JPH05279829A - 高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JPH05279829A
JPH05279829A JP10861092A JP10861092A JPH05279829A JP H05279829 A JPH05279829 A JP H05279829A JP 10861092 A JP10861092 A JP 10861092A JP 10861092 A JP10861092 A JP 10861092A JP H05279829 A JPH05279829 A JP H05279829A
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hot
alloying
plating
plated
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Yoshihiro Kawanishi
義博 川西
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高Si添加高張力鋼板を被めっき材として、皮
膜性能の良好な合金化溶融亜鉛めっき鋼板を特異な条件
によることなく安定製造できる手段を提供する。 【構成】 [Si]:0.1〜1.5 wt%の高張力鋼板を被めっ
き材とし、これに予備Feめっきを施してから(熱延鋼板
の場合には表面研削後に予備Feめっきを施すのが好まし
い)合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するに際し、予備
Feめっきの片面当り目付量M(g/cm2)を溶融めっき目付
量W(g/cm2)と鋼中[Si](wt%)に対し「0.05×[S
i]×W≦M≦0.10×[Si]×W」なる関係に調整する
か、或いは更に有効Al濃度(wt%) が0.07〜0.16wt%に調
整された溶融亜鉛めっき浴を用いて溶融めっきを施すと
共に、合金化温度T(℃)及び合金化時間t(sec)が
「370+1000×C≦T≦460+1000×
C」,「0.08×W′≦t≦ 0.5×W′(但し、 W′=両
面目付量/2)」の関係を満足する条件で合金化処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶融亜鉛めっきや合
金化処理が非常に困難である高Si添加高張力鋼板を被め
っき材とし、めっき皮膜性能(めっき密着性,塗装密着
性等)の優れた高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板を特異
な条件によることなく安定製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術とその課題】溶融亜鉛めっき後に合金化熱処
理を施してめっき皮膜のFe合金化を図った“合金化溶融
亜鉛めっき鋼板”は、その優れた耐食性,溶接性,塗装
密着性が注目され、近年では自動車,建材,家電製品等
を始めとした広い分野において使用されるようになっ
た。
【0003】一方、鋼板材料の需要分野における最近の
傾向を見ると、環境問題等から、特に自動車関係を中心
として製品(車体等)の軽量化指向が一段と進んでお
り、薄い板厚で従来の製品よりも高い強度が確保できる
高張力鋼板を要望する声が高まっている。そして、幾つ
かの高張力鋼板の中でも強度確保が容易であるとされる
“Si添加鋼板”の比較的良好な成形性と低い製造コスト
が注目され、上記要望を満たす材料として非常に有望視
されてきた。
【0004】そのため、「高耐食性を有した軽量化推進
材」という観点から、今後、上述のような高Si添加鋼を
母材とした合金化溶融亜鉛めっき鋼板に対する要望は当
然に強くなるものと予想される。しかしながら、Si添加
鋼には、これに溶融めっきを施そうとすると易酸化性Si
の影響でめっきをはじき易いという問題があり、一般的
な普通鋼材に対するのと同じ溶融めっき条件下でのめっ
きは非常に困難であった。
【0005】そこで、上記問題を解決するため、鋼板の
焼鈍時に強酸化雰囲気中で表面を加熱酸化してから更に
還元する処理を行い、出来るだけ表面の還元鉄量を多く
しておいて溶融亜鉛との濡れ性を確保しようという方法
が採られることがあった。ところが、この方法には、処
理炉の搬送ロ−ル(ハ−スロ−ル)に還元鉄が巻き付く
現象が起き、これが被めっき鋼帯面に押し疵を発生させ
るという問題が指摘された。
【0006】また、これとは別に、上述した問題を解決
すると同時に通常のめっき条件(普通鋼を対象としため
っき条件)下であっても所望のめっきが行えるよう、被
めっき鋼板面に予めFe或いはNiをめっきしておくことで
溶融亜鉛との濡れ性を確保しようとの提案もなされてい
る(特開昭57−70268号,特開平2−19415
6号等)。しかし、上記提案法でもってしても、Si添加
量が 0.1〜 1.5wt%という高Si添加高張力鋼板に対して
は必ずしも問題の十分な解決策とはならなかった。
【0007】ところで、Si添加鋼を被めっき材とした合
金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造においては、鋼中Siはめ
っき濡れ性を低下するという問題のほか、付着した亜鉛
めっきの合金化速度を遅くするという“合金化処理時の
問題”も生じる。即ち、合金化速度は鋼中Si量によって
著しく変化し、鋼中Si含有量が非常に多い場合には合金
化条件を幾ら厳しくしても(合金化温度を高くしたり合
金化時間を長くしても)全く合金化しないことがある。
また、鋼中Si量がある程度低いときであっても普通鋼の
場合に比較して合金化温度をかなり高くしないと合金化
は起こらず、そのため鋼種やSi含有量によってはチャン
ス制限を行うことが必要となって連続操業を非常に困難
なものとしていた。そして、濡れ性という観点からでは
ではなく、このような問題に対処するためにも「溶融亜
鉛めっき処理前にFeめっきを施しておくこと」が提唱さ
れているが(特開平2−156056号)、やはり高Si
添加高張力鋼板に対しては十分な方法とは言えなかっ
た。
【0008】このようことから、本発明が目的としたの
は、鋼中Si量が 0.1〜 1.5wt%という非常に高いSi添加
高張力鋼板を被めっき材とした場合であっても、めっき
皮膜性能の良好な高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板を一
般的な合金化溶融亜鉛めっき処理条件とかけ離れない条
件で、製造チャンスの制約もなく安定製造できる手段を
確立することであった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究を行った結果、次のような知見を得
ることができた。 (a) 易酸化性元素であるSiを含有する鋼板の溶融亜鉛
めっきでは、予め表面にFeめっきを施しておくことはめ
っき濡れ性を確保する上で有効な手段であったにもかか
わらず、このような手立てを講じてめっきした溶融めっ
き鋼板を合金化処理すると所期するめっき皮膜性能(め
っき密着力等)が得られない場合があったが、前記予備
Feめっきの目付量を溶融亜鉛めっき目付量並びに被めっ
き鋼板中のSi含有率に見合った特定の値に調整すること
で上記問題が安定して解決されること。
【0010】(b) 更に、溶融亜鉛めっき工程中での合
金化抑制のために添加される浴中Al量を適正な範囲に管
理すると共に、合金化処理工程では“浴中Al量に見合っ
た特定の合金化温度”並びに“溶融亜鉛めっき目付量に
見合った特定の合金化時間”を選ぶことで、合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の製造安定性が一段と向上すること。
【0011】(c) また、被めっき材が熱延鋼板である
場合には、予備Feめっきを施す前に鋼板面の研削処理を
行うと合金化処理時の合金化速度が十分に向上し、合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造性が一層改善されること。
【0012】本発明は、上記知見事項等を基にして完成
されたものであり、 「鋼中Si含有率[Si]:0.1〜1.5 wt%の高張力鋼板を被
めっき材とした合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に
おいて、 予備Feめっきを施してから溶融亜鉛めっき,合
金化処理を行うに際し、 前記予備Feめっきの片面当り目
付量M(g/cm2)をその面に形成される溶融亜鉛めっき目
付量W(g/cm2)と鋼中Si含有量率[Si](wt%)に対し
て 0.05×[Si]×W ≦ M ≦ 0.10×[Si]×W なる関係を満足するように調整するか、 或いはこれに加
えて、 Al濃度が有効Al濃度C(wt%) で0.07〜0.16wt%に
調整された溶融亜鉛めっき浴を用いて溶融亜鉛めっきを
施すと共に、 合金化温度T(℃)及び合金化時間t(se
c)がそれぞれ 370+1000×C ≦ T ≦ 460+1000
×C, 0.08×W′≦ t ≦ 0.5×W′ (但し、 W′=両面
目付量/2) の関係を満足する条件で合金化処理することにより、 め
っき皮膜性能が優れた高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板
を安定して製造できるようにした点」に大きな特徴を有
し、更には、 「被めっき材が鋼中Si含有率[Si]:0.1〜1.5 wt%の熱
延高張力鋼板である場合には、 酸洗脱スケ−ル後に表面
研削処理してから前記何れかの条件或いは双方の条件で
処理することによって、 やはりめっき皮膜性能が優れた
高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板を安定製造し得るよう
にした点」をも特徴とするものである。
【0013】なお、本発明において被めっき鋼板の鋼中
Si含有率[Si]を 0.1〜 1.5wt%に限定したのは、Si添
加高張力鋼板の中でも[Si]濃度:0.1〜 1.5wt%のもの
に既述したような問題が特に指摘されていて、本発明は
その問題の解決を目指したものだからである。
【0014】
【作用】さて、上述した通り、本発明では、鋼中のSi含
有率[Si]が0.1 〜1.5 wt%という非常に高い被めっき
鋼板に対して、濡れ性確保を兼ねた予備Feめっきの目付
量を“目標とする溶融めっき目付量”と“鋼板中Si量”
との関連で規定することが大きな特徴点となっている。
【0015】つまり、従来、予備Feめっきは主として溶
融亜鉛に対する濡れ性確保のためにのみ行われる処理で
あったが、この従来基準に従って予備Feめっきを施した
場合には、溶融亜鉛めっき処理は可能になったとしても
鋼板中Si量によっては合金化処理時の合金化速度が遅く
て所望の合金化を達成できないことがあった。このよう
に、鋼板中Si量によって合金化速度が異なる理由として
は、通常でも見られる“溶融めっき処理での還元,焼鈍
工程時における鋼板表面でのSiの濃化”が、鋼板中Si量
が高くなるほど目立って多くなる点にあると考えられ
る。なぜなら、この表面濃化Siは、合金化処理の際に被
めっき鋼板から溶融亜鉛めっき皮膜中へFeが拡散するの
を妨げるように作用し、表面濃化Si量が高くなるほどめ
っき皮膜の合金化処理が困難になるためである。
【0016】そして、鋼板中Si量によっては母材からの
Fe拡散が幾らか期待できるものの、基本的には、Fe拡散
の程度を左右する鋼板中Si量を考慮した上で“合金化溶
融亜鉛めっきとして最適なめっき皮膜中Fe量が達成され
るだけのFe源”を“予備Feめっき”という形で予め被め
っき鋼板上に確保しておくことが、所望性能の合金化溶
融亜鉛めっき皮膜を備えた高Si添加高張力鋼板の安定製
造に欠かせないことを究明し、本発明に至った訳であ
る。
【0017】その際、片面当りの予備Feめっき目付量M
が〔0.05×[Si]×W〕(g/cm2)よりも少ないとめっき
皮膜の合金化処理不足となる上、溶融めっき時に“はじ
き”を起こす傾向が出るため好ましくない。一方、片面
当りの予備Feめっき目付量Mが〔0.10×[Si]×W〕(g
/cm2)よりも多いと、合金化処理時に“めっき皮膜”と
“鋼板”との界面に加工性の劣るFe含有率の高いZn−Fe
合金層が厚く形成されるため、得られる合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の加工性が劣化し、加工時にめっきと鋼板と
の界面でめっき皮膜剥離現象を起こす恐れが出てくる。
また、予備Feめっき層を厚く形成することはコストアッ
プにもなり、経済的な面からも好ましくない。
【0018】ところで、上記条件で予備Feめっきを施す
工程を含む合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造において、
用いる溶融亜鉛めっき浴はAl濃度が浴中有効Al濃度Cで
0.07〜0.16wt%に調整するのが好ましい。なぜなら、有
効Al濃度が0.07%よりも低い場合には、めっき初期の合
金化バリアとなるFe−Al−Zn相の形成が不十分であって
めっき処理時に合金化が進み過ぎるため、合金化処理時
にめっき皮膜の合金化度が適正域を超えてしまい、加工
時のめっき皮膜密着力が劣る合金化溶融亜鉛めっき鋼板
しか得られない懸念が出て来る。一方、有効Al濃度が0.
16%よりも高い場合には、逆にFe−Al−Zn相が強固に形
成されるためにめっき密着力は向上するが、合金化処理
時における合金化速度が非常に遅くなり、生産性の面で
問題となる懸念がある。
【0019】更に、この場合、合金化処理時の合金化温
度と保持時間もめっき皮膜性能や生産性に少なからぬ影
響を及ぼすので適正に調整するのが好ましい。このう
ち、合金化温度については、溶融亜鉛めっき浴中のAl濃
度により合金化処理時の合金化進行開始温度が変わるの
で浴中Al濃度に応じて変化させるのが良く、合金化温度
をT(℃),浴中有効Al濃度をC(wt%)とすると 370+1000×C ≦ T ≦ 460+1000
×C の範囲に調整するのが最適である。
【0020】ここで、合金化温度Tが〔370+100
0×C〕(℃)よりも低いと合金化が進行しないか、或
いは合金化の進行が不十分で合金化未処理となる傾向が
出るため好ましくない。一方、Tが「460+1000
×C」(℃)よりも高いと、合金化が進み過ぎて適正合
金化度を超える傾向となり、加工時にめっき密着力が低
下するという問題を引起しがちとなるので好ましくな
い。
【0021】また、適正合金化時間に関しては、溶融亜
鉛めっき処理時に形成されるめっき目付量に関係する。
例えば溶融亜鉛めっきの目付量が多い場合には、めっき
表面にまで合金化が進行するのに時間がかかり、そのた
め合金化保持時間を長く取る必要がある。これらの点を
考慮すると、溶融亜鉛めっきの両面目付量の半分、即ち
片面当りに形成される平均目付け量をW′(g/cm2)とし
たときの合金化時間t(sec)は 0.08×W′≦ t ≦ 0.5×W′ の範囲が最適と言える。
【0022】つまり、合金化時間tが〔0.08×W′〕(s
ec)よりも短いとめっき皮膜の表面まで合金化が進まな
いという“合金化未処理”が懸念され、一方、tが〔
0.5×W′〕(sec)よりも長いと合金化が進み過ぎて適
正合金化度を超えてしまい、加工時にめっき密着力が低
下するという問題を生じる恐れが出て来るためである。
【0023】なお、近年では、例えば自動車車体等の軽
量化のため熱延鋼板適用部材にも高張力鋼板が使用され
るケ−スが多くなっており、従ってこのような熱延鋼板
にも防錆性向上のために合金化溶融亜鉛めっき処理を施
す機会が増えている。なお、熱延鋼板の溶融亜鉛めっき
処理は、通常、酸洗脱スケ−ル後に実施される。しかる
に、高Si添加高張力熱延鋼板の場合では、同程度のSi含
有量の冷延材における合金化溶融亜鉛めっき処理を施す
場合に比較して合金化処理時の合金化進行が非常に遅
く、前述した条件の下に予備Feめっきを施してから合金
化溶融めっきの処理を行っても合金化が不十分となる傾
向がある。
【0024】この理由は明確でないが、恐らくは鋼板中
Si量が同じであっても熱延鋼板と冷延鋼板とでは表面に
濃化しているSi量が異なり、熱延材の方がSiの濃化が大
きくなっているためではないかと考えられる。従って、
熱延材においては、溶融亜鉛めっきの前に表面に濃化し
ているSiを研削し除去することが推奨される。
【0025】ただ、この表面Si濃化層は一定せず、製造
条件によっても変動するために研削量を特定することは
非常に困難であるが、概ね 0.2〜 0.6μ程度の研削量と
するのが好ましいと言える。つまり、研削量が 0.2μよ
りも少ないと、特に鋼中Si量の高い熱延鋼板では研削に
よる効果が不十分で合金化未処理を発生する可能性があ
り、一方、 6.0μよりも多く研削することは研削に負荷
がかかり過ぎるため経済的に不利となるばかりか、この
ような強研削を行うと合金化溶融亜鉛めっき処理後のめ
っき表面にまで研削跡が残るので外観面からも好ましく
ないからである。なお、研削方法としては、砥粒入りブ
ラシで機械的に研削することが生産性,経済性の観点か
ら最適である。
【0026】続いて、本発明の効果を実施例によって更
に具体的に説明する。
【実施例】表1に示したような各化学組成並びに板厚の
冷延鋼板及び酸洗脱スケ−ル熱延鋼板を準備し、これを
被めっき母材として合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造試
験を行った。
【0027】
【0028】なお、試験に当り、熱延鋼板については砥
粒入り樹脂ブラシで予め表面研削を行った(研削量:0
〜 7.0μ)。
【0029】さて、各被めっき母材には、まず脱脂後、
下記のめっき浴,めっき条件にて電解Feめっきが施され
た。なお、Feめっき付着量については電解時間を制御す
ることにより変化させた。 〔Feめっき浴〕 硫酸第一鉄: 350g/L(リットル), 硫酸ソ−ダ: 75g/L 。 〔Feめっき条件〕 液pH: 1.8 , 液温: 50℃, 電流密度: 40A/cm2
【0030】次に、このFeめっきを施した母材を「25%
2-75%N2 雰囲気中」にて800℃,40秒で還元焼
鈍してから溶融亜鉛めっき浴(試験種別に応じて浴有効
Al濃度を変化させた)中に2秒間浸漬し、続いてガスワ
イピングにより亜鉛めっき付着量をコントロ−ルしたも
のについて、直ちに種々条件の合金化処理を行った。
【0031】そして、このように作成された合金化溶融
亜鉛めっき鋼板につき、まず外観を評価し、次いでめっ
き表面まで合金化が進行しているかどうかを調査した。
また、めっき皮膜性能としてめっき密着力(パウダリン
グ性)の評価を行ったが、めっき密着力の評価は次のよ
うにして実施した。即ち、下記の条件のドロ−ビ−ド試
験を行った後、ビ−ド側をテ−プ剥離し、テ−プの黒変
状態でもってめっき密着力を評価した。 〔ビ−ド試験条件〕 ビ−ド形状: 三角ビ−ド(先端R=0.5mm), 押し込み深さ: 5mm, 押し付け荷重: 500kgf , 引抜き速度: 200mm/min, 潤滑: 防錆油塗油。
【0032】これらの結果を、めっき条件と共に表2に
示す。なお、表2においてめっき仕上がり外観の評価結
果は ○:表面まで合金化が均一に進行, △:未処理気味、或いは部分的に合金化進行, ×:全く合金化進行無し, で表示した(合格レベルは「○」以上)。
【0033】また、めっき密着力の評価結果は ○:殆ど黒変無し, △:やや黒変発生, ×:全面黒変発生, で表示した(合格レベルは「△」以上)。
【0034】
【表2】
【0035】表2に示される結果からも、予備Feめっき
の片面当り目付量M(g/cm2)が、その面に形成される溶
融亜鉛めっき目付量W(g/cm2)並びに鋼中Si含有量率
[Si](wt%)との関係で 0.05×[Si]×W ≦ M ≦ 0.10×[Si]×W を満足している場合に初めて、良好な溶融めっき外観,
めっき密着力(パウダリング性)を得られることが分か
る。
【0036】なお、図1は、めっき外観から見た溶融亜
鉛めっき浴中Al濃度Cと合金化温度Tとの関係を整理し
て示したグラフであるが、この図1からも、「T≧37
0+1000C」の関係を満たしていると良好なめっき
外観が安定して得られることが分かる。
【0037】また、図2は、めっき密着力(パウダリン
グ性)から見た溶融亜鉛めっき浴中Al濃度Cと合金化温
度Tとの関係を整理して示したグラフであるが、この図
2からは、「T≦460+1000C」の関係を満たし
ていると良好なめっき密着力を安定して確保できること
が分かる。従って、合金化温度Tは 370+1000C ≦ T ≦ 460+1000C の範囲に調整するのが適当である。
【0038】更に、図3は、めっき外観から見た片面当
りの溶融亜鉛めっき目付量W′と合金化時間tとの関係
を整理して示したグラフであるが、この図3からも、良
好なめっき外観を安定して得るためには「t≧0.08
W′」の関係を満たしていることが好ましいと分かる。
一方、図4は、めっき密着力(パウダリング性)から見
た溶融亜鉛めっき目付量W′と合金化時間tとの関係を
整理して示したグラフであるが、この図4からは、良好
なめっき密着力を安定して確保するためには「t≦0.5
W′」の関係を満たしていることが好ましいと分かる。
従って、合金化時間tは 0.08W′≦ t ≦ 0.5W′ の範囲に調整するのが適当である。
【0039】ところで、図5には、熱延鋼板を被めっき
母材としたときの表面研削量とめっき外観との関係を整
理して示した。この図5からは、表面研削することによ
り熱延鋼板でもめっき外観が良好になるが、その研削量
は 0.2μ以上とするのが好ましいことが分かる。ただ、
研削量が 6.0μより多くなると研削跡がめっき外観にも
残るようになることから、熱延鋼板の表面研削量は 0.2
〜 6.0μとするのが好適と言える。
【0040】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造が非常に困難であ
った高Si添加高張力鋼板を被めっき材とした場合でも、
一般材の場合に比しそれほど変わることのない操業条件
で安定した合金化溶融亜鉛めっき鋼板の連続製造が可能
となるなど、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】めっき外観と溶融亜鉛めっき浴中Al濃度,合金
化温度との関係を整理して示したグラフである。
【図2】めっき密着力と溶融亜鉛めっき浴中Al濃度,合
金化温度との関係を整理して示したグラフである。
【図3】めっき外観と片面当りの溶融亜鉛めっき目付
量,合金化時間との関係を整理して示したグラフであ
る。
【図4】めっき密着力と溶融亜鉛めっき目付量,合金化
時間との関係を整理して示したグラフである。
【図5】熱延鋼板を被めっき母材としたときの表面研削
量とめっき外観との関係を整理して示したグラフであ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼中Si含有率[Si]:0.1〜1.5 wt%の高
    張力鋼板を被めっき材とした合金化溶融亜鉛めっき鋼板
    の製造方法において、予備Feめっきを施してから溶融亜
    鉛めっき,合金化処理を行うに際し、前記予備Feめっき
    の片面当り目付量M(g/cm2)を、その面に形成される溶
    融亜鉛めっき目付量W(g/cm2)と鋼中Si含有量率[Si]
    (wt%)に対して 0.05×[Si]×W ≦ M ≦ 0.10×[Si]×W なる関係を満足するよう調整することを特徴とする、高
    張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 Al濃度が有効Al濃度C(wt%) で0.07〜0.
    16wt%なる溶融亜鉛めっき浴中にて溶融亜鉛めっきを施
    した後、合金化温度T(℃)及び合金化時間t(sec)が
    それぞれ 370+1000×C ≦ T ≦ 460+1000
    ×C, 0.08×W′≦ t ≦ 0.5×W′ (但し、 W′=両面
    目付量/2) の関係を満足する条件で合金化処理する、請求項1に記
    載の高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 被めっき材が酸洗脱スケ−ル後に表面研
    削処理された熱延高張力鋼板である、請求項1又は2に
    記載の高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6699590B2 (en) 2001-04-25 2004-03-02 Kobe Steel, Ltd. Hot-dip galvanized steel sheet
WO2021215100A1 (ja) * 2020-04-24 2021-10-28 Jfeスチール株式会社 溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法

Citations (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0565612A (ja) * 1991-09-10 1993-03-19 Sumitomo Metal Ind Ltd Si含有鋼板の溶融亜鉛めつき方法

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