JPH0529130Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、燃料タンクの燃料注入口部に装着さ
れる燃料フイルターの装着構造に関する。

（従来の技術） 従来、燃料タンクの燃料注入口部における燃料
フイルターの装着構造として、次の二つの例があ
る。

従来例 １ 燃料注入口部に設けた燃料フイルター装着部と
燃料フイルターの基部との間に隙間があつて、両
者の間に緊度がない。

従来例 ２ 燃料フイルター装着部に燃料フイルター基部が
緊密に嵌合される。

（考案が解決しようとする課題） 前記従来例１の燃料フイルター装着構造には、
次のような不都合がある。

(i) 燃料注入時に、燃料注入口の周囲に付着した
屑、ゴミ等が隙間から燃料タンク内に入りやす
い。

(ii) 燃料フイルターの取り外しが簡単であること
から、燃料を速やかに入れるために、燃料フイ
ルターを除いてしまう恐れがある。

また、前記従来例２の燃料フイルター装着構造
には、次のような課題があつた。

(i) 燃料フイルターの着脱が困難である。

(ii) 製造時あるいは製造後の寸法管理が困難であ
り、前記燃料フイルター装着部と燃料フイルタ
ーの基部との間に適当な緊度を保ちにくい。

本考案は前記に鑑みてなされたもので、燃料フ
イルターの着脱が適度に容易で、かつ燃料フイル
ター装着状態では、燃料フイルター装着片と燃料
フイルターの基部との間に適当な緊度を保つこと
のできる燃料フイルター装着構造を提供すること
を技術的課題とする。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するための本考案の解決手段
は、燃料タンクの燃料注入口の内周壁に内方へ突
出する環状の燃料フイルター装着片が一体に形成
され、該燃料フイルター装着片に燃料フイルター
の筒状基部が緊密嵌合されて該燃料フイルターが
上記燃料注入口部に装着された燃料フイルター装
着構造であつて、上記燃料フイルター装着片は、
上記燃料フイルターの基部の外径よりも若干小さ
い内径に形成されているとともに先端側に柔軟可
撓性を持たせるように尖鋭に形成されているもの
とする。

（作用） これにより、本考案では、燃料注入口は燃料フ
イルター装着片の存在により径が狭まつて燃料フ
イルターの基部に外径よりも若干小さい内径とな
つているが、この燃料注入口に対し燃料フイルタ
ーを挿入すれば、前記燃料フイルター装着片は尖
鋭状で柔軟可撓性を有する故に多少の変形は自在
であるので、燃料フイルターの着脱時に多少の抵
抗はあるものの、燃料フイルター装着状態では前
記燃料フイルター装着片に前記燃料フイルター基
部が緊密に嵌合することになる。

（実施例） 以下、本考案による燃料フイルター装着構造の
実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は実施例１を示し、１は成形しやすくか
つ耐燃料性を有する材質（例えばポリエチレン）
よりなる燃料タンクであり、２は該燃料タンク１
の上部に設けた燃料注入口である。

３は前記燃料タンク１の燃料注入口部１ａの外
周壁に螺合されるタンクキヤツプである。

前記タンクキヤツプ３には通気孔４が設けられ
ており、タンクキヤツプ３に形成された凹部を大
気に連通させている。

前記タンクキヤツプ３の凹部にはブリーザー５
が緊密に嵌合されている。該ブリーザー５には凹
部が設けられ、該凹部には、燃料がブリーザー５
に設けられた通気孔４ａ及びタンクキヤツプに設
けられた通気孔４を通つて燃料タンク１外へ出る
のを防止する役目を果す通気性を有する材質（例
えばポリウレタン）よりなる栓６が嵌合されてい
る。すなわち、栓６は通気孔４から入つたゴミ等
がタンク１内に落下するのを防止するとともに、
燃料タンク１外に出るのを防止する。

前記燃料注入口部１ａの内周壁の上端部には内
方へ突出する環状の燃料フイルター装着片７が一
体に形成されている。該装着片７は、上面に内方
下向きの勾配が設けられていて尖鋭に形成されて
おり、先端側に柔軟可撓性をもたせるようにして
いるとともに、後述の燃料フイルター８の基部９
の外径よりも若干小さい内径となつている。

８は燃料フイルターであり、その基部９はプラ
スチツクよりなる筒状であつて、該基部９には、
補強枠１０が一体成形されている。該補強枠１０
は周側面の数箇所が大きく開口しており、全体と
してかご状に形成されている。もちろん、該基部
９および補強枠１０は適度な剛性を有する金属等
他の材料で成形されていてもよく、また違う材料
の組み合せで成形されていてもよい。

前記補強枠１０の内側には、プラスチツク網ま
たは金網が全周に張り巡らされて濾過部１１が形
成されており、該濾過部１１の一部は補強枠１０
に溶着されてしつかりと固定されている。

そして、前記燃料フイルター８は、燃料フイル
ター装着片７に基部９を緊密嵌合させて、燃料注
入口２に装着される。

なお、１２は通気孔であり、濾過部１１の網目
が燃料で詰まつた時に、タンク１内の空気が大気
に抜ける通路を確保している。１３は燃料注入口
部１ａと基部９の張出部との間に載置されるパツ
キンである。

このような構成であるので、燃料注入口２（燃
料フイルター装着片７）の径よりも、基部９の外
径Ｒが若干大きい燃料フイルター８を該注入口２
に挿入すれば、燃料フイルター装着片７は尖鋭状
で柔軟可撓性を有する故に多少の変形は自在であ
るので、燃料フイルター着脱時には多少の抵抗は
あるものの、燃料フイルター装着状態では、燃料
フイルター装着片７と燃料フイルター基部９とは
緊密に嵌合される。

第２図、第３図はそれぞれ本考案の実施例２、
実施例３を示し、これらの例は何れも燃料フイル
ター装着片の変形例であり、実施例１と同じ部材
は同一の参照番号を用いている。

すなわち、実施例２では、燃料フイルター装着
片１４は下面に内方上向きの勾配を設けて尖鋭に
形成されている。

また、実施例３では、燃料フイルター装着片１
５は上下面が両面テーパ状に形成されて尖鋭とな
つている。

前記何れの実施例においても、燃料フイルター
装着片は尖鋭に形成され、柔軟可撓性を持たされ
ており、実施例１と同様の作用結果を奏する。

なお、前記各実施例では、燃料フイルター装着
片の先端を尖らせているが、本考案においては、
燃料フイルター装着片の強度が十分ならば前記先
端が若干の丸味をおびていても差し支えない。

また、前記各実施例では濾過部はプラスチツク
網または金網としたが、本考案の燃料フイルター
ではこれに限定されず、例えば濾過紙であつても
構わない。

また、前記各実施例では補強枠を設けたが、本
考案では該補強枠は必須でなく、例えば他の実施
例として、燃料フイルター基部に、直接濾過部を
支持させても構わない。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、 (イ) 燃料フイルターの着脱が適度に容易である。

(ロ) 燃料フイルター装着片と燃料フイルター基部
との間に適当な緊度が保たれるので、燃料注入
時にゴミ等は燃料タンク内に入らない。

(ハ) 燃料フイルター装着片および燃料フイルター
基部の寸法管理が若干甘くても、両者の間に適
当な緊度を保ち得る。

等の優れた効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例１を示す断面図、第２
図は本考案の実施例２の要部を拡大して示す断面
図、第３図は本考案の実施例３の要部を拡大して
示す断面図である。 １……燃料タンク、７，１４，１５……燃料フ
イルター装着片、８……燃料フイルター、９……
基部、１１……網部、１ａ……燃料注入口部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 燃料タンクの燃料注入口部の内周壁に内方へ突
   出する環状の燃料フイルター装着片が一体に形成
   され、該燃料フイルター装着片に燃料フイルター
   の筒状基部が緊密嵌合されて該燃料フイルターが
   上記燃料注入口部に装着される燃料フイルター装
   着構造であつて、 上記燃料フイルター装着片は、上記燃料フイル
   ターの基部の外径よりも若干小さい内径に形成さ
   れているとともに先端側に柔軟可撓性を持たせる
   ように尖鋭に形成されていることを特徴とする燃
   料フイルター装着構造。