JPH05247253A - 単一層構造の多孔質膜 - Google Patents

単一層構造の多孔質膜

Info

Publication number
JPH05247253A
JPH05247253A JP4268012A JP26801292A JPH05247253A JP H05247253 A JPH05247253 A JP H05247253A JP 4268012 A JP4268012 A JP 4268012A JP 26801292 A JP26801292 A JP 26801292A JP H05247253 A JPH05247253 A JP H05247253A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
porous
film
membrane
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4268012A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Takeuchi
勉 竹内
Manabu Yamazaki
学 山崎
Yuichi Mori
森  有一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
WR Grace and Co
Original Assignee
WR Grace and Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by WR Grace and Co filed Critical WR Grace and Co
Priority to CA002085380A priority Critical patent/CA2085380C/en
Priority to US07/992,181 priority patent/US5453333A/en
Priority to EP92311791A priority patent/EP0550262B1/en
Priority to DE69218750T priority patent/DE69218750T2/de
Priority to BR9205173A priority patent/BR9205173A/pt
Priority to TW82100048A priority patent/TW222011B/zh
Publication of JPH05247253A publication Critical patent/JPH05247253A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Cell Separators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 所定の温度まで加熱されるとその透過性を失
う性質を有する単一層の多孔質ポリマー膜を提供する。 【構成】 本発明に係る単一層多孔質ポリマー膜は、所
定の溶融温度を有する第1のポリマーにより構成され、
その内部に微細孔を有する多孔質ポリマー層、及び、該
多孔質ポリマー層の微細孔内部に存在しており第1のポ
リマーの溶融温度よりも低い所定の溶融温度を有する第
2のポリマーから構成されており、該第1のポリマーに
対する該第2のポリマーの相対量は、一定温度以上に加
熱する前においては該第2のポリマーが該微細孔を閉塞
せしめない状態で存在するが、一定の温度以上に加熱さ
れると該第2のポリマーが溶融して該微細孔内部を閉塞
しその透過性を消失せしめるような量であることを特徴
とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばリチウム電池の
セパレーター等に用いると極めて有用な単一層構造の多
孔質膜に関するものである。より詳しくは、本発明は、
所定の温度を超えて加熱されるとその透過性を失うとい
う性質を有することを特徴とする単一層構造の多孔質膜
に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】その内部
に微細孔構造を有する多孔質ポリマー膜は、濾過等の分
野において、また各種分離膜として広く用いられてお
り、その用途により、かかるポリマー膜に種々の特徴を
持たせるために、様々な工夫がなされてきた。例えば、
微多孔質膜の強度を向上させるために延伸を行ったり、
濾過において用いる場合に濾液との親和性を向上させる
ために界面活性剤で処理する等の工夫がなされている。
また、多孔質膜の表面及び内部に色々な官能基をグラフ
ト又は共重合させてイオン交換機能を持たせること等が
従来より行われて来た。
【0003】かかる多孔質ポリマー膜の用途の中で、あ
る一定の温度以上においては当該多孔質ポリマー膜の透
過性が失われるという性質を与えることが望ましい用途
がある。例えば、多孔質ポリマー膜を充電可能なリチウ
ム二次電池等のセパレーターとして用いる場合において
は、充電時の熱発生や電極間の短絡等により電池内の温
度が急激に上昇した場合に、電解液に使用されている溶
媒蒸気により電池内の圧力が過上昇して爆発や火災の危
険性をも伴うことがあるため、電池内の温度が一定温度
以上に上昇したら該セパレーター膜のイオン透過性が消
失して電流を遮断するような性質を持たせることが望ま
しい。
【0004】多孔質ポリマー膜にかかる性質を付与する
ための手法としては、従来、一定の融点を有する単一の
ポリマーを用いて多孔質膜を形成することにより、該温
度以上においては該膜を構成するポリマー自体が溶融し
てその内部に存在する孔を閉塞するというものや、高い
融点を有するポリマーの多孔質膜を支持層として用い、
該支持層上に低い融点を有するポリマーの多孔質膜を積
層して、該低融点ポリマーの融点以上の温度においては
該低融点ポリマーが溶融して不透過性の層を形成すると
いうものが考えられている。前者の例としては、130
℃を若干超える温度で溶融する特定のポリエチレンによ
り製造されたセパレーターを具備するリチウム二次電池
が最近市場に出始めている。かかる電池は、電池内の温
度が異常上昇してセパレーターを構成するポリエチレン
の融点以上になるとポリエチレンが溶融してその内部の
微細孔を閉塞することにより、陰極/陽極間にイオンが
流れなくなるようにして爆発等の危険を防止するもので
ある。また、後者の例としては、特開昭62−1085
7号公報においてポリオレフィン系の多層化した多孔質
膜によって構成されている電池用セパレーターが、ま
た、特開平3−59947号公報においては架橋ポリエ
チレンフィルムと未架橋ポリエチレンフィルムとを積層
した電池用セパレーターが開示されている。また、特開
平2−75152号公報においては、多孔性又は微多孔
性ポリマーの支持体上に可融性不織布の層を熱融着して
多層化した多孔質膜によって構成されているリチウム電
池用セパレーターが開示されている。参考までに、後者
の多孔質膜、即ち、支持層としての多孔質ポリマー層の
上に可溶融性の多孔質ポリマー層を積層した多層構造の
多孔質膜の断面構造の概略を図2に示す。
【0005】しかしながら、これら従来の多孔質ポリマ
ー膜においては、次のような問題点があった。
【0006】まず、前者の多孔質膜、即ち、一定の融点
を有するポリマーを用いて多孔質膜を形成することによ
り、該温度以上においてはポリマーが溶融して孔を閉塞
するというものにおいては、膜強度を考慮するとポリマ
ーの融点をある程度以上の高さに設定する必要があり、
例えばリチウム二次電池のセパレーターとして用いる場
合に十分に安全性を確保できない。即ち、リチウム二次
電池において加熱に伴う危険性を防止するためには、電
池内の温度が少なくとも130℃程度の温度まで異常上
昇したら電流の流路が完全に閉ざされることが求められ
るが、このためにはかかる温度においては微細孔が完全
に閉塞される、即ち、130℃を下回る温度で溶融を開
始するポリマーを用いることが必要である。しかしなが
ら、このようなポリマーでは膜の強度が低く電池用セパ
レーターとしては使用に耐えないものであるため、実際
にはその融点が130℃以上のポリマーを用いている。
このため、現在市販されている電池では130℃以上の
温度に達しても電流の流路が完全に閉ざされず、爆発等
の危険を未だ包含しているのである。
【0007】また、後者の多孔質膜、即ち、高い融点を
有するポリマーの多孔質膜の上に低い融点を有するポリ
マーの多孔質膜を積層するという多層構造のものにおい
ては、膜の張り合わせ時に、熱収縮率の違いにより多層
化した膜が一方へ湾曲したり、剥がれたりする問題が多
かった。また、温度が上昇する際に、膜の熱膨張率の違
いにより膜にしわがよったり膜間の剥がれが生じる等、
膜の状態に問題が生じることが多かった。更に、それぞ
れ溶融温度の異なる多孔質膜同士を張り合わせる際に、
接着の際の加熱によって膜間にスキン層が生じて多層膜
の透過性が失われたり、かかるスキン層によって微孔が
閉塞してしまうという事態が生じる場合もあった。更
に、所定の膜厚を維持しつつ多層多孔質膜の強度を上げ
るためには、支持層として高分子量のポリオレフィンを
使用しかつ支持層の膜厚を厚くすることが必要なため、
結果として低溶融温度層の膜厚を極めて薄くする必要が
あるが、非常に薄い多孔質膜を均一に張り合わせるとい
うことは技術的に極めて困難であった。
【0008】
【発明の構成】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、所定温度
以上においてはその透過性が消失するという性質を具備
する多孔質ポリマー膜の開発にあたって、上記したよう
な従来の問題点を解決すべく鋭意研究を行った結果、所
定の溶融温度を有する第1のポリマーにより構成され、
その内部に微細孔を有する多孔質ポリマー層、及び、該
多孔質ポリマー層の微細孔内部に存在しており第1のポ
リマーの溶融温度よりも低い所定の溶融温度を有する第
2のポリマーから構成されており、該第1のポリマーに
対する該第2のポリマーの相対量は、一定温度以上に加
熱する前においては該第2のポリマーが該微細孔を閉塞
せしめない状態で存在するが、一定の温度以上に加熱さ
れると該第2のポリマーが溶融して該微細孔内部を閉塞
しその透過性を消失せしめるような量であることを特徴
とする単一層構造の多孔質ポリマー膜によって、上記の
所望の性質が得られかつ上記の種々の問題点も解決する
ことができることを見出し、本発明を完成するに至った
ものである。
【0009】即ち、本発明の多孔質ポリマー膜は、所定
の溶融温度を有する第1のポリマーにより構成され、そ
の内部に微細孔を有する多孔質ポリマー層、及び、該多
孔質ポリマー層の微細孔内部に存在している、第1のポ
リマーの溶融温度よりも低い所定の溶融温度を有する第
2のポリマーから構成されている単一層構造のものであ
ることを特徴としており、一定温度以上に加熱する前は
該第2のポリマーは該微細孔を閉塞せしめないような状
態で存在しているが、一定の温度以上に加熱されると該
第2のポリマーが溶融して該微細孔内部を閉塞し、該多
孔質膜の透過性を消失せしめるという性質を有するもの
である。
【0010】図1に、本発明の単一層の多孔質膜の断面
の概略を示す。該図から明らかなように、本発明に係る
多孔質膜においては、該膜を構成する所定の溶融温度を
有する第1のポリマーによる多孔質ポリマー層の内部に
存在する微細孔の壁部に、第1のポリマーの溶融温度よ
りも低い所定の溶融温度を有する第2の可溶融性ポリマ
ーの層が、該微細孔を閉塞せしめない程度の量付着せし
められている。通常の状態においては該微細孔を通して
イオン等が移動することができるが(図1−a)、温度
が異常に上昇して第2の可溶融性ポリマーの融点以上に
なると、第2のポリマーが溶融して流動状態となって微
細孔を閉塞し、該微細孔を通るイオン等の移動が遮断さ
れる(図1−b)。
【0011】本発明において、多孔質ポリマー層を構成
する第1のポリマーとして用いられるものは、多孔質膜
としての使用に耐え得る程度の高い溶融温度を有するも
のであればいかなるものを用いることもできると考えら
れるが、その結晶性が高く、膜にした際に引張強度の高
いものが好ましい。また、本発明の目的に反しない限
り、架橋することによってその強度や剛性などを向上せ
しめることは一向に差し支えない。多孔質ポリマー層を
構成するポリマーについては、その用途に依存するが一
般に耐熱性を有しかつ強度が高いことが望ましいので、
結晶性を高くしたり、分子量を高めたり、物理的架橋を
導入したりすることは好ましいと考えられる。但し、分
子量や架橋度をあまり高くすると、膜自体の柔軟性を損
なうため、用途によっては望ましくないものとなること
に留意すべきであろう。なお、架橋方法としては、公知
の電子線や放射線による架橋のほか、シランカップリン
グ剤や過酸化物による架橋も利用可能である。
【0012】かかる性質を有する第1のポリマーの例と
しては、150〜180℃の融点を有する分子量約3
0,000〜800,000のポリプロピレン、例えば
三井日石ポリマー(株)製の商品名ハイポール、三井東
圧化学(株)製の商品名ノーブレン、チッソ(株)製の
商品名チッソポリプロ、出光石油化学(株)製の商品名
出光ポリプロ、三菱油化(株)製の商品名三菱ポリプ
ロ、東燃化学(株)製の商品名東燃ポリプロ等を挙げる
ことができるが、用途等により、上記の性質を具備する
他のポリマーを幅広く用いることができることはいうま
でもない。
【0013】本発明において、可溶融相を構成する第2
のポリマーとしては、第1のポリマーの溶融温度よりも
低い所定の溶融温度を有するものであれば、用途に応じ
て幅広く選択することができる。また、溶融温度の条件
を満足することを前提に、各種組成の共重合体を用いる
こともできる。かかる第2のポリマーの例としては、ポ
リエチレン及びその共重合体、例えば、低密度ポリエチ
レン(LDPE)、例えば三菱化成(株)製の商品名三
菱ポリエチ−LD、三井石油化学工業(株)製のミソラ
ン、住友化学(株)製の商品名スミカセン、三井石油化
学工業(株)製の商品名ウルトゼックス、住友精化
(株)製の商品名フローセン、日本石油化学(株)製の
商品名日石レクスロン等、線状低密度ポリエチレン(L
LDPE)、例えば、住友化学(株)製の商品名スミカ
セン−L、出光石油化学(株)製の商品名出光ポリエチ
レン−L、日本石油化学(株)製の商品名リニレックス
等、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブタジ
エン共重合体、エチレン−ペンタジエン共重合体、エチ
レン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロ
ピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−
無水マレイン酸及びその他のモノマーとのターポリマー
等が挙げられる。
【0014】本発明の単一層多孔質ポリマー膜を用いる
用途において要求される膜自体の各種特性や透過性を消
失することが要求される温度及び通常の使用温度等に応
じて、上記の第1及び第2のポリマーを適宜組み合わせ
て選択することができる。例えば、リチウム電池のセパ
レーターとして本発明の単一層多孔質ポリマー膜を用い
る場合には、第1のポリマーとして130℃以上の溶融
温度を有するポリプロピレンを用い、第2のポリマーと
して約95〜120℃の溶融温度を有する密度0.91
〜0.94g/ccの低密度ポリエチレンを用いると、
セパレーター自体の強度等も好ましく、また所定の温度
で速やかに透過性を失う極めて有用なセパレーターが得
られる。
【0015】本発明の単一層多孔質ポリマー膜を構成す
る第1のポリマーと第2のポリマーの量比は、通常の状
態、則ち所定温度以上に加熱される前においては第1の
ポリマーにより構成される多孔質膜の微細孔が第2のポ
リマーによって閉塞されず、かつ該所定温度以上に加熱
されると第2のポリマーが溶融することによって該微細
孔が閉塞されるようなものであることが必要である。か
かる望ましい比は、多孔質膜の厚さ、膜中の微細孔の寸
法、形状等や、多孔質膜の製造方法、第2のポリマーを
微細孔中に導入せしめる方法等によって変化するが、当
業者であれば、実験等により最適な比を決定することが
できる。例えば、第1のポリマーによる多孔質膜として
空孔率50%、厚さ25μmのものを用いた場合には、
第1のポリマー対第2のポリマーの比は、50/50〜
95/5(重量比)が望ましい。
【0016】また、第1のポリマーと第2のポリマーと
の結着性を高めるために、ポリオレフィンに不飽和カル
ボン酸を共重合したポリマー、例えば住友化学(株)製
の商品名ボンダインや三菱油化(株)製の商品名ユカロ
ン、ポリオレフィンのグラフト体である三井石油化学
(株)製の商品名アドマーや住友化学(株)製の商品名
スミファーム、旭化成工業(株)製の商品名ライネック
ス等の成分を結着剤として添加してもよい。更に、本発
明に係る第1及び第2のポリマーに、必要に応じて酸化
防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤等
の各種の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加
することができる。
【0017】上記の第1及び第2のポリマーにより本発
明の単一層多孔質ポリマー膜を製造する方法は、当該技
術において公知の種々の方法を用いることができる。以
下に、本発明の単一層多孔質ポリマー膜の構造を形成す
るための方法の例を示すが、これらは代表例に過ぎず、
これ以外にも本発明の単一層多孔質ポリマー膜の構造を
形成するために幅広い種々の方法を用いることができ
る。
【0018】本発明の単一層多孔質膜を構成する第1及
び第2のポリマーと、更に、これらに相溶しない第3の
ポリマーとを溶融混練して製膜することにより、ポリマ
ー分子同士が相互に絡み合った連続層をもつIPN(int
erpenetrating polymernetwork)構造を有するポリマー
膜を得る。次に、第3のポリマーのみを溶解する溶剤を
用いて第3のポリマーのみを抽出することにより、本発
明の構造に係る単一層多孔質ポリマー膜を製造すること
ができる。この方法によれば、極めて簡単に本発明の単
一層多孔質ポリマー膜を得ることができる。参考とし
て、ポリマーアロイ(共立出版刊、高分子学会編集、井
上隆、市原祥次著)第3頁の図1.3に、IPN構造の
概念図が示されている。
【0019】かかる方法に用いる第3のポリマー材料と
しては、本発明の多孔質膜を構成する2種類のポリマー
のいずれにも相溶せず、しかもこれらのポリマーとIP
N構造を形成し、かつ、特定の溶剤によってそれのみを
抽出除去することのできるポリマーであればいかなるも
のを用いることもできる。ここで、特定の溶剤とは、所
定の温度、例えば50℃において第1及び第2のポリマ
ーを溶解することなく第3のポリマーのみを溶解するこ
とのできる溶剤をいう。当業者であれば、第1及び第2
のポリマーの特定の組合せに対して用いることのできる
第3のポリマー及び該組合せに用いることのできる溶剤
を、実験的、経験的に決定することができる。ここで、
第3のポリマーとして用いることのできるものの具体例
としては、スチレン・水添ブタジエン・スチレンブロッ
ク共重合体(SEBS)、例えばシェル化学(株)製の
クレイトンG(商品名)や、スチレン・水添イソプレン
・スチレン及びスチレン・水添イソプレンブロック共重
合体(SEPS)、例えばクラレ(株)製のセプトン
(商品名)などが挙げられる。SEBS及びSEPSの
構造式を図3に示す。これらSEBSやSEPSは、ポ
リプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンと溶
融混練するとIPN構造を形成し、かかる混練物を用い
て製膜した後に特定の溶剤でSEBS又はSEPSを抽
出することにより、貫通孔を有する多孔質膜を調製する
ことができる。該方法における特定の溶剤として、SE
PS又はSEPSに関して用いることのできるものとし
ては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン、メチルエチルケトン、四塩化炭素、クロ
ロホルムなどが挙げられる。更に、これらの溶剤の他
に、溶解度パラメーターの値が7.5〜9.3の溶剤が
おおよそこの目的に合致する溶剤と考えられる。
【0020】上記に、本発明の単一層多孔質膜の製造方
法の代表的な例を挙げたが、この他にも、インフレーシ
ョン法やTダイ法等による押出し法、キャスティング法
等の公知のプラスチックフィルム成膜技術を採用するこ
とができる。また、最終的に得られる多孔質膜の強度を
上げる為に、延伸を行うこともできる。例えば、所定の
製膜法によって製造したフィルムを、第1のポリマーの
ガラス転移点以上でかつ融点よりも低い温度で延伸し、
その後、必要に応じて延伸時の温度よりも高い温度でア
ニーリングすることによってフィルム内部の残留応力を
緩和し、続いて溶剤を用いて第3のポリマーのみを抽出
することにより、強度の高い多孔質膜を形成させること
ができる。この際の延伸倍率は、1.1倍〜20倍、特
に1.1倍〜5倍が望ましい。
【0021】本発明の多孔質ポリマー膜の空孔率は80
%以下が望ましく、空孔率が80%をこえると膜の強度
が急激に低下し、多孔質膜として実際の使用に耐えなく
なる。さらに、空孔率が80%を超えると、第2のポリ
マーの溶融によって多孔質層の微細孔を閉塞せしめるた
めには第2のポリマーの量を多くしなければならず、第
1のポリマーと第2のポリマーとの組成バランスが完全
に崩れてしまい、大部分が第2のポリマーから構成され
るようになってしまう。これでは多孔質膜の強度が得ら
れず、多孔質膜として種々の用途に実際に用いることが
できないものになってしまう。
【0022】ここで、空孔率は以下の式で表される。
【0023】 空孔率=(空孔容積/多孔質膜容積)×100 [ここで、 空孔容積=(含n-ブチルアルコール多孔質膜重量−絶対
乾燥多孔質膜重量)/0.81 である]多孔質膜の空孔率は、配合中の第3のポリマー
の添加量で調節する。これは、第3のポリマーが膜形成
後に抽出除去されてその後に空孔を形成するためであ
る。ここで、第3のポリマーは、第1のポリマー及び第
2のポリマーの合計量に対して0.5倍量から9倍量ま
で添加して多孔質膜を得ることが望ましい。第3のポリ
マーの量が第1のポリマー及び第2のポリマーの合計量
に対して0.5倍量以下では空孔率が低くなって所望の
空孔率が得られず、また第3のポリマーの量が第1のポ
リマー及び第2のポリマーの合計量に対して9倍量を超
えると多孔質膜としての強度が保てず、実用的でない。
【0024】また、第1のポリマー、第2のポリマー及
び第3のポリマーから構成される膜を第2のポリマーの
溶融温度以下の温度でアニールすることによって、アニ
ールしないものに比べて空孔率を上げることができる。
これは、膜をアニールすることにより各々のポリマーの
製膜時のストレスを緩和し、膜から第3のポリマーを抽
出除去した後の厚み方向の収縮を減少させることができ
るからである。
【0025】また、本発明の多孔質ポリマー膜の望まし
い空孔径は、用途により異なるが一般に0.05μm〜
10μmが好ましい。該多孔質膜の空孔径は、溶融混練
時に第1のポリマーと第2のポリマーの混合物に対して
第3のポリマーがどの程度細かく分散されるかで決定さ
れる。則ち、各々のポリマーの分離相の構造周期を如何
に小さくするかで空孔径が決定する。これは、第3のポ
リマーが膜形成後に抽出除去されてその後に空孔を形成
するためである。したがって、多孔質膜の空孔径は、溶
融混練時の温度及び剪断応力、第1のポリマー、第2の
ポリマー及び第3のポリマーの溶融粘度を変化させるこ
とによって調整することができる。例えば、第1のポリ
マー、第2のポリマー及び第3のポリマーをニーダーで
溶融混練する際に、混練温度を下げて各ポリマーの溶融
粘度が高い状態で溶融混練を行うことによって本発明の
多孔質膜の空孔径を小さくすることができる。逆に溶融
混練時の温度を上げると得られる多孔質膜の空孔径は大
きくなる。また、溶融混練時の剪断応力を強くすると得
られる多孔質膜の空孔径は小さくなり、逆に弱くすると
得られる多孔質膜の空孔径は大きくなる。また、第3の
ポリマーとして分子量の高いものを使用して溶融粘度を
上昇させると、空孔径の小さな多孔質膜が得られる。逆
に第3のポリマーとして分子量の小さいポリマーを使用
して溶融粘度を下げると空孔径の大きな多孔質膜が得ら
れる。これらの事象を組み合わせることによって、得ら
れる多孔質膜の空孔径を容易に変化させることができ
る。
【0026】また、本発明の多孔質ポリマー膜の膜厚
は、用途により異なるが一般に200μm以下、特に2
0μm〜120μmが好ましい。
【0027】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0028】以下において、膜厚はダイヤルゲージで測
定したものであり、平均孔径は走査型電子顕微鏡により
得られた表面及び断面の写真から求めたものであり、ま
た、空孔率は、20mm×20mmに切り取った多孔質
ポリマー膜試料をn−ブチルアルコールを用いて含浸さ
せた時の重量と該試料を絶対乾燥状態にしたときの重量
をそれぞれ求め、以下の式により得られた値である。
【0029】 空孔率=(空孔容積/多孔質膜容積)×100 [ここで、 空孔容積=(含n-ブチルアルコール多孔質膜重量−絶対
乾燥多孔質膜重量)/0.81 である]また、第2のポリマーの溶融による多孔質膜の
微細孔内部の閉塞の状態は、イオンの透過性によって調
べた。則ち、得られた多孔質膜を、所定温度で所定時間
加熱した後、図4に示す装置に配置してイオンの透過を
調べた。図4に示す装置は、二つの容器の間に多孔質膜
を配置できるようになっており、一方の容器には純水
を、他方の容器には塩化ナトリウムの1%溶液に界面活
性剤を添加して表面張力を多孔質膜の臨界表面張力より
下げた溶液を、それぞれ50ccずつ入れた。二つの溶
液間において濃度差があるために、多孔質膜を介してイ
オンが純水の方に移行していく。この純水中に移行する
イオンの流れを導電率計で経時的に測定し、加熱前のイ
オン透過量と比較して、加熱後にイオンの透過が阻止さ
れるかどうかによって、第2のポリマーが溶融し多孔質
膜の微細孔内部が閉塞したかどうかを判断した。また、
多孔質膜の断面を、溶融試験の前後において走査型電子
顕微鏡によって観察して、ポリマーが溶融しているかど
うかを判断した。
【0030】
【実施例1】溶融温度169℃のポリプロピレン(三井
日石ポリマー株式会社製、商品名ハイポールB200、
メルトフローレイト0.5g/10分、密度0.91g
/cm3)50重量部、溶融温度109℃の低密度ポリ
エチレン(日本石油化学株式会社製、商品名日石レクス
ロンL501、メルトフローレイト7.0g/10分、
密度0.917g/cm3)50重量部、スチレン−水
添イソプレン−スチレンブロックポリマー(株式会社ク
ラレ製、商品名セプトン2007、メルトフローレイト
4g/10分、密度0.93g/cm3)100重量部
を、ニーダーを使用して200〜220℃で十分に溶融
混練し、Tダイによる押出し成形によりフィルムを作製
した。更に、このフィルムを180℃、200kg/c
2の条件で1分間プレスにかけ、膜厚150μmのフ
ィルムを作製した。このフィルムをシクロヘキサンに浸
漬して、スチレン−水添イソプレン−スチレンブロック
ポリマーを完全に抽出除去し、更に新しいシクロヘキサ
ンでフィルムの表面を洗浄して、ポリプロピレンとポリ
エチレンとから構成される単一層の多孔質膜を得た。こ
のフィルムは、抽出の前後での重量の変化によって、ス
チレン−水添イソプレン−スチレンブロックポリマーの
含有量分の重量減少を示した。また、IR分析によって
も、この多孔質膜にスチレン成分が含まれておらず、ポ
リプロピレン及びポリエチレンから構成される単一層多
孔質膜が得られたことが分かった。得られたフィルムの
性状を表1に示した。イオンの透過性試験の結果は表2
に示した。表2の結果から、115℃に加熱した膜はイ
オン透過性を失っていることが分かった。115℃での
加熱試験前及び加熱試験後の多孔質膜の断面の電子顕微
鏡写真をそれぞれ図5−a及び図5−bに示す。これら
の写真により、加熱後において多孔質膜の微細孔が閉塞
していることが観察される。
【0031】
【実施例2】実施例1と同様にして、ポリプロピレン
(B200)60部、ポリエチレン(L501)40
部、スチレン−水添イソプレン−スチレンブロックポリ
マー(セプトン2007)100部から構成されるフィ
ルムを作製し、シクロヘキサンでスチレン−水添イソプ
レン−スチレンブロックポリマーを抽出除去して本発明
の多孔質膜を得た。このフィルムは、抽出の前後での重
量の変化によって、スチレン−水添イソプレン−スチレ
ンブロックポリマーの含有量分の重量減少を示した。ま
た、IR分析によっても、この多孔質膜にスチレン成分
が含まれておらず、ポリプロピレン及びポリエチレンか
ら構成される単一層多孔質膜が得られたことが分かっ
た。得られたフィルムの性状を表1に示した。イオンの
透過性試験の結果は表2に示した。表2の結果から、そ
れぞれの温度での加熱試験後において多孔質膜がイオン
透過性を失っていることが分かった。また、115℃で
の加熱試験前及び加熱試験後の多孔質膜の断面の電子顕
微鏡写真をそれぞれ図6−a及び図6−bに示す。これ
らの写真により、加熱後において多孔質膜の微細孔が閉
塞していることが観察される。
【0032】
【実施例3】実施例1と同様にして、ポリプロピレン
(B200)70部、ポリエチレン(L501)30
部、スチレン−水添イソプレン−スチレンブロックポリ
マー(セプトン2007)100部から構成されるフィ
ルムを作製し、シクロヘキサンでスチレン−水添イソプ
レン−スチレンブロックポリマーを抽出除去して本発明
の多孔質膜を得た。このフィルムは、抽出の前後での重
量の変化によって、スチレン−水添イソプレン−スチレ
ンブロックポリマーの含有量分の重量減少を示した。ま
た、IR分析によっても、この多孔質膜にスチレン成分
が含まれておらず、ポリプロピレン及びポリエチレンか
ら構成される単一層多孔質膜が得られたことが分かっ
た。得られたフィルムの性状を表1に示した。イオンの
透過性試験の結果は表2に示した。表2の結果から、1
15℃及び130℃に加熱した後においてはイオンの透
過量が著しく減少していること、則ちイオンの透過性を
失っていることが分かった。
【0033】
【実施例4】実施例1と同様にして、ポリプロピレン
(B200)80部、ポリエチレン(L501)20
部、スチレン−水添イソプレン−スチレンブロックポリ
マー(セプトン2007)100部から構成されるフィ
ルムを作製し、シクロヘキサンでスチレン−水添イソプ
レン−スチレンブロックポリマーを抽出除去して本発明
の多孔質膜を得た。このフィルムは、抽出の前後での重
量の変化によって、スチレン−水添イソプレン−スチレ
ンブロックポリマーの含有量分の重量減少を示した。ま
た、IR分析によっても、この多孔質膜にスチレン成分
が含まれておらず、ポリプロピレン及びポリエチレンか
ら構成される単一層多孔質膜が得られたことが分かっ
た。得られたフィルムの性状を表1に示した。イオンの
透過性試験の結果は表2に示した。表2の結果から、加
熱後においてイオンの透過量がわずかに減少しているこ
とが分かった。しかしながら、実施例1〜3のような著
しい減少はみられなかった。
【0034】
【実施例5】実施例1と同様にして、ポリプロピレン
(B200)70部、ポリエチレン(東ソー株式会社
製、ペトロセン356、メルトフローレイト100、密
度0.914g/cm3)30部、スチレン−水添イソ
プレン−スチレンブロックポリマー(セプトン200
7)100部から構成されるフィルムを作製し、シクロ
ヘキサンでスチレン−水添イソプレン−スチレンブロッ
クポリマーを抽出除去して本発明の多孔質膜を得た。こ
のフィルムは、抽出の前後での重量の変化によって、ス
チレン−水添イソプレン−スチレンブロックポリマーの
含有量分の重量減少を示した。また、IR分析によって
も、この多孔質膜にスチレン成分が含まれておらず、ポ
リプロピレン及びポリエチレンから構成される単一層多
孔質膜が得られたことが分かった。得られたフィルムの
性状を表1に示した。イオンの透過性試験の結果は表2
に示した。表2の結果から、105℃及び115℃での
加熱後においてイオンの透過量が著しく抑えられたこと
が分かった。
【0035】
【実施例6】溶融温度130℃以上のポリプロピレン
(三井日石ポリマー(株)製、商品名ハイポールF60
0)80重量部、溶融温度104℃の低密度ポリエチレ
ン(住友精化(株)製の商品名フローセンG801)2
0重量部、スチレン−水添イソプレン−スチレンブロッ
クポリマー((株)クラレ製、商品名セプトン200
6)100重量部を、ニーダーを使用して220℃で十
分に溶融混練し、Tダイによる押出し成形によりフィル
ムを作成した。次に、フィルムをシクロヘキサンに1時
間浸漬してスチレン−水添イソプレン−スチレンブロッ
クポリマーを完全に抽出し、更に新しいシクロヘキサン
でフィルムの表面を洗浄して、ポリプロピレンとポリエ
チレンとから構成される単一層多孔質膜を得た。このフ
ィルムは、抽出の前後での重量の変化によって、スチレ
ン−水添イソプレン−スチレンブロックポリマーの含有
量分の重量減少を示した。また、IR分析によっても、
この多孔質膜にスチレン成分が含まれておらず、ポリプ
ロピレン及びポリエチレンから構成される単一層多孔質
膜が得られたことが分かった。得られたフィルムの性状
を表1に示す。
【0036】この多孔質膜を、ポリオレフィンの貧溶媒
である炭酸プロピレンに浸漬し、100℃に加熱した後
のフィルムの断面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、微孔内部の状態が加熱前とは異なり、熱によって微
孔が閉塞していることが分かった。本実施例によって得
られた多孔質膜の、加熱試験前及び加熱試験後の断面の
電子顕微鏡写真をそれぞれ図7及び図8に示す。
【0037】また、得られた膜についてのイオンの透過
性試験の結果を表2に示す。表2の結果より、115℃
での加熱試験でイオンの透過量が著しく抑えられたこと
が分かった。
【0038】
【実施例7】メルトフローレイト1.7のポリプロピレ
ン(三井東圧化学(株)製、商品名ノーブレンJS、融
点170℃)80重量部、溶融温度100℃の低密度ポ
リエチレン(三井石油化学(株)製の商品名ミソランA
CE30N)20重量部、実施例1と同様のスチレン−
水添イソプレン−スチレンブロックポリマー(SEP
S)100重量部を、ニーダーを使用して220℃で十
分に溶融混練し、Tダイによる押出し成形でフィルムを
作成した。次に、フィルムを、80℃で長手方向に2倍
に延伸した後、100℃で5分間アニーリングし、急冷
した。更に、フィルムをシクロヘキサンに1時間浸漬し
てSEPSを完全に抽出し、更に新しいシクロヘキサン
でフィルムの表面を洗浄して、ポリプロピレンとポリエ
チレンとから構成される単一層多孔質膜を得た。このフ
ィルムは、抽出の前後での重量の変化によって、SEP
Sの含有量分の重量減少を示した。得られたフィルムの
性状を表1に示す。
【0039】この多孔質膜を、ポリオレフィンの貧溶媒
である炭酸プロピレンに浸漬し、100℃に加熱した後
のフィルムの断面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、微孔内部の状態が加熱前とは異なり、熱によって微
孔が閉塞していることが分かった。
【0040】また、得られた膜についてのイオンの透過
性試験の結果を表2に示す。表2の結果より、115℃
での加熱試験でイオンの透過量が著しく抑えられたこと
が分かった。
【0041】 表1:各多孔質膜の性状 ──────────────────────────────────── 実施例 1 2 3 4 5 6 7 ──────────────────────────────────── PE量(%) 50 40 30 20 30 20 20 空孔率(%) 33.2 38.9 40.8 45.2 35.6 50 50 孔径(μm) 1 0.8 0.8 0.8 0.9 1.2 1.2 膜厚(μm) 120 120 120 120 120 100 100 ──────────────────────────────────── 表2:加熱前後の導電率の時間変化 ──────────────────────────────────── 導電率(μS/cm) ─────────────────────────────── 時間(hr) 0 1 2 3 ──────────────────────────────────── 実施例1 加熱前 1.24 303 619 894 115℃加熱後 1.24 6.55 5.14 5.47 ──────────────────────────────────── 実施例2 加熱前 1.42 177 368 543 105℃加熱後 0.77 3.82 7.8 11.05 ─────────────────────────────── 加熱前 1.42 145 338 514 115℃加熱後 0.77 2.53 2.93 3.76 ─────────────────────────────── 加熱前 1.42 276 593 903 130℃加熱後 0.77 5.72 4.85 4.87 ──────────────────────────────────── 実施例3 加熱前 1.42 211 407 590 105℃加熱後 0.77 59.8 124 195 ─────────────────────────────── 加熱前 1.42 159 351 504 115℃加熱後 0.77 11.3 29.6 44.9 ─────────────────────────────── 加熱前 0.77 127 276 415 130℃加熱後 0.77 9.74 7.58 11.35 ──────────────────────────────────── 実施例4 加熱前 1.51 290 630 888 120℃加熱後 1.3 222 496 689 ─────────────────────────────── 加熱前 1.51 306 760 1112 140℃加熱後 1.9 165 382 610 ──────────────────────────────────── 実施例5 加熱前 1.25 229 430 705 105℃加熱後 1.62 12 21.7 31.7 ─────────────────────────────── 加熱前 1.25 189 347 547 115℃加熱後 1.25 14.2 20.2 28.5 ─────────────────────────────── 加熱前 1.62 205 394 580 130℃加熱後 1.39 54.8 125 202 ──────────────────────────────────── 実施例6 加熱前 1.30 386 801 1179 115℃加熱後 1.30 5.44 8.09 12.4 ──────────────────────────────────── 実施例7 加熱前 1.15 377 755 1168 115℃加熱後 1.17 11.2 14.5 18.5 ──────────────────────────────────── ※加熱時間=実施例1、2、3、5、6、7は1分、実施例4は10分。
【発明の効果】上記に説明したように、本発明に係る単
一層多孔質ポリマー膜は、所定の温度まで加熱される
と、その内部の微細孔が閉塞して透過性を失うという性
質を有しており、例えばリチウム二次電池用の対異常加
熱安全性を有するセパレーターとして有用である。ま
た、従来この目的で用いられている多層構造の膜と比較
しても、これら従来のものが包含する種々の問題点を解
決するものである。本発明に係る単一層多孔質ポリマー
膜は、電池のセパレーターとしての用途以外にも、一定
温度以上でその透過性を失わせることが所望される種々
の用途において用いる透過性膜として利用することが考
えられ、その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単一層の多孔質ポリマー膜の断面
の構造の概略を示す図である。図1−aは所定温度に加
熱する前の通常の状態を示すものであり、図1−bは所
定温度に加熱した後の微細孔が閉塞した状態を示すもの
である。
【図2】従来の、可融性層を有する多層化された多孔質
膜の断面の構造の概略を示す図である。
【図3】スチレン・水添ブタジエン・スチレンブロック
共重合体(SEBS)及びスチレン・水添イソプレン・
スチレンブロック共重合体(SEPS)の構造を示す図
である。
【図4】イオンの透過を測定し、多孔質膜が閉塞したか
どうかを判断するための装置の概略図である。
【図5】実施例1において得られた本発明の単一層多孔
質膜の繊維の形状を示す倍率5000倍の電子顕微鏡写
真である。図5−aは当該多孔質膜を115℃に加熱す
る前、図5−bは当該多孔質膜を115℃に加熱した後
における繊維の形状を示す電子顕微鏡写真である。
【図6】実施例2において得られた本発明の単一層多孔
質膜の繊維の形状を示す倍率5000倍の電子顕微鏡写
真である。図6−aは当該多孔質膜を115℃に加熱す
る前、図6−bは当該多孔質膜を115℃に加熱した後
における繊維の形状を示す電子顕微鏡写真である。
【図7】実施例6において得られた本発明の単一層多孔
質膜の100℃に加熱する前の繊維の形状を示す倍率2
000倍の電子顕微鏡写真である。
【図8】実施例6において得られた本発明の単一層多孔
質膜の100℃に加熱した後の繊維の形状を示す倍率2
000倍の電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 有一 神奈川県横浜市金沢区釜利谷町1642−212 B−4

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の溶融温度を有する第1のポリマー
    により構成され、その内部に微細孔を有する多孔質ポリ
    マー層、及び、該多孔質ポリマー層の微細孔内部に存在
    しており第1のポリマーの溶融温度よりも低い所定の溶
    融温度を有する第2のポリマーから構成されており、該
    第1のポリマーに対する該第2のポリマーの相対量は、
    一定温度以上に加熱する前においては該第2のポリマー
    が該微細孔を閉塞せしめない状態で存在するが、一定の
    温度以上に加熱されると該第2のポリマーが溶融して該
    微細孔内部を閉塞しその透過性を消失せしめるような量
    であることを特徴とする単一層構造の多孔質膜。
  2. 【請求項2】 所定の溶融温度を有する第1のポリマ
    ー、第1のポリマーの溶融温度よりも低い所定の溶融温
    度を有する第2のポリマー、及び該第1及び第2のポリ
    マーに相溶しない第3のポリマーを溶融混練して製膜す
    ることにより、ポリマー分子同士が相互に絡み合った連
    続層をもつIPN(interpenetrating polymer networ
    k)構造を有するポリマー膜を製造し、次に、第3のポリ
    マーのみを溶解する溶剤を用いて第3のポリマーのみを
    抽出することを特徴とする請求項1記載の単一層構造の
    多孔質膜の製造方法。
JP4268012A 1991-12-27 1992-09-10 単一層構造の多孔質膜 Pending JPH05247253A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CA002085380A CA2085380C (en) 1991-12-27 1992-12-15 Porous membrane having single layer structure, battery separator made thereof, preparations thereof and battery equipped with same battery separator
US07/992,181 US5453333A (en) 1991-12-27 1992-12-17 Porous membrane having single layer structure, battery separator made thereof, preparations thereof and battery equipped with same battery separator
EP92311791A EP0550262B1 (en) 1991-12-27 1992-12-24 Porous membrane having single layer structure, battery separator made thereof, preparations thereof, and battery equipped with same battery separator
DE69218750T DE69218750T2 (de) 1991-12-27 1992-12-24 Poröse Membran, die aus einer einzigen Schicht aufgebaut ist, daraus hergestellter Batterieseparator, Herstellungsverfahren davon und Batterie, die mit diesem Batterieseparator ausgestattet ist
BR9205173A BR9205173A (pt) 1991-12-27 1992-12-28 Membrana porosa tendo estrutura de camada unica,separador de bateria feito da mesma,preparacoes desta e bateria equipada com o mesmo separador da mesma
TW82100048A TW222011B (ja) 1991-12-27 1993-01-06

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-358890 1991-12-27
JP35889091 1991-12-27

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05247253A true JPH05247253A (ja) 1993-09-24

Family

ID=18461632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4268012A Pending JPH05247253A (ja) 1991-12-27 1992-09-10 単一層構造の多孔質膜

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPH05247253A (ja)
KR (1) KR100292978B1 (ja)
ZA (1) ZA929949B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5773907A (en) * 1994-04-28 1998-06-30 Siemens Canada Ltd. Brush holder assemblies having novel brush holders
JP2013509674A (ja) * 2009-10-29 2013-03-14 リ−テック・バッテリー・ゲーエムベーハー 電気化学エネルギー貯蔵器ならびに電気化学エネルギー貯蔵器の熱的安定化のための方法
WO2023140330A1 (ja) * 2022-01-20 2023-07-27 株式会社トクヤマ 多孔質膜、イオン交換膜、水電解装置、及び多孔質膜の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4741979A (en) * 1986-05-19 1988-05-03 Eastman Kodak Company Battery separator assembly
US4973532A (en) * 1989-04-05 1990-11-27 Hoechst Celanese Corporation Battery separator with integral thermal fuse

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5773907A (en) * 1994-04-28 1998-06-30 Siemens Canada Ltd. Brush holder assemblies having novel brush holders
JP2013509674A (ja) * 2009-10-29 2013-03-14 リ−テック・バッテリー・ゲーエムベーハー 電気化学エネルギー貯蔵器ならびに電気化学エネルギー貯蔵器の熱的安定化のための方法
WO2023140330A1 (ja) * 2022-01-20 2023-07-27 株式会社トクヤマ 多孔質膜、イオン交換膜、水電解装置、及び多孔質膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
ZA929949B (en) 1993-07-14
KR100292978B1 (ko) 2001-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100676080B1 (ko) 폴리올레핀 미세다공성 막과 그의 제조방법
KR100667052B1 (ko) 폴리올레핀 미세다공성 막과 그의 제조방법
CN104981921B (zh) 电池用隔膜及该电池用隔膜的制造方法
JP5296917B1 (ja) 電池用セパレータ
JP5057419B2 (ja) 複合微多孔膜及びその製造方法並びに用途
TWI414548B (zh) 聚烯烴多層微多孔膜、其製法、電池用隔離材及電池
TWI399280B (zh) 聚烯烴微多孔膜之製法
JP4494637B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
JP5450929B2 (ja) ポリオレフィン多層微多孔膜、その製造方法、電池用セパレータ及び電池
JPWO2019093184A1 (ja) ポリオレフィン複合多孔質膜及びその製造方法、並びに電池用セパレータ及び電池
WO2007052663A1 (ja) ポリオレフィン微多孔膜並びにそれを用いた電池用セパレータ及び電池
JP5351257B2 (ja) ポリオレフィン系多層微多孔膜及びその製造方法
JP7395827B2 (ja) 多孔性ポリオレフィンフィルム
US20200047473A1 (en) Polyolefin microporous membrane
JP7380570B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜、電池用セパレータ、二次電池及びポリオレフィン微多孔膜の製造方法
TW201940528A (zh) 多孔性聚烯烴薄膜
JP2000248093A (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
JPH10298325A (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
JPH09326250A (ja) 電池セパレーター用複合膜
JP2002105235A (ja) ポリオレフィン製微多孔膜及びその製造方法
JP4467114B2 (ja) 積層複合膜
JPH05247253A (ja) 単一層構造の多孔質膜
JP3995467B2 (ja) ポリオレフィン製微多孔膜
JP3634397B2 (ja) 可融性多孔質膜
JPH0820659A (ja) 微多孔膜及びその製造方法並びに非水電解液電池用セパレータ