JPH0529044B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、例えば、磁気ロータリーエンコー
ダ等に適用され、磁気記録媒体に記録された磁気
情報を、固有抵抗値が磁界の変化に応じて変化す
る磁気抵抗素子を用いて読み取る磁気エンコーダ
用磁気抵抗センサに関する。

「従来の技術」 周知のように、磁気ロータリーエンコーダは、
第２図イおよびロに示すように、入力軸１に連結
された円盤状の磁気記録媒体２と、この磁気記録
媒体２と所定のギヤツプＧを隔てて対向し、磁気
記録媒体２に記録された磁気情報を読み取る磁気
抵抗センサ３とから構成されている。この磁気抵
抗センサ３は、例えば、ガラス基板上に蒸着され
たNi−Fe合金などからなる磁気抵抗素子（MR
素子）によつて構成されており、MR素子の固有
抵抗が磁界の変化に伴つて変化する現象、いわゆ
る磁気抵抗効果を利用して、磁気記録媒体２上に
記録された磁気情報を読み取るようになつてい
る。そして、磁気記録媒体２には、その変位方向
（円周方向）に沿つて一定間隔毎にマーク２ａ，
２ａ…が磁気的に記録されており、このマーク２
ａ，２ａ…を変位検出用の磁気抵抗センサ３ａに
よつて読み取ることにより、磁気記録媒体２の回
転量、つまり入力軸１の回転量が検出されるよう
になつている。また、磁気記録媒体２の原点位置
には、原点マーク２ｂが磁気的に記録されてお
り、この原点マーク２ｂは原点検出用の磁気抵抗
センサ３ｂによつて検出されるようになつてい
る。

「発明が解決しようとする問題点」 ところで、上述した磁気ロータリーエンコーダ
に適用される磁気抵抗センサ３においては、変位
検出用の磁気抵抗センサ３ａと、原点検出用の磁
気抵抗センサ３ｂが各々別個に設けられていた。
したがつて、これら各センサ３ａ，３ｂによつ
て、磁気ロータリーエンコーダ内部の空間が占有
されてしまい、これが磁気ロータリーエンコーダ
の小形低廉化を阻害する要因となつていた。

また、各センサ３ａ，３ｂを構成するMR素子
は、磁気記録媒体２から受ける磁界の変化に応じ
て固有抵抗値が変化するものであるから、ギヤツ
プＧが正確に調整されていないと、MR素子に作
用する磁界が変化してしまい、磁気記録媒体２に
記録された磁気情報の読み出しが正確に行なわれ
なくなつてしまう。したがつて、組み立て時にお
いて、磁気記録媒体２との間のギヤツプＧを正確
に調整しなければならない。そこで、従来は、変
位検出用の磁気抵抗センサ３ａの検出信号に基づ
いてギヤツプＧを調整していたが、ギヤツプＧが
定量的に検出されないので、ギヤツプの調整作業
が極めて煩雑であつた。これを改善するために
は、ギヤツプＧを定量的に検出するセンサを別途
設けなければならないが、このギヤツプＧを定量
的に検出するセンサを、磁気ロータリーエンコー
ダ内に組み込んだ場合、小形低廉化がさらに阻害
されてしまう。

この発明は上述した事情に鑑みてなされたもの
で、磁気エンコーダの小型低廉化を図ることがで
きるとともに、磁気記録媒体との間のギヤツプを
定量的に検出する機能を有し、ギヤツプの調整作
業の簡便化をはかることができる磁気エンコーダ
用磁気抵抗センサを提供することを目的としてい
る。

「問題点を解決するための手段」 この発明は、磁気記録媒体に記録された原点位
置情報を読み取る原点検出用素子と、前記磁気記
録媒体に一定間隔で記録された位置情報を読み取
る変位検出用素子と、前記磁気記録媒体との間の
ギヤツプを静電容量に基づいて検出するギヤツプ
検出用電極とを、固有抵抗値が磁界の変化に応じ
て変化する磁気抵抗素子によつて、同一基板上に
各々設けたことを特徴としている。

「作用」 原点検出用素子と、変位検出用素子と、ギヤツ
プ検出用電極とが全て同一基板上に設けられてい
るので、磁気エンコーダ内部を占有する空間が少
なくて済み、磁気エンコーダの小形低廉化が図ら
れ、またギヤツプ検出用電極と磁気記録媒体との
間の静電容量を検出することにより、磁気記録媒
体との間のギヤツプが定量的に検出され、これに
より、ギヤツプを自動的に調整することが可能と
なり、ギヤツプの調整作業の簡便化が図られる。

「実施例」 以下、図面を参照し、この発明の実施例を説明
する。

第１図イおよびロはこの発明の一実施例の構成
を示す図である。これらの図において、４は長方
形状のホウ酸ガラス製の電気絶縁基板であり、こ
の電気絶縁基板４の上面４ａには、原点検出用素
子５と、変位検出用素子６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄ
と、ギヤツプ検出用電極７，８，９と、モニター
用素子１０と、端子T₁〜T₁₇が設けられている。
これらは、Ni−Fe合金からなるMR素子によつ
て構成され、真空蒸着またはスパツタリング法な
どによつて形成されている。このようにされた磁
気抵抗センサ１２の各部の機能を述べれば以下の
通りである。

原点検出用素子５は、第２図イに示すように磁
気記録媒体２に磁気的に記録された原点マーク２
ｂを検出するためのもので、第２図ロに示す従来
の磁気抵抗センサ３ｂに代わるものである。ま
た、変位検出用素子６ａ〜６ｄは第２図ロに示す
従来の磁気抵抗センサ３ａに代わるものであり、
素子６ａおよび６ｂは磁気記録媒体２の変位を直
接検出するセンサとして機能し、磁気記録媒体２
に一定間隔毎に磁気的に記録されたマーク２ａ，
２ａ…を、90度の位相差をもつて検出するように
各々配置されている。さらに、素子６ｃおよび６
ｄは、素子６ａおよび６ｂとブリツジ接続するこ
とにより、周囲温度の変化に伴う素子の特性変動
を相殺する素子として機能する。このような構成
によれば、原点検出用素子５と変位検出用素子６
ａ〜６ｂが同一基板上に設けられているので、こ
れらの各素子間の相対的な位置関係がずれてしま
うことがなく、マーク２ａ，２ａ…と原点マーク
２ｂが正規の位相差を有して検出される。

電極７，８，９は磁気記録媒体２との間の静電
容量に基づいて、磁気記録媒体２と各電極３，
４，５との間のギヤツプを各々検出するギヤツプ
センサとして機能する。また、モニタ用素子１０
は磁気抵抗センサ１２の製造工程の検査段階にお
いて、上記変位検出用素子６ａ，６ｂ等の各素子
の特性評価を行う際に使用される。この場合、磁
気抵抗センサ１２を平行磁界中に置き、モニタ用
素子１０の検出信号に基づいて特性評価が行なわ
れる。

なお、上述した一実施例においは、磁気抵抗セ
ンサ１２の外形寸法を縦10.0mm×横8.5mm×厚さ
0.7mmとし、図に実線で示すセンサーストライプ
の巾を10μｍとしている。

このように構成された磁気抵抗センサ１２を用
いて、磁気記録媒体２との間のギヤツプＧを検出
する場合は、磁気ロータリーエンコーダの入力軸
１（第２図参照）と、磁気抵抗センサ１２の各電
極７，８，９との間の静電容量に基づいて、入力
軸１に連結された磁気記録媒体２と各電極７，
８，９の間のギヤツプを各々検出する。この場
合、磁気記録媒体２に対する磁気抵抗センサ１２
の傾き具合も同時に検出される。したがつて、上
述した磁気抵抗センサ１２を適用した磁気ロータ
リーエンコーダの製造工程においては、磁気記録
媒体２と磁気抵抗センサ１２の各電極７，８，９
との間の静電容量が、全て定められた規定値とな
るように、磁気抵抗センサ１２の取り付け位置の
調整を行ことにより、磁気抵抗センサ１２と磁気
記録媒体２との間のギヤツプが規定の値に調整さ
れ、かつ磁気抵抗センサ１２が磁気記録媒体２に
対して平行となるように調整される。この場合、
磁気抵抗センサ１２と磁気記録媒体２との間のギ
ヤツプが定量的に検出されるので、組み立て作業
員が手作業でギヤツプを調整するのではなく、機
械的なギヤツプ調整機構等によつてギヤツプを自
動的に調整することが可能となる。

「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、磁気
記録媒体に記録された原点位置情報を読み取る原
点検出用素子と、前記磁気記録媒体に一定間隔で
記録された位置情報を読み取る変位検出用素子
と、前記磁気記録媒体との間のギヤツプを静電容
量に基づいて検出するギヤツプ検出用電極とを、
固有抵抗値が磁界の変化に応じて変化する磁気抵
抗素子によつて、同一基板上に各々設けたので、
磁気エンコーダ内部を占有する空間が少なくて済
み、磁気エンコーダの小形定廉化が図られるとと
もに、同一基盤に対して同一材料を蒸着等すれば
よいので、極めて簡単に製造できる。またギヤツ
プ検出用電極と磁気記録媒体との間の静電容量を
検出することにより、磁気記録媒体との間のギヤ
ツプが定量的に検出され、これにより、ギヤツプ
を自動的に調整することが可能となり、ギヤツプ
の調整作業の簡便化を図ることができるという効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図イおよびロはこの発明の一実施例の構成
を示す正面図および側面図、第２図イおよびロは
従来の磁気ロータリーエンコーダの構成を示す斜
視図および側面図である。 ２……磁気記録媒体、２ａ……マーク（位置情
報）、２ｂ……原点マーク（原点位置情報）、４…
…電気絶縁基板（基板）、５……原点検出用素子、
６ａ〜６ｂ……変位検出用素子、７，８，９……
ギヤツプ検出用電極。

【特許請求の範囲】

１ 移動体に近接配置され、その移動体の移動位
置に応じてそれぞれが同一波形で1/4周期の位相
差の二相周期波を出力する位置検出器と、この位
置検出器から得られる二相周期波とヒステリシス
電圧との交点からこのヒステリシス分だけ遅れた
１／２周期の矩形波状信号を生成すると共に、前記
両二相周期波の位相の進遅から前記移動体の移動
方向を検出し、前記矩形波状信号の立上りと立下
がりから零点パルス信号を生成する波形処理回路
と、これら二つの正逆零点パルス信号を加減計数
して前記二相周期波の1/4周期を単位として粗位
置を検出するパルス計数記憶回路と、前記二相周
期波のそれぞれの瞬時値をアナログ値として検出
する瞬時値検出回路と、これによつて検出された
瞬時値から前記周期波の1/4周期間をｎ等分した
位置を検出する微細位置検出回路と、前記パルス
計数記憶回路の粗位置出力信号と微細位置検出回
路の微細位置出力信号を加算する位置検出回路