JPH05277491A - 水系処理方法 - Google Patents

水系処理方法

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JPH05277491A
JPH05277491A JP7385692A JP7385692A JPH05277491A JP H05277491 A JPH05277491 A JP H05277491A JP 7385692 A JP7385692 A JP 7385692A JP 7385692 A JP7385692 A JP 7385692A JP H05277491 A JPH05277491 A JP H05277491A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属の腐食あるいはスケール防止用水処理剤の
濃度を直接的かつ迅速、簡便に正確に測定して、金属の
腐食あるいはスケールを防止する最適の水処理濃度に維
持できる水処理方法を提供する。 【構成】水系における金属の腐食あるいはスケールを防
止する水系処理方法において、それ自身が蛍光性分子で
ある水処理剤を保有水に添加して、蛍光強度を測定する
ことにより、水処理剤の濃度を管理することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷却水系、ボイラー
系、温水系、ブライン系、集塵水系等の水系における金
属の腐食あるいはスケールを防止する水系処理方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】水系における金属の腐食あるいはスケー
ルを防止するため、各種の腐食防止剤、スケール防止剤
及び分散剤が使用されている。これら水処理剤は、水中
における濃度が一定範囲内に維持されていないと、充分
な効果を発揮できない。実用上は水中でのこれら水処理
剤の濃度を測定し、該水処理剤が適正濃度保持されてい
ることを確認しつつ運転を行っている。この際、水処理
剤濃度の測定方法としては、水処理剤中の特定原子、あ
るいは特定官能基に着目し、その濃度を測定するのが一
般的である。例えば、重金属を含む水処理剤では、その
重金属の濃度を測定することにより目的を達成すること
ができ、有機リン酸類、重合リン酸類等のリン酸系水処
理剤では、試料水を酸化剤及び酸の共存下で煮沸して含
まれているリン原子をリン酸イオンに変換させてから、
モリブデン青法により比色分析する方法(例えば、日本
工業規格 JIS K0101)が実施されている。しかし、
このような方法はいずれも操作が煩雑で、時間を要する
ことになる。工業用水系では、水処理剤濃度の測定値が
重要な運転指針であるので、特に迅速な応答が望まれ
る。
【0003】この改善策としては、一定比率のリチウム
塩をトレーサーとして水処理剤に添加する方法(特公昭
55−3668号公報)、一定比率の蛍光物質をトレーサーと
して水処理剤に添加する方法(特開平2−115093号公
報)が開示されている。しかし、このようなトレーサー
を用いる方法はトレーサーと水処理剤が混合されている
だけであるので、水系での挙動が同じにならず、例えば
水処理剤のみが沈澱、吸着等により系内で消費された場
合、トレーサー濃度より換算して水処理濃度を求めても
真の水処理剤濃度とならないことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、水処
理剤の濃度を直接的かつ迅速、簡便に正確に測定して、
金属の腐食あるいはスケールを防止する最適の水処理剤
濃度に維持できる水系処理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる水処
理剤の濃度を直接的かつ迅速、簡便に正確に測定して、
最適の水処理濃度に維持する水系処理方法を開発するた
めに鋭意研究を重ねた結果、それ自身が蛍光性分子であ
る水処理剤を用いることにより、その目的を達成しうる
ことを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至
った。
【0006】すなわち、本発明は水系における金属の腐
食あるいはスケールを防止する水系処理方法において、
それ自身が蛍光性分子である水処理剤(以下、「蛍光性
水処理剤」と云う。)を保有水に注入して蛍光強度を測定
することにより、水処理剤の濃度を管理することを特徴
とする水系処理方法に関するものである。
【0007】本発明に使用する蛍光性水処理剤は、それ
自身が蛍光性分子であり、なおかつ金属の腐食あるいは
スケールを防止する作用を有するものである。ここで蛍
光性分子とは光を吸収して蛍光を発する分子であり、例
えば2個以上の環がπ電子共役してなる構造単位を含む
有機化合物が挙げられる。
【0008】上記π電子共役系は、例えば2個以上の環
が縮環することにより共役系を形成してもよく、又は2
個以上の環が共役結合(例えば、共役2重結合)若しく
は孤立電子対を介して共役系を形成してもよい。このよ
うな構造単位を有機化合物が有することにより、有機化
合物は蛍光を発することが出来る。
【0009】本発明の蛍光性水処理剤の製造方法は、水
処理剤として公知の化合物に上記構造単位を導入するこ
とにより達成できる。例えば、アクリル酸、マレイン
酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸や2-アクリルアミ
ド-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン
酸、3-アリロキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、
共役ジエンのスルホン化合物等の不飽和スルホン酸を含
む重合体は、水処理剤として公知であるが、これらの不
飽和カルボン酸及び/又は不飽和スルホン酸と蛍光性ビ
ニルモノマーとを共重合させることにより蛍光性水処理
剤が製造できる。この場合の蛍光性ビニルモノマーの例
として、ビニルカルバソール、ビニルナフタレン、ビニ
ルアントラセン、ビニルアクリジン、アセナフチレン等
が挙げられる。また、後述の水酸基及び/又はアミノ基
を有する蛍光性化合物をグリシジルメタクリレート、ア
リルグリシジルエーテル、アクリル酸クロライド等の反
応性モノマーと反応させて蛍光性ビニルモノマーとする
こともできる。
【0010】重合開始剤としては、例えばラジカル重合
開始剤(具体的には、パーオキシ化合物等)が挙げられ
る。その他、共重合に際しては添加剤として重合鎖末端
封鎖剤(具体的には、チオグリコール酸エステル等)な
どを加えてよい。重合条件は適宜選択されるが、例えば
重合温度50〜150℃、重合時間1〜10時間である。共重
合組成において、不飽和カルボン酸と不飽和スルホン酸
の合量100重量部に対し、蛍光性ビニルモノマー0.1〜30
重量部、重合開始剤0.05〜10重量部であってよい。上記
のようにして得られる共重合体は、ブロックでもランダ
ムでもよい。共重合体の物性において、重量平均分子量
500〜50,000が好ましい。
【0011】また、本発明に使用する蛍光性水処理剤
は、水処理剤として公知の化合物に蛍光性化合物を直接
反応させ、水処理剤を変性することによっても製造する
ことができる。即ち、公知水処理剤分子中の適当な官能
基(例えば、酸無水物基、カルボン酸基、スルホン酸
基、遊離エステル基、水酸基、イソシアナート基、アミ
ノ基等)と結合し得る官能基(例えば、水酸基、アミノ
基、イソシアナート基、エポキシ基等)を有する蛍光性
化合物にて、上記公知水処理剤を変性することにより分
子中に蛍光性化合物が導入され、従って公知水処理剤を
蛍光性水処理剤とすることが出来る。この例として、無
水マレイン酸重合体(共重合体を含む)に、水酸基又は
アミノ基を有する蛍光性化合物を非水溶媒中で反応させ
て、重合体中の酸無水物基の少なくとも一部をエステル
化、アミド化及び/又はイミド化して蛍光性化合物を導
入し、蛍光性水処理剤を得ることができる。ここで水酸
基及び/又はアミノ基を有する蛍光性化合物の好ましい
例として、分子中に少なくとも一個以上の水酸基及び/
又はアミノ基を有し、2個以上の環がπ電子共役系を形
成した有機化合物が挙げられ、そのような化合物の例と
して、フルオレセイン、カルバゾール、アクリジン、ア
クリドン等の誘導体、あるいは水酸基及び/又はアミノ
基を置換基として有するナフタレン、アントラセン、ペ
リレン、フルオレイン、スチルベン、クマリン等の誘導
体が挙げられる。ここで蛍光性化合物としてこれらのス
ルホン酸誘導体を用いると、重合体中にスルホン酸基が
導入されるため、スケール分散効果が向上する。水処理
剤として公知の化合物に蛍光性分子を導入する場合に、
蛍光性分子の混合割合は特に限定されるものではない
が、水処理剤本来の機能を損なわないことが重要であ
り、その為には0.1〜40重量%程度である。
【0012】上記のようにして得られる変性重合体の物
性において、重量平均分子量500〜50,000が好ましい。
【0013】また、ナフタレン、アントラセン等の縮合
環を有する化合物を硫酸存在下でスルホン化したのち、
ホルマリン、メチラール、クロラール等と反応させて得
た縮合ポリマーはスケール分散作用を有し、かつ強い蛍
光強度を示すので本発明に蛍光性水処理剤としてそのま
ま用いることができる。
【0014】上記のようにして得られる縮合ポリマー
は、重量平均分子量500〜50,000が好ましい。
【0015】本発明に係わる蛍光性水処理剤は、腐食あ
るいはスケールの抑制が達成できる十分な濃度を維持す
るために、連続的に又は間欠的に投入される。本発明に
係わる蛍光性水処理剤の添加量は、通常0.1〜1000ppm、
特に0.5〜500ppmが好ましい。
【0016】本発明に係わる蛍光性水処理剤は、公知の
他の水処理剤と組み合わせて用いる事ができる。水処理
剤の例として、ホスホン酸、アクリル酸及び/又はマレ
イン酸と次亜リン酸の重合体、無機リン酸塩、亜鉛塩、
モリブデン酸塩、アクリル酸系重合体及び共重合体、マ
レイン酸系重合体及び共重合体、アゾール類等が挙げら
れる。これらの水処理剤は、本発明の水処理剤と予め混
合して用いてもよい。その他、本発明の処理方法におい
ては添加剤としてスライムコントロール剤として公知の
化合物等を投入してよい。
【0017】蛍光性水処理剤を添加した処理水の蛍光強
度は、市販の蛍光光度計あるいは分光蛍光光度計を用い
て測定することができる。具体的には、処理水を入れた
ガラスセルに励起光を照射して発光させた蛍光を励起光
と直角の方向にフィルター又は分光器を設置して、一定
領域の波長を取り出して光検出器により蛍光強度を測定
する。蛍光強度の測定波長は、通常蛍光スペクトルの測
定により蛍光強度が最大となる波長、例えば250〜850nm
を選択するのが好ましい。励起側波長は、例えば200〜4
00nmで、励起光のスカッター波長と蛍光測定波長が重複
しない波長を選択するのが好ましい。また、励起波長を
選択することにより処理水を希釈することなく、蛍光強
度を調節したり、妨害成分の影響を除去することができ
る。予め既知濃度の蛍光性水処理剤を添加した水につい
て、濃度と蛍光強度の関係(即ち、濃度─蛍光強度の検
量線)を求めておくことにより、処理水の蛍光強度から
処理水に含まれている蛍光性水処理剤の濃度を容易に換
算することができる。蛍光性水処理剤の濃度が、腐食防
止あるいはスケール防止を達成するのに十分な濃度を維
持できるように、蛍光性水処理剤をバッチ投入するか、
あるいは蛍光性水処理剤の注入ポンプのストロークを調
節する。蛍光測定用セルに処理水を連続的に通水するこ
とにより、蛍光性水処理剤濃度を連続的に監視する事が
できる。また、蛍光光度計あるいは蛍光分光光度計から
の出力信号を調節計に送り、調節計からの操作出力によ
り水処理剤注入ポンプを作動させることにより、蛍光性
水処理剤の濃度を自動制御することができる。
【0018】
【作用】それ自身が蛍光性分子であり、なおかつ金属の
腐食あるいはスケールを防止する作用を有する水処理剤
であり、蛍光性分子と水処理剤が混合でなく合体・結合
しており、水処理剤が沈澱、吸着等により系内で消費さ
れた場合でも、消費量と蛍光強度の低下が常に一致し、
従って蛍光強度のみから常に真の水処理剤濃度を求める
ことができる。
【0019】
【実施例】以下に本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0020】(1) 水処理剤の製造 重合体A:500mlの5口フラスコにアクリル酸18g、N-
ビニルカルバゾール2g、イソプロパノール80mlを加
え、冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管、滴下ロート
を取り付けた。窒素を流しつつ溶液を60℃に加熱した
後、チオグリコール酸-2-エチルヘキシル0.25gをイソ
プロパノール10mlで溶解した液を、次いでt-ブチルパー
オキシピバレート1.0gをイソプロパノール10mlに溶解
した液を滴下ロートより滴下した。80℃で5時間還流加
熱した。イソプロパノール留去後、水50g及び50%水酸
化ナトリウム20.0g加えて水溶液とした。不溶分を濾過
後、固型分34.9%、pH5.7、20℃におけるブルックフィ
ールド粘度154cpの反応物水溶液を得た。反応物水溶液
をメタノール中に加え、重合体を析出させ、これを乾燥
して重合体Aを得た。重合体Aの重量平均分子量は、約
5,000であった。図1に重合体Aの蛍光スペクトルを示
す。このときの励起波長は264nmであった。図2に重合
体Aの濃度と蛍光強度の関係を示す。励起波長264nmで
の最大蛍光波長は363nmであった。
【0021】重合体B:500mlの3口フラスコに、無水
マレイン酸−スチレン共重合体(共重合比1:1モル、
分子量1600)10.1g、2-ナフトール-6,8-ジスルホン酸
カリウム4.76g、ジオキサン110ml、酢酸1.5gを加え
た。フラスコに冷却管、攪拌機、温度計を取り付けた。
100℃で3.5時間還流加熱した。ジオキサンを留出除去し
た後、水70g、50%水酸化ナトリウム11.3gを加えて、
共重合体中の未反応の無水マレイン酸単位を加水分解し
て水溶液とした。反応水溶液中の不溶分を濾過して除い
た後、メタノール中に加えて重合体を析出させ、これを
乾燥して重合体Bを得た。図3に重合体Bの100ppm水溶
液の蛍光スペクトルを示す。このときの励起波長は259n
mであった。図4に重合体Bの濃度と蛍光強度の関係を
示す。このときの励起波長は259nm、蛍光波長は460nmで
あった。
【0022】(2) 腐食防止効果の評価 厚さ1mmの一般構造用圧延鋼材(日本工業規格 JIS
SPCC)から外径50mmの円板に切り出し、中心に8mm
の固定取り付け用穴をあけた試験片とした。試験片表面
の汚れを除き、全表面を400番研磨紙で研磨し、アセト
ンで洗浄脱脂して乾燥後0.1mgまで正確に秤量した。試
験水として四日市市の市水を用い、この試験水500ml中
に重合体Aを添加し、試験片を浸漬して100rpmで回転さ
せながら40℃で18時間維持した。試験終了後、0.1mgま
で正確に秤量した。試験片の試験前後の重量比較から腐
食減量を求めた。結果を表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】この結果より、重合体Aにより大幅に腐食
抑制が達成されることが認められた。
【0025】(3) 炭酸カルシウムに対するスケール防止
効果の評価 脱イオン水に塩化カルシウム及び炭酸水素ナトリウムを
溶解して、カルシウム硬度370ppm、H2CO3 360ppm
(CaCO3として)の試験水を調整した。試験水に下記
に示す水処理剤をそれぞれ添加し、試験水のpHを水酸化
ナトリウムにより8.6に調整した。試験水を密閉容器に
入れ、50℃の恒温槽中に18時間静置した後、試験水を定
量用濾紙No.6で濾過し、濾液中のカルシウム硬度をED
TA滴定法(日本工業規格 JIS−K0101)により測
定した。スケール抑止率を下記式により算出した。
【0026】スケール抑止率(%)=100×(CI−C
B)/(CS−CB) ここで、CS:加熱保持前のカルシウム濃度 CB:水処理剤無添加時の加熱保持後のカルシウム濃度 CI:水処理剤添加時の加熱保持後のカルシウム濃度
【0027】同時に濾液の蛍光強度を測定して、予め作
成した濃度対蛍光強度の関係により処理剤濃度を求め
た。結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2より、蛍光強度の測定から、重合体A
は結晶粒子への吸着により水中の残留濃度の低下がある
ことが認められ、水系の運転条件として重合体Aの残留
濃度を6.1〜12.9ppmの範囲に管理するようにして最高の
スケール防止効果が得られることが分かった。一方、比
較例では蛍光強度測定による処理剤濃度は添加した濃度
を示しており、重合体の真の残留濃度を知ることができ
なかった。
【0030】(4) リン酸カルシウムに対するスケール防
止及び分散効果の評価 脱イオン水に水処理剤を加え、更に塩化カルシウム及び
リン酸三ナトリウムを溶解してpH11.6、Ca硬度1000pp
m、PO4 900ppmの試験水を調整した。試験水を密閉容
器に入れ、70℃の恒温槽中に24時間静置した後、試験水
をよく攪拌して、透過光濁度を測定した(日本工業規格
JIS−K0101)。スケール抑止率を下記式により求
めた。
【0031】 スケール抑止率(%)=100×(TB−TI)/TB ここで、TB:水処理剤無添加時の濁度 TI:水処理剤添加時の濁度
【0032】次いで、試験水を2時間静置した後、上澄
液の透過光濁度を同様にして測定した。下記式によりス
ケール分散率を求めた。
【0033】スケール分散率(%)=100×TD/TI ここで、TD:2時間静置後の上澄液の濁度
【0034】また、試験液を濾過した濾液について蛍光
強度を測定し、予め作成した濃度対蛍光強度の関係よ
り、蛍光物質濃度を求めた。結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】重合体Bは、無水マレイン酸−スチレン共
重合体と2-ナフトール-6,8-ジスルホン酸との反応物で
あり、スケール抑制効果が大きく、また蛍光強度より水
中の残留濃度が追跡できることがわかった。比較例で
は、重合体と2-ナフトール-6,8-ジスルホン酸を単なる
混合物として用いたが、スケール防止効果及びスケール
分散効果が充分でない。蛍光強度が減少しているが、こ
れは蛍光物質である2-ナフトール-6,8-ジスルホン酸が
吸着され、系内残留濃度が減少していることを示してい
る。従って、蛍光強度の測定は重合体濃度と全く関係が
なくなり、意味を持たなくなっている。
【0037】
【発明の効果】本発明の水処理方法は、冷却水等を含む
水系の腐食防止あるいはスケール防止用水処理剤の濃度
を、直接的かつ迅速、簡便に正確に測定して、金属の腐
食あるいはスケールを防止する最適の水処理剤濃度を維
持することができ、装置材料の長寿命化、操業の安定化
に奏する効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における重合体Aの蛍光スペクトル図で
ある。
【図2】実施例における重合体Aの濃度と蛍光強度の相
関図である。
【図3】実施例における重合体Bの蛍光スペクトル図で
ある。
【図4】実施例における重合体Bの濃度と蛍光強度の相
関図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水系における金属の腐食あるいはスケー
    ルを防止する水系処理方法において、それ自身が蛍光性
    分子である水処理剤を保有水に注入して、蛍光強度を測
    定することにより水処理剤の濃度を管理する事を特徴と
    する水系処理方法
  2. 【請求項2】 2個以上の環がπ電子共役してなる構造
    単位を含む有機化合物を蛍光性分子とする請求項1記載
    の水系処理方法
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