JPH0525107A - 光学活性α−ヒドロキシ−βーアミノ酸エステルのラセミ化法 - Google Patents

光学活性α−ヒドロキシ−βーアミノ酸エステルのラセミ化法

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JPH0525107A
JPH0525107A JP3203605A JP20360591A JPH0525107A JP H0525107 A JPH0525107 A JP H0525107A JP 3203605 A JP3203605 A JP 3203605A JP 20360591 A JP20360591 A JP 20360591A JP H0525107 A JPH0525107 A JP H0525107A
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hydroxy
alpha
acid ester
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JP3203605A
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Hisao Sato
久夫 佐藤
Yoshinobu Miyazawa
嘉延 宮沢
Taichi Koshigoe
太一 腰越
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】光学活性3−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸エス
テル類を用い、2位及び3位をラセミ化し、生成物とし
て生理活性物質ベスタチン、レニンインヒビタ−の中間
体であるスレオ選択性の化合物を得る。 【構成】式(1)に示される化合物の2位のヒドロキシ
基を酸化し、α−ケトエステルとした後、3位のラセミ
化を行ない、ついでα位のカルボニルを還元することに
よりラセミ体を得る。 (式中RはC〜Cの炭化水素基、R及びR
保護基、Rはエステル残基を示す。*はRまたはSを
示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明における光学活性α−ヒド
ロキシ−β−アミノ酸エステル(例えば3−アミノ−2
−ヒドロキシ酪酸エステル類)は、医薬品の原料として
用いられ、例えば制癌剤であるベスタチン中間体、降圧
剤レニンインヒビタ−中間体として利用されている。さ
らにベスタチン、レニンインヒビタ−共に相対配置がス
レオの光学活性体が利用されている。
【0002】
【従来の技術】α−ヒドロキシ−β−アミノ酸もしくは
そのエステルの製法としては、特公昭57−5833
8、特開昭62−234071、特公昭62−5834
6などが知られている。しかし、光学活性α−ヒドロキ
シ−β−アミノ酸もしくはそのエステルのα、β位のラ
セミ化方法については、知られておらず、光学分割によ
り分けられた不要な対掌体については、これまで利用さ
れていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】この不要な対掌体について、α、β位のラ
セミ化を行ない、スレオ選択的化合物を得る方法が必要
とされていた。しかし、α−ヒドロキシ−β−アミノ酸
類は、α−アミノ酸類と異なり、不斉中心であるα位、
β位ともに酸、アルカリに対して安定で、極めてエピメ
リ化しにくいため、新しいラセミ化法の開発が課題とな
っている。この課題について検討を行なったところ良好
な結果が得られたので以下に示す。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
ような課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、本発
明に至った。即ち本発明はアミノ基の保護された光学活
性α−ヒドロキシ−β−アミノ酸エステルを(1)酸化
し、対応する光学活性α−オキソ−β−アミノ酸エステ
ルとし、次いで(2)ラセミ化した後、(3)α−オキ
ソ基を還元し、α−ヒドロキシ基に戻すことを特徴とす
る光学活性α−ヒドロキシ−β−アミノ酸エステルのラ
セミ化法に関するものである。
【0006】本発明で原料として使用するアミノ基の保
護された光学活性α−ヒドロキシ−β−アミノ酸エステ
ルは前記特公昭62−58346等に開示されており、
公知であり、常法によって得ることが出来る。即ち、光
学活性α−ヒドロキシ−β−アミノ酸を、そのアミノ基
を保護したのち、エステル化するか逆にエステル化後ア
ミノ基を保護することによって得ることができる。
【0007】より具体的には例えば式(1)のR1 がフ
ェニル基化合物は、例えば特公昭57−58338号記
載の光学活性3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニ
ル酪酸をアミノ基のBoc化あるいはジベンジル化、お
よびカルボン酸部分のエステル化によって得ることがで
き、R1 がシクロヘキシルの化合物は、光学活性3−ア
ミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸を接触水素添
加した後に同様の修飾を行なうことによって得ることが
できる。
【0008】本発明のラセミ化法は光学活性α−ヒドロ
キシ−β−アミノ酸エステルならば特に制限がなく広く
適用することができる。その代表的なものをあげれば、
例えば 式(1)
【0009】
【化1】 (式中R1 はC1 〜C8 の炭化水素基、R2 及びR3
保護基、R4 はエステル残基を示す。*はRまたはSを
示す。)で示される3−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸エ
ステルなどがあげられる。
【0010】R1 のC1 〜C8 の炭化水素基としては特
に制限はないが、飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基、ア
ラルキル基、アリ−ル基等があげられ、これらは反応に
支障のないかぎり置換基を有していてもよい。現在最も
中間体などに有用なものはR1 がフェニルもしくはシク
ロヘキシル基の場合の化合物である。
【0011】R2 及びR3 のアミノ基の保護としては特
に制限はなく、アラルキル型保護基、ウレタン型保護基
等通常アミノ酸のアミノ基に使用される保護基がいずれ
も使用できるが、ラセミ化したα−ヒドロキシ−β−ア
ミノ酸エステルとしてスレオ体を選択的に得るには、R
2 及びR3 の両方がベンジルであるが、R2 又はR3
いずれか一方がtert−ブトキシカルボニル(Boc とい
う)他方が水素であることが好ましい。
【0012】R4 のエステル残基としては例えばC1
6 の炭化水素基があげられ、C1 〜C6 の低級アルキ
ル基又はアリル基であり、好ましくはメチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル等の
1 〜C4 のアルキル基、またはベンジル基が好まし
い。
【0013】本発明における(1)の酸化工程はα位
(2位)ヒドロキシ基のケトンへの酸化であり、一般的
にヒドロキシ基をケトンにする際に使用される酸化反応
を使用することができる。たとえばクロム酸による酸化
法として、ピリジニウムクロロクロメ−トやピリジニウ
ムジクロメ−トなどが、ジメチルスルホキシド(以下、
DMSOと略する)による酸化法として、無水酢酸/D
MSO、トリエチルアミン.三酸化イオウピリジン錯体
/DMSO、ジシクロヘキシルカルボジイミド・ピリジ
ニウムトリフルオロアセテ−ト/DMSO、水溶性カル
ボジイミド塩酸塩、ピリジニウムトリフルオロアセテ−
ト/DMSOなどが挙げられる。これらの方法の内で、
好ましくは、反応試薬の毒性の低いDMSO酸化法を用
いる方が良く、さらに好ましくは、収率が良く、かつ後
処理の簡単な、無水酢酸/DMSOで行なう方法がよ
い。
【0014】無水酢酸/DMSOで行なう場合、DMS
Oは溶媒として用い、無水酢酸は、反応基質に対して2
〜10当量、好ましくは3〜5当量加えて行なう。反応
温度は、通常15度〜溶媒還流温度であるが、好ましく
は温度調節を必要としない室温で行なうのがよい。
【0015】反応終了後は、水を加え、抽出、洗浄、乾
燥した後に、濃縮し、必要に応じてシリカゲルカラムク
ロマトグラフィ−などで精製することによって、原料化
合物に対応する光学活性α−オキソ−β−アミノ酸エス
テルが得られる。原料化合物として前記式(1)の化合
物を用いた場合には下記方式(2)
【0016】
【化2】
【0017】(式中R1 、R2 , 3 ,R4 及び*は前
記に同じ)の光学活性3−アミノ−2−オキソ酪酸エス
テルが得られる。
【0018】(2)のラセミ化工程は、溶媒中で酸又は
塩基で処理することにより行うことができる。好ましく
は、比較的ラセミ化速度の速い塩基を用いる方がよい。
用いる塩素としては、アンモニア又は3級アミン類(例
えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン)
等の溶媒に溶け易く、留去しやすいものがよい。添加量
としては、反応基質に対して、10〜120mol%用
い、好ましくは50〜100mol%加えるのがよい。
用いる溶媒はプロトン性溶媒であるが、好ましくは炭素
数1〜4のアルコ−ルを用い、より好ましくはラセミ化
速度の速いメタノ−ルを用いるのがよい。反応温度は、
通常10度から溶媒還流温度であるが、好ましくは温度
調節を必要としない室温がよい。反応終了後、濃縮する
ことによりα−オキソ−β−アミノ酸エステルのラセミ
体を得る。
【0019】(3)のα−オキソ基を還元してα−ヒド
ロキシ基に戻す工程は水素化ほう素化合物を用いる還元
又は金属触媒を用いた接触水素添加による還元方法が用
いられる。好ましくは、高い立体選択性の得られる水素
化ほう素化合物を用いるのがよい。
【0020】反応に用いられる水素化ほう素化合物とし
ては、ほう水素化アルカリ金属例えばNaBH4 、シア
ノほう水素化アルカリ金属例えばNaBH3 CN、ほう
水素化亜鉛Zn(BH4 2 などがあげられ、使用量と
しては、反応基質1molに対して、0.5〜3mol
程度であるが、通常1molで反応を行なう。溶媒とし
ては、炭素数1〜3のアルコ−ルが用いられるが、Zn
(BH4 2 の場合には、ジエチルエ−テルが用いられ
る。反応温度は、通常−40度〜室温で行なわれるが、
好ましくは、比較的温度調整がしやすく、高い立体選択
性も得られる−25〜−15度程度がよい。反応終了後
は、常法に従って処理することにより、α−ヒドロキシ
−β−アミノ酸エステルのラセミ化合物を高い選択性で
得ることができる。
【0021】また金属触媒を用いた接触水素添加の場
合、用いる触媒としては、パラジウム−炭素、ロジウム
−炭素、ロジウム−アルミナ、酸化白金、ラネ−ニッケ
ルなどがあげられ、それらの添加量としては、α−オキ
ソ化合物に対して3〜20重量%程度、好ましくは、5
〜10重量%用いるのがよい。用いる溶媒は、メタノ−
ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ルなどの炭素数1〜3
のアルコ−ル、酢酸などであり、好ましくは、比較的反
応が促進され、反応条件を穏和にすることができる酢酸
がよい。反応温度と水素圧に関しては、用いる触媒によ
り反応性が異なるため特に限定はしないが、反応温度は
通常20〜100度程度であり、水素圧は通常1〜10
kg/cm 2 程度である。反応終了後、触媒をろ去した後、
濃縮することにより、α−ヒドロキシ−β−アミノ酸エ
ステルのラセミ化合物を得ることができる。出発化合物
が式(1)の化合物の場合、式(3)
【0022】
【化3】
【0023】(式中R1 ,R2 ,R3 ,R4 は前記に同
じ、ただし2位と3位の相対配置はスレオ)で表わされ
るスレオ−3−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸エステルが
得られる。
【0024】本発明の第2の発明はα−オキソ−β−ア
ミノ酸エステルからのα−ヒドキシ−β−アミノ酸エス
テルのスレオ体の選択的製造法に関するものである。即
ち、N−t−ブトキシカルボニル−α−オキソ−β−ア
ミノ酸(イソプロピル又はメチル)エステル又はN−ジ
ベンジル−α−オキソ−β−アミノ酸(ベンジル又はメ
チル)エステルのα−オキソ基を還元して、対応するα
−ヒドロキシ−β−アミノ酸イソプロピルエステル、ベ
ンジルエステル又はメチルエステルとすることにより、
選択的にスレオ体を製造するものである。α−オキソ基
の還元は前記(3)の還元工程がそのまま使用できる。
【0025】N−t−ブトキシカルボニル−α−オキソ
−β−アミノ酸イソプロピルエステル又はN−ジベンジ
ル−α−オキソ−β−アミノ酸ベンジルエステルとして
は、例えば、前記式(1)において、R1 が前記と同じ
でR2 ,R3 及びR4 がいずれもベンジルであるが、R
2 およびR3 がベンジルでR4 がメチルか又はR2 およ
びR3 のいずれか一方がt−ブトキシカルボニルでR4
がイソプロピル又はメチルである化合物があげられる。
1 としてはフェニル又はシクロヘキシルの場合の化合
物、即ち、3−(N−ジベンジルアミノ又はN−Boc
アミノ)−4−(フェニル又はシクロヘキルシ)−2−
オキソ酪酸のベンジルエステル、イソプロピルエステル
又はメチルエステルは新規な化合物である。以下本発明
を実施例により具体的に説明する。
【0026】
【実施例】
実施例1 スレオ−3−(N−Bocアミノ)−4−シクロヘキシ
ル−2−ヒドロキシ酪酸イソプロピルヘの変換。 (a)DMSO10.3mlに三酸化イオウピリジン錯
体2.31gを溶解し、さらに塩化メチレンを4ml加
えて攪拌し、氷冷する。さらに塩化メチレン10mlに
(2R,3S)−3−(N−Bocアミノ)−4−シク
ロヘキシル−2−ヒドロキシ酪酸イソプロピル1gを溶
解し、これにトリエチルアミン4.1mlを加えた溶液
を上記溶液へ滴下する。滴下後は、徐々に室温にもどし
反応を行なう。反応終了後、氷冷水と酢酸エチルを加え
て攪拌した後、分液し、酢エチ層を飽和塩化アンモニウ
ム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した
後、さらに飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥
する。乾燥後、硫酸ナトリウムをろ去し、減圧濃縮した
後、ヘキサンを加えて晶析させ、0.95gのS−3−
(N−Bocアミノ)−4−シクロヘキシル−2−オキ
ソ酪酸イソプロピルを収率96%で得た。
【0027】 1H−NMR(CDCl3 ) δ(ppm)0.80〜2.00(m.28H) 4.02〜4.05(m. 1H) 4.83〜5.00(br.1H) 5.08〜5.22(m. 1H) 旋光度 [α]25D=−0.64(c=2.50 i
n EtOH) 融点 78〜79度
【0028】(b)メタノ−ル15mlに、1gのS−
3−(N−Bocアミノ)−4−シクロヘキシル−2−
オキソ酪酸イソプロピルを溶解し、さらにトリエチルア
ミン0.5mlを加え、旋光度を測定する。このとき旋
光度は、水銀光546nmで−1.160であった。こ
の反応液を室温一昼夜攪拌した後、旋光度がほぼ0であ
ることを確認した後、減圧濃縮し、シリカゲルクロマト
グラフィ−で精製し、0.98gの油状のラセミ体を収
率98%で得た。
【0029】(c)酢酸4mlに、0.5gの3−(N
−Bocアミノ)−4−シクロヘキシル−2−オキソ酪
酸イソプロピルを加えて溶解した後に、5%ロジウム炭
素を0.1g加える。バル−ン等を用いて、反応容器内
に水素を充填した後、70度に加熱し、6時間攪拌す
る。反応終了後、触媒をろ去し、減圧濃縮する。濃縮液
をカラムクロマトグラフィ−によって精製し、3−(N
−Bocアミノ)−4−シクロヘキシル−2−ヒドロキ
シ酪酸イソプロピルのスレオ体を0.35g、エリスロ
体を0.14gを、あわせて97%の収率で得た。
【0030】(c’)酢酸5mlに0.5gの3−(N
−Bocアミノ)−4−シクロヘキシル−2−オキソ酪
酸イソプロピルを加えて溶解した後に、酸化白金を0.
05g加える。バル−ン等を用いて、反応容器内に水素
を充填した後、室温で一昼夜攪拌する。反応終了後、触
媒をろ去し、減圧濃縮する。濃縮液をカラムクロマトグ
ラフィ−によって精製し、3−(N−Bocアミノ)−
4−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ酪酸イソプロピル
のスレオ体を0.39g、エリスロ体を0.09g、あ
わせて97%の収率で得た。
【0031】 1H−NMR (CDCl3 ) スレオ体 δ(ppm)0.80〜2.00(m.28H) 3.38(d,1H,J=4.6Hz) 4.09(dd,1H,J=3.1,4.6Hz) 4.70〜4.82(br,1H) 5.00〜5.19(m,1H)
【0032】エリスロ体 δ(ppm)0.80〜2.00(m.28H) 3.32(d,1H,J=5.5Hz) 4.32(dd,1H,J=4.1,5.5Hz) 4.83〜4.94(br,1H) 5.00〜5.19(m,1H)
【0033】実施例2 スレオ−3−(N,N−ジベンジルアミノ)−4−シク
ロヘキシル−2−ヒドロキシ酪酸ベンジルへの変換。 (a)DMSO4.5mlに、(2R,3S)−3−
(N,N−ジベンジルアミノ)−4−シクロヘキシル−
2−ヒドロキシ酪酸ベンジルを1.3gを加えて溶解
し、さらに無水酢酸を1.5ml加え、室温で一昼夜攪
拌する。反応終了後、水と酢酸エチルを加えて攪拌した
後、分液し、酢エチ層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
と飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。乾
燥後、硫酸ナトリウムをろ去し、減圧濃縮した後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィ−によって精製し、1.
12gのS−3−(N,N−ジベンジルアミノ)−4−
シクロヘキシル−2−オキソ酪酸ベンジルを収率86%
で得た。
【0034】 1H−NMR (CDCl3 ) 0.66〜1.76(m,13H) 3.50,3.66(AB,4H,J=13.6Hz) 4.06(dd,1H,J=4.3,8.8Hz) 5.11,5.34(AB,2H,J=12.0Hz) 7.12〜7.48(m,15H) 施光度 [α]25D=−11.18(c=2.50
in EtOH)
【0035】(b)メタノ−ル5mlに、0.37gの
S−3−(N,N−ジベンジルアミノ)−4−シクロヘ
キシル−2−オキソ酪酸ベンジルを溶解し、さらにトリ
エチルアミン0.2mlを加え、旋光度を測定する。こ
のとき旋光度は、水銀光546nmで−5.331であ
った。この反応液を室温で一昼夜攪拌した後、旋光度が
ほぼ0であることを確認した後、減圧濃縮し、シリカゲ
ルクロマトグラフィ−で精製し、0.30gのラセミ体
を収率81%で得た。
【0036】(c)0.5gの3−(N,N−ジベンジ
ルアミノ)−4−シクロヘキシル−2−オキソ酪酸ベン
ジルを5mlのエタノ−ルに溶解した後、−40度に冷
却し、0.04gの水素化ほう素ナトリウムを加える。
30分間、−40度で攪拌した後、水とメタノ−ルを加
えて後処理を行なう。減圧濃縮によって、アルコ−ルを
留去した後、酢酸エチルで抽出を行ない、飽和塩化アン
モニウム水溶液と飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム
で乾燥する。乾燥後、硫酸ナトリウムをろ去し、減圧濃
縮を行なう。濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ−によって精製し、3−(N,N−ジベンジルアミ
ノ)−4−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ酪酸ベンジ
ルのスレオ体を0.28g、エリスロ体を0.05g、
あわせて66%の収率で得た。
【0037】 1H−NMR (CDCl3 ) スレオ体 δ(ppm)0.68〜1.81(m.13H) 3.05〜3.17(m.1H) 3.37〜3.54(br.1H) 3.41,3.92(AB,4H,J=13.5Hz) 4.18(d,1H,J=4.8Hz) 4.63,5.29(AB,2H,J=12.2Hz) 7.13〜7.42(m.15H)
【0038】エリスロ体 δ(ppm)0.68〜1.83(m.13H) 2.90〜3.18(br.2H) 3.43,3.89(AB,4H,J=13.6) 4.64〜4.74(br.1H) 5.06,5.20(AB,2H,J=12.1Hz) 7.10〜7.44(m.15H)
【0039】実施例3 スレオ−3−(N−Bocアミノ)−2−ヒドロキシ−
4−フェニル酪酸メチルへの変換法 (a)DMSO4.6mlに、(2R,3S)−3−
(N−Bocアミノ)−2−ヒドロキシ−4−フェニル
酪酸メチル0.5gを加えて溶解し、さらに無水酢酸を
1.8ml加え、室温で一昼夜攪拌する。反応終了後、
水と酢酸エチルを加えて攪拌した後、分液し、酢エチ層
を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と、飽和食塩水で洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥する。乾燥後、硫酸ナトリウ
ムをろ去し、減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィ−によって精製し、0.44gのS−3−
(N−Bocアミノ)−2−オキソ−4−フェニル酪酸
メチルを収率89%で得た。
【0040】 1H−NMR (CDCl3 ) δ(ppm)1.38(s.9H) 2.85〜3.30(m.2H) 3.83(s.3H) 5.04〜5.20(br,1H) 7.07〜7.35(m,5H) 旋光度 [α]25D=−2.82(c=2.48 i
n EtOH)
【0041】(b)メタノ−ル15mlに、1gのS−
3−(N−Bocアミノ)−2−オキソ−4−フェニル
酪酸メチルを溶解し、さらにトリエチルアミンの0.5
mlを加え、旋光度を測定する。このとき旋光度は、水
銀光578nmで−1.086であった。この反応液を
室温で一昼夜攪拌した後、旋光度がほぼ0であることを
確認した後、減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィ
−で精製し、0.94gのラセミ体を収率94%で得
た。
【0042】(c)0.5gの3−(N−Bocアミ
ノ)−2−オキソ−4−フェニル酪酸メチルを5mlの
エタノ−ルに溶解した後、−40度に冷却し、0.06
gを水素化ほう素ナトリウムを加える。30分間、−4
0度で攪拌した後、水とメタノ−ルを加えて後処理を行
なう。減圧濃縮によって、アルコ−ルを留去した後、酢
酸エチルで抽出を行ない、飽和塩化アンモニウム水溶液
と飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。乾
燥後、硫酸ナトリウムをろ去し、減圧濃縮を行なう。濃
縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−によって精
製し、0.38gの3−(N−Bocアミノ)−2−ヒ
ドロキシ−4−フェニル酪酸メチルを75%の収率で得
た。また、 1H−NMRの積分比によって、スレオ:エ
リスロの比は、82:18であった。
【0043】 1H−NMR (CDCl3 ) δ(ppm)1.38(s.9H) 2.75〜2.96(m.2H) 3.15(d,1H,J=4.6Hz) 3.59(erthro),3.75(threo)
(s,3H) 4.02〜4.11(br,1H) 4.18〜4.37(m,1H) 4.73〜4.95(br,1H)
【0044】実施例4 スレオ−3−(N,N−ジベンジルアミノ)−2−ヒド
ロキシ−4−フェニル酪酸メチルへの変換法 (a)DMSO3.2mlに、(2R,3R)−3−
(N,N−ジベンジルアミノ)−2−ヒドロキシ−4−
フェニル酪酸メチル0.68gを加えて溶解した後に、
さらに無水酢酸を1ml加え、室温で一昼夜攪拌する。
反応終了後、水と酢酸エチルを加えて攪拌した後、分液
し、酢エチ層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食
塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。乾燥後、硫
酸ナトリウムをろ去し、減圧濃縮した後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィ−によって精製し、0.60gの
S−3−(N,N−ジベンジルアミノ)−2−オキソ−
4−フェニル酪酸メチルを収率89%で得た。
【0045】 1H−NMR (CDCl3 ) δ(ppm)2.99(d of AB,1H,J=
4.4,13.7Hz) 3.09(d of AB,1H,J=9.0,13.
7Hz) 3.58,3.78(AB,4H,J=13.5Hz) 3.71(s,3H) 4.29(dd,1H,J=4.4,9.0Hz) 7.10〜7.38(m,15H) 旋光度 [α]25D=−11.74(c=2.50
in EtOH)
【0046】(b)メタノ−ル20mlに、0.46g
のS−3−(N,N−ジベンジルアミノ)−2−オキソ
−4−フェニル酪酸メチルを溶解し、さらにトリエチル
アミン1mlを加え、旋光度を測定する。このとき旋光
度は、水銀光578nmで−5.094であった。この
反応液を室温で一昼夜攪拌した後、旋光度がほぼ0であ
ることを確認した後、減圧濃縮し、シリカゲルクロマト
グラフィ−で精製し、0.43gのラセミ体を収率93
%で得た。
【0047】(c)0.45gの3−(N,N−ジベン
ジルアミノ)−2−オキソ−4−フェニル酪酸メチルを
5mlのエタノ−ルに溶解した後、−40度に冷却し、
0.06gの水素化ほう素ナトリウムを加える。30分
間、−40度で攪拌した後、水とメタノ−ルを加えて後
処理を行なう。減圧濃縮によって、アルコ−ルを留去し
た後、酢酸エチルで抽出を行ない、飽和塩化アンモニウ
ム水溶液と飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥
する。乾燥後、硫酸ナトリウムをろ去し、減圧濃縮を行
なう。濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−に
よって精製し、0.45gの3−(N,N−ジベンジル
アミノ)−2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸メチルを
収率99%で得た。また、 1H−NMRと13C−NMR
によって異性体がみられないことから、スレオ選択性が
95%以上であるといえる。
【0048】 1H−NMR (CDCl3 ) δ(ppm)3.06〜3.28(m,4H) 3.41(s.3H) 3.44,4.14(AB,4H,J=13.5Hz) 3.96〜4.06(br.1H) 7.14〜7.37(m,15H)
【0049】13C−NMR (CDCl3 ) δ(ppm)29.83,52.39,56.08,6
1.62,72.56 126.55,127.34,128.55,128.
97,129.62,129.80,139.94,1
40.17,175.58
【0050】
【効果】本発明によると特公昭62−58346の方法
によって得られる不要な光学異性体を、2位と3位の相
対配置がスレオのラセミ体へと変換することができ、さ
らに光学分割を行なえば、必要な光学活性体を得ること
ができる。また、分割により得られる光学異性体も、さ
らに本発明を繰り返すことにより必要な光学活性体へと
導くことができる。なお、本発明方法により得られる式
(3)の化合物は、例えば特公昭62−58346号及
び特開平1−172365号開示の方法により、ベスタ
チン及びレニンインヒビタ−を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ基の保護された光学活性α−ヒドロ
    キシ−β−アミノ酸エステルを(1)酸化し、対応する
    光学活性α−オキソ−β−アミノ酸エステルとし、次い
    で(2)ラセミ化した後、(3)α−オキソ基を還元
    し、α−ヒドロキシ基に戻すことを特徴とする光学活性
    α−ヒドロキシ−β−アミノ酸エステルのラセミ化法
  2. 【請求項2】N−t−ブトキシカルボニル−α−オキソ
    −β−アミノ酸(イソプロピル又はメチル)エステル又
    はN−ジベンジル−α−オキソ−β−アミノ酸(ベンジ
    ル又はメチル)エステルを還元することを特徴とするN
    −t−ブトキシカルボニル−α−ヒドロキシ−β−アミ
    ノ酸(イソプロピル又はメチル)エステル又はN−ジベ
    ンジル−α−ヒドロキシ−β−アミノ酸(ベンジル又は
    メチル)エステルのスレオ体の選択的製法。
  3. 【請求項3】3−(N−ジベンジルアミノ又はN−BOC
    アミノ)−4−(フェニル又はシクロヘキシル)−2−
    オキソ酪酸のベンジルエステル又はイソプピルエステ
    ル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998011057A1 (fr) * 1996-09-13 1998-03-19 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Esters erythro-3-amido-2-hydroxybutyrique actifs sur le plan optique, et procede de preparation de ces esters
WO1998055452A1 (en) * 1997-06-03 1998-12-10 Kaneka Corporation PROCESS FOR REDUCING $G(a)-AMINO KETONES

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US6063955A (en) * 1996-09-13 2000-05-16 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Method for producing optically active erythro-3-amino-2-hydroxybutyric esters and acids thereof
WO1998055452A1 (en) * 1997-06-03 1998-12-10 Kaneka Corporation PROCESS FOR REDUCING $G(a)-AMINO KETONES

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