JPH0524694Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、サイド型テープ巻き機であつて、緩
いテープ巻き、強いテープ巻きを選択できるテー
プ巻き機に関する。

〔従来の技術〕

電気ケーブルの製造の際、絶縁心線を集合ある
いは撚合わせた後、テープで押え巻きが施され
る。

特に、通信ケーブルは、絶縁心線を対撚り又は
星撚りし、これを10対集合してサブユニツトと
し、サブユニツトを更に集合してユニツトとし、
更に幾つかのユニツトを集合して、その上に外周
紙（クラフト紙）をテーピングする。

このテープ巻き機Ａは、通常、第２図乃至第４
図に示すように構成されている。すなわち、撚線
機（図示せず）等からのケーブルコアａの繰出し
軸線上に、その軸方向に隔てて軸受フレーム１，
１が立設され、この両軸受フレーム１，１にケー
ブルコアａが貫通する中空軸２，２がベアリング
３を介して回転自在に設けられている。この両中
空軸２，２の対向端に固着されたフランジ４，４
間には、繰出し方向Ｐに平行な４本のカラム５が
架設され、この２本のカラム５，５（第４図にお
いて右上側と左下側）に、ケーブルコアａが貫通
するダイス６をベアリング７を介して回転自在に
支持する斜め方向のヨーク８が、軸方向に移動可
能かつ固定可能に設けられている（第１図参照）。
ヨーク８の固定は、例えば、カラム５の支持部８
ａにボルトを設けて、そのボルトをカラム５に圧
接することにより行われる。

前記撚線機側（第２図右側）の中空軸２には、
ダイス６の繰出し方向上流においてケーブルコア
ａにテープｔを繰出し・巻回するテープ保持繰出
し手段が設けられている。この手段は、中空軸２
の両側面にテープボビン９が抵抗力をもつて回転
可能に取付けられており、このボビン９からガイ
ドローラ１０を介してテープｔをケーブルコアａ
上に導き、ケーブルコアａの走行により、テープ
ｔがボビン９から繰出される。

また、撚線機側の中空軸２には、スリツプリン
グ（図示せず）を介してプーリ１１が設けられて
おり、このプーリ１１に駆動機Ｂからタイミング
ベルト１２を介し回転力が伝達されて、中空軸２
がケーブルコアａの繰出し速度に対応して回転
し、テープｔがケーブルコアａ周面に巻回され
る。駆動機Ｂは、ポテンシヨンメータ１３及び減
速機１４とから成り、この減速機１４が、撚線
機、集合機等から成るケーブルの製造ラインに沿
つて設けた各機の駆動用ラインシヤフト１５にタ
イミングベルト１６を介して連結されており、こ
のラインシヤフト１５により、テープ巻き機Ａは
駆動される。なお、１７はケーブルコアａの支持
ローラ、１８はテープ巻き機Ａの移動可能なカバ
ーである。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、このテーピングには、その対象ケー
ブルａによつて、緩くテーピングする必要がある
場合と、強く締付けるようにテーピングする必要
がある場合とがある。すなわち、ケーブルコアａ
が柔らかく撚られている場合は、テープｔの巻き
張力にケーブルコアａの撚りがまけては撚りが戻
つてこまるため、テープｔを緩く巻く必要があ
り、一方、ケーブルコアａが堅く撚られている場
合には、テープｔの巻き張力にケーブルコアａの
撚りがまけることがないため、テープｔを強く絞
るように巻付けるのが好ましい。

しかながら、従来のテープ巻き機Ａにおいて
は、このテープ巻きの強弱を、重量及び貫通抵抗
の異なるダイス６を選択的に取換えることにより
行つているため、非常に作業性が悪い。

本考案は、上記の点に鑑み、緩いテーピングと
強いテーピングの選択を容易に行い得るテープ巻
き機を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案にあつては、
前述のテープ巻き機において、ダイスを、ヨーク
に対し、選択的に固定又は回転可能にし得るよう
にしたのである。

〔作用〕 このように構成されるテープ巻き機は、ケーブ
ルコアの撚りが堅い場合は、ダイスを、ヨークに
固定してヨークとともに回転させ、その回転力で
もつて、ダイスによりテープを介在してケーブル
コアを絞りながらテーピングする。一方、柔らか
い場合には、ダイスを、ヨークに対し回転可能と
してヨークとともに回転しないようにし、ダイス
による絞り力をケーブルコアに付与することなく
テーピングする。

〔実施例〕

第２図乃至第４図に示したテープ巻き機Ａにお
いて、第１図に示すように、ヨーク８の中央にダ
イスケース２０が一体に形成され、このダイスケ
ース２０に、ベアリング７を介してダイスホルダ
ー２１及びダイス６が回転自在に取付けられてい
る。ダイス６は、ケーブルコアａの外径に対応し
たものを適宜に選択してダイスホルダー２１に装
嵌する。

ダイスケース２０とダイスホルダー２１の間に
はＬ字状の金具２２が渡され、この金具２２はダ
イスケース２０にボルト締めされており、ダイス
ホルダー２１側の孔２３にその挿入方向へスプリ
ングにより付勢されたピン２４を落し込んでダイ
スホルダー２１に挿入・固定することにより、金
具２２を介してダイスケース２０とダイスホルダ
ー２１が一体となる。すなわち、ダイス６がヨー
ク８に固定される。金具２２のダイスケース２０
及びダイスホルダー２１への取付けは、全てをボ
ルト締めにする等の他の公知の手段を採用し得
る。

この実施例においては、金具２２にピン２４を
落し込む又は引抜くことにより、ダイス６を、ヨ
ーク８に対し、選択的に固定又は回転可能とし
て、ケーブルコアａの撚り度合に対応させてテー
ピングする。

〔考案の効果〕

本考案は、以上の説明から理解できるように、
ダイスを、ヨークに対し、固定又は回転可能とす
ることにより、緩いテープ巻き、強いテープ巻き
を選択的に行なうことができる。すなわち、本考
案によれば、簡単な構造でもつて、緩・強のテー
プ巻きを行い得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るテープ巻き機の一実施
例の要部斜視図、第２図乃至第４図はテープ巻き
機の正面図、平面図及び左側面図である。 Ａ……テープ巻き機、Ｂ……駆動機、ａ……ケ
ーブルコア、ｔ……テープ、ｐ……繰出し方向、
１……軸受フレーム、２……中空軸、３……ベア
リング、４……フランジ、５……カラム、６……
ダイス、７……ベアリング、８……ヨーク、９…
…テープボビン、１０……ガイドローラ、２０…
…ダイスケース、２１……ダイスホルダー、２２
……金具、２４……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 撚線機等からのケーブルコアの繰出し軸線上
   に、その軸方向に隔てて軸受フレームを立設し、
   この軸受フレームに、前記ケーブルコアが貫通す
   る中空軸を回転自在に設け、この両中空軸対向端
   に固着されたフランジ間に前記繰出し方向に平行
   なカラムを架設し、このカラムに、前記ケーブル
   コアが貫通するダイスをベアリングを介して回転
   自在に支持するヨークを、軸方向に移動可能かつ
   固定可能に設け、前記撚線機側の中空軸には、前
   記ダイスの前記繰出し方向上流において前記ケー
   ブルコアにテープを繰出し・巻回するテープ保持
   繰出し手段を設け、かつ、その中空軸を前記ケー
   ブルコアの繰出し速度に対応して回転させる駆動
   手段を備えたテープ巻き機において、前記ダイス
   を、前記ヨークに対し、選択的に固定又は回転可
   能にし得るようにしたことを特徴とするテープ巻
   き機。