JPH05288020A - 内燃機関のラッシュアジャスタ - Google Patents

内燃機関のラッシュアジャスタ

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JPH05288020A
JPH05288020A JP8743292A JP8743292A JPH05288020A JP H05288020 A JPH05288020 A JP H05288020A JP 8743292 A JP8743292 A JP 8743292A JP 8743292 A JP8743292 A JP 8743292A JP H05288020 A JPH05288020 A JP H05288020A
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JP
Japan
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fluid
oil
pressure chamber
high pressure
lash adjuster
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Withdrawn
Application number
JP8743292A
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English (en)
Inventor
Minao Umeda
三奈生 梅田
Makoto Onozawa
誠 小野沢
Yasuyuki Igarashi
康幸 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ラッシュアジャスタにおいて、高圧室内部へ
導入する油に溶け込んでいる空気をあらかじめ析出さ
せ、装置の信頼性を高める。 【構成】 ラッシュアジャスタ10に、油の取入手段
(油導入口)3と高圧室29との間には、流体が通過す
るさいに油内にキャビテーションを発生させる発生手段
(油導入口)3を設ける。油為入口3の直径dと、油出
口31の直径d′とは、d<d′の関係にある。 【効果】 該発生手段により、高圧室に供給する油に溶
け込んでいる空気を析出させ、高圧室に導入前にあらか
じめ排除できるため、内燃機関再始動時にもラッシュア
ジャスタ本来の機能が果たされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関に用いるラッ
シュアジャスタに関する。
【0002】
【従来技術】吸排気弁を有する一般の内燃機関において
は、作動時の熱によるシリンダヘッドの膨張と動弁系要
素の膨張との差を考慮して、吸排気弁の適切なシールを
行なうため、所定のバルブクリアランスがあらかじめ設
けてある。
【0003】ところが、長時間の使用により動弁系要素
各部の摩滅等が生じ、初期設定したバルブクリアランス
が大きくなることがある。バルブクリアランスの増大は
内燃機関の性能を低下させ騒音を増大させ、場合によっ
ては有害な排気ガスの濃度をも増大しかねない。したが
って、上記不具合を防止するために、バルブクリアラン
スの点検調整という時間のかかる作業が定期的に必要と
されていた。
【0004】この内燃機関における、所定のバルブクリ
アランスにするための点検調整の煩雑さという問題を根
本的に解決したのが、ラッシュアジャスタである。ラッ
シュアジャスタは自動的にバルブクリアランスを適正な
通常は略零とするものである。
【0005】ラッシュアジャスタを使用する動弁系には
様々な形式のものが存在する。ここでは、図11に示す
ような形式の動弁系に用いられる、エンドピボット型の
ラッシュアジャスタを例にとり、その作用について以下
に説明する。
【0006】図11は、内燃機関のシリンダヘッド部分
の一部を切断し片側動弁系と共に示した図である。図1
1において、ラッシュアジャスタ1110がシリンダヘ
ッド1101内の所定位置に配置されている。ラッシュ
アジャスタ1110の頭部にはスイングアーム1103
の一端が当接しており、内燃機関動作時にはスイングア
ーム1103は、ラッシュアジャスタ1110の頭部を
支点として揺動することになる。
【0007】スイングアーム1103の他端の下面には
吸気弁もしくは排気弁1102の上端が当接しており、
この吸気弁もしくは排気弁1102は、バネ1108に
より閉じる方向へ付勢されている。カム1105はカム
軸1104と一体となっており、カム軸1104の回転
に伴って、カム1105が回転するようになっている。
カム1105は、円筒の一部であってカム軸と同軸であ
るベース円1109と、ベース円1109から突出した
カムノーズ106とから構成される。スイングアーム1
103はカム1105との間で両者が接触する接触面1
107を有している。
【0008】ラッシュアジャスタ1110は後述する構
成を有しているため、伸びる方向には自ら素早く伸長す
るが、縮む方向には強い力が加わってもわずかしか縮長
しない。
【0009】図11において、スイングアーム1103
はラッシュアジャスタ1110とバルブ1102とによ
って、カム1105に向かって押圧されており、したが
って、各接触面のクリアランスは零となっている。
【0010】この図11の状態から内燃機関が始動され
ると、カム軸1104が回転しカム1105のベース円
1109からカムノーズ1106まで接触面1107に
対するカムの当接部が移動する。それによりカムノーズ
1106は、スイングアーム1103の接触面1107
を押圧するが、ラッシュアジャスタ1110は上述した
ように外圧が加わっても縮長しないので、スイングアー
ム1103はラッシュアジャスタ1110の頭部を支点
として回動する。回動したスイングアーム1103の他
端がバルブ1102を押し下げて、バルブの開弁動作を
行なう。更に、カム1105が回動し図11の位置にカ
ムノーズ1106が戻るときには、スイングアーム11
03はバルブ1102を介して、バネ1108の付勢力
によりカム1105に向かって押圧されているので、ス
イングアーム1103の他端はカムノーズ1106の移
動と共に上方に移動し、これによりバルブの閉弁動作が
行なわれる。
【0011】このような動弁系の動作中に、ラッシュア
ジャスタ1110は動弁系各部の熱膨張や摩耗による各
部の変化を吸収し、それによりスイングアーム103の
接触面1107とカム1105との間隙すなわちバルブ
クリアランスを零とし、異音等の不具合を防止するもの
である。
【0012】更に、従来技術によるラッシュアジャスタ
について図11を参照して説明する。図11においてラ
ッシュアジャスタは、内部に略円筒状の内室すなわち内
部空間を有するカップ型本体1110aを備えている。
本体1110aの内部空間の底部近傍には、軸線方向断
面が略H型であって内部空間を2つの室に分割する円筒
状のプランジャ1110bが、カップ型本体1110a
内に軸線方向に摺動自在に嵌合され、スプリングにより
互いに離隔する方向に押圧されている。プランジャ11
10bは中央に貫通口1110cを有しており、貫通口
1110cには、外側から内側への流体の移動のみを許
可するバルブ1110dが設けられている。更に、プラ
ンジャ1110bの内部には、略中空円錐形のセパレー
タ1110eが取り付けられている。カップ型本体11
10aは、シリンダヘッド1101の油供給穴1101
aに連通する本体連通口1110fを側面に有し、プラ
ンジャ1110bは、本体連通口1110fに連通する
プランジャ連通口1110gを側面に有する。更に、プ
ランジャ1110bは、上部に排出口1110hを有す
る。排出口1110hは、スイングアーム1103の端
部に設けられた、穴1103aに連通する。
【0013】次に、図11を参照してラッシュアジャス
タの動作について説明する。図11に示す状態におい
て、ラッシュアジャスタの頭部と図示しないスイングア
ームとの間に間隙が生じたとすると、スプリングの付勢
力によりプランジャ1110bは、本体1110aに対
して離隔する方向すなわち上方に移動させられる。それ
によりプランジャと本体の間の空間(高圧室)が拡張
し、プランジャ内の流体は貫通口1110cとバルブ1
110dとの間を通過して、該高圧室に侵入する。プラ
ンジャ1110b内の流体は、一部が高圧室に侵入した
ため、その量が減少することになるが、減少分は本体連
通口1110f、プランジャ連通口1110gから導か
れる油によって補充される。この流入する油によりラッ
シュアジャスタの伸長が許容される。図11から明らか
であるが、ラッシュアジャスタにおいては、本来高圧室
に空気は侵入しない構造となっている。ところが、特殊
な条件下においては高圧室に空気が侵入することがあ
る。その場合につき以下に説明する。
【0014】ラッシュアジャスタの頭部に、カム軸11
04の回転による大きな押圧力が発生すると、プランジ
ャ1110bは下方に押圧される。しかし、バルブ11
10dが貫通口1110cに隙間なく当接しており、そ
のため高圧室内の流体は、貫通口1110cを介してプ
ランジャ1110b内に移動できない。流体は非圧縮性
流体であるがゆえ、この状態でラッシュアジャスタは縮
長することがなく、したがって、バルブクリアランスは
略零の状態に維持される。
【0015】ところで、カムノーズ1106がスイング
アーム1103との接触面1107に当接した状態で、
内燃機関が停止されることがある。このような状態が長
く続くと、スイングアーム1103の端部下面に当接し
たバルブ1102を閉位置に付勢するスプリング110
8の大きな付勢力がラッシュアジャスタの高圧室のバネ
の付勢力に打ち勝って、スイングアーム1103の端部
はバルブ1102により上方へ向かうモーメントを受け
る。その結果スイングアーム1103の反対端に当接し
ているラッシュアジャスタは、下方への押圧力を受け
る。そのため、プランジャ1110bは本体1110a
の底部に向かって徐々に押圧され、高圧室内の流体はラ
ッシュアジャスタの外壁等を伝わって、徐々に外部へと
漏出するという、いわゆるリークダウン現象が生じる。
【0016】高圧室がリークダウンによりほとんど潰れ
た状態、すなわち底付き状態で内燃機関を再始動する
と、カム1105が回動してスイングアーム1103に
当接するのがカムノーズ1106からベース円1109
へと変わり、ラッシュアジャスタの高圧室は急速に伸長
することになる。このとき、プランジャ1110b内の
流体は高圧室に吸い込まれるが、このときリザーバ上部
に存在する空気が、高圧室に導かれる場合がある。その
結果、高圧室はいわゆる「スポンジ状態」となり剛性を
失い、ラッシュアジャスタ自体の機能が損なわれること
となる。これを防止するために、リザーバ容積を十分大
きくする等の対策を採って、空気が直接高圧室へ入るの
を防止するようにしたり、プランジャ1110b内にセ
パレータ1110eを設けたりしていた。このようなセ
パレータについては、例えば実開平2−87907号公
報にて詳細に説明されている。
【0017】
【解決すべき課題】ところで、カム1105のベース円
1109がスイングアーム1103との接触面1107
に当接した状態で内燃機関が停止した場合には、底付き
状態は起こらないが、停止前は流体のみで満たされてい
た高圧室に、停止後しばらくすると空気が存在している
ことが判明した。この原因としては、流体中に溶け込ん
でいた空気が内燃機関停止後に気体として析出し、逃場
のない高圧室にのみ蓄積されたことが考えられる。この
ような現象により、底付き状態からの急速な伸張によっ
て空気巻き込みが生じた場合と同様、内燃機関の再始動
時にラッシュアジャスタの機能を損なう恐れがある。ま
たこのような現象は、上記セパレータでは防止できな
い。本願発明の目的は、再始動時の信頼性を向上させた
ラッシュアジャスタを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の内燃機関のラッシュアジャスタにおいて
は、開端部と閉端部とを有する円管状となっている本体
と、該本体に収容され、該本体の軸線方向に移動可能な
円筒状の移動部材と、該本体の閉端部と該移動部材との
間に画成された流体高圧室と、該移動部材の内部に画成
された流体リザーバ室と、該流体高圧室および該流体リ
ザーバ室に充填された非圧縮性の流体と、該流体高圧室
と該流体リザーバ室との間に設けられた流体一方向移動
防止手段と、外部から流体リザーバ室を経て流体高圧室
へと流体を取り入れる取入手段とからなっており、該流
体一方向移動防止手段は、前記流体リザーバ室から前記
流体高圧室への流体の移動を許容して該本体と該移動部
材の離隔移動を許容するが、該流体高圧室から該流体リ
ザーバ室への流体の移動を阻止することにより該本体と
該移動部材の接近移動を阻止するラッシュアジャスタに
おいて、前記取入手段と前記流体高圧室との間には、流
体が通過するさいに流体内にキャビテーションを発生さ
せる発生手段が設けられていることを特徴とする。
【0019】
【作用】本願発明の内燃機関のラッシュアジャスタによ
れば、前記取入手段と前記流体高圧室との間には、流体
が通過するさいに流体内にキャビテーションを発生させ
る発生手段が設けられているので、高圧室に流体が入る
前にほぼ溶解空気は強制的に析出され、したがって内燃
機関停止後に高圧室に空気はほとんど蓄積されない。そ
れにより、再始動時のラッシュアジャスタの機能は維持
されることとなる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は、本発明の第1の実施例であるラッシュア
ジャスタ10の軸線方向断面図である。ラッシュアジャ
スタ10は、内部に略円筒状の内室すなわち空間を有す
る略円筒状のカップ状本体1を備えている。本体1の円
筒部分の上部の側面には、図示しないシリンダヘッドの
油供給通路と連通し、ラッシュアジャスタ10内に油を
導入する油導入口3が設けられている。図2は、図1の
実施例のII部を拡大して示した図である。図2から明ら
かなように、油導入口3は斜め上方に本体1の周壁を貫
通する、長さl直径dの円筒穴である。なお、長さl直
径dは、油導入口3内を通過する油にキャビテーション
が発生し易いように決定されている。
【0021】本体1の内部空間の底部近傍には、断面が
略H形で内部空間を2つの室に分割する円筒状のプラン
ジャ5が本体1内に軸線方向摺動自在に嵌合されてい
る。プランジャ5の軸線方向上方には、おのおの円筒状
の大径部分7aと小径部分7bとからなるプランジャキ
ャップ7が、大径部分7aで本体1の内周面に摺動自在
に嵌合している。大径部分7aと小径部分7bとの接合
部内周には、円錐形内周面7cが形成されている。プラ
ンジャキャップ7の大径部分7aの下端はプランジャ5
の上端に当接しており、略一体状態で軸線方向に移動す
る。本体1の上部開放端にはキャップリテナ15が設け
られており、ラッシュアジャスタ10の組付時にプラン
ジャ5およびキャップ7が本体1から脱落しないように
キャップ7を保持している。なお、プランジャ5とプラ
ンジャキャップ7とは、必要に応じて溶接等により一体
部材とすることができる。
【0022】プランジャ5は、円筒部分5bとそれと一
体となった内部の隔壁5aとからなり、隔壁5aによっ
て、本体1内の空間を2つの室に分割している。隔壁5
aと本体1の底部に設けられた凹部との間には、高圧室
29が形成されている。また隔壁5aとプランジャキャ
ップ7の大径部分7aとの間には、高圧室29へ導入す
るための油を貯蔵するリザーバ室17が画成されてい
る。
【0023】プランジャ5の隔壁5aの略中央には貫通
孔19が設けられ、高圧室29内へリザーバ室17から
油が流入できるようになっている。高圧室29内には、
貫通孔19内に着座するチェックバルブボール21が、
チェックバルブリテナ25上に保持されたチェックバル
ブスプリング23により、上方にすなわち貫通孔19に
着座する方向に付勢されている。また、チェックバルブ
リテナ25は、プランジャ5を上方へ付勢するプランジ
ャスプリング27により支持されて、隔壁5aの周縁部
に当接している。
【0024】プランジャキャップ7の大径部分7aに
は、本体1とプランジャキャップ7との間の環状空間1
aを介して油導入口3と連通して、プランジャキャップ
7内に油を導入するための油口13が設けられている。
油口13の下方のプランジャキャップ7内にセパレータ
9が取付けられている。セパレータ9は、円筒部分9a
と円錐部分9bとを直列に連結した構造であって、円筒
部分9aをプランジャキャップ7の大径部分7aからプ
ランジャ5の内面にわたって嵌合されている。セパレー
タの上部端部9cおよび下部端部9dは開放している。
円筒部分9aの外周であって下部端部9dの近傍には、
O−リング18を挿入するための環状凹部9eが設けら
れている。
【0025】セパレータ9の円錐部分9bの外周面と、
円錐形内周面を含むプランジャキャップ7の内周面とで
形成する空間は、端部9cにおいてもっとも絞られるよ
うに構成し、油導入口3および油口13を介してプラン
ジャ内に導入される空気混入油が、直接リザーバ室に侵
入しないようにしている。
【0026】プランジャキャップ7の小径部分7bの上
方先端には、図示しないスイングアームの摺動部に潤滑
油を供給するための油出口31が設けられている。油出
口31は、直径d’の円筒穴である。図1および図2か
ら明らかなように、油導入口3の直径dと、油出口31
の直径d’とは、d<d’の関係にある。この関係によ
り油は、円筒穴内をキャビテーション発生に必要な早さ
で通過することができる。
【0027】ここで、本発明にかかるラッシュアジャス
タ10の作用について、以下に説明する。なお、ラッシ
ュアジャスタ10の組立時に、高圧室29およびセパレ
ータ9の下方のリザーバ室17には、あらかじめ空気混
入のほとんどない油が満たされている。図示しないシリ
ンダヘッドから供給される油は、空気を比較的多く混入
しており、また油自身の中にも空気が溶け込んでいる。
ラッシュアジャスタ10内の方が圧力が低いため、油は
油導入口3を介してラッシュアジャスタ10内へと勢い
よく流入する。このとき、上述したように長さl直径d
は、油導入口3内を通過する油にキャビテーションが発
生し易いように決定されているので、油が油導入口3を
通過する間に油内に溶け込んでいた空気が析出し、元よ
り油内に混入していた空気と共に油口13を介して、プ
ランジャキャップ7内に導入される。なお、本実施例で
は油導入口3が取入手段ならびにキャビテーション発生
手段を構成する。
【0028】導入された油は、セパレータ9の円錐部分
9bの外周面を伝わって上方へ向かい、プランジャキャ
ップ7の大径部分7aと小径部分7bとを充填する。こ
こで、比重の軽い空気は上方へすなわち油出口31側へ
と移動し、重い油は下方へすなわちリザーバ室17内に
侵入する。これにより油と空気との分離が達成される。
リザーバ室17内に侵入した油には空気はほとんど溶け
込んでいないため、高圧室29に補充される油もほとん
ど空気が溶け込んでおらず、内燃機関停止後に高圧室2
9に空気が蓄積されることはない。
【0029】図3は、本発明の第2の実施例であるラッ
シュアジャスタ110の軸線方向断面図である。第2の
実施例においては、第1の実施例と共通な部分について
は説明を省略し、異なる部分のみを説明する。第2の実
施例であるラッシュアジャスタ110において、本体1
01の油導入口103のみならず、プランジャキャップ
107の油口113の寸法も、キャビテーションが発生
し易いように設定してある。これにより、油中に溶け込
んだ空気を析出させる効果は更に高まる。なお、ラッシ
ュアジャスタ110の下部外周に設けられている螺旋溝
130は、シリンダヘッドの取付穴に取付ける場合に、
取付け穴内の空気を逃がすためのものである。
【0030】図4は、本発明の第3の実施例であるラッ
シュアジャスタ210の軸線方向断面図である。図5
は、図4の実施例のV部を拡大して示した図である。第
3の実施例においても、第1の実施例と共通な部分につ
いては説明を省略し、異なる部分のみを説明する。図4
および図5に示すように、第3の実施例であるラッシュ
アジャスタ210においては、本体201の油導入口2
03は直径を長さに対し比較的大きくし、その代わりプ
ランジャキャップ207の油口213の長さl直径d
を、キャビテーションが発生し易いように設定してあ
る。なお、油口213の直径dと、油出口231の直径
d’とは、d<d’の関係にある。なお、本実施例にお
いては、油口213であるキャビテーション発生手段が
高圧室の近くに設けられているため、析出した空気が再
度油中に溶け込む前にその空気を分離排除することがで
きる。
【0031】図6は、本発明の第4の実施例であるラッ
シュアジャスタ310の軸線方向断面図である。図7
は、図6の実施例のVII部を拡大して示した図である。
図8は、図6の実施例のVIII部を拡大して示した図であ
る。第4の実施例においても、第1の実施例と共通な部
分については説明を省略し、異なる部分のみを説明す
る。第4の実施例における特徴は、油導入口303およ
び油口313内に、キャビテーション発生部材303a
および313aをそれぞれ設けたことである。
【0032】図7において、円筒状のキャビテーション
発生部材313aが圧入等により油口313内に取付け
られている。キャビテーション発生部材313aは、中
央に軸線開口313bをあらかじめ形成しており、その
長さl直径dはキャビテーションが発生し易いように設
定されている。油にキャビテーションを発生させるに
は、長さlに対し所定の直径dを有する開口を精密に加
工する必要があり、プランジャ外周に直にそのような加
工することは一般的に困難である。本実施例において
は、先に円筒に開口を精密に加工してキャビテーション
部材313aを形成し、そのキャビテーション発生部材
313aを油穴313に圧入している。これにより製造
上のコスト低減、加工性向上が図られる。また、従来の
大きさの油穴313を有するプランジャキャップを流用
することもでき、経済的である。
【0033】図8において、大小の円筒を直列に重合し
た形状のキャビテーション発生部材303aが圧入等に
より、相補形状の油導入口303内に取付けられてい
る。キャビテーション発生部材303aも、中央に軸線
開口303bをあらかじめ形成しており、その長さl直
径dはキャビテーションが発生し易いように設定されて
いる。キャビテーション発生部材303aが、図7の部
材と異なるのは、二重円筒形状となっている点であり、
これにより、キャビテーション発生部材303aは圧入
が例え弛んでも、プランジャキャップ7の方へは抜けて
いかず、プランジャキャップ7の移動を阻害しない。
【0034】図9は、本発明の第5の実施例であるラッ
シュアジャスタ410の軸線方向断面図である。第5の
実施例においても、第1の実施例と共通な部分について
は説明を省略し、異なる部分のみを説明する。第4の実
施例における特徴は、油導入口403および油口413
内に、メッシュ部材からなるキャビテーション発生部材
403aおよび413aをそれぞれ設けたことである。
従来の大きさの油導入口303および油穴313を有す
る本体およびプランジャキャップを流用することもで
き、経済的である。
【0035】図10は、本発明の第6の実施例であるラ
ッシュアジャスタ510の軸線方向断面図である。第6
の実施例においても、第1の実施例と共通な部分につい
ては説明を省略し、異なる部分のみを説明する。第6の
実施例であるラッシュアジャスタ510において、本体
501の油導入口503のみならず、プランジャキャッ
プ507の油口513の寸法も、キャビテーションが発
生し易いように設定し、更に油導入口503を円周方向
等間隔に4つ設け、油口513も円周方向等間隔に4つ
設けている。これにより、油中に溶け込んだ空気を析出
させる効果は更に高まる。
【0036】以上、実施例を参照して本願発明を詳細に
説明してきたが、本願発明は上記実施例に限定して解釈
されるべきでなく、その趣旨を損ねない範囲で適宜変
更、改良可能であることはもちろんである。例えば、キ
ャビテーション発生手段は円筒状の開口のみに限られる
ことがなく、例えばスリット状であっても良い。
【0037】
【発明の効果】以上述べてきたように、本願発明の内燃
機関のラッシュアジャスタによれば、取入手段と流体高
圧室との間には、流体が通過するさいに流体内にキャビ
テーションを発生させる発生手段が設けられているの
で、高圧室に流体が入る前にほぼ空気は強制的に析出さ
れ、したがって内燃機関停止後に高圧室に空気はほとん
ど蓄積されない。それにより、再始動時のラッシュアジ
ャスタの機能は維持されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるラッシュアジャス
タ10の軸線方向断面図、
【図2】図1の実施例のII部を拡大して示した図、
【図3】本発明の第2の実施例であるラッシュアジャス
タ110の軸線方向断面図、
【図4】本発明の第3の実施例であるラッシュアジャス
タ210の軸線方向断面図、
【図5】図4の実施例のV部を拡大して示した図、
【図6】本発明の第4の実施例であるラッシュアジャス
タ310の軸線方向断面図、
【図7】図6の実施例のVII部を拡大して示した図、
【図8】図6の実施例のVIII部を拡大して示した図、
【図9】本発明の第5の実施例であるラッシュアジャス
タ410の軸線方向断面図、
【図10】本発明の第6の実施例であるラッシュアジャ
スタ510の軸線方向断面図、
【図11】内燃機関のシリンダヘッド部分の一部を切断
し片側動弁系と共に示した図である。
【符号の説明】
1、101、201、301、401、501・・・・・・本
体 7、107、207、307、407、507・・・・・・プ
ランジャキャップ 3、103、203、303、403、503・・・・・・油
導入口 13、113、213、313、413、513・・・・・・
油口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開端部と閉端部とを有する円管状となっ
    ている本体と、 該本体に収容され、該本体の軸線方向に移動可能な円筒
    状の移動部材と、 該本体の閉端部と該移動部材との間に画成された流体高
    圧室と、 該移動部材の内部に画成された流体リザーバ室と、 該流体高圧室および該流体リザーバ室に充填された非圧
    縮性の流体と、 該流体高圧室と該流体リザーバ室との間に設けられた流
    体一方向移動防止手段と、 外部から流体リザーバ室を経て流体高圧室へと流体を取
    り入れる取入手段とからなっており、 該流体一方向移動防止手段は、前記流体リザーバ室から
    前記流体高圧室への流体の移動を許容して該本体と該移
    動部材の離隔移動を許容するが、該流体高圧室から該流
    体リザーバ室への流体の移動を阻止することにより該本
    体と該移動部材の接近移動を阻止するラッシュアジャス
    タにおいて、 前記取入手段と前記流体高圧室との間には、流体が通過
    するさいに流体内にキャビテーションを発生させる発生
    手段が設けられていることを特徴とする内燃機関のラッ
    シュアジャスタ。
  2. 【請求項2】前記発生手段は、所定の長さに対する断面
    積を有する通路であって、前記移動体の内部に気泡分離
    機構が設けられ、前記移動体の上部には排出口が設けら
    れ、前記排出口の断面積は、前記発生手段の断面積より
    も大きいことを特徴とする請求項1記載のラッシュアジ
    ャスタ。
JP8743292A 1992-04-09 1992-04-09 内燃機関のラッシュアジャスタ Withdrawn JPH05288020A (ja)

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