JP2009233919A - 帯電防止性離型用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

帯電防止性離型用積層ポリエステルフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】離型フィルムの走行時および剥離時の帯電を防止し、剥離不良等の問題を低減することが可能な離型用ポリエステルフィルムの提供であり、特に乾燥厚み0.8μm以上3μm未満の薄膜のセラミックグリーンシートの製造工程において、ピンホール等の発生を抑制でき、かつ剥離帯電によるセラミックグリーンシートの剥離不良を抑制することが可能な離型用ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】少なくともポリエステルA層とポリエステルB層の2層を有する積層ポリエステルフィルムであって、A層が帯電防止剤をA層全体に対して0.2重量%以上3重量%以下含有し、A層が最外層に位置し、少なくとも一方の表面の中心線平均粗さSRaが5nm以上35nm以下、かつ十点平均粗さSRzが1000nm以下であり、かつ、A層とB層が共押出しされた帯電防止性離型用積層ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種離型用ポリエステルフィルムに関するものである。具体的には帯電防止性に優れる、セラミックコンデンサ製造時に使用されるグリーンシート用、液晶偏光板用、フォトレジスト用、またポリエステルフィルム上にエポキシ樹脂等をコーティングして製造される多層基板用などに好適な各種離型用フィルムに関するものである。
離型用フィルムは、ポリエステルを基材として、離型性のある樹脂層、例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などを塗布し形成される。特に、セラミックグリーンシート製造用、液晶偏光板用離型用、液晶保護フィルム用離型用、フォトレジスト用、多層基盤用などの各種離型用途として使用されている。
各種離型用フィルムを用いる工程では、その用途の高度化に伴い、静電気による悪影響が無視できなくなってきている。セラミックコンデンサ製造工程を例にとると、セラミックコンデンサの小型、大容量化に伴い、セラミックグリーンシートの薄膜化が進んでいる。セラミックグリーンシートの厚みを薄くすると、セラミックグリーンシートと離型フィルムとの剥離の際に大きな剥離力が必要となり、剥離不良を起こしやすくなるため、剥離時の静電気の影響が無視できなくなってきている。なお、本発明でいう薄膜のセラミックグリーンシートの厚みは乾燥後0.8μm以上3μm未満となることを意味する。
また、セラミックグリーンシートの薄膜化により、ピンホール欠点を抑制するため、離型フィルムの表面粗さはより平滑にする必要がある。平滑性を増すとともに、剥離帯電量はより大きくなり、剥離不良の問題はより一層高まる傾向にある。
さらには、セラミックスラリーには芳香族系溶媒が含まれているため、セラミックスラリー塗布時の離型フィルム巻き出し時の剥離帯電により爆発などの安全上の問題が生ずる場合もある。
離型フィルムの剥離帯電を防止する方法として、ポリエステルフィルムの表面を粗くする方法が開示されている(特許文献1)。この方法により、剥離帯電量をある程度低下させることができるが、ポリエステル表面の最大粗さSRmaxを1〜3μmとする必要があり、セラミックグリーンシートを薄層とした場合、ピンホール等の欠点を生じ、ショート不良、絶縁抵抗不良などの問題があった。
セラミックグリーンシートのピンホール等の欠点を生ずることなく、離型フィルムの剥離帯電を防止する方法として、離型層表面の十点平均粗さSRzをセラミックシートの厚みの半分以下とし、離型層と反対面に帯電防止層をコーティングする方法が開示されている(特許文献2)。
しかし、かかる方法を用いたとしても、ピンホール等の欠点は防止することができても、離型フィルムをロール状に保管した場合、帯電防止層が離型層に移行し剥離性を著しく低下させる問題があった。
また、前記欠点を補うため、帯電防止層をコーティングした上に離型層として硬化性シリコーンを形成する方法が多数開示されているが、帯電防止層と硬化性シリコーンとの密着性が悪く、剥離不良などの問題があった。この対策として、帯電防止剤とバインダー樹脂からなる帯電防止層を形成し、帯電防止層表面に存在する帯電防止剤の固形分重量をコントロールすることで帯電防止層と硬化性シリコーンとの密着性を向上する方法が開示されている(特許文献3)。しかしながら、この方法でも、帯電防止層と硬化性シリコーンとの密着性は不十分であり、剥離不良などの問題が解決できていなかった。
特開2000−52517号公報 特開2002−273715号公報 特開2002−192661号公報
本発明の課題は、上記従来の問題点を解決しようとするものであり、離型フィルムの走行時および剥離時の帯電を防止し、剥離不良等の問題を低減することが可能な離型用ポリエステルフィルムを提供することを目的とするものである。特に0.8μm以上3μm未満の薄膜のセラミックグリーンシートの製造工程において、ピンホール等の発生を抑制でき、かつ剥離帯電による、グリーンシート剥離不良を抑制することが可能な離型用ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は下記の構成を採用するものである。すなわち、少なくともポリエステルA層とポリエステルB層の2層を有する積層ポリエステルフィルムであって、A層が帯電防止剤をA層全体に対して0.2重量%以上3重量%以下含有し、A層が最外層に位置し、少なくとも一方の表面の中心線平均粗さSRaが5nm以上35nm以下、かつ十点平均粗さSRzが1000nm以下であり、かつ、A層とB層が共押出しされた帯電防止性離型用積層ポリエステルフィルム。
本発明によれば、ポリエステルフィルムの表面粗さが平滑で、離型フィルムとして用いる際に、離型フィルム上に形成する成形体の凹凸を抑制することができ、剥離帯電が小さいため、離型フィルムの巻き出し時や成形体を剥離する際の剥離帯電を極力小さくでき、剥離不良の問題を抑制できる。特に乾燥厚み0.8μm以上3μm未満の薄膜のセラミックグリーンシートの製造工程において離型フィルムとして使用した場合、ピンホール等の発生を抑制でき、かつ剥離帯電による、グリーンシート剥離不良を抑制することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムは、少なくともポリエステルA層とポリエステルB層の2層を有する積層ポリエステルフィルムであることが必要である。
本発明おいて、A層、B層に用いられるポリエステルは、フィルム化したときに分子配向により高強度フィルムとなるポリエステルであれば特に限定しないが、主としてポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートからなることが好ましい。特に好ましくは価格的にも優位なポリエチレンテレフタレートである。エチレンテレフタレート以外のポリエステル共重合体成分としては、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、p−キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸などが目的とするフィルム物性を阻害しない範囲で使用できる。
上記ポリエステルは公知の方法で製造することができ、固有粘度は0.4〜0.9、好ましくは0.5〜0.7、さらに好ましくは0.55〜0.65である。
本発明のポリエステルフィルムは、少なくともポリエステルA層およびポリエステルB層からなる積層フィルムであり、かつA層が最外層に位置することが必要である。そのため、本発明の積層フィルムの積層構造は、2層積層構造であるA層/B層であっても良いし、さらに中間層を有するA層/C層/B層、A層/B層/C層、A層/B層/A層などの3層積層構造であってもよい。また、本発明の要旨を超えない限り、これらに限定されず、4層またはそれ以上の多層であってもよい。
本発明では、A層が帯電防止剤をA層全体に対して0.2重量%以上3重量%以下含有することが必要である。
かかる帯電防止剤を含有したA層はフィルムの最外層に位置するため、フィルム表面の表面比抵抗を低下する作用があり、これにより剥離帯電を小さくすることができる。
より好ましくは、A層/B層/A層など両方の最外層を、帯電防止剤を含有するA層とすることである。かかる態様を採用することにより、フィルムの剥離帯電をより小さくできる。
また、A層に含有される帯電防止剤の含有量が、A層全体に対して3重量%より多くなると、帯電防止剤のブリードアウトが顕著となり、帯電防止剤を含有するポリエステル層の上に硬化性シリコーンなどの離型層を形成する場合、硬化性シリコーンの硬化を阻害し、シリコーンの密着性が低下し、剥離不良が増加する。
また、帯電防止剤を含有するポリエステルA層の反対面に硬化性シリコーンなどの離型層を形成する場合、離型フィルムをロール状で保管している間に、帯電防止剤が離型層に移行し剥離性が損なわれる。
一方、帯電防止剤の含有量が0.2重量%より少なくとなると、帯電防止効果が不十分となり、剥離帯電を十分に小さくすることができず、剥離不良が増加する。さらに好ましい帯電防止剤の含有量は0.3重量%以上2.0重量%以下である。
本発明に用いられる帯電防止剤の好ましいものとしてはドデシルベンゼンスルホン酸塩、ビス[オクチルポリオキシエチレン]ホスフェートソーダ、ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニウム、アルキルスルホン酸ホスホニウム等を挙げることができる。中でも、特にドデシルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。また、ポリアルキルグリセリンを併用することによりその効果は一層高められる。
本発明のポリエステルフィルムは、少なくとも一方の表面の中心線粗さSRaが5nm以上35nm以下、十点平均粗さSRzが1000nm以下であることが必要である。
フィルム表面の粗さを上記範囲内とすることによって、フィルム上に塗工されるシートなど(例えば、セラミックグリーンシート)のピンホール欠点を抑制する効果がある。
さらに好ましい中心線粗さSRaは5nm以上30nm以下、十点平均粗さSRzは800nm以下である。なお、十点平均粗さSRzの下限は特に限定されるものではないが、低すぎると巻姿に影響が及ぶため、100nm以上であることがハンドリングの点で好ましい。
表面粗さを上記範囲内とするためには、積層フィルムの最外層に特定の不活性粒子を特定量含有させることによって達成することが出来る。例えば、A層/B層からなる2層積層フィルムの場合は最外層たるA層および/またはB層に、A層/C層/B層からなる3層積層フィルムの場合は最外層たるA層および/またはB層に、A層/B層/C層からなる3層積層フィルムの場合は最外層たるA層および/またはC層に、A層/B層/A層からなる3層積層フィルムの場合は最外層たるA層に上記不活性粒子を含有せしめることが好ましい。
ここで、SRa、SRzは三次元微細表面形状測定器(小坂製作所製ET−350K)を用いて測定し、得られる表面のプロファイル曲線より、JIS−B−0601(2001年)に準じて測定を行って得るものである。
本発明のポリエステルフィルムの総厚みは、好ましくは15〜50μm、さらに好ましくは25〜40μmである。また、フィルムが2層積層構造である場合のA層/B層におけるB層、中間層を有する3層積層構造である場合のA層/C層/B層におけるA層およびB層の積層厚さは0.3〜3μm、好ましくは0.8〜2.5μm、さらに好ましくは0.8〜2μmである。積層厚さが0.3μm未満では、積層部に含有粒子が脱落する場合があり、一方、積層厚さが3μmを越えると、積層部含有粒子基づく形成突起の均一性(表面粗さ特性)が損なわれることがあり、好ましくない。
また、上記フィルムの表面粗さ特性は、最外層に微細な不活性粒子を含有させ、不活性粒子の粒径、含有量を制御することで達成できるが平均粒径0.1〜2.0μmの不活性粒子を含有せしめることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.3μmの不活性粒子を0.05〜0.8重量%、さらに好ましくは0.3〜0.6重量%含有せしめることが望ましい。
また、フィルムがA層/B層からなる2層積層構造である場合において、A層の表面粗さを上記範囲とするためには、上記した不活性粒子をA層に含有せしめることが好ましい。一方、B層の表面粗さを上記範囲とするためには平均粒径0.1〜2.0μm、好ましくは0.3〜1.3μmの不活性粒子を0.3〜0.6重量%含有することで達成できる。
含有する不活性粒子は1種類であっても2種類以上であっても良いが、とくにB層に含有せしめる場合においては、微細な不活性粒子Iと粒径が不活性粒子Iより大きい不活性粒子IIを併用することがとくに好ましい。平均粒径が0.2〜0.4μmの不活性粒子Iを0.05〜0.2重量%と、平均粒径が0.5〜2.0μm、好ましくは0.8〜1.3μmの不活性粒子IIを0.05〜0.8重量%、好ましくは0.3〜0.6重量%を併用して含有させると好ましく達成できる。
不活性粒子Iおよび不活性粒子IIは、異種の粒子であっても、同種の粒子であっても良い。さらに、不活性粒子は、球状シリカ、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機粒子、またその他有機系高分子粒子としては、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋スチレン−アクリル樹脂粒子、架橋ポリエステル粒子、ポリイミド粒子、メラミン樹脂粒子等が好ましい。いずれの粒子についても、粒子形状・粒子径分布は均一なものが好ましく、とくに粒子形状は球形に近いものが好ましく、体積形状係数は好ましくはf=0.3〜π/6であり、より好ましくはf=0.4〜π/6である。体積形状係数fは、次式で表される。
f=V/Dm
ここでVは粒子体積(μm),Dmは粒子の投影面における最大径(μm)である。
なお、体積形状係数fは粒子が球の時、最大のπ/6(=0.52)をとる。また、必要に応じて濾過などを行うことにより、凝集粒子や粗大粒子などを除去することが好ましい。中でも、乳化重合法等で合成された、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子が好適に使用できるが、とくに架橋ポリスチレン粒子、架橋シリコーン、さらに球状シリカなどは体積形状係数が真球に近く、粒径分布が極めて均一であり、粒径の異なる不活性粒子I、不活性粒子IIとして使用した場合でも、小径粒子である不活性粒子Iの粒径分布に加え、大径粒子である不活性粒子IIの起因するダブルの存在ピークを持つ粒径分布を構成でき、フィルム表面突起形成の面で好ましい。
さらに、これらの粒子については界面活性剤などによる表面処理を施すことにより、ポリエステルとの親和性の改善を図ることが可能であり、脱落の少ない突起を形成することが可能で好ましい。
また必要に応じて、地肌補強の観点から平均一次粒径が0.005〜0.10μm、好ましくは0.01〜0.05μmのα型アルミナ、γ型アルミナ、δ型アルミナ、θ型アルミナ、ジルコニア、シリカ、チタン粒子などから選ばれる不活性粒子を表面突起形成に影響を及ぼさない範囲で含有してもよい。
本発明のフィルムにおいて、A層表面の表面比抵抗は1012Ω/□以下であることが好ましい。A層表面の表面比抵抗を上記範囲とすることにより、剥離帯電を小さくすることができる。
A層表面の表面比抵抗を上記範囲とするためには、A層に帯電防止剤を0.2重量%以上3重量%以下含有させることで達成することができる。
また、A層表面の表面比抵抗は1010Ω/□以下であることがより好ましい。なお、表面比抵抗の下限は特に限定されるものではないが、10Ω/□以上であることが表面欠陥の点から好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、長手方向および横方向の破断強度の和が400〜600MPaであることが好ましく、さらに好ましくは520〜580MPaである。また、幅方向の破断強度が長手向の破断強度と同等以上が好ましく、その差は、0〜100MPaであり、さらに、その差が0〜70MPaの場合がさらに好ましい。
また、破断伸度は80〜220%、好ましくは90〜190%であり、さらに、長手方向の破断伸度が横方向の破断伸度の同等以上が好ましく、その差が0〜70%の場合がさらに好ましく、さらに、長手方向の破断伸度が150〜190%、横方向の破断伸度が90〜170%で、長手方向の破断伸度が横方向の破断伸度より10〜70%大きい場合がさらに好ましい。
また、本発明におけるポリエステルフィルムは、フィルムの長手方向の厚み斑が2μm以下が好ましく、さら、好ましくは1.4μm以下である。従来から、フィルムの厚み斑を少なくすることはフィルムを製造する上での課題であったが、本発明の離型用フィルム、特に薄膜セラミックスコンデンサーの製造に適用される離型フィルムへ適用するには長手方向の厚み斑を前記範囲とすることがセラミックグリーンシートの厚さを薄くする上で好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、フィルム表面に存在する高さ0.8μm以上の粗大突起は実質的になく、1個/100cm以下であることが好ましい。粗大突起数が上記の値を超えると、離型剤を塗布時、塗布ムラ、ピンホール状の塗布抜け欠点を生じる場合があり好ましくない。
本発明におけるポリエステルフィルムにおいては、熱収縮率を適性にコントロールすることが必要で、製膜条件における弛緩処理等の公知の方法により適宜調整することにより達成出来る。150℃における熱収縮率は長手方向で2.5%以下、幅方向で1.5%以下が好ましく、長手方向で1.0〜2.3%、幅方向で0.4〜1.2%がさらに好ましい。また、100℃における熱収縮率は長手方向、幅方向ともに1%以下が好ましく、0.0〜0.6%の範囲であるとさらに好ましい。
また、本発明のフィルムは、少なくともA層とB層が共押出しされたフィルムであることが必要である。
少なくともA層とB層が共押出しされることで、A層に含有された帯電防止剤の脱落や転写などを抑制する効果がある。A層とB層を共押出しする具体的な方法は、後述する。
次に本発明のポリエステルフィルムの製造方法について説明する。
ポリエステルに不活性粒子を含有せしめる方法としては、例えばジオール成分であるエチレングリコールに不活性粒子を所定割合にてスラリーの形で分散せしめ、このエチレングリコールスラリーをポリエステル重合完結前の任意段階で添加する。ここで、粒子を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性が良好であり、粗大突起の発生を抑制でき好ましい。また粒子の水スラリーを直接、所定のポリエステルペレットと混合し、ベント方式の2軸混練押出機に供給しポリエステルに練り込む方法も本発明の効果に有効である。
ポリエステルA層に帯電防止剤を含有せしめる方法としては、ポリエステル重合反応中又は重合完了時に添加し、帯電防止剤含有マスターペレットを得る。
このようにして準備した、粒子含有マスターペレットと帯電防止剤含有マスターペレットと粒子などを実質的に含有しないペレットを所定の割合で混合し、A層の原料を得る。
次いで、A層の原料と、B層の原料をそれぞれ別個に乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供給し、ポリマーをフィルターにより濾過する。 また、ごく小さな異物もフィルム欠陥となるため、フィルターには例えば5μm以上の異物を95%以上捕集する高精度のものを用いることが有効である。続いてスリット状のスリットダイからシート状に押し出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、少なくともA層用の押出機AとB層用の押出機Bを用い。少なくとも2層以上のマニホールドまたは合流ブロック(例えば矩形合流部を有する合流ブロック)を用いて少なくとも2層以上に積層し、口金から、少なくともA層とB層を有する積層シートを共押出しし、キャスティングロールで冷却して未延伸積層フィルムを作る。この場合、背圧の安定化および厚み変動の抑制の観点からポリマー流路にスタティックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は有効である。
延伸方法は同時二軸延伸であっても逐次二軸延伸であってもよい。特に、同時二軸延伸においてはロールによる延伸を伴わないため、フィルム表面の局所的な加熱ムラを抑制し、均一な品質が得られると共に、延伸時にロール延伸に伴うフィルムとロールとの接触場所での速度差、ロールの微少傷の転写などによる特に窪み傷の発生を抑制でき好ましい。同時二軸延伸においては未延伸フィルムを、まず長手および幅方向に延伸温度を80〜130℃、好ましくは85〜110℃として同時に延伸する。延伸温度が80℃よりも低くなるとフィルムが破断しやすく、延伸温度が130℃よりも高くなると十分な強度が得られないため好ましくない。また、延伸ムラを防止する観点から、長手方向・横方向の合計延伸倍率は4〜20倍、好ましくは6〜15倍である。合計延伸倍率が4倍よりも小さいと本発明の対象とする必要十分な強度が得られにくい。一方、倍率が20倍よりも大きくなると、フィルム破断が起こりやすく、安定したフィルムの製造が難しくなる。必要な強度を得るためには、温度140〜200℃、好ましは160〜190℃で長手方向及び/又は幅方向に1.02〜1.5、好ましくは1.05〜1.2倍で再度延伸を行うことが好ましく、合計延伸倍率が、長手方向で3〜4.5倍、好ましくは3.2〜4倍、幅方向に3.2〜5倍、好ましくは3.8〜4.5倍である。
その後、205〜240℃好ましくは220〜240℃で0.5〜20秒、好ましくは1〜15秒熱固定を行う。熱固定温度が205℃よりも低いとフィルムの結晶化が進まないため目標とする熱収縮率などが安定しにくいため好ましくない。また、フィルム物性を安定させるため、フィルム上下の温度差が20℃以下、好ましくは10℃以下、更に好ましくは5℃以下である。フィルム上下での温度差が20℃よりも大きいと、熱処理時に微小平面性の悪化を引き起こしやすいため好ましくない。その後、長手及び/又は幅方向に0.5〜7.0%の弛緩処理を施す。
同時二軸延伸では後述する逐次二軸延伸とは異なり、高温空気によってフィルムが加熱される。そのため、フィルム表面のみ局所的に加熱されて粘着が発生することはなく、延伸方式として逐次延伸より好ましい。一方で、同時二軸延伸は最初の延伸温度である90℃前後から熱固定温度である240℃前後までのゾーンが全て長手方向につながっているため、随伴気流など高温空気の自由な流れによりフィルム上下や幅方向に温度差が発生しやすい延伸方法でもある。温度差を低減する方法としては特に限定されないが、温度の異なるゾーンの間に高温空気の自由な流れを抑制するシャッターなどの設備を設けることが有効である。フィルムとシャッターの隙間は1〜250mm、好ましくは2〜100mm、更には3〜50mmであることが好ましい。隙間が1mmよりも小さいとフィルムがシャッターに接触し破れやすいため、製造が難しく好ましくない。しかしながら、250mmよりも大きいと熱特性のばらつきが大きくなり微小平面性が悪化しやすく好ましくない。フィルムとシャッターが接触しないようにするためには、ノズルから吹き出す風速を適宜調整することが有効である。
一方、本発明のポリエステルフィルムは、逐次延伸を用いて製造することもできる。最初の長手方向の延伸が重要であり延伸温度は90〜130℃、好ましくは100〜120℃である。延伸温度が90℃よりも低くなるとフィルムが破断しやすく、延伸温度が130℃よりも高くなるとフィルム表面が熱ダメージを受けやすくなるため好ましくない。また、延伸ムラ、及びキズを防止する観点からは延伸は2段階以上に分けて行うことが好ましく、トータル倍率は長さ方向に3〜4.5倍、好ましくは3.5〜4.2倍であり、幅方向に3.2〜5倍、好ましくは3.6〜4.3倍である。目標とするフィルムの破断強度を達成するため、適時倍率を選択できるが、幅方向の破断強度を高くするため、幅方向の延伸倍率を長手方向よりも高めに設定することがさらに好ましい。かかる温度、倍率範囲をはずれると延伸ムラあるいはフィルム破断などの問題を引き起こし、本発明の特徴とするフィルムが得られにくいため好ましくない。再縦または横延伸した後、205〜240℃、好ましくは210〜230℃で0.5〜20秒、好ましくは1〜15秒熱固定を行う。特に熱固定温度が205℃よりも低くなるとフィルムの結晶化が進まないために構造が安定せず、目標とする熱収縮率などの特性が得られず好ましくない。
逐次延伸においては、延伸過程で、フィルムとロールの接触が避けられず、ロールの周速とフィルムの速度差を極力抑えるようにするとともに、延伸ロールとしては、表面の粗さなどを制御しやすい非粘着性のシリコーンロールが好ましい。従来技術のようにセラミックスやテフロン(登録商標)、更には金属のロールを用いても可能であるが、フィルム表面のみが局所的に加熱されて粘着が発生し、フィルム表面に傷を発生する場合があり、好ましくない。
さらに延伸ロールの表面粗さRaは、0.005〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.6μmである。Raが1.0μmよりも大きいと延伸時ロール表面の凸凹がフィルム表面に転写するため好ましくなく、一方0.005μmよりも小さいとロールとフィルム地肌が粘着し、フィルムが熱ダメージを受けやすくなるため好ましくない。表面粗さを制御するためには研磨剤の粒度、研磨回数などを適宜調整することが有効であるが、特に延伸ロールについては、懸念されるポリエステルの分解物、オリゴマーの付着・蓄積を回避するため、頻度の高いロール研磨が好ましい。
さらに、延伸部におけるロールとフィルムのトータルの接触時間は0.1秒以下、好ましくは0.08秒以下にすることがフィルムを製造する上で特に有効である。ロールとフィルムの接触時間が0.1秒よりも大きくなると、延伸ロールの熱によりフィルム表面のみが局所的に加熱され、引いては熱負荷時の微小平面性悪化を引き起こすこともあり、さらに、フィルムに傷を発生する場合もあり、好ましくない。接触時間を短くする方法としては、例えばフィルムを延伸ロールに巻き付けず、ニップロール間で平行に延伸することが有効である。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の特性値の測定方法、並びに効果の評価方法は次の通りである。
(1)粒子の平均粒径
フィルムからポリマーをプラズマ低温灰化処理法で除去し、粒子を露出させる。処理条件は、ポリマーは灰化されるが粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像をイメージアナライザで処理する。SEMの倍率は粒径により、およそ5000〜20000倍から適宜選択する。観察箇所をかえて粒子数5000個以上で粒径とその体積分率から、次式で体積平均径dを得る。粒径の異なる2種類以上の粒子を含有している場合には、それぞれの粒子について同様の測定を行い、粒径を求めた。
d=Σ(di・Nvi)
ここで、diは粒径、Nviはその体積分率である。
粒子がプラズマ低温灰化処理法で大幅にダメージを受ける場合には、フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、粒径により、3000〜20000倍で観察する。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所をかえて500視野以上測定し、上記式から体積平均径dを求める。
(2)粒子の体積形状係数
走査型電子顕微鏡で、粒子の写真を例えば5000倍で10視野撮影した上、画像解析処理装置を用いて、投影面最大径および粒子の平均体積を算出し、下記式により体積形状係数を得た。
f = V / Dm
ここで、Vは粒子の平均体積(μm)、Dmは投影面の最大径(μm)である。
(3)固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、下式で計算した値を用いた。すなわち、
ηsp/C=[η]+K[η]・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマー重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示す。
(4)表面比抵抗値
フィルムを幅110mm、長さ110mmの大きさにカットして、23±3℃、65±10%RHの条件下に24時間以上放置した後、アドバンテスト社製、デジタル超高抵抗計を使用し、JIS−C−2151(2006年)に従って測定する。
(5)フィルム積層厚み
表面からエッチングしながらXPS(X線光電子光法)、IR(赤外分光法)あるいはコンフォーカル顕微鏡などで、その粒子濃度のデプスプロファイルを測定する。片面に積層したフィルムにおける表層では、表面という空気−樹脂の界面のために粒子濃度は低く、表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。本発明の片面に積層したフィルムの場合は、深さ[I]で一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線をもとに極大値の粒子濃度の1/2になる深さ[II](ここで、II>I)を積層厚さとした。さらに、無機粒子などが含有されている場合には、二次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、フィルム中の粒子のうち最も高濃度の粒子の起因する元素とポリエステルの炭素元素の濃度比(M+/C+)を粒子濃度とし、層(A)の表面からの深さ(厚さ)方向の分析を行う。そして上記同様の手法から積層厚さを得る。
(6)破断伸度および破断強度
JIS−C−2151(2006年)に準じ、インストロンタイプの引張試験機(オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“テンシロン”万能試験機RTC−1210)を用いて測定した。幅10mmの試料フィルムを、試長間100mm、引張り速度200mm/分の条件で引っ張り試験を行い、フィルムが破断した時の応力を求めて破断強度とし、フィルムが破断した時の歪み(伸び率)を求めて破断伸度した。測定は23℃、湿度65%RHで行った。
(7)熱収縮率
フィルム表面に、幅10mm、測定長約100mmとなるように2本のラインを引き、この2本のライン間の距離を23℃で正確に測定しこれをL0とする。このフィルムサンプルを100℃および150℃のオーブン中に30分間、1.5gの荷重下で放置した後、再び2本のライン間の距離を23℃で測定しこれをL1とし、下式により熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)={(L0−L1)/L0]×100。
(8)フィルム表面粗さ(SRa、SRz値)
三次元微細表面形状測定器(小坂製作所製ET−350K)を用いて測定し、得られる表面のプロファイル曲線より、JIS−B−0601(2001年)に準じ、算術平均粗さSRa値、十点平均面粗さSRz値を求めた。測定条件は下記のとおり。
X方向測定長さ:0.5mm、X方向送り速度:0.1mm/秒。
Y方向送りピッチ:5μm、Y方向ライン数:40本。
カットオフ:0.25mm。
触針圧:0.02mN。
高さ(Z方向)拡大倍率:5万倍。
(9)粗大突起数
粗大突起数は10cm四方の大きさのフィルムを測定する面同士を2枚重ね合わせて、印加電圧をかけて静電気力で密着し、フィルム表面の粗大突起により発生する干渉縞から高さを推定する。干渉縞が1重環で高さ約0.3μmであり、2重環の高さ約0.5μmおよび3重環の高さ約0.8μm以上の粗大突起個数を測定した。光源としては、ハロゲンランプに564nmのバンドパルスフィルターをかけたものを用いた。
(10)セラミックグリーンシート評価
フィルム表面に熱硬化型シリコーン樹脂を溶剤(トルエンとMEKの混合液。質量比50:50。)に混合分散させた離型剤を塗布し、150℃で加熱乾燥し、離型フィルムを得た。次いで、離型層を形成した面にチタン酸バリウム系セラミック粉体を主原料とするセラミックスラリーを乾燥厚みが2μmとなるように塗布し、100℃で加熱乾燥してセラミックグリーンシートを形成し、以下の評価を行った。
[剥離性]
剥離後のセラミックグリーンシートの状態を次の3段階で評価した。
○:しわ・折れ無し
×:しわ・折れ有り
××:破れ有り。
[ピンホール]
剥離後のセラミックグリーンシートの表面を顕微鏡(倍率:50倍)で観察し、1cm四方あたりのピンホールの数をカウントし、次の3段階で評価した。
○:0個
△:1個
×:2個以上。
実施例1〜4、比較例1〜3
ジメチルテレフタレート(DMT)に、DMT・1モルに対し1.9モルのエチレングリコールおよび酢酸マグネシウム・4水塩をDMT100重量部に対し0.05重量部、リン酸を同じくDMTに対し0.015重量部加え加熱エステル交換を行い、引き続き三酸化アンチモンをDMTに対し0.025重量部を加え、加熱昇温し真空下で重縮合反応を行い、粒子を実質的に含有しない、固有粘度0.63のホモポリエステルペレットを得た。
さらに上記と同様にポリエステルを製造するにあたり、帯電防止剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を6重量%及びポリエチレングリコール(分子量:4000)を8.4重量%添加し、帯電防止剤含有マスターペレットを得た。
同様に、ポリエステルを製造するにあたり、エステル交換後、平均粒径1.1μmの炭酸カルシウムをポリエステルに対し1%添加し、固有粘度0.6の炭酸カルシウム粒子含有マスターペレットを得た。
また、エステル交換後、平均粒径0.3μm、体積形状係数f=0.51のジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子の水スラリーを、上記の実質的に粒子を含有しないホモポリエステルペレットに、ベント式二軸混練機を用いて含有させ、0.3μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子をポリエステルに対し2重量%含有するマスターペレットを得た。
次に、実質的に粒子を含有しないホモポリエステルペレットに炭酸カルシウム粒子含有マスターペレット、ジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子含有マスターペレット、帯電防止剤含有マスターペレットを混合し、粒径1.1μmの炭酸カルシウム粒子を0.50重量%、粒径0.3μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子を0.10重量%、帯電防止剤を表の通り含有するポリエステルAを調整した。
さらに、実質的に粒子を含有しないホモポリエステルペレットのみからなるポリエステルBを準備した。
このポリエステルA,Bをそれぞれ160℃で8時間減圧乾燥した後、別々の押出機に供給し、275℃で溶融押出して高精度濾過した後、矩形の3層用合流ブロックで合流積層し、ポリエステルA層/ポリエステルB層/ポリエステルA層からなる3層積層とした。その後、285℃に保ったスリットダイを介することによって、A層(最外層)/B層/A層(最外層)となるように共押出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃のキャスティングドラムに巻き付け冷却固化して未延伸積層フィルムを得た。
この未延伸フィルムを縦方向に3.80倍延伸し、続いてステンタにて110℃の熱風下で横方向に3.93倍延伸し、該ステンタにて230℃で熱処理を行い、厚み31μm、ポリエステルA層の厚みが1.5μm、ポリエステルB層の厚みが28μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表に示す。
実施例1〜4で得られたポリエステルフィルムによるセラミックグリーンシート評価の結果は、剥離性良好で、ピンホールもなく、本発明の目的を満足するものであった。それに対し、比較例1〜3は、剥離性が悪く、本発明の目的を満足するものではなかった。
実施例5、6、比較例4
ポリエステルAに添加する粒子の種類、粒径、添加量を表のとおり変更する以外は、実施例2と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表に示す。
実施例5、6で得られたポリエステルフィルムによるセラミックグリーンシート評価の結果は、剥離性良好で、ピンホールもなく、本発明の目的を満足するものであった。それに対し、比較例4は、ピンホールが生じ、本発明の目的を満足するものではなかった。
Figure 2009233919
Figure 2009233919
Figure 2009233919
本発明のフィルムは、離型フィルムとして用いたとき、フィルム走行時および剥離時の帯電を防止し、剥離不良等の問題を低減することが可能であり、有用である。

Claims (3)

  1. 少なくともポリエステルA層とポリエステルB層の2層を有する積層ポリエステルフィルムであって、
    A層が帯電防止剤をA層全体に対して0.2重量%以上3重量%以下含有し、
    A層が最外層に位置し、
    少なくとも一方の表面の中心線平均粗さSRaが5nm以上35nm以下、かつ十点平均粗さSRzが1000nm以下であり、
    かつ、A層とB層が共押出しされた帯電防止性離型用積層ポリエステルフィルム。
  2. A層表面の表面比抵抗が1012Ω/□以下である請求項1に記載の帯電防止性離型用積層ポリエステルフィルム。
  3. 帯電防止剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩を用いた請求項1または2に記載の帯電防止性離型用積層ポリエステルフィルム。
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