JPH0525030A - 皮膚化粧料 - Google Patents

皮膚化粧料

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JPH0525030A
JPH0525030A JP3184771A JP18477191A JPH0525030A JP H0525030 A JPH0525030 A JP H0525030A JP 3184771 A JP3184771 A JP 3184771A JP 18477191 A JP18477191 A JP 18477191A JP H0525030 A JPH0525030 A JP H0525030A
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JP
Japan
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skin
component
cosmetic
oil
carotene
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JP3184771A
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English (en)
Inventor
Yasushi Kijima
泰志 來嶋
Takako Otake
貴子 大竹
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CLUB KOSUMECHITSUKUSU KK
Original Assignee
CLUB KOSUMECHITSUKUSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚への塗布延展中に顕著な色相変化が生じ
るため、使用者が意外性を感じ、さらにたとえばマッサ
ージクリームとして用いると、マッサージの動作終了を
知らせるインジケーターともなり、使用者に化粧料のも
つ皮膚への物理的、薬理的効果を与えるとともに、意外
性、心理的リラックス感などの使用者の心理面に作用
し、さらには使用状態を視覚的に知らせるなどの効果を
有する皮膚化粧料を提供する。 【構成】 皮膚への塗布延展中にO/W型からW/O型
へ転相する乳化系に、必須成分として(a) カロチン類、
抗酸化剤および油分からなる油相成分、(b) 高級アルコ
ールを含む油相成分が個別の油滴として配合され、成分
(a) 、成分(b) および水の3つの独立した相からなり、
成分(a) におけるカロチン類と油分との重量比が0.05〜
0.7 、カロチン類と抗酸化剤との重量比が 0.005〜10
で、該成分(a) の配合量が皮膚化粧料の0.01〜0.5 重量
%であることを特徴とする皮膚化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚化粧料に関する。
さらに詳しくは、使用者が皮膚への塗布延展中に色相が
明瞭に変化する、意外性、心理的リラックス感、装飾性
を有する新規な皮膚化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】化粧
料の重要な要素としては、皮膚への物理的、薬理的効果
とともに、香り、色などの心理的効果、装飾的効果も不
可欠な要素としてあげられる。
【0003】従来より、化粧料に色素、顔料などが配合
されとくにメイクアップ化粧料における製品の品質、価
値が高められている。また、スキンケア化粧料において
は、使用前、使用中などに使用者に対する満足感、リラ
ックス感、意外性などの心理的作用や、美しい、温かい
など感性に訴える装飾的作用が備えられている。
【0004】さらに、使用中の化粧料の状態を示すイン
ジケーターとして、色相の変化を有する製品が開発され
てきている。
【0005】たとえば、パック剤に酢酸ビニルなどのエ
マルジョンなどパール感を有する金属石けんを配合し
て、皮膚へ塗布したときは白色系もしくはパール色を呈
し、乾燥時には透明となり、剥離時期を知らせるなどの
機能を付加せしめたものや、パール剤を乳化物などに配
合して、屈折率を利用し皮膚へ塗布する前は白色系を呈
し、皮膚へ塗布したときはうすくパール感を有する着色
状態とし、心理的効果を付加せしめたものなどがある。
【0006】しかしながら、着色剤としてエマルジョ
ン、顔料、色素などを利用し皮膚への塗布中に色相を変
化させることを目的とするばあい、色相の変化という点
からはいまだ充分なものがえられていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、使
用中に色相が変化する化粧料について乳化物のタイプお
よび着色剤の種類、用い方などについて検討を重ねたと
ころ、皮膚への塗布延展中にO/W型からW/O型へ転
相するO/W型の乳化系に、高級アルコールを含む油相
成分とは別個の油滴としてカロチン類を含む油相成分を
所定の量もしくは所定の割合で配合せしめることによ
り、該化粧料が皮膚への塗布延展中に色相が明瞭に変化
することを見出した。
【0008】さらには、前記化粧料に紫根抽出液を添加
すると、経日安定性を高めるためにより効果的であるこ
とを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、皮膚への塗布延展中に
O/W型からW/O型へ転相する乳化系に、必須成分と
して(a) カロチン類、抗酸化剤および油分からなる油相
成分、(b) 高級アルコールを含む油相成分が個別の油滴
として配合され、成分(a) 、成分(b) および水の3つの
独立した相からなり、成分(a) におけるカロチン類と油
分との重量比が0.05〜0.7 、カロチン類と抗酸化剤との
重量比が 0.005〜10で、該成分(a) の配合量が皮膚化粧
料の0.01〜0.5 重量%であることを特徴とする皮膚化粧
料に関する。
【0010】さらに詳しくは、前記成分(b) の配合量が
皮膚化粧料の30〜70重量%である皮膚化粧料、さらに成
分(c) 紫根抽出液を安定化剤として配合することを特徴
とする皮膚化粧料および前記成分(c)の配合量が皮膚化
粧料の0.01〜0.5 重量%である皮膚化粧料に関する。
【0011】
【実施例】本発明の皮膚化粧料は、皮膚への塗布延展中
にO/W型からW/O型へ転相する乳化系に、カロチン
類を含む油相成分O(a) (以下、O(a) とする)、高級
アルコールを含む油相成分O(b) (以下、O(b) とす
る)の2種類の油相成分が個別の油滴として配合され、
さらにO(a) におけるカロチン類と油分との重量比が0.
05〜0.7 、カロチン類と抗酸化剤との重量比が0.005 〜
10で、O(a) の配合量が皮膚化粧料の0.01〜0.5 重量%
であるものである。すなわち、使用前の化粧料の外観
は、O(a) が水相成分に分散した時の色調にO(b) /W
型エマルジョンの白色が加味された色調となり、皮膚へ
の塗布延展中にO(b) /W型エマルジョンが転相しW/
O(b) 型エマルジョンとなる時点でO(a) がO(b) と合
一化してO(a) のカロチン類がO(b) に分散された色調
となる。この転相前の色相と転相後の色相が明瞭に異な
るのが、共役ジエン構造を有するカロチン類である。
【0012】本発明の皮膚化粧料において用いられる成
分O(a) のカロチン類は、動植物界に広く分布している
黄色ないし赤色の色素で、多数の共役二重結合を有する
脂肪族または脂環式のポリエン類でありたとえば、β-
カロチン、カプサンチン、ビキシン、クロシン、クロセ
チン、ルテイン、リコピン、リコキサンチンなどがあげ
られる。本発明の皮膚化粧料にはこれらを単独で用いて
もよく2種類以上を同時に用いてもよい。これらの中で
も、本発明において化粧料の色相を明瞭に変化させると
いう効果を高めるためにとくに好ましいのは、式:
【0013】
【化1】
【0014】で表されるβ- カロチンである。β- カロ
チンはビタミンA効果を有し、他のカロチン類とともに
食品類の着色剤として使用されている。本発明におい
て、皮膚への塗布延展中にO/W型からW/O型へ転相
する乳化系に2種類の油相成分を別個の油滴として存在
させたとき皮膚への塗布延展中に色相が明瞭に変化する
のはカロチン類のみである。つまり、有機系タール色
素、顔料、無機粉末やカロチン類以外の天然色素、たと
えばフラボノイド系、キノン系、ポルフィリン系、ジケ
トン系などの着色剤のみでは本発明における効果を奏し
えない。
【0015】本発明において用いられる成分O(a) の油
分は室温で流動性のあるものであり、その具体例として
はたとえば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル
ポリシロキサン、スクワラン、流動パラフィン、流動ポ
リイソブチレン、ミリスチン酸オクチルドデシル、エル
カ酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシ
ル、オレイン酸デシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ト
リオクタン酸グリセリル、ホホバ油、大豆油、オリーブ
油、アボガド油、液状ラノリンなどがあげられる。これ
らの中でもβ- カロチン色調安定性のため、スクワラ
ン、エルカ酸、オクチルドデシル、ホホバ油がとくに好
ましい。本発明の皮膚化粧料にはこれらを単独で用いて
もよく2種類以上を同時に用いてもよい。
【0016】本発明において用いられる成分O(a) の抗
酸化剤としてはたとえば、ジブチルヒドロキシトルエ
ン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、
ビタミンEおよびその誘導体、甘草エキスに含まれるグ
ラブリジンなどがあげられる。これらの中でもβ- カロ
チン色調安定性のため、ビタミンEとグラブリジンを組
み合わせて用いることがとくに好ましい。本発明の皮膚
化粧料にはこれらを単独で用いてもよく2種類以上を同
時に用いてもよい。
【0017】成分O(a) の配合量は、本発明の皮膚化粧
料の0.01〜0.5 %(重量%、以下同様)であり、好まし
くは0.05〜0.2 %である。成分O(a) の配合量が0.01%
未満であると化粧料の着色が不充分であり、0.5 %をこ
えると化粧料の美的外観をこえた色あいとなる。
【0018】また、成分O(a) におけるカロチン類と油
分との重量比は0.05〜0.7 であり、好ましくは0.1 〜0.
6 である。カロチン類と油分との重量比が0.05未満であ
ると皮膚へ塗布したときの色相の変化が不明瞭であり、
0.7 をこえるとカロチン類の油分への分散がよくない。
【0019】さらに、成分O(a) におけるカロチン類と
抗酸化剤との重量比は0.005 〜10であり、好ましくは0.
01〜5 である。カロチン類と抗酸化剤との重量比が0.00
5 未満であると化粧料の着色が不充分であり、10をこえ
ると経日的色調安定性がよくない。
【0020】本発明において用いられる成分O(b) の高
級アルコールとしては、乳化物の乳化安定助剤として界
面膜の合一を防ぐなどして安定に保護する成分がよく、
たとえばセチルアルコール、ステアリルアルコール、ミ
リスチルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルア
ルコールなどがあげられる。これらの中でも界面膜安定
性がよいため、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ルが好ましい。また、高級アルコールの必要量として
は、乳化物の油分に対して室温で飽和溶解度をこえる程
度で、その添加により乳化物の増粘効果がえられる量で
あり、O(b) の配合量の2.0 〜10.0%が好ましい。
【0021】成分O(b) の高級アルコール以外の油相成
分としては、固体油、半固体油、液状油が組み合わせて
用いられる。
【0022】固体油、半固体油、液状油は通常化粧料に
使用されるものであればとくに制限されることはなく、
鉱物油、植物油、動物油、高級脂肪酸、ロウ類などを使
用することができる。具体的にはたとえば、流動パラフ
ィン、スクワラン、ヒマシ油、ミリスチン酸イソプロピ
ル、パルミチン酸イソプロピル、オリーブ油、マカデミ
アンナッツ油、ホホバ油、タートル油、アーモンド油、
サフラワー油、アボガド油;エルカ酸オクチルドデシ
ル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グ
リセリル、2-エチルヘキサン酸セチルなどのグリセリン
脂肪酸エステル;ジカプリン酸プロピレングリコールな
どのプロピレングリコール脂肪酸エステル;オレイン
酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸;固形パ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、バ
チルアルコール、ワセリン、ミツロウ、ゲイロウ;など
があげられる。これらの中でも皮膚への塗布延展中にO
/W型からW/O型への転相が良好な系をえるため、ス
クワラン、流動パラフィンなどの炭化水素系油、エルカ
酸オクチルドデシルなどのエステル系油、ステアリン酸
などの脂肪酸のように極性が異なる油分を組み合わせて
用いるのが好ましい。
【0023】成分O(b) の配合量は、好ましくは本発明
の皮膚化粧料の30〜70%であり、さらに好ましくは40〜
60%である。成分O(b) の配合量が30%未満であると、
皮膚へ塗布したときに乳化系がO/W型からW/O型へ
転相しにくくなり色相の変化がえられにくく、70%をこ
えると、該成分O(b) と前記カロチン類を含む成分O
(a) とが個別の油滴として安定に配合されにくい。
【0024】本発明において用いられる成分 (c)の紫根
抽出液は、ムラサキ科のムラサキの根の部分を精製水ま
たはエタノール、1,3-ブチレングリコールなどの有機溶
媒を用いて冷却して3〜6日間かけて抽出する一般的な
方法によってえられ、シコニンおよびシコニン誘導体を
含むpHが酸性〜中性域にて赤〜赤紫色を呈すものがよ
い。該紫根抽出液は室温放置条件下で本発明の皮膚化粧
料の色調安定性において効果がある。なお紫根抽出液は
紫外線に対して退色しやすいため、紫外線吸収剤との併
用が好ましい。
【0025】成分(c) の配合量は、好ましくは本発明の
皮膚化粧料の0.01〜0.5 %であり、さらに好ましくは
0.05〜0.2 %である。成分(c) の配合量が0.01%未満で
あると化粧料の着色が不充分であり、0.5 %をこえると
化粧料の美的外観をこえた色あいとなる。
【0026】本発明の皮膚化粧料には前記成分のほか
に、乳化タイプの化粧料に通常配合されうる各種成分
を、本発明の皮膚化粧料の効果が失なわれない範囲内で
適宜選択して配合しうる。
【0027】このような任意に配合しうる成分としては
たとえば、乳化剤、基剤、紫外線吸収剤、防腐・殺菌
剤、香料、金属(イオン)封鎖剤、薬理作用を有する薬
剤、増粘剤、スクラブ剤などがあげられる。
【0028】前記乳化剤としてはたとえば、モノステア
リン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノ
ステアリン酸ジグリセリル;モノミリスチン酸デカグリ
セリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノステア
リン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸
ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイ
ン酸ソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン
ソルビット、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、モ
ノステアリン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油などの非イオン界面活性剤;ステア
リン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテルリン酸、N-アシルグルタミン
酸ナトリウムなどのアニオン界面活性剤;レシチンなど
の両性界面活性剤;などがあげられる。これらの中でも
皮膚への塗布延展中にO/W型からW/O型への転相が
良好な系をえるため、非イオン界面活性剤系のモノステ
アリン酸グリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチ
レンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン
ソルビット、アニオン界面活性剤系のステアリン酸ナト
リウムなどを組み合わせて、本発明の皮膚化粧料の1〜
4%配合するのが好ましい。
【0029】前記基剤としてはたとえば、グリセリン、
1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコールなどの
多価アルコールなどがあげられる。
【0030】前記紫外線吸収剤としてはたとえば、オキ
シベンゾン、シノキサートパラアミノ安息香酸エチルな
どがあげられる。
【0031】前記防腐・殺菌剤としてはたとえば、パラ
ベン、フェノキシエタノール、デヒドロ酢酸、サリチル
酸などがあげられる。
【0032】前記金属(イオン)封鎖剤としてはたとえ
ば、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩(EDTA-4N
a)などがあげられる。
【0033】前記薬理作用を有する薬剤としてはたとえ
ば、消炎作用などの薬理作用を示すグリチルリチン誘導
体、血行促進などの薬理作用を示すビタミンE誘導体、
センブリ抽出物、クジン抽出物などがあげられる。
【0034】前記増粘剤としてはたとえば、カルボキシ
メチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、キサン
タンガム、ポリアクリル酸ナトリウムなどがあげられ
る。
【0035】前記スクラブ剤としてはたとえば、ポリエ
チレンなどの球状粉末があげられる。
【0036】さらに皮膚への塗布延展中に色相が明瞭に
変化するという本発明の皮膚化粧料の効果において、皮
膚への塗布前の初期の色味がカロチン類そのものが発色
することによるものよりも種々のバリエーションとする
ため、本発明の効果が失なわれない範囲内で無機粉末、
有機色素または有機顔料などを適宜選択して配合するこ
とができる。
【0037】前記無機粉末としてはたとえば、酸化チタ
ン、タルク、カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、リン
酸カルシウム、ベンガラ、群青、酸化鉄チタン- マイカ
系パール剤などがあげられる。
【0038】前記有機色素または有機顔料としてはたと
えば、赤色 202号、赤色 204号、赤色 178号、黄色 203
号、緑色 201号、青色 404号、青色1号などがあげられ
る。これらの中から、カロチン類により発色せしめた乳
化物に要求される色味に応じて、任意の一種または二種
以上が選ばれて用いられる。
【0039】本発明の皮膚化粧料は、前記のような成分
からなり、室温で使用前にはO/W型の乳化物形態をと
り、皮膚への塗布延展中にW/O型の乳化物形態へと変
化するエマルジョン系化粧料である。その形態は任意で
あり限定されるものではないがたとえば、乳液、クリー
ム、マッサージクリーム、クリーム状パック剤などとし
て調製されうる。
【0040】本発明の皮膚化粧料の調製において、皮膚
への塗布延展中にO/W型からW/O型へ転相する乳化
物を形成するとき一般的な乳化方法が用いられるが、カ
ロチン類を含む油相成分は低温で冷却過程にて別途添加
しなければならない。
【0041】すなわち、使用される乳化剤および高級ア
ルコールを含む油相成分の性質に応じて、乳化剤を水
相、油相または両相に添加して加熱、混合し、冷却過程
にてカロチン類を含む油相成分を添加し調製することが
できる。
【0042】前記方法の一例としてはたとえば、下記の
例があげられる。
【0043】水溶性高分子化合物、乳化剤などの水可溶
性成分および水よりなる成分を水相、油可溶性乳化剤を
添加した高級アルコールを含む油相を第1油相とし、そ
れぞれ75〜90℃好ましくは80〜85℃に加熱したのち、該
水相と第1油相を混合撹拌して乳化形成させる。なお該
乳化物組成のみで、本発明の皮膚化粧料における皮膚へ
の塗布延展中にO/W型からW/O型へ転相する乳化系
が形成される必要がある。
【0044】つぎに、該乳化物を撹拌しながら冷却し、
35〜65℃、好ましくは40〜50℃にてカロチン類を含む油
相を第2油相として加え混合撹拌し、さらに常温まで撹
拌しながら冷却することにより本発明の皮膚化粧料がえ
られる。
【0045】このようにしてえられる本発明の皮膚化粧
料は、使用者に皮膚への塗布延展中での明瞭な色相変化
を認知させ、色相変化に装飾効果的な美的機能、心理的
機能を付加しうるものである。
【0046】つぎに本発明の皮膚化粧料を実施例に基づ
いてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例の
みに限定されるものではない。
【0047】調製例1 β- カロチン5g およびホホバ油15g を直径30cmの自動
乳鉢(日陶科学(株)製)に投入し室温で1分間撹拌混
合した。そこへ酢酸dl- α- トコフェロール100g、天然
ビタミンE10g および甘草エキス2g を添加後室温で30
分間さらに撹拌混合してカロチン類、抗酸化剤および油
分からなる油相成分を調製した。
【0048】実施例1〜3および比較例1〜2[マッサ
ージクリーム] 各々表1に示す組成のマッサージクリームを以下の製造
法により調製した。なお、表1中の数値は各成分の%を
示したものである。
【0049】(製造法)実施例1〜3および比較例2に
ついては、成分(1)〜(7) を水相成分として80℃に加熱
溶解し、成分(8) 〜(15)を油相成分として80℃に加熱溶
解して、該水相成分、油相成分を混合撹拌し乳化した。
該乳化物を冷却しながら撹拌し、50℃にて成分(16)〜(1
8)を別途添加し(比較例2については成分(16)なし)撹
拌冷却してマッサージクリームをえた。
【0050】比較例1については、成分(16)を成分(8)
〜(15)の油相成分とともに最初から混合した以外は前記
と同様にしてマッサージクリームをえた。
【0051】
【表1】
【0052】また各々えられたマッサージクリームにつ
いて、マッサージ時間による色調変化の認知性を以下の
方法で評価した。
【0053】(色調変化認知試験法)各試料につき無作
為に抽出した年齢20〜35歳の男女各5名、合計10名のパ
ネラーの顔に前記マッサージクリームを各々約4g 塗布
しマッサージを行ない、色調変化を認知するまでに要し
た時間(分)を測定した。結果を表2に示す。なお、表
2中の数値は認知するまでに要した各時間ごとに人数で
示したものであり、あわせてマッサージクリームのマッ
サージ前後の色調を目視で観察した結果も示してある。
【0054】
【表2】
【0055】表2に示されるように、β- カロチンを含
む油相成分を独立した油滴として配合したマッサージク
リーム(実施例1〜3)は、一定の認知時間でマッサー
ジ前後の色調変化を有する結果となった。
【0056】実施例4〜6および比較例3〜5[クリー
ム状パック剤(顔にマッサージ塗布後パックし、拭き取
るタイプ)] 各々表3に示す組成のクリーム状パック剤を実施例1〜
3と同様の方法で調製した。
【0057】なお、表3中の数値は各成分の%を示した
ものである。
【0058】
【表3】
【0059】また各々えられたクリーム状パック剤につ
いて、色相の変化を以下の方法で評価した。
【0060】(色相変化の評価)各試料につき、パック
前の色相と顔に約5gをマッサージ塗布後5分間パック
したのちの色相の変化について、色相環(色相知覚の差
が等歩度になるように分割して内環に示す記号に数字を
つけて表したもの、マンセル色相 (H))を10B 部分にて
平面にした図1を用いて評価した。結果を図1および表
4に示す。
【0061】さらに実施例4、6および比較例4につい
ては、40℃で2カ月経過後、パック前の色相がどれほど
変化しているかで経日安定性を評価した。結果を図1お
よび表4に示す。
【0062】
【表4】
【0063】図1および表4に示されるように、β- カ
ロチンを含む油相成分を独立した油滴として配合したク
リーム状パック剤(実施例4〜6)、さらに他の色素、
紫根抽出液を加えたクリーム状パック剤(実施例5、
6)は、β- カロチンを含む油相成分のかわりに赤色 1
78号を添加したクリーム状パック剤(比較例3)、実施
例4とβ- カロチンの濃度が低いことのみ異なるクリー
ム状パック剤(比較例5)と比較すると、パック前の色
相とパック後の色相の変化が明らかに広範囲であった。
【0064】また、40℃で2カ月経過後の経日安定性に
おいては、実施例4と高級アルコールを含まないことの
み異なるクリーム状パック剤(比較例4)は、実施例4
のクリーム状パック剤、さらに実施例4に紫根抽出液を
加えたクリーム状パック剤(実施例6)と比較すると、
外観色の安定性が劣る結果となった。
【0065】つぎに、実施例1〜3でえられたマッサー
ジクリームおよび実施例4〜6でえられたクリーム状パ
ック剤について、以下に示す安全性試験を行なった。
【0066】試験例1[安全性試験] プラスター(フィンチャンバー、大正製薬(株)製)の
円形皿に検体を均一に塗布し、無作為に抽出した年齢20
〜45歳の男女の健常者15名の上腕内側部に貼付して24時
間放置後、プラスターを取り除き、負荷部の皮膚の症状
を5分後から72時間後まで肉眼で観察し、以下の表5に
示す判定基準に基づき評価を行なった。その結果、どの
化粧料についても15名中1名も紅斑などの反応は認めら
れず、皮膚への刺激などもなく刺激率は0.0 であった。
【0067】
【表5】
【0068】
【発明の効果】本発明の皮膚化粧料は皮膚への塗布延展
中に顕著な色相変化が生じるため、使用者が意外性を感
じ、さらにたとえばマッサージクリームとして用いる
と、マッサージの動作終了を知らせるインジケーターと
もなりうる。
【0069】したがって本発明の皮膚化粧料は、使用者
に化粧料のもつ皮膚への物理的、薬理的効果を与えると
ともに、意外性、心理的リラックス感などの使用者の心
理面に作用し、さらには使用状態を視覚的に知らせるな
どの効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4〜6および比較例3〜5でえられたク
リーム状パック剤を使用後の色相変化ならびに実施例
4、6および比較例4でえられたクリーム状パック剤の
40℃で2カ月経過後の色相変化を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/02 Z 8615−4C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膚への塗布延展中にO/W型からW/
    O型へ転相する乳化系に、必須成分として(a) カロチン
    類、抗酸化剤および油分からなる油相成分、(b) 高級ア
    ルコールを含む油相成分が個別の油滴として配合され、
    成分(a) 、成分(b) および水の3つの独立した相からな
    り、成分(a) におけるカロチン類と油分との重量比が0.
    05〜0.7、カロチン類と抗酸化剤との重量比が 0.005〜1
    0で、該成分(a) の配合量が皮膚化粧料の0.01〜0.5重量
    %であることを特徴とする皮膚化粧料。
  2. 【請求項2】 前記成分(b) の配合量が皮膚化粧料の30
    〜70重量%である請求項1記載の皮膚化粧料。
  3. 【請求項3】 さらに成分(c) 紫根抽出液を安定化剤と
    して配合することを特徴とする請求項1または2記載の
    皮膚化粧料。
  4. 【請求項4】 前記成分(c) の配合量が皮膚化粧料の0.
    01〜0.5 重量%である請求項3記載の皮膚化粧料。
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