JPH05258547A - 記録再生装置のフレキシブルケーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録再生装置全体の薄型化、大容量化に適し
たフレキシブルケーブルを提供することを目的とする。 【構成】 １本のフレキシブルケーブル２を分岐し、そ
の各端に記録再生ヘッドからの信号線を接続するランド
４ａ，４ｂを有するランド部５ａ，５ｂを設けることに
より、記録再生装置において記録再生ヘッドを情報記録
媒体の所定の位置に移動させるために設けられるアクチ
ュエータのキャリッジアーム１の表面上に複数のランド
部を配置することができるため、従来のアクチュエータ
形状のままで、ランド部の領域を拡大することができる
記録再生装置のフレキシブルケーブル。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、情報記録媒体上で情報
の記録再生を行う記録再生ヘッドの信号線とヘッドアン
プとを接続するために設けられる記録再生装置のフレキ
シブルケーブルに関する。

【０００２】

【従来の技術】ここでは、記録再生装置の一例として、
回転揺動型アクチュエータを有する磁気ディスク装置に
関する従来技術について説明する。図３は、回転揺動型
アクチュエータを有する磁気ディスク装置の概略を示し
た斜視図である。

【０００３】情報記録媒体である少なくとも１枚の磁気
ディスク１１は、スピンドルモータ１２上に装着され一
定速度で回転される。磁気ディスク１１にアクセスして
情報の記録再生を行う磁気ヘッド１３は、薄板状のサス
ペンション１４の先端に取着されており、動作時には磁
気ディスク１１の表面からわずかに浮上している。サス
ペンション１４は、キャリッジアーム１５の先端に取着
されている。

【０００４】キャリッジアーム１５等からなるアクチュ
エータ本体には、リニアモータの一種であるボイスコイ
ルモータ１６が設けられている。ボイスコイルモータ１
６は、キャリッジアーム１５のボビン部上に設けらる図
示しない駆動コイルと、この駆動コイルを挟み込むよう
に対向して配置される図示しない永久磁石およびヨーク
プレートにより構成される磁気回路とからなる。

【０００５】アクチュエータ本体は、固定軸１７に設け
られる図示しないボールベアリングによって保持されて
おり、ボイスコイルモータ１６によって駆動され、回転
揺動が自在にできるようになっている。

【０００６】また、磁気ヘッド１３からの再生信号を増
幅するとともに、磁気ヘッド１３への記録信号を送出す
るために設けられるヘッドアンプ１８と磁気ヘッド１３
の信号線１９とは、フレキシブルケーブル２０を介して
接続されている。以上の各構成部品は、筺体２１内に配
置され、装置全体を密閉するために薄板状のカバー２２
により上側から覆われている。

【０００７】上記した磁気ディスク装置のヘッドアンプ
１８は、通常、ノイズ等の悪影響を避けるため、磁気デ
ィスク１１上に読み書きされる磁気信号を電気信号に変
換する磁気ヘッド１３の近傍に設置される。また、ヘッ
ドアンプ１８と磁気ヘッド１３の信号線１９とを接続す
るためのフレキシブルケーブル２０は、ボイスコイルモ
ータ１６の駆動時にアクチュエータに無用な抵抗力が加
わらないように配慮され、その経路が設定される。

【０００８】磁気ヘッド１３により磁気ディスク１１上
から読みとられる再生信号および磁気ディスク１１上に
記録される記録信号は、磁気ヘッド１３の信号線１９を
経由し、フレキシブルケーブル２０を介してヘッドアン
プ１８へ導かれる。このため、磁気ヘッド１３の信号線
１９とフレキシブルケーブル２０とを半田付けにより接
続する必要がある。

【０００９】図４は、従来例における、回転揺動型アク
チュエータのキャリッジアーム１０１とフレキシブルケ
ーブル１０２との配置を示した図である。従来は、キャ
リッジアーム１０１の一側面上に、図示しない磁気ヘッ
ドの信号線を接続するためのランド１０４を有するフレ
キシブルケーブル１０２のランド部１０５が配置されて
いる。

【００１０】図５に示されるように、ランド部１０５上
には、磁気ヘッドの信号線１０６を半田付けするための
ランド１０４が磁気ヘッドの数に応じて設けられてい
る。一個の磁気ヘッドからの信号線１０６は、２本一組
あるいは３本一組の導線により構成されている。

【００１１】信号線１０６のランド１０４への半田付け
は、通常、手作業で行われるため、その作業性を損なわ
ないように、ランド１０４はある程度の領域を必要とす
る。このため、磁気ヘッド数の増加にともない、ランド
部１０５の領域を拡張する必要がある。

【００１２】これに対し、最近では、磁気ディスク装置
の薄型化および大容量化が要望されており、複数の磁気
ディスクを限られたスペースに積層する高密度実装が行
われてきている。

【００１３】このため、磁気ディスクの枚数増加にとも
ない磁気ヘッドの数が増加する一方、キャリッジアーム
側面上のランド部を設ける領域は、これに応じて拡帳す
ることができず、従来のフレキシブルケーブルの配置で
は装置の薄型化の要望に答えることが困難な状況になっ
ている。つまり、従来のフレキシブルケーブル１０２の
配置では、ランド部１０５の領域を確保するためにキャ
リッジアームの薄型化が制限されるため、装置全体の薄
型化が図れないという弊害が生じる。

【００１４】一方、装置全体の薄型化を優先し、ランド
部１０５の領域を必要以上に小さくすると、信号線１０
６の半田付けの不良等により、装置の機能自体に障害を
きたすおそれがある。

【００１５】上記した問題は、回転揺動型アクチュエー
タを有する磁気ディスク装置に限られず、リニア型アク
チュエータを有する磁気ディスク装置をはじめ、装置全
体の薄型化の要望がある記録再生装置全般に共通するも
のである。

【００１６】

【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来の記録再生装置におけるフレキシブルケーブルおよ
びその配置では、複数の情報記録媒体を積層する場合
に、フレキシブルケーブルのランド部の領域を確保する
ため、装置全体の薄型化が制限される等の弊害があっ
た。そこで、本発明では、上記弊害を除去すべく、記録
再生装置全体の薄型化、大容量化に適したフレキシブル
ケーブルを提供することを目的としている。

【００１７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、記録再生ヘッドの信号線を接続するラ
ンドが設けられているランド部を有する記録再生装置の
フレキシブルケーブルにおいて、１本のフレキシブルケ
ーブルを複数に分岐して、その各端近傍に前記ランド部
を設けることを特徴とする記録再生装置のフレキシブル
ケーブルを提供する。

【００１８】

【作用】本発明によれば、１本のフレキシブルケーブル
を複数に分岐し、その各端に記録再生ヘッドからの信号
線を接続するランドを有するランド部を設けることによ
り、記録再生装置において記録再生ヘッドを情報記録媒
体の所定の位置に移動させるために設けられるアクチュ
エータの表面上に複数のランド部を配置することができ
るため、従来のアクチュエータ形状のままで、ランド部
の領域を拡大することができる。これにより、情報記録
媒体の高密度実装が可能となり、記録再生装置の薄型
化、大容量化を図ることができる。

【００１９】

【実施例】本発明の実施例について、図面を参照しつつ
詳細に説明する。ここでは、記録再生装置の一例とし
て、回転揺動型アクチュエータを有する磁気ディスク装
置におけるフレキシブルケーブルについて説明する。

【００２０】図１は、回転揺動型アクチュエータのキャ
リッジアーム１の両側面に本発明のフレキシブルケーブ
ル２を配置した様子を示したものである。図示しないヘ
ッドアンプに接続されるフレキシブルケーブル２の一側
面には、図示しない磁気ヘッドからの信号を中継するた
めの導線３が設けられている。フレキシブルケーブル２
には、キャリッジアーム１が矢印６の方向に回転揺動さ
れる際に、繰り返し曲げ応力が加えられる。このため、
導線３はフレキシブルケーブル２の曲がり部において収
縮側となる側面に設けられる。これは、引っ張られる側
の面に導線を設けると、フレキシブルケーブル２の繰り
返し曲げ応力により、導線３が破損するおそれがあるか
らである。

【００２１】フレキシブルケーブル２は図示しないヘッ
ドアンプから１本で導かれるが、途中で２本に分岐され
る。分岐した２本のフレキシブルケーブル２ａ，２ｂ
は、キャリジアーム１に沿ってその両側面に導かれる。

【００２２】２本のフレキシブルケーブル２ａ，２ｂの
各端には、図示しない磁気ヘッドの信号線を半田付けす
るためのランド４ａ，４ｂを有するランド部５ａ，５ｂ
が設けられており、このランド部５ａ，５ｂはキャリッ
ジアーム１の両側面に固定される。

【００２３】このように、キャリッジアーム１上の２箇
所にフレキシブルケーブル２のランド部５ａ，５ｂを設
けることにより、装置全体の厚さを従来のまま維持しつ
つ、ランド部の領域を拡大することができる。これによ
り、磁気ディスクの高密度実装が可能となり、磁気ディ
スク装置の薄型化、大容量化を図ることができる。

【００２４】ここで、２箇所のランド部５ａ，５ｂを設
けるのに、２本のフレキシブルケーブルを用いるのでは
なく、一本のフレキシブルケーブルを分岐させているの
は、以下の理由による。

【００２５】本実施例における回転揺動型アクチュエー
タは、図示しない回転軸を中心にして、図中の矢印６の
方向に回転揺動する。その制御は、図示しない磁気ディ
スク上に記録されている位置制御情報を磁気ヘッドによ
って読みだし、この情報を図示しないアクチュエータ駆
動用のボイスコイルモータにフィードバックする位置決
めサーボ系により行う。

【００２６】一方、前記フレキシブルケーブルは、アク
チュエータの回転揺動に対して抵抗となるため、位置決
め制御の際にその抵抗値をオフセット力として予め見積
もる必要がある。その際、フレキシブルケーブルが複数
の場合には、トータルのオフセット力を見積もらなけれ
ばならないが、複数のフレキシブルケーブルどうしが相
互に影響しあうため、その見積は非常に煩雑となるのに
対し、フレキシブルケーブルが１本であればその必要が
なく、位置決め制御が容易であるという利点があるから
である。また、仮に複数のフレキシブルケーブルを積層
した場合には、抵抗が大きくなり、アクチュエータの回
転揺動に悪影響を与えることも考えられるからである。
図２は、本実施例のフレキシブルケーブルを示したもの
である。なお、図１と同様の部分については、同一符号
を付し、重複説明を省略することとする。

【００２７】フレキシブルケーブル２は点線７以降から
２本に分岐している。そのうち、フレキシブルケーブル
２ａは分岐後点線７の部分で折り返され、キャリッジア
ーム上に沿って配置された後、ランド部５ａが点線８の
部分で再び折り返されて、ランド部５ａが表にくるよう
になっている。これにより、図示しない磁気ヘッドの信
号線と、フレキシブルケーブル２ａ上のランド４ａとの
半田付けが可能となる。

【００２８】上記説明において、ランド部は２箇所に限
らず２箇所以上設けても良く、それにともなって、フレ
キシブルケーブルの分岐数を２本以上にしても良い。ま
た、本発明は、回転揺動型アクチュエータを有する磁気
ディスク装置のみに限られず、リニア型アクチュエータ
を有する磁気ディスク装置をはじめ、フレキシブルケー
ブルを有し、装置全体の薄型化の要望がある記録再生装
置全般に応用が可能である。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
記録再生装置全体の薄型化、大容量化に適したフレキシ
ブルケーブルを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のフレキシブルケーブルを磁気ディスク
装置に応用した実施例を示す斜視図。

【図２】実施例に用いるフレキシブルケーブルの展開
図。

【図３】回転揺動型アクチュエータを有する磁気ディス
ク装置の概略図。

【図４】従来のフレキシブルケーブルを磁気ディスク装
置に応用した例を示す斜視図。

【図５】フレキシブルケーブルと信号線との接続の様子
を示す平面図。

【符号の説明】

１，１５，１０１ キャリッジアーム ２，２９，１０２ フレキシブルケーブル ３ 導線 ４ａ，４ｂ，１０４ ランド ５ａ，５ｂ，１０５ ランド部 １１ 磁気ディスク １２ スピンドルモータ １３ 磁気ヘッド １４ サスペンション １６ ボイスコイルモータ １７ 固定軸 １８ ヘッドアンプ １９，１０６ 信号線 ２１ 筺体 ２２ カバー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録再生ヘッドの信号線を接続するラン
   ドが設けられているランド部を有する記録再生装置のフ
   レキシブルケーブルにおいて、１本のフレキシブルケー
   ブルを複数に分岐して、その各端近傍に前記ランド部を
   設けたことを特徴とする記録再生装置のフレキシブルケ
   ーブル。