JPH05247254A - ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面処理法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面処理法

Info

Publication number
JPH05247254A
JPH05247254A JP4951792A JP4951792A JPH05247254A JP H05247254 A JPH05247254 A JP H05247254A JP 4951792 A JP4951792 A JP 4951792A JP 4951792 A JP4951792 A JP 4951792A JP H05247254 A JPH05247254 A JP H05247254A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foam
treatment
polyolefin resin
discharge
resin foam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4951792A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirobumi Inoue
博文 井上
Masayoshi Otsuki
政義 大槻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP4951792A priority Critical patent/JPH05247254A/ja
Publication of JPH05247254A publication Critical patent/JPH05247254A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピンホールやアバタを発生させることなく、
ポリオレフィン系樹脂発泡体のぬれ性を向上させる表面
処理法を提供すること。 【構成】 空中に設置した電極に高電圧を印加して放電
させ、気体とポリオレフィン系樹脂発泡体との静電容量
の差を利用して該発泡体の表面を無極放電処理し、表面
のぬれ性を向上させることを特徴とするポリオレフィン
系樹脂発泡体の表面処理法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン系樹脂
発泡体の表面処理法に関し、更に詳しくは、ピンホール
やアバタを発生させることなく、発泡体表面のぬれ性を
向上させる表面処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂発泡体は、断熱材
やクッション材などとして広範な分野に使用されてい
る。例えば、自動車内装成形品の分野では、天井、ドア
内面材、インスツルメントパネル、クーラーカバー等の
断熱材、クッション材として使用されている。
【0003】ところで、ポリオレフィン系樹脂発泡体
は、自動車内装成形品などに使用される場合、軟質ポリ
塩化ビニルシートなどの表皮材とラミネートして複合材
として使用される。この複合材は、赤外線ヒーターなど
で加熱し、溶融状態にされたポリプロピレン樹脂シート
などの骨材上にセットされ、その状態でプレス加工され
て、所定形状の成形品とされる。ラミネートするには、
接着剤を使用したり、あるいは押出機を用いて表皮材を
発泡体上に押出ラミネートしている。
【0004】表皮材をラミネートするに当たり、ポリオ
レフィン系樹脂発泡体は、ぬれ性が悪く、接着剤や表皮
材との接着性に劣るため、予め表面処理を行って表面の
ぬれ性を向上させている。従来、ポリオレフィン系樹脂
発泡体のぬれ性向上のための表面処理法としては、コロ
ナ放電処理が知られている。
【0005】コロナ放電処理は、従来よりフィルム等の
プラスチック成形品の表面処理法として汎用されている
が、高電圧電極に一定距離内で対向するアースを設け
て、これらの間に線状コロナを作り、被処理体を電極と
アース間に通過させる近接二電極方式が一般的である。
ところが、このような近接二電極方式のコロナ放電処理
をポリオレフィン系樹脂発泡体の表面処理に適用する
と、発泡体表面にピンホールが生じたり、あるいは放電
電流が発泡体内部を通過して気泡膜が破壊されるため、
処理度を上げて十分なぬれ性を付与することが困難であ
る。しかも、発泡体内部の気泡膜が破壊されると、表皮
材とのラミネート工程で加熱した際に、その破壊された
部分が収縮してアバタと呼ばれる表面欠点が生じる。ま
た、ピンホールのある発泡体原反をコロナ放電処理する
と、発泡体内部の気泡膜の破壊が著しい。
【0006】従来、発泡体のコロナ放電処理を空気中で
はなく、酸素の希薄な雰囲気下で行うことにより処理度
の向上を図ることが提案されている。しかしながら、こ
のような方法では、コロナ放電処理の雰囲気を窒素置換
する必要があるためランニングコストが嵩み、しかもア
バタ等の発生を防ぐことができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ピン
ホールやアバタを発生させることなく、ポリオレフィン
系樹脂発泡体のぬれ性を向上させる表面処理法を提供す
ることにある。本発明者らは、従来技術の問題点を克服
するために鋭意研究した結果、ポリオレフィン系樹脂発
泡体の表面処理を、従来の近接二電極方式によるコロナ
放電処理ではなく、無極放電方式により行うことによ
り、ピンホールやアバタを発生させることなく、容易に
ぬれ性を向上できることを見いだし、その知見に基づい
て本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、空中に
設置した電極に高電圧を印加して放電させ、気体とポリ
オレフィン系樹脂発泡体との静電容量の差を利用して該
発泡体の表面を無極放電処理し、表面のぬれ性を向上さ
せることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体の表
面処理法が提供される。
【0009】以下、本発明について詳述する。本発明で
用いる無極放電方式は、通常の近接二電極放電方式とは
放電機構が異なりアース極を配置しないで被処理体の表
面処理を行う。従来の近接二電極方式によるコロナ処理
では、高電圧電極に一定距離内でアースを対向させ、ア
ース側には均一放電状態を作るために、一定の電気特性
を有する絶縁体を被膜させておき、高電圧電極とアース
間のインピーダンスに応じた線状コロナを作り、この電
極とアース間に被処理体を通過させ、表面処理を行う。
【0010】一方、無極放電方式では、放電電極に対向
するアース極を使用せずに、気体と被処理体の静電容量
の差を利用して被処理体の表面処理を行うものである。
空中に設置された電極に高電圧を印加した場合、放電は
円周360度の方向に行われる。この時、周囲の気体以
上の密度を有する物体が、電極に対し一定距離内で近接
した場合、放電は分子密度の高い物体方向に集中する。
この無極放電現象を利用して、被処理体の表面処理を行
う。
【0011】無極放電方式は、気体と被処理体である高
分子物体の静電容量の差を利用したものであり、(1)
アース極を配置しなくても無極放電処理できること、
(2)被処理体の形状や寸法に制限がないこと、(3)
局部に集中放電しにくいため、被処理体に焼損による傷
が発生しないこと、(4)通常のコロナ放電処理のよう
にピンホールを発生しないこと、などの利点を有してい
る。
【0012】そのため、無極放電方式によれば、ポリオ
レフィン系樹脂発泡体の表面処理を行っても、ピンホー
ルやアバタの発生がなく、ぬれ性を容易に向上させるこ
とができる。しかも、処理後のぬれ性の経時変化につい
ても、無極放電方式による処理によれば、従来の近接二
電極方式によるコロナ放電処理の場合と比較して、ぬれ
性の低下が少ないという特徴を有している。
【0013】ポリオレフィン系樹脂発泡体としては、ポ
リエチレン(低密度、中〜高密度、線状低密度など)、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、ポリプロ
ピレン、これらの2種以上のブレンド物などの各種ポリ
オレフィン系樹脂の発泡体を使用することができる。こ
れらの発泡体は、架橋発泡体であってもよい。
【0014】ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面処理の
程度は、目的に応じて適宜定めることができるが、ぬれ
指数(JIS K−6768に準拠)が30dyn/c
m以上、好ましくは35dyn/cm以上、より好まし
くは40dyn/cm以上の処理度とすることが好まし
い。従来の近接二電極方式のコロナ放電処理によれば、
ポリオレフィン系樹脂発泡体表面のぬれ指数40dyn
/cm以上の処理度とすると、多数のピンホールが発生
し、また、アバタを形成し易いが、無極放電方式によれ
ば、ぬれ指数40dyn/cm以上の処理度としても、
ピンホールやアバタの発生はない。
【0015】
【実施例】以下、本発明について、実施例及び比較例を
挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
のみに限定されるものではない。
【0016】[実施例1]低密度ポリエチレン樹脂(M
I=2.5、密度0.922)の架橋発泡体(厚み7m
m、幅約1650mm、発泡倍率約30倍)を用いて無
極放電方式により表面処理を行った。春日電気株式会社
製の無極放電方式の処理機を用い、上記発泡体の表面の
処理度が48dyn/cmとなるように無極放電処理を
行った(出力電圧175V、処理速度5m/分)。
【0017】表面処理度は、JIS K−6768(ポ
リエチレン及びポリプロピレンフィルムのぬれ試験方
法)に準拠し、ぬれ指数の判定を行った。処理後の発泡
体の表面には、ピンホールの発生は観察されなかった。
また、処理後の発泡体を120℃のオーブン中に1分間
投入し、気泡の収縮によるアバタ現象の発生の有無を観
察したところ、アバタの発生は観察されなかった。
【0018】[比較例1]実施例1で使用したのと同じ
発泡体を用いて、従来の近接二電極方式によりコロナ放
電処理を行った。春日電気株式会社製の近接二電極方式
のコロナ放電処理機を用い、上記発泡体の表面の処理度
が38dyn/cmとなるように無極放電処理を行った
(出力電圧110V、処理速度20m/分)。処理後の
発泡体の表面には、ピンホールの発生が観察され、しか
もぬれ指数が40dyn/cmになるように出力電圧を
150Vに上げて処理すると、アバタが発生した。
【0019】実施例1及び比較例1で得られた処理発泡
体について、ぬれ指数の経時変化を測定した。結果を図
1に示す。図1から明らかなように、無極放電方式によ
り表面処理された発泡体1は、処理度を高くすることが
できると共に、経時によっても高度のぬれ指数を保持し
ている。
【0020】[実施例2]低密度ポリエチレン樹脂(M
I=2.0、密度0.921)の架橋発泡体(厚み4.
6mm、幅約1350mm、発泡倍率約31倍)を用い
て無極放電方式により表面処理を行った。発泡体として
は、表面状態が通常のもの、表面状態がアレている
もの、の2種類を用いた。
【0021】春日電気株式会社製の無極放電方式の処理
機を用い、上記2種類の発泡体の表面の処理度が48d
yn/cmとなるように無極放電処理を行った(出力電
圧175V、処理速度5m/分)。処理後の各発泡体を
120℃のオーブン中に1分間投入し、気泡の収縮によ
るアバタ現象の発生の有無を観察したところ、いずれも
アバタの発生は観察されなかった。
【0022】[比較例2]実施例2で用いたのと同じ発
泡体(表面状態が通常のもの)を用い、春日電気株式会
社製の近接二電極方式のコロナ放電処理機により、出力
電圧150Vで、処理速度10m/分と30m/分に変
化させて、処理度の異なる発泡体を得た。処理後の各発
泡体を120℃のオーブン中に1分間投入し、気泡の収
縮によるアバタ現象の発生の有無を観察した。この結
果、処理速度10m/分でぬれ指数42dyn/cmと
なったが、多数のピンホールがあり、アバタが発生し
た。また、処理速度30m/分でぬれ指数40dyn/
cmとなったが、若干のピンホールがあり、アバタが発
生した。
【0023】このように、従来の近接二電極方式のコロ
ナ放電処理によれば、ぬれ指数を向上させると、ピンホ
ールやアバタが発生するため、処理度を上げることが困
難である。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、ピンホールやアバタ等
の発生のおそれがないため、発泡体のぬれ性(処理度)
を向上させることができる。また、ピンホールがないた
め、外観も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の無極放電方式で処理された発泡体
(1)と、比較例1の近接二電極方式で処理された発泡
体(2)のぬれ指数の経時変化を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空中に設置した電極に高電圧を印加して
    放電させ、気体とポリオレフィン系樹脂発泡体との静電
    容量の差を利用して該発泡体の表面を無極放電処理し、
    表面のぬれ性を向上させることを特徴とするポリオレフ
    ィン系樹脂発泡体の表面処理法。
JP4951792A 1992-03-06 1992-03-06 ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面処理法 Pending JPH05247254A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4951792A JPH05247254A (ja) 1992-03-06 1992-03-06 ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面処理法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4951792A JPH05247254A (ja) 1992-03-06 1992-03-06 ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面処理法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05247254A true JPH05247254A (ja) 1993-09-24

Family

ID=12833335

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4951792A Pending JPH05247254A (ja) 1992-03-06 1992-03-06 ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面処理法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05247254A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003526712A (ja) * 2000-02-11 2003-09-09 レール・リキード−ソシエテ・アノニム・ア・ディレクトワール・エ・コンセイユ・ドゥ・スールベイランス・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード ポリマー基材の表面処理方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003526712A (ja) * 2000-02-11 2003-09-09 レール・リキード−ソシエテ・アノニム・ア・ディレクトワール・エ・コンセイユ・ドゥ・スールベイランス・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード ポリマー基材の表面処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5981079A (en) Enhanced barrier vacuum metallized films
JPH0392328A (ja) 透明性高密度ポリエチレン圧延シート類の製法
IT1256083B (it) Procedimento per funzionalizzare polimeri dell'etilene
JP6018888B2 (ja) エレクトレットシート
JPH05247254A (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面処理法
JPH0586216A (ja) 多孔性プラスチツクフイルムの製造方法
JPS60171149A (ja) ポリエチレン複合フイルム
JPS62149431A (ja) ポリオレフイン系樹脂発泡体の積層製品
JPH0531803A (ja) 帯電防止性ポリエチレン架橋延伸フイルムの製法
TW201938360A (zh) 積層體及其製造方法
US3159520A (en) Shrinkable bands
JPH0327016B2 (ja)
USRE26110E (en) Process for preparing a laminated heat shrinkable endless band
JPS59215827A (ja) 導電性フイルム
JP2004323596A (ja) 熱可塑性樹脂成形品
JPH101550A (ja) 熱可塑性樹脂の表面改質方法
JPH0623919A (ja) 内装材の成型方法
JPH106464A (ja) 積層体の製造方法
JPS63219442A (ja) 車両用内装材
JPH05214143A (ja) ポリプロピレン系樹脂架橋発泡体
JPS6040235A (ja) 熱可塑性樹脂の連続プラズマ処理方法およびその処理装置
JPS6174820A (ja) ポリエチレン延伸フイルム
JPS61211347A (ja) ポリプロピレン樹脂組成物の表面処理方法
JP3307187B2 (ja) 酸化アルミニウム蒸着二軸配向ポリプロピレンフイルム積層体
JPS62263229A (ja) ポリエステルフイルムの接合方法