JPH05290786A - 走査試料像表示方法および装置ならびにそれに供される試料 - Google Patents

走査試料像表示方法および装置ならびにそれに供される試料

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JPH05290786A
JPH05290786A JP4089189A JP8918992A JPH05290786A JP H05290786 A JPH05290786 A JP H05290786A JP 4089189 A JP4089189 A JP 4089189A JP 8918992 A JP8918992 A JP 8918992A JP H05290786 A JPH05290786 A JP H05290786A
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Fumio Mizuno
文夫 水野
Hideo Todokoro
秀男 戸所
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来困難とされていた凹凸の大きく激しい表
面構造や試料内部の構造、欠陥、異物などの特定構造
を、非破壊で観察することが可能な走査試料像表示技術
を提供する。また、検査・計測に応用することにより、
高品質、高信頼性のデバイス・部品を経済的に供給でき
るようにする。 【構成】 走査電子ビーム1bが試料2と作用して生じ
る一次情報が、さらに、試料2と相互作用した結果生じ
る二次電子5bなどの二次情報を像信号として走査試料
像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査試料像表示技術お
よびそれに供される試料に関する。
【0002】特に、たとえば、半導体デバイス、位相シ
フトマスクのような多層構造マスクをも含めたホトマス
ク基板、液晶やCCDのような表示デバイス、配線基
板、光ディスクのような記憶媒体、などのデバイスや部
品、金属や高分子などの材料、細胞組織、その他の生
体、などを対象とする。
【0003】デバイス、部品など加工を施すものは、加
工途中の物でも完成品でも構わない。本技術は、これら
を対象とし、その観察、検査、計測、分析、或いは試料
処理時のモニター技術などに用いて有効である。
【0004】
【従来の技術】たとえば、試料の微細構造の観察などの
分野では、数百eVから数十keVのエネルギーの電子
ビームを用いる走査形電子顕微鏡、或いは、数十keV
から数MeVの電子ビームを用いる透過形電子顕微鏡な
どの試料像表示装置が用いられている。
【0005】なお、このような電子顕微鏡技術を用いた
従来の試料像表示技術については、たとえば、共立出版
株式会社、昭和60年5月25日、初版2刷発行、「走
査電子顕微鏡の基礎と応用」、などの文献に記載されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来技術では、凹凸の大きな、あるいは凹凸の激しい
試料の表面構造や、内部構造を高解像度または非破壊で
観察することが困難である、という問題がある。
【0007】本発明の目的は、非破壊で、試料内部の構
造、欠陥、異物などの特定構造を観察することが可能な
走査試料像表示技術を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、凹凸の大きな、ある
いは凹凸の激しい試料の表面構造や、内部構造を高解像
度で観察することが可能な走査試料像表示技術を提供す
ることにある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、試料の表面お
よび内部構造の三次元情報や断層情報を得ることが可能
な走査試料像表示技術を提供することにある。
【0010】本発明のさらに他の目的は、非導電性の試
料を高解像度で観察することが可能な走査試料像表示技
術を提供することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、高エネルギー
の粒子線の照射による表面構造や、内部構造の観察をよ
り効果的に行うことが可能な試料を提供することにあ
る。
【0012】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0014】すなわち、本発明の走査試料像表示方法
は、走査粒子線を試料に照射し、前記走査粒子線が前記
試料と作用して生じる散乱粒子やX線,光などの一次情
報が、試料と再度相互作用した結果生じる二次電子や光
などの二次情報を主たる像形成の信号として用いるもの
である。
【0015】また、本発明の走査試料像表示方法は、請
求項1記載の走査試料像表示方法において、走査粒子線
として50keV以上のエネルギーを持った電子ビーム
を用い、二次情報として、電子ビームの照射によって発
生する反射電子と試料との相互作用によって発生する二
次電子或いは電磁波を検出して走査試料像を構成するも
のである。
【0016】また、本発明の走査試料像表示方法は、請
求項1または2記載の走査試料像表示方法において、二
つ以上の異なる入射エネルギーおよび入射角の少なくと
も一方を有する粒子線で観察された複数の試料像に基づ
いて、断層像および立体像の少なくとも一方を形成する
ものである。
【0017】また、本発明の走査試料像表示方法は、請
求項1,2または3記載の走査試料像表示方法におい
て、試料の識別情報を読み取り、読み取った識別情報に
基づいて対応する作業指示・作業条件・作業データを設
定する第1の処理、指定された作業指示・作業条件・作
業データに基づいて、指定された試料について、指定さ
れた場所、指定された時間および指定された作業を自動
的に遂行する第2の処理、試料像と三次元形状など、複
数の画像を同時に表示する第3の処理、外部装置との間
で、作業指示・作業条件・作業データ・検出画像データ
・計測データなどの情報をオンラインで転送および入出
力する第4の処理、粒子線と試料との位置合わせおよび
/または位置出しを行う第5の処理、試料の表面或いは
内部の少なくとも一方に形成されたパターンの寸法およ
び/または位置座標を測定する第6の処理、指定された
試料について、当該試料内部の一或いは複数のパターン
を自動的に測定する第7の処理、指定された試料につい
て、当該試料内部の一或いは複数のパターンの測定値
と、予め設定された所望の規格値とを照合して当該パタ
ーンの良否を判定し、判定結果に基づいて予め設定され
た手順に従って当該試料を処理する第8の処理、試料の
表面および/または内部に存在する粒子やドメインなど
の試料構造に関して、その種類・数・大きさなどを計測
する第9の処理、指定された試料について、当該試料内
の一或いは複数の領域を自動的に計測し、計測値の統計
処理結果を求め、必要に応じて表示・記憶あるいは出力
する第10の処理、粒子線の試料に対する照射方向およ
び或いは照射角度を変更する第11の処理、二つ以上の
指定された照射角度から観察された複数の試料像を基
に、三次元情報の表示および記憶および出力の少なくと
も一つを行う第12の処理、粒子線の照射エネルギーの
変更、および照射エネルギー変更時の焦点合わせなどの
粒子調整、および照射エネルギーの変更時における同一
視野の確保の少なくとも一つを行う第13の処理、二つ
以上の指定された入射エネルギーおよび入射角度の少な
くとも一方を有する粒子線で観察された複数の試料像を
基に、断層画像および/または立体画像を構成し、当該
断層画像および/または立体画像の表示および記憶およ
び出力の少なくとも一つを行う第14の処理、試料に対
して、一または複数の電圧および電流および電気信号の
少なくとも一つを印加する第15の処理、指定した試料
について、所定の電圧および/または電流および/また
は電気信号を印加する動作、および指定の時間に指定さ
れた領域の試料像を取り込む動作、および先に取り込ま
れた当該指定領域の試料像と比較し変化を検出する動
作、および指定の時間に試料の指定されたパラメータの
推移データを取り込む動作、および像データおよび/ま
たは推移データの、表示および/または記憶および/ま
たは出力を行う動作の、少なくとも一つを行う第16の
処理、試料の温度を任意に設定する第17の処理、指定
した試料について、当該試料を所定の温度にする動作、
および指定の時間に指定された領域の試料像を取り込む
動作、および先に取り込まれた当該指定領域の試料像と
比較し変化を検出する動作、および指定の時間に試料の
指定されたパラメータの推移データを取り込む動作、お
よび像データおよび/または推移データの、表示および
/または記憶および/または出力を行う動作、の少なく
とも一つを行う第18の処理、指定された試料につい
て、指定された領域の試料像を取り込み、予め指示され
た記憶像と比較する動作、および試料像と記憶像の差異
を抽出する動作、および差異部分の試料内位置座標を検
出する動作、および差異部分の像,位置座標データなど
の表示および/または記憶および/または出力を行う動
作、の少なくとも一つを行う第19の処理、指定された
試料について、当該試料内の指定された一または複数の
部分のエッチングおよび/または膜堆積を行う第20の
処理、指定された試料について、当該試料内の指定され
た一または複数の部分の成分分析を行う第21の処理、
粒子線の照射による観察後の試料をアニール処理する第
22の処理、の各処理のうちの少なくとも一つを行うよ
うにしたものである。
【0018】また、本発明の走査試料像表示装置は、走
査粒子線を試料に照射する粒子線源と、走査粒子線の試
料に対する走査を制御する粒子線制御手段と、少なくと
も、走査粒子線が試料と作用して生じる散乱粒子やX
線,光などの一次情報が、試料と再度相互作用した結果
生じる二次電子や光などの二次情報を検出する検出手段
と、少なくとも二次情報の信号に基づいて試料の観察画
像を形成する画像形成手段とを備えたものである。
【0019】また、本発明の走査試料像表示装置は、請
求項5記載の走査試料像表示装置において、走査粒子線
として50keV以上のエネルギーを持った電子ビーム
を用い、二次情報として、電子ビームの照射によって発
生する反射電子と試料との相互作用によって発生する二
次電子或いは電磁波を検出するようにしたものである。
【0020】また、本発明の走査試料像表示装置は、請
求項5または6記載の走査試料像表示装置において、試
料の識別情報を読み取り、読み取った識別情報に基づい
て対応する作業指示・作業条件・作業データを設定する
第1の手段、指定された作業指示・作業条件・作業デー
タに基づいて、指定された試料について、指定された場
所、指定された時間および指定された作業を自動的に遂
行する第2の手段、試料像と三次元形状など、複数の画
像を同時に表示する第3の手段、外部装置との間で、作
業指示・作業条件・作業データ・検出画像データ・計測
データなどの情報をオンラインで転送および入出力する
第4の手段、粒子線と試料との位置合わせおよび/また
は位置出しを行う第5の手段、試料の表面或いは内部の
少なくとも一方に形成されたパターンの寸法および/ま
たは位置座標を測定する第6の手段、指定された試料に
ついて、当該試料内部の一或いは複数のパターンを自動
的に測定する第7の手段、指定された試料について、当
該試料内部の一或いは複数のパターンの測定値と、予め
設定された所望の規格値とを照合して当該パターンの良
否を判定し、判定結果に基づいて予め設定された手順に
従って当該試料を処理する第8の手段、試料の表面およ
び/または内部に存在する粒子やドメインなどの試料構
造に関して、その種類・数・大きさなどを計測する第9
の手段、指定された試料について、当該試料内の一或い
は複数の領域を自動的に計測し、計測値の統計処理結果
を求め、必要に応じて表示・記憶あるいは出力する第1
0の手段、粒子線の試料に対する照射方向および或いは
照射角度を変更する第11の手段、二つ以上の指定され
た照射角度から観察された複数の試料像を基に、三次元
情報の表示および記憶および出力の少なくとも一つを行
う第12の手段、粒子線の照射エネルギーの変更、およ
び照射エネルギー変更時の焦点合わせなどの粒子調整、
および照射エネルギーの変更時における同一視野の確保
の少なくとも一つを行う第13の手段、二つ以上の指定
された入射エネルギーおよび入射角度の少なくとも一方
を有する粒子線で観察された複数の試料像を基に、断層
画像および/または立体画像を構成し、当該断層画像お
よび/または立体画像の表示および記憶および出力の少
なくとも一つを行う第14の手段、試料に対して、一ま
たは複数の電圧および電流および電気信号の少なくとも
一つを印加する第15の手段、指定した試料について、
所定の電圧および/または電流および/または電気信号
を印加する動作、および指定の時間に指定された領域の
試料像を取り込む動作、および先に取り込まれた当該指
定領域の試料像と比較し変化を検出する動作、および指
定の時間に試料の指定されたパラメータの推移データを
取り込む動作、および像データおよび/または推移デー
タの、表示および/または記憶および/または出力を行
う動作の、少なくとも一つを行う第16の手段、試料の
温度を任意に設定する第17の手段、指定した試料につ
いて、当該試料を所定の温度にする動作、および指定の
時間に指定された領域の試料像を取り込む動作、および
先に取り込まれた当該指定領域の試料像と比較し変化を
検出する動作、および指定の時間に試料の指定されたパ
ラメータの推移データを取り込む動作、および像データ
および/または推移データの、表示および/または記憶
および/または出力を行う動作、の少なくとも一つを行
う第18の手段、指定された試料について、指定された
領域の試料像を取り込み、予め指示された記憶像と比較
する動作、および試料像と記憶像の差異を抽出する動
作、および差異部分の試料内位置座標を検出する動作、
および差異部分の像,位置座標データなどの表示および
/または記憶および/または出力を行う動作、の少なく
とも一つを行う第19の手段、指定された試料につい
て、当該試料内の指定された一または複数の部分のエッ
チングおよび/または膜堆積を行う第20の手段、指定
された試料について、当該試料内の指定された一または
複数の部分の成分分析を行う第21の手段、粒子線の照
射による観察後の試料をアニール処理する第22の手
段、の各手段のうちの少なくとも一つを備えるようにし
たものである。
【0021】また、本発明の走査試料像表示装置は、請
求項4,5または6記載の走査試料像表示装置におい
て、粒子線制御手段の試料の対向する下端部を、カーボ
ンなどの軽元素材料を用いて非平坦形状を呈するように
構成したものである。
【0022】また、本発明の試料は、表面に二次情報を
発生し易い薄膜を塗布または堆積によって形成したもの
である。
【0023】また、本発明の試料は、請求項9記載の試
料において、二次電子放出量の高い酸化物材料、および
光発生する蛍光材料、の少なくとも一方からなる薄膜を
表面に形成したものである。
【0024】
【作用】粒子線として50keV以上の高エネルギー走
査電子ビームを用いた半導体デバイスなどの試料の観察
において次のような現象のあることを発見した。
【0025】(1)非破壊で試料の内部構造を観察でき
る。
【0026】たとえば、試料の内部構造の観察には、一
般的に透過形電子顕微鏡が用いられる。透過形電子顕微
鏡観察においては、試料を薄膜化しなければならず、試
料の破壊観察となる。
【0027】(2)非導電性試料を生のまま高解像度で
観察できる。
【0028】たとえば、高解像での試料形状の観察に
は、走査形電子顕微鏡を用いる。走査形電子顕微鏡によ
る非導電性試料の観察では、チャージアップによる像質
劣化を防止するために、金やカーボンなどを試料表面に
蒸着して蓄積電荷を表面リークさせるようにするか、1
keV程度の低エネルギー電子ビームを用い、二次電子
放出量を多くしてチャージアップ量を低減させる方法が
採られる。
【0029】導電膜蒸着は、試料の本来の物性を損なう
破壊観察となり、低エネルギー電子ビーム観察では低解
像度となる。
【0030】これらの現象を解析した結果、内部構造を
観察できる理由は、次のようなメカニズムによることが
判った。以下、図1を用いて説明する。
【0031】一般に、走査形電子顕微鏡は、数百eVか
ら30keV程度のエネルギー範囲の走査電子ビーム1
aを試料2に照射し、電子ビーム1aと、試料2との相
互作用の結果生じる一次情報(反射電子3a,X線・光
などからなる電磁波4aなど)のうち、主として二次電
子5aを像信号として用い、試料像を表示する。勿論、
X線や光、吸収電子、透過電子などを像信号として利用
してもよい。
【0032】一方、本発明の高エネルギー走査電子ビー
ム1bでは、エネルギーが高いため、電子ビームが試料
2の深奥まで侵入するとともに、内部構造6で散乱され
た散乱電子3bが試料2から脱出する。この散乱電子3
bも、試料2から抜け出る際に試料2と作用し合って電
磁波4bや二次電子5bなどの二次情報を生じる。
【0033】像信号としての二次電子を見ると、一次情
報としての二次電子5aに比べて、二次情報としての二
次電子5bの方が多い。従って、二次電子信号の試料像
では、二次電子5bに反映された散乱電子3bの量、す
なわち内部構造6が観察できることになる。
【0034】図2に走査電子ビームエネルギーと二次電
子放出量との関係をモデル的に示す。
【0035】一般に、一次情報の二次電子5aは数百e
V前後のエネルギーで放出量のピークを持ち、それ以上
のエネルギーではエネルギーの増大とともに放出量が少
なくなってゆく。
【0036】一方、二次情報の二次電子5bは、ビーム
エネルギーがしきい値Eb を超えるまでは放出されな
い。エネルギーがEb を超えた所で二次電子5bの放出
が始まり、エネルギーの増大とともに次第に放出量も増
加してゆく。
【0037】これは、電子ビーム1bのエネルギーが低
い場合、内部構造6bで散乱された電子3bが試料表面
まで到達するに充分なエネルギーを与えられず、散乱電
子3bにより生成された二次電子も深くからでは試料表
面を脱出できないためである。すなわち、試料表面から
内部構造6までの深さをdとすると、エネルギーEb
電子ビーム1bの飛程はほぼ2dに相当すると考えられ
る。なお、二次電子の脱出深さは、100Å程度であ
り、10eV程度のエネルギーの二次電子が最も多い。
一方、散乱電子の量は、散乱方向に対して余弦法則とい
われる方向依存性をもつ。すなわち、図3の電子ビーム
1bが試料2に垂直に入射する場合を例に採ると、散乱
電子量は散乱角θが0°の方向に最大となり、θが大き
くなるに従って減少してゆき、θが90°では0とな
る。量的には、θが0°から60°までの散乱電子で全
散乱電子量の90%近くを占めることになり、像信号と
してはこの範囲の散乱電子を考慮すればよい。
【0038】これらのことから、半導体デバイス観察に
おける走査電子ビームのエネルギーを見てみる。
【0039】半導体デバイスは一般的に、トランジスタ
や容量などの素子部分と、その上に形成される配線層と
からなる。これらデバイス構造部分の深さは、配線層の
数などに依存するが平均的には5μm程度である。
【0040】一方、像信号源として寄与させる散乱電子
を、上述の検討から散乱角が0°から60°までの範囲
とすると、散乱電子が試料表面から脱出するための走査
電子ビームの飛程は、図4から、15μm以上必要であ
ることが判る。
【0041】飛程15μmを走査電子ビームのエネルギ
ーに換算するためにKatzとPenfoldの次式(Revs.Modern.
Phys.,Vol24:28('52)) を用いる。
【0042】
【数1】
【0043】ここで、R(mg/cm2)は飛程、E(keV)
は電子ビームのエネルギーである。
【0044】飛程RとエネルギーEの関係を図5に示
す。RはほぼE2 に比例している。
【0045】これに代表的な半導体材料としてのSiの
密度2.34g/cm3 、配線材料としてのAlの密度2.69
g/cm3 を用いて換算してみると、電子ビームのエネルギ
ーが50keVの時に、Si中の飛程が約17μm、A
l中の飛程が約15μmとなる。
【0046】このことから、半導体デバイスの観察で
は、50keV以上の電子ビームエネルギーの必要なこ
とが判る。また、50keVという数値は実際の観察経
験とも良く一致している。
【0047】また、非導電性試料を生のまま観察できる
理由は、電子ビームの大部分が試料奥深くに侵入・突き
抜け、試料表面近傍でのチャージアップ量が極めて少な
くなるためである。
【0048】なお、観察される試料像のコントラスト
は、上述のような試料の内部構造に起因するだけでな
く、試料の表面構造や部分的な材質の違いなどにも依存
した複合的なものとなる。
【0049】たとえば、図6に例を示すような表面の凹
凸がある場合、走査電子ビーム1bが試料の平坦部分を
照射する時、段差部を照射する時、または近くに段差が
ある部分などを照射する時とでは、試料表面から反射さ
れる反射電子3aの全反射電子量および方向依存性が変
わる。すなわち、試料中に侵入し散乱電子3bとなりう
る電子の数も、発生し像信号となりうる二次電子の量や
一次情報の二次電子5a,二次情報の二次電子5bの構
成比も異なってくる。
【0050】また、図7に例を示すような、試料材質が
2a,2bと異なる場合や、試料表面に異種物質2cが
付着している場合などにも、同様に、試料中に侵入し散
乱電子となる電子の数、ひいては検出される全二次電子
量と、二次電子5a,5bの内訳が変わる。これらが試
料像のコントラストの一因となる。
【0051】さらに、図8に例を示すように、電子ビー
ム1bを遮蔽するような構造2d,2eが在る場合で
も、電子ビーム1bが突き抜けることのできる厚さ・深
さの遮蔽構造に対しては、これらを透かして影となる部
分D,Eにコントラストが生じ、試料像として観察する
ことが可能となる。これは、換言すれば、試料表面に極
めて大きい凹凸、激しい凹凸が在る場合でも凹部の内部
・底部、凸部の側面・影となる表面の観察ができること
を示している。
【0052】
【実施例】以下、本発明の走査試料像表示方法および装
置、さらにはそれに供される試料の一実施例を、図面を
用いて具体的に説明する。
【0053】最初に、粒子線として高エネルギー電子ビ
ームを用いた例、すなわち、本発明の走査試料像表示方
法および装置を走査形電子顕微鏡に適用した場合の装置
構成例を図9に示す。
【0054】まず、試料2が、ロード/アンロード機構
を介して、ローダ/アンローダ室20から、試料室22
内の試料ステージ21上に移動し、装填される。ローダ
/アンローダ室20は真空バルブ23によって、試料室
22と隔離されており、試料室22の真空を破ることな
く、試料2が試料ステージ21に装填できるロードロッ
ク機構となっている。次いで、電子銃15から放出され
た電子ビーム1bは、加速管16により数十keV以上
のエネルギーに加速された後、収束レンズ17および対
物レンズ18によって細く絞られ、試料2を照射すると
ともに、偏向器19によるXY偏向を受け、試料2上を
走査する。
【0055】走査電子ビーム1bに照射された試料部分
からは二次電子5bや、X線・光などの電磁波4bが放
出される。
【0056】二次電子5bは、対物レンズ18の磁場に
巻きつけられながら対物レンズ18の軸方向に上方に引
き出され、シンチレータ/光電子増倍管などからなる二
次電子検出器24によって検知され、電気信号に変換さ
れる。
【0057】この電気信号は、信号増幅処理装置25に
よって増幅されたあと、ディスプレイ26を輝度変調
し、試料像がディスプレイ26に表示される。
【0058】試料2から放出されるX線や光などの電磁
波4bなども同様に、検出器27によって検知され、分
析あるいは像表示に用いられる。
【0059】試料ステージ21は、観察場所および観察
方向を任意に選ぶことができるように、X・Y移動機構
21aと回転・傾斜機構21bとから構成されている。
【0060】半導体ウェハを試料2とし、ロット単位で
処理する場合について、走査・処理のフロー例を図10
に示す。
【0061】試料2としてのウェハは、ロット単位でウ
ェハキャリアに保管されている。このウェハキャリアを
ローダ/アンローダ室20にセットすると、光学式ある
いは磁気式読み取り装置によってウェハキャリアに記さ
れたロット番号が読み取られ、装置に起動がかかる。次
いで、このロット番号に対応した作業指示、作業条件、
作業データが読み取られる。この作業指示・作業条件・
作業データに基づいて、以降の処理が自動的に行われる
ことになる。
【0062】なお、作業指示とは、どのウェハの、どの
場所で、どのような作業をするかなどの作業内容を規定
するものである。作業条件とは、作業を実施する際の電
子ビーム照射、像形成処理、計測処理などに係わるもの
で作業遂行に必要な装置パラメータ規定する。また、作
業データとは、作業遂行に必要な装置パラメータ以外の
データ、たとえば、外部のテスタや欠陥検査装置から転
送されてくる欠陥の位置座標データなどが該当する。
【0063】処理としては、まず指定された一枚のウェ
ハが試料ステージ21に装填される。次いで、電子線露
光装置におけるアライメント方法に準じてウェハ合わせ
作業が行われる。ウェハ位置の粗合わせは、試料ステー
ジ21に装填する前に行ってもよい。たとえば、ウェハ
の外形を光学的に検出してウェハ中心を求める方法であ
る。ウェハの精密位置合わせは、ウェハ上に形成された
アライメントマークの上を電子ビーム1bで走査し、得
られる反射電子の信号波形からアライメントマーク位置
を求める方法や、アライメントマークの走査像を予め記
憶されている基準像と一致させることによりアライメン
トマーク位置を求める方法などがある。
【0064】合わせ作業終了後、本作業としての観察・
検査・計測或いは分析などの作業が行われる。これらの
作業は単独で行われてもよいし、たとえば、観察−分析
というように複数の作業を組み合わせて行ってもよい。
作業結果としての試料の像データ・検査データ・計測デ
ータ・分析データなどは、所定のデータ処理後、所定の
手順に従って、保管・表示、あるいは外部のホストコン
ピュータや分析装置、ウェハ処理装置などに転送するた
めに用いられる。
【0065】作業の実施方法として、ウェハ内の任意の
複数箇所作業、ウェハ内同一箇所の任意時間をおいての
繰り返し作業などが可能である。
【0066】また、ウェハ毎に、或いはウェハ内の作業
箇所毎に作業内容を変えることも可能である。これらの
作業内容は、本装置の制御コンピュータ経由で入力して
もよいし、上位のホストコンピュータからオンライン入
力することも可能である。
【0067】上記のような作業が、指定されたウェハ全
てに対して行われる。
【0068】以下、本作業の具体例を述べる。
【0069】検査作業の一つとして測長作業が挙げられ
る。図11にその説明例を示す。
【0070】試料2の表面上に形成されたパターン7
a、および内部に形成されたパターン7bを電子ビーム
1bで走査し、得られる二次電子信号波形から、パター
ン寸法W,W′や、パターン間距離D,パターン位置座
標P,P′などを求める。測長の具体的な方法は、一般
に測長SEMなどで用いられる方法に準じる。
【0071】なお、この場合、図12に示すように、測
定すべきパターン7bの近くに、電子ビームの走査線1
Sにパターン7aがかかるAのような状態にパターン7
aが配置されていると誤測長の恐れがある。測長箇所で
は、走査線2Sとして示すように、パターン7aと7b
とを走査線の幅以上に離して配置することが望ましい。
【0072】また、図13および図14に例示したよう
に、観察角度または観察方向の異なる二つ以上の同一視
野像から三次元形状を求め、これを基に三次元形状を表
示したり、三次元的な寸法を測長することも可能であ
る。たとえば、電子ビーム1bと試料2とのなす照射角
度が0°(真上からの観察)と、α(斜め上方からの観
察)と、異なる二つの同一視野像を取り込み、二つの像
の間での測長すべき二点間の距離差から三次元形状を算
出する。すなわち、照射角度0°の試料像では、水平方
向の二点間距離が実寸で見えるのに対して、縦方向の距
離は0に見える。
【0073】一方、照射角度αの試料像では、水平方向
が×cos α、縦方向が×sin αだけ実寸よりも縮んで見
える、ことを利用するものである。
【0074】なお、照射角度の変更は、偏向器を用いて
電子ビーム1bの試料2に対する入射角度を変えるか、
または試料ステージ21の傾斜角度を変化させることに
よって実現してもよい。また、照射方向・角度の変更
は、2ステップに限らない。形状を観察・測長したい方
向に傾けた数多くの試料像を取り込むことにより、算出
する立体形状の忠実度や精度が向上する。
【0075】表示については、試料像と立体形状像の組
み合わせなど、複数の画像を同時に表示することも可能
である。同時表示は、同一ディスプレイ上に表示する方
式でも、異なるディスプレイに表示する方式でもよい。
【0076】なお、本機能の具体的な用途としては、パ
ターン寸法測定機や、パターン位置座標測定機、パター
ン間重ね合わせ精度測定機、パターン描画歪または転写
歪測定機などが挙げられる。
【0077】特に、パターン間重ね合わせ精度の測定
は、従来の電子ビーム応用装置ではできなかったことを
可能とするものである。
【0078】2番目の例として、粒子やドメイン・気泡
・異物などの計測が挙げられる。
【0079】図15(a)に粒子計測の例を示す。走査
電子ビーム1bで試料2の指定領域上を走査し、試料像
を取り込む。この試料像を解析し、粒子数を計数すると
ともに、サイズ分布やウェハ内分布などのデータを求め
る。この場合、粒子計数などの解析方法は、一般的な画
像解析装置の手法に準じるものである。
【0080】なお、計測作業に併せて粒子の成分分析作
業を行うことも可能である。成分分析は、試料像から成
分分析を行いたい粒子8cの位置座標データを求め、こ
れを基に電子ビームと被分析粒子の位置出しをした後、
電子ビーム1bを目的の粒子8cの上に照射し、粒子8
cから放出される特性X線9を検知し、成分を同定する
方法などを用いる。X線検出には、半導体検出器を用
い、X線の入射によって生じる電流パルスの波高値・数
などから、元素の種類や量を同定する手法などを適用す
る。
【0081】この際、成分同定の感度や精度を上げるた
めに、粒子8cの上の被覆物を除去することも可能であ
る。粒子上の選択的な被覆物の除去は、たとえば図15
(b)に示すようなレーザアシストエッチングによって
行う。これは、ガスノズル11からエッチングガス12
を吹きつけながら、細く絞ったレーザ光線10をエッチ
ングしたい部分に照射するものである。エッチングガス
は被覆物のみをエッチングし、粒子を損なわないような
選択性を有するガスを選ぶ。
【0082】対象とする試料が多種にわたる場合は、複
数のガスノズルを有し、適当なガス種を選択して使用で
きるようにする。
【0083】また、エッチング条件を最適化できるよう
にするため、ガスノズルの水平位置および上下位置と、
ガスを吹きつける向きは可動・調整できるようにしてお
く。
【0084】勿論、成分分析の手法は、X線に代えて、
オージェ電子やカソードルミネセンスのような情報を検
知することも可能である。また、分析に用いる刺激ビー
ムは、電子ビームに限らず、レーザビームやイオンビー
ムなどを用いてもよい。
【0085】また、エッチング方法も、レーザアシスト
エッチング以外の、イオンビームアシストエッチングな
ど他の化学的エッチング法や、イオビームスパッタリン
グなどの物理的エッチング法を適用することも可能であ
る。しかし、一般的には、被覆物と粒子とのエッチング
選択性を高く持たせる必要から、化学的エッチング法が
適している。
【0086】なお、粒子計測においても、図16に処理
フローの例を示すように、照射方向・角度の異なる複数
の試料像を取り込み、三次元形状処理を行うことによ
り、粒子の立体形状や、どの深さ位置にどのような粒子
が分布しているか、とっいた深さ方向の情報を得ること
ができる。
【0087】また、照射方向・角度を変えて試料の観察
を行うということからは、結晶の方向性に関する知見を
得ることもできる。図17にその例を示す。
【0088】試料2が多結晶構造6(内部構造)を有し
ており、その結晶方向が、結晶粒6aは斜め方向、結晶
粒6bは垂直方向、結晶粒6cが水平方向を有する場合
である。この試料を真上からの走査電子ビーム1bで観
察した場合、試料表面に向かう散乱電子3bの量、すな
わち、像信号量は6cが最も大きく、6a,6bの順で
小さくなる。一方、斜め方向から照射する走査電子ビー
ム1b′で観察した場合には、像信号量の大きさは、6
c,6b,6aの順で小さくなる。
【0089】このように、結晶方向と観察方向との関係
により、像信号量すなわち像コントラストが変化する。
この変化状況を解析することにより、各結晶粒の結晶方
向を判別することができる。また、粒子数計測と同様の
画像解析を行うことにより、結晶粒の大きさ分布や、結
晶方向分布などのデータが得られる。
【0090】3番目の例として、パターン欠陥や異物の
検査がある。たとえば、欠陥としては図18に示すよう
な種類がある。欠陥検査は、これらの欠陥を検知するた
めに、一般的な欠陥検査装置で用いられている手法に準
じて、図19および図20に示すような手順を採る。
【0091】まず、指定領域の試料像を取り込み、平滑
化などの画像処理をしたあと、予め記憶されている基準
像と位置合わせおよび比較を行い、試料像と基準像との
差異から欠陥・異物を検出する。図19では。B部が凸
欠陥として検知される。
【0092】基準像は、同一試料または同種試料内の指
定領域に相当する領域で撮られた標準試料像でもよい
し、パターンデータを基に作られた該当領域のパターン
データ像であってもよい。また、検査作業の中で部分的
には標準試料像を基準像として用い、部分的にはパター
ンデータ像を基準像として、組み合わせて使用すること
も可能である。
【0093】検査領域はウェハ全面であってもよいし、
部分的に検査することも可能である。たとえば、テスタ
や欠陥検査装置による検査の結果、不良或いは欠陥が在
ると判定されたチップや回路ブロックの位置座標データ
をテスタや欠陥検査装置からオンライン入力し、入力さ
れた座標データから検査すべき不良チップや不良回路ブ
ロックを位置出しし、その部分だけを選択的に欠陥検査
する。一方、欠陥検査においても、粒子計測の例と同様
に、欠陥部分の成分分析を行うことができる。
【0094】また、エッチングガスによる被覆膜除去と
同様の手法を用いることにより、パターン欠陥の修正が
できる。但し、凸欠陥や孤立欠陥の除去には、エッチン
グガスを用いるが、凹欠陥の修復には堆積性のガスを用
いる点が異なる。これら欠陥の修復技術は、ホトマスク
の欠陥修復装置や、LSIの配線修復装置に使われてい
る技術と基本的には同じである。
【0095】なお、従来の欠陥検査装置としては光学式
が一般的であるが、高エネルギー電子ビームを用いるこ
との特徴として、欠陥検出感度が高いということの他
に、不透明な材質の下にある欠陥を検出できることが挙
げられる。特に、図18に示した欠陥のうち、パターン
位置ずれの検出は、従来の方法では検出できなかったこ
とを可能とするものである。
【0096】4番目に、試料の状態変化を監視する例が
ある。図21は一例として、半導体デバイスの加速試験
への適用を示すものである。監視したい配線パターン7
の両端にプローブ13を当て、プローブ13を通じて電
流源14から供給されるストレス電流を印加する。配線
パターン7の試料像が指定時間毎に取り込まれ、配線パ
ターン7が断線に至るまでの状態が記録・表示される。
表示は、例えば、以前の状態との差異像をとり、変化分
のみを強調することで行われる。また、試料像と同時
に、電流値や抵抗値などの電気パラメータの推移も収集
・記録・表示される。勿論、監視したい配線の数に応じ
て、使用するプローブや電源の数は追加できる。
【0097】なお、印加ストレスは、直流電流に限ら
ず、交流電流やパルス的電流であってもよい。また、電
流の他に、電圧や動作用電気信号を印加したり、試料を
加熱、或いは冷却し、温度による変化を観察・監視する
ことも可能である。なお、加熱する場合は、熱電子や加
熱部からの発光が像信号のノイズとして働くため注意が
要る。さらに、これら複数のストレスを組み合わせて同
時に加えてもよい。なお、これらストレスを試料に加え
るための機構は、従来の走査形電子顕微鏡観察などで用
いられている方式に準ずるものである。
【0098】5番目の観察手法として、断層観察があ
る。電子ビームのエネルギーに依存して得られる試料深
さ方向の情報が変化することを利用するものである。
【0099】図22に処理フローの例を示す。電子ビー
ムの加速電圧を変化させながら、逐次試料像を取り込ん
でゆく。
【0100】まず、或る加速電圧に設定したあと、電子
ビームの調整と同一視野の確保を行う。電子ビームの調
整とは、高解像条件を維持するために、軸合わせや焦点
合わせ、非点収差補正などを行うことである。同一視野
の確保は、加速電圧を変更しても、常に同一視野領域を
観察できるようにすることである。たとえば、先に取り
込んだ試料像を基準として、基準像に観察中の試料像が
一致するように電子ビームの走査領域を調整する方法を
採る。または、電子線露光装置で用いられるアライメン
ト方式に準じて、指定した像中の対象物をアライメント
マーク代わりに用い、位置合わせすることも可能であ
る。
【0101】次に、指定領域の試料像を取り込む。取り
込まれる試料像は、設定された加速電圧が高い時ほど、
より深い部分までの情報を持ったものとなる。
【0102】たとえば、図23に示すような、試料2の
内部に配線パターン7bと7b′,7b′′が在る場合
を考える。
【0103】設定された加速電圧が比較的低く、走査電
子ビーム1bの侵入深さが、深さdに位置する配線パタ
ーン7b付近であるとすれば、得られる試料像Aには配
線パターン7bが見え、より深くに在る配線パターン7
b′,7b′′は観察されない。
【0104】一方、比較的高い加速電圧を印加し、電子
ビーム1b′の侵入深さがd′に位置する配線パターン
7b′,7b′′まで達する時には、得られる試料像
A′中に、配線パターン7b′,7b′′が観察され
る。
【0105】従って、試料像A′とAの差画像を作れ
ば、深さd′近傍の断層画像A′、すなわち、配線パタ
ーン7b′,7b′′のみの画像が得られる。このよう
にして求めた複数の断層像を組み合わせることによっ
て、試料内部の立体形状を得ることも可能である。
【0106】なお、通常、試料像AとA′とでは、信号
レベルやコントラストの大きさが異なる。従って、精度
の高い差画像を求めるための前処理として、試料像A,
A′間で信号レベルやコントラストの大きさを合わせる
ことが必要である。
【0107】差信号を求めるための前処理の一例を図2
4に示す。試料像AとA′の像信号は、まずAND処理
を受ける。このAND処理では、画素毎に像信号の有無
が比較され、A′像のみに像信号のある部分Cと、A・
A′像共に信号のある部分Dとに分けられる。
【0108】この場合、Cの部分は配線パターン7b′
に相当し、そのまま断層像の信号として用いられる。
【0109】一方、Dの部分については、さらに信号レ
ベル合わせや、コントラスト合わせ処理が施され、その
結果を減算する。減算処理後の差分信号Eは、配線パタ
ーン7b′′に相当し、C部分の信号と組み合わされて
断層像A′の信号となる。
【0110】半導体デバイスに電子ビームを照射する時
の問題として、デバイスの照射損傷がある。照射損傷
は、デバイス特性を劣化させるため、損傷を低減、或い
は回復させることが必須となる。
【0111】照射損傷の原因を検討した結果、図25に
示すように、高エネルギーの反射電子3が、試料2と試
料上部にある対物レンズ18の下面との間で多重散乱し
ており、この多重散乱が大きな損傷を与える主要因であ
ることが判った。
【0112】反射電子の多重散乱対策を検討するため、
試料・対物レンズ部分を拡大した断面図が図26であ
る。
【0113】図26(a)に示すように、従来は、対物
レンズの上部磁極18aと下部磁極18bがつくる電子
ビーム通路に、リン青銅製の真空シールドパイプ28を
通していた。しかし、リン青銅は電子の反射係数が大き
く多重散乱し易い。
【0114】図26(b)は、反射電子多重散乱抑制の
一手法を示すものである。真空シールドパイプ28の試
料2に面した試料対向部28aを、軽元素で電子の反射
係数が小さいカーボンを用いて製作するとともに、断面
形状を反射電子の散乱が拡がりにくい鋸歯状としたもの
である。
【0115】なお、試料対向部28aの材料はアルミニ
ウムなどの軽金属材料でもよい。形状も鋸歯状に限ら
ず、櫛状を呈する形状としてもよい。
【0116】一方、照射損傷の回復については、たとえ
ば、観察時の電子ビーム照射によりシフトしたMOSデ
バイスのしきい値が、450℃の水素アニールで回復す
ることを確認している。観察後、用途に応じて試料をア
ニールすることが必要である。観察後、連続して試料の
アニール処理ができるようにすることが最良である。
【0117】アニール機能は試料ステージ21に設けた
加熱機構を用いてもよいし、ローダ/アンローダ室20
に加熱機構を付加してもよいし、別ユニットにすること
も可能である。加熱は抵抗加熱方式を用いてもよいし、
ランプ加熱方式を用いてもよい。また、アニール処理部
には、水素や窒素などのガス導入ができる。
【0118】上記実施例では、二次電子検出器24を対
物レンズ18の上部に設け、対物レンズの磁場を利用し
て二次電子を収集する方式を用いているが、代わりに、
対物レンズ下部に二次電子検出器を装着し、印加した電
界により二次電子を検出する方式を用いてもよい。
【0119】また、二次電子検出器は、シンチレータ・
光電子増倍管の代わりに、二次電子増倍管を用いてもよ
い。
【0120】また、信号として用いる二次情報は、二次
電子以外のX線や光、吸収電子などを検出してもよい。
【0121】また、二次情報の信号量を大きくするため
に、観察すべき試料上に二次電子や蛍光などを発生し易
い物質を薄く堆積または塗布してもよい。図27は、そ
の一例を示すものである。試料2の上に、二次電子放出
率の高い酸化物質を薄く堆積し、散乱電子3bによって
生成される二次電子数を多くするものである。なお、別
の例として、酸化物の代わりに蛍光材を薄く塗布し、散
乱電子による蛍光材の発光を検出してもよい。
【0122】また、試料はウェハに限らず、パッケージ
に組み込まれたデバイスでも構わない。
【0123】また、試料の処理はロット処理に限らず、
枚葉処理でも対応できる。また試料の着脱はオペレータ
が人手で行う代わりに、他の処理装置と自動搬送できる
ようにしてもよい。
【0124】また、試料の観察場所の移動・回転・傾斜
は、試料ステージを移動、回転、傾斜させる代わりに、
電子ビームの照射位置を移動、照射領域を回転、照射方
向を傾斜させるようにしてもよい。
【0125】また、用いる粒子線は電子ビームに限ら
ず、イオンビームやレーザビームなど他の刺激ビームを
用いてもよい。
【0126】また、二次情報を得るための一次情報は、
散乱電子に限らず、電磁波などを用いてもよい。
【0127】なお、対象とする試料は、半導体デバイス
に限らず、ホトマスク基板や表示デバイス、配線基板、
光ディスク、或いは金属材料、高分子材料、生体などで
あっても構わない。生体など軽元素の対象については、
コントラストを大きくするため、重金属で染色すること
も可能である。
【0128】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変更可能であることはいうまでもない。
【0129】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0130】本発明の走査試料像表示技術によれば、上
述の新しく発見された現象を応用することにより、従来
困難または不可能とされていたことが容易に行える。効
果のある用途の例を下記する。
【0131】観察という面では、非破壊で、試料内部
の構造・欠陥・異物などを観察できる、従来に比べ
て、凹凸のより大きく・激しい表面構造の観察ができ
る、表面および内部構造の三次元形状を求められる、
断層観察ができる、従来に比べて、非導電性材料を
より高解像で観察できる、などの効果が得られる。
【0132】検査・計測という面では、非破壊で、試
料内部および表面に形成されたパターンや構造の測長・
測高ができる、試料内部および表面に存在する粒子や
ドメイン・気泡・異種物質などを計数・計測できる、
試料内部および表面に存在するパターン欠陥や異物など
を検査できる、試料内部および表面の構造の変化の推
移をその場監視できる、従来に比べて、より高精度の
測長・計測、より高感度の欠陥・異物検査が可能とな
る、などの効果が得られる。
【0133】また、欠陥検査などにおいては、成分分析
機能や欠陥修正機能などを併用することにより、より効
率的な作業ができる。
【0134】なお、他の処理装置と組み合わせることに
より、インラインプロセスモニターとしても応用でき
る。
【0135】また、本手法を適用することにより、上述
のように従来不可能または困難であったことが実現でき
るため、より高品質で信頼性の高いデバイスや部品を、
経済的に製作できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走査試料像表示技術の原理を模式的に
示す概念図である。
【図2】走査電子ビームエネルギーと二次電子放出量と
の関係をモデル的に示す線図である。
【図3】散乱電子量の分布の一例を示す概念図である。
【図4】半導体デバイスの観察に必要な電子ビームエネ
ルギーを求めるための概念図である。
【図5】半導体デバイスの観察に必要な電子ビームエネ
ルギーを求めるための概念図である。
【図6】試料表面の状況によるコントラストの変化の一
例を説明する概念図である。
【図7】試料表面の状況によるコントラストの変化の一
例を説明する概念図である。
【図8】試料表面の状況によるコントラストの変化の一
例を説明する概念図である。
【図9】本発明の一実施例である走査試料像表示装置の
構成の一例を模式的に示す略断面図である。
【図10】その作用の一例を示す処理フロー図である。
【図11】本発明の一実施例である走査試料像表示技術
による測長方法の一例を示す概念図である。
【図12】本発明の一実施例である走査試料像表示技術
による測長方法の一例を示す概念図である。
【図13】本発明の一実施例である走査試料像表示技術
によって試料の三次元形状を求める方法の一例を示す概
念図である。
【図14】本発明の一実施例である走査試料像表示技術
によって試料の三次元形状を求める方法の一例を示す処
理フロー図である。
【図15】(a)および(b)は、本発明の一実施例で
ある走査試料像表示技術によって粒子の計数を行う方法
の一例を示す概念図である。
【図16】本発明の一実施例である走査試料像表示技術
によって粒子の計数を行う場合の処理フロー図である。
【図17】本発明の一実施例である走査試料像表示技術
によって結晶粒の結晶方向を求める方法の一例を示す概
念図である。
【図18】欠陥検査の対象となる欠陥の種類の一例を示
す説明図である。
【図19】本発明の一実施例である走査試料像表示技術
によって欠陥検査を行う方法の一例を示す概念図であ
る。
【図20】本発明の一実施例である走査試料像表示技術
によって欠陥検査を行う方法の処理フロー図である。
【図21】本発明の一実施例である走査試料像表示技術
によって半導体デバイスの加速試験を行う場合の概念図
である。
【図22】本発明の一実施例である走査試料像表示技術
によって試料の三次元構造を観察する場合の一例を示す
処理フロー図である。
【図23】本発明の一実施例である走査試料像表示技術
によって試料の三次元構造を観察する場合の一例を示す
概念図である。
【図24】本発明の一実施例である走査試料像表示技術
によって試料の三次元構造を観察する場合の一例を示す
概念図である。
【図25】反射電子の多重散乱の一例を示す概念図であ
る。
【図26】(a)および(b)は、本発明の一実施例で
ある走査試料像表示装置における反射電子多重散乱抑制
の一手法を示す略断面図である。
【図27】本発明の一実施例である試料の構造および作
用の一例を示す略断面図である。
【符号の説明】
1a,1b 電子ビーム 1S,2S 走査線 2 試料 2a,2b 異なる材質 2c 異種物質 2d,2e 試料の構造 3 反射電子 3a 反射電子(一次情報) 3b 散乱電子 4a,4b 電磁波 5a 二次電子 5b 二次電子(二次情報) 6 多結晶構造(内部構造) 6a〜6c 結晶粒(内部構造) 7 配線パターン 7a,7b 配線パターン 8c 粒子 9 特性X線 10 レーザ光線 11 ガスノズル 12 エッチングガス 13 プローブ 14 電流源 15 電子銃 16 加速管 17 収束レンズ 18 対物レンズ 18a 上部磁極 18b 下部磁極 19 偏向器 20 ローダ/アンローダ室 21 試料ステージ 21a X・Y移動機構 21b 回転・傾斜機構 22 試料室 23 真空バルブ 24 二次電子検出器 25 信号増幅処理装置 26 ディスプレイ 27 検出器 28 真空シールドパイプ 28a 試料対向部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査粒子線を試料に照射し、前記走査粒
    子線が前記試料と作用して生じる散乱粒子やX線,光な
    どの一次情報が、前記試料と再度相互作用した結果生じ
    る二次電子や光などの二次情報を主たる像形成の信号と
    して用いることを特徴とする走査試料像表示方法。
  2. 【請求項2】 前記走査粒子線が、50keV以上のエ
    ネルギーを持った電子ビームであり、前記二次情報が、
    前記電子ビームの照射によって発生する散乱電子と前記
    試料との相互作用によって発生する二次電子或いは電磁
    波であることを特徴とする請求項1記載の走査試料像表
    示方法。
  3. 【請求項3】 二つ以上の異なる入射エネルギーおよび
    /または入射角を有する前記粒子線で観察された複数の
    試料像に基づいて、断層像および/または立体像を形成
    することを特徴とする請求項1または2記載の走査試料
    像表示方法。
  4. 【請求項4】 前記試料の識別情報を読み取り、読み取
    った識別情報に基づいて対応する作業指示・作業条件・
    作業データを設定する第1の処理、指定された作業指示
    ・作業条件・作業データに基づいて、指定された試料に
    ついて、指定された場所および/または指定された時間
    および指定された作業を自動的に遂行する第2の処理、
    試料像と三次元形状など、複数の画像を同時に表示する
    第3の処理、外部装置との間で、作業指示・作業条件・
    作業データ・検出画像データ・計測データなどの情報を
    オンラインで転送および入出力する第4の処理、前記粒
    子線と前記試料との位置合わせおよび/または位置出し
    を行う第5の処理、前記試料の表面或いは内部の少なく
    とも一方に形成されたパターンの寸法および/または位
    置座標を測定する第6の処理、指定された前記試料につ
    いて、当該試料内の一或いは複数のパターンを自動的に
    測定する第7の処理、指定された前記試料について、当
    該試料内の一或いは複数のパターンの測定値と、予め設
    定された所望の規格値とを照合して当該パターンの良否
    を判定し、判定結果に基づいて予め設定された手順に従
    って当該試料を処理する第8の処理、前記試料の表面お
    よび/または内部に存在する粒子やドメインなどの試料
    構造に関して、その種類・数・大きさなどを計測する第
    9の処理、指定された前記試料について、当該試料内の
    一或いは複数の領域を自動的に計測し、計測値の統計処
    理結果を求め、必要に応じて表示・記憶あるいは出力す
    る第10の処理、前記粒子線の前記試料に対する照射方
    向および或いは照射角度を変更する第11の処理、二つ
    以上の指定された照射角度から観察された複数の試料像
    を基に、三次元情報の表示および記憶および出力の少な
    くとも一つを行う第12の処理、前記粒子線の照射エネ
    ルギーの変更、および照射エネルギー変更時の焦点合わ
    せなどの粒子調整、および照射エネルギーの変更時にお
    ける同一視野の確保の少なくとも一つを行う第13の処
    理、二つ以上の指定された入射エネルギーおよび入射角
    度の少なくとも一方を有する粒子線で観察された複数の
    試料像を基に、断層画像および/または立体画像を構成
    し、当該断層画像および/または立体画像の表示および
    記憶および出力の少なくとも一つを行う第14の処理、
    前記試料に対して、一または複数の電圧および電流およ
    び電気信号の少なくとも一つを印加する第15の処理、
    指定した試料について、所定の電圧および/または電流
    および/または電気信号を印加する動作、および指定の
    時間に指定された領域の試料像を取り込む動作、および
    先に取り込まれた当該指定領域の試料像と比較し変化を
    検出する動作、および指定の時間に前記試料の指定され
    たパラメータの推移データを取り込む動作、および像デ
    ータおよび/または推移データの、表示および/または
    記憶および/または出力を行う動作の、少なくとも一つ
    を行う第16の処理、前記試料の温度を任意に設定する
    第17の処理、指定した前記試料について、当該試料を
    所定の温度にする動作、および指定の時間に指定された
    領域の試料像を取り込む動作、および先に取り込まれた
    当該指定領域の試料像と比較し変化を検出する動作、お
    よび指定の時間に前記試料の指定されたパラメータの推
    移データを取り込む動作、および像データおよび/また
    は推移データの、表示および/または記憶および/また
    は出力を行う動作、の少なくとも一つを行う第18の処
    理、指定された前記試料について、指定された領域の試
    料像を取り込み、予め指示された記憶像と比較する動
    作、および試料像と前記記憶像の差異を抽出する動作、
    および差異部分の試料内位置座標を検出する動作、およ
    び差異部分の像,位置座標データなどの表示および/ま
    たは記憶および/または出力を行う動作、の少なくとも
    一つを行う第19の処理、指定された前記試料につい
    て、当該試料内の指定された一または複数の部分のエッ
    チングおよび/または膜堆積を行う第20の処理、指定
    された前記試料について、当該試料内の指定された一ま
    たは複数の部分の成分分析を行う第21の処理、前記粒
    子線の照射による観察後の前記試料をアニール処理する
    第22の処理、の各処理のうちの少なくとも一つを行う
    ことを特徴とする請求項1,2または3記載の走査試料
    像表示方法。
  5. 【請求項5】 走査粒子線を試料に照射する粒子線源
    と、前記走査粒子線の前記試料に対する走査を制御する
    粒子線制御手段と、少なくとも、前記走査粒子線が前記
    試料と作用して生じる散乱粒子やX線,光などの一次情
    報が、前記試料と再度相互作用した結果生じる二次電子
    や光などの二次情報を検出する検出手段と、少なくとも
    前記二次情報の信号に基づいて前記試料の観察画像を形
    成する画像形成手段とを備えたことを特徴とする走査試
    料像表示装置。
  6. 【請求項6】 前記走査粒子線が、50keV以上のエ
    ネルギーを持った電子ビームであり、前記二次情報が、
    前記電子ビームの照射によって発生する散乱電子と前記
    試料との相互作用によって発生する二次電子或いは電磁
    波であることを特徴とする請求項5記載の走査試料像表
    示装置。
  7. 【請求項7】 前記試料の識別情報を読み取り、読み取
    った識別情報に基づいて対応する作業指示・作業条件・
    作業データを設定する第1の手段、指定された作業指示
    ・作業条件・作業データに基づいて、指定された試料に
    ついて、指定された場所、指定された時間および指定さ
    れた作業を自動的に遂行する第2の手段、試料像と三次
    元形状など、複数の画像を同時に表示する第3の手段、
    外部装置との間で、作業指示・作業条件・作業データ・
    検出画像データ・計測データなどの情報をオンラインで
    転送および入出力する第4の手段、前記粒子線と前記試
    料との位置合わせおよび/または位置出しを行う第5の
    手段、前記試料の表面或いは内部の少なくとも一方に形
    成されたパターンの寸法および/または位置座標を測定
    する第6の手段、指定された前記試料について、当該試
    料内の一或いは複数のパターンを自動的に測定する第7
    の手段、指定された前記試料について、当該試料内の一
    或いは複数のパターンの測定値と、予め設定された所望
    の規格値とを照合して当該パターンの良否を判定し、判
    定結果に基づいて予め設定された手順に従って当該試料
    を処理する第8の手段、前記試料の表面および/または
    内部に存在する粒子やドメインなどの試料構造に関し
    て、その種類・数・大きさなどを計測する第9の手段、
    指定された前記試料について、当該試料内の一或いは複
    数の領域を自動的に計測し、計測値の統計処理結果を求
    め、必要に応じて表示・記憶あるいは出力する第10の
    手段、前記粒子線の前記試料に対する照射方向および或
    いは照射角度を変更する第11の手段、二つ以上の指定
    された照射角度から観察された複数の試料像を基に、三
    次元情報の表示および記憶および出力の少なくとも一つ
    を行う第12の手段、前記粒子線の照射エネルギーの変
    更、および照射エネルギー変更時の焦点合わせなどの粒
    子調整、および照射エネルギーの変更時における同一視
    野の確保の少なくとも一つを行う第13の手段、二つ以
    上の指定された入射エネルギーおよび入射角度の少なく
    とも一方を有する粒子線で観察された複数の試料像を基
    に、断層画像および/または立体画像を構成し、当該断
    層画像および/または立体画像の表示および記憶および
    出力の少なくとも一つを行う第14の手段、前記試料に
    対して、一または複数の電圧および電流および電気信号
    の少なくとも一つを印加する第15の手段、指定した試
    料について、所定の電圧および/または電流および/ま
    たは電気信号を印加する動作、および指定の時間に指定
    された領域の試料像を取り込む動作、および先に取り込
    まれた当該指定領域の試料像と比較し変化を検出する動
    作、および指定の時間に前記試料の指定されたパラメー
    タの推移データを取り込む動作、および像データおよび
    /または推移データの、表示および/または記憶および
    /または出力を行う動作の、少なくとも一つを行う第1
    6の手段、前記試料の温度を任意に設定する第17の手
    段、指定した前記試料について、当該試料を所定の温度
    にする動作、および指定の時間に指定された領域の試料
    像を取り込む動作、および先に取り込まれた当該指定領
    域の試料像と比較し変化を検出する動作、および指定の
    時間に前記試料の指定されたパラメータの推移データを
    取り込む動作、および像データおよび/または推移デー
    タの、表示および/または記憶および/または出力を行
    う動作、の少なくとも一つを行う第18の手段、指定さ
    れた前記試料について、指定された領域の試料像を取り
    込み、予め指示された記憶像と比較する動作、および試
    料像と前記記憶像の差異を抽出する動作、および差異部
    分の試料内位置座標を検出する動作、および差異部分の
    像,位置座標データなどの表示および/または記憶およ
    び/または出力を行う動作、の少なくとも一つを行う第
    19の手段、指定された前記試料について、当該試料内
    の指定された一または複数の部分のエッチングおよび/
    または膜堆積を行う第20の手段、指定された前記試料
    について、当該試料内の指定された一または複数の部分
    の成分分析を行う第21の手段、前記粒子線の照射によ
    る観察後の前記試料をアニール処理する第22の手段、
    の各手段のうちの少なくとも一つを備えたことを特徴と
    する請求項5または6記載の走査試料像表示装置。
  8. 【請求項8】 前記粒子線制御手段の前記試料の対向す
    る下端部を、カーボンなどの軽元素材料を用いて非平坦
    形状を呈するように構成したことを特徴とする請求項
    4,5または6記載の走査試料像表示装置。
  9. 【請求項9】 表面に前記二次情報を発生し易い薄膜を
    塗布または堆積によって形成したことを特徴とする試
    料。
  10. 【請求項10】 前記薄膜が、二次電子放出量の高い酸
    化物材料、および光発生する蛍光材料、の少なくとも一
    方からなることを特徴とする請求項9記載の試料。
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