JPH05260424A - 投写型画像表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドットマトリクス型の液晶パネルをライトバ
ルブとする投写型画像表示装置において、ライトバルブ
のブラックマトリクスを目立ちにくくする。 【構成】 高輝度の光源１とドットマトリクス型の液晶
パネルによるライトバルブ４と、その画像をスクリーン
に拡大投写する投写レンズ５を具備する投写型画像表示
装置において、投写レンズ５とライトバルブ４の間に挿
入した位相型回析格子と平行平板を切り替える機構を備
え、平行平板の光学的厚みと位相型回析格子の平均的な
光学的厚みが同等である構成を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ドットマトリクス型の
液晶パネルをライトバルブとし、その画像をスクリーン
に拡大投影する投写型画像表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】大画面の表示装置としては、ビデオプロ
ジェクタ装置があり、この中に高輝度のＣＲＴを投写レ
ンズでスクリーン上に投影する装置、液晶パネルをライ
トバルブとしてその画像を投影する装置などがある。近
年は、液晶技術の進歩にともないセットサイズの小型，
計量化などが期待できる液晶を用いるものが注目されて
いる。図４に液晶パネルをライトバルブとする投写型画
像表示装置の原理図を示す。図４において、１は光源ラ
ンプ、２は凹面反射鏡、３はフィールドレンズ、４は液
晶ライトバルブ、５は投写レンズ、６はスクリーンであ
る。光源１からの光は凹面反射鏡２で集光され、フィー
ルドレンズ３を通して４の液晶ライトバルブに入射す
る。液晶ライトバルブは映像信号に応じ画素の透過率を
制御し、その画像を投写レンズ５でスクリーン６に拡大
投影する。

【０００３】液晶パネルをライトバルブとする投写型画
像表示装置で、現在の主流はドットマトリクス型で、Ｔ
ＦＴを用いたアクティブマトリクス方式ののものが多く
用いられている。ＴＦＴアクティブマトリクス方式の液
晶パネルでは、各画素の表示電極以外の液晶層では、透
過率の制御ができない。また、ＴＦＴのチャネル部に光
が当たると光励起電流によってＴＦＴがオフ時の漏れ電
流が大きくなりオフ時の電圧保持率が不十分となる。特
に、ノーマリホワイトモードの液晶パネルでは、表示電
極以外の部分は光透過状態となるので充分に遮光しない
とコントラストを低下させることになる。したがって、
充分なコントラストを得るためにはＴＦＴの対極基板上
にブラックマトリクスを形成し、ＴＦＴへの光の回り込
みや表示電極以外からの光漏れを防いでいる。

【０００４】しかしながら、このようにドットマトリク
ス型の液晶パネルをライトバルブとする投写型画像表示
装置では、液晶パネルの画素で構成される画像を投写レ
ンズでスクリーンに拡大投影するため、画素数が少な
く、ブラックマトリクスの幅が比較的広い場合、画素構
造そのものがモザイクのようにはっきりと見え、画像を
見たときの印象が悪くなる。

【０００５】液晶パネルが、垂直方向の画素がラインご
とに位相が約９０°ずれた斜方格子配列である場合で
は、垂直方向のブラックマトリクスは、ラインごとに位
相が約９０°ずれているので目立ちにくいが、水平方向
に延びるブラックマトリクスは、横一直線につながって
延びているので特に目立ちやすくなる。

【０００６】画素を目立たなくする方法として、回析格
子などの光学的ローパスフィルタをレンズ中にあるいは
投写レンズと液晶ライトバルブの間に挿入するか、ある
いはレンズ中に設けることによって、画像をぼけさせて
ブラックマトリクスを目立ちにくくする方法がある。こ
の方法であると、投写レンズによるデフォーカスと異な
り、垂直方向やあるいは水平方向の１つの方向のブラッ
クマトリクスのみを選択的に目立ちにくくすることも可
能である。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブラッ
クマトリクスが目立つのは、鑑賞者の目の分解能以上に
ブラックマトリクスが拡大投影される場合であり、そう
でない場合は、一般的に、回析格子を用いてブラックマ
トリクスを目立たなくしようとすると、回析によるぼけ
のため投写画像自体もＭＴＦも低下し鮮鋭度を欠く映像
となる傾向にあり、ブラックマトリクスよりむしろ鮮鋭
殿の低下の方が問題となりかねない。

【０００８】本発明は上記課題を解決するもので、ドッ
トマトリクス型の液晶パネルをライトバルブとする高画
質な投写型画像表示装置の提供を目的とするものであ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の画像表示装置は、高輝度の光源と、ドットマ
トリクス型の液晶パネルによるライトバルブと、その画
像をスクリーンに拡大投写する投写レンズを具備し、投
写レンズとライトバルブの間に挿入される位相型回析格
子と平行平板を切り替える機構を備え、その平行平板の
光学的厚みと位相型回析格子の平均的な光学的厚みが同
等なように構成する。

【００１０】

【作用】本発明はこの構成において、液晶パネルのブラ
ックマトリクスが、画像を鑑賞する者にとって目の分解
能以上に拡大された場合、投写レンズと液晶ライトバル
ブの間に、投影条件に応じた位相型回析格子を挿入しブ
ラックマトリクスを目立たなくし、画像の拡大率が小さ
く投影されたブラックマトリクス幅が鑑賞する者の目の
分解能以下でもともとブラックマトリクスが目立たない
条件では、回析格子の無い平行平板に切り替えるもので
ある。平行平板部分の光学的厚みを位相型回析格子の平
均的な光学的厚みとほぼ同等にすることで、回析格子か
ら回析格子のない平行平板に切り替えてもフォーカスの
ずれは生じない。

【００１１】

【実施例】（実施例１）以下、本発明の第１の実施例に
ついて、図面を参照しながら説明する。図１において、
１は光源ランプ、２は凹面反射鏡、３はフィールドレン
ズ、４は液晶ライトバルブ、５は投写レンズ、６はスク
リーン、７は位相型回析格子と平行平板を１枚のディス
ク上に形成したもの、図２に示すように、このディスク
を回転させることによって投写レンズとライトバルブに
挿入される部分を位相型回析格子と平行平板に切り替え
るものである。また、複数の特性の異なる回析格子と平
行平板を同一のディスク上に設け、投影の条件により適
切な回析格子を選択することも可能である。

【００１２】（実施例２）本発明の第２の実施例につい
て、図面を参照しながら説明する。図３に本実施例の概
略斜視図を示す。基本的な投写光学系は、第１の実施例
と同等であるが、回析格子と平行平板の部分をスライド
することによって切り替えるものである。

【００１３】このようにこれら第１，第２の実施例によ
ると、投写レンズとライトバルブとの間に挿入した位相
型回析格子と平行平板を切り替える機構を有し、平行平
板の光学的厚みを位相型回析格子の平均的光学的厚みと
同等にしてあるので、画像投写条件に応じて両者を切り
替えることによって、ブラックマトリクスを目立たなく
できる。

【００１４】なお、回析格子と平行平板は、同一の基板
上に作成しても、別々のものを１つの枠に固定するよう
にしてもよい。

【００１５】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明
によると、高輝度の光源と、ドットマトリクス型の液晶
パネルによるライトバルブと、その画像をスクリーンに
拡大投射する投写レンズを具備する投写型画像表示装置
において、投写レンズとライトバルブの間に挿入される
位相型回析格子と平行平板を切り替える機構を備え、平
行平板の光学的厚みと、位相型回析格子の平均的な光学
的厚みを同等とすることによって、液晶パネルのブラッ
クマトリクスが鑑賞者にとって目の分解能以上に拡大さ
れた場合、位相型回析格子を挿入しブラックマトリクス
を目立たなくし、画像の拡大率が小さく投影されたブラ
ックマトリクス幅が鑑賞者の目の分解能以上でもともと
ブラックマトリクスが目立たない条件では、平行平板に
切り替え鮮鋭度の低下なく投影することができる投写型
画像表示装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例による投写型画像表示装
置の概略構成図

【図２】本発明の第１の実施例による投写型画像表示装
置の概略斜視図

【図３】本発明の第２の実施例による投写型画像表示装
置の概略斜視図

【図４】従来の液晶パネルをライトバルブとする投写型
画像表示装置の概略構成図

【符号の説明】

７ 位相型回析格子と平行平板を備えたディスク

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高輝度の光源と、ドットマトリクス型の
   液晶パネルによるライトバルブと、その画像をスクリー
   ンに拡大投写する投写レンズを具備する投写型画像表示
   装置であって、投写レンズとライトバルブの間に挿入さ
   れる位相型回析格子と平行平板を切り替える機構を備
   え、前記平行平板の光学的厚みと前記位相型回析格子の
   平均的な光学的厚みが同等である投写型画像表示装置。