JPH05280703A - ボイラ汚れ推定装置 - Google Patents

ボイラ汚れ推定装置

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JPH05280703A
JPH05280703A JP4073993A JP7399392A JPH05280703A JP H05280703 A JPH05280703 A JP H05280703A JP 4073993 A JP4073993 A JP 4073993A JP 7399392 A JP7399392 A JP 7399392A JP H05280703 A JPH05280703 A JP H05280703A
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JP
Japan
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boiler
dirt
heat
state
heat transfer
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Withdrawn
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JP4073993A
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English (en)
Inventor
Makio Masuda
真喜夫 桝田
Toshikatsu Fujiwara
敏勝 藤原
Shoji Naito
昭二 内藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボイラ伝熱面の汚れ状態を監視し、ボイラ伝
熱面に対する現在の汚れ及び任意ステップ先の汚れを予
測して表示できるようにする。 【構成】 状態判定装置23は、各種センサ21の検知
情報から現在ボイラがどの負荷レベルでどのように運転
されているかを判定する。燃料性状決定装置24は、燃
料情報22から現状の燃料性状を決定する。ガス温度積
み上げ演算装置25は、状態判定装置23からの情報及
び燃料性状決定装置24からの情報により積み上げ演算
を行ない、各伝熱面のガス温度を推定し、このガス温度
から熱貫流率を求める。静的状態汚れ演算装置27は、
上記熱貫流率と実観測値から得た熱貫流率とを比較して
静的汚れ指数を求める。動特性汚れ演算装置28は、上
記静的汚れ指数から動特性汚れ指数を求め、更に汚れ予
測装置29により任意ステップ先の汚れを求めて汚れ表
示装置30に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】事業用、産業用ボイラ等におい
て、各伝熱面の汚れ状態を推定するボイラ汚れ推定装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の火力プラントにおいては、供給す
る電力は基低負荷であったのに対し、最近ではDSS
(ディリー・スタート・ストップ)化が進み、不足負荷
を補うものとなっている。従来のように供給する電力が
基低負荷であれば、負荷変動がなく、伝熱面の汚れは経
過時間に比例している。また、石炭だきのボイラプラン
トで使用する石炭の種類も1〜2種類であったため、炭
種による汚れ方も一様であり、特にボイラ伝熱面の汚れ
を推定する必要もなく、一定時間ごとにスートブロア装
置を起動させていた。このスートブロア装置は、起動指
令が与えられると、ボイラ内または外部の蒸気を伝熱面
に吹き付けて掃除を行なうものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近では、D
SS化による急負荷変動や多炭種燃料により、ボイラ各
伝熱面の汚れは、従来に比べてかなり多様となってい
る。また、ボイラは時定数が大きなプラントであるた
め、負荷変動が多くなると、その変動分をすぐ観測する
ことができず、この結果、プラント過渡時のデータを取
扱うことになり、信頼度が低下するという問題があっ
た。また、汚れの状態を判断するのは、プラント運転員
の主観に任されており、装置の自動化は未だなされてい
ない。
【0004】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、通常運転時や、負荷変動によるボイラの過渡状態
や、燃料の種類の違いによらず、ボイラ伝熱面の汚れ状
態を監視でき、数ステップ先のボイラ伝熱面の汚れを予
測し得るボイラ汚れ推定装置を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための装置】本発明に係るボイラ汚れ
推定装置は、各種センサから得られる観測値からボイラ
の運転状況を把握する状態判定装置と、燃料情報からボ
イラが使用している燃料性状を決定する燃料性状決定装
置と、ボイラ各伝熱面のガス温度を積み上げ方式により
求めるガス温度積み上げ演算装置と、この演算装置によ
り得られたガス温度からボイラ熱貫流率を計算する熱貫
流率演算装置と、この熱貫流率演算装置により得られた
熱貫流率と実観測値により得られた熱貫流率との比から
ボイラ内の汚れ指数を求める静的状態汚れ演算装置と、
この演算装置により求めた静的状態汚れ指数と動特性対
応モデルにより配管のメタル温度補正処理及び時間平均
処理を行なって動的汚れ指数を求める動特性汚れ演算装
置と、この動特性汚れ演算装置により求めた汚れ指数及
び過去数点のデータから任意ステップ先の汚れを予測す
る汚れ予測装置とを備えたことを特徴とする。
【0006】
【作用】各種センサによりプラントの各状態を観測し、
現在ボイラがどの負荷レベルが運転されているかを状態
判定装置で判定し、ボイラが低負荷帯の例えば30%以
上の状態であると判定した場合に演算開始の指示及び検
出情報をガス温度積み上げ演算装置に入力する。
【0007】ガス温度積み上げ演算装置は、演算開始の
指示により動作し、節炭器入口ガス温度の観測値からボ
イラの上流側の各伝熱面のガス温度を推定する。すなわ
ち、各伝熱面のガス温度は直接計測できないが、ボイラ
最下流の節炭器出口ガス温度については観測できるた
め、その温度から上流側の各伝熱面のガス温度を推定す
る。この推定したガス温度をボイラ熱貫流率演算装置に
入力して熱貫流率を求め、動特性汚れ演算装置に入力す
る。
【0008】この静的状態汚れ演算装置は、ボイラ熱貫
流率演算装置から入力される理論的な熱貫流率と、実観
測値から得られる水及び蒸気側の熱貫流率との比をとる
ことでボイラの静的汚れ指数を求める。更に動特性汚れ
演算装置において、上記静的状態汚れ指数と動特性対応
モデルにより配管のメタル温度補正処理及び時間平均処
理を行なって動的汚れ指数を求め、更に、この動的汚れ
指数及び過去数点のデータから任意ステップ先の汚れを
予測する。上記汚れがどのように変化するかにより、運
転員はスートブロアの起動タイミングを知ることがで
き、ボイラ状態の理解が容易となる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1は本発明の対象となるボイラの系統図を示
すものである。図1において、1は給炭機、2は微粉炭
機、3は火炉、4はガス再循環通風機、5は空気予熱
器、6は押込通風機、7はつり下げ過熱器、8は横置過
熱器、9は主蒸気管、10は高温再熱蒸気管、11は低
温再熱器、12は再熱器管、13は1次過熱器管、14
は2次過熱器管、15は節炭器である。
【0010】ボイラは、燃料を燃焼させて蒸気を発生さ
せる装置であり、まず、空気ファンにより外部の空気を
吸い込み、火炉3においてバーナから吹き込まれた燃料
を空気と良く混合して燃焼させる。そこで発生した高温
の燃焼ガスから熱を吸収し、ガスをある温度まで冷却す
る。火炉壁には細いチューブが張り巡らされ、その中に
は給水ポンプにより引き上げられた水が循環しており、
水とガスとで熱交換を行なう。これを蒸発管という。火
炉3では、冷却効果を上げて放射熱を吸収する。
【0011】過熱器7,8は、蒸発管で発生した蒸気を
過熱するもので、伝熱方式の違いから放射形、接触形、
放射接触形に分けられる。放射形過熱器は、燃焼ガスの
高温域すなわち火炉3の上部または火炉壁に配置し、放
射熱により熱交換を行なう。接触形過熱器は、ボイラ本
体の低温ガス通路に配置し放射熱を吸収する。放射接触
形過熱器は、火炉出口付近に配置し、放射と接触の両方
により熱を吸収する。
【0012】再熱器11は、過熱器7,8と同様に放射
形、接触形、放射接触形がある。再熱器11は、タービ
ン高圧部より蒸気を取り出し、ボイラ内で再熱し、中、
低圧タービンに戻す。また、再熱器11の出口部は、ガ
スの比較的高温部に置かれる。再熱器11は、ボイラ内
の燃焼ガスや再循環ガスにより熱交換を行なう。節炭器
15は、煙突から排出されるガスの保有熱を有効利用す
るもので、熱効率の向上を図る。
【0013】空気予熱器5は、節炭器15から出た燃焼
ガスの熱を回収してボイラへの供給空気を予熱し、ボイ
ラの効率を高める。つまり、排ガス温度をできるだけ下
げるようにするが、下げ過ぎるとガス中の無水硫酸によ
り酸化物を生成するので、注意が必要である。
【0014】図2は、上記ボイラの汚れを推定する汚れ
推定装置の構成図である。同図において、21はボイラ
の各部分に取り付けられた各種センサで、例えば主給水
流量、再熱蒸気流量、給水圧力/温度、主蒸気/再熱蒸
気出入口圧力及び温度等を検出し、状態判定装置23に
入力する。また、この状態判定装置23には、ボイラが
使用している燃料に関する燃料情報22、例えば石炭を
使用している場合には、その石炭に関する情報を入力す
る。状態判定装置23は、上記入力情報から現在ボイラ
がどの負荷レベルでどのように運転されているかを判定
し、例えばボイラが低負荷帯の30%以上の状態である
と判定した場合に演算開始の指示及び各種検出情報をガ
ス温度積み上げ演算装置25に入力する。
【0015】また、上記燃料情報22は、燃料性状決定
装置24に入力される。この燃料性状決定装置24は、
燃料情報22からミル内にある石炭が混炭か単一炭種で
あるかどうか等の現状の燃料性状を決定し、その情報を
ガス温度積み上げ演算装置25へ入力する。
【0016】ガス温度積み上げ演算装置25は、状態判
定装置23からの指示及び入力情報により積み上げ演算
を行ない、節炭器入口ガス温度の観測値からボイラの上
流側の各伝熱面(1次過熱器入口)までガス温度を推定
し、ボイラ熱貫流率演算装置26に入力する。この熱貫
流率演算装置26は、ガス温度積み上げ演算装置25に
より推定したガス温度を基に熱貫流率を求め、静的状態
汚れ演算装置27に入力する。
【0017】この静的状態汚れ演算装置27は、ボイラ
熱貫流率演算装置26から入力される熱貫流率と、実観
測値から得られる水及び蒸気側の熱貫流率とを比較して
静的汚れ指数を求め、動特性汚れ演算装置28に入力す
る。この動特性汚れ演算装置28は、上記静的汚れ指数
から動特性汚れ指数を求め、汚れ予測装置29及び汚れ
表示装置30に出力する。この汚れ表示装置30は、動
特性汚れ演算装置28で求めた現在の汚れと、汚れ予測
装置29で求めた任意ステップ先の汚れの両方を表示す
る。
【0018】次に上記実施例の動作を図3に示すフロー
チャートを参照して説明する。各種センサ21からのプ
ラント観測値及び燃料情報22は、状態判定装置23に
入力される。状態判定装置23は、プラントの各観測値
により、例えば、現在の負荷レベルにおける燃料量や蒸
気量や蒸気温度や圧力から、ボイラが静定もしくは過渡
状態の始まりか又は、過渡状態が終りに近づいているか
を判断する。即ち、状態判定装置23は、上記入力情報
から現在ボイラがどの負荷レベルでどのように運転され
ているかを判定し、ボイラが低負荷帯の30%以上の状
態であると判定した場合に演算開始の指示及び検出情報
をガス温度積み上げ演算装置25に入力する。
【0019】ここで対象としている臨界圧力ボイラは、
低負荷域(30%未満)になると、亜臨界圧力状態とな
り、蒸気の状態が湿り気のない状態から、湿り気を帯び
た水と蒸気が分離し始める状態となる。この状態では蒸
気圧力が変化しても温度は飽和温度以上にはならないた
め、火炉の出口温度がある程度以上には上昇しない。ま
た、エンタルピも飽和状態になる。熱交換は、蒸気とガ
スによって行なわれるため、蒸気温度が飽和状態で上昇
しない場合では、実運用にならないのでガス温度積み上
げ演算装置25での計算は行なわない。
【0020】また、燃料性状決定装置24は、プラント
観測値のうち、石炭の燃料性状、例えば、炭素成分や硬
度などのデータと、ボイラが現在使用している燃料性状
を決定する燃料情報22からミル内にある石炭が混炭か
単一炭種であるかどうか等の現状の燃料性状を決定し、
その情報をガス温度積み上げ演算装置25へ入力する。
【0021】ガス温度積み上げ演算装置25は、状態判
定装置23からの指示により動作し、節炭器入口ガス温
度の観測値からボイラの上流側の各伝熱面(1次過熱器
入口)までガス温度を推定する。すなわち、各伝熱面の
ガス温度は直接計測できないが、ボイラ最下流の節炭器
出口ガス温度は観測できるため、その温度から直ぐ上流
の節炭器入口ガス温度を求める。求め方は、その伝熱面
でどれだけ熱交換するかは予め設計されているので、現
状の温度から熱交換分だけ積み上げていく。求める順序
は、節炭器、煙道蒸発器、横置再熱器、横置過熱器、つ
り下げ再熱器、3次過熱器、2次過熱器、1次過熱器の
順である。
【0022】また、ボイラ熱貫流率演算装置26は、ガ
ス温度積み上げ演算装置25より送られてくるガス温度
から熱貫流率を演算により求め、静的状態汚れ演算装置
27に出力する。
【0023】この静的状態汚れ演算装置27は、上記熱
貫流率演算装置26から入力される理論的な熱貫流率
と、実観測値から得られる水及び蒸気側の熱貫流率との
比をとることでボイラの静的汚れ指数を求め、動特性汚
れ演算装置28に入力する。
【0024】上記ガス温度積み上げ演算装置25により
求められたガス温度から各伝熱面を通じてボイラ内部の
水又は蒸気が加熱され、エネルギを吸収する。つまり、
ガス側の持つエネルギが全て水又は蒸気側に伝われば、
その伝熱面の汚れはないと考えられ、伝熱面が汚れてい
ればエネルギは全て伝わらないことになる。ここでは、
この伝熱面の汚れを求めるため、ガス温度積み上げによ
り求めた理論的熱貫流率と実観測値から得られる(水及
び蒸気側)熱貫流率との比をとり、それを汚れ指数とし
ている。具体的には次の手順で汚れ指数を求める。ガス
放出熱量と給水蒸気受熱量及びガスから給水への伝熱量
が等しいとすると、次の関係が成り立つ。 Qg =Cpg(Tg1−Tg2)Wg Qs =Cps(Ts2−Ts1)Ws Qk =K・Hs ・ΔTm ここで、Qg :ガス放出熱量、Qs :給水蒸気受熱量、
Qk :ガスから給水への伝熱量であり、各記号は、 Cpg:ガス比熱 Cps:給水又は蒸気比熱 Hs :伝熱面積 ΔTm :対数平均温度 K:熱貫流率 Tg1:入口ガス温度 Tg2:出口ガス温度 Ts1:入口給水又は蒸気温度 Ts2:出口給水又は蒸気温度 Wg :ガス流量 Ws :給水又は蒸気流量 である。
【0025】汚れ指数は、理論的な熱貫流率に対する観
測データから逆算される熱貫流率との比であり、ガスか
ら給水への伝熱量Qk とガス放出熱量とが等しいとする
と、汚れは「α=K・Hs ・Tm /Qk 」という形で求
められることになる。このとき、ガス温度積み上げ演算
装置25より得られるガス温度推定値を使用する。
【0026】図3は、各伝熱面の演算順序を示したもの
である。ガス温度を推定するためには、ボイラの下流側
である節炭器出口ガス温度の観測値からボイラ上流側に
向かって計算をしていく。主給水流量A1 、再熱蒸気流
量A2 、給水圧力/温度A3、主蒸気/再熱蒸気出入り
圧力及び温度4 からボイラ熱出力A5 を求める。また、
燃料性状決定装置24により決定された燃料性状A6 及
び排ガス温度/酸素量A7 からボイラ効率理論ガス量A
8 を求める。更にガス再循環ファン(GRF)、ダンパ
開度A9 等からガス再循環(GR:GAS RECURCURATION
)量A10を求める。そして、上記ボイラ熱出力A5 、
ボイラ効率理論ガス量A8 、GR量A10から火炉出口全
ガス量A11を求める。更にこの火炉出口全ガス量A11
と、再熱器パス節炭器出口ガス温度、煙道蒸発器入口ガ
ス温度A12からパスガス量(過熱/再熱器)A13を求め
る。
【0027】一方、節炭器バイパス温度、節炭器出口ガ
ス温度、脱硝ガス温度、GR量A14から節炭器バイパス
ガス量A15を求める。そして、この節炭器バイパスガス
量A15と上記パスガス量(過熱/再熱器)A13がボイラ
熱貫流率演算装置26に送られ、各部伝熱面の熱吸収
量、つまり、ボイラ熱貫流率が求められる。このボイラ
熱貫流率演算装置26で求めたボイラ熱貫流率が静的状
態汚れ演算装置27に送られる。
【0028】静的状態汚れ演算装置27は、上記したよ
うにボイラ熱貫流率演算装置26からの熱貫流率と、実
観測値から得られる水及び蒸気側の熱貫流率B1 とを比
較して静的汚れ指数を求める。
【0029】しかし、負荷変動や燃料である石炭の種類
が異なったりして過渡的な状態が生じる場合が多い。そ
のような場合、ボイラは時定数の大きなプロセスである
ため、時間遅れなどにより任意の状態を正確に示すデー
タは得難く、補償されない。そのため動特性汚れ演算装
置28において、動特性モデルを用い、そこにメタル温
度の補正項を設け、かつ、時間平均処理を行ない汚れを
求める。
【0030】即ち、ボイラ負荷の変動や多炭種の切換等
によって生じる過渡状態の計算に対応するため、以下に
示す動特性モデルにより、配管のメタル温度補正項を設
け、かつ時間平均処理を行なって汚れを求め、汚れ予測
装置29に出力すると共に汚れ表示装置30に出力して
表示する。以下に、動特性モデルについて述べる。動特
性モデルは、先ず、 Z=a1 X2 +a2 X1
【0031】の関係式を作り、式中のZ,X2 ,X1 を
プラントの観測値から算出する。次に現在から過去数点
のサンプリングデータを用いて求められるZ,X2 ,X
1 の値を使用し、係数a1 ,a2 を最小二乗法により求
める。得られた係数a1 の逆数を汚れの値とする。ここ
で動特性モデルの具体的な形を示す。 Z=ifa −ife X2 =^Rg /θf …輻射伝熱による熱交換器の場合、
又は X2 =Fg αg /Qf *(^θg −θm )…対流伝熱に
よる交換器の場合。 なお、(^θg −θm )は以下のように設定した。 X1 =(W/θf )×(1/Δt)×{θm (−1)−
θm } ここで、 a2 :修正係数 ifa :熱交換器管内出口エンタルピー ife :熱交換器管内入口エンタルピー ただし、エンタルピーは直接観測できないため、物性表
等を使用し、温度と圧力から求める。また、それ以外の
外の記号は以下に示す。 ^Rg :汚れがない場合の管外からの推定入熱 Qf :熱交換器管内流量 Fg :熱交換器管外伝熱面積 αg :熱交換器管外熱伝達率 ^θg :熱交換器管外流体の推定平均温度 θm :熱交換器間平均温度 W=Cf Wf +Cm Wm Cf :熱交換器管内流体の比熱量 Cm :熱交換器管の比熱量 Wf :熱交換器管内の流体の重量 Wm :熱交換器管の重量 Δt:サンプリング周期 θm (−1):Δt時間前の管の平均温度
【0032】これは、過渡状態の変動分を、メタル温度
補正項が吸収するため、時間遅れを持つプロセスに対し
て有効となるからである。具体的には、約2〜5分間隔
でサンプリングを行ない、10点分のデータを用いて、
上記動特性モデルのパラメータa1 ,a2 を最小二乗法
を用いて推定するものである。
【0033】例題結果を図4に示す。図4において、4
1(Z)は動特性モデル係数出入口エンタルピー差、4
2(x2 )は動特性モデル係数メタル温度補正項、43
(x1 )は動特性モデル静的状態数、44(a1 * )は
動特性モデルによる汚れ指数、45(a1 )は静的汚れ
指数、46は発電量である。発電量46の変化に対し、
静的状態汚れ演算装置27により求められた値44に比
べ、動特性汚れ演算装置28により求められた汚れ指数
45の変動は少なく、現状の汚れを的確に“1”と示し
ている。
【0034】汚れ予測装置29では、上記動特性モデル
で求められる汚れ指数1/a1 を用いて、過去における
数点のデータ例えば過去10点のデータから次ステップ
の汚れを求める。汚れの予測は、過去数点の汚れ指数を
任意の過去の時点から現在まで使用し、 y=ax+b の形式を用いて次ステップの汚れを求める。ここで y:汚れ指数 x:時間データ a:傾き b:せっぺん 上式は、汚れの過去値を使用しており、バイアス要素を
持つ値が存在するので、この値をせっぺんbとして用い
ている。
【0035】また、汚れ予測装置29では、上記の計算
から任意ステップ先の汚れを求め、汚れ表示装置30に
表示する。この場合、1ステップは、サンプリング時間
を可変としているので、サンプリング時間*n倍の時間
となる。従って、サンプリング時間を2〜5分に設定し
た場合、「(2〜5分)*n倍」先の汚れの表示が可能
となる。
【0036】上記のように運転員に対して伝熱面の汚れ
の経過を示すことができ、スートブロアを自動運転でな
い状態で運転員が操作するときなど、スートブロアの起
動タイミングを知ることができる。これらは、状態監視
装置としても有効となる。
【0037】また、ボイラ伝熱面の汚れを検出してスー
トブロアを起動する場合は、ボイラのプロセス各量と、
ユニット計算機(発電所の中央制御に使用する計算機)
からの各種の情報例えば、過熱器スートブロア作動中、
N段バーナ点火などを本発明装置の上位装置に取り込
み、予め設定しておいた作動要素と制約要素の条件を判
断し、スートブロア起動指令を出力する。例えば3次過
熱器入口流体温度または2次過熱器出口流体温度が高
く、かつ、3次過熱器伝熱面の汚れが大ならば、スート
ブロア起動指令を出力する。なお、スートブロアの突発
動作を避けるため、2時間周期で過去のボイラ状態値、
汚れ指数の推移、最長インターバルにより作動グループ
(各伝熱面)を選択し、グループ起動を開始する。スー
トブロア装置は、上記スートブロア起動指令により動作
し、ボイラの各伝熱面に、ボイラ内または外部の蒸気を
吹き付けて伝熱面の清掃を行なう。
【0038】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、通
常運転(静的状態)時や、負荷変動によるボイラの過渡
状態や、燃料の種類の違いによらず、ボイラ伝熱面の汚
れ計算を行なって汚れ状態を監視でき、また、汚れに応
じて自動的にスートブロアを起動することができる。ま
た、動特性モデルを用いて汚れ指数を演算し、その値で
数ステップ先のボイラ伝熱面の汚れを予測し、それを表
示させることでボイラ状態の予測が可能となる。この予
測により起動のためのタイミングを把握でき、運転員の
ボイラ状態の理解の一助となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボイラの概略構成を示す図。
【図2】本発明に係るボイラ汚れ推定装置の構成を示す
ブロック図。
【図3】同実施例における各伝熱面の演算順序を示す
図。
【図4】同実施例における動特性モデルの例題結果を示
す図。
【符号の説明】
1…給炭機、2…微粉炭機、3…火炉、4…ガス再循環
通風機、5…空気予熱器、6…押込通風機、7…つり下
げ過熱器、8…横置過熱器、9…主蒸気管、10…高温
再熱蒸気管、11…低温再熱器、12…再熱器管、13
…1次過熱器管、14…2次過熱器管、15…節炭器、
21…各種センサ、22…燃料情報、23…状態判定装
置、24…燃料性状決定装置、25…ガス温度積み上げ
演算装置、26…ボイラ熱貫流率演算装置、27…静的
状態汚れ演算装置、28…動特性汚れ演算装置、29…
汚れ予測装置、30…汚れ表示装置、41…動特性モデ
ル係数出入口エンタルピー差、42…動特性モデル係数
メタル温度補正項、43…動特性モデル静的状態数、4
4…動特性モデルによる汚れ指数、45…静的汚れ指
数、46…発電量。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各種センサから得られる観測値からボイ
    ラの運転状況を把握する状態判定装置と、燃料情報から
    ボイラが使用している燃料性状を決定する燃料性状決定
    装置と、ボイラ各伝熱面のガス温度を積み上げ方式によ
    り求めるガス温度積み上げ演算装置と、この演算装置に
    より得られたガス温度からボイラ熱貫流率を計算する熱
    貫流率演算装置と、この熱貫流率演算装置により得られ
    た熱貫流率と実観測値により得られた熱貫流率との比か
    らボイラ内の汚れ指数を求める静的状態汚れ演算装置
    と、この演算装置により求めた静的状態汚れ指数と動特
    性対応モデルにより配管のメタル温度補正処理及び時間
    平均処理を行なって動的汚れ指数を求める動特性汚れ演
    算装置と、この動特性汚れ演算装置により求めた汚れ指
    数及び過去数点のデータから任意ステップ先の汚れを予
    測する汚れ予測装置とを具備したことを特徴とするボイ
    ラ汚れ推定装置。
JP4073993A 1992-03-30 1992-03-30 ボイラ汚れ推定装置 Withdrawn JPH05280703A (ja)

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