JPH05279049A - 合成石英ガラスの製造方法 - Google Patents
合成石英ガラスの製造方法Info
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- JPH05279049A JPH05279049A JP7398792A JP7398792A JPH05279049A JP H05279049 A JPH05279049 A JP H05279049A JP 7398792 A JP7398792 A JP 7398792A JP 7398792 A JP7398792 A JP 7398792A JP H05279049 A JPH05279049 A JP H05279049A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】Nを含有する耐熱性に優れた合成石英ガラスの
製造。 【構成】MCVD法、VAD法等による気相合成で得ら
れるガラス質のSiO2微粒子からなる多孔体を、アンモニ
アを含む雰囲気中で加熱処理して、その多孔体にNを導
入(ドープ)し、次いで、1200℃以上の温度域における
昇温速度を100℃/hr以下として焼結する。 【効果】この方法で得られる石英ガラスは、耐熱性が従
来のものよりも優れ、半導体製造プロセスで用いられる
プロセスチューブやウェハーボートなどの高純度耐熱材
料、あるいは、多結晶シリコンを用いた薄膜トランジス
タの石英ガラス基板の素材として好適である。
製造。 【構成】MCVD法、VAD法等による気相合成で得ら
れるガラス質のSiO2微粒子からなる多孔体を、アンモニ
アを含む雰囲気中で加熱処理して、その多孔体にNを導
入(ドープ)し、次いで、1200℃以上の温度域における
昇温速度を100℃/hr以下として焼結する。 【効果】この方法で得られる石英ガラスは、耐熱性が従
来のものよりも優れ、半導体製造プロセスで用いられる
プロセスチューブやウェハーボートなどの高純度耐熱材
料、あるいは、多結晶シリコンを用いた薄膜トランジス
タの石英ガラス基板の素材として好適である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造プロセスで
用いられるプロセスチューブ、ライナーチューブ、ウェ
ハーボートなどの高純度耐熱材料や、多結晶シリコンを
用いた薄膜トランジスタの石英ガラス基板の素材として
用いられる、耐熱性を強化した合成石英ガラスの製造方
法に関するものである。
用いられるプロセスチューブ、ライナーチューブ、ウェ
ハーボートなどの高純度耐熱材料や、多結晶シリコンを
用いた薄膜トランジスタの石英ガラス基板の素材として
用いられる、耐熱性を強化した合成石英ガラスの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高純度の素材や治工具の使用を要求され
るLSIなどの半導体製造プロセスにおいては、シリコ
ンウェハーの熱処理時に使用される炉心管(プロセスチ
ューブ、ライナーチューブ)やウェハーボート、あるい
はその他の治工具として、主に高純度石英ガラス製品が
用いられている。石英ガラスは、純度の高いものが比較
的容易に入手でき、1000℃程度の熱処理温度では変質あ
るいは変形しない、などの特徴を有している。ところ
が、例えば、LSIを1200℃程度の温度域で熱処理する
工程では、石英ガラスの粘性変形が問題となるため使用
することができず、高純度の炭化珪素質耐熱材料の適用
が試みられている。
るLSIなどの半導体製造プロセスにおいては、シリコ
ンウェハーの熱処理時に使用される炉心管(プロセスチ
ューブ、ライナーチューブ)やウェハーボート、あるい
はその他の治工具として、主に高純度石英ガラス製品が
用いられている。石英ガラスは、純度の高いものが比較
的容易に入手でき、1000℃程度の熱処理温度では変質あ
るいは変形しない、などの特徴を有している。ところ
が、例えば、LSIを1200℃程度の温度域で熱処理する
工程では、石英ガラスの粘性変形が問題となるため使用
することができず、高純度の炭化珪素質耐熱材料の適用
が試みられている。
【0003】しかし、近年、LSIの集積度が大きくな
るとともに、炭化珪素質耐熱材料を用いた炉心管やウェ
ハー支持部材が含有する微量の不純物によるシリコンウ
ェハーの汚染が問題化しており、炭化珪素質耐熱材料に
対する一層の高純度化の要求とともに、石英ガラスに対
する高耐熱化の要求も強くなっている。
るとともに、炭化珪素質耐熱材料を用いた炉心管やウェ
ハー支持部材が含有する微量の不純物によるシリコンウ
ェハーの汚染が問題化しており、炭化珪素質耐熱材料に
対する一層の高純度化の要求とともに、石英ガラスに対
する高耐熱化の要求も強くなっている。
【0004】石英ガラスに対する上記の要求に対して、
特開昭63−236722号公報では、高耐熱性を付与するとと
もに不純物の侵入を阻止することを目的として、石英ガ
ラス材の表面層にクリストバライト化を誘起する核とし
ての不純物元素を導入し、石英ガラス材の表面をクリス
トバライト層で被覆する方法が提案されている。この方
法で得られる石英ガラス材は、その表面に形成されるク
リストバライト結晶層の耐熱性が石英ガラスのそれより
も高いために、材料全体の耐熱性が向上するが、使用期
間が長期にわたると、クリストバライト層の領域が拡大
して脆くなり、ダストの発生原因となったり、材料にク
ラックが生じるなど、熱による変形以外の問題が発生す
る。
特開昭63−236722号公報では、高耐熱性を付与するとと
もに不純物の侵入を阻止することを目的として、石英ガ
ラス材の表面層にクリストバライト化を誘起する核とし
ての不純物元素を導入し、石英ガラス材の表面をクリス
トバライト層で被覆する方法が提案されている。この方
法で得られる石英ガラス材は、その表面に形成されるク
リストバライト結晶層の耐熱性が石英ガラスのそれより
も高いために、材料全体の耐熱性が向上するが、使用期
間が長期にわたると、クリストバライト層の領域が拡大
して脆くなり、ダストの発生原因となったり、材料にク
ラックが生じるなど、熱による変形以外の問題が発生す
る。
【0005】一方、石英ガラス材の耐熱性を本質的に改
善する方法としては、材料に窒素原子(N)を導入(ド
ープ)してSi−O結合よりも強固なSi−N結合を形成さ
せる方法が知られている。この方法は、VAD(Vapor-p
hase Axial Deposition)法、OVD(Outside Vapor Dep
osition)法、MCVD(Modified Chemical Vapor Depos
ition)法などを用い、気相合成によりガラス質の二酸化
珪素(SiO2)からなる多孔体を形成し、この多孔体を加
熱炉に入れてアンモニア(NH3) を含む雰囲気中で、焼結
による緻密化が起こらない温度域(1200℃以下)で加熱
処理した後、高温に加熱して焼結し、緻密な窒素ドープ
石英ガラス材を得る方法である。しかしながら、この方
法によって耐熱温度の指標となる歪点(材料の粘性係数
が1014.5poise となる温度、以下、耐熱温度ともいう)
を1100℃を超える温度まで高めるのに必要な窒素(N)
をドープしようとすると、焼結時に NH3の分解生成物で
ある窒素ガス(N2)あるいは水素ガス(H2)の発生に起
因するガラスの発泡現象が起こり、石英ガラス中に高濃
度に窒素をドープした緻密な石英ガラスを得ることがで
きない。
善する方法としては、材料に窒素原子(N)を導入(ド
ープ)してSi−O結合よりも強固なSi−N結合を形成さ
せる方法が知られている。この方法は、VAD(Vapor-p
hase Axial Deposition)法、OVD(Outside Vapor Dep
osition)法、MCVD(Modified Chemical Vapor Depos
ition)法などを用い、気相合成によりガラス質の二酸化
珪素(SiO2)からなる多孔体を形成し、この多孔体を加
熱炉に入れてアンモニア(NH3) を含む雰囲気中で、焼結
による緻密化が起こらない温度域(1200℃以下)で加熱
処理した後、高温に加熱して焼結し、緻密な窒素ドープ
石英ガラス材を得る方法である。しかしながら、この方
法によって耐熱温度の指標となる歪点(材料の粘性係数
が1014.5poise となる温度、以下、耐熱温度ともいう)
を1100℃を超える温度まで高めるのに必要な窒素(N)
をドープしようとすると、焼結時に NH3の分解生成物で
ある窒素ガス(N2)あるいは水素ガス(H2)の発生に起
因するガラスの発泡現象が起こり、石英ガラス中に高濃
度に窒素をドープした緻密な石英ガラスを得ることがで
きない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の窒素ドープ石英ガラス材を得る際におけるガラスの発
泡の問題を解決し、ガラス中に高濃度のNを含有する、
従来よりも耐熱性に優れる合成石英ガラスの製造方法を
提供することにある。
の窒素ドープ石英ガラス材を得る際におけるガラスの発
泡の問題を解決し、ガラス中に高濃度のNを含有する、
従来よりも耐熱性に優れる合成石英ガラスの製造方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】気相合成による超高純度
の合成石英ガラスの製造方法は、MCVD法、OVD
法、VAD法などのスート法と総称される技術を適用す
る方法で、光ファイバーの製造などを目的として開発さ
れ、実用化されている。気相合成により得られる石英ガ
ラスの多孔体(以下、石英ガラス母材という)は、四塩
化珪素などの珪素塩化物を気化し、火炎などの酸化雰囲
気中で加水分解反応〔下記 (1)式〕または酸化反応〔下
記 (2)式〕を行わせ、生成したガラス質のSiO2の微粒子
を堆積させ、これを焼き固めることにより製造される。
の合成石英ガラスの製造方法は、MCVD法、OVD
法、VAD法などのスート法と総称される技術を適用す
る方法で、光ファイバーの製造などを目的として開発さ
れ、実用化されている。気相合成により得られる石英ガ
ラスの多孔体(以下、石英ガラス母材という)は、四塩
化珪素などの珪素塩化物を気化し、火炎などの酸化雰囲
気中で加水分解反応〔下記 (1)式〕または酸化反応〔下
記 (2)式〕を行わせ、生成したガラス質のSiO2の微粒子
を堆積させ、これを焼き固めることにより製造される。
【0008】 SiCl4 +2H2O → SiO2 +4HCl ・・・(1) SiCl4 + O2 → SiO2 +2Cl2 ・・・(2) このようにして製造される気相合成石英ガラス母材は微
粒子を堆積させる段階で塩化水素(HCl) 、塩素(Cl2) な
どのハロゲン系のガスと分離されるため、ハロゲン系の
ガスによる合成用の金属製容器の腐食により生成する金
属のハロゲン化物が石英ガラス母材中に不純物として混
入するのを防止することができ、極めて高純度なガラス
質のSiO2の多孔体を得ることができる。
粒子を堆積させる段階で塩化水素(HCl) 、塩素(Cl2) な
どのハロゲン系のガスと分離されるため、ハロゲン系の
ガスによる合成用の金属製容器の腐食により生成する金
属のハロゲン化物が石英ガラス母材中に不純物として混
入するのを防止することができ、極めて高純度なガラス
質のSiO2の多孔体を得ることができる。
【0009】この石英ガラス母材はおよそ12m2/g程度の
比表面積を有する多孔体で、ガスの透過、浸透が可能で
あり、母材を構成するSiO2微粒子の表面に種々の気体分
子を固定することができる。
比表面積を有する多孔体で、ガスの透過、浸透が可能で
あり、母材を構成するSiO2微粒子の表面に種々の気体分
子を固定することができる。
【0010】石英ガラスの耐熱性を向上させるためにド
ープする成分(ドーパント)としては、Nが有効である
ことが知られている。Nを石英ガラス母材にドープする
には、主としてN2およびアンモニア(NH3) が用いられて
いるが、 NH3はN2よりも母材に固定され易く、Nを高濃
度にドープするのに適している。 NH3は石英ガラス母材
と下記 (3)式のように反応し、固定される。
ープする成分(ドーパント)としては、Nが有効である
ことが知られている。Nを石英ガラス母材にドープする
には、主としてN2およびアンモニア(NH3) が用いられて
いるが、 NH3はN2よりも母材に固定され易く、Nを高濃
度にドープするのに適している。 NH3は石英ガラス母材
と下記 (3)式のように反応し、固定される。
【0011】 Si−OH +NH3 → Si−NH2 +H2O ・・・(3) この窒素ドープ母材の焼結開始温度は、何もドープして
いない合成石英ガラス母材よりも 100℃程度高く、およ
そ1300℃程度であることが知られている。
いない合成石英ガラス母材よりも 100℃程度高く、およ
そ1300℃程度であることが知られている。
【0012】ただし、窒素ドープ母材を焼結する過程
で、固定されたNの約半分がN2あるいはH2として脱離
し、このN2あるいはH2が焼結過程で形成される閉気孔内
にとどまり、熱膨張して前記の発泡現象を引き起こし、
母材の緻密化を阻害する。
で、固定されたNの約半分がN2あるいはH2として脱離
し、このN2あるいはH2が焼結過程で形成される閉気孔内
にとどまり、熱膨張して前記の発泡現象を引き起こし、
母材の緻密化を阻害する。
【0013】本発明者らは、窒素ドープ母材からのNの
離脱と、それに伴うN2やH2の生成が1200℃以上で特に激
しく生ずることを考慮し、焼結の際に、この温度から緻
密化するために必要な焼結最高温度までの間における昇
温速度を 100℃/hr 以下にすれば、母材の細孔が閉気孔
化する前に上記分解ガスを母材の外に逃がすことが可能
となり、高濃度にNをドープした母材を容易に緻密化で
きることを見出した。
離脱と、それに伴うN2やH2の生成が1200℃以上で特に激
しく生ずることを考慮し、焼結の際に、この温度から緻
密化するために必要な焼結最高温度までの間における昇
温速度を 100℃/hr 以下にすれば、母材の細孔が閉気孔
化する前に上記分解ガスを母材の外に逃がすことが可能
となり、高濃度にNをドープした母材を容易に緻密化で
きることを見出した。
【0014】上記の知見に基づく本発明の要旨は、「気
相合成により得られるガラス質のSiO2微粒子からなる多
孔体を、アンモニアを含む雰囲気中で加熱処理し、次い
で、1200℃以上の温度域における昇温速度を 100℃/hr
以下として焼結し、石英ガラス中のN含有量を0.15wt%
以上とすることを特徴とする合成石英ガラスの製造方
法」にある。
相合成により得られるガラス質のSiO2微粒子からなる多
孔体を、アンモニアを含む雰囲気中で加熱処理し、次い
で、1200℃以上の温度域における昇温速度を 100℃/hr
以下として焼結し、石英ガラス中のN含有量を0.15wt%
以上とすることを特徴とする合成石英ガラスの製造方
法」にある。
【0015】前記の合成石英ガラスとは、MCVD法、
OVD法、VAD法などを適用して気相合成により得ら
れる石英ガラスである。
OVD法、VAD法などを適用して気相合成により得ら
れる石英ガラスである。
【0016】
【作用】以下に、本発明で規定する諸条件について説明
する。
する。
【0017】本発明の合成石英ガラスの製造方法におい
て、ガラス中のN含有量を0.15wt%以上としたのは1100
℃を超える歪点、すなわち耐熱温度を有する石英ガラス
を得るためである。
て、ガラス中のN含有量を0.15wt%以上としたのは1100
℃を超える歪点、すなわち耐熱温度を有する石英ガラス
を得るためである。
【0018】図1はNをドープした合成石英ガラス中の
N濃度と耐熱温度(歪点)の関係を示すグラフである
が、合成石英ガラスの耐熱温度(歪点)はガラス中のN
濃度の増大に伴って直線的に上昇する。この図から、11
00℃を超える耐熱温度を有する石英ガラスを得るために
は、0.15wt%程度のNをドープすればよく、1200℃を超
える耐熱温度とするためには 1.5wt%程度のNのドーピ
ングが必要であることがわかる。
N濃度と耐熱温度(歪点)の関係を示すグラフである
が、合成石英ガラスの耐熱温度(歪点)はガラス中のN
濃度の増大に伴って直線的に上昇する。この図から、11
00℃を超える耐熱温度を有する石英ガラスを得るために
は、0.15wt%程度のNをドープすればよく、1200℃を超
える耐熱温度とするためには 1.5wt%程度のNのドーピ
ングが必要であることがわかる。
【0019】合成石英ガラス中にNをドープするには、
気相合成により得られる石英ガラス母材に、 NH3を含む
雰囲気中で加熱処理を施せばよい。
気相合成により得られる石英ガラス母材に、 NH3を含む
雰囲気中で加熱処理を施せばよい。
【0020】気相合成には、前記のように、MCVD
法、OVD法、VAD法などを適用することができる。
また、加熱処理も公知の方法で行えばよく、後述の実施
例に示すように、加熱処理時間を調節することにより石
英ガラス母材へのNドープ量を広範囲でコントロールす
ることができる。
法、OVD法、VAD法などを適用することができる。
また、加熱処理も公知の方法で行えばよく、後述の実施
例に示すように、加熱処理時間を調節することにより石
英ガラス母材へのNドープ量を広範囲でコントロールす
ることができる。
【0021】NH3 を作用させてガラス質のSiO2微粒子の
表面にNを固定した窒素ドープ石英ガラス母材を1300℃
以上の温度域に加熱すれば、焼結が進行し、緻密な石英
ガラスが得られる。
表面にNを固定した窒素ドープ石英ガラス母材を1300℃
以上の温度域に加熱すれば、焼結が進行し、緻密な石英
ガラスが得られる。
【0022】しかし、図2に示すように、窒素ドープ石
英ガラス母材を1290℃以上に加熱すると、膨張が生じて
緻密化しない。これは、加熱の過程で下記 (4)〜(6) 式
などの反応によりガス(N2あるいはH2O )が発生し、一
方、母材の少なくとも表層部は焼結が進行して気孔が閉
じられた状態になるので、前記の発泡現象が起こること
によるものと推測される。
英ガラス母材を1290℃以上に加熱すると、膨張が生じて
緻密化しない。これは、加熱の過程で下記 (4)〜(6) 式
などの反応によりガス(N2あるいはH2O )が発生し、一
方、母材の少なくとも表層部は焼結が進行して気孔が閉
じられた状態になるので、前記の発泡現象が起こること
によるものと推測される。
【0023】 Si3N4 +3SiO2 → 6SiO +2N2 ・・・
(4)
(4)
【0024】
【数1】
【0025】
【数2】
【0026】この場合、高温域での昇温速度を十分遅く
すれば、焼結に伴い気孔が閉塞する閉気孔化速度が非常
に遅くなるため、閉気孔化が完了する前に (4)〜(6) 式
等の反応により生じるガスが母材外へ放散する時間を確
保できる。ガスの放散を母材の緻密化による細孔の閉塞
より早く完了させるためには、昇温速度を 100℃/hr以
下とすることが必要である。また、図2の線膨張速度が
負となる領域では緻密化が進行していることを示すが、
1200℃程度では窒素ドープ母材の閉気孔化速度、すなわ
ち、緻密化速度は極めて小さい。従って、焼結の際の昇
温速度を、1200℃以上の温度域で 100℃/hr 以下とし
た。
すれば、焼結に伴い気孔が閉塞する閉気孔化速度が非常
に遅くなるため、閉気孔化が完了する前に (4)〜(6) 式
等の反応により生じるガスが母材外へ放散する時間を確
保できる。ガスの放散を母材の緻密化による細孔の閉塞
より早く完了させるためには、昇温速度を 100℃/hr以
下とすることが必要である。また、図2の線膨張速度が
負となる領域では緻密化が進行していることを示すが、
1200℃程度では窒素ドープ母材の閉気孔化速度、すなわ
ち、緻密化速度は極めて小さい。従って、焼結の際の昇
温速度を、1200℃以上の温度域で 100℃/hr 以下とし
た。
【0027】上記の方法により、 NH3を含有する雰囲気
中での加熱処理によって高濃度に窒素を含有させた石英
ガラス母材でも容易に緻密化でき、高濃度の窒素を含有
する合成石英ガラスを得ることができる。
中での加熱処理によって高濃度に窒素を含有させた石英
ガラス母材でも容易に緻密化でき、高濃度の窒素を含有
する合成石英ガラスを得ることができる。
【0028】
【実施例】VAD法により気相合成した嵩密度が約0.3g
/cm3、比表面積が約12m2/g、平均粒径が約 0.2μmの石
英ガラス母材を、 NH3 80vol%(残部:N2) の雰囲気中
において、1000℃で処理時間を 0.5〜4時間として加熱
処理したところ、図3に示すように、最大 5.2wt%のN
を含む多孔体(窒素ドープ母材)が得られた。
/cm3、比表面積が約12m2/g、平均粒径が約 0.2μmの石
英ガラス母材を、 NH3 80vol%(残部:N2) の雰囲気中
において、1000℃で処理時間を 0.5〜4時間として加熱
処理したところ、図3に示すように、最大 5.2wt%のN
を含む多孔体(窒素ドープ母材)が得られた。
【0029】これらの多孔体のうち、N含有量が 1.9wt
%の多孔体を減圧下(約10-3Torr)で最高温度を1100〜
1600℃の範囲で変えて焼結し、緻密化の可否を調べた。
なお、緻密化の判定は5mm厚の試料についての透光性の
有無を目視観察することにより行った。緻密化していれ
ば透光性はなく、緻密化していなけば透光性を有する。
%の多孔体を減圧下(約10-3Torr)で最高温度を1100〜
1600℃の範囲で変えて焼結し、緻密化の可否を調べた。
なお、緻密化の判定は5mm厚の試料についての透光性の
有無を目視観察することにより行った。緻密化していれ
ば透光性はなく、緻密化していなけば透光性を有する。
【0030】結果を表1に示す。表中の○印は緻密化し
ていることを、×印は緻密化していないことを表す。こ
の結果から明らかなように、焼結工程の最高温度が1100
℃あるいは1200℃の場合は24時間保持しても緻密化しな
かったが、焼結最高温度を1300℃、1450℃あるいは1600
℃とした場合(1200℃以上の温度域での昇温速度:50℃
/hr )は、緻密なガラスが得られた。
ていることを、×印は緻密化していないことを表す。こ
の結果から明らかなように、焼結工程の最高温度が1100
℃あるいは1200℃の場合は24時間保持しても緻密化しな
かったが、焼結最高温度を1300℃、1450℃あるいは1600
℃とした場合(1200℃以上の温度域での昇温速度:50℃
/hr )は、緻密なガラスが得られた。
【0031】また、焼結最高温度を1450℃の一定とし、
1200℃以上の温度域における昇温速度を 150℃/hr ある
いは 120℃/hr とした場合は、緻密化せず、 100℃/hr
あるいは50℃/hr のときは緻密な石英ガラスが得られ
た。
1200℃以上の温度域における昇温速度を 150℃/hr ある
いは 120℃/hr とした場合は、緻密化せず、 100℃/hr
あるいは50℃/hr のときは緻密な石英ガラスが得られ
た。
【0032】上記の各条件下で得られた石英ガラスのう
ち、緻密な石英ガラスの歪点はいずれも1150℃程度で、
従来の石英ガラスよりも高い耐熱性を示した。また、不
純物金属元素(Al、Fe、Ti、Ca、Mg、Cu、P、B、Na、
KおよびLi)の濃度は1ppm以下で極めて純度の高いも
のであった。
ち、緻密な石英ガラスの歪点はいずれも1150℃程度で、
従来の石英ガラスよりも高い耐熱性を示した。また、不
純物金属元素(Al、Fe、Ti、Ca、Mg、Cu、P、B、Na、
KおよびLi)の濃度は1ppm以下で極めて純度の高いも
のであった。
【0033】前記の多孔体のうち、Nを 3.1wt%含む多
孔体(窒素ドープ母材)を、同じく減圧下で最高温度を
1500℃とし、1200℃以上の温度域での昇温速度を50℃/h
r として焼結したところ、緻密な石英ガラスが得られ、
その歪点は1200℃を超えていた。
孔体(窒素ドープ母材)を、同じく減圧下で最高温度を
1500℃とし、1200℃以上の温度域での昇温速度を50℃/h
r として焼結したところ、緻密な石英ガラスが得られ、
その歪点は1200℃を超えていた。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明方法によれば、高濃度のNを含有
する合成石英ガラスを得ることができる。この合成石英
ガラスは耐熱性が従来のものよりも優れ、半導体製造プ
ロセスで用いられるプロセスチューブやウェハーボート
などの高純度耐熱材料、あるいは、多結晶シリコンを用
いた薄膜トランジスタの石英ガラス基板の素材として好
適である。
する合成石英ガラスを得ることができる。この合成石英
ガラスは耐熱性が従来のものよりも優れ、半導体製造プ
ロセスで用いられるプロセスチューブやウェハーボート
などの高純度耐熱材料、あるいは、多結晶シリコンを用
いた薄膜トランジスタの石英ガラス基板の素材として好
適である。
【図1】Nを含む合成石英ガラス中のN濃度と耐熱温度
(歪点)の関係を示すグラフである。
(歪点)の関係を示すグラフである。
【図2】Nをドープした石英ガラス母材についての熱処
理温度と線膨張係数の関係を示すグラフである。
理温度と線膨張係数の関係を示すグラフである。
【図3】石英ガラス母材を NH3を含む雰囲気中で加熱処
理したときの処理時間と母材中のN濃度の関係を示すグ
ラフである。
理したときの処理時間と母材中のN濃度の関係を示すグ
ラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】気相合成により得られるガラス質のSiO2微
粒子からなる多孔体を、アンモニアを含む雰囲気中で加
熱処理し、次いで、1200℃以上の温度域における昇温速
度を100℃/hr 以下として焼結し、石英ガラス中のN含
有量を0.15wt%以上とすることを特徴とする合成石英ガ
ラスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7398792A JPH05279049A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 合成石英ガラスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7398792A JPH05279049A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 合成石英ガラスの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05279049A true JPH05279049A (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=13533975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7398792A Pending JPH05279049A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 合成石英ガラスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05279049A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0770584A1 (en) * | 1994-04-28 | 1997-05-02 | Heraeus Quarzglas GmbH | Method for producing heat-resistant synthetic quartz glass |
EP1580170A1 (en) * | 2002-11-29 | 2005-09-28 | Shin-Etsu Quartz Products Co., Ltd. | Method for producing synthetic quartz glass and synthetic quartz glass article |
WO2006104178A1 (en) * | 2005-03-29 | 2006-10-05 | Asahi Glass Company, Limited | Quartz-type glass and process for its production |
WO2024004546A1 (ja) * | 2022-06-29 | 2024-01-04 | 住友電気工業株式会社 | ガラス材及び光ファイバ |
-
1992
- 1992-03-30 JP JP7398792A patent/JPH05279049A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0770584A1 (en) * | 1994-04-28 | 1997-05-02 | Heraeus Quarzglas GmbH | Method for producing heat-resistant synthetic quartz glass |
US5766291A (en) * | 1994-04-28 | 1998-06-16 | Heraeus Quarzglas Gmbh | Method for producing heat-resistant synthetic quartz glass |
EP1580170A1 (en) * | 2002-11-29 | 2005-09-28 | Shin-Etsu Quartz Products Co., Ltd. | Method for producing synthetic quartz glass and synthetic quartz glass article |
EP1580170A4 (en) * | 2002-11-29 | 2011-12-28 | Shinetsu Quartz Prod | METHOD FOR THE PRODUCTION OF SYNTHETIC QUARTZ GLASS AND ARTICLES FROM SYNTHETIC QUARTZ GLASS |
WO2006104178A1 (en) * | 2005-03-29 | 2006-10-05 | Asahi Glass Company, Limited | Quartz-type glass and process for its production |
WO2024004546A1 (ja) * | 2022-06-29 | 2024-01-04 | 住友電気工業株式会社 | ガラス材及び光ファイバ |
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