JPH05270542A

JPH05270542A - 包装箱用中敷化粧枠

Info

Publication number: JPH05270542A
Application number: JP10157692A
Authority: JP
Inventors: Tadao Kawabata; 川端忠男; Yoshimichi Kawamoto; 川本義道
Original assignee: CHIYAAJI GIKEN KK
Current assignee: CHIYAAJI GIKEN KK
Priority date: 1992-03-27
Filing date: 1992-03-27
Publication date: 1993-10-19

Abstract

(57)【要約】【目的】中敷枠基材の表面に貼り合わされた化粧シー
トを剥離することが可能な包装箱用中敷化粧枠を提供す
る。【構成】中敷枠基材１の表面を覆うようにして化粧シ
ート２が配置されたものであって、中敷枠基材１と化粧
シート２が、接着層３を介して剥離可能な状態で貼り合
わされており、この接着層３が、接着剤と接着阻害成分
とから成る。この際、接着剤としては感熱接着剤が好ま
しく、接着阻害成分としては、フッ素樹脂やシリコーン
やワックスなどが好ましい。又、中敷枠基材１と化粧シ
ート２との接着強度は４０〜２００ｇ／２０ｍｍ巾が好
ましい。尚、化粧シート２としては、布やプラスチック
フィルムや合成紙や不織布などが使用できる。【効果】包装箱を使用した後、化粧シート２を中敷枠
基材１から剥離することで、化粧シート２を別の目的で
再利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、中敷枠基材の表面に貼
り合わされた化粧シートを剥離することが可能な包装箱
用の中敷化粧枠に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年では、地球資源の問題やゴミ公害の
問題が大きくクローズアップされてきており、資源の再
生や再利用が種々検討されてきている。今日までに、ハ
ムや洋酒などのギフト用包装箱においては、その内容物
を輸送時の衝撃から保護し、かつ装飾性を高める目的
で、箱の内部に「中敷化粧枠」を配置したものが使用さ
れている。最も一般的な中敷化粧枠としては、ダンボー
ル紙工品やプラスチック成型品の表面に、布、フィル
ム、不織布等の化粧シートを、内容物が入るように内ヒ
ダを形成して貼り付けたものがあり、ハム用の中敷化粧
枠を「ハムゲス」、酒用の中敷化粧枠を「酒ゲス」と称
し、布を貼り付けたものを総称して「布ゲス」と呼んで
いる。

【０００３】これまで、このような布ゲス（中敷化粧
枠）において、内容物の保護及び装飾用として使用され
てきている化粧シートには、レーヨン、ポリエステル、
アセテートサテン布地、ポリエステルタフタ布地などの
各種布地の他に、不織布、蒸着フィルム、合成紙などの
幅広い素材があり、これらの化粧シートを用いて包装箱
用中敷化粧枠を設計する際には、中敷枠基材（段ボール
紙工品など）と化粧シートとが剥離しないように接着す
ることが通念であった。又、物理的な方法で中敷枠基材
と化粧シートとを固定する場合にも剥離しないようにす
ることが設計基準であった。特に、化粧シートとして布
を用いた中敷化粧枠にあっては、中敷枠基材の表面に塗
布された接着剤が、布を構成する繊維に絡まるようにし
て入り込み、布の断面中央にまで達する状態で接着され
たものとなり、剥離した後に布側に接着剤が残るので、
剥離した布を他の用途に再利用することが困難であっ
た。

【０００４】従って、このような従来の包装箱用中敷化
粧枠の場合、使用後にゴミ処理で処分するしかなく、中
敷枠基材の段ボールを古紙として回収して再生すること
もできなかった。この原因としては、中敷化粧枠を製造
する際に使用される接着剤が、澱粉系などの天然樹脂系
接着剤や、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、エチレ
ン酢酸ビニル、アクリル、ゴム系などの合成樹脂系接着
剤であることが挙げられ、これらの接着剤はいずれも、
中敷枠基材と化粧シートとの接着強度が大きく、両者を
互いに完全に接着（固着）し、中敷枠基材を破壊するこ
となく化粧シートを剥離できないものである。

【０００５】このような接着剤を使用して弱い接着力を
得る方法としては、接着剤の樹脂量を低下させたり、接
着性が阻害されるような悪い条件で接着を行って接着不
良を引き起こしたりする方法が挙げられ、これらの方法
により、接着性低下に似た効果や現象が得られることも
ある。しかしながら、このような方法を用いて、所定の
接着力を安定して得ることは極めて困難であり、又、中
敷枠基材や化粧シートに接着剤の残存被膜が付着し易い
などの予期せぬ不良事故につながる可能性があり、好ま
しい方法とは言えない。上述の如く、これまで、中敷枠
基材を破壊することなく表面に貼り合わされた化粧シー
トを剥離することのできる包装箱用中敷化粧枠は提案さ
れていない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を改良し、中敷枠基材の表面に貼り合わされた化粧シー
トを簡易に剥離できることで、この化粧シートを再利用
することが可能な包装箱用中敷化粧枠を提供することを
課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の包装箱用中敷化
粧枠は、中敷枠基材の表面を覆うようにして化粧シート
が配置されたものであって、上記中敷枠基材と化粧シー
トが、接着層を介して剥離可能な状態で貼り合わされて
おり、上記接着層が、接着剤と接着阻害成分とから成る
ことを特徴とする。即ち、本発明では、接着剤中に、接
着性を阻害する性質を有した成分（接着阻害成分）が分
散されてなる接着層を形成させることによって、中敷枠
基材と化粧シートとの間の接着強度が、剥離可能な大き
さに調節されており、剥離した際に化粧シート側に接着
層が残らないことにより、この化粧シートを再利用する
ことができるものとなっている。

【０００８】又、本発明は、上記の包装箱用中敷化粧枠
において、接着剤が、感熱接着剤であり、しかも上記接
着阻害成分が、フッ素樹脂、シリコーン及びワックスか
らなる群より選ばれたものでもあり、更には、中敷枠基
材と化粧シートとの接着強度が４０〜２００ｇ／２０ｍ
ｍ巾であることを特徴とするものでもある。

【０００９】まず、図１及び図２に、本発明の包装箱用
中敷化粧枠の断面構造（図１参照）及び使用状態（図２
参照）を示し、本発明を説明する。図１に示されるよう
に、本発明の包装箱用中敷化粧枠は、上面側に開口部を
有する中敷枠基材１と、布帛状の化粧シート２から構成
されており、中敷枠基材１の上面全体が化粧シート２で
覆われていて、この化粧シート２が、中敷枠基材１の開
口部の部分において、たるみを持った状態で窪んだ部分
を形成している。そして、この窪んだ部分に、所望の内
容物が収納できるようになっている。しかも、この中敷
枠基材１と化粧シート２とは、側面側において（図１参
照）、接着剤と接着阻害成分から構成される接着層３を
介して接着されている。ただし、この接着層３は、中敷
枠基材１の上面側にも設けられても良い。

【００１０】そして、本発明では、中敷枠基材１と化粧
シート２との接着強度が、包装時、梱包時、箱詰時にお
いては剥離しないが、包装箱を使用した後に手で容易に
剥離可能な強度に調節されており、この接着強度（剥離
強度）は用途に応じて適宜選ばれるものではあるが、一
般的には４０〜２００ｇ／２０ｍｍ巾（引張速度１５０
ｍｍ／min.、剥離角度１８０°の条件で測定）となるこ
とが好ましく、特に好ましい範囲は１００〜１７０ｇ／
２０ｍｍ巾である。これは、接着強度が４０ｇ／２０ｍ
ｍ巾以下の場合には箱詰作業等において化粧シート２が
剥がれる恐れがあり、逆に２００ｇ／２０ｍｍ巾以上の
場合には剥離時に大きな力が必要となる上、中敷枠基材
１として段ボールを使用したものでは、化粧シート２を
剥離した際に材料破壊が生じるためである。

【００１１】本発明では、中敷枠基材１と化粧シート２
とを接着するための接着層３が、従来の接着剤から得ら
れる接着層とは異なっており、この接着層３により、中
敷枠基材１と化粧シート２との接着性と剥離性が改質さ
れている。即ち、本発明の包装箱用中敷化粧枠における
接着層３は、接着剤と接着阻害成分とを含んだものであ
り、接着剤としては、エマルジョン系、溶剤系、ホット
メルト系などの接着剤や粘着剤が使用でき、特にポリビ
ニルアルコール系、ポリ酢酸ビニル系、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体（ＥＶＡ）系、ポリアクリル酸エステル
系、ゴム系などの合成樹脂系接着剤や、澱粉などの天然
樹脂系接着剤が好ましい。一方、中敷枠基材１と化粧シ
ート２との接着強度を調整し、剥離性を付与させるため
に添加される接着阻害成分としては、フッ素樹脂（テフ
ロン）、シリコーン、ワックスなどが使用できる。

【００１２】尚、本発明では、上記接着層３における接
着剤と接着阻害成分との固形分重量比は、使用される接
着剤の種類により１００：０．０１〜２５の範囲内で適
宜調整され、このような組成比率の接着層３を形成させ
るには、接着剤の固形分濃度が１０〜１００％であるも
のと、接着阻害成分（剥離剤、離型剤）の固形分濃度が
１〜１００％であるものとを、固形分重量比として上記
の割合になるようにして均一に混合し、得られた分散液
を中敷枠基材１上に塗布すれば良い。この際、特に接着
剤がＥＶＡ系、アクリル系、ゴム系の合成樹脂感熱接着
剤である場合には、このような接着剤を１０〜６０％の
割合で含む分散液１００重量部に対して、上記の接着阻
害成分を１０〜１００％の割合で含む剥離剤や離型剤を
０．１〜２５重量部混合するのが一般的であり、又、接
着阻害成分がシリコーンである場合には、上記の接着剤
を５０％の割合で含む分散液１００重量部に対して、シ
リコーンを５０％含有する分散液を０．１〜２５重量部
混合するのが一般的である。本発明の中敷にあっては、
前記の接着剤及び接着阻害成分が上記の組成比率で含ま
れている接着層３が形成されることで、低コストで安定
した接着を得ることができる。尚、本発明では、接着層
３の厚さは、使用する接着剤及び接着阻害成分の種類や
混合比率に応じて適宜調節されるものであって特に限定
されるものではなく、接着した際に前記の接着強度が得
られれば良い。

【００１３】又、本発明では、中敷枠基材１の材質が特
に限定されるものではないが、一般的なものとしては、
板紙（段ボールなど）やプラスチック成型体等が挙げら
れる。一方、上記の中敷枠基材１の表面側に貼り合わさ
れる化粧シート２の材質に関しても、特に限定されるも
のではないが、布、不織布、プラスチックフィルム、合
成紙等が好ましい。本発明の包装箱用中敷化粧枠は、使
用目的に応じて、上記の中敷枠基材１と化粧シート２と
を適宜組み合わせて製造することができるが、両者の材
質により、接着剤の種類や塗布量を選択する必要があ
る。

【００１４】図２は、本発明の包装箱用中敷化粧枠を使
用して内容物を収納した際の状態を示すものであり、こ
のように、本発明の包装箱用中敷化粧枠は底側包装箱５
の内部に入れて使用され、化粧シート２がたるみを持っ
た状態で窪んだ部分には、所望の内容物４が収納され
る。尚、この図２では、円筒形状の内容物が示されてい
るが、本発明の中敷は種々の形状の内容物を収納するこ
とができるものである。よって、中敷枠基材１の上面側
の開口部の形状を変えたり、化粧シート２を中敷枠基材
１と貼り合わす際に、内容物４の形状や大きさに応じて
適宜、化粧シート２のたるませ方を調整する必要があ
る。

【００１５】次に、本発明の包装箱用中敷化粧枠（中敷
枠基材１が段ボールで、化粧シート２が布の場合）を製
造する際の工程、特に、接着層３の接着及び剥離機構に
ついて図３を用いて説明する。まず初めに、図３の(a)
に示されるようにして、中敷枠基材１の上に、接着剤
６、接着阻害成分７及び溶媒分子８が均一に分散された
分散液を塗布し、乾燥させると、接着剤６が中敷枠基材
１の表面に一部浸透し、残りの成分が、中敷枠基材１の
表面で塗膜を形成する。特に、本発明では、接着阻害成
分７としては、塗膜表面に浮上し易いように、比重の小
さなシリコーンを使用することが好ましく、溶媒分子８
としては水が特に好ましいが、有機溶剤であっても良
い。このような溶媒分子８を適宜添加することで、塗布
量（接着強度）が容易に調節できる。尚、溶媒分子８
は、中敷枠基材１への接着剤６の浸透接着性を増加さ
せ、各成分の移動性を補助する役割も果たす。

【００１６】そして、このままの状態でしばらく放置す
ると、溶媒分子（水）８が蒸発すると共に、接着剤６よ
りも比重の小さな接着阻害成分７が、接着剤６の間を通
って表面側に浮上し、接着剤６からなる層の上に、接着
阻害成分７からなる接着阻害層が積層した積層塗膜が形
成される（図３の(b) 参照）。

【００１７】その後、上記の積層塗膜が形成された中敷
枠基材１の上に、化粧シート２（ここでは布を構成する
繊維として描かれている）を配置し、加熱圧着すると、
図３の(c) に示されるような接着状態により化粧シート
２と中敷枠基材１とが接着された本発明の包装箱用中敷
化粧枠が得られる。この図からもわかるように、接着阻
害成分７は、接着剤６と化粧シート２との接着を阻害す
ることによって、接着力を調節する役割を果たし、化粧
シート２は、加熱圧着により接着界面に現出する接着剤
６により剥離可能な強度で接着される。

【００１８】そして、図３の(c) に示される接着構造を
有する本発明の包装箱用中敷化粧枠を、図２に示される
ようにして底側包装箱の内側に入れて使用した後、図３
の(d) に示されるようにして化粧シート２を剥離する。
この場合、接着層３の、化粧シート２との接着面側には
接着阻害成分７が存在するために、化粧シート２側の接
着強度と中敷枠基材１側の接着強度とでは、化粧シート
２側の接着強度の方が小さくなり、接着層３が全て中敷
枠基材１側に残った状態で剥離されることになる。よっ
て、中敷枠基材１の破壊（紙ムケ）が防止でき、かつ軽
い力で化粧シート２を剥離回収することができる。

【００１９】尚、本発明では、接着層３を形成させる
際、接着剤６と接着阻害成分７とを含む分散液を、中敷
枠基材１の表面に塗布した後、化粧シート２を接着させ
るまでの乾燥養生時間が一般的に室温にて１〜２秒から
数日であり、溶剤又は水分が蒸発してプレコートが完了
した時点においては、一般的に接着阻害成分７は表面上
層部に介在する状態にあり、この状況下にて中敷枠基材
１との接着加工に入ることになる。但し、図３に示され
るようにして接着阻害成分７が、接着層３の表面上層部
に介在するのは、接着剤６よりも比重の小さなシリコー
ン等を使用した場合であり、接着剤６の比重に近いも
の、例えばフッ素樹脂等を使用した場合には、接着剤６
と接着阻害成分７とが均一に分散された状態の接着層３
が形成され、表面に存在する接着阻害成分７の作用によ
って、化粧シート２／接着層３間の剥離が起こることに
なる。

【００２０】尚、接着加工条件は、接着面積や形状、機
械能力、加工速度、仕上り性等の条件に応じて適宜設定
されるが、加熱温度８０〜２５０℃、加熱時間０．１〜
１０秒、加圧力０．５〜８ｋｇ／ｃｍ²の加工条件が好
ましい。以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。

【００２１】

【実施例】

実施例１接着剤として、エチレン酢酸ビニル系接着剤（リカボン
ドＡＲ−Ｒ７５２、乳白色エマルジョン、樹脂分５１
％、カチオン系、ｐＨ＝５±１、中央理化工業株式会社
製）を使用し、接着阻害成分としてシリコーン系樹脂
（シリコーンＴＳＭ−６３０、乳白色エマルジョン、樹
脂分３０％、東芝シリコーン株式会社製）を使用し、こ
れらの成分をそれぞれ、以下の表１の No.1 〜 No.7 に
記載される固形分濃度になるように水で希釈して７種類
の分散液を得た。そして、これらの分散液を、それぞれ
段ボールの表面に、それぞれ塗布量５０ｇ／ｍ²で塗布
し、室温で４８時間乾燥させ、水分を蒸発させた。その
後、このようにして形成された接着層の上に、化粧シー
トとして綿製布を積層し、表１に示されるシール条件に
て圧着して、図１に示される断面構造及び図２に示され
る外観を有する包装箱用中敷化粧枠を作製した。

【００２２】そして、得られた７種類の中敷化粧枠につ
いて、それぞれシール部分を２０ｍｍ巾に切り取り、引
張試験機を用いて、引張速度１５０ｍｍ／min.、剥離角
度１８０°の条件で接着強度を測定した（測定サンプル
数ｎ＝３）。又、接着性の評価としては、得られた中敷
化粧枠を用いて箱詰め作業を行い、底側包装箱の中に入
れた時の接触せん断応力テストにより、化粧シートが中
敷枠基材から外れるか否かを観察した。更に、剥離性の
評価方法としては、剥離強度測定時の段ボールの材料破
壊状況を観察した。この結果を次の表１に示す。

【００２３】

【表１】

【００２４】上記表１に示されるように、実験 No.4
（本発明の包装箱用中敷化粧枠）の場合にはいずれのシ
ール条件でも良好な接着性及び剥離性が得られたが、N
o.1及び2の場合には接着強度が弱く、No.5〜7 の場合に
は接着強度が大きすぎて材料破壊が生じた。尚、No.3で
は、180 ℃×1.0 秒のシール条件のもののみ、良好な結
果が得られた。

【００２５】実施例２接着剤として、エチレン酢酸ビニル系接着剤（ポリゾー
ルＯＬＹ−３０８１、乳白色エマルジョン、樹脂分４６
％、ノニオン系、ｐＨ＝４〜５、昭和高分子株式会社
製）を使用し、接着阻害成分としてシリコーン系樹脂
（シリコーンＴＳＭ−６３０、乳白色エマルジョン、東
芝シリコーン株式会社製）を使用し、これらの成分をそ
れぞれ、以下の表２の No.8 〜 No.14に記載される固形
分濃度になるように水で希釈して７種類の分散液を得
た。そして、これらの分散液を用いて、実施例１に記載
されるのと同様の方法で包装箱用中敷化粧枠を作製し
た。そして、得られた７種類の中敷化粧枠について、実
施例１と同様に接着強度を測定し、併せて剥離状態を評
価した。この結果を次の表２に示す。

【００２６】

【表２】

【００２７】上記表２に示されるように、実験 No.11
（本発明の包装箱用中敷化粧枠）の場合にはいずれのシ
ール条件でも良好な接着性及び剥離性が得られたが、N
o.8及び9の場合には接着強度が弱く、No.10 、12〜14の
場合には接着強度が大きすぎて材料破壊が生じた。

【００２８】

【発明の効果】本発明の包装箱用中敷化粧枠では、中敷
枠基材と化粧シートとの間に、接着性と剥離性の両方の
性質を有した接着層が形成されており、化粧シートを比
較的小さな力で剥離することができ、しかも化粧シート
側には接着層が残らないので、剥離した化粧シートを再
活用、再利用することができる。よって、従来より問題
となってきた地球資源の再利用に大きく寄与する。又、
化粧シートを剥離した後の中敷枠基材は１００％古紙と
して紙の再利用を図ることができるため、ゴミの削減に
も寄与するものとなる。

【００２９】更に、本発明の中敷化粧枠を構成する化粧
シートとしては、家庭で使用する種々の資材を使用する
ことができ、例えば、テーブルクロス、風呂敷、タオ
ル、スカーフ、ハンカチ、布巾、ペーパータオル、各種
包装装飾資材を用いた場合には、より広範囲な再利用へ
の道を展開させることができる。この他、本発明の包装
箱用中敷化粧枠は、化粧シートに縫製裁断などの二次加
工を加え、型紙などを添付することでネクタイ、エプロ
ン、カバー類など第三次転用、再利用にも展開可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の包装箱用中敷化粧枠における断面構造
を表す図である。

【図２】本発明の包装箱用中敷化粧枠の使用状態を示す
図である。

【図３】(a) 〜(d) は、本発明の包装箱用中敷化粧枠に
おける、接着層３の形成及び接着機構を示す図である。

【符号の説明】

１中敷枠基材２化粧シート３接着層４内容物５底側包装箱６接着剤７接着阻害成分８溶媒分子

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】中敷枠基材１の表面を覆うようにして化
粧シート２が配置されたものであって、上記中敷枠基材
１と化粧シート２が、接着層３を介して剥離可能な状態
で貼り合わされており、上記接着層３が、接着剤と接着
阻害成分とから成ることを特徴とする包装箱用中敷化粧
枠。
【請求項２】上記接着剤が、感熱接着剤であり、しか
も、上記接着阻害成分が、フッ素樹脂、シリコーン及び
ワックスからなる群より選ばれたものであることを特徴
とする請求項１記載の包装箱用中敷化粧枠。
【請求項３】上記中敷枠基材１と化粧シート２との接
着強度が４０〜２００ｇ／２０ｍｍ巾であることを特徴
とする、請求項１又は２記載の包装箱用中敷化粧枠。