JPH05261868A - 離型用積層シートおよびその使用方法 - Google Patents

離型用積層シートおよびその使用方法

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JPH05261868A
JPH05261868A JP8935992A JP8935992A JPH05261868A JP H05261868 A JPH05261868 A JP H05261868A JP 8935992 A JP8935992 A JP 8935992A JP 8935992 A JP8935992 A JP 8935992A JP H05261868 A JPH05261868 A JP H05261868A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶液状物のキャスト、乾燥工程でもその後の
二次加工工程でも連続して使用できる離型シートの提供
および、特にセラミックの加工品を精度よく、効率的に
製造することができる該離型シートの使用方法を提供す
る。 【構成】 有機高分子フィルムからなる支持体層(B)
の少なくとも片面に、別の有機高分子フィルムからなる
基体層(A)が積層されてなる積層フィルムのA層とB
層の密着力(p)g/cmとA層の厚み(a)μmとの
比(p/a)が0.3〜8である離型用積層シート及
び、セラミック加工品を該シートを用いて製造する離型
用積層シートの使用方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、離型用積層シートに関
するものである。また、本発明の離型用積層シートを用
いてセラミックの加工品を製造する、離型用積層シート
の使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】離型シートとしては、有機高分子フィル
ムや紙などに必要に応じて離型加工したシートが広く知
られている。これらは、通常、単層のシートからなって
いる。また、セラミックの加工品(例えば、セラミック
多層配線基板、セラミックコンデンサ)の製造工程で
は、セラミックを含有した溶液を上記の離型シートにキ
ャストし、乾燥工程を経た後、該離型シートを剥離して
除去したのち、必要な二次加工を行なって製造されるこ
とも広く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の離型シートは単
層のシートであるため、例えばセラミックシートの製造
のようにセラミックスラリーのキャストのみに離型シー
トが用いられ、その後は剥離されるのが通常であった。
従来は目的とするキャストシートの厚みが厚く問題なか
ったが、近年の厳しい要求から100μm以下と言う薄
物ではそれに伴う高精度化、加工工程での作業性が大き
な問題となり、従来工法で対応できなくなってきてい
る。そのため出来るだけ離型シートが積層された状態で
加工し、最終工程に近いところで離型シートを剥離する
加工方法が必要となってきた。
【0004】このような状況下では、離型シートの上に
溶液状物をキャストし、乾燥する工程において、キャス
ト層の厚みムラ、平面性のコントロールから腰の強い厚
い離型シートが必要で、その後の加工工程(例えば、シ
ルク印刷による回路印刷、高精度な成型加工など)は逆
に目的とする上記キャストシートに離型シートの熱、湿
度等による寸法変化の影響を与えることなく、かつ最終
の剥離時に該キャストシートに損傷を与え難いことから
腰の弱い薄い離型シートが必要である。
【0005】本発明は、かかる問題点に着目し、溶液状
物のキャスト、乾燥工程でもその後の二次加工工程でも
連続して使用できる離型シートを提供すること、および
セラミックの加工品(特に薄物シートの加工)を精度よ
く、効率的に製造する該離型シートの使用方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
離型用積層シートは、有機高分子フィルムからなる支持
体層(B)の少なくとも片面に、別の有機高分子フィル
ムからなる基体層(A)が積層されてなる積層フィルム
において、該積層フィルムのA層とB層の密着力(p)
g/cmとA層の厚み(a)μmとの比(p/a)が
0.3〜8であることを特徴とするものからなる。
【0007】また、本発明の離型用積層シートの使用方
法は、上記離型用積層シートの基体層(A)側にセラミ
ックを含有する溶液をキャストし、該溶液中の溶媒を乾
燥して得られた該離型用積層シートをベース基材とした
グリーンシートから支持体層(B)を剥離して除去する
ことによって、基体層(A)をベース基材としたグリー
ンシートを得、続いて、該基体層(A)をベース基材と
したグリーンシートを二次加工した後、基体層(A)を
剥離して除去することによりセラミックの加工品を製造
することを特徴とする方法からなる。
【0008】上記本発明の離型用積層シートにおいて
は、基体層(A)がポリフェニレンスルフィドを主成分
とする樹脂組成物からなる層であることが好ましい。
【0009】本発明における支持体層とは、基体層が剥
離されるまでの間、腰の強さ等の機械的な保護、および
100℃程度の温度で急激に軟化しない有機高分子フィ
ルムからなる層で、該有機高分子はフィルム形成能をも
つもので上記の条件を満たすものなら特に限定されない
が、機械的特性および150℃における加熱収縮率が2
%以下のものが好ましい。また該支持体層の厚みは20
μm以上が基体層の保護効果の点で好ましい。好ましい
支持体層の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン
−ポリプロピレンの共重合体やポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、
ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。
【0010】本発明において、基体層とは、離型層とし
て離型シートを必要とする加工工程まで残る有機高分子
フィルム層で、離型性、100℃程度の温度で急激に軟
化せず、かつ表面平滑性を有する有機高分子フィルムな
ら特に限定されないが、表面臨界張力が40ダイン/c
2 以下、150℃における加熱収縮率が2%以下、平
均表面粗さ(Rt)が1.5μm以下のものが好ましい。こ
こで上記の表面臨界張力の範囲にするため離型塗料等を
該基材層の表面に設けることは差し支えなく、むしろ好
ましい。
【0011】また、基材層の厚みは5μm以上が加工
性、最終の剥離性の点で好ましい。好ましい基材層の例
としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレン
スルフィドケトン、ポリエステル、ポリエーテル・エー
テルケトンなどが挙げられる。また、基体層と支持体層
は種類の異なるフィルムを用いることが本発明の目的を
達成し易い点で好ましい。また該離型用積層シートのA
層とB層の厚み構成比は、A層の厚みをa(支持体層の
両面にA層がある場合は、他方をa' とする。)μm、
B層の厚みをbμmとすると、0.05≦a/b≦30
〔または0.05≦(( a+a')/2)/b≦30〕、
より好ましくは0.1≦a/b≦10〔または0.1≦
(( a+a')/2)/b≦10〕の範囲が本発明の目的
の達成の上で有利である。
【0012】本発明の離型用積層シートは、上記支持体
層(B)の少なくとも片面に上記基体層(A)が積層さ
れたもので、A層とB層の密着力(p)g/cmとA層
の厚み(a)μmとの比(p/a)が0.3〜8の範囲
にあることが、本発明の目的を達成する上で必須とな
る。ここで本発明で言う(A)層と(B)層との密着力
とは、(B)層のフィルムを固定し(A)層のフィルム
を30mm/分の引剥し速度で、剥離角度180度で測
定した1cm幅当たりの数値である。但し、支持層の両
側に基体層がある場合はどちらか一方の厚い方の層を
(a)とする。(p/a)は加工工程中にA層とB層を
剥離する際、最終加工工程まで残るA層の剥離時の破損
を防止する密着力と剥離前の加工中に上記2層が剥がれ
ない密着力の設定パラメーターである。すなわち該比が
0.3未満では、剥離前の加工で剥がれ易く、8を越え
ると上記2層の剥離の作業性が悪化する。また本発明の
離型用積層シートの厚みは15〜300μmの範囲が作
業性、加工性の面で好ましい。また、A層とB層との接
合のしかたは特に限定されないが、接着剤、粘着剤等を
介していないものが該2層の剥離後の加工性、作業性の
面で好ましい。また、A層、B層は配向していてもして
いなくてもよい。
【0013】さらに本発明の目的を効率よく達成する上
で、基体層がポリフェニレンスルフィドを主成分とする
樹脂組成物からなる層であることが特に好ましい。ここ
でポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略称する
ことがある。)とは繰り返し単位の70モル%以上(好
ましくは85モル%以上)が下記構造式化1で示される
構成単位からなる重合体を言う。かかる成分が70モル
%未満ではポリマの熱転移温度等が低くなりPPSを主
成分とする樹脂組成物層の特長である耐熱性、熱寸法安
定性、機械特性等を損なう。繰り返し単位の70モル%
未満であれば共重合可能なスルフィド結合を有する単位
が含まれていても差し支えない。またPPSを主成分と
する樹脂組成物とはPPSを50重量%以上含む組成物
をいう。PPSの含有量が50重量%未満では、該樹脂
組成物層の特長である耐熱性を損なう。残りの50重量
%未満であれば、無機または有機のフィラー、他種ポリ
マ等を添加しても差し支えない。PPSの溶融粘度は、
300℃、剪断速度200sec-1のもとで500〜1
5000ポイズの範囲が好ましい。
【0014】
【化1】
【0015】本発明に係る離型用積層シートの使用方法
において、例えば本発明の離型用積層シートを用いたセ
ラミックの加工品の製造において、セラミックとは、成
型、焼成などの工程を経て得られる非金属の無機材料の
総称で、代表例として酸化アルミニウム、チタン酸バリ
ウム、酸化ケイ素などの単一または2種以上の混合物で
ある。さらにセラミックを含有する溶液とは、上記のセ
ラミックに有機バインダー、種々の無機または有機の可
塑剤、水または有機溶剤等の溶媒からなる、いわゆるス
ラリー化したものを言う。またキャストとは、該スラリ
ーをドクターブレード法、押出成形法などの方法で本発
明の離型用積層シート上にシート状に形成せしめる工程
を言う。さらに、グリーンシートとは上記の如くセラミ
ックのスラリーを離型用積層シート上に形成した後、該
スラリーの溶媒を乾燥除去した、離型フィルムに積層さ
れた乾燥セラミックシートである。また該製造工程にお
ける二次加工とは、該グリーンシートから焼成加工する
前の加工を意味し、たとえば穴明け加工、電気回路形成
加工、成形加工、細断加工等が挙げられる。またセラミ
ックの加工品とは上記の加工工程を経て、焼成加工を完
了したセラミックの最終製品であり、セラミック多層配
線基板、セラミックコンデンサなどを例として挙げるこ
とができる。
【0016】[製造方法]次に、本発明の離型用積層シ
ートの製造方法について述べるが、下記方法に限定され
るものではない。本発明の離型用積層シートにおいて、
基体層(A)と支持体層(B)の有機高分子フィルム層
を積層する方法としては、コーテイング、ラミネート、
共押出などの方法を採用することができるが、共押出法
が基体層(A)と支持体層(B)の厚みおよび剥離力の
コントロールが容易な点で好ましい。ここで共押出とは
基体層のフィルムとなる樹脂組成物(A)と支持体層の
フィルムとなる樹脂組成物(B)を別々の溶融押出機に
供給し、溶融押出装置と口金出口(いわゆるリップ)の
間のポリマ流路で合流積層して積層状態を作る方法をい
う。すなわち、別々の溶融押出機に供給され個々の樹脂
組成物の融点以上に加熱、溶融された樹脂組成物(A)
と樹脂組成物(B)は、押出装置と口金出口の間に設け
られた合流装置で溶融状態で2層または3層に積層さ
れ、スリット状の口金出口から押し出される。かかる溶
融積層物を回転冷却ドラム上で樹脂組成物(A)および
樹脂組成物(B)のガラス転移点(以下、Tgと略称す
ることがある。)以下に冷却し、実質的に非晶状態の積
層シートを得る。
【0017】更に二軸延伸シートを得るには、該非晶状
態の積層シートをTgが高い方の樹脂組成物のTg以上
(好ましくは、Tg〜Tg+20℃)の温度で二軸延伸
し、二軸に配向せしめ、更に該二軸延伸積層シートを融
点(以下、Tmと略称することがある。)が低い方の樹
脂組成物のTm−50℃以上の温度からTmまでの温度
で熱処理され本発明の離型用積層シートが得られる。こ
こで、熱処理温度は上記の範囲に入っていることが得ら
れた離型用積層シートの基体層と支持体層との密着性を
本発明の範囲にコントロールする上で好ましい。すなわ
ち、Tmが低い方の樹脂組成物のTm−50℃未満の熱
処理条件では密着力が弱く、加工工程で基体層と支持体
層が剥がれ易く、Tmが低い方の樹脂組成物のTmを越
える熱処理条件では、密着力が強く基体層と支持体層が
剥離し難くなる。また本発明の離型用積層シートの基体
層を構成するフィルムは二軸配向化したものが、セラミ
ックの加工工程における機械強度等の点で好ましい。ま
た、離型用積層シートの低熱収縮率化を目的にアニール
処理(リラックス)したり、基体層表面の離型性向上を
目的にシリコン、弗素系等の離型コート加工等を行なっ
てもよい。
【0018】次に、本発明の離型用積層シートを使用し
てセラミックの加工品の代表例であるセラミック多層配
線基板を製造する方法について説明する。アルミナ、酸
化ケイ素などに非金属の無機材料の単体または2種以上
の混合物(セラミック)粒子を結合するためのバインダ
ー、溶剤、可塑剤を均一にボールミル等で混合しセラミ
ックをスラリー化し、ドクターブレード法、押出成形
法、ロール成形法などの方法で本発明の離型用積層シー
トの基体層上にセラミックスラリーの層を形成する(該
セラミックスラリー層の厚みは、通常その後の溶剤乾燥
後で10〜500μm程度になるようコントロールされ
る。)。厚みのコントロール、作業性の点で、ドクター
ブレード法が一般的に用いられる。
【0019】次に、上記のスラリ層を続いて設けてある
乾燥機を通し溶媒を乾燥除去する。このようにして得ら
れた、本発明の離型用積層シートをベースとしたグリー
ンシートから支持体層フィルムのみを剥離し、本発明の
離型用積層シートの基体層フィルムのみをベースとした
グリーンシートが得られる。次に層間電気接続のための
スルーホール(ビアーホール)をドリルやパンチングで
グリーンシートに形成し、電気配線パターンを銅、銀、
金などの単体または2種以上の合金を導体とした導電ペ
ーストで印刷およびスルーホール中へ導体を埋め込む。
ここで、本発明の離型用積層シートの基体層フィルムを
セラミック層から剥離する。次に上記の回路印刷された
セラミックシートを数層〜数十層積層して熱圧着した
後、電気炉などで800〜1700℃の条件下で焼結せ
しめてセラミック多層配線基板を得る。
【0020】なお、上記セラミック多層配線基板の製造
工程において、離型用有機高分子シートは、セラミック
グリーンシートの製造まではセラミック層の平面性の確
保と厚みムラのコントロール性から50〜200μm程
度の厚物シートが必要で、その後の加工では、20〜5
0μm程度の比較的薄物シートが、作業性、回路形成等
の精度向上の点で有利であり、本発明の離型用積層シー
トが極めて有効である。特にセラミック層の厚みが薄い
場合に効果的である。
【0021】次に、本発明の記述に用いた評価方法、測
定基準について述べる。 (1)基体層(A)と支持体層(B)との密着性 1cm幅の試料をテンシロンで30mm/minの引剥
し速度で測定し、その最大値をg/cmで表わした。
【0022】(2)基体層(A)と支持体層(B)との
厚み測定 基体層と支持体層を剥離し、各々のフィルム厚みをダイ
ヤルゲージ式厚み測定器で測定した。なお、測定点は1
0点とし、その平均値(μm)で表わした。
【0023】(3)A層とB層の密着力(p)g/cm
とA層の厚み(a)μmとの比(p/a) 上記(1)と(2)で求めた(p)と(a)から算出し
て求めた。但し、支持体層の両面に基体層がある場合
は、どちらか一方の基体層(厚みが異なる場合は厚い
方)の厚みを(a)とする。
【0024】(4)加熱収縮率 シートの長手方向と幅方向に試長200mmに切り出
し、各々の方向につき、150℃に設定した熱風オーブ
ンで30分間エージングし、該エージング前後の試長の
寸法変化を次式で求めた。 (α−β)/α×100(%) α;エージング前の寸法(mm) β;エージング後の寸法(mm)
【0025】(5)総合評価の方法 基体層表面にアルミナ系低温焼成型のセラミックスラリ
ー(固形分40重量%)をドクターブレード法でキャス
トし、100℃、10分間の条件で熱風乾燥する。セラ
ミック層の厚さは乾燥後で200μmになるよう調整す
る(連続プロセス)。このようにして得られたグリ−ン
シートの加工工程での観察、加工後の基体層と支持体層
との剥離状態から次の基準で評価した。 (評価基準) ○:加工工程で基体層と支持体層との剥離が全くなく、
加工後の基体層と支持体層との剥離がスムーズで、セラ
ミック層へのダメージが全くない。 △:加工工程で基体層と支持体層とが一部剥離するか、
加工後の基体層と支持体層との剥離がややしにくく、セ
ラミック層へのダメージが少しある。 ×:加工工程で基体層と支持体層との剥離が激しく、支
持体層から基体層が浮くか、加工後の基体層と支持体層
との剥離がしにくく、セラミック層へのダメージが大き
い。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって、本発明の実施態様を
説明する。 実施例1、比較例1〜2 (1)離型用積層シートの製造 PPS(東レ・フィリップスペトローリアム社製、Tー
1880)に平均粒径0.7μmのシリカ微粉末0.2
重量%を均一に分散せしめた組成物と、ポリエチレンテ
レフタレート(以下、PETと略称することがある。)
とを、別々の押出機に供給して、300℃で溶融し、該
押出機と口金リップの間のポリマ流路に、二つの溶融ポ
リマの流れが合流し積層する構造の装置(ピノール)を
設けてPPSとPETを溶融積層し、シート状に押し出
し冷却ドラムに巻き付けて急冷固化せしめて、未延伸の
二層積層シートを得た。
【0027】このシートを逐次二軸延伸法で二軸延伸し
た。延伸温度は、長手方向、幅方向とも100℃で、延
伸倍率は長手方向が3.6倍、幅方向が3.3倍であっ
た。さらに220℃、230℃、240℃、250℃、
260℃、270℃の6条件の温度で、5秒間定長熱処
理してPPSフィルム層を基体層、PETフィルム層を
支持体層とした6種類の離型用積層シート(二層積層)
を得た。このようにして得られた該シートの基体層のフ
ィルム(PPS)の厚さは30μm、支持体層フィルム
(PET)の厚さは70μmであった。さらにフリー状
態で150℃の温度で10分間のリラックスを行ない1
50℃の加熱収縮率を0.1%以下とした。ここで、上
記熱処理温度が200℃〜270℃のシートを各々積層
シート−1〜積層シート−6とする。
【0028】実施例2、比較例3 実施例1の方法で、基体層の厚さが16μm、支持体層
の厚さを70μmとし、該支持体層の両側に基体層が積
層されるよう押出機の合流装置を三層型にし、三層積層
の二軸延伸シートを得た。また熱処理温度は230℃、
260℃とし、150℃の温度でフリーリラックスした
(熱処理温度230℃のものを積層シート−7、260
℃のものを積層シート−8とする)。
【0029】実施例3、比較例4 実施例2と同様の方法で、基体層の厚さを70μm、支
持体層の厚さを50μmとした離型積層シートを得た
(熱処理温度230℃のものを積層シート−9、260
℃のものを積層シート−10とする)。
【0030】実施例4 基体層のフィルムとして厚さ38μmの二軸延伸PPS
フィルム(“トレリナ”フィルムタイプ3000、東レ
(株)社製) を、支持体層のフィルムとして厚さ75μ
mのポリエステルフィルムを用い、ポリエステルのホッ
トメルト接着剤(“ケミット”、東レ(株)社製)を介
し(接着剤層15μm)、積層した(積層シート−11
とする)。
【0031】[評価]実施例1〜4および比較例1〜4
の離型用積層シートの評価の結果を表1に示す。実施例
1、比較例1、2から判るように、本発明の離型用積層
シートは、基体層と支持体層の密着力(p)と基体層の
厚み(a)の比(p/a)が重要で、本発明の範囲にあ
る離型用積層シートは本発明の目的を達成することがで
きるが、該範囲外の比較例1、2は本発明の目的を達成
できない。また、実施例2、3及び比較例3、4から、
基体層の厚みによって適正な密着力(p)の範囲が存在
することが判り、単に密着力(p)だけのコントロール
で本発明の目的を達成することはできないことが判る。
さらに実施例4から、基体層と支持体層が接着剤を介し
て積層された積層シートでも両層間の密着力と基体層の
厚みの比(p/a)が本発明の範囲内にあれは、本発明
の目的を十分達成されることが判る。
【0032】
【表1】
【0033】実施例5 アルミナ微粉末、バインダー、可塑剤にメタノール、ブ
チル−ベンゾイルフェノールの混合溶媒を加え、ボール
ミルで粉砕混合し、固形分40重量%のアルミナ系セラ
ミックスラリーを得た。一方、前記積層シート−1、積
層シート−3、積層シート−6及び厚さ38μm、10
0μmのPPS二軸延伸フィルム(“トレリナ”フィル
ムタイプ3000、東レ(株)社製) の5種類の基材を
準備し、片面(基体層面)にシリコンコート(離型処
理)した。
【0034】上記5種類の基材の離型面に先に調合した
セラミックスラリーをドクターブレード法で連続的にキ
ャストし、100℃の温度で10分間乾燥し(ライン速
度0.3m/分)、セラミック層の厚み100μmのセ
ラミックグリーンシートを得た。更に後続するロール装
置で、積層シート−1、3、6を基材としたグリーンシ
ートから支持体層を連続的に剥離し、ベース基材を基体
層のみのグリーンシートとした。
【0035】次に上記で得られた5種類のグリーンシー
トから多層配線基板を作成した。まずグリーンシートに
ビアホール(スルーホール)加工(150μm径)を施
し、シルク印刷法で、銅を含有する導電ペーストで回路
を形成し150℃で10分間乾燥した。次にセラミック
シートを離型基材から剥離し、所定のサイズに裁断し1
0層積層して、800℃の電気炉で焼成してセラミック
積層配線基板を得た。
【0036】その結果、積層シート−3の本発明の離型
用積層シートを用いたものは、何の支障もなく目的とす
るセラミック多層基板が得られた。積層シート−1を用
いたものは、スラリーのキャスト時に基体層と支持体層
が剥がれ、セラミック層の厚みムラが悪く、しわが多発
し、積層シート−6を用いたものは、基体層と支持体層
との剥離が重過ぎ基体層の破れが発生し、目標とするセ
ラミック多層基板が得られなかった。更に38μmのP
PSフィルムを用いたものは、薄く腰の強さが弱いため
スラリーのキャスト時に平面性が悪化しセラミック層の
厚みムラが大きく目標とするセラミック多層基板が得ら
れなかった。また、100μmのPPSフィルムを用い
たものは、フィルム層が厚ためフィルムの寸法変化(熱
収縮率、熱膨張など)が回路形成に影響し易く回路の精
度が低下した。更に比較的薄いセラミック層とフィルム
の剥離時に、フィルムの腰が強過ぎ剥離しにくくセラミ
ック層に変形、回路の破損などの損傷を与え易かった
(但し、セラミック層300μm以上の場合は問題なく
剥離できた)。
【0037】
【発明の効果】本発明の離型用積層シートは、以上の構
成としたため、離型シートを必要とする加工プロセスに
おいて、腰の強さが必要な厚もの離型シートとその後の
工程での作業性、精度アップの点から薄い離型シートが
連続的に必要な場合に、最適な離型シートとなった。特
に、厚みの薄いセラミックシート及びその加工品の製造
工程のように、液状物から薄物のシート加工さらに二次
加工まで離型シートが必要な場合には本発明の離型用積
層シートが有効である。
【0038】この本発明の離型用積層シートは、セラミ
ックシート加工以外にも、ゴム、特殊ポリマシートの溶
液製膜用の離型材としても最適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機高分子フィルムからなる支持体層
    (B)の少なくとも片面に、別の有機高分子フィルムか
    らなる基体層(A)が積層されてなる積層フィルムにお
    いて、該積層フィルムのA層とB層の密着力(p)g/
    cmとA層の厚み(a)μmとの比(p/a)が0.3
    〜8であることを特徴とする離型用積層シート。
  2. 【請求項2】 前記基体層(A)がポリフェニレンスル
    フィドを主成分とする樹脂組成物からなる層である請求
    項1の離型用積層シート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の離型用積層シートの基
    体層(A)側にセラミックを含有する溶液をキャスト
    し、該溶液中の溶媒を乾燥して得られた該離型用積層シ
    ートをベース基材としたグリーンシートから支持体層
    (B)を剥離して除去することによって、基体層(A)
    をベース基材としたグリーンシートを得、続いて、該基
    体層(A)をベース基材としたグリーンシートを二次加
    工した後、基体層(A)を剥離して除去することにより
    セラミックの加工品を製造することを特徴とする離型用
    積層シートの使用方法。
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