JPH05248342A - 形状記憶合金アクチュエータ - Google Patents

形状記憶合金アクチュエータ

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JPH05248342A
JPH05248342A JP4700492A JP4700492A JPH05248342A JP H05248342 A JPH05248342 A JP H05248342A JP 4700492 A JP4700492 A JP 4700492A JP 4700492 A JP4700492 A JP 4700492A JP H05248342 A JPH05248342 A JP H05248342A
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JP
Japan
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shaft
shape memory
fulcrum
memory alloy
sma
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Application number
JP4700492A
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English (en)
Inventor
Teruyuki Matsui
照幸 松井
Setsuya Mitsuishi
節也 三石
Hiroshi Okamoto
弘 岡本
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Meitec Group Holdings Inc
Original Assignee
Meitec Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クランク等の直線運動や揺動運動を回転運動
に変換するための特別な構造を必要とせず、形状記憶合
金の変形−形状回復動作によって、直接的に回転運動等
の周回運動を行わせることのできる形状記憶合金アクチ
ュエータの提供。 【構成】 シャフト3は支点5でフレーム1に転動可能
に保持されている。形状記憶合金で形成された4つの形
状記憶バネSMAを、加熱時に記憶された一定の自由長
より常温時の伸張された状態で、一端はシャフト3上の
支点5から所定距離の位置に固定し、他端はフレーム1
に固定して約90度おきに放射状に配置してある。そし
て、シャフト3周りに順番に通電して加熱することによ
り、加熱された形状記憶バネSMAが記憶された自由長
に戻ろうとする張力でシャフト3が対応する方向へ傾け
られ、結果として、シャフト3に支点5を中心とする錐
状の周回運動を行わせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、形状記憶合金を用いた
アクチュエータに関し、特に、シャフトを錐状に周回運
動させてシャフト先端に回転運動等をさせることのでき
る形状記憶合金アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、形状記憶合金:SMA(Shap
e Memory Alloy)を用いたアクチュエータが知られてお
り、図10にその力学的原理モデルを示す。図10
(A)に示すものは、形状記憶合金に所定の形状を記憶
させた後、低温のマルテンサイト相で外力によって変形
を与え、加熱による形状回復で一方向的に最初の形状に
回復させる方法で、いわゆる一方向型のアクチュエータ
である。
【0003】図10(B)に示すものは、変形のための
バイアス力を加えるいわゆるバイアス型で、例えば特開
平2−308979号にも開示されているように比較的
多用されるアクチュエータである。形状記憶合金は低温
状態では変形しやすい状態にあるため、スプリング等に
よるバイアス力によって変形を受け、高温時には形状記
憶合金の回復力がそのバイアス力を上回るため、形状回
復が生じる機構になっている。従って、この機構に加熱
−冷却の周期的な熱サイクルを与えれば、変形−形状回
復による連続運動を行わせることができると言うもので
ある。
【0004】図10(C)に示すものは、対になった形
状合金同士を組み合せ、加熱時の回復力が低温時の変形
に要する力より大きいことを利用して、一方を加熱、他
方を冷却することによって差動的に運動を取り出すいわ
ゆる差動型のアクチュエータである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各モデルのアクチュエータは、通気弁等の開閉を行な
うために、被駆動部材をおもに直線的に移動させるもの
であったり、また、ロボットのアームを引っ張り、関節
を中心として回動させることも可能であるが、所定角度
しか回動範囲が得られない。従って、回転運動のように
幾度も周回するような動きを得るためには、ギアやクラ
ンク等の直線運動や所定角度の揺動運動を回転運動に変
換するための特別な構造が必要となってくる。
【0006】形状記憶合金アクチュエータは、形状記憶
合金自体がアクチュエータの機能を有するため、ソレノ
イドやモータ、あるいは油圧アクチュエータ等と比べて
機構的に簡単で小型化が達成しやすいという特徴を持っ
ている。そのため、マイクロアクチュエータとしての利
用が有効であると考えられるが、上述したように、直線
運動や所定角度の揺動運動を回転運動に変換するため特
別な構造が必要となり小型化を阻害する上、ギアやクラ
ンク等の部材はマイクロ化が難しいため回転運動を行な
うマイクロアクチュエータは実現し難いのである。
【0007】そこで本発明は上記の課題を解決すること
を目的とし、ギアやクランク等の直線運動や揺動運動を
回転運動に変換するための特別な構造を必要とせず、形
状記憶合金の変形−形状回復動作によって直接的に、回
転運動等の周回運動を行わせることのできる形状記憶合
金アクチュエータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】かかる目的を達
成すべく、本発明は課題を解決するための手段として次
の構成を取った。即ち、固定側となるフレームに、長手
方向の所定位置を支点とし該支点において転動可能に保
持されたシャフトを備え、形状記憶合金で形成された少
なくとも3つの駆動体を、加熱時に記憶された一定の自
由長より常温時の圧縮あるいは伸張された状態で、その
一端は上記シャフト上の上記支点から所定距離の位置に
固定し、他端は上記フレームに固定して放射状に配置
し、上記少なくとも3つの駆動体に対して、上記シャフ
ト周りに順番に通電して加熱することにより、加熱され
た駆動体の記憶された自由長に戻ろうとする張力あるい
は付勢力で上記シャフトがその加熱された駆動体に対応
する方向へ傾けられ、結果として、上記シャフトに上記
支点を中心とする錐状の周回運動を行わせるようにした
ことを特徴とする形状記憶合金アクチュエータの構成が
それである。
【0009】上記駆動体は、例えばコイルバネ状に形成
したり、波状に形成したりする等して、全体の長さが変
化可能に形成されていればよい。前記構成を有する本発
明の形状記憶合金アクチュエータによれば、形状記憶合
金で形成された少なくとも3つの駆動体に対して、シャ
フト周りに順番に通電して加熱すると、加熱された駆動
体には、記憶された自由長に戻ろうとして、伸張された
状態で配置された場合には張力、圧縮された状態で配置
された場合には付勢力が生じ、シャフトがその加熱され
た駆動体に対応する方向、すなわち張力の場合には駆動
体側へ、一方付勢力の場合には反対側へ傾けられる。そ
れらの駆動体は、一端がシャフト上の支点から所定距離
の位置、他端がフレームに固定されて放射状に配置され
ているため、上述したように順番に加熱して変形−形状
回復を繰り返すことによって、シャフトは、支点を中心
として錐状の周回運動を行う。
【0010】従って、各駆動体の変位の合成により三角
錐状に周回運動させれば、シャフト先端は三角形状に周
回し、同様に、四角錐状に周回運動させれば、シャフト
先端は四角形状に周回する。さらに、駆動体の数を多く
して円周状に配置したり、あるいは駆動体を例えば90
度おきに4本配置した場合にでも通電タイミングを制御
することによって、シャフトを円錐状に周回運動させ、
先端を円運動させることも可能であるし、任意の方向の
直線往復運動も可能である。
【0011】そして、このようなアクチュエータによっ
て、いわゆる蟻モデルの脚の役割を果たさせ、歩行アク
チュエータとして利用することもできる。あるいは、シ
ャフトの先端をブレードの役割を果たす形状にして周回
運動させれば、例えば細管の内壁に付着した不要物を除
去することも可能となる。これは、円筒状の管に限ら
ず、断面が三角形や四角形のものでもできる。本アクチ
ュエータは、形状記憶合金の変形−形状回復動作によっ
て、直接的に回転運動等の周回運動を行うことができる
ので、マイクロアクチュエータとしての利用が有効であ
る。
【0012】また、シャフトの、支点から所定距離の位
置に鍔部を設け、駆動体がシャフトと略平行に配置され
るよう、駆動体の一端を鍔部に固定し、他端をフレーム
に固定しても同様に実施可能である。この場合、駆動体
の長さが相対的に短いものでよい。
【0013】さらにまた、シャフトをその長手方向に摺
動可能に保持すると共に、支点を挟み、シャフトの長手
方向の両側にそれぞれ駆動体を配置し、同じ側に配置さ
れた駆動体への通電により生じる張力あるいは付勢力
で、シャフトを長手方向に平行移動させることもでき
る。従って、支点からシャフトの先端までの距離を変化
させることができ、シャフト先端の周回運動の大きさ、
円運動であればその径を小さくできる。例えば上述の蟻
モデルの場合、脚の長さを短くすれば、幅の狭い場所を
通過するのに都合が良くなり、また一歩のストロークも
小さくできる。
【0014】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。図1は本発明の第1実施例である形状記憶合
金アクチュエータの概略斜視図である。固定側となるフ
レーム1にはシャフト3が保持されている。シャフト3
の長手方向の所定位置を支点5とし、その支点5に球面
軸受7が固定されており、球面軸受7はフレーム1に転
動可能に保持されている。従って、シャフト3は支点5
においてフレーム1に対して転動可能に保持される。
【0015】また、形状記憶合金でコイルバネ状に形成
された、駆動体としての4つの形状記憶バネSMA1〜
SMA4(末尾の数字で区別する。)が、その一端はシ
ャフト3の支点5から先端に向かって所定距離の位置に
固定され、他端はフレーム1に固定され、約90度おき
に放射状に配置されている。なお、形状記憶バネSMA
1〜SMA4は、図4に示すように、フレーム1より突
設した支柱部1aに固定してもよい。各形状記憶バネS
MA1〜SMA4は加熱時に記憶された一定の自由長よ
り常温時の伸張された状態で配置されている。
【0016】各形状記憶バネSMA1〜SMA4のフレ
ーム1への固定部分には通電端子9が設けられており、
駆動回路13及び制御回路15が接続されている。本実
施例では、1−2相励磁ステップモータ駆動方式を利用
しており、制御回路15から励磁信号が出され、ユニポ
ーラ駆動の駆動回路13より各形状記憶バネSMA1〜
SMA4へ電圧印加が個別にオン・オフ制御されて電流
が供給されるように構成されている。
【0017】次に、本実施例の作動について説明する。
図2は各形状記憶バネSMA1〜SMA4への通電状態
を示すタイムチャートである。このタイムチャートに示
す通電制御は、非通電時間T2の間隔を空けて通電時間
T1の通電が周期的に繰り返される通電パルスにより、
4つの形状記憶バネSMA1〜SMA4を順番に所定位
相ずらして通電を行うものである。
【0018】通電されて加熱された形状記憶バネSMA
1〜SMA4は記憶された自由長に戻ろうとし、本実施
例では縮もうとして張力を生じる。そのため、シャフト
3がその加熱された形状記憶バネSMA1〜SMA4バ
ネの方向へ傾けられる。そして、通電が終了して放熱
し、その状態で停止する。なお、復帰用バネ等を取り付
けることにより、形状記憶バネSMA1〜SMA4が元
の形状に戻りシャフト3も元の位置に復帰するように構
成可能であることは当然である。
【0019】本実施例では、シャフト3周りに形状記憶
バネSMA1〜SMA4を順番に加熱し、1相だけ励磁
している場合にはその形状記憶バネSMA1〜SMA4
の方向へ、隣合う2相を励磁している場合にはそれらの
中間方向への張力が生じる。このように、順番に加熱し
て各形状記憶バネSMA1〜SMA4の変形−形状回復
を繰り返すことにより、結果として、シャフト3は支点
5を中心とする錐状の周回運動を行う。
【0020】なお、上述した通電による発熱及び放熱の
周期は、形状記憶バネSMA1〜SMA4の変態温度及
びコイルバネを形成する線径等により異なる。従って、
予めフィーリングテスト等によって調べておき、通電タ
イミングを調整することにより、シャフト3に円錐に近
い周回運動を行わせ、先端を円運動させることも可能で
ある。あるいは、四角錐に近い周回運動を行わせたりす
ることも可能である。また、周回速度自体も変更可能で
ある。
【0021】さらに、周回運動だけでなく、例えば隣合
う2つの形状記憶バネSMA1,SMA2のみの通電
と、それら以外の2つの形状記憶バネSMA3,SMA
4のみへの通電、又は、対向する形状記憶バネSMA
1,SMA3あるいはSMA2,SMA4への通電を交
互に行えば、シャフト3に対して往復揺動運動を行わせ
ることができる。また、4つの形状記憶バネSMA1〜
SMA4の内3つだけを順番に通電し、シャフト3を略
三角錐状に周回運動させれば、シャフト3先端を略三角
形状に周回運動させることも可能である。
【0022】このようなアクチュエータは、図3に示す
ような、いわゆる蟻モデルの脚の役割を果たし、歩行ア
クチュエータとして利用することができる。図3に示す
ものは、フレーム1を共有する2つのアクチュエータを
用意し、シャフト3の両端を同方向に曲げて4本脚とし
てある。そして、図1に示した、形状記憶バネSMA1
〜SMA4をフレーム1の両側に対称的に設け、支点5
に対して点対称の位置にある形状記憶バネSMA1〜S
MA4を同時に励磁するようにされている。従って、シ
ャフト3には支点5を中心として点対称に張力が働き、
シャフト3の両端は、対称的な周回運動を行なう。さら
に、前脚に該当するアクチュエータと後脚に該当するア
クチュエータとは励磁のタイミングを180度ずらすこ
とにより、4本脚の動物の歩行運動に近い動きを行わせ
ることが可能である。
【0023】また、図5に示すように、例えば、図4の
アクチュエータを6個取り付けてそれぞれを脚とし、6
本脚歩行を行わせることもできる。そして、本アクチュ
エータは、形状記憶合金の変形−形状回復動作によっ
て、直接的に回転運動等の周回運動を行うことができる
ので、歩行アクチュエータとして用いる際も、マイクロ
化が容易であり、マイクロアクチュエータとしての利用
が期待される。
【0024】次に他の実施例を図6〜図9に示す。第1
実施例と同様の部材には同じ番号を付して詳しい説明を
省略する。但し、形状記憶バネはまとめて単にSMAと
表す(第3実施例以降も同様。)。まず、第2実施例を
図6を参照して説明する。シャフト3は摺動軸受21に
よって長手方向に摺動自在に保持されている。そして、
摺動軸受21は、一端がフレーム1に固定された弾性バ
ネ体23により四方から支持されており、上述したシャ
フト3の錐状運動を許容するように構成されている。
【0025】また、支点5を挟み、シャフト3の長手方
向の両側にそれぞれ形状記憶バネSMAを配置してあ
る。従って、同じ側(例えば図6(A)においてフレー
ム1の左側)に配置された形状記憶バネSMAへの通電
により生じる張力で、シャフト3を長手方向に平行移動
させることもできる。従って、図6(A)に二点鎖線で
示すように、支点5からシャフト3の先端までの距離を
変化させることができ、シャフト3先端の周回運動の大
きさ、円運動であればその径を大きくしたり小さくした
りできる。そのため、上述の蟻モデルの場合、脚の長さ
を短くすれば、幅の狭い場所を通過するのに都合が良
い。また、一歩のストロークも変化させることができ
る。
【0026】次に第3実施例について説明する。図7に
示すように、フレーム1が有底の円筒状に形成されてお
り、形状記憶バネSMAはシャフト3とほぼ直交して配
置され、フレーム1の側壁31に固定されている。ま
た、シャフト3は弾性バネ体33を介してフレーム1に
固定されており、上述したシャフト3の錐状運動を許容
するように構成されている。この場合は弾性バネ体33
が支点5となる。この場合、形状記憶バネSMAの長さ
は第1実施例と比べて相対的に短いものでよい。
【0027】次に第4実施例について説明する。図8に
示すように、シャフト3は弾性バネ体43を介してフレ
ーム1に固定されており、弾性バネ体43が支点5とな
る。そして、シャフト3の、支点5から所定距離の位置
に鍔部41を設け、形状記憶バネSMAがシャフト3と
略平行に配置されるよう、形状記憶バネSMAの一端を
鍔部41に固定し、他端をフレーム1に固定してある。
【0028】この場合、形状記憶バネSMAが順番に縮
むことにより、図中に二点鎖線で示すように、鍔部41
を介してシャフト3が支点5を中心として錐状の周回運
動を行なう。この場合も、形状記憶バネSMAの長さは
第1実施例のものと比べて相対的に短いものでよい。
【0029】次に第5実施例を図9を参照して説明す
る。図に示すように、本実施例は、上述の第2実施例と
第4実施例とを組み合わせたものである。シャフト3は
摺動軸受51によって長手方向に摺動自在に保持され、
摺動軸受51は、フレーム1に固定された弾性バネ体5
3により四方から支持されており、シャフト3の錐状運
動を許容する。そして、支点5を挟み、シャフト3の長
手方向の両側の支点5から所定距離の位置に鍔部55を
それぞれ設け、形状記憶バネSMAがシャフト3と略平
行に配置されるよう、形状記憶バネSMAの一端を鍔部
55に固定し、他端をフレーム1に固定したものであ
る。
【0030】この場合、形状記憶バネSMAの長さは上
述の第2実施例のものと比べて相対的に短いものでよ
い。また本第5実施例では、鍔部55が両側にあり、全
体としては相対的に大きくなるが、鍔部55の慣性モー
メントが増し、フライホイールの役割を果たすことによ
り、周回運動時に、速度変動が少なくなって運動が滑ら
かになるという利点もある。
【0031】上述した、何れの実施例においても、ギア
やクランク等の直線運動や揺動運動を回転運動に変換す
るための特別な構造を必要とせず、形状記憶合金の変形
−形状回復動作によって、直接的に回転運動等の周回運
動を行わせることができる。以上本発明はこの様な実施
例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱
しない範囲において種々なる態様で実施し得る。例え
ば、上述の実施例では4本の形状記憶バネSMA1〜S
MA4を用いた場合を説明したが、3本以上であれば、
シャフト3に支点5を中心とする錐状の周回運動を行わ
せることができる。また、形状記憶バネSMAの数を多
めにして円周状に配置して、より滑らかな円錐運動を行
わせることもできる。
【0032】また、上述の実施例では、形状記憶バネS
MAを、加熱時に記憶された一定の自由長より常温時の
伸張された状態で配置し、加熱して張力を生じるように
したが、逆に、加熱時に記憶された一定の自由長より常
温時の圧縮された状態で配置し、加熱して付勢力を生じ
るようにしてもよい。この場合シャフト3は、加熱され
た形状記憶バネSMAの反対方向に付勢されるだけであ
り、結果的には、上記の実施例と同様の錐状の周回運動
を行なう。
【0033】さらにまた、形状記憶バネSMAはコイル
状に形成する以外にも、波状に形成する等、形状回復動
作によって全体形状の長さが変化するように形成されて
いれば同様に実施できる。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の形状記憶合
金アクチュエータによれば形状記憶合金で形成された駆
動体に対して、シャフト周りに順番に通電して加熱して
変形−形状回復を繰り返すことによって、シャフトは、
支点を中心として錐状の周回運動を行う。従って、シャ
フトの先端では円運動等の周回運動を得る事ができ、ギ
アやクランク等の直線運動や揺動運動を回転運動に変換
するための特別な構造を必要とせず、形状記憶合金の変
形−形状回復動作によって、直接的に回転運動等の周回
運動を行わせることができ、マイクロアクチュエータと
しての利用に非常に有効であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である形状記憶合金アクチ
ュエータの概略斜視図である。
【図2】形状記憶バネへの通電状態を示すタイムチャー
トである。
【図3】蟻モデルの脚の役割を果たす歩行アクチュエー
タとして利用した場合の概略斜視図である。
【図4】形状記憶合金アクチュエータの変形例を示す概
略斜視図である。
【図5】6本脚の歩行アクチュエータとして利用した場
合の概略斜視図である。
【図6】(A)は第2実施例の部分破断側面図、(B)
は同じく正面図である。
【図7】第3実施例を示す部分破断斜視図である。
【図8】第4実施例を示す概略斜視図である。
【図9】第5実施例を示す概略斜視図である。
【図10】従来の形状記憶合金を用いたアクチュエータ
の力学的原理モデルを示す図で、(A)は一方向型、
(B)はバイアス型、(C)は差動型のそれぞれ説明図
である。
【符号の説明】
1…フレーム、 3…シャフト、 5…支点、
7…球面軸受 13…駆動回路、 15…制御回路、 21,5
1…摺動軸受、41,55…鍔部、 SMA,S
MA1〜SMA4…形状記憶バネ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定側となるフレームに、長手方向の所
    定位置を支点とし該支点において転動可能に保持された
    シャフトを備え、 形状記憶合金で形成された少なくとも3つの駆動体を、
    加熱時に記憶された一定の自由長より常温時の圧縮ある
    いは伸張された状態で、その一端は上記シャフト上の上
    記支点から所定距離の位置に固定し、他端は上記フレー
    ムに固定して放射状に配置し、 上記少なくとも3つの駆動体に対して、上記シャフト周
    りに順番に通電して加熱することにより、加熱された駆
    動体の記憶された自由長に戻ろうとする張力あるいは付
    勢力で上記シャフトがその加熱された駆動体に対応する
    方向へ傾けられ、結果として、上記シャフトに上記支点
    を中心とする錐状の周回運動を行わせるようにしたこと
    を特徴とする形状記憶合金アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 上記シャフトの、上記支点から所定距離
    の位置に鍔部を設け、上記駆動体が上記シャフトと略平
    行に配置されるよう、上記駆動体の一端を該鍔部に固定
    し、他端を上記フレームに固定したことを特徴とする請
    求項1記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 上記シャフトをその長手方向に摺動可能
    に保持すると共に、上記支点を挟み、上記シャフトの長
    手方向の両側にそれぞれ上記駆動体を配置し、同じ側に
    配置された駆動体への通電により生じる張力あるいは付
    勢力で、上記シャフトを長手方向に平行移動させるよう
    にしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の形
    状記憶合金アクチュエータ。
JP4700492A 1992-03-04 1992-03-04 形状記憶合金アクチュエータ Pending JPH05248342A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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