JPH05256638A - 誤差補正機能付き位置検出装置 - Google Patents

誤差補正機能付き位置検出装置

Info

Publication number
JPH05256638A
JPH05256638A JP8939192A JP8939192A JPH05256638A JP H05256638 A JPH05256638 A JP H05256638A JP 8939192 A JP8939192 A JP 8939192A JP 8939192 A JP8939192 A JP 8939192A JP H05256638 A JPH05256638 A JP H05256638A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
error
phase
sine wave
equation
instantaneous value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8939192A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3092100B2 (ja
Inventor
Motosumi Yura
元澄 由良
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okuma Corp
Original Assignee
Okuma Machinery Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okuma Machinery Works Ltd filed Critical Okuma Machinery Works Ltd
Priority to JP04089391A priority Critical patent/JP3092100B2/ja
Publication of JPH05256638A publication Critical patent/JPH05256638A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3092100B2 publication Critical patent/JP3092100B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 2相正弦波信号に含まれる振幅誤差、位相誤
差、直流オフセットを簡単にかつ安価な演算処理回路を
用いて検出し、さらに自動的に補正することによって常
に高精度な位置検出を行なうことのできる誤差補正機能
付き位置検出装置を実現する。 【構成】 2相正弦波x,yについてx=0となる時の
yの瞬時値y,yと、y=0となる時のxの瞬時値
,xと|x|=|y|となるときのxの瞬時値x
,xを記憶する記憶手段と、x,x,y,y
,x,xから振幅誤差、位相誤差、直流オフセッ
トを演算する誤差演算手段と、これらの検出された各誤
差を用いて2相正弦波信号を補正して理想的な2相正弦
波信号を得る誤差補正手段と、このようにして得られた
理想的な2相正弦波からtan逆変換によって回転角を
検出する位置検出部とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーボモータの回転角
度の検出等に利用される位置検出装置の改良に関するも
のであり、移動体の位置を検出する際に、その検出信号
である2相交流信号に含まれる各種の誤差成分を検出
し、自動的にこの誤差を補正して位置を検出するように
した誤差補正機能付き位置検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の位置検出装置の一例を図5に示
す。被検出体の回転体1には透磁材で成るギア2が取付
けられており、ギア2に対向して磁気センサ3,4及び
磁石5が配設されており、磁気センサ3及び4の出力V
x及びVyはそれそれ瞬時値検出部10内のサンプルホ
ールド回路11及び12に入力されると共に、位置上位
桁検出回路20内の比較演算器21及び22に入力され
る。サンプルホールド回路11及び12の出力はそれぞ
れA/D変換器13及び14に入力され、A/D変換さ
れたディジタル瞬時値x=cosθ及びy=sinθは
除算器31に入力され、その除算結果y/xがtan
−1回路32に入力されている。このtan−1回路3
2の出力は、ギア2の1歯に相当する回転角を2π(r
ad)とした場合の1歯内の微小な位置θを内挿検出し
た結果である。比較演算器21及び22の出力はそれぞ
れパルスカウンタ23に入力され、計数された位置の上
位桁データTNは位置検出部30内の加算器33に入力
される。加算器33では上述の1歯内の内挿検出した位
置θと、位置の上位桁データTNとを加算することによ
り、回転体1の回転角度位置PSを得ている。このよう
な構成において、位置検出部30における処理は、マイ
クロプロセッサ等を用いたソフトウェア処理で実現する
ことが考えられる。この場合のソフトウェアの動作は、
図6のフローチャートに示されるようなものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の位置検出装置で
は、磁気センサ3及び4の出力Vx及びVyは互いに振
幅が等しく、位相差が正確に90°異なっており、又直
流オフセット成分を0として扱っている。ただし、一般
的には直流オフセットについては、0でなくても予め既
知である一定の値として扱っている例も多く、この場合
でも位置検出部30の内部処理において、既知である一
定の直流オフセットをVx及びVyから減算することに
よって、前述のように直流オフセットが0である場合と
同様に扱っている。ところが実際の位置検出装置におい
ては、磁気センサ3及び4により出力される実際の2相
交流信号について、オフセット又はオフセットの変動が
生じていたり、各振幅が異なっていたり、位相差が90
°からずれていたりするため、その信号は検出されるべ
きV・sinθ,V・cosθとは異なった値として検
出されていた。このような誤差を含んだ検出値に基づい
て演算を行なっていたので、従来は高精度な位置検出が
できないという問題点があった。
【0004】尚、従来そのような場合に、上記各誤差補
正回路を設けることにより対処することもあったが、各
誤差補正回路は可変抵抗等の調整が必要であったため、
人為的な調整ミスが生じたり、回路素子の温度変動等に
よる特性変化や経年変化による特性劣化等により、常に
高精度な位置検出を行なうことができなかった。又、本
出願人は特開平3−170011号において、上記各誤
差を2相交流信号Vx,Vyの複数組の瞬時値から検出
する誤差検出方法を提案しているが、その演算は非常に
複雑であって、実際の位置検出装置においては演算回路
が高価になること、又複数組の瞬時値の選定をどのよう
に行なうかによって所望の検出精度が得られない等の課
題を有していた。
【0005】本発明は上述したような事情から成された
ものであり、本発明の目的は、上記各誤差を簡単かつ安
価な演算処理回路を用いて正確に検出し、さらに自動的
に補正することによって常に正確な位置検出を行なうこ
とのできる誤差補正機能付き位置検出装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、誤差補正機能
付き位置検出装置に関するもので、本発明の前記目的
は、移動体の移動距離θに応じて、互いに位相の異なる
第1及び第2の2相正弦波信号x及びyを出力する検出
部と;前記第1の正弦波信号をx=1/A・(cosθ
−K・sinθ)+C、前記第2の正弦波信号をy=s
inθ+dと表わしたとき、x=0となる時点における
yの瞬時値y及びyと、y=0となる時点における
xの瞬時値x及びxと、|x|=|y|となる時点
におけるx又はyの瞬時値x及びx、又はy及び
とを記憶する記憶手段と;前記記憶手段に記憶され
ているy,y,x,x,x又はy,x
はy を用いて、前記2相正弦波信号x及びyの直流オ
フセットを表わすC,d及び振幅の差を表わすA,位相
の差を表わすKをそれぞれ演算する誤差演算手段と;前
記誤差演算手段によって求めたC,d,A,Kを用い
て、前記2相正弦波信号x及びyから、互いに位相が9
0°異なり振幅が等しくかつ直流オフセット成分のない
第3及び第4の2相正弦波信号x′=cosθ及びy′
=sinθを求める誤差補正手段と;前記第3及び第4
の2相正弦波信号x′及びy′からθ=tan
−1(y′/x′)の演算に基づいて前記移動体の移動
距離θを求める位置検出部とを設けることによって達成
される。
【0007】
【作用】本発明においては、移動体の移動距離θに応じ
て検出部より出力される2相の正弦波信号Vx及びVy
は互いの振幅に誤差があり、位相差も90°に対して誤
差があり、かつそれぞれに直流オフセット成分を含んで
いるため、
【数5】Vx=V・(cosθ−K・sinθ)+a
【数6】Vy=V・sinθ+b と表わされる。2相正弦波信号Vx及びVyは、位置検
出部においてA/D変換器によってデジタル化された数
値データx及びyとして取扱うが、このデジタル化され
た数値データx及びyは、スケーリングファクタSfを
用いて以下のように規格化して考えることができる。す
なわち、
【数7】 Vx=Sf・x=V(cosθ−K・sinθ)+a
【数8】Vy=Sf・y=V・sinθ+b ここで、スケーリングファクタSfは2相正弦波信号V
x及びVyの振幅、A/D変換器の分解能等によって任
意に仮定できる変数であるので、正弦波Vyを振幅の基
準として考えてSf=Vと仮定すると、数7及び数8
は以下のように書換えることができる。
【0008】
【数9】
【数10】y=sinθ+d ただし、A=V/V,C=a/V,d=b/V 本発明では、2相正弦波信号のxが0となる時点のyの
瞬時値、2相正弦波信号のyが0となる時点のxの瞬時
値、及び|x|=|y|となる時点のx又はyの瞬時値
を用いて、数9及び数10のA,K,C,d、すなわち
2相正弦波信号x及びyの振幅誤差,位相誤差,直流オ
フセットの各値を演算、検出している。そして、検出さ
れた各誤差成分を用いて、上記2相正弦波信号x及びy
から
【数11】 x′=A(x−C)+K(y−d)=cosθ
【数12】y′=y−d=sinθ という演算によって、互いに振幅が等しく位相差が90
°であって、直流オフセットを含まない2相正弦波信号
x′及びy′を得ることができ、この2相正弦波信号
x′及びy′から
【数13】θ=tan−1(y′/x′)=tan−1
(sinθ/cosθ) なる演算によって、移動体の移動距離θを誤差なく高精
度に検出することができる。
【0009】
【実施例】以下に図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する図1は本発明による位置検出装置の一実施例
であり、磁気式回転位置検出装置に応用した例の構成図
である。回転体1に取付けられたギア2、磁気センサ
3,4及び磁石5は従来と同一であり、磁気センサ3,
4の出力は前記数5及び数6で示したように振幅誤差,
位相誤差,直流オフセットなどの誤差を含む2相正弦波
信号である。この2相正弦波信号Vx及びVyはサンプ
ルホールド回路11及び12,A/D変換器13及び1
4によってデジタル化された数値データx及びyに変換
される。なお、x及びyは前述した数9及び数10で表
わされる。この2相正弦波信号x及びyは図2に示すよ
うに、ギア2の1歯分に相当する回転角を1周期、すな
わち2π(rad)とする正弦波であり、理想的な2相
正弦波に対して振幅誤差A,位相誤差K,直流オフセッ
トC及びdを含んでいる。これら各誤差量は、このよう
な位置検出装置において直接的に検出することは不可能
であるので、2相正弦波信号x及びyの瞬時値からこれ
ら各誤差量A,K,c,dを検出することを考える。ま
ず数9及び数10を変形して
【数14】sinθ=y−d
【数15】cosθ=A(x−C)+K(y−d) を得る。数14及び数15はsinθ+cosθ=
1という関係が成り立つので、
【数16】 (y−d)+{A(x−C)+K(y−d)}=1 を得る。この数16を変形すると、
【数17】 A+(1+K)y+2AKxy−2A(AC+Kd)x −2{(1+K)d+AKC}y+{(1+K)d+A+2AKCd−1}=0 となる。ここで位相誤差Kについて考えると、一般的な
磁気センサにおいて位相誤差Kはできるだけ0となるよ
うに設計、製造されていることから、
【数18】 と近似することが可能であり、その結果、数17は更に
以下のように考えることができる。
【数19】 A+y+2AKxy−2A(AC+Kd)X −2(d+AKC)y+(d+A+2AKCd−1} =0 ちなみに、数19は2相正弦波信号x及びyを2次元平
面の直交する座標軸として考えたとき、このxy平面上
における楕円の方程式にほかならない。
【0010】さて、数19の各誤差量A,K,C,dを
算出することが本発明の目的であるが、単に2相正弦波
信号x及びyの瞬時値からこれら誤差量A,K,C,d
を算出することは、演算が非常に複雑となり現実的でな
い。そこで、本発明においては、次の3つの特定のタイ
ミングにおける2相正弦波信号x及びyの瞬時値を用い
て演算することを考える。すなわち、3つのタイミング
は x=0となる時のyの瞬時値y及びy y=0となる時のxの瞬時値x及びx |x|=|y|となる時のxの瞬時値x=y
びx=−yである。なお、タイミングの場合につ
いて、yの瞬時値y及びyを用いても以下の演算は
全く同様の結果が得られる。ここで、これらの特定のタ
イミングにおける2相正弦波信号x及びyの瞬時値を得
る方法について、具体的な実施例を説明する。
【0011】図1において、瞬時値検出部10から出力
される2相正弦波信号x及びyは、コンパレータ等によ
って構成される瞬時値比較器41と、メモリ素子等によ
って構成される瞬時値保持回路42とから成る瞬時値記
憶部40に入力されている。瞬時値比較器41は、常時
2相正弦波信号x及びyの瞬時値を検出しており、前記
3つの条件〜、すなわちx=0,y=0及び|x|
=|y|となるタイミングで制御信号CSを発生する。
この制御信号CSが瞬時値保持回路42に入力される
と、そのタイミングにおいて入力されている2相正弦波
信号x及びyの瞬時値を取込んで保持する。なお、この
動作によって保持される2相正弦波信号x及びyの瞬時
値は、図2の波形中にy,y,x,x,x
で示される値である。このようにして保持記憶され
たy,y,x,x,x,xの値から、前記
各誤差量A,K,C,dを算出するアルゴリズムを以下
に説明する。なお、この演算は図1中の誤差演算部50
において行なわれる。まず数19に条件、すなわちx
=0のときy=y及びyを代入すると、次の2つの
式数20及び数21を得る。
【数20】
【数21】 そして、数20と数21の両辺を減算することによっ
て、
【数22】 を得る。同様にして数19に条件、すなわちy=0の
ときx=x,xを代入して
【数23】
【数24】 を得る。同様に、数23と数24の両辺を減算し、
【数25】 を得る。また、数20と数23を用いて次の数26を得
る。
【数26】
【0012】そして、数26の両辺に数22及び数25
を代入することができ、その結果次式の数27を得る。
【数27】 この数27を変形すると、
【数28】−y=A(−x
【数29】A=y/x が得られる。数28より振幅誤差Aを求めることができ
るが、そのためには平方根演算が必要であり、一般的な
マイクロプロセッサを使用することを考えると、更に簡
単な演算であることが望ましい。そこで、振幅誤差Aが
一般的な磁気センサにおいては極めて1に近いというこ
とを利用して、以下のような近似計算を行なう。すなわ
ち、次式が求められる
【数30】A=1+α ただし、
【数31】 である。この数30を数29に代入すると、
【数32】(1+α)=y/x
【数33】1+2α+α=y/x が得られる。そして、数31が成り立つから
【数34】 と近似でき、その結果
【数35】α=(y−x)/2x となる。ここで、再びA=1+αに戻すことによって、
【数36】 A=1+α=(x+y)/2x となる。
【0013】次に数19に前記条件、すなわちx
及びx=−yを代入するが、その前に以下の説
明の簡単化のために、数21及び数24をもとに数18
の見直しを行なう。つまり、数19は次の式ように変形
できる。
【数37】 A{x−2(C+Kd/A)x}+y−2(d+AKC)y +2AKxy+(d+A+2AKCd−1)=0 そして、この数37に数22及び数25を代入すると、
【数38】 A{x−(x+x)x}+y−(y+y)y +2AKxy+(d+A+2AKCd−1)=0 となる。このようにして得られた数38を数19の代り
として、条件のx=yを代入すると、
【数39】 が得られ、この数39の変形により、
【数40】 が得られる。同様にして数38にx=−yを代入す
ると、
【数41】 が得られ、この数41の変形により、
【数42】 となる。
【0014】そして、数40と数42の両辺を加算する
ことにより、
【数43】 となるので、左辺の係数2AKについて考える。Aが極
めて1に近いことを利用して、数30に示すようにA=
1+α(ただし、数31である)とおくと、
【数44】 と近似することができる。そこで、この数44を数43
に代入して整理すると、
【数45】 が得られ、更に数29で求めたAを代入し、
【数46】 が得られる。
【0015】以上より、数36及び数46によって、2
相正弦波信号x及びyの瞬時値から2相正弦波の誤差成
分のうちA及びKを解くことができた。次に、数22及
び数25を用いて残りのC及びdについて解くと、まず
数21より
【数47】d=(y+y)/2−AKC が得られるので、これを数25に代入し、
【数48】 を得、この数48の変形により、
【数49】C+K(y+y)/2A−KC=(x
+x)/2 を得る。ここで、
【数50】 と近似して
【数51】 C=(x+x)/2−K(y+y)/2A を得る。そして、数51を数47に代入して
【数52】d=(y+y)/2−AK{(x+x
)/2−K(y+y)/2A} を得、再び数50と近似することにより、
【数53】 d=(y+y)/2−AK(x+x)/2 が得られる。
【0016】以上で2相正弦波の誤差成分A,K,C,
dの全てが2相正弦波信号x及びyの瞬時値(x,x
,y,y,x,x)を用いて、数33,数4
3,数47,数49によって演算できた。すなわち、図
1中の誤差演算部50における演算処理は上記の数3
3,数43,数47,数49を具現化したものであり、
これらの演算は、マイクロプロセッサ等の演算素子によ
って容易に実現できるものである。
【0017】このようにして誤差演算部50によって演
算された各誤差成分A,K,C,dを用いて、図1中の
誤差補正部60では以下のようなアルゴリズムにより振
幅誤差がなく、位相差が90°であって直流オフセット
のない、理想的な2相正弦波x′及びy′を算出する。
すなわち、前記数11及び数12に示す演算を行なう。
このようにして得られた2相正弦波信号x′及びy′は
誤差のない理想的な2相正弦波であるので、位置検出部
30において除算器31によって
【数54】y′/x′=sinθ/cosθ を求め、tan−1データテーブル32によって
【数55】θ=tan−1(y′/x′)=tan−1
(sinθ/cosθ) のように変換することによって、回転体1の回転角θを
正確に検出できる。なお、図1には示していないが、図
5に示したように上位桁検出部20を設けて回転角θと
加算することによって、回転体1の全周にわたる位置検
出を行なうことができる。
【0018】ところで、以上説明したような誤差演算処
理,誤差補正処理等は、A/D変換器によって2相正弦
波をデジタル化し、数値化されたデータを用いて処理す
ることが一般的である。そして、このようにA/D変換
を行なう場合、A/D変換器の変換速度の制約及び演算
の処理時間の制約から、デジタル数値化された2相正弦
波は連続的な値をとることができない。その結果、図3
に示すように、例えば前記条件においてx=0となる
タイミングが正確に検出できず、そのためyの瞬時値y
(又はy)の正しい値を得ることができないという
事態が生じる。この状態を図3を用いて説明する。図中
のVxが0になるタイミングに対して、デジタル数値化
されたデータxが0になったことを検出できるのは図中
のA若しくはBの区間であり、そのため瞬時値保持回路
42が保持するy,yには、図3中の△y,△y
だけの誤差を含むことになる。このような事態を避け
るために、図4に示すようにサンプリング周期Tに対し
てVx及びVyの周期が大きな時、つまり回転体1の回
転速度が低い場合にのみ、瞬時値保持回路42が2相正
弦波信号x及びyの瞬時値を取込んで保持するようにし
ており、誤差△yが精度上無視できるほど小さくなる
ようにしている。すなわち、回転体1の回転速度が高い
場合には、瞬時値保持回路42は2相正弦波信号x及び
yの瞬時値を更新せず、回転速度が低い際に取込んだ瞬
時値を保持し続けるようにしている。この結果、回転速
度が高い場合には2相正弦波に含まれる各誤差はリアル
タイムで検出できず、回転数が低い際に検出された値を
そのまま使用して補正することになる。しかしながら、
一般的に位置検出精度が必要となるのは極低速で使用さ
れる場合が多いことから、実用上支障はきたさない。
【0019】以上、本発明の実施例を磁気式回転位置検
出装置について説明したが、本発明の原理は回転型位置
検出装置に限定されず、直線移動型の位置検出装置でも
全く同様に適用できる。また、ギアを利用した磁気式に
限らず、例えば着磁されたドラムを利用した検出器、光
学式の検出器など2相正弦波信号を利用したものであれ
ば同様に適用できる。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明による誤差補正機能
付き位置検出装置によれば、移動体の移動距離に応じて
検出された2相正弦波信号に含まれる振幅誤差,位相誤
差及び直流オフセット誤差を自動的に検出して補正する
ことにより、これら各誤差の影響を含まない高精度な位
置検出装置を実現できる。また、この誤差の検出及び補
正を行なう演算処理は特別な処理回路を必要とすること
なく、安価なマイクロプロセッサ等によって実現でき
る。さらにまた、2相正弦波信号に上記のような誤差成
分が含まれていても自動的に補正して高精度な位置検出
を実現できることから、従来2相正弦波信号の調整作業
に必要であった多大な時間工数を削減することができる
と共に、調整作業における人為的な調整不良の影響がな
く、信頼性の高い位置検出装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である磁気式回転位置検出装
置の構成図である。
【図2】本発明の原理を説明するための2相正弦波信号
の波形図である。
【図3】本発明の動作を説明するための図であり、磁気
センサによって検出された2相正弦波信号と、これをA
/D変換器によってデジタル数値化したデータを示す波
形図である。
【図4】図3と同様の波形図であり、回転体の回転速度
が低い場合を示すものである。
【図5】従来技術による磁気式回転位置検出装置の構成
図である。
【図6】従来の検出装置をソフトウェア処理によって実
現した場合のフローチャートである。
【符号の説明】
1 回転体 2 ギア 10 瞬時値検出部 30 位置検出部 40 瞬時値記憶部 41 瞬時値比較器 42 瞬時値保持回路 50 誤差演算部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体の移動距離θに応じて、互いに位
    相の異なる第1及び第2の2相正弦波信号x及びyを出
    力する検出部と;前記第1の正弦波信号をx=1/A・
    (cosθ−K・sinθ)+C、前記第2の正弦波信
    号をy=sinθ+dと表わしたとき、x=0となる時
    点におけるyの瞬時値y及びyと、y=0となる時
    点におけるxの瞬時値x及びxと、|x|=|y|
    となる時点におけるx又はyの瞬時値x及びx、又
    はy及びyとを記憶する記憶手段と;前記記憶手段
    に記憶されているy,y,x,x,x又はy
    ,x又はyを用いて、前記2相正弦波信号x及び
    yの直流オフセットを表わすC,d及び振幅の差を表わ
    すA,位相の差を表わすKをそれぞれ演算する誤差演算
    手段と;前記誤差演算手段によって求めたC,d,A,
    Kを用いて、前記2相正弦波信号x及びyから、互いに
    位相が90°異なり振幅が等しく、かつ直流オフセット
    成分のない第3及び第4の2相正弦波信号x′=cos
    θ及びy′=sinθを求める誤差補正手段と;前記第
    3及び第4の2相正弦波信号x′及びy′からθ=ta
    −1(y′/x′)の演算に基づいて前記移動体の移
    動距離θを求める位置検出部とを具備したことを特徴と
    する誤差補正機能付き位置検出装置。
  2. 【請求項2】 前記誤差演算手段は、前記y,y
    ,x,x,xを用いて 【数1】 の演算によってAを求め、 【数2】 の演算によってKを求め、 【数3】 の演算によってCを求め、 【数4】 の演算によってdを求めるようになっている請求項1に
    記載の誤差補正機能付き位置検出装置。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段は、前記移動体の移動速度
    が所定値以上の場合には前記y,y,x,x
    ,xを更新することなく保持しており、前記移動
    体の移動速度が前記所定値以下の場合には前記y,y
    ,x,x,x,xをそれぞれx=0となる時
    点、y=0となる時点、|x|=|y|となる時点にお
    いて順次更新して記憶するようになっている請求項1又
    は2に記載の誤差補正機能付き位置検出装置。
JP04089391A 1992-03-13 1992-03-13 誤差補正機能付き位置検出装置 Expired - Fee Related JP3092100B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04089391A JP3092100B2 (ja) 1992-03-13 1992-03-13 誤差補正機能付き位置検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04089391A JP3092100B2 (ja) 1992-03-13 1992-03-13 誤差補正機能付き位置検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05256638A true JPH05256638A (ja) 1993-10-05
JP3092100B2 JP3092100B2 (ja) 2000-09-25

Family

ID=13969363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04089391A Expired - Fee Related JP3092100B2 (ja) 1992-03-13 1992-03-13 誤差補正機能付き位置検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3092100B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003014440A (ja) * 2001-06-29 2003-01-15 Okuma Corp 位置検出装置
KR100801405B1 (ko) * 2004-12-22 2008-02-11 도시바 기카이 가부시키가이샤 신호 처리 장치, 신호 처리 방법, 신호 처리 프로그램을 기록한 기록 매체, 속도 검출 장치, 서보 기구
CN111336964A (zh) * 2020-03-27 2020-06-26 重庆市计量质量检测研究院 基于单轴对称标准器的误差补偿方法与测量误差评价方法
CN111336963A (zh) * 2020-03-27 2020-06-26 重庆市计量质量检测研究院 基于双轴对称标准器的误差补偿方法与测量误差评价方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003014440A (ja) * 2001-06-29 2003-01-15 Okuma Corp 位置検出装置
US6768956B2 (en) 2001-06-29 2004-07-27 Okuma Corporation High precision position detecting apparatus capable of removing error contained in signal
KR100801405B1 (ko) * 2004-12-22 2008-02-11 도시바 기카이 가부시키가이샤 신호 처리 장치, 신호 처리 방법, 신호 처리 프로그램을 기록한 기록 매체, 속도 검출 장치, 서보 기구
US7528565B2 (en) 2004-12-22 2009-05-05 Toshiba Kikai Kabushiki Kaisha Signal processing device, signal processing method, signal processing program, recording medium storing the program, speed detector and servomechanism
CN111336964A (zh) * 2020-03-27 2020-06-26 重庆市计量质量检测研究院 基于单轴对称标准器的误差补偿方法与测量误差评价方法
CN111336963A (zh) * 2020-03-27 2020-06-26 重庆市计量质量检测研究院 基于双轴对称标准器的误差补偿方法与测量误差评价方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3092100B2 (ja) 2000-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6188341B1 (en) Encoder interpolation circuit which corrects an interpolation angle between a received sine-wave encoder signal and a cosine-wave encoder signal
JP4138899B2 (ja) 位置検出のための位相差検出装置及び位置検出システム並びに方法
JP6005781B2 (ja) レゾルバ装置
JPH06167354A (ja) スケールの内挿処理装置
JP5281102B2 (ja) レゾルバ装置、レゾルバの角度検出装置およびその方法
JP2009156852A (ja) レゾルバ装置およびレゾルバの角度検出装置とその方法
US8271221B2 (en) Phase detection device and position detection device
JPH05231879A (ja) 検出位置の補正方法
US6484120B1 (en) Position detection data generating method and apparatus based on phase shift principle
JPH05256638A (ja) 誤差補正機能付き位置検出装置
JPS61110006A (ja) 位置検出方法
JP2009288241A6 (ja) 第1の事象と第2の事象との間の時間差を求める方法
JPS61110005A (ja) 位置検出方法および装置
JPH0658769A (ja) 信号処理方法及びそれを用いた変位検出装置
JP2003035566A (ja) 補正機能付き絶対位置検出器
JP3365913B2 (ja) 位置検出装置
JPH0529045B2 (ja)
JP3439814B2 (ja) デジタルpll装置
JPH04299215A (ja) 高分解能エンコーダの信号異常検出方式
JPH04285805A (ja) エンコーダ
JPH0368869A (ja) 速度検出装置
JPH10227657A (ja) 誤差補正機能付き位置検出装置
JP3208932B2 (ja) 位置測定装置
JP2004077249A (ja) 補正機能付き位置検出器
KR20220070632A (ko) 고정밀도 위상 검출용 휠 엔코더 구현 방법 및 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090728

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100728

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees