JPH05264704A - 鋼板の保磁力測定方法及びその装置 - Google Patents

鋼板の保磁力測定方法及びその装置

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JPH05264704A
JPH05264704A JP1327192A JP1327192A JPH05264704A JP H05264704 A JPH05264704 A JP H05264704A JP 1327192 A JP1327192 A JP 1327192A JP 1327192 A JP1327192 A JP 1327192A JP H05264704 A JPH05264704 A JP H05264704A
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steel plate
coercive force
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detection coil
excitation
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JP1327192A
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Toshiyuki Yanai
敏志 柳井
Akio Arai
明男 新井
Akio Suzuki
紀生 鈴木
Hiroyuki Takamatsu
弘行 高松
Gakuo Ogawa
岳夫 小川
Masaru Akamatsu
勝 赤松
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保磁力測定のために鋼板からその一部を試料
として切り出すことなく鋼板の保磁力を非接触状態で測
定できるようにする。 【構成】 被測定鋼板Sの上に、U字型コア2に励磁コ
イル3a,3bと検出コイル4とを施した鋼板励磁装置1
を、そのU字型コア2の両脚部先端面と被測定鋼板Sと
の間に隙間を持たせて配置する。直列接続された励磁コ
イル3a,3bに交流の励磁電流を流して被測定鋼板Sを磁
化し、検出コイル4に発生する誘起電圧が磁化半サイク
ル毎に尖頭値をとった時点を検知することにより、検出
コイル4に発生する誘起電圧が先の磁化半サイクルにお
いて尖頭値をとった時点の励磁電流値と次の磁化半サイ
クルにおいて尖頭値をとった時点の励磁電流値とを検出
してこれら励磁電流値の絶対値の平均値を求める。この
被測定鋼板Sの保磁力に対応する励磁電流値に基づいて
被測定鋼板Sの保磁力を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、保磁力測定のために
鋼板からその一部を試料として切り出すことなく鋼板の
保磁力を非接触状態にて測定でき、これにより、鋼板の
機械的性質を検査するために生産ラインにおける走行中
の鋼板の保磁力をオンライン状態で測定できるようにし
た、鋼板の保磁力測定方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板の保磁力を測定する方法としては、
被測定鋼板から無端環状の試料を切り出し、この試料に
巻き付けた励磁コイル(一次コイル)に励磁電流を流し
て試料中を磁束が環状に通るようにし、試料に巻き付け
た検出コイル(二次コイル)を用いて試料の磁化状態を
調べることにより、図3に示すように、磁束密度Bと磁
界の強さHとの関係を示す B-H曲線(ヒステリシス曲
線)を求め、oc=ofに相当するHの値、すなわち保磁力
C を測定するという方法がとられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、鋼板の結晶
粒径(結晶粒度)と鋼板の機械的性質とは密接な相関が
ある。また、鋼板の結晶粒径と鋼板の保磁力との間には
密接な相関があり、結晶粒径が大きいほど鋼板の保磁力
は小さくなる。そこで、生産ラインにおける走行中の鋼
板の機械的性質をオンライン状態で検査するために、走
行中の鋼板の保磁力を測定できるようにすることが求め
られている。しかしながら、先に述べた従来の方法で
は、鋼板の保磁力を測定するために、被測定鋼板からそ
の一部を試料として切り出すことが必要となることか
ら、上記の生産ラインにおける走行中の鋼板の保磁力を
オンライン状態において測定できないという問題点があ
る。
【0004】そこで、この発明は、保磁力測定のために
鋼板からその一部を試料として切り出すことなく鋼板の
保磁力を非接触状態で測定でき、これにより、鋼板の機
械的性質を検査するために生産ラインにおける走行中の
鋼板の保磁力をオンライン状態で測定できる、鋼板の保
磁力測定方法及びその装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明による鋼板の保磁力測定方法は、U字型
コアの両脚部それぞれに施され、磁束が、交互に、一方
のコア脚部先端面から出て被測定鋼板中を通って他方の
コア脚部先端面へ入るように直列に接続された励磁コイ
ルと、コア中央部に施された検出コイルとを有する鋼板
励磁装置を、そのU字型コアの両脚部先端面と被測定鋼
板との間に隙間を持たせて配置し、前記鋼板励磁装置の
励磁コイルに交流の励磁電流を流して被測定鋼板を磁化
し、前記鋼板励磁装置の検出コイルに発生する誘起電圧
が磁化半サイクル毎に尖頭値をとった時点を検出するこ
とにより、検出コイルに発生する誘起電圧が先の磁化半
サイクルにおいて尖頭値をとった時点の励磁電流値と検
出コイルに発生する誘起電圧が次の磁化半サイクルにお
いて尖頭値をとった時点の励磁電流値とを検出してこれ
ら励磁電流値の絶対値の平均値を求め、この被測定鋼板
の保磁力に対応する励磁電流値に基づいて被測定鋼板の
保磁力を求めることを特徴とする。
【0006】また、この発明による鋼板の保磁力測定装
置は、a:被測定鋼板との間に隙間を持たせて配置され
るU字型コアを有し、このU字型コアの両脚部それぞれ
に施され、磁束が、交互に、一方のコア脚部先端面から
出て被測定鋼板中を通って他方のコア脚部先端面へ入る
ように直列に接続された励磁コイルを有するとともに、
コア中央部に検出コイルを施してなる鋼板励磁装置と、
b:前記鋼板励磁装置の励磁コイルに交流の励磁電流を
供給する交流定電圧電源と、c:前記交流定電圧電源に
より励磁コイルに励磁電流を流して被測定鋼板を磁化し
た際に、前記鋼板励磁装置の検出コイルに発生する誘起
電圧が磁化半サイクル毎に尖頭値をとった時点を検出す
るピークタイミング検出手段と、d:前記ピークタイミ
ング検出手段からの検出信号に基づいて、検出コイルに
発生する誘起電圧が先の磁化半サイクルにおいて尖頭値
をとった時点の励磁電流値と検出コイルに発生する誘起
電圧が次の磁化半サイクルにおいて尖頭値をとった時点
の励磁電流値とを検出する保磁力対応励磁電流検出手段
と、e:前記保磁力対応励磁電流検出手段によって検出
された前記両励磁電流値の絶対値の平均値を求め、この
被測定鋼板の保磁力に対応する励磁電流値に基づいて被
測定鋼板の保磁力を求める演算手段と、を備えたことを
特徴とする。
【0007】
【作用】この発明による鋼板の保磁力測定方法及びその
装置においては、鋼板励磁装置がそのU字型コアの両脚
部先端面と被測定鋼板との間に隙間を持たせて配置され
る。この鋼板励磁装置の励磁コイルに交流の励磁電流を
流して被測定鋼板を磁化すると、鋼板励磁装置の検出コ
イルには、磁化半サイクル毎にその極性が変化し磁束密
度の時間的変化を示すパルス状の誘起電圧が発生する。
この検出コイルに発生する誘起電圧が磁化半サイクル毎
に尖頭値をとった時点が検出される。これにより、検出
コイルに発生する誘起電圧が先の磁化半サイクルにおい
て尖頭値をとった時点の励磁電流値、すなわち、一方の
方向における磁界の強さを変化させて磁束密度をゼロに
する時点の磁界の強さに対応する励磁電流値と、検出コ
イルに発生する誘起電圧が次の磁化半サイクルにおいて
尖頭値をとった時点の励磁電流値、すなわち、他方の方
向における磁界の強さを変化させて磁束密度をゼロにす
るときの磁界の強さに対応する励磁電流値とが検出され
る。そして、これら励磁電流値の絶対値の平均値が求め
られ、この被測定鋼板の保磁力に対応する励磁電流値に
基づいて被測定鋼板の保磁力が求められる。
【0008】
【実施例】以下、実施例に基づいてこの発明を説明す
る。図1はこの発明による保磁力測定方法を実施するた
めの保磁力測定装置の構成の一例を示すブロック図であ
る。図2は図1に示す保磁力測定装置の動作を説明する
ためのタイミングチャートである。
【0009】図1において、1は鋼板励磁装置である。
この鋼板励磁装置1は、U字型コア2の両脚部それぞれ
に巻線を巻き付けて励磁コイル3a,3bを施すとともに、
コア中央部に巻線を巻き付けて検出コイル4を施してな
るものであって、被測定鋼板Sの上にそのU字型コア2
の両脚部先端面が被測定鋼板Sに対して隙間を持つよう
にして配置される。励磁コイル3a,3bは、後述する交流
定電圧電源5により交流の励磁電流が流された際に、磁
束が、交互に、一方のコア脚部先端面から出て被測定鋼
板S中を通って他方のコア脚部先端面へ入るように直列
に接続されており、それぞれの巻数は、例えば30ターン
である。また、この実施例では検出コイル4の一方の端
子は接地電位(基準電位)とされており、検出コイル4
に発生する誘起電圧(接地電位を基準としたときのコイ
ル両端子間電圧)としては、磁化半サイクル毎にその極
性が交互に変化する正負のパルス状の電圧が発生する。
なお、検出コイル4の巻数は、例えば100 ターンであ
る。
【0010】交流定電圧電源5は、例えば0.1 オームの
抵抗値を有するシャント抵抗を用いた励磁電流検出器6
を介して、直列接続された励磁コイル3a,3bに交流の励
磁電流を供給する電源である。この交流定電圧電源5と
しては、例えば1V,50Hzのものが使用される。励磁
電流検出器6は、励磁コイル3a,3bに流れる交流の励磁
電流を検出し、これに相当する電圧信号を出力する。
【0011】7はゲート回路であり、このゲート回路7
は、基準電位であるゼロボルト点に対して設定された正
の微小閾値を検出コイル4に発生する誘起電圧が正の極
性において超えている期間と、ゼロボルト点に対して設
定された負の微小閾値を検出コイル4に発生する誘起電
圧が負の極性において超えている期間とでハイレベル出
力となり、それ以外の期間ではローレベル出力となるも
のである。8は、コイル4に発生する誘起電圧、すなわ
ち検出コイル4の出力を微分する微分器であり、9はゼ
ロ点検出器である。
【0012】ゼロ点検出器9は、ゲート回路7及び微分
器8の出力が入力され、ゲート回路7の出力がハイレベ
ルの期間において微分器8の出力がゼロボルト点を横切
る時点、つまり、検出コイル4の出力(検出コイル4に
発生する誘起電圧)が正の尖頭値をとった時点と負の尖
頭値をとった時点とをそれぞれ検出し、その時にパルス
信号を出力するものである。ゼロ点検出器9は、検出コ
イル4の出力が正の尖頭値をとったことを検出したと
き、第1サンプルホールド回路10aに第1サンプルホー
ルド指令信号S1を与え、検出コイル4の出力が負の尖頭
値をとったことを検出したとき、第2サンプルホールド
回路10bに第2サンプルホールド指令信号S2を与えるよ
うになっている。この実施例では、ゲート回路7と微分
器8及びゼロ点検出器9は、ピークタイミング検出手段
に相当するものである。
【0013】第1サンプルホールド回路10aは、上記第
1サンプルホールド指令信号S1が与えられたときの励磁
電流検出器6の出力をサンプリングして保持し、この検
出した信号、すなわち、検出コイル4の出力が正の尖頭
値をとった時点における励磁コイル3a,3bの励磁電流値
に相当する信号(IH )を演算回路11に出力するもので
ある。また、第2サンプルホールド回路10bは、上記第
2サンプルホールド指令信号S2が与えられたときの励磁
電流検出器6の出力をサンプリングして保持し、この検
出した信号、すなわち、検出コイル4の出力が負の極大
値をとった時点における励磁コイル3a,3bの励磁電流値
に相当する信号(−IH )を演算回路11に出力するもの
である。この実施例では、励磁電流検出器6及びサンプ
ルホールド回路10a,10bは、保磁力対応励磁電流検出
手段に相当するものである。
【0014】上記の演算手段としての演算回路11は、こ
の実施例では磁化1サイクル毎に、第1サンプルホール
ド回路10aの出力(IH )と第2サンプルホールド回路
10bの出力(−IH )とを用いて、〔(IH )−(−I
H )〕/2の演算を行って被測定鋼板Sの保磁力に対応
する励磁電流値を求め、この保磁力に対応する励磁電流
値に基づいて、予め求めておいた励磁電流と磁界の強さ
との関係から、被測定鋼板Sの保磁力HC を求めるもの
である。なお、この演算回路11からは被測定鋼板Sの保
磁力HC を示す信号が磁化サイクル毎に順次出力される
ようになっている。
【0015】次に上記保磁力測定装置を用いて行うこの
発明による鋼板の保磁力測定方法を、図1及び図2を参
照しながら、上記装置の動作とともに説明する。被測定
鋼板Sの上に、鋼板励磁装置1をそのU字型コア2の両
脚部先端面と被測定鋼板Sとの間に隙間を持たせて配置
する。交流定電圧電源5により鋼板励磁装置1の励磁コ
イル3a,3bに図2の(e)に示すように交流の励磁電流
を流し、被測定鋼板Sをその中に磁束を通して磁化する
と、鋼板励磁装置1の検出コイル4には、図2の(b)
に示すように、磁化半サイクル毎にその極性が交互に変
化する正負のパルス状の誘起電圧が発生する。この誘起
電圧は、磁束密度(図2の(a)参照)の時間的変化を
示すものである。
【0016】この検出コイル4の出力(検出コイル4に
発生する誘起電圧)がゲート回路7及び微分器8に与え
られ、ゲート回路7からは、図2の(c)に示すよう
に、基準電位であるゼロボルト点に対して設定された正
の微小閾値を検出コイル4の出力が正の極性において超
えている期間と、負の微小閾値を検出コイル4の出力が
負の極性において超えている期間とでハイレベルとなる
出力がゼロ点検出器9に入力される。また、同時に、微
分器8からは、図2の(d)に示す波形の信号がゼロ点
検出器9に入力される。
【0017】ゼロ点検出器9は、ゲート回路7の出力が
ハイレベルの期間において微分器8の出力がゼロボルト
点を横切る時点、つまり、検出コイル4の出力が正の尖
頭値をとった時点と負の尖頭値をとった時点とをそれぞ
れ検出し、検出コイル4の出力が正の尖頭値をとったこ
とを検出することにより、第1サンプルホールド回路10
aに第1サンプルホールド指令信号S1を与える。一方、
検出コイル4の出力が負の尖頭値をとったことを検出す
ることにより、第2サンプルホールド回路10bに第2サ
ンプルホールド指令信号S2を与える。
【0018】第1サンプルホールド回路10aは、上記指
令信号S1が与えられたときの励磁電流検出器6の出力を
サンプリングして保持し、この検出した信号、すなわ
ち、検出コイル4の出力が正の尖頭値をとった時点にお
ける励磁コイル3a,3bの励磁電流値に相当する信号(I
H )を演算回路11に出力する。また、第2サンプルホー
ルド回路10bは、上記指令信号S2が与えられたときの励
磁電流検出器6の出力をサンプリングして保持し、この
検出した信号、すなわち、検出コイル4の出力が負の尖
頭値をとった時点における励磁コイル3a,3bの励磁電流
値に相当する信号(−IH )を演算回路11に出力する。
【0019】演算回路11に第1サンプルホールド回路10
aの出力(IH )と第2サンプルホールド回路10bの出
力(−IH )とが入力されると、演算回路11は、これら
を用いて〔(IH )−(−IH )〕/2の演算を行って
被測定鋼板Sの保磁力に対応する励磁電流値を求め、こ
の保磁力に対応する励磁電流値に基づいて、予め求めて
おいた励磁電流と磁界の強さとの関係から、被測定鋼板
Sの保磁力HC を求め、得られた被測定鋼板Sの保磁力
C を示す信号を出力する。
【0020】上記のような動作が磁化サイクル毎に順次
繰り返し行われる。このようにして、保磁力測定のため
に鋼板からその一部を試料として切り出すことなく鋼板
の保磁力を非接触状態で測定できる。これにより、生産
ラインにおける走行中の鋼板の保磁力をオンライン状態
で測定できるので、鋼板の保磁力と鋼板の結晶粒径との
関係を用いて走行中の鋼板の機械的性質の検査をオンラ
イン状態で鋼板の全長にわたって行うことが可能であ
る。
【0021】なお、上記実施例では、検出コイル4の一
方の端子を接地電位(基準電位)とし、これを基準とし
て検出コイル4に発生する誘起電圧をゲート回路7と微
分器8及びゼロ点検出器9によって構成されるピークタ
イミング検出手段に入力する例について示したが、検出
コイル4に発生する誘起電圧を絶対値回路(絶対値全波
整流回路)に入力し、この絶対値回路の出力をゲート回
路と微分器に入力するようにしてもよい。この場合に
は、検出コイル4に発生する誘起電圧は絶対値回路から
正の極性でもって出力されることになるから、ゲート回
路は正の微小閾値のみを設定するようにしたものでよ
い。
【0022】また、上記実施例では、磁化1サイクル毎
に、先の磁化半サイクルにおける第1サンプルホールド
回路10aの出力(IH )と次の磁化半サイクルにおける
第2サンプルホールド回路10bの出力(−IH )とを用
いて、〔(IH )−(−IH)〕/2の演算を行って被
測定鋼板Sの保磁力に対応する励磁電流値を求め、この
保磁力に対応する励磁電流値に基づいて被測定鋼板Sの
保磁力HC を求めるようにした例について示したが、誤
差を小さくするなどのために、当然のことながら、保磁
力に対応する励磁電流値を磁化の数サイクル分(励磁電
流の数周期分)についての平均値として求めるようにし
てもよい。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、この発明による鋼板
の保磁力測定方法及びその装置は、U字型コアの両脚部
それぞれに施され、磁束が、交互に、一方のコア脚部先
端面から出て被測定鋼板中を通って他方のコア脚部先端
面へ入るように直列に接続された励磁コイルと、コア中
央部に施された検出コイルとを有する鋼板励磁装置を、
そのU字型コアの両脚部先端面と被測定鋼板との間に隙
間を持たせて配置し、励磁コイルに交流の励磁電流を流
して被測定鋼板を磁化し、検出コイルに発生する誘起電
圧が磁化半サイクル毎に尖頭値をとった時点を検出する
ことにより、検出コイルに発生する誘起電圧が先の磁化
半サイクルにおいて尖頭値をとった時点の励磁電流値、
すなわち、一方の方向における磁界の強さを変化させて
磁束密度をゼロにする時点の磁界の強さに対応する励磁
電流値と、検出コイルに発生する誘起電圧が次の磁化半
サイクルにおいて尖頭値をとった時点の励磁電流値、す
なわち、他方の方向における磁界の強さを変化させて磁
束密度をゼロにするときの磁界の強さに対応する励磁電
流値とを検出し、これら励磁電流値の絶対値の平均値を
求め、この被測定鋼板の保磁力に対応する励磁電流値に
基づいて被測定鋼板の保磁力を求めるようにしたもので
ある。したがって、保磁力測定のために鋼板からその一
部を試料として切り出すことなく鋼板の保磁力を非接触
状態で測定できる。これにより、生産ラインにおける走
行中の鋼板の保磁力をオンライン状態で測定できるの
で、鋼板の保磁力と鋼板の結晶粒径との関係を用いて走
行中の鋼板の機械的性質の検査をオンライン状態で鋼板
の全長にわたって行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による保磁力測定方法を実施するため
の保磁力測定装置の構成の一例を示すブロック図であ
る。
【図2】図1に示す保磁力測定装置の動作を説明するた
めのタイミングチャートである。
【図3】B-H曲線(ヒステリシス曲線)を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…鋼板励磁装置 2…U字型コア 3a,3b…励磁コイ
ル 4…検出コイル 5…交流定電圧電源 6…励磁電流検出器 7…ゲート
回路 8…微分器 9…ゼロ点検出器 10a,10b…サ
ンプルホールド回路 11…演算回路 S…被測定鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 岳夫 神戸市西区美賀多台1−4−1 (72)発明者 赤松 勝 神戸市西区美賀多台1−4−1

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 U字型コアの両脚部それぞれに施され、
    磁束が、交互に、一方のコア脚部先端面から出て被測定
    鋼板中を通って他方のコア脚部先端面へ入るように直列
    に接続された励磁コイルと、コア中央部に施された検出
    コイルとを有する鋼板励磁装置を、そのU字型コアの両
    脚部先端面と被測定鋼板との間に隙間を持たせて配置
    し、前記鋼板励磁装置の励磁コイルに交流の励磁電流を
    流して被測定鋼板を磁化し、前記鋼板励磁装置の検出コ
    イルに発生する誘起電圧が磁化半サイクル毎に尖頭値を
    とった時点を検出することにより、検出コイルに発生す
    る誘起電圧が先の磁化半サイクルにおいて尖頭値をとっ
    た時点の励磁電流値と検出コイルに発生する誘起電圧が
    次の磁化半サイクルにおいて尖頭値をとった時点の励磁
    電流値とを検出してこれら励磁電流値の絶対値の平均値
    を求め、この被測定鋼板の保磁力に対応する励磁電流値
    に基づいて被測定鋼板の保磁力を求めることを特徴とす
    る鋼板の保磁力測定方法。
  2. 【請求項2】 a:被測定鋼板との間に隙間を持たせて
    配置されるU字型コアを有し、このU字型コアの両脚部
    それぞれに施され、磁束が、交互に、一方のコア脚部先
    端面から出て被測定鋼板中を通って他方のコア脚部先端
    面へ入るように直列に接続された励磁コイルを有すると
    ともに、コア中央部に検出コイルを施してなる鋼板励磁
    装置と、 b:前記鋼板励磁装置の励磁コイルに交流の励磁電流を
    供給する交流定電圧電源と、 c:前記交流定電圧電源により励磁コイルに励磁電流を
    流して被測定鋼板を磁化した際に、前記鋼板励磁装置の
    検出コイルに発生する誘起電圧が磁化半サイクル毎に尖
    頭値をとった時点を検出するピークタイミング検出手段
    と、 d:前記ピークタイミング検出手段からの検出信号に基
    づいて、検出コイルに発生する誘起電圧が先の磁化半サ
    イクルにおいて尖頭値をとった時点の励磁電流値と検出
    コイルに発生する誘起電圧が次の磁化半サイクルにおい
    て尖頭値をとった時点の励磁電流値とを検出する保磁力
    対応励磁電流検出手段と、 e:前記保磁力対応励磁電流検出手段によって検出され
    た前記両励磁電流値の絶対値の平均値を求め、この被測
    定鋼板の保磁力に対応する励磁電流値に基づいて被測定
    鋼板の保磁力を求める演算手段と、を備えたことを特徴
    とする鋼板の保磁力測定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103069294A (zh) * 2010-08-11 2013-04-24 丰田自动车株式会社 矫顽力分布磁体的矫顽力性能判定装置
RU2483301C1 (ru) * 2011-11-22 2013-05-27 Учреждение Российской академии наук Ордена Трудового Красного Знамени Институт физики металлов Уральского отделения РАН (ИФМ УрО РАН) Способ локального измерения коэрцитивной силы ферромагнитных объектов
DE112011105011T5 (de) 2011-03-07 2013-11-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vorrichtung zur Spezifizierung einer Koerzitivfeldstärke

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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