JPH0530022U - 物品の搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁力を利用して物品の姿勢を整列ないしは方
向変換するに際し、整列ないしは方向変換のための時間
と搬送距離を小とすること。 【構成】 一定の移動経路に沿って移動する搬送ベルト
１１に物品１２を載置して搬送する物品１２の搬送装置
１０において、搬送ベルト１１による物品移動経路に沿
う上方又は下方位置に第１の磁石２１を配置すると共
に、物品１２側に第２の磁石２２を設け、第１の磁石２
１と第２の磁石２２は互いに吸引し合う磁極を搬送ベル
ト１１を介して対面可能とされているようにしたもので
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は物品の搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、物品の姿勢を搬送中に、一定方向に整列ないしは方向変換させる搬送装 置として、実開昭55-105526 号公報に記載のものがある。この従来技術は、搬送 ベルトの下方位置に、該ベルトの進行方向に向かって磁極の幅が小さくなるよう に、多数の磁石を磁極が交互に逆になるように配置させて、物品の姿勢を整列な いしは方向変換して搬送するものである。 上記従来技術によれば、物品を方向変換ガイド等に機械的に接触させて該物品 の姿勢を整列ないしは方向変換するものでないから、騒音がなく、ガイド詰まり 等のトラブルもない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

然しながら、従来技術は、搬送ベルト下方に配置した磁石により、磁性体から なる物品を吸引することのみにより、該物品の姿勢を整列ないしは方向変換する ものであり、整列ないしは方向変換のための時間と搬送距離が大となる。 本考案は、磁力を利用して物品の姿勢を整列ないしは方向変換するに際し、整 列ないしは方向変換のための時間と搬送距離を小とすることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

請求項１に記載の本考案は、一定の移動経路に沿って移動する搬送手段に物品 を載置して搬送する物品の搬送装置において、搬送手段による物品移動経路に沿 う上方又は下方位置に第１の磁石を配置すると共に、物品側に第２の磁石を設け 、第１の磁石と第２の磁石は互いに吸引し合う磁極を搬送手段を介して対面可能 とされているようにしたものである。

【０００５】 請求項２に記載の本考案は、請求項１に記載の本考案において更に、前記第１ の磁石が 2個の磁石に分割されており、それら分割磁石が間隙を介して近接設置 されているようにしたものである。

【０００６】 請求項３に記載の本考案は、請求項１又は２に記載の本考案において更に、前 記搬送手段による物品移動経路に沿う上方又は下方位置で、第１の磁石より上流 側に、物品側の第２の磁石が第１の磁石上を相対的に通過することとなるように 、第２の磁石に対し磁気吸引作用又は磁気反発作用を及ぼし該物品の移動軌跡を 矯正する物品案内用磁石を配置するようにしたものである。

【０００７】 請求項４に記載の本考案は、請求項１〜３のいずれかに記載の本考案において 更に、前記搬送手段による物品移動経路に沿う上方又は下方位置で、第１の磁石 より下流側に、第１の磁石を通過した後の該物品の姿勢を保持するように、第２ の磁石に対し磁気吸引作用又は磁気反発作用を及ぼす物品保持用磁石を配置する ようにしたものである。

【０００８】

【作用】

請求項１に記載の本考案によれば、下記の作用効果がある。 第２の磁石を備えた物品が搬送手段による第１の磁石の上方又は下方を移動 するとき、第２の磁石は第１の磁石に吸引されながら搬送手段と共に移送される 。このとき、第１の磁石と第２の磁石とは、磁石の相互吸引特性により、それら の磁極面外形を略一致するように吸引し合う。即ち、物品は、第１と第２の磁石 の間に生ずる上述の相互吸引作用により積極的に回転せしめられ、整列乃至は方 向変換のための時間と搬送距離を小とすることができる。

【０００９】 請求項２に記載の本発明によれば、下記の作用効果がある。 第１の磁石が 2個の分割磁石からなるため、両分割磁石間の第２の磁石に対 面する空隙に、該第２の磁石に反発する磁極が生ずる。このため、物品が第１の 磁石の上方又は下方を移動するとき、第２の磁石は上述の両分割磁石間の反発磁 極の磁気反発作用を受けて搬送面から浮上する傾向を付与される。同時に、第２ の磁石は、当該反発磁極の両側に位置する両分割磁石の吸引磁極の磁気吸引作用 を受ける。即ち、物品は、第２の磁石と、第１の磁石の両分割磁石間の反発磁極 により浮上せしめられながら、第１の磁石の両分割磁石の吸引磁極により吸引さ れ、結果として搬送面との摩擦を極小として軽快且つ瞬時に回転し、整列乃至は 方向変換のための時間と搬送距離を小とすることができる。

【００１０】 請求項３に記載の本考案によれば、下記の作用効果がある。 搬送手段による物品移動経路に沿う位置で、第１の磁石より上流側に物品案 内用磁石を配置したから、第２の磁石が第１の磁石上を相対的に通過することを 確実化でき、整列乃至は方向変換の信頼性を向上できる。

【００１１】 請求項４に記載の本考案によれば、下記の作用効果がある。 搬送手段による物品移動経路に沿う位置で、第１の磁石より下流側に物品保 持用磁石を配置したから、整列乃至は方向変換された物品の姿勢を確実に保持で きる。

【００１２】

【実施例】

図１は本考案の第１実施例を示す模式図、図２は第１と第２の磁石を示す模式 図、図３は第１の磁石に対する第２の磁石の相互吸引作用を示す模式図、図４は 本考案の第２実施例を示す模式図である。

【００１３】 （第１実施例）（図１〜図３参照） 搬送装置１０は一定の移動経路に沿って移動する搬送ベルト１１に物品１２を 載置して搬送するものである。１３は搬送ベルト駆動モータである。１４は非磁 性体製ベルト受である。 搬送装置１０は、搬送ベルト１１による物品移動経路に沿う下方位置に第１の 磁石２１を配置するとともに、物品１２に第２の磁石２２を設けている。 尚、第２の磁石２２は物品１２自体に直接的に内蔵されても良く、あるいは物 品１２のための搬送用ケースの如くに間接的に付帯させるものであっても良い。

【００１４】 第１の磁石２１は 2個の平板状磁石２１Ａ、２１Ｂに分割されており（図２（ Ａ）参照）、それら分割磁石２１Ａ、２１Ｂが間隙を介して近接設置されている 。

【００１５】 第２の磁石２２は 1個の平板状磁石にて構成されている。 そして、第１と第２の両磁石２１、２２は、互いに吸引し合う磁極を搬送ベル ト１１を介して対面可能としている。即ち、第１の磁石２１はＮ極を第２の磁石 ２２に対面可能とされ、第２の磁石２２はＳ極を第１の磁石２１に対面可能とさ れている。

【００１６】 更に、搬送ベルト１１による物品移動経路に沿う下方位置で、第１の磁石２１ より上流側には、 1個の平板状磁石からなる物品案内用磁石２３が離隔配置され ている。物品案内用磁石２３は、Ｎ極を第２の磁石２２に対面可能とされ、物品 １２側の第２の磁石２２が第１の磁石２１上を相対的に通過することとなるよう に、第２の磁石２２に対し磁気吸引作用を及ぼし物品１２の移動軌跡を矯正する 。 尚、物品案内用磁石２３は、第２の磁石２２に対し磁気反発作用を及ぼすこと にて、物品１２の移動軌跡を上述の如くに矯正するものであっても良い。

【００１７】 また、搬送ベルト１１による物品移動経路に沿う下方位置で、第１の磁石２１ より下流側には、 1個の平板状磁石からなる物品保持用磁石２４が離隔配置され ている。物品保持用磁石２４は、Ｎ極を第２の磁石２２に対面可能とされ、第１ の磁石２１を通過した後の物品１２の姿勢を保持するように、第２の磁石２２に 対し磁気吸引作用を及ぼす。 尚、物品保持用磁石２４は、第２の磁石２２に対し磁気反発作用を及ぼすこと にて、物品１２の姿勢を上述の如くに保持するものであっても良い。

【００１８】 ここで、この実施例では、第１の磁石２１の分割磁石２１Ａ、２１Ｂを組合わ せた状態での磁極面外形、各磁石２２、２３、２４の磁極面外形を、互いに略同 一の矩形としている。これは、第２の磁石２２と各磁石２１、２３、２４とが、 それらの磁極面外形を略一致するように吸引し合う、磁石の相互吸引特性により 、第２の磁石２２を備える物品１１の後述する回転動作をより確実ならしめるも のである。

【００１９】 また、この実施例では、第１の磁石２１の両分割磁石２１Ａ、２１Ｂを物品１ １の搬送直角方向に沿う横長に並置し、物品案内用磁石２３を搬送ベルト１１の 搬送方向に沿う縦長に配置し、物品保持用磁石２４を搬送ベルト１１の搬送直角 方向に沿う横長に配置している。これにより、搬送装置１０は、後述する作用に より、物品１２の入側姿勢が第２の磁石２２の長手方向を搬送ベルト１１の搬送 方向に沿わせて搬入されて来るとき、この物品１２を第１の磁石２１の存在によ り90度回転させて搬出させようとするものとなっている。 尚、上述の各磁石２１、２２、２３、２４は、永久磁石、ゴム磁石、電磁石等 のいずれの磁石であって良い。 また、第２の磁石２２は、Ｎ極を第１の磁石２１に対面可能とし、磁石２３、 ２４は、Ｓ極を第２の磁石２２に対面可能とするものであっても良い。

【００２０】 次に、上記第１実施例の作用について説明する。 第２の磁石２２を備えた物品１２が搬送ベルト１１による第１の磁石２１の 上方を移動するとき、第２の磁石２２は第１の磁石２１に吸引されながら搬送ベ ルト１１と共に移送される。このとき、第１の磁石２１と第２の磁石２２とは、 磁石の相互吸引特性により、それらの磁極面外形を略一致するように吸引し合う 。即ち、物品１２は、第１と第２の磁石２１、２２の間に生ずる上述の相互吸引 作用により積極的に回転せしめられ、整列乃至は方向変換のための時間と搬送距 離を小とすることができる。

【００２１】 第１の磁石２１が 2個の分割磁石２１Ａ、２１Ｂからなるため、両分割磁石 ２１Ａ、２１Ｂ間の第２の磁石２２に対面する空隙に、該第２の磁石２２に反発 する磁極が生ずる。このため、物品１２が第１の磁石２１の上方を移動するとき 、第２の磁石２２は上述の両分割磁石２１Ａ、２１Ｂ間の反発磁極の磁気反発作 用を受けて搬送面から浮上する傾向を付与される。同時に、第２の磁石２２は、 当該反発磁極の両側に位置する両分割磁石２１Ａ、２１Ｂの吸引磁極の磁気吸引 作用を受ける。即ち、物品１２は、第２の磁石２２と、第１の磁石２１の両分割 磁石２１Ａ、２１Ｂ間の反発磁極により浮上せしめられながら、第１の磁石２１ の両分割磁石２１Ａ、２１Ｂの吸引磁極により吸引され、結果として搬送面との 摩擦を極小として軽快且つ瞬時に回転し、整列乃至は方向変換のための時間と搬 送距離を小とすることができる。

【００２２】 搬送ベルト１１による物品移動経路に沿う位置で、第１の磁石２１より上流 側に物品案内用磁石２３を配置したから、第２の磁石２２が第１の磁石上２１を 相対的に通過することを確実化でき、整列乃至は方向変換の信頼性を向上できる 。

【００２３】 搬送ベルト１１による物品移動経路に沿う位置で、第１の磁石２１より下流 側に物品保持用磁石２４を配置したから、整列乃至は方向変換された物品１２の 姿勢を確実に保持できる。

【００２４】 尚、本考案の実施において、第１の磁石２１は、必ずしも 2個の分割磁石２１ Ａ、２１Ｂに分割されず、単一体からなるものであっても良い（図２（Ｂ）参照 ）。

【００２５】 （第２実施例）（図４参照） 搬送装置５０が搬送装置１０と異なる点は、第１の磁石２１を、搬送ベルト１ １による物品移動経路に沿う上方位置に配置し、第２の磁石２２を、物品１２の 上面に設けたことのみにある。尚、第１の磁石２１は、搬送ベルト１１の上方に 設けたシート５１上に支持される。

【００２６】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、磁力を利用して物品の姿勢を整列ないしは方向 変換するに際し、整列ないしは方向変換のための時間と搬送距離を小とすること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の第１実施例を示す模式図であ
る。

【図２】図２は第１と第２の磁石を示す模式図である。

【図３】図３は第１の磁石に対する第２の磁石の相互吸
引作用を示す模式図である。

【図４】図４は本考案の第２実施例を示す模式図であ
る。

【符号の説明】

１０ 搬送装置 １１ 搬送ベルト（搬送手段） １２ 物品 ２１ 第１の磁石 ２２ 第２の磁石 ２３ 物品案内用磁石 ２４ 物品保持用磁石

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一定の移動経路に沿って移動する搬送手
   段に物品を載置して搬送する物品の搬送装置において、
   搬送手段による物品移動経路に沿う上方又は下方位置に
   第１の磁石を配置すると共に、物品側に第２の磁石を設
   け、第１の磁石と第２の磁石は互いに吸引し合う磁極を
   搬送手段を介して対面可能とされていることを特徴とす
   る物品の搬送装置。
2. 【請求項２】 前記第１の磁石が 2個の磁石に分割され
   ており、それら分割磁石が間隙を介して近接設置されて
   いる請求項１記載の物品の搬送装置。
3. 【請求項３】 前記搬送手段による物品移動経路に沿う
   上方又は下方位置で、第１の磁石より上流側に、物品側
   の第２の磁石が第１の磁石上を相対的に通過することと
   なるように、第２の磁石に対し磁気吸引作用又は磁気反
   発作用を及ぼし該物品の移動軌跡を矯正する物品案内用
   磁石を配置する請求項１又は２記載の物品の搬送装置。
4. 【請求項４】 前記搬送手段による物品移動経路に沿う
   上方又は下方位置で、第１の磁石より下流側に、第１の
   磁石を通過した後の該物品の姿勢を保持するように、第
   ２の磁石に対し磁気吸引作用又は磁気反発作用を及ぼす
   物品保持用磁石を配置する請求項１〜３のいずれかに記
   載の物品の搬送装置。