JPH05257134A - 液晶ー高分子複合膜およびその製造方法 - Google Patents

液晶ー高分子複合膜およびその製造方法

Info

Publication number
JPH05257134A
JPH05257134A JP8827692A JP8827692A JPH05257134A JP H05257134 A JPH05257134 A JP H05257134A JP 8827692 A JP8827692 A JP 8827692A JP 8827692 A JP8827692 A JP 8827692A JP H05257134 A JPH05257134 A JP H05257134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
composite film
polymer composite
polymer
polymerizable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8827692A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomosumi Kamisaka
友純 上坂
Kazushirou Akashi
量磁郎 明石
Masanobu Ninomiya
正伸 二宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP8827692A priority Critical patent/JPH05257134A/ja
Publication of JPH05257134A publication Critical patent/JPH05257134A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 10Vrms 以下の低電圧で駆動可能であり、
かつ十分なコントラストと応答時間を有する液晶−高分
子複合膜およびその製造方法を提供する。 【構成】 液晶−高分子複合膜は、液晶性低分子化合物
と高分子化合物が相分離状態で存在し、高分子化合物が
1種以上の重合性成分を重合してなるものからなり、か
つ重合性成分が反応性シリコーンを含む。そして、液晶
性低分子化合物とエポキシ基やアクリル酸エステル基な
どの反応性官能基で置換されたシリコーンモノマーまた
はオリゴマーを含む重合性組成物との混合物を調製した
後、重合性組成物を重合させることにより液晶−高分子
複合膜を製造することができる。 【効果】 液晶−高分子複合膜は、時分割駆動に適用可
能であり、またTFTやMIMを用いたアクティブマト
リクス型表示素子への適用も可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な液晶−高分子複
合膜およびその製造方法に関するもので、ディスプレイ
等の表示素子、調光素子、光変調素子、光シャッターお
よびメモリ素子などとして広く応用可能である。
【0002】
【従来の技術】低分子液晶材料は、その最も代表的な用
途がフラットパネルディスプレイ用表示材料であり、時
計の文字盤等のTN型液晶表示素子、携帯型コンピュー
タや携帯型ワープロ用のSTN型液晶表示素子などとし
て広く応用されている。これらは、液晶層を透過する光
の偏光面が印加電圧によって変化する性質を利用して光
の透過/不透過(ON/OFF)を制御しているため、
液晶層の両側に合計2枚の偏光板が必要である。また、
液晶層が特定の配向状態をとるための配向膜処理も不可
欠である。
【0003】近年、低分子液晶材料を高分子バインダー
中に保持した液晶表示素子が提案されている。例えば、
特表昭58−501631号公報には、ポリビニルアル
コール中にカプセル化されたネマティック液晶滴が分散
されたフィルムが提案されている。このフィルムは、電
圧を印加してない状態では、液晶滴中のネマティック液
晶がカプセル壁面に沿って配向しているためフィルムに
入射する光を散乱し、一方電圧を印加した状態では、ネ
マティック液晶が電界方向に揃って配向するためフィル
ムに入射する光を透過する、という散乱/透過の二つの
状態を取るとされる。また、特表昭61−502128
号公報および特開昭62−2231号公報には、エポキ
シ等の重合性組成物と低分子液晶材料との混合物に紫外
線や熱を加えて重合性組成物を重合させることにより相
分離を生じさせ、液晶滴がバインダー中に分散保持され
た液晶素子が提案されている。さらに、特開平2−55
787号公報には、上記の紫外線重合による相分離法に
おいて、使用する低分子液晶材料の比率を高めることに
より、駆動電圧を低下させることができる液晶素子が提
案されている。これらの液晶−高分子複合膜は、従来不
可欠であった偏光板が不要となり、明るい表示が可能で
ある上に、配向膜やラビング処理が不要であるため製造
コストの面からも有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
液晶−高分子複合膜を駆動させるには、十数〜100V
rms と高い電圧が必要であったため、TFTやMIMを
用いたアクティブマトリクス型表示素子に適用するのが
困難であった。また、印加電圧−透過率曲線の急峻性が
悪く、ヒステリシス特性などのメモリー性もほとんどな
いため、事実上、大画面表示素子への適用も不可能であ
った。本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであ
る。即ち、本発明の目的は、10Vrms 以下の低電圧で
駆動可能であり、かつ十分なコントラストと応答時間を
有する表示素子、光変調素子、光シャッターおよびメモ
リ素子、特にTFTやMIMを用いるアクティブマトリ
クス型表示素子に適用可能であると同時に、従来にない
ヒステリシス特性を実現することにより、より大画面の
表示素子への適用も可能な液晶−高分子複合膜およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、液晶−高
分子複合膜について鋭意研究を重ねた結果、液晶性低分
子化合物を分散する高分子化合物に着目し、高分子化合
物として分子中にシロキサン結合を含む成分を導入する
ことにより、上記目的が達成されることを見出して、本
発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、液晶性低分子化合物と高
分子化合物が相分離状態で存在している液晶−高分子複
合膜において、高分子化合物が1種以上の重合性成分を
重合してなるものであり、かつ重合性成分が1種以上の
反応性シリコーンを含む液晶−高分子複合膜にある。本
発明は、また、液晶性低分子化合物と1種以上の反応性
官能基で置換されたシリコーンモノマーまたはオリゴマ
ーを1種以上含む重合性組成物との混合物を調製した
後、重合性組成物を重合させる上記液晶−高分子複合膜
の製造方法にある。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
液晶−高分子複合膜は、液晶性低分子化合物(以下、他
に断りなく単に「液晶」というと、この液晶性低分子化
合物を表わす)と高分子化合物が互いに相分離した状態
でその機能を発現する。相分離の形態は、それぞれの液
晶滴が分散保持されたものでもよいし、複数の液晶滴が
凝集していてもよい。液晶滴の形状は、球形でもよい
し、高分子化合物が薄膜上の壁を形成する場合のように
多面体形状でもよい。また、液晶が連続相を形成してい
てもよい。液晶−高分子複合膜のミクロ構造は、使用す
る液晶と高分子化合物の種類(熱力学的性質や化学的性
質)や混合比等によって種々変えることができ、その一
例を図1の模式図によって例示すると、次のような形態
がある。図1(A)は、液晶1より高分子化合物2を過
剰に用いた例であり、液晶1がマイクロドロップレット
状に分散した形状を示す。図1(B)は、液晶1と高分
子化合物2とをほぼ等量用いた例であり、スポンジ状の
液晶−高分子複合膜3を図示している。また、図1
(C)は、液晶1を高分子化合物2より過剰に用いた例
であり、液晶1中に高分子化合物2が繊維状に分布した
液晶−高分子複合膜3を図示している。しかし、液晶−
高分子複合膜3のミクロ構造は液晶1と高分子化合物2
の量比のみで決定されるものではない。例えば、液晶1
と高分子化合物2をほぼ等量用いた場合でも、重合速
度、重合温度、反応開始剤の種類および濃度などを変化
させることにより、図1(A)や図1(C)のようなミ
クロ構造にすることも可能である。
【0008】本発明の液晶−高分子複合膜を構成する液
晶は、ネマティック液晶、コレステリック液晶、スメク
ティック液晶および強誘電性液晶等、一般的な表示材料
としてあるいは電界駆動型表示材料として使用されてい
る種々の液晶材料が使用可能である。具体的には、ビフ
ェニル系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベ
ンゼン系、アゾキシベンゼン系、アゾベンゼン系、アゾ
メチン系、ターフェニル系、ビフェニルベンゾエート
系、シクロヘキシルビフェニル系、フェニルピリミジン
系、シクロヘキシルピリミジン系、コレステロール系等
の各種液晶化合物が挙げられる。これらの液晶は、一般
的に使用されている液晶材料と同様に単一組成である必
要はなく、複数の成分から構成されていてもよい。ま
た、電場による表示を目的とするときは、上記の中でも
正の誘電異方性を示す液晶化合物を使用することが好ま
しい。液晶によっては、印加電圧の周波数がある値(ク
ロスオーバー周波数)より大きくなると誘電異方性が正
から負に変化するものがあるが、上記の液晶を用いて2
周波駆動に適用可能なことはいうまでもない。液晶−高
分子複合膜に占める液晶の割合は、35〜95重量%と
すればよく、好ましくは50〜90重量%とするのがよ
い。
【0009】本発明の液晶−高分子複合膜における高分
子化合物は、1種以上の重合性成分を重合してなるもの
で、かつ重合性成分が1種以上の反応性シリコーンを含
むものである。反応性シリコーンとは、シロキサン結合
を有する含ケイ素化合物中のケイ素原子にエポキシ基、
アクリル酸エステル基、メタクリル酸エステル基等の反
応性官能基が1つ以上結合したものである。ケイ素原子
と反応性官能基の間にアルキル鎖が介在もよく、アルキ
ル鎖はエーテル、エステル、アリール結合等を含んでい
てもよい。
【0010】重合性成分として、上記反応性シリコーン
に加えて、共重合可能なモノマーまたはオリゴマーを使
用することができる。これらの重合性化合物としては、
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキ
ル、メタクリル酸アルキル、アクリル酸アミド、メタク
リル酸アミドおよびそれらの誘導体、スチレンおよびそ
の誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エ
チレンおよびその誘導体、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、ビニルピ
ロリドン、分子量500〜20000のポリエチレング
リコールモノアクリレート、そのモノメタクリレート等
の単官能性モノマーまたはオリゴマーだけでなく、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロ
パンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポ
リエチレングリコール等のポリオールにアクリル酸また
はメタクリル酸が複数分子結合したエステル、ジビニル
ベンゼン、アジピン酸ジビニルなどの分子中に2つ以上
の重合性基を有する多官能性モノマーまたはオリゴマー
が挙げられる。また、重合性化合物は、単一の化合物で
ある必要はなく、2種以上併用することもできる。
【0011】重合性成分として、さらに上記重合性化合
物に加えて、液晶性化合物がしかるべきアルキルスペー
サを介してビニル基、アクリル基、メタクリル基等と結
合した液晶性モノマーを添加してもよい。この液晶性モ
ノマーは、例えばMakromol.Chem.、Vo
l.18、p651(1982)等に記載されている。
その具体例を挙げると、例えば、ビフェニル系、フェニ
ルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゼン系、アゾキ
シベンゼン系、アゾベンゼン系、アゾメチン系、ターフ
ェニル系、ビフェニルベンゾエート系、シクロヘキシル
ビフェニル系、フェニルピリミジン系、シクロヘキシル
ピリミジン系、コレステロール系等の各液晶性化合物
が、しかるべきアルキルスペーサを介してビニル基、ア
クリル基、メタクリル基等と結合したものがある。
【0012】以下に、代表的な液晶性モノマーを示す。
なお、下記の式中において、Rは水素原子またはメチル
基を示し、Zはハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基
またはハロゲン化アルキル基を示す。また、mは2〜3
0の整数であり、nは1〜20の整数である。
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】本発明の高分子化合物は、反応性シリコー
ンと液晶性モノマーを添加することもある重合性化合物
とをそれぞれ1種以上含有する重合性組成物を共重合さ
せることによって合成される。この高分子化合物の合成
に際しては、通常のラジカル重合やイオン重合が適用で
き、重合性組成物に重合開始剤を添加することが好まし
い。重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、1,1′−アゾビス−1−シクロヘキサン
ニトリル等のアゾビス系開始剤で代表される熱重合開始
剤、あるいは2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン
等の光開始剤等、一般に使用されているものならばいか
なるものでも重合方法に合わせて適宜選択して使用する
ことができる。
【0015】液晶−高分子複合膜を作製する方法として
は、液晶と重合性組成物とを好適には上記重合開始剤と
共に混合して均一な溶液を調製し、この溶液を予め最適
なギャップをもった二枚の対向電極板からなるセルに封
入した後、熱や光等により重合性組成物を重合させる方
法が望ましい。この他にも、液晶と予め合成しておいた
高分子化合物とを共通溶媒に溶解した混合溶液を調製
し、この溶液を透明電極等の基材上に塗布、乾燥させた
後、電極基材を貼着させることにより、上記複合膜を作
製することもできる。
【0016】本発明の液晶−高分子複合膜は、液晶と高
分子化合物との2成分のみからなるものでも、表示材料
やメモリ材料として適用可能であるが、更に、コントラ
ストや安定性、耐久性の向上を目的として、種々の化合
物を添加することも可能である。例えば、コントラスト
の向上を目的として、アントラキノン系、スチリル系、
アゾメチン系、アゾ系等の各種二色性色素が使用可能で
ある。その場合、二色性色素は、基本的に複合膜中の液
晶と相溶し、高分子化合物には不相溶であることが好ま
しい。この他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤や各種可塑
剤等も、安定性や耐久性向上の点から好ましく使用され
る。
【0017】液晶−高分子複合膜のデバイスの形態とし
ては、図2に示すように、通常の液晶素子と同様、2つ
の電極板4、5に挾まれた構造が好ましい。図2は、電
源6から電極板4、5に電圧が印加され、液晶1が複合
膜3中で電界方向に配向した状態を図示している。 上
記電極板としては、例えば、表面にITOを施したガラ
ス基板やプラスチックフィルム、NESAガラス基板等
の透明電極板が好ましく使用される。デバイスの作製時
に、しかるべきスペーサ材料を使用したり、電極板と複
合膜との間に保護層あるいは接着層を設けたりすること
も、従来技術同様好ましい。
【0018】
【作用】複合膜の作動原理図を示す図3に基づいて本発
明の液晶−高分子複合膜の作用を説明すると、次のよう
なものと推測される。電極板4、5に電圧が印加されて
ない時、液晶1は複合膜3中に相分離状態で分散保持さ
れていて、かつ、液晶分子1aの配向ベクトルは高分子
化合物2の壁面に沿って配向しているため、図3(A)
に図示するように、入射光を散乱させて白濁した状態を
呈する。一方、電極板4、5に電圧を印加して電界を発
生させると、複合膜3中の液晶分子1aは、図3(B)
に図示するように、電界方向に配向するため、入射光を
透過させて白濁状態から透明状態に変化する。このよう
に電圧を印加した状態では、液晶1を保持する高分子化
合物2が、その構成成分としてシリコーン鎖を有するた
め、液晶分子1aを表面に付着する力が弱くなると推定
される。それにより、シリコーン鎖を含まない高分子化
合物を用いた場合よりも、低い電圧で液晶分子1aを電
界方向に配向させることができるものと考えられる。さ
らに、重合性成分として液晶性モノマーを添加してある
場合は、高分子化合物の連鎖に液晶性側鎖がぶら下がっ
た形となる。この液晶性側鎖は複合膜中の液晶との親和
性が強いため、液晶相と高分子化合物相の界面に並ぶと
推定される。これにより液晶分子を高分子化合物界面に
付着する力はより一層り、より低電圧での駆動が可能に
なったものと考えられる。
【0019】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明がこれらに限定されるものではないこと
はいうまでもない。なお、下記の説明において「部」は
全て「重量部」を意味する。 実施例1 下記に示す重合性成分と重合開始剤を混合して、重合性
組成物の混合液を調製した。 重合性成分 シリコーンアクリレート(信越シリコーン社製、X−22−5002) 2部 n−ブチルアクリレート 36部 エチレングリコールジメタクリレート 3部 ジビニルアジペート 1部 重合開始剤 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬) 0.4部 この重合性組成物2部と液晶(BDH社製、E7)8部
とを混合したところ、室温において均一で無色透明の液
体(以下、注入液という)となった。この注入液をセル
ギャップ10μmのITOガラスセル中に減圧封入し、
60℃で15時間熱処理して重合性組成物を熱重合させ
たところ、室温で強く白濁した液晶−高分子複合膜が得
られた。得られた複合膜を偏光顕微鏡および走査型電子
顕微鏡で観察したところ、液晶相は膜状の高分子相によ
って微細なセル状に分割された構造を取っていた。
【0020】実施例2 実施例1における重合開始剤の2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリルに代えて、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オンを用いた以外は同様
にして注入液を調製し、注入液をセルギャップ10μm
のITOガラスセル中に減圧封入した後、500Wキセ
ノンランプ光を照射して重合性組成物を光重合させたと
ころ、室温で強く白濁した液晶−高分子複合膜が得られ
た。
【0021】実施例3 下記に示す重合性成分と重合開始剤を混合して、重合性
組成物の混合液を調製した。 重合性成分 シリコーンアクリレート(信越シリコーン社製、X−22−5002) 1部 n−ブチルアクリレート 40部 ビニルアクリレート 10部 下記の構造式で示されるシアノビフェニル系アクリルモノマー(合成品) 1部
【化3】 重合開始剤 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬) 0.4部 この重合性組成物2部と液晶(BDH社製、E7)8部
とを混合したところ、室温において均一で無色透明の注
入液となった。実施例1と同様にして、この注入液をセ
ル封入し、熱重合させたところ、室温で強く白濁した液
晶−高分子複合膜が得られた。得られた複合膜を偏光顕
微鏡および走査型電子顕微鏡で観察したところ、液晶相
は膜状の高分子相によって微細なセル状に分割されてお
り、幾つかのセルが不規則に空いた孔で連結されたよう
な構造を取っていた。
【0022】実施例4 実施例3における重合開始剤の2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリルに代えて、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オンを用いた以外は同様
にして注入液を調製し、注入液をセルギャップ10μm
のITOガラスセル中に減圧封入した後、500Wキセ
ノンランプ光を照射して重合性組成物を光重合させたと
ころ、室温で強く白濁した液晶−高分子複合膜が得られ
た。
【0023】比較例1〜4 実施例1〜4におけるシリコーンアクリレートを同重量
部のn−ブチルアクリレートに置き換えた以外は全く同
様にして、それぞれの液晶−高分子複合膜を得た。
【0024】評価例 実施例1〜4および比較例1〜4において作製した液晶
−高分子複合膜をサンプルとして以下の方法で評価し
た。波長632.8nmのHe−Neレーザーをサンプ
ルに垂直入射しながら、サンプルに100Hz、矩形波
の交流電圧を印加し、印加する電圧を変化させながらサ
ンンプルを透過してくるレーザーの光強度を測定した。
測定された透過光強度から下記の式に従って透過率T
(%)を求めた。なお、式中のIsample、Iblank 、I
backは下記に定義するとおりである。
【数1】 sample :サンプルをセットした時の透過光強度 Iblank :サンプルを取り外した時の透過光強度 Iback :光源からの光を遮光した時の透過光強度 各サンプルについて透過光強度を測定した時の電圧Vと
透過率Tとの関係を表わす電圧−透過率曲線(V−T曲
線)を図4に示す。図4は駆動電圧の定義を説明したも
のであり、透過率Tの最大値Tmax と最小値Tmin との
差に相当する全変化量の90%を示す時の電圧を駆動電
圧V90とする。また、透過率Tの最大値Tmax を最小値
min で除した値をコントラストCRと定義し、このコ
ントラストは、CR=Tmax /Tmin で表わされる。一
方、100Hz、矩形波、駆動電圧V90[Vrms ]の交
流電圧を各サンプルに印加し、透過率Tが飽和値(T
max ′)に達してからしばらくした後、電圧を解除し
た。その時の複合膜の透過率および印加電圧の経時的変
化を図5に示す。図5は応答時間の定義を説明したもの
であり、透過率がTmin からTmax ′に上昇する過程で
透過率10%(T10′)から透過率90%(T90′)に
変化する時間tr 、および透過率TがTmax ′からT
min に低下する過程でT90′からT10′に変化する時間
f を応答時間とする。これらのパラメータの評価結果
を表1に示す。
【0025】
【表1】 表1から明らかなように、実施例のサンプルでは、比較
例のものに比べて駆動電圧が低く、かつコントラストも
高いことがわかる。しかも、応答時間は50ms以下で
あり、ビデオ画像表示用デバイスとしても十分である。
また、実施例のサンプルは、電圧を上昇させた時と下降
させた時とでV−T曲線が異なる挙動を示すヒステリシ
ス特性(メモリ性)があり、このヒステリシス特性は何
回でも可逆的に観測された。
【0026】
【発明の効果】本発明による液晶−高分子複合膜は、偏
光板が不要で明るい表示が可能であるという本来の特徴
に加えて、駆動電圧が低い、メモリー性があるといった
優れた特性を有するため、表示素子、調光素子、光変調
素子、光シャッターおよびメモリ素子ばかりでなく、大
画面表示素子(透過および反射モード)への適用が可能
である。特に、10Vrms 以下の低電圧で駆動可能であ
り、かつ十分なコントラストと応答時間を有するため、
従来実用化が困難であったTFTやMIMを用いたアク
ティブマトリクス型表示素子への適用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合膜の模式図である。
【図2】 本発明の複合膜を用いたデバイスの概略構成
図である。
【図3】 本発明の複合膜の作動原理を説明する図面で
ある。
【図4】 複合膜の印加電圧と透過率との関係を示すグ
ラフであり、本発明でいう駆動電圧の定義を説明したも
のである。
【図5】 複合膜の過率透および印加電圧の経時的変化
を示すグラフであり、本発明でいう応答時間の定義を説
明したものである。
【符号の説明】
1・・・液晶性低分子化合物、1a・・・液晶分子、2
・・・高分子化合物、3・・・液晶−高分子複合膜、
4、5・・・電極板、6・・・電源。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶性低分子化合物と高分子化合物が相
    分離状態で存在している液晶−高分子複合膜において、
    高分子化合物が1種以上の重合性成分を重合してなるも
    のであり、かつ重合性成分が1種以上の反応性シリコー
    ンを含むことを特徴とする液晶−高分子複合膜。
  2. 【請求項2】 液晶性低分子化合物と1種以上の反応性
    官能基で置換されたシリコーンモノマーまたはオリゴマ
    ーを1種以上含む重合性組成物との混合物を調製した
    後、重合性組成物を重合させることを特徴とする請求項
    1記載の液晶−高分子複合膜の製造方法。
JP8827692A 1992-03-13 1992-03-13 液晶ー高分子複合膜およびその製造方法 Pending JPH05257134A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8827692A JPH05257134A (ja) 1992-03-13 1992-03-13 液晶ー高分子複合膜およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8827692A JPH05257134A (ja) 1992-03-13 1992-03-13 液晶ー高分子複合膜およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05257134A true JPH05257134A (ja) 1993-10-08

Family

ID=13938386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8827692A Pending JPH05257134A (ja) 1992-03-13 1992-03-13 液晶ー高分子複合膜およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05257134A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995029968A1 (en) * 1994-04-29 1995-11-09 Minnesota Mining And Manufacturing Company Light modulating device having a matrix prepared from acid reactants
US5641426A (en) * 1994-04-29 1997-06-24 Minnesota Mining And Manufacturing Company Light modulating device having a vinyl ether-based matrix
JP2003066429A (ja) * 2001-08-29 2003-03-05 Chisso Corp メモリー性を有する液晶表示素子
JP2013213157A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Jnc Corp 樹脂組成物および該樹脂組成物からなる樹脂膜
JP2015529349A (ja) * 2013-01-25 2015-10-05 エルジー・ケム・リミテッド 液晶素子
JP2017214587A (ja) * 2012-07-24 2017-12-07 日産化学工業株式会社 光を用いた高効率な液晶配向膜に好適な重合体

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995029968A1 (en) * 1994-04-29 1995-11-09 Minnesota Mining And Manufacturing Company Light modulating device having a matrix prepared from acid reactants
US5593615A (en) * 1994-04-29 1997-01-14 Minnesota Mining And Manufacturing Company Light modulating device having a matrix prepared from acid reactants
US5641426A (en) * 1994-04-29 1997-06-24 Minnesota Mining And Manufacturing Company Light modulating device having a vinyl ether-based matrix
JP2003066429A (ja) * 2001-08-29 2003-03-05 Chisso Corp メモリー性を有する液晶表示素子
JP2013213157A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Jnc Corp 樹脂組成物および該樹脂組成物からなる樹脂膜
JP2017214587A (ja) * 2012-07-24 2017-12-07 日産化学工業株式会社 光を用いた高効率な液晶配向膜に好適な重合体
JP2015529349A (ja) * 2013-01-25 2015-10-05 エルジー・ケム・リミテッド 液晶素子
EP2950137A4 (en) * 2013-01-25 2016-12-21 Lg Chemical Ltd LIQUID CRYSTAL DEVICE
US10329485B2 (en) 2013-01-25 2019-06-25 Lg Chem, Ltd. Liquid crystal device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0313053B1 (en) Liquid crystal device
US5558813A (en) Liquid crystal-polymer composite film
JP3355680B2 (ja) アクリレート化合物とそれを用いた液晶デバイス
JP3503753B2 (ja) アクリレート化合物とそれを用いた液晶デバイス
JP3693675B2 (ja) 液晶複合体の製造方法
JP3131954B2 (ja) 液晶デバイス
WO1994004958A1 (en) Paper white pdlc system
JPH05257134A (ja) 液晶ー高分子複合膜およびその製造方法
JPH07175051A (ja) 液晶/プレポリマー組成物およびそれを用いた液晶表示素子
JP2960188B2 (ja) 相分離液晶ポリマーよりなる電場応答性光変調素子
JP3055299B2 (ja) 液晶ー高分子複合膜およびその製造方法
TWI614331B (zh) 二色性染料摻雜的各向同性手性液晶
JP2958411B2 (ja) 液晶・高分子複合膜、それを用いた光学素子およびその製造方法
JP3401680B2 (ja) 液晶デバイス
JP2770688B2 (ja) 液晶−高分子複合膜および電気光学素子の製造方法
JP2958410B2 (ja) 液晶・高分子複合材料、電気光学素子およびそれらの製造方法
JP3141910B2 (ja) 液晶・高分子複合材料よりなる電気光学素子およびその製造方法
JP3383921B2 (ja) 液晶デバイス
JP3503752B2 (ja) アクリレート化合物とそれを用いた液晶デバイス
JP3512373B2 (ja) 液晶表示装置用の高分子組合液晶
JP2770690B2 (ja) 電気光学素子およびその製造方法
JP3214118B2 (ja) 液晶デバイスの製造方法
JPH09179102A (ja) 液晶光学素子
JP3536927B2 (ja) アクリレート化合物とそれを用いた液晶デバイス
JPH11349949A (ja) 高分子分散型液晶素子およびその製造方法