JPH0524018B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、複数金種硬貨について最大累積高さ
の金種硬貨を加締めて包装しえる幅を有した透明
な材質の帯状の包装材を用いて、累積高さの異な
るそれらの複数金種硬貨をその各金種硬貨毎に包
装材の透明性を利用して内部を可視し得るように
包装する硬貨包装機に係り、特にその包装材で包
装された硬貨についての金種、金額等の金種別包
装内容の識別表示に関する。 （従来の技術） 一般に、この種の硬貨包装機に用いられる包装
材は、紙材質またはセロフアン紙およびポリエチ
レン等の合成樹脂の透明な材質のものが用いら
れ、そして、同一幅のそのような材質の包装材に
よつて複数金種硬貨を包装している。 そのため、その包装材で包装する金種硬貨が特
定されず、従つて、包装される硬貨の金種等の包
装内容をその包装材上に予め表示しておくことは
できなかつた。 そこで、硬貨の包装時において、包装材の表面
に、包装内容として金種文字表示、金種を判断す
るための金種別色分け表示（例えば10円貨は黄、
500円貨は緑といつた各金種について色を定めて
表示）、金額文字表示、金種硬貨の図柄表示、そ
れら各表示の組合せ等々のこうした表示をするよ
うにしている。 上記包装材が紙材質の場合には、例えば実公昭
53−50705号公報に記載されているように、硬貨
の包装工程で供給される包装材表面に包装されよ
うとしている金種硬貨の包装内容を印刷するよう
にしている。 しかし、包装材の供給中に包装材表面に包装内
容を印刷するため、ぶれやにじみ等が生じて鮮明
な印刷が行い難かつた。また、その包装材の多く
は印刷インキが乾かないうちに累積硬貨周面に巻
付けられ、その巻付けは累積硬貨を挾持回転させ
る包装ローラによつて行われるため、包装材表面
と包装ローラとの接触時に印刷部分が摺れて不鮮
明になり易かつた。 また、包装材が合成樹脂の透明な材質の場合に
は、硬貨の包装工程で供給される包装材表面に包
装内容を印刷しようとしても、包装材表面に印刷
インキが浸透もしくは付着しにくく印刷が困難で
あるため、その包装硬貨の包装内容を特定する表
示はなされないが、包装材の透明性を利用して硬
貨そのものによつて包装内容を識別することがで
きる。 しかし、硬貨の金種が識別できる位で、枚数お
よび金額については包装硬貨中の硬貨数を数えて
計算しなければならないため、非常に時間がかか
るとともに、正確に勘定するとは困難であつた。
また、金種の識別についても、白銅貨の様に同色
の金種硬貨が２種類以上存在する場合（100円貨、
50円貨、500円貨）、金種識別を誤り易い問題点が
あつた。 （発明が解決しようとする問題点） 上述のように、包装材が透明な材質からなる場
合には、包装時において包装硬貨の包装内容を印
刷するのは困難であるため、包装材には包装内容
を特定する表示はなされていなかつた。そのた
め、包装材の透明性を利用して識別する手段しか
なく、金種、金額等の金種別包装内容を確実に識
別するのが困難であつた。 本発明は、このような問題点に鑑みてなされた
もので、複数金種硬貨を透明な材質からなる包装
材により包装する硬貨包装機において、包装硬貨
の包装材上に金種、金額等の金種別包装内容を表
示することにより、この包装材の透明性を利用し
て内部を可視できることと表示とから金種別包装
内容を容易かつ確実に識別することができる包装
内容識別表示装置を提供することを目的とするも
のである。 〔発明の構成〕 （問題点を解決するための手段） 本発明は、複数金種硬貨について最大累積高さ
の金種硬貨を加締めて包装しえる幅を有した透明
な材質の帯状の包装材Ｗを用いて、累積高さの異
なるそれらの複数金種硬貨をその各金種硬貨毎に
包装材Ｗの透明性を利用して内部を可視しえるよ
うに包装する硬貨包装機において、上記包装材Ｗ
には、特殊液の塗布または特定温度の付与等の色
変化条件が与えられると色変化する不可逆的色変
化特性の物質、或いは色付着可能な物質により、
複数金種硬貨の各々について金種、金額、目印等
の金種別包装内容表示７４ａ〜７４ｆが表示され
た包装内容表示部７４を設けてなり、また、上記
硬貨包装機は、上記包装材Ｗの包装内容表示部７
４の包装に係る金種の金種別包装内容表示７４ａ
〜７４ｆに対し、或いはその金種別包装内容表示
７４ａ〜７４ｆ以外の全ての金種別包装内容表示
７４ａ〜７４ｆに対し、色変化条件または色付着
条件を付与して色変化させる条件付与手段５１を
備え、上記包装材Ｗの包装内容表示部７４の色変
化により包装材Ｗで包装された硬貨についての金
種、金額、目印等の金種別包装内容の識別表示を
行うものである。 （作用） 本発明では、特殊液の塗布または特定温度の付
与等の色変化条件が与えられると色変化する不可
逆的色変化特性の物質、或いは色付着可能な物質
により、複数金種硬貨の各々について金種、金
額、目印等の金種別包装内容表示７４ａ〜７４ｆ
が表示された包装内容表示部７４を設けた包装材
Ｗを使用する。 そして、この包装材Ｗを使用した硬貨の包装時
において、包装材Ｗの包装内容表示部７４の包装
に係る金種の金種別包装内容表示７４ａ〜７４ｆ
に対し、或いはその金種別包装内容表示７４ａ〜
７４ｆ以外の全ての金種別包装内容表示７４ａ〜
７４ｆに対し、条件付与手段５１で色変化条件ま
たは色付着条件を付与する。この包装材Ｗの包装
内容表示部７４の色変化により、その包装材Ｗで
包装された硬貨についての金種、金額、目印等の
金種別包装内容が表示される。 したがつて、包装硬貨は、包装材Ｗの透明性を
利用して硬貨そのものによつて包装内容を識別で
きるとともに、包装材Ｗの包装内容表示部７４の
表示から包装内容を確実に識別できる。 （実施例） 以下、本発明の構成を詳細に説明する。 まず、本発明の包装内容識別表示装置が適用さ
れる硬貨包装機の構成を説明する。 第１図ないし第３図において、１は硬貨供給機
構で、ホツパ部（図示せず）から回転円盤２上に
供給された硬貨Ｃを回転円盤２の回転による遠心
力で硬貨通路３に送り出し、移送ベルト４によつ
て硬貨Ｃは硬貨通路３上を移送され、この移送途
中において移送される硬貨Ｃが硬貨通路３の末端
に配設された計数部５のセンサによつて検出され
て計数される。そして計数部５によつて包装単位
枚数として予め設定された枚数（例えば50枚）が
計数されると、計数部５に設けたストツパ（図示
せず）が硬貨通路３内へ進出して後続する硬貨Ｃ
の移送を一時的に阻止するとともに、計数部５か
らの計数終了信号により回転円盤２、移送ベルト
４も一時的に停止される。なお、設定枚数分の硬
貨Ｃは硬貨通路３の末端から硬貨ガイド６を通じ
て放出される。また、硬貨通路３を両側に配設さ
れて通路幅を定める通路幅規制片７，７の一方は
通路幅方向に調整移動でき、計数包装したい金種
硬貨の径に対応する幅位置に調整され、また、こ
の移動する規制片７には上記計数部５が固定され
て一体的に移動調整される。 ８は金種設定部で、計数包装したい金種を選択
設定する金種摘９と、この金種摘９により回転す
る調整軸１０と、この調整軸１０に固定されて上
記一方の規制片７に当接する通路幅調整カム１１
と、調整軸１０の下端に固定されたベベルギヤ１
２とから構成され、この金種設定部８によつて金
種設定および変更時に硬貨の系、厚み、重責硬貨
高さの違い等から調整を必要とする機構の調整が
なされる。なお、金種設定は金種摘９によつて行
つているが、金種選択釦群と調整軸１０を回転さ
せる調整モータを用いて、金種選択釦操作により
各機構の金種調整を行う構成でもよい。 １４は硬貨重積部で、円筒状の重積筒１５と、
この重積筒１５の下端に臨む一対のシヤツタ板１
６，１６と、このシヤツタ板１６，１６の後端に
設けられたシヤツタ開閉機構１７とから構成され
ている。そして、硬貨通路３から１枚ずつ連続的
に送出された硬貨Ｃは硬貨ガイド６によつて重積
筒１５へ送り込まれてシヤツタ板１６，１６上に
重積され、また、シヤツタ開閉機構１７によりシ
ヤツタ板１６，１６を一時的に開放することによ
つて硬貨Ｃは重積状態で排出される。なお、重積
筒１５は単金種専用筒を用いて金種変更時に変更
後の金種筒と交換するか、或いは上記金種設定部
８の動作に連動して動作し硬貨Ｃの径に応じて重
積筒１５内の重積空間部の径が調整されるように
なつている。 １８は硬貨包装機構で、上記シヤツタ板１６，
１６の下方に近接して配置され重積硬貨の周面を
選択的に挾持可能な三個の包装ローラ１９，２
０，２１と、の包装ローラ１９，２０，２１の下
部側方の待機位置に通常位置し上記重積筒１５内
に収納した重積硬貨を包装ローラ１９，２０，２
１間に導く硬貨誘導棒２２と、この包装ローラ１
９，２０，２１に挾持された重積硬貨の周面に巻
付けられる包装材Ｗ（詳細は後述する）の重積硬
貨から突出する上下端部を加締める上下一対の加
締爪２３，２３と、包装材Ｗを包装ローラ１９，
２０，２１間の重積硬貨周面に案内する複数の包
装材ガイド（図示せず）となどから構成されてい
る。そして、硬貨誘導棒２２は、包装ローラ１
９，２０，２１の下部側方の待機位置から包装ロ
ーラ１９，２０，２１間の下部へ水平移動した後
に、包装ローラ１９，２０，２１間を上昇してシ
ヤツタ板１６，１６の下部に位置され、その直後
にシヤツタ板１６，１６の開放により放出される
重積硬貨を支承する。次にその状態で下降して重
積硬貨を包装ローラ１９，２０，２１間の包装位
置に一時的に支持し、包装終了時にさらに下方へ
移動した後に水平方向に移動退避して待機位置に
復帰するようになつている。なお、この硬貨誘導
棒２２によつて重積硬貨を包装ローラ１９，２
０，２１間の包装位置に支持する際、同一幅の包
装材Ｗに対して重積高さの異なる複数金種硬貨を
包装するため、包装材Ｗに対して重積硬貨が中央
に位置するように硬貨誘導棒２２はその支持位置
が調整可能になつており、この調整は上記金種設
定部８の操作に連動されて行われる。また、この
硬貨誘導棒２２の高さ調整は行わずとも一定高さ
状態で包装してもよい。なお、上記包装ローラ１
９，２０はその位置が固定されているとともに、
包装ローラ２１は点Ｏを中心に回動可能に設けら
れ、これら包装ローラ１９，２０，２１は図示し
ないモータによつて回転駆動されるようになつて
いる。 ２４は包装材供給部で、包装材Ｗをロール状に
巻回したロール状包装材W₀の巻芯が挿入される
支持棒２５ａと、この支持棒２５ａが垂直状に固
定されそのロール状包装材W₀の下面を支持する
回転自在な支持円板２５ｂと、この支持円板２５
ｂの外周に接触して所定の制動力を与え支持円板
２５ｂの慣性による回転を停止させる制動ローラ
２５ｃとを有するロール状包装材支持部２５が設
けられ、この包装材支持部２５から一対の包装材
供給ローラ２６，２７によつて包装材Ｗは引き出
される。そして、この引き出された包装材Ｗに臨
ますて中央を突出させて切断刃２８が配置されて
いるとともに、その包装材Ｗを上記硬貨包装機構
１８へ導く供給通路の両側に円弧状のガイド２９
およびガイド３０と、弾性を有する板ばね材質の
ガイド３１，３２とがそれぞれ設けられ、これら
ガイド２９，３０，３１，３２等を支持し、包装
材Ｗの下縁をガイドする台板３３が設けられてい
る。 ３４は包装硬貨放出装置で、上記硬貨包装機構
１８から垂直姿勢で放出される包装硬貨をその下
端側が手前となるように水平姿勢に姿勢変換して
放出する樋部３５と、この樋部３５から放出され
た包装硬貨を搬送するコンベア３６と、このコン
ベア３６により搬送される包装硬貨を受入れて水
平状態に保持するキヤリア３７と、このキヤリア
３７を上記コンベア３６の末端に臨む定位置とし
ての受入位置から略垂直上方の取出位置へ上昇さ
せるチエーン機構３８と、その取出位置において
キヤリア３７から包装硬貨を取出し受箱４０へ放
出する取出機構３９とから構成されている。そし
て、チエーン機構３８は正逆転され、その正転時
にキヤリア３７を受入位置から取出位置まで押動
させ、また、その逆転時にキヤリア３７を取出位
置から受入位置まで復動させ、その受入位置にお
いて次の包装硬貨の受入に備える。そして、この
チエーン機構３８の始動はキヤリア３７への包装
硬貨の受入検知によつて行われ、また、キヤリア
３７の往復時間は硬貨包装−サイクル時間（包装
硬貨が樋部３５へ放出されてから次の包装硬貨が
樋部３５へ放出されるまでの時間と略等しい時
間、正確には後述するカムライン軸４２の１回転
軸間）より短い時間とされている。なお、樋部３
５からキヤリア３７へ包装硬貨を搬送する手段は
コンベア３６に限られず、樋部３５からキヤリア
３７へ包装硬貨を押動させるプツシヤー機構でも
よく、また、樋部３５に直接キヤリア３７を臨ま
せてもよい。 ４１は硬貨包装動作の包装−サイクルを制御す
る制御部で、包装−サイクルで１回転するカムラ
イン軸４２と、このカムライン軸４２に固定され
る複数のカム群およびカムスイツチ群とから構成
されている。そして、そのカム群の各カムの構成
は、カム４３はカムライン軸４２の１回転キープ
スイツチSW₁（SW₁〜SW₃は第２図参照）の作動
用カム、カム４４は上記供給ローラ２６，２７の
回転時間を制御する供給スイツチSW₂の作動用カ
ム、カム４５は後述する包装内容識別表示装置の
条件付与手段５１のペン作動スイツチSW₃の作動
用カム、カム４６は上記シヤツタ開閉機構１７の
作動用カム、カム４７は上記移動可能包装ローラ
２１を移動させ位置固定包装ローラ１９，２０と
の間に重積硬貨を挾持させる包装ローラ移動制御
カム、カム４８は上記加締爪２３，２３を相互に
接離する方向に移動させるカム、カム４９は上記
硬貨誘導棒２２の水平方向の移動を制御するカム
である。また、カムライン軸４２には上記カム群
の外に図示しない複数のカム（例えば、加締爪２
３，２３の水平移動を制御するカム、硬貨誘導棒
２２の垂直方向の移動を制御するカム等）が固定
される。またカムライン軸４２には図示しないモ
ータから回転を受けて回転するギヤ５０が固定さ
れている。 次に、包装内容識別表示装置について説明す
る。 ５１は条件付与手段で、この条件付与手段５１
の条件付与部としてのペン５２は上記供給ローラ
２６の側面に臨ませて設けられている。このペン
５２は特殊液を内蔵するペン本体５２ａと、この
ペン本体５２ａから突出するフエルト製のペン先
部５２ｂとからなり、このペン本体５２ａは円筒
状スライド棒５３の大径円筒部５３ａに挿入さ
れ、大径円筒部５３ａの先端部（第２図下側）で
ペン本体５２ａの前端が位置止めされ、また、大
径円筒部５３ａの前端には小径円筒部５３ｂが貫
通開口され、上記ペン先部５２ｂが貫通してスラ
イド棒５３前端より突出している。そして、スラ
イド棒５３はその後端にフランジ部５３ｃが形成
され、このフランジ部５３ｃの背面は縦長板状の
当板５４にねじ止めされている。なお、ペン５２
の装着はペン５２をスライド棒５３の大径円筒部
５３ａに挿入した後当板５４にねじ止めすること
によつて保持固定でき、このペン５２の着脱はペ
ン５２の取換え時、または、ペン５２が液補給式
の場合は補給時に行われる。そして、スライド棒
５３はシリンダ５５に貫通開口されたシリンダ円
筒部５５ａに摺動可能に挿入され、通常このスラ
イド棒５３は、ペン先部５２ｂがシリンダ円筒部
５５ａ内に臨んだ位置（第２図実線位置）にあ
る。また、このシリンダ５５の前端には観音開き
する一対のシヤツタ５６，５６が揺動可能に設け
られ、常時図示しない捩りばねの付勢力によりシ
リンダ円筒部５５ａを閉塞状態にあり、これによ
りペン先部５２ｂが位置するシリンダ円筒部６６
ａ内の空間は気密状態になり、ペン先部５２ｂか
ら特殊液の蒸発が防止される。また、シリンダ５
５の背面には弾性を有する緩衝体５７が取着さ
れ、スライド棒５３が前方向に移動してそのフラ
ンジ部５３ｃがシリンダ５５に当接した時の衝撃
を緩和させる役目をする。なお、上記台板３３に
は当板５４の下端との緩衝を防止するため切欠孔
３３ａが形成されている。 ５８は可動台で、上面に上記シリンダ５５の下
面が固定され、この可動台５８には上記台板３３
とこの台板３３の上方に位置する小台板３３′と
の間に垂直状に固定された２本のガイド棒５９，
５９が挿通され、このガイド棒５９，５９に沿つ
て可動台５８は垂直方向に水平移動が可能であ
る。そして、この可動台５８のガイド棒５９，５
９が挿通する側の端面には従動子６０が回動自在
に軸支され、この従動子６０は支軸６１を中心に
揺動する調整レバー６２の先端上面に載置されて
いる。この調整レバー６２の先端側は図示しない
ばねにより常時下方に付勢され、また、この調整
レバー６２の中間部側面に従動子６３が回動自在
に軸支され、この従動子６３は可動台高さ調整カ
ム６４上に載置されている。この高さ調整カム６
４は調整軸６５の左端に固定され、調整軸６５の
右端には上記金種設定部８のベベルギヤ１２と噛
合うベベルギヤ６６が固定されており、上記金種
摘９の選択回転動作により軸１０、ベベルギヤ１
２，６６、調整軸６５を通じて高さ調整カム６４
の金種対応したカム面が従動子６３と接触して調
整レバー６２が揺動し、従動子６０を通じて可動
台５８およびこの可動台５８に取付けられたペン
５２等は上下動し金種対応した高さ位置に調整さ
れる。 ６７は上記当板５４の背面に当接し自由回転す
る接触子で、この接触子６７は台板３３上に固定
された支軸６８を中心に揺動する可能レバー６９
の先端に回動自在に軸支されており、この可動レ
バー６９の中間部背面には台板３３上に固定され
たソレノイドSDのプランジヤ７０の先端が当接
する。また、可動レバー６９の先端部近傍の背面
側には可動レバー６９の背面が当接し揺動位置を
規制するストツパピン７１が設けられ、また、上
記当板５４の後端と台板３３との間に引張ばね７
２が張設されており、この引張ばね７２より当板
５４、接触子６７を介して可動レバー６９はスト
ツパピン７１に当接した位置が通常位置とされ、
かつ、スライド棒５３も可動レバー６９、接触子
６７により当板５４の位置規制がなされて第２図
実線位置が通常位置となつている。そして、ソレ
ノイドSDが励磁されるとプランジヤ７０が前方
へ突出して、ペン先部５２ｂおよびスライド棒５
３の先端がシヤツタ５６，５６を押し開いて進出
し、このペン先部５２ｂが供給ローラ２６の周面
に位置する包装材Ｗ面と接触（第２図想像線位
置）し、また、ソレノイドSDが非励磁となると、
引張ばね７２の付勢力によりペン５２およびスラ
イド棒５３等は通常位置（第２図実線位置）に復
帰する。このソレノイドSDの励磁期間即ちペン
先部５２ｂの塗布期間は上記制御部４１のカム４
５により作動されるスイツチSW₃によつて制御さ
れ、カム４５が定位置から回転（第２図矢印方
向）を始めてスイツチSW₃がオン接点に切替えら
れるまでの100°の期間であり、包装材供給期間
（カム４４によるスイツチSW₂のオン接点への切
替により供給ローラ２６，２７が駆動される120°
の期間）より短い期間に設定してあり、この理由
は後述する。なお、当板５４の上下方向の長さ寸
法は金種調整移動によつて最上昇位置および最下
降位置に移動した場合にも、常に接触子６７が接
触しえるに十分な長さとされる。 次に、包装材Ｗについて第４図を参照して説明
する。 包装材Ｗは、透明なセロハン紙または合成樹脂
で透明材質の一軸延伸高密度ポリエチレンフイル
ム等の材質（もしくは、不透明な紙材質）にて偏
平かつ長尺に形成されている。この包装材Ｗの供
給ローラ２６と接触する面の反対面、即ちローラ
状包装材W₀のローラ状外面には包装内容表示部
７４が印刷され、この包装内容表示部７４は目印
としての矢印模様の各金種別包装内容表示７４
ａ，７４ｂ，７４ｃ，７４ｄ，７４ｅ，７４ｆが
包装材Ｗの幅方向の異なる位置に印刷されて構成
されている。そして、その印刷、即ち各金種別包
装内容表示７４ａ〜７４ｆの矢印模様の印刷は無
色透明のグラビアタイプ特殊インキで印刷されて
おり、その各矢印模様は印刷段階では無色透明で
可視できないが水性タイプ無色ペン５２によつて
特殊液が塗布されると、塗布された矢印模様が例
えば赤色に発色する。また、この各金種別包装内
容表示７４ａ〜７４ｆの各矢印方向に対応させた
側部に包装内容可視表示部７５の各金種金額可視
表示７５ａ，７５ｂ，７５ｃ，７５ｄ，７５ｅ，
７５ｆが文字および数字形態で、か可視できる通
常の印刷形態（例えば緑色に印刷）で印刷されて
おり、上述の赤色に発色した矢印模様が指す金種
金額可視表示７５ａ〜７５ｆのいずれかの文字お
よび数字を読みとることにより金種および金額を
識別することができる。 次に、各金種硬貨に対する包装材Ｗの各金種別
包装内容表示７４ａ〜７５ｆおよび各金種金額可
視表示７５ａ〜７５ｆの印刷位置、印刷ピツチ等
について具体的数字を示して説明する。 各金種硬貨と包装材Ｗの各表示に関する寸法関
係を次の表に示す。

〔発明の効果〕

本発明によれば、複数金種硬貨を透明な材質か
らなる包装材により包装する硬貨包装機におい
て、包装材上に特殊液の塗布または特定温度の付
与等の色変化条件が与えられると色変化する不可
逆的変化特性の物質、或いは色付着可能な物質に
よつて金種別包装内容を示す包装内容表示部を設
け、かつ、この包装材の包装内容表示部の包装に
係る金種の金種別包装内容表示に対し、或いはそ
の金種別包装内容表示以外の全ての金種別包装内
容表示に対し、色変化条件または色付着条件を付
与して色変化をさせる条件付与手段を備えたの
で、この包装材の包装内容表示部の色変化によ
り、その包装材で包装された硬貨について金種、
金額、目印等の金種別包装内容を表示でき、した
がつて、包装硬貨は、包装材の透明性を利用して
硬貨そのものによつて包装内容を識別できるとと
もに、包装材の包装内容表示部の表示から包装内
容を確実に識別することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本発明の硬貨包装機の包
装内容識別表示装置の実施例を示し、第１図は硬
貨包装機の斜視図、第２図はその平面図、第３図
は条件付与手段の斜視図、第４図は包装材の正面
図であり、第５図ａ，ｂ，ｃ，ｄはロール状包装
材の巻き方向および重積硬貨への包装材の巻き付
け方向の例を示す説明図、第６図ないし第１３図
は本発明の包装材の第１変形例ないし第８変形例
を示す正面図、第１４図ないし第１７図は本発明
の条件付与手段の変形例を示し、第１４図は第１
変形例の平面図、第１５図は第２変形例の平面
図、第１６図は第３変形例の正面図、第１７図は
その側面図であり、第１８図ないし第２０図はモ
ード選択切替回路を設けた回路図である。 ８……金種設定部、１９，２０，２１……包装
ローラ、４０……受箱、５１……条件付与手段、
５２……条件付与部としてのペン、７４……包装
内容表示部、７４ａ，７４ｂ，７４ｃ，７４ｄ，
７４ｅ，７４ｆ……金種別包装内容表示（目印）、
SW₄……モード選択切替回路としてのモードスイ
ツチ、Ｗ……包装材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数金種硬貨について最大累積高さの金種硬
   貨を加締めて包装しえる幅を有した透明な材質の
   帯状の包装材を用いて、累積高さの異なるそれら
   の複数金種硬貨をその各金種硬貨毎に包装材の透
   明性を利用して内部を可視しえるように包装する
   硬貨包装機において、 上記包装材には、特殊液の塗布または特定温度
   の付与等の色変化条件が与えられると色変化する
   不可逆的色変化特性の物質、或いは色付着可能な
   物質により、複数金種硬貨の各々について金種、
   金額、目印等の金種別包装内容表示が表示された
   包装内容表示部を設けてなり、 上記硬貨包装機は、上記包装材の包装内容表示
   部の包装に係る金種の金種別包装内容表示に対
   し、或いはその金種別包装内容表示以外の全ての
   金種別包装内容表示に対し、色変化条件または色
   付着条件を付与して色変化させる条件付与手段を
   備え、 上記包装材の包装内容表示部の色変化によりそ
   の包装材で包装された硬貨についての金種、金
   額、目印等の金種別包装内容の識別表示を行うこ
   とを特徴とする硬貨包装機の包装内容識別表示装
   置。 ２ 包装内容表示部の各金種別包装内容表示は、
   包装材の幅方向の異なる位置に各々表示され、か
   つ、条件付与手段は、上記包装材の幅方向に移動
   調整可能な１個の条件付与部を備えたこと特徴と
   する特許請求の範囲第１項に記載の硬貨包装機の
   包装内容識別表示装置。 ３ 条件付与手段の条件付与部は、包装金種を指
   定する金種設定部の操作に連動させて移動調整さ
   せることを特徴とする特許請求の範囲第２項に記
   載の硬貨包装機の包装内容識別表示装置。 ４ 条件付与手段は、硬貨を包装する１サイクル
   中にそのサイクルに供給される包装材の包装内容
   表示部に対し条件付与を行うことを特徴とする特
   許請求の範囲第１項ないし第３項に記載の硬貨包
   装機の包装内容識別表示装置。 ５ 条件付与手段は、包装ローラ間から放出され
   る包装硬貨が受箱に放出させる放出経路上に配設
   され、包装硬貨の包装材の包装内容表示部に対し
   て条件付与を行うことを特徴とする特許請求の範
   囲第１項に記載の硬貨包装機の包装内容識別表示
   装置。 ６ 条件付与手段は、モード選択切替回路により
   その条件付与動作が可能ないし不能に制御される
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし第
   ５項に記載の硬貨包装機の包装内容識別表示装
   置。 ７ 包装内容表示部の金種別包装内容表示は、可
   視できる色変化しない物質で示された金種または
   金額等の各文字表示に対応させて設けた目印と
   し、包装に係る金種の目印に対して条件付与手段
   が条件付与することを特徴とする特許請求の範囲
   第１項に記載の硬貨包装機の包装内容識別表示装
   置。 ８ 包装材は、この包装材の一方面に金種別包装
   内容表示の目印が描かれ、包装材の他方面に上記
   各目印に対応させて金種または金額の文字記号表
   示が描かれ、包装に係る金種の上記目印に対し条
   件付与手段が条件付与することを特徴とする特許
   請求の範囲第７項に記載の硬貨包装機の包装内容
   識別表示装置。