JPH05255323A - 4−シアノキヌクリジンの製造法 - Google Patents

4−シアノキヌクリジンの製造法

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JPH05255323A
JPH05255323A JP9164392A JP9164392A JPH05255323A JP H05255323 A JPH05255323 A JP H05255323A JP 9164392 A JP9164392 A JP 9164392A JP 9164392 A JP9164392 A JP 9164392A JP H05255323 A JPH05255323 A JP H05255323A
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JP
Japan
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cyanoquinuclidine
solution
cyanopiperidine
aqueous
cyclic ether
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JP9164392A
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Hideji Hirota
秀児 廣田
Noboru Iwazawa
昇 岩澤
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 4−シアノキヌクリジンを含む反応混合液か
ら、簡単な操作で効率よく、高い収率で4−シアノキヌ
クリジンを得る。 【構成】 4−シアノキヌクリジンと環状エーテルとを
含む反応混合液にアルカリ水溶液を添加する。環状エー
テルとしてテトラヒドロフランなどを用いる。また、ア
ルカリ水溶液として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどの水溶液を用いる。アルカリ水溶液の濃度は、水
層のアルカリ濃度が好ましくは10重量%以上となるよ
うに決定する。前記反応混合液として、例えば、N−
(2−ハロエチル)−4−シアノピペリジンの塩の環状
エーテル混合液に、水層のアルカリ濃度が2重量%以上
となるアルカリ水溶液を混合し、有機層を閉環反応に付
して得られる反応混合液を用いる。4−シアノキヌクリ
ジンが効率的に有機層に移行するため、有機層より、純
度の高い4−シアノキヌクリジンの環状エーテル溶液が
収率良く得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品の中間体、化学
試薬などとして使用できる4−シアノキヌクリジンの製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】セフ
ァロスポリン系抗生物質の中間体、化学試薬としての用
途が期待されている4−シアノキヌクリジンは、N−
(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジン塩酸塩を
原料として合成されている。特開昭62−16462号
公報、及び特開昭62−16481号公報には、次のよ
うな合成法により4−シアノキヌクリジンを得る方法が
開示されている。すなわち、閉環効率を高めるため、ナ
トリウムアミドとヨウ化ナトリウムをジメトキシエタン
に懸濁させた懸濁液に、N−(2−クロロエチル)−4
−シアノピペリジン塩酸塩を添加して反応させ、得られ
た反応混合液を氷水中に添加した後、濾過し、濾液の有
機層を濃縮することにより4−シアノキヌクリジンを得
ている。また、濾液の水層に炭酸カリウムを加えた後、
クロロホルムで抽出し、有機層を濃縮することにより、
水層中の4−シアノキヌクリジンを回収している。
【0003】しかし、目的化合物である4−シアノキヌ
クリジンは水に易溶であり、水層に極めて移行し易いた
め、前記方法では、有機層から収率よく4−シアノキヌ
クリジンを得るのは困難である。また、収率を向上させ
るために、さらに水層中の4−シアノキヌクリジンを回
収する操作を行っているが、前記公報記載の回収方法で
は、水層に炭酸カリウムを添加するものの、クロロホル
ムで抽出しているため、4−シアノキヌクリジンを効率
よく回収することができない。このように、従来の方法
では、4−シアノキヌクリジンを取得するための工程数
が多く、操作が煩雑であり、また、収率の点でも満足で
きるものではなかった。
【0004】したがって本発明の目的は、簡単な操作
で、効率よく、高い収率で4−シアノキヌクリジンを製
造する方法を提供することにある。
【0005】
【発明の構成】本発明者らは、前記目的を達成するた
め、鋭意検討した結果、4−シアノキヌクリジンと環状
エーテルとを含む反応混合液にアルカリ水溶液を添加す
ると、4−シアノキヌクリジンが効率よく有機層に移行
するため、簡単な操作で収率よく4−シアノキヌクリジ
ンが得られることを見出だし、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、4−シアノキヌクリ
ジンと有機溶媒とを含む反応混合液に水を添加し、有機
層から4−シアノキヌクリジンを得る方法であって、4
−シアノキヌクリジンと環状エーテルとを含む反応混合
液にアルカリ水溶液を添加する4−シアノキヌクリジン
の製造法を提供する。
【0007】本発明は、4−シアノキヌクリジンと環状
エーテルとを含む反応混合液にアルカリ水溶液を添加す
ることを特徴とする。
【0008】前記反応混合液は、4−シアノキヌクリジ
ンを生成させるいかなる反応によるものであってもよ
い。前記反応混合液は、例えば、N−(2−ハロエチ
ル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル混合液を閉
環反応に付すことにより得ることができる。
【0009】以下、N−(2−ハロエチル)−4−シア
ノピペリジンの環状エーテル混合液の調製と閉環反応に
ついて説明する。
【0010】前記環状エーテル混合液を閉環反応に付す
場合、原料として用いられるN−(2−ハロエチル)−
4−シアノピペリジンには、N−(2−フルオロエチ
ル)−4−シアノピペリジン、N−(2−クロロエチ
ル)−4−シアノピペリジン、N−(2−ブロモエチ
ル)−4−シアノピペリジン、N−(2−ヨードエチ
ル)−4−シアノピペリジンが含まれる。これらのう
ち、N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジン
及びN−(2−ブロモエチル)−4−シアノピペリジ
ン、特にN−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリ
ジンが繁用される。
【0011】また、反応原料として、遊離のN−(2−
ハロエチル)−4−シアノピペリジンのほか、その塩を
用いてもよい。N−(2−ハロエチル)−4−シアノピ
ペリジンの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩などの
鉱酸塩、酢酸塩などの有機酸塩、p−トルエンスルホン
酸塩などのスルホン酸塩等が挙げられる。好ましい塩に
は、塩酸塩などが含まれる。
【0012】前記環状エーテル混合液として、N−(2
−ハロエチル)−4−シアノピペリジンの塩の環状エー
テル混合液を用いることもできるが、好ましくは、遊離
のN−(2−ハロエチル)−4−シアノピペリジンの環
状エーテル混合液である。遊離のN−(2−ハロエチ
ル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル混合液は、
例えば、次の方法により調製することができる。
【0013】すなわち、N−(2−ハロエチル)−4−
シアノピペリジンの塩の環状エーテル混合液に、水層の
アルカリ濃度が2重量%以上となるようにアルカリ水溶
液を混合し、有機層より、遊離のN−(2−ハロエチ
ル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル溶液を得る
ことができる。以下、この方法について説明する。
【0014】N−(2−ハロエチル)−4−シアノピペ
リジンの塩として、前記したいずれのものも使用でき
る。環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、1,
3−ジオキサン、1,4−ジオキサンなどが用いられ
る。これらのうち、特にテトラヒドロフランが繁用され
る。使用する環状エーテルの量は任意に選択できるが、
操作性を良くするため、N−(2−ハロエチル)−4−
シアノピペリジンの塩100重量部に対し、通常50重
量部以上、好ましくは80〜800重量部、さらに好ま
しくは80〜300重量部程度である。
【0015】前記N−(2−ハロエチル)−4−シアノ
ピペリジンの塩の環状エーテル混合液に混合するアルカ
リ水溶液として、有機アルカリの水溶液を用いることも
できるが、通常、無機アルカリの水溶液が用いられる。
無機アルカリとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロン
チウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属の水酸
化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムな
どのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸
塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
リチウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩などが挙げら
れる。これらのアルカリは、一種又は二種以上組み合わ
せて用いられる。
【0016】前記アルカリのうち、アルカリ金属の水酸
化物、又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。特
に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ムなどのアルカリ金属の水酸化物、とりわけ水酸化ナト
リウム及び水酸化カリウムが繁用される。
【0017】前記アルカリ水溶液の濃度は、N−(2−
ハロエチル)−4−シアノピペリジンの塩を遊離化する
のに消費されるアルカリの量を考慮し、混合後の水層の
アルカリ濃度が2重量%以上、好ましくは5重量%以
上、さらに好ましくは10%重量以上となるように決定
する。水層のアルカリ濃度を2重量%以上とすることに
より、有機層より、純度の高いN−(2−ハロエチル)
−4−シアノピペリジンの環状エーテル溶液が高収率で
得られる。また、閉環反応に供するために、有機層の水
分を同時に除去する場合には、水層のアルカリ濃度を3
0%以上とするのが好ましい。水層のアルカリ濃度を3
0%以上とすることにより、有機層の水分を、例えば
0.1%以下にすることができる。
【0018】図1に示されるように、N−(2−ハロエ
チル)−4−シアノピペリジンのアルカリ水溶液に対す
る溶解度は、アルカリ濃度によって大きく変化し、アル
カリ濃度が2重量%以上になると著しく低下する。一
方、テトラヒドロフランなどの環状エーテルは、N−
(2−ハロエチル)−4−シアノピペリジンを極めて容
易に溶解し、しかも、アルカリ水溶液と混和しない。従
って、前記塩の環状エーテル混合液に、混合後の水層の
アルカリ濃度が2重量%以上となるようにアルカリ水溶
液を混合することにより、遊離化したN−(2−ハロエ
チル)−4−シアノピペリジンが効率的に有機層に移行
し、その結果、有機層より、純度の高いN−(2−ハロ
エチル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル溶液が
高収率で得られるものと思われる。なお、図1は、N−
(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジンの水酸化
ナトリウム水溶液に対する溶解度を示すグラフである。
【0019】前記アルカリ水溶液の量は、任意に選択で
きるが、操作性を良くするため、用いる環状エーテル1
00重量部に対して、通常5〜300重量部、好ましく
は10〜150重量部である。
【0020】前記塩の環状エーテル混合液にアルカリ水
溶液を混合する場合、予め調製したアルカリ水溶液を添
加、混合してもよく、また、前記アルカリと水またはア
ルカリ水溶液とを別個に添加してもよい。また、アルカ
リ水溶液又はアルカリは、分割して添加することもでき
る。
【0021】混合は、慣用の方法で行うことができる。
混合後、混合液を分液させ、有機層を分取する。得られ
た有機層に対し、さらに前記アルカリ水溶液との混合、
分取を繰り返すこともできる。また、得られた有機層
は、必要に応じて、通常用いられる乾燥剤、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化カルシウム、無
水硫酸ナトリウム等を加えることにより、水分を除去
し、閉環反応に供することもできる。
【0022】こうして得られる前記有機層は、N−(2
−ハロエチル)−4−シアノピペリジンを高純度で含む
ため、閉環反応に付される前記N−(2−ハロエチル)
−4−シアノピペリジンの環状エーテル混合液として好
適に用いられる。また、上記方法によれば、N−(2−
ハロエチル)−4−シアノピペリジンの塩の遊離化を、
入手し易く、取り扱い易いアルカリによって行うため、
工業的に有利である。
【0023】前記閉環反応は、慣用の方法で行うことが
できる。
【0024】閉環反応には、通常、ナトリウムアミド、
カリウムアミド、リチウムアミドなどのアルカリ金属ア
ミド;リチウムジイソプロピルアミドなどのアルカリ金
属のジアルキルアミド;ブチルリチウム、メチルリチウ
ムなどのアルキルリチウム;水素化ナトリウム、水素化
カリウムなどのアルカリ金属の水素化物などの塩基が用
いられる。これらのうち、好ましくは、ナトリウムアミ
ド、カリウムアミド、リチウムアミドなどのアルカリ金
属アミド等であり、特に、ナトリウムアミドが繁用され
る。また、反応温度は、用いる塩基の種類などにより適
宜選択できるが、通常−80℃〜100℃、好ましくは
−10℃〜50℃程度である。
【0025】以上のようにして、N−(2−ハロエチ
ル)−4−シアノピペリジンの環状エーテル混合液を閉
環反応に付すことにより得られる反応混合液は、本発明
の4−シアノキヌクリジンと環状エーテルとを含む反応
混合液として好適に用いられる。前記閉環反応により得
られる反応混合液はそのまま用いてもよく、また、必要
に応じて、濃縮、希釈又は濾過等の物理的操作を施した
ものを用いることもできる。
【0026】本発明における環状エーテルには、テトラ
ヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサ
ンなどが含まれる。これらのうち、特にテトラヒドロフ
ランが繁用される。
【0027】4−シアノキヌクリジンを含む反応混合液
は、通常、目的化合物である4−シアノキヌクリジンの
ほか、反応に用いられる原料、塩基の種類などに応じ
て、塩化ナトリウムなどの無機塩、アンモニア等のガ
ス、その他の副生物を含有している。従って、反応生成
物から4−シアノキヌクリジンと無機塩などとを分離す
るために、通常、有機溶媒と水を用いる抽出操作が採ら
れる。しかし、4−シアノキヌクリジンは水に極めて溶
解しやすいため、抽出溶媒として通常用いられる、ジメ
トキシエタンやジエチルエーテルなどの鎖状エーテル
類;クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ヘキサ
ン、ベンゼンなどの炭化水素類等によっては、4−シア
ノキヌクリジジンを有機層側に収率よく移行させ、抽出
することができない。また、クロロホルムなどは、4−
シアノキヌクリジン生成反応で、強塩基を使用する場合
には、反応溶媒として不適当でもある。
【0028】これに対し、環状エーテルは、4−シアノ
キヌクリジン生成反応の反応溶媒として優れていると共
に、目的化合物である4−シアノキヌクリジンを極めて
容易に溶解し、しかもアルカリ水溶液と混和しない。一
方、後述するように、4−シアノキヌクリジンは、アル
カリ水溶液に対して溶解度が著しく小さい。従って、4
−シアノキヌクリジンと環状エーテルとを含む反応混合
液にアルカリ水溶液を添加すると、4−シアノキヌクリ
ジンが効率的に有機層に移行し、副生する無機塩等から
容易に分離することができる。また、反応溶媒として環
状エーテルを用いる場合は、反応溶媒をそのまま抽出溶
媒として用いることができるため、反応工程から円滑に
分離工程へ移行することができ、工業的に極めて有利で
ある。
【0029】前記反応混合液における環状エーテルの量
は、特に限定されないが、操作性を良くするため、反応
混合液中の4−シアノキヌクリジン100重量部に対し
て、通常50重量部以上、好ましくは80〜800重量
部、さらに好ましくは80〜300重量部程度である。
【0030】本発明において、4−シアノキヌクリジン
と環状エーテルとを含む反応混合液に添加するアルカリ
水溶液中のアルカリの種類は、N−(2−ハロエチル)
−4−シアノピペリジンの塩の遊離化に用いられる前記
アルカリから選択できる。前記アルカリのうち、アルカ
リ金属の水酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物が好
ましい。特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物、とりわけ
水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが繁用される。
【0031】前記アルカリ水溶液の濃度は、特に限定さ
れないが、前記反応混合液に添加した後の水層のアルカ
リ濃度が、好ましくは10重量%以上、特に好ましくは
15重量%〜30重量%となるように決定する。なお、
反応混合液に未反応の前記塩基が残存する場合には、塩
基が水と反応してアルカリとなるので、塩基の残存量に
より水層のアルカリ濃度が異なる。
【0032】前記反応混合液にアルカリ水溶液を添加す
ることにより、有機層から、高純度の4−シアノキヌク
リジンを高収率で得ることができる。
【0033】図2に示されるように、4−シアノキヌク
リジンのアルカリ水溶液、例えば水酸化ナトリウム水溶
液に対する溶解度は、アルカリ濃度によって大きく変化
し、アルカリ濃度が10重量%以上、特に15重量%以
上になると著しく低下する。一方、テトラヒドロフラン
などの環状エーテルは、4−シアノキヌクリジンを極め
て容易に溶解し、しかも、アルカリ水溶液と混和しな
い。従って、4−シアノキヌクリジンが極めて効率的に
有機層に移行するものと思われる。なお、図2は、4−
シアノキヌクリジンの水酸化ナトリウム水溶液に対する
溶解度を示すグラフである。
【0034】前記アルカリ水溶液の添加量は、任意に選
択できるが、操作性を良くするため、反応混合物100
重量部に対して、通常30〜500重量部、好ましくは
50〜300重量部である。
【0035】前記反応混合液にアルカリ水溶液を添加す
る方法としては、特に限定されず、前記N−(2−ハロ
エチル)−4−シアノピペリジンの塩の環状エーテル混
合液にアルカリ水溶液を混合する場合と同様、種々の方
法を採ることができる。
【0036】アルカリ水溶液の添加後、必要に応じて攪
拌等により混合し、分液した有機層を分取する。得られ
た有機層に対し、さらに前記アルカリ水溶液の添加及び
分離操作を繰り返すこともできる。
【0037】こうして前記有機層より、4−シアノキヌ
クリジンを、環状エーテル溶液として得ることができ
る。得られた4−シアノキヌクリジンの環状エーテル溶
液は、そのまま、あるいは乾燥、濾過、濃縮、希釈等の
慣用の処理を施した後、医薬品等を製造するため、種々
の反応に供することができる。
【0038】また、前記有機層から、例えば蒸留乾固、
濃縮、濾過、晶析、再結晶、溶媒抽出、昇華、カラムク
ロマトグラフィーやこれらを組み合わせた慣用の分離手
段により、高純度の4−シアノキヌクリジンを単離する
ことができる。
【0039】さらに、前記有機層に酸を添加すると、生
成した塩が晶析又は沈澱するため、容易に高純度の4−
シアノキヌクリジンの塩を得ることができる。4−シア
ノキヌクリジンの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩
などの鉱酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩などの有機酸
塩;ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩
などのスルホン酸塩等があげられる。これらの塩は慣用
の分離手段、例えば遠心分離、濾過に供することにより
容易に単離することができる。
【0040】単離された4−シアノキヌクリジン又はそ
の塩は、医薬品の中間体、化学試薬などとして使用する
ことができる。
【0041】
【発明の効果】本発明の方法によれば、4−シアノキヌ
クリジンを含む反応混合液から、簡単な操作で、効率よ
く、高い収率で4−シアノキヌクリジンを製造すること
ができる。
【0042】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0043】なお、4−シアノキヌクリジンの純度及び
収率は、高速液体クロマトグラフィーにより求めた。分
離条件は次の通りである。
【0044】カラム :ASAHI PACK ODP
−50 4.6mmφ×150mm 移動相 :アセトニトリル(350容量部)−50mM
KH2 PO4 水溶液(KOH水溶液によりpH9に調
整)(650容量部) 流 速:0.5ml/分 検出波長:205nm 注入量 :20μl 温 度:40℃ 保持時間:6.9分 定量法 :絶対検量線法 実施例1 N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジン塩酸
塩105g(0.5モル)をテトラヒドロフラン160
gに懸濁し、25%水酸化ナトリウム水溶液120g
(0.75モル)を添加して室温で30分撹拌した。分
液後、水層中の水酸化ナトリウムの濃度を測定すると
9.1%であった。有機層に、さらに40%水酸化ナト
リウム水溶液40gを添加し、室温で30分撹拌した。
水層を廃棄し、N−(2−クロロエチル)−4−シアノ
ピペリジンのテトラヒドロフラン溶液244gを得た
(収率98%、水分0.09%)。
【0045】得られたN−(2−クロロエチル)−4−
シアノピペリジン(0.49モル)のテトラヒドロフラ
ン溶液244gに、攪拌しながらナトリウムアミド47
g(1.2モル)と、ブタノール8gを添加し、室温で
6時間反応させた。反応混合物に25%水酸化ナトリウ
ム水溶液400gを添加し、30分撹拌後分液させた。
有機層を濃縮し、4−シアノキヌクリジン60gを得た
(純度85%、収率82%)。
【0046】比較例1 N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジン
(0.49モル)のジメトキシエタン溶液244gを用
いる以外は実施例1と同様にして閉環反応及び抽出操作
を行い、4−シアノキヌクリジン20gを得た(純度5
1%、収率16%)。さらに、水層にクロロホルム16
0gを添加し、室温で30分攪拌後分液させ、有機層を
濃縮して、4−シアノキヌクリジンを得た(合計収率1
8%)。
【0047】実施例2 N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリジン塩酸
塩105g(0.5モル)をテトラヒドロフラン100
gに懸濁し、40%水酸化カリウム水溶液120g
(0.86モル)を添加し、さらに水酸化カリウムの結
晶20gを添加して室温で30分撹拌した。分液後水層
を廃棄し、N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペ
リジンのテトラヒドロフラン溶液185gを得た(収率
99%、水分0.1%)。
【0048】得られたN−(2−クロロエチル)−4−
シアノピペリジン(0.5モル)のテトラヒドロフラン
溶液185gにナトリウムアミド47g(1.2モル)
とブタノール8gを添加し、室温で6時間反応させた。
反応混合物に25%水酸化カリウム400gを添加し、
30分撹拌後分液させた。有機層から減圧操作により溶
存アンモニアを脱気し、硫酸38g(0.38モル)を
添加した。析出した結晶を分離、乾燥して、4−シアノ
キヌクリジン硫酸塩91g(収率86%)を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】N−(2−クロロエチル)−4−シアノピペリ
ジンの水酸化ナトリウム水溶液に対する溶解度を示すグ
ラフである。
【図2】4−シアノキヌクリジンの水酸化ナトリウム水
溶液に対する溶解度を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4−シアノキヌクリジンと有機溶媒とを
    含む反応混合液に水を添加し、有機層から4−シアノキ
    ヌクリジンを得る方法であって、4−シアノキヌクリジ
    ンと環状エーテルとを含む反応混合液にアルカリ水溶液
    を添加する4−シアノキヌクリジンの製造法。
  2. 【請求項2】 水層のアルカリ濃度を10重量%以上と
    する請求項1記載の4−シアノキヌクリジンの製造法。
  3. 【請求項3】 反応混合液として、N−(2−ハロエチ
    ル)−4−シアノピペリジンの塩の環状エーテル混合液
    に、水層のアルカリ濃度が2重量%以上となるアルカリ
    水溶液を混合し、有機層を閉環反応に付して得られる反
    応混合液を用いる請求項1記載の4−シアノキヌクリジ
    ンの製造法。
JP9164392A 1992-03-16 1992-03-16 4−シアノキヌクリジンの製造法 Pending JPH05255323A (ja)

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