JPH0527381Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、輪転印刷機の巻取紙リールスタンド
の分野に属し、詳しくは、その巻取紙の用紙幅の
プリセツト装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、輪転印刷機において、巻取紙リールスタ
ンドのフレームに軸支された回転支軸に対し、軸
架されているアームは、その用紙幅の変更に際し
ては、アーム自体を、その回転支軸上を移動させ
ることにより調節していた。

（考案が解決しようとする問題点） 以上のように、アーム自体を、その回転支軸上
を移動させることによつて、用紙幅の変更に対応
させるものにあつては、一方のアームより巻取紙
を給紙中において、他方のアームに、これと幅の
異なる巻取紙を支架させることは不可能であつ
た。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、以上のような点に鑑みて案出された
もので、輪転印刷機の巻取紙リールスタンドにお
けるアームの一方に支架された巻取紙を給紙中に
おいて、用紙幅の異なる巻取紙をもつて印刷する
必要が生じた場合にあつても、給紙中の巻取紙の
印刷の終了を待たずに、他方のアームに異なる用
紙幅の巻取紙をプリセツトしようとするものであ
る。

すなわち、本考案の装置にあつては、巻取紙の
支架用アームの端部近くを分厚く形成し、この部
分にセンターコーンを回動自在に具備するスリー
ブを出入自在に設けるとともに、巻取紙の用紙幅
に応じて移動するスリーブの移動量を電気的に検
出するポテンシオメータをアームに取付けること
によつて問題点の解決を図つている。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面について説明す
る。

本考案における輪転印刷機の巻取紙リールスタ
ンドは、そのフレーム１，１′に回転支軸２が軸
架されていて、これは、フレーム外に設けられた
モータm₁から伝動機構を介して回転される。

この回転支軸２には、巻取紙ａ，a′を支架する
ためのアーム３，３′が巻取紙ａ，a′の用紙幅よ
り広い間隔をもつて固定されている。

このアーム３，３′は、その端部近くが肉厚部
４，４′に形成されており、この部分に、内部に
センターコーン５，５′を回動自在に支持してい
るスリーブ６，６′が出入自在に設けられている。

このスリーブ６，６′の移動機構は、スリーブ
６にあつては、アーム３の肉厚部４に外方に突設
されたケース７内に回転自在に支持された歯車８
に対し、スリーブ６よりの突設螺杆９を螺挿する
とともに、歯車８をアーム３上のモータm₂で回
転するようにしている。なお、１０はキーであ
る。

また、スリーブ６′にあつては、スリーブ６′に
設けたラツク１１に噛合うピニオン１２をアーム
３′に付設したエアシリンダＣで回転するように
している。センターコーン５′の端部には、これ
を回転させるモータm₃が設けられている。なお、
１３はキーである。

アーム３の端面にはポテンシオメータｐがあ
り、これには、スリーブ６より突設された検出子
ｆが対応しており、同様にアーム３′の端面には
ポテンシオメータp′があり、これにスリーブ６′
側より突設した検出子f′が対応している。

アーム３及び３′は、回転支軸２に対して固定
であつて、スリーブ６及び６′は、各別にまた同
時に軸方向に移動調節することができるようにな
つている。また、巻取紙ａ及びa′のように用紙幅
の大小によつても対向するアーム毎に調節するこ
とができるようになつている。

本考案の目的とするところは、例えば、巻取紙
a′を給紙して印刷中に、それより幅の広い巻取紙
ａをもつて印刷しようとするとき、巻取紙a′側と
は関係なく、スリーブ６あるいは６′を同時に、
あるいは各別に移動調節してその幅に対応するよ
うになつている。

巻取紙ａあるいはa′の用紙幅の調節は、例えば
モータm₂によるスリーブ６の軸方向の移動を、
用紙幅コード表によつて所定幅にセツトすると、
第３図に示すように、上位コンピユーターより中
央制御装置にて計算して、そのコード表に応じた
スリーブ６の位置を設定する。

一方、モータm₂の回転は、歯車８を経て螺杆
９によりスリーブ６を移動させ、スリーブ６から
突設された検出子ｆとアーム３端部のポテンシオ
メータｐとの対応により、その位置変化が、さき
の設定されたスリーブ６の位置と一致したとき、
給紙サブローカル制御装置にてモータm₂の回転
を停止する。これにより、例えば巻取紙a′は、そ
れに応じたスリーブ６の移動にてセンターコーン
５及び５′間に正しく支架される。

また、中央制御装置を経ずして、手軽にて用紙
表示及び入力装置より入力することができる。さ
らに、本考案は、例えば巻取紙ａの用紙幅の同一
のものを連続的に紙継ぎして印刷するときは、各
対向センターコーン５，５′、５，５′間を同一に
し、これに支架された巻取紙ａの給紙に対し、そ
の給紙速度に合致するように、紙継ぎ側の巻取紙
ａの回転をモータm₃で上昇させて行う。

（考案の効果） 本考案は、以上のようにフレームに軸架された
回転支軸に対して固定されているアームの端部近
くを肉厚部に形成し、この部分に、巻取紙を支架
するセンターコーンを内部に回転自在に支持した
スリーブを、その軸方向に移動できるように設け
るとともに、その移動量をアームに設けたポテン
シオメータで検出して、その移動を調節するよう
にしたものであるから、巻取紙の用紙幅の異なる
場合の印刷にあつても、従来のように給紙中の巻
取紙の印刷終了を待たずして、他のアームに、ス
リーブの移動調節により簡単に巻取紙をセツトす
ることができる。しかも、このように重量のある
巻取紙の支架を、スリーブの移動によつて行うよ
うにしても、スリーブが支持されているアーム
は、特に巻取紙の支架に耐えうるように肉厚部に
形成しているから、なんら支障をきたすことはな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置を具備する一部を断面を
もつて示した輪転印刷機の巻取紙のリールスタン
ドの正面図、第２図は要部を断面にて示した拡大
正面図、第３図は本考案の装置のフローチヤート
である。 符号、ａ，a′……巻取紙、Ｃ……エアシリン
ダ、m₁，m₂，m₃……モータ、ｆ，f′……検出子、
ｐ，p′……ポテンシオメータ、１，１′……フレ
ーム、２……回転支軸、３，３′……アーム、４，
４′……肉厚部、５，５′……センターコーン、
６，６′……スリーブ、７……ケース、８……歯
車、９……螺杆、１０，１３……キー、１１……
ラツク、１２……ピニオン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リールスタンドのフレームに軸架された回転支
   軸に対して固定状態にある巻取紙の支架用アーム
   は、その端部近くを分厚く形成し、この部分に、
   センターコーンを回動自在に具備するスリーブを
   出入自在に設けるとともに、巻取紙の用紙幅に応
   じて移動するスリーブの移動量を電気的に検出す
   るポテンシオメータをアームに取付けた輪転印刷
   機の巻取紙リールスタンドにおける用紙幅プリセ
   ツト装置。