる。そ
して、該”ずれ”に相当する分は、スラストカラ−20
1と、スラスト受け202との間隔が変化することにな
る。なお、これ以降、位置ずれセンサ13の検出した、
スラストカラ−201とスラスト受け202との間隔の
変化した量を、「変動量B」という。
【0090】そこで、制御装置は、該設定降下量Aと、
変動量Bとの大小関係を判定する(ステップ44)。こ
の場合、A>Bとなっていれば、基板3に弾性変形が生
じていることになる。この場合は、ステップ45に進
む。逆に、A>Bでない場合、言い替えればA=Bの場
合(自重により上定盤4が下がることがないと仮定した
場合、A<Bとなることはありえない。)は、基板3に
は弾性変形が生じていないことになる。この場合にはス
テップ47に進む。
【0091】ステップ45においては、加工液を供給す
るとともに、上定盤4、下定盤5及びキャリア8を回転
させて、研削を開始する。なお、この例では、上定盤4
の回転数を10 r.p.m(反時計方向)に、下定盤5の回転
数を31 r.p.m(時計方向)とした。また、キャリア8の
自転数及び公転数をそれぞれ12 r.p.m、7 r.p.mとし
た。
【0092】そして、この研削中、該変動量Bが0にな
ったか否かを監視しつづける(ステップ46)。基板3
は、上定盤4、下定盤5に接触している部分は研削され
るため、加工が進むにつれて上定盤4を押し上げる反力
が減少する。その結果、上定盤4の位置は、研削を開始
した時点で実際に存在した位置よりも下がり、上記”ず
れ”が小さくなっていく。
【0093】そして、最終的に、変動量Bが0の状態、
すなわち、基板3が弾性変形していない状態になると、
ステップ43に戻り、再び設定降下量Aだけ上定盤4の
位置を下げる。そして、同様の処理を繰り返す。すなわ
ち、基板3の歪みが取り除かれるまでステップ43乃至
ステップ46の処理を繰り返すことになる。
【0094】一方、ステップ44において、A=Bであ
った場合、すなわち、基板3の歪みが完全に取り去られ
ていた場合には、ステップ47に進む。そして、ステッ
プ45,46と同様の手法で、最終的な研削を行い(ス
テップ47,48)、両面研磨を終了する(ステップ4
9)。
【0095】以上の研削工程においては、加工荷重によ
る基板3の弾性変形を少ない状態に保ちつつ両面研削で
きる。従って、薄板円板のそりや、円周うねりなどの形
状精度が向上し、平面度の高い基板が得られる。実際に
は、表面粗さが0.03μmRa、0.2μmRmax、平面度0.3
μmの基板が得られた。
【0096】次に、該装置による研磨、すなわち、特許
請求の範囲において言う「第2の工程」について図6乃
至図8を用いて説明する。
【0097】上定盤4、下定盤5としては、定盤には粘
弾性の小さい材料、例えばセラミックや鋳鉄、あるいは
スズを用いて、表面精度2μm以下製作されたものを使
用する。また、これらの表面には、定盤と基板3との相
対摺動によって動圧効果が生じるように、図8に示すよ
うに、微細な溝を表面に形成したものを使用する。但
し、該動圧発生面の形状はその一例を示したものであっ
て、これに限定されるものではない。また、加工液に
は、この例では粒径80nmのコロイダルシリカを用いた。
【0098】上定盤4のスラスト軸受け20において、
両面研削と同様に上部の軸受け剛性を10kgf/μmとし、
下部の軸受け剛性を10kgf/μmとした。
【0099】両面研削したNiーPめっき基板を上定盤
4と下定盤5との間に5枚搭載する(ステップ60、図
7(a))。この場合、基板3はキャリア8の孔部84
内に置くだけで、キャリア8には固定しない。そして、
上定盤4を降下させる(ステップ61)。なお、基板3
の200μm上方位値からは、降下速度を0.1mm/minの低
速にする。
【0100】この間、制御装置は、上記研削工程の場合
と同様の原理・方法で、上定盤4がいずれかの基板3と
接触したか否かを監視している。そして、両者が接触し
たことを検知すると、上定盤4の降下を一旦停止する
(ステップ62、図7(b))。そして、この後、今度
は逆に上定盤4を予め設定された量だけ(この例では、
5μm)上昇させる(ステップ63、図7(c))。こ
れにより、フロ−トポリッシングを行うために必要な、
基板3と定盤4,5とのすきまを確保する。なお、該す
きまの量は定盤の回転数や定盤表面に形成された動圧発
生面の形状、すなわち、生じる動圧の大きさや、研磨剤
6の種類等の条件に応じて変更することが必要である。
【0101】温度制御した研磨剤を供給し、上定盤4、
下定盤5、基板3、キャリア8が研磨剤中になるよう
に、装置のバス中に研磨剤を満たす。そして、上下定盤
4,5及びキャリア8を回転させる(ステップ64)。
なお、この例においては、上・下定盤4,5の回転数を
それぞれ、13r.p.m(反時計方向)、40r.p.m(時計方
向)とした。また、キャリア8の自転数及び公転数をそ
れぞれ11r.p.m、13r.p.mとした。
【0102】すると、上下定盤4,5の回転とともに、
定盤面と基板面との間には研磨剤6の液層が形成され、
定盤4,5と基板3とは非接触の状態保たれたままで研
磨が行われる(図7(d))。すなわち、基板面に、研
磨剤6中の微細なコロイダルシリカ粒子が衝突を繰り返
すことにより、該基板面の微小な凹凸が徐々に取り除か
れる。また平面度1μmに修正した定盤面の形状が基板
面に転写される。
【0103】なお、研磨が進行するとともに、上定盤4
を徐々に降下させると、液層hが小さくなり、次式で示
されるように研磨加重Wが増大する。その結果、研磨効
率が増大して研磨を効率良く進めることができる。
【0104】
【数5】
【0105】 W:研磨荷重 μ:研磨剤の粘性係数 U:相対速度 D:基板直径 Kw:補正係数 Ks:補正係数 h:非接触状態における、基板と、上定盤または下定盤
との間隔 このように、一定時間(ここでは、10min)両面研磨し
た後(ステップ65)、装置の作動を停止し(ステップ
66)、研磨を終了する。
【0106】以上のように本実施例の装置よる研磨にお
いては、温度制御した研磨剤中で、基板3と定盤面とを
非接触状態で両面を同時に研磨するため、粘弾性体のポ
リシャによる周辺だれや粗大砥粒によるスクラッチの発
生が大幅に改善され、オングストロームオーダでの表面
研磨が可能になる。
【0107】本実施例の装置を用いて加工した基板の表
面精度は、平面度0.5μm、表面粗さ0.3nmRa、5n
mRmaxであった。これは、従来の基板(平面度5μ
m、表面粗さ3nmRa、40nmRmax)に較べて表面
精度が大幅に向上していることがわかる。なお、これら
のデ−タは、平面度については光干渉式平面度測定器
(ZYGO社製、HeーNeレーザ光:波長0.6328μ
m)により、また、表面粗さについては表面粗さ測定器
(ランク・テーラ・ホブソン社製、タリステップ:スタ
イラス形状0.1μm×2.5μm)によって測定した。
【0108】また、別の装置を用いて分析した結果を示
す。図9は、非接触微小表面測定(WYKO社製,TO
PO3D)した結果である。RMSは2乗平均粗さ、R
aは中心線平均粗さ、P−Vは最も高い山部と最も深い
谷部との高さの差である、また図10は、表面粗さ形状
を超精密表面粗さ計ナノステップ(ランク・テーラ・ホ
ブソン社製)によって測定した結果である。Rqは2乗
平均粗さ、Ryは最大高さ、Rvは最も深い谷部の深さ
(注:該深さは中心線を基準とする。)、Rpは最も高
い山部の高さ(注:該高さは中心線を基準とする。)で
ある。いずれの測定においても、表面粗さ0.3nmRa
以下、5nmRmax以下であることが示されている。
【0109】この基板に、Co−Cr系磁性膜を厚さ50
nm、カーボン保護膜を厚さ40nm、潤滑膜を厚さ約5
nm形成した磁気ディスクを作成しヘッド浮上特性を調
べた。その結果を図11に示す。ディスク回転数3600r.
p.mにて、ランナウト及び加速度がそれぞれ1μm以下、
1m/s2以下を達成している。また、浮上高さ0.06μm
で安定した浮上特性を得ることができた。さらに、CS
S回数30、000回以上を安定して達成することができた。
このように、両面の形状精度が高く、板厚のばらつきも
非常に小さいので、基板を回転して測定したランナウ
ト、加速度も大幅に改善することができた。
【0110】実施例として、基板材料にNiーPめっき
処理したアルミニウム基板について述べたが、陽極酸化
処理したアルミニウム基板、ガラス基板やセラミック基
板、カーボン基板についても上記実施例の装置を使用し
て同様に加工することができる。
【0111】また、加工対象物として、上記説明におい
ては磁気ディスクを例にとって説明したが、これ以外の
ものの研削、研磨にも当然適用可能である。特に、反り
などの歪みが生じやすい、薄い板などの加工に適用した
場合特に有効である。
【0112】上記実施例の磁気ディスクを使用した磁気
ディスク装置を図12に示した。この磁気ディスク装置
は、磁気ディスク1と、磁気ヘッド2と、この図には示
さないが磁気ディスク1を回転させまた、磁気ヘッド2
を移動させるためのモ−タなどの駆動機構と、これらを
制御する制御装置とかなる。この磁気ディスク装置にお
いては、上述したとおり、磁気ヘッド2の磁気ディスク
1に対する浮上高さを小さくすることができるため、高
密度記録が可能である。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように本発明による基板を
使用すれば記録密度、浮上安定性の高い磁気ディスク、
磁気記録装置を得ることができる。また、加工対象物の
平面度および表面粗さの両者のいずれもが高い研削、研
磨を行うことができる表面加工装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である表面加工装置の全体構
成を示す側面透視図である。
【図2】上定盤4の位置ずれ検出機構の詳細を示す説明
図である。
【図3】キャリアを示す説明図である。
【図4】本実施例による研削の手順を示すフロ−チャ−
トである。
【図5】本実施例による研削の手順を示す説明図であ
る。
【図6】本実施例による研磨の手順を示すフロ−チャ−
トである。
【図7】本実施例による研磨の手順を示す説明図であ
る。
【図8】非接触研磨の状態を示す模式図である。
【図9】本実施例の加工装置により加工した基板を用い
て製作された磁気ディスク基板の表面精度を示すグラフ
である。
【図10】本実施例の加工装置により加工した基板を用
いて製作された磁気ディスクの表面粗さを示すグラフで
ある。
【図11】本実施例の加工装置により加工した基板を用
いて製作された磁気ディスクの特性を示す表である。
【図12】磁気ディスク装置の概要を示す透視図であ
る。
【図13】磁気ディスクの製造工程を示すフロ−チャ−
トである。
【図14】従来技術によるディスク基板の研磨方法を示
す説明図である。
【図15】磁気ディスク上において磁気ヘッドが浮上し
ている状態を示す説明図である。
【図16】磁気ディスクの回転数と、ランナウト、加速
度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・磁気ディスク、 2・・・磁気ヘッド、 3・
・・基板、 4・・・上定盤、 5・・・下定盤、 6
・・・研磨剤、 8・・・キャリア、 9・・・研磨剤
供給装置、 11・・・回転駆動手段、 13・・・位
置ずれセンサ、14・・・上下駆動機構、 15・・・
空孔部、 16・・・孔部、 17・・・スピンドル、
18・・・スピンドル、 19・・・コンプレッサ、
20・・・スラスト軸受、 32・・・ポリシャ、
52・・・インタ−ナルギア、54・・・センタ−ギ
ア、 82・・・孔部、 84・・・ギア、 201・
・・スラストカラ−、 202・・・スラスト受け
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 義喜 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所小田原工場内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面粗さ1nmRa以下で且つ平面度1μm
    以下の円環状基板と、 該円環状基板上に形成された磁性膜と、 を含んで構成されることを特徴とする磁気ディスク。
  2. 【請求項2】上記円環状基板は、表面粗さが0.5nmR
    a以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気ディ
    スク。
  3. 【請求項3】上記円環状基板は、平面度が0.5μm以下
    であることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク。
  4. 【請求項4】円板状部材の製造方法において、 円板状部材の弾性変形量を一定の範囲内に留めつつ研削
    する第1の工程と、上記円板状部材の両面を同時に非接
    触研磨する第2の工程とを含むこと、 を特徴とする円板状部材の製造方法。
  5. 【請求項5】上記円環状基板は、請求項4記載の円板状
    部材の製造方法により製造されたガラス基板であること
    を特徴とする請求項1,2または3記載の磁気ディス
    ク。
  6. 【請求項6】請求項4記載の円板状部材の製造方法を用
    いて加工されたアルミニウム基板と、 上記アルミニウム基板上に形成されたNiーPめっき層
    と、 を含んで構成される磁気ディスク用基板。
  7. 【請求項7】請求項1記載の磁気ディスクと、 上記磁気ディスクへの信号の書き込みおよび/または読
    み取りを行う磁気ヘッドと、 上記磁気ディスクおよび上記磁気ヘッドを駆動する駆動
    手段と、 上記磁気ヘッドおよび上記駆動手段を制御する制御手段
    と、 を有することを特徴とする磁気ディスク装置。
  8. 【請求項8】動作中における、上記磁気ヘッドの上記磁
    気ディスクに対する浮上高さが、0.06μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項7記載の磁気ディスク装置。
  9. 【請求項9】回転自在に構成された第1の定盤と、 上記第1の定盤との間に加工対象物を配置される、回転
    自在に構成された第2の定盤と、 上記第1の定盤の位置を設定値に従って変更する変更手
    段と、 上記第1の定盤および上記第2の定盤を回転させる回転
    駆動手段と、 上記第1の定盤と上記加工対象物との接触を検知する接
    触検知手段と、 上記変更手段による上記第1の定盤の
    位置の変更中、上記接触検知手段が上記第1の定盤と上
    記加工対象物との接触を検知した場合には、上記第1の
    定盤のその時点での位置を、上記変更手段による位置の
    変更の基準点とする制御手段と、 を有することを特徴とする表面加工装置。
  10. 【請求項10】上記制御手段は、上記変更手段による上
    記第1の定盤の位置の変更中、上記接触を検知した時に
    は、上記変更手段による上記第1の定盤の位置の変更を
    停止させることを特徴とする請求項9記載の表面加工装
    置。
  11. 【請求項11】回転自在に構成された第1の定盤と、 上記第1の定盤との間に加工対象物を配置される、回転
    自在に構成された第2の定盤と、 上記第1の定盤の位置を設定値に従って変更する変更手
    段と、 上記第1の定盤および上記第2の定盤を回転させる回転
    駆動手段と、 上記第1の定盤の実際の位置と、上記設定値に対応する
    位置との間の位置ずれ量を検出する位置ずれ検出手段
    と、 上記変更手段による上記第1の定盤の位置の変更中、上
    記位置ずれ検出手段が位置ずれの発生を検出した場合に
    は、上記第1の定盤のその時点での位置を、上記変更手
    段による位置の変更の基準点とする制御手段と、 を有することを特徴とする表面加工装置。
  12. 【請求項12】上記制御手段は、上記変更手段による上
    記第1の定盤の位置の変更中、上記位置ずれの発生を検
    知した時には、上記変更手段による上記第1の定盤の位
    置の変更を停止させることを特徴とする請求項11記載
    の表面加工装置。
  13. 【請求項13】上記制御手段は、 上記変更手段による上記第1の定盤の位置の変更中、上
    記位置ずれの発生を検出した時には、上記変更手段によ
    る第1の定盤の位置の変更を一旦停止させ、 その後、上記第1の定盤の位置を予め設定された量だけ
    変更させ、この時上記位置ずれ検出手段の検出した位置
    ずれ量が0になるまで、上記回転駆動手段により上記第
    1の定盤および上記第2の定盤を回転させて上記加工対
    象物を研削する処理を、上記予め設定された位置変更の
    量と上記位置ずれ検出手段の検出した位置ずれ量とが等
    しくなるまで繰り返させること、 を特徴とする請求項11記載の表面加工装置。
  14. 【請求項14】上記制御手段は、上記変更手段による位
    置変更量と、上記位置ずれ検出手段の検出した位置ずれ
    量とを比較し、両者が等しい場合には上記加工対象物は
    弾性変形していないと判断すること、 を特徴とする請求項11記載の表面加工装置。
  15. 【請求項15】上記第1の定盤および/または上記第2
    の定盤は、加工対象物と対向する面に砥石を含んで構成
    されること、 を特徴とする請求項11記載の表面加工装置。
  16. 【請求項16】上記第1の定盤および上記第2の定盤
    は、加工対象物と対向する面に動圧発生面を有するこ
    と、 を特徴とする請求項11記載の表面加工装置。
  17. 【請求項17】少なくとも、上記加工対象物と上記第1
    の定盤および第2の定盤との間に、研磨液を供給する研
    磨液供給手段を有し、 上記制御手段は、上記変更手段による上記第1の定盤の
    位置の変更中、上記位置ずれの発生を検出した時には、
    上記変更手段による第1の定盤の位置の変更を一旦停止
    させ、 その後、上記第1の定盤と上記第2の定盤との間隔が大
    きくなる方向に予め設定された量だけ上記第1の定盤の
    位置を上記変更手段により変更させ、上記研磨液を供給
    しつつ、上記第1の定盤および第2の定盤を回転させる
    こと、 を特徴とする請求項16記載の表面加工装置。
  18. 【請求項18】上記第1の定盤を支持する回転軸は、空
    気軸受により支持されていること、 を特徴とする請求項11記載の表面加工装置。
  19. 【請求項19】上記回転軸は、スラスト受けとスラスト
    カラ−とから構成されるスラスト部を有すること、 を特徴とする請求項18記載の表面加工装置。
  20. 【請求項20】上記位置ずれ検出手段は、上記スラスト
    受けと、上記スラストカラ−とのすきまの大きさの変動
    を検出するものであること、 を特徴とする請求項19記載の表面加工装置。
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