JPH05240649A - 振動型角速度検出装置 - Google Patents

振動型角速度検出装置

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JPH05240649A
JPH05240649A JP4043814A JP4381492A JPH05240649A JP H05240649 A JPH05240649 A JP H05240649A JP 4043814 A JP4043814 A JP 4043814A JP 4381492 A JP4381492 A JP 4381492A JP H05240649 A JPH05240649 A JP H05240649A
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JP
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voltage
vibration
angular velocity
phase
circuit
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JP4043814A
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Inventor
Kenji Kato
謙二 加藤
Shuichi Kosuge
秀一 小菅
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】振動型角速度検出装置において、余分な回路を
採用することなく、各圧電素子の感度やオフセット量の
変動をなくする。 【構成】車両が角速度を生じているとき、両検出用圧電
素子30a、30bが、両振動片20a、20bの振動
に伴い角速度振動電圧を発生する。増幅器51が同角速
度振動電圧を増幅振動電圧に増幅する。増幅振動電圧が
接地レベルよりも高いときにのみコンパレータ52がハ
イレベルにて比較電圧を発生する。移相回路42の移相
制御電圧が接地レベルよりも高いときにのみコンパレー
タ53がハイレベルにて比較電圧を発生する。排他的論
理和回路54が両比較電圧の排他的論理和をとりゲート
電圧を発生する。LPF60が排他的論理和回路54か
らのゲート電圧の低周波数成分をフィルタ電圧として発
生する。増幅器70がLPF60のフィルタ電圧を角速
度電圧に増幅し出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、角速度検出装置に係
り、特に、車両その他の移動体の角速度を、振動子に作
用するコリオリの力を利用して検出するに適した振動型
角速度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の振動型角速度検出装置に
おいては、特開昭62ー52410号公報に示されてい
るように、移動体の振動方向に振動するように駆動用振
動片を移動体の一部から延出させ、移動体に角速度が生
じたとき駆動用振動片とは直角方向に振動するように検
出用振動片を同駆動用振動片から延出させ、駆動用振動
片を圧電作用により振動させるように同駆動用振動片に
駆動用圧電素子を固着し、移動体の角速度を圧電変換作
用により検出するように検出用振動片に検出用圧電素子
を固着し、かつ、この検出用圧電素子と同一の特性を有
し駆動用振動片の振動を圧電変換するように同駆動用振
動片に振動参照用圧電素子を固着することによって装置
本体を構成し、移相回路により参照用圧電素子の圧電変
換出力の位相を90度ずらせるように制御し、整流回路
により振動参照用圧電素子の圧電変換出力を整流し、検
出用圧電素子の検出出力と一定の関係を有する基準値と
整流回路の整流出力との差を差動増幅回路により差動増
幅し、振動参照用振動片の圧電変換出力が一定となるよ
うに移相回路の位相制御出力と差動増幅回路の差動増幅
出力とを合成回路により合成して駆動用圧電素子に付与
し、かつ、検出用圧電素子の検出出力を位相回路の位相
制御出力に基づき同期検波回路により同期検波して角速
度出力信号として発生するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
構成においては、振動参照用圧電素子の振動振幅を上述
のように一定にすることにより、検出用圧電素子の検出
出力を移相回路の位相制御出力に基づき同期検波回路に
より同期検波し、周囲温度による各圧電変換素子の感度
の変動や検出用圧電素子の検出出力中のオフセット量の
変動を防止し得る。 しかしながら、上述のように、振
動参照用圧電素子の振動振幅を一定に制御する必要があ
るため、整流回路、差動増幅回路や合成回路等の余分な
回路を採用しなければならず、角速度検出装置としての
回路構成が複雑になるという不具合があった。また、振
幅制御の精度の向上にも一定の限界があるため、温度変
動に対し振動振幅の変動を実質的に零にすることは極め
て困難であった。その結果、各圧電素子の感度の温度変
動や検出用圧電素子の検出出力中のオフセット量の変動
を実質的に零にすることは困難であった。
【0004】そこで、本発明は、このようなことに対処
すべく、振動型角速度検出装置において、上述のような
振動振幅を一定にするというような各種の余分な回路を
採用することなく、各圧電素子の感度やオフセット量の
変動をなくするようにしようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決にあた
り、本発明の構成上の特徴は、移動体の一部に振動可能
に設けられた振動部材と、同振動部材に固着されて同振
動部材を一方向に振動させるように駆動する駆動用圧電
素子と、前記振動部材に固着されて移動体の角速度に応
じ前記振動部材に前記一方向と交差する方向に生ずる振
動を検出し角速度振動検出信号を発生する検出用圧電素
子と、前記振動部材に固着されて前記検出用圧電素子と
同一の特性を有し記振動部材の振動を検出し振動参照信
号を発生する振動参照用圧電素子と、前記振動参照信号
の位相をほぼ90度だけ移相するように制御し位相制御
出力として前記駆動用圧電素子にこれを駆動すべく付与
する位相制御手段と、前記移相制御出力に基づき前記角
速度振動検出信号を同期検波して前記角速度を表す出力
信号として発生する同期検波手段とからなる振動型角速
度検出装置において、前記移相制御出力をディジタル化
処理する第1ディジタル化処理手段と、前記角速度振動
検出信号をディジタル化処理する第2ディジタル化処理
手段と、これら第1及び第2のディジタル化処理手段か
らの両ディジタル化処理出力の排他的論理和処理をし前
記出力信号として発生する排他的論理和処理手段とによ
り、前記同期検波手段を構成するようにしたことにあ
る。
【0006】
【発明の作用・効果】このように本発明を構成したこと
により、前記駆動用圧電素子が前記位相制御手段との協
働により前記振動部材を一方向に振動している状態にお
いて、移動体に角速度が生ずると、前記検出用圧電素子
が、前記角速度に応じて前記振動部材に前記一方向と交
差する方向に生ずる振動を検出し、前記振動参照用圧電
素子が、前記検出用圧電素子と同一の特性のもとに、前
記振動部材の一方向の振動を検出し振動参照信号を発生
し、前記移相制御手段が、前記振動参照信号を、その位
相をほぼ90度だけ移相するように制御し位相制御出力
として前記駆動用圧電素子に付与する。このような状態
において、前記同期検波手段の第1ディジタル化処理手
段が前記移相制御出力をディジタル化処理し、前記第2
ディジタル化処理手段が前記角速度振動検出信号をディ
ジタル化処理し、かつ、前記排他的論理和処理手段がこ
れら第1及び第2のディジタル化処理手段からの両ディ
ジタル化処理出力の排他的論理和処理をし前記角速度を
表す同期検波出力として出力する。このため、前記同期
検波手段を前記両ディジタル化処理手段と前記排他的論
理和処理手段とにより構成するのみで、前記角速度振動
検出信号を、振幅とは無関係に位相との関連で同期検波
して前記角速度出力を得ることができるので、この種の
振動型角速度検出装置の回路構成を著しく簡単にし得る
とともに前記各圧電素子の感度やオフセット量の変動を
確実になくし得る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
ると、図1は、車両の回転角の角速度の検出に適用され
た本発明に係る振動型角速度検出装置を示している。こ
の角速度検出装置は、検出装置本体Sと、この検出装置
本体Sに接続した信号処理回路Eとによって構成されて
いる。検出装置本体Sは、金属材料から音叉形状に形成
した駆動素子10を有しており、この駆動素子10は、
その基部11にて、当該車両の車体の一部に垂設されて
いる。また、この駆動素子10は、その基部11から互
いに対向して平行に上方へ長手状に延出する一対の駆動
用板状振動片12、13を有している。
【0008】駆動素子10は、一対の駆動用圧電素子1
4a、14bと、一対の振動参照用圧電素子15a、1
5bとを備えており、駆動用圧電素子14aは、その一
方の電極にて、振動片12の左側表面に固着されて、そ
の圧電変換作用により振動片12を左右方向に振動させ
る。一方、駆動用圧電素子14bは、その一方の電極に
て、振動片13の右側表面に固着されて、その圧電変換
作用により振動片13を左右方向に振動させる。但し、
両圧電素子14a、14bの諸特性は温度特性をも含め
て互いに実質的に同一である。
【0009】また、振動参照用圧電素子15aは、その
一方の電極にて、振動片12の右側表面に固着されて、
その圧電変換作用により振動片12の振動を振動参照電
圧として検出する。一方、振動参照用圧電素子15b
は、その一方の電極にて、振動片13の左側表面に固着
されて、その圧電変換作用により振動片13の振動を振
動参照電圧として検出する。これら両圧電素子15a、
15bは、その各他方の電極にて、互いに接続されて共
通端子を形成し、この共通端子から前記振動参照電圧を
出力する。
【0010】また、検出装置本体Sは、金属材料から形
成した一対の検出用板状振動片20a、20bを有して
おり、振動片20aは、その板厚方向を振動片12の板
厚方向に直交させて、同振動片12から同軸的に上方へ
長手状に延出している。一方、振動片20bは、その板
厚方向を振動片13の板厚方向に直交させて、同振動片
13から同軸的に上方へ長手状に延出している。但し、
各振動片12、13が図1にて図示左右方向に振動した
とき、各振動片20a、20bは、当該車両の角速度に
応じたコリオリの力を受けて前後方向に振動する。
【0011】検出用圧電素子30aは、その一方の電極
にて、振動片20aの後側表面に固着されて、その圧電
変換作用により振動片20aの振動を角速度振動電圧と
して検出する。一方、検出用圧電素子30bは、その一
方の電極にて、振動片20bの後側表面に固着されて、
その圧電変換作用により振動片20bの振動を角速度振
動電圧として検出する。これら両圧電素子30a、30
bは、その各他方の電極にて互いに接続されて共通端子
を形成し、同共通端子から前記角速度振動電圧を出力す
る。但し、両圧電素子30a、30bの諸特性は温度特
性をも含めて互いに実質的に同一である。また、これら
両圧電素子30a、30bの諸特性は、上述した両圧電
素子15a、15bの諸特性と実質的に同一である。
【0012】次に、信号処理回路Eの構成について説明
すると、この信号処理回路Eは、両振動参照用圧電素子
15a、15bに接続した自励発振回路40を備えてい
る。この自励発振回路40は増幅器41を有しており、
この増幅器41は、両振動参照用圧電素子15a、15
bの共通端子からの振動参照電圧を増幅し増幅参照電圧
として発生する。移相回路42は増幅器41からの増幅
参照電圧を、その位相をほぼ90度だけ移相するように
制御し、移相制御電圧として発生する。増幅器43は、
移相回路42からの移相制御電圧を増幅し増幅移相電圧
として両駆動用圧電素子14a、14bの各他方の電極
にこれら各圧電素子14a、14bを駆動すべく付与す
る。
【0013】同期検波回路50は増幅器51を備えてお
り、この増幅器51は両検出用圧電素子30a、30b
の共通端子からの角速度振動電圧を増幅し増幅振動電圧
として発生する。コンパレータ52はその反転入力端子
にて接地されており、このコンパレータ52の非反転入
力端子は増幅器51の出力端子に接続されている。しか
して、このコンパレータ52は、増幅器51からの増幅
振動電圧が接地レベルよりも高いときにのみハイレベル
にて比較電圧を発生する。一方、コンパレータ53はそ
の反転入力端子にて接地されており、このコンパレータ
53の非反転入力端子は移相回路42の出力端子に接続
されている。しかして、このコンパレータ53は、移相
回路42からの移相制御電圧が接地レベルよりも高いと
きにのみハイレベルにて比較電圧を発生する。排他的論
理和回路54は両コンパレータ52、53からの各比較
電圧の排他的論理和をとりゲート電圧として発生する。
【0014】ローパスフィルタ60(以下、LPF60
という)は、排他的論理和回路54からのゲート電圧中
低周波成分(角速度の周波数成分に相当する)以外の周
波数成分を除去し、前記低周波数成分のみをフィルタ電
圧として発生する。増幅器70は、LPF60からのフ
ィルタ電圧を増幅し、角速度を表す角速度電圧として発
生する。
【0015】以上のように構成した本実施例において、
本発明装置を作動状態におけば、駆動素子10の両駆動
用圧電素子14a、14bが自励発振回路40との協働
のもとにその各圧電変換作用により両駆動用振動片1
2、13を駆動する。このため、各振動片12、13が
図1にて図示左右方向に振動して各検出用振動片20
a、20bをそれぞれ前後方向へ振動させる。かかる場
合、両振動参照用振動片14a、14bがその共通端子
から両振動片12、13の振動に伴い振動参照電圧を発
生すると、自励発振回路40においては、増幅器41が
同振動参照電圧を増幅振動電圧(以下、増幅振動電圧V
1 という)に増幅し、移相回路42が同増幅振動電圧の
位相をほぼ90度だけ移相するように制御して移相制御
電圧(以下、移相制御電圧V2 という)を発生し、増幅
器43が同移相制御電圧を増幅移相電圧(以下、増幅移
相電圧V3 という)に増幅して両駆動用圧電素子14
a、14bに付与する。このように、両振動参照用振動
片14a、14bからの振動参照電圧がその位相をほぼ
90度だけ移相させて両駆動用振動片14a、14bに
帰還されるので、検出装置本体Sの駆動素子10が所定
の共振周波数にて共振状態に維持される。
【0016】このような状態において、例えば、当該車
両がその走行により左回転しているとき、両検出用圧電
素子30a、30bが、その共通端子から、両振動片2
0a、20bの振動に伴い角速度振動電圧を発生する
と、同期検出回路50においては、増幅器51が同角速
度振動電圧を増幅振動電圧(以下、増幅振動電圧V4 =
V41という)に増幅する。しかして、増幅振動電圧V41
が接地レベルよりも高いときにのみコンパレータ52が
ハイレベルにて比較電圧(以下、比較電圧V6 =V61と
いう)を発生する。また、移相回路42からの移相制御
電圧V2 が接地レベルよりも高いときにのみコンパレー
タ53がハイレベルにて比較電圧(以下、比較電圧V5
という)を発生する。しかして、排他的論理和回路54
がコンパレータ52からの比較電圧V61とコンパレータ
53からの比較電圧V5 との排他的論理和をとりゲート
電圧(以下、ゲート電圧V7 =V71という)を発生す
る。すると、LPF60が、排他的論理和回路54から
のゲート電圧V71の低周波数成分をフィルタ電圧(以
下、フィルタ電圧V8 =V81という)として発生し、増
幅器70が、LPF60からのフィルタ電圧V81 を角
速度電圧(以下、角速度電圧V9=V91という)に増幅
して出力する。
【0017】一方、当該車両が右回転しているとき、両
検出用圧電素子30a、30bが、その共通端子から、
両振動片20a、20bの振動に伴い角速度振動電圧を
発生すると、増幅器51が同角速度振動電圧を増幅振動
電圧(以下、増幅振動電圧V4 =V42という)に増幅す
る。しかして、増幅器51からの増幅振動電圧V42が接
地レベルよりも高いときにのみコンパレータ52がハイ
レベルにて比較電圧(以下、比較電圧V6=V62 とい
う)を発生する。また、移相回路42からの移相制御電
圧V2 が接地レベルよりも高いときにのみコンパレータ
53がハイレベルにて比較電圧V5 を発生する。しかし
て、排他的論理和回路54がコンパレータ52からの比
較電圧V62 とコンパレータ53からの比較電圧V5との
排他的論理和をとりゲート電圧(以下、ゲート電圧V7
=V72という)を発生する。すると、LPF60が、排
他的論理和回路54からのゲート電圧V72の低周波数成
分をフィルタ電圧(以下、フィルタ電圧V8 =V82とい
う)として発生する。ついで、増幅器70が、LPF6
0からのフィルタ電圧V82を角速度電圧(以下、角速度
電圧V9=V92という)に増幅して出力する。
【0018】但し、当該車両が静止している場合には、
各振動片12、13と各振動片20a、20bとの間の
直角からの各ずれ等により各振動片20a、20bに作
用する力Fa =mαに起因して生ずるオフセット電圧が
増幅器51から増幅振幅電圧VOFFとして出力される。
従って、当該車両の左回転時には、増幅振動電圧V41
が、当該車両の角速度(以下、角速度ωという)に対応
する増幅振動電圧分(以下、増幅振動電圧Vω=Vω1
という)とオフセット電圧VOFFとを含む。一方、当該
車両の右回転時には、増幅振動電圧V42が、角速度ωに
対応する増幅振動電圧分(以下、増幅振動電圧Vω=V
ω2という)とオフセット電圧VOFFとを含む。なお、F
a =mαにおいて、符号αは各振動片20a、20bの
振動加速度を表し、また、符号mは両振動片20a、2
0bの質量を表す。
【0019】ところで、上述した検出装置本体Sの駆動
素子10の所定の共振周波数をΩとすると、その振動振
幅Lは次の数1により表される。
【0020】
【数1】L = Asin(Ωt) 但し、この数1において、符号Aは両振動片20a、2
0bの図1にて図示左右方向の振動振幅の最大値を表
す。また、振動振幅Lを検出する両振動参照用圧電素子
15a、15bの検出出力、即ち増幅器41の増幅出力
たる増幅振動電圧V1 に比例する。また、駆動素子10
の振動速度Vsは数1を時間tで微分することにより次
の数2として表される。
【0021】
【数2】Vs = AΩcos(Ωt) さらに、当該車両の角速度ωとの関連において、コリオ
リの力Fωは、次の数3により表される。
【0022】
【数3】Fω = 2mω × Vs 従って、コリオリの力Fωの位相は、増幅器51からの
増幅振動電圧中の増幅振動電圧Vω1又はVω2の位相と
等しくなる。また、コリオリの力Fωの位相は、位相回
路42からの移相制御電圧V2の位相とも等しくなる。
【0023】また、振動加速度αは数2を時間tで微分
することにより次の数4により表される。
【0024】
【数4】α = −AΩ2sin(Ωt) しかして、この振動加速度αの位相は、上述のオフセッ
ト電圧VOFF の位相と等しくなる。
【0025】以上の関係をベクトル表示すれば、図2の
ようになる。これによれば、当該車両の静止時には、増
幅参照電圧V1のベクトル値とオフセット電圧VOFFのベ
クトル値とは互いに同位相になる。また、当該車両の左
回転時には、増幅振動電圧V41のベクトル値が、増幅振
動電圧Vω1のベクトル値とオフセット電圧VOFFとのベ
クトル和で与えられる。一方、当該車両の右回転時に
は、増幅振動電圧V42のベクトル値が、増幅振動電圧V
ω2のベクトル値とオフセット電圧VOFFとのベクトル和
で与えられる。かかる場合、増幅振動電圧V41のベクト
ル値はオフセット電圧VOFFのベクトル値よりも位相角
θaだけ図2にて図示左側にずれ、一方、増幅振動電圧
V42 のベクトル値はオフセット電圧VOFFのベクトル値
よりも位相角θbだけ図2にて図示右側にずれる。
【0026】ここで、同期検波回路50を上述のように
構成した根拠について説明する。上述した数1〜数4に
おいて振幅のみを考えた場合、オフセット電圧VOFF 及
び各増幅振動電圧Vω1、Vω2は検出装置本体Sの駆動
素子10の振動振幅L(数1参照)に比例することにな
る。従って、図2にて振動振幅Lに相当する増幅参照電
圧V1がX倍に変動したとすると、オフセット電圧VOFF
及び各増幅振動電圧Vω1、Vω2もX倍に変動する。こ
のことは、振動振幅Lが変動しても、各位相角θa、θb
は変動しないことを意味する。換言すれば、角速度ωに
対する感度が、振動振幅Lが変動しても、変わらないこ
とになる。従って、オフセット電圧VOFF の振幅が変動
しても、ディジタル化により位相角のみを検出している
ため、最終のオフセット出力の変動とはならない。かか
る根拠に基づき同期検波回路50の構成を上述のように
した。なお、各位相角θa及びθbは、それぞれ、次の数
5及び数6により表される。
【0027】
【数5】θa = tan-1(Vω1/VOFF)
【0028】
【数6】θb = tan-1(Vω2/VOFF) また、上述の関係を図3(A)〜(D)及び図4(A)
〜(H)のタイムチャートにより波形的に示せば、図3
(A)(B)にて示すごとく移相制御電圧V2を増幅参
照電圧V1 よりも90度移相させた状態において、オフ
セット電圧VOFFが、当該車両の静止時には、図3
(C)の実線で示す波形にて変化する。また、当該車両
の左回転時には、増幅振動電圧Vω1 が、図3(C)の
一点鎖線で示す波形にて変化し、一方、当該車両の右回
転時には、増幅振動電圧Vω2 が、図3(C)の破線で
示す波形にて変化する。
【0029】従って、当該車両の静止時には、増幅振動
電圧V4が、オフセット電圧VOFFのみで特定され、図3
(D)の実線で示す波形で変化する。また、当該車両の
左回転時には、図3(C)のオフセット電圧VOFFと増
幅振動電圧Vω1との合成で増幅振動電圧V41として特
定され、図3(D)の一点鎖線で示す波形にて位相角θ
a だけずれて変化し、一方、当該車両の右回転時には、
図3(C)のオフセット電圧VOFFと増幅振動電圧Vω2
との合成で増幅振動電圧V42として特定され、図3
(D)の破線で示す波形にて位相角θbだけずれて変化
する。
【0030】また、コンパレータ53が移相回路42か
らの位相制御電圧を接地レベルと比較することによって
出力する比較電圧V5 は、図4(A)にて示す波形をも
つディジタル信号として変化する。コンパレータ52が
増幅器51からの増幅振動電圧V4を接地レベルと比較
することによって出力する比較電圧V6は、当該車両の
静止時にはV4=VOFFのもとに、比較電圧V6OFFとし
て、図4(B)にて示す波形をもつようにディジタル的
に変化する。また、比較電圧V6 は、当該車両の左回転
時にはV4=V41のもとに、比較電圧V61 として、図4
(C)にて示す波形をもつようにディジタル的に変化
し、一方、当該車両の右回転時にはV4=V42のもと
に、比較電圧V62として、図4(D)にて示す波形をも
つようにディジタル的に変化する。
【0031】また、両コンパレータ52、53からの各
比較電圧に対する排他的論理和回路54の排他的論理和
出力たるゲート電圧V7 は、当該車両の静止時にはゲー
ト電圧V7OFFとして、図4(E)にて示す波形をもつよ
うにディジタル的に変化する。また、また、ゲート電圧
V7は、当該車両の左回転時には、ゲート電圧V71 とし
て、図4(F)にて示す波形をもつようにディジタル的
に変化し、一方、当該車両の右回転時には、ゲート電圧
V72として、図4(G)にて示す波形をもつようにディ
ジタル的に変化する。換言すれば、ゲート電圧V71又は
V72は、ゲート電圧V7OFFに対しデューティの異なる電
圧として形成される。従って、LPF60が排他的論理
和回路54からのゲート電圧に基づき出力するフィルタ
電圧V8が増幅器70により増幅された場合、この増幅
器70から出力される角速度電圧V9 は、当該車両の静
止時には角速度電圧V9OFFとして、図4(H)にて実線
で示す直流レベルをもつ。また、角速度電圧V9 は、当
該車両の左回転時には、そのときの角速度ωに対応する
角速度電圧V91として、図4(H)にて破線で示す直流
レベルをもち、一方、当該車両の右回転時には、そのと
きの角速度ωに対応する角速度電圧V92として図4
(H)にて一点鎖線で示す直流レベルをもつ。
【0032】以上説明したように、本実施例において
は、同期検波回路50を、両コンパレータ52、53及
び排他的論理和回路54を主たる構成要素として、振幅
とは無関係に位相差のみを検出することにより同期検波
するようにしたので、この種の振動型角速度検出回路の
うちの電気回路構成の簡単化及び低コスト化を確保しつ
つオフセット出力の変動や各圧電素子の温度による感度
の変動をなくし得る。
【0033】次に、前記実施例の変形例について図5
(A)を参照して説明する。上述した各位相角θa、θb
は、各数5及び数6から分かるとおり、角速度ωに対し
て非線形な特性をもつ。本明細書の従来技術にて述べた
振動型角速度検出装置の同期検波回路においては、振動
増幅電圧Vω1又はVω2のみが整流回路により整流さ
れ、オフセット電圧VOFF はキャンセルされるため、整
流回路の整流出力の直線性が高い。従って、オフセット
電圧VOFF の位相変動が発生すると、誤差となるため、
オフセット電圧VOFFを小さくする検討がなされてい
た。
【0034】しかし、前記実施例では同期検波回路50
の排他的論理和回路54による同期検波方法では、整流
回路等に依存するすることなく、数5や数6で示す位相
角のみを検出することとなるため、オフセット電圧VOF
F を積極的に発生させ、数5や数6におけるtan
-1(Vω1/VOFF)やtan-1(Vω2/VOFF)の項の
小さいところのみを使用することにより、角速度ωに対
する直線性を向上させることができる。かかる場合、非
直線性を1(%)に抑制するためには、(Vω1 /VOF
F)及び(Vω2 /VOFF)を0.28未満とする必要が
ある。例えば、角速度ωの入力範囲を±50(度/se
c)としたとき、VOFF を179(度/sec)に対応
する値よりも大きくすれば、非直線性を1(%)以下に
できる。このときの位相角θは15.6(度)未満とな
る。
【0035】しかして、かかる観点から本変形例を提案
するものである。この変形例においては、前記実施例に
て述べた両増幅器41、51とコンパレータ52との間
にオフセット調整回路90を接続したことにその構成上
の特徴がある。オフセット調整回路90は増幅回路91
を有しており、この増幅回路91は、位相反転増幅器9
1aと両抵抗91b、91cにより、オフセット電圧V
OFF と同位相の増幅器41からの振動参照電圧V1を位
相反転増幅し反転増幅電圧V10として出力する。また、
増幅回路91は可変抵抗91dを有しており、この可変
抵抗91dは、増幅器41からの増幅参照電圧V1と位
相反転増幅器91aからの反転増幅電圧V10との比を調
整し調整比電圧として出力する。
【0036】また、オフセット調整回路90は加算器9
2を有しており、この加算器92は増幅器51からの増
幅振動電圧と可変抵抗91dからの調整比電圧とを加算
し加算電圧として発生する。増幅器93は加算器92か
らの加算電圧を増幅し加算増幅電圧V11としてコンパレ
ータ52の非反転入力端子に付与する。このため、コン
パレータ52は、前記実施例とは異なり増幅器93から
の加算増幅電圧V11を接地レベルと比較して、比較電圧
として発生する。
【0037】このように構成した本変形例において、位
相反転増幅器91aが増幅器41からの増幅参照電圧V
1 を反転増幅電圧V10として出力すると、可変抵抗91
dが増幅器41からの増幅参照電圧V1 及び位相反転増
幅器91aからの反転増幅電圧V10に基づき調整比電圧
を発生し、加算器92が増幅器51からの増幅振動電圧
V4 及び可変抵抗91aからの調整比電圧に基づき加算
電圧を発生し、増幅器93が加算器92からの加算電圧
に基づき加算増幅電圧V11を発生し、かつコンパレータ
52が増幅器93からの加算増幅電圧V11を接地レベル
と比較して比較電圧V6 を発生する。かかる場合、上述
のように精度のよい直線性を確保しつつオフセット電圧
VOFF を積極的に発生させるので、排他的論理和回路5
4による排他的論理和処理を適正になし得る。その他の
作用効果は前記実施例と同様である。
【0038】次に、前記実施例の他の変形例について図
5(B)を参照して説明すると、この他の変形例は前記
変形例と同様の観点から提案するものであるが、この他
の変形例においては、前記実施例にて述べた検出装置本
体Sにおける両振動片12、20aの各板幅方向間のず
れ角が90度よりも小さい角βとなるように振動片20
aを振動片12から同軸的に延出させるとともに、両振
動片13、20bの各板幅方向間のずれ角が角度βとな
るように振動片20bを振動片13から同軸的に延出さ
せるようにしたことにその構成上の特徴がある。その他
の構成は前記実施例と同様である。
【0039】このように構成した本変形例においては、
上述のようなずれ角βのもとに増幅器51からの増幅振
動電圧V4中にオフセット電圧VOFFを積極的に含め得る
ので、排他的論理和回路54の排他的論理和処理を前記
変形例と同様に適正に実現し得る。その他の作用効果は
前記実施例と同様である。
【0040】なお、前記実施例においては、各駆動用圧
電素子14a、14bへの増幅器43からの増幅移相電
圧V3 は正弦波波形を有していたが、これに限らず、検
出装置本体Sが一種のバンドパスフィルタとしての特性
をもっていることから、増幅移相電圧V3 を矩形波波形
を有するようにして実施してもよい。かかる場合、振動
振幅が両駆動用圧電素子14a、14bの特性に依存し
て温度等により変動することになるが、このような現象
は、本発明による同期検波回路の利用により有効に解消
し得る。
【0041】また、本発明の実施にあたっては、検出装
置本体Sの各振動片を、角柱形状或いは三角柱形状等に
形成して実施してもよい。
【0042】また、本発明の実施にあたっては、前記実
施例にて述べたディジタル処理後の排他的論理和処理等
の実施にあたっては、マイクロコンピュータ等の処理に
より実施してもよい。
【0043】また、本発明の実施にあたっては、車両に
限ることなく、船舶、航空機その他各種移動体の角速度
の検出にあたり本発明を適用して実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】図1の各主要素子の出力をベクトル表示した例
を示す説明図である。
【図3】図1の各主要素子中の一部の出力波形を示すタ
イムチャートである。
【図4】図1の各主要素子中の残余の素子の出力波形を
示すタイムチャートである。
【図5】前記実施例の一変形例を示す要部回路図及び前
記実施例の他の変形例を示す部分的平面図である。
【符号の説明】
E…信号処理回路、S…検出装置本体、10…駆動素
子、12、13,20a、20b…振動片、14a、1
4b、15a、15b、30a、30b…圧電素子、4
2…移相回路、50…同期検波回路、52、53…コン
パレータ、54…排他的論理和回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動体の一部に振動可能に設けられた振動
    部材と、 同振動部材に固着されて同振動部材を一方向に振動させ
    るように駆動する駆動用圧電素子と、 前記振動部材に固着されて移動体の角速度に応じ前記振
    動部材に前記一方向と交差する方向に生ずる振動を検出
    し角速度振動検出信号を発生する検出用圧電素子と、 前記振動部材に固着されて前記検出用圧電素子と同一の
    特性を有し記振動部材の振動を検出し振動参照信号を発
    生する振動参照用圧電素子と、 前記振動参照信号の位相をほぼ90度だけ移相するよう
    に制御し位相制御出力として前記駆動用圧電素子にこれ
    を駆動すべく付与する位相制御手段と、 前記移相制御出力に基づき前記角速度振動検出信号を同
    期検波して前記角速度を表す出力信号として発生する同
    期検波手段とからなる振動型角速度検出装置において、 前記移相制御出力をディジタル化処理する第1ディジタ
    ル化処理手段と、 前記角速度振動検出信号をディジタル化処理する第2デ
    ィジタル化処理手段と、 これら第1及び第2のディジタル化処理手段からの両デ
    ィジタル化処理出力の排他的論理和処理をし前記出力信
    号として発生する排他的論理和処理手段とにより、前記
    同期検波手段を構成するようにしたことを特徴とする振
    動型角速度検出装置。
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