JPH05240160A - 可変容量斜板式圧縮機 - Google Patents

可変容量斜板式圧縮機

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JPH05240160A
JPH05240160A JP4045750A JP4575092A JPH05240160A JP H05240160 A JPH05240160 A JP H05240160A JP 4045750 A JP4045750 A JP 4045750A JP 4575092 A JP4575092 A JP 4575092A JP H05240160 A JPH05240160 A JP H05240160A
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JP
Japan
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swash plate
piston
sleeve
displacement
support
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Application number
JP4045750A
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English (en)
Inventor
Kunihiko Takao
邦彦 高尾
Isao Hayase
功 早瀬
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピストンストロークあるいは斜板傾転角に対
応して変位する部材の変位を直接に検出可能とする。 【構成】 ピストン31を駆動するピストンサポート2
1と、ピストンサポート21を揺動させる斜板12を揺
動角を変えて支持するサポートスリーブ25と、斜板1
2を主軸13に対する傾転角を変えて支持する斜板スリ
ーブ15とを備え、ピストンのストロークあるいは斜板
の傾転角に対応して変位する部材の変位量を検出し、さ
らにストローク検出手段により検出した信号をもとに圧
縮機あるいは圧縮機を駆動する駆動源を制御する。 【効果】 簡単な構造で精度及び信頼性のよいピストン
ストロークが計測でき、しかも容量制御性に優れてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用空気調和装置
の冷媒ガスの圧縮等に用いられる可変容量斜板式圧縮機
に係り、特にピストンのストロークを検出するのに好敵
な可変容量斜板式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の可変容量斜板式圧縮機におけるピ
ストンストロークの検出手段は、例えば実開平2-24081
号公報に記載されているように、コントロールピストン
の変位をリンク機構を介して差動トランス式ストローク
センサで検出している構造が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の可変容量斜板式
圧縮機にあっては、主軸とともに回転するスリーブの変
位を、制御プレートやアンギュラボール軸受を介して非
回転部材であるコントロールピストンの変位に変換し、
さらにこの変位をリンク機構を用いて検出し、その変位
を検出する差動トランス式ストロークセンサを圧縮機の
外郭部に設けていることから、ピストンストロークの検
出方法及び構成が複雑になり、圧縮機の外径寸法が大き
くなっている。また、連動部材の支軸の位置によっては
制御ピストンの軸方向変位に対して位置検出器で検出す
る連動部材の他端の変位が小さくなり、検出精度が低下
する等の問題点を有している。
【0004】本発明の目的は、従来技術のもつ問題点を
解消するためになされたものであり、ピストンストロー
クの検出精度を向上させるとともに、簡単でコンパクト
な構成でしかも信頼性の良いピストンストロークを検出
でき、圧縮機の容量制御性を向上し、消費動力を小さく
することができる可変容量斜板式圧縮機を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る可変容量斜板式圧縮機は、ピストン
と、ピストンを駆動するピストンサポートと、主軸によ
り回転されかつ主軸に対する傾転角を変えてピストンサ
ポートを揺動させる斜板と、斜板を支持し摺動可能な斜
板スリーブと、斜板スリーブを介してピストンサポート
と連結するサポートスリーブとを備え、斜板の傾転角を
変えて容量制御を行う可変容量斜板式圧縮機において、
ピストンのストロークまたは斜板の傾転角に対応して変
位する部材の変位量を検出する手段を設けた構成とす
る。
【0006】そして変位する部材は、サポートスリーブ
で形成され、検出する手段は、サポートスリーブの変位
量を検出するものである構成でもよい。
【0007】また変位する部材は、斜板スリーブで形成
され、検出する手段は、斜板スリーブの変位量を検出す
るものである構成でもよい。
【0008】さらに変位する部材は、ピストンサポート
で形成され、検出する手段は、ピストンサポートの変位
量を検出するものである構成でもよい。
【0009】そしてピストンと、ピストンを駆動するピ
ストンサポートと、主軸により回転されかつ主軸に対す
る傾転角を変えてピストンサポートを揺動させる斜板
と、斜板を支持し摺動可能な斜板スリーブと、斜板スリ
ーブを介してピストンサポートと連結するサポートスリ
ーブとを備え、斜板の傾転角を変えて容量制御を行う可
変容量斜板式圧縮機において、サポートスリーブに検出
ロッドを設け、検出ロッドの変位量を検出する手段を設
けた構成でもよい。
【0010】またピストンと、ピストンを駆動するピス
トンサポートと、主軸により回転されかつ主軸に対する
傾転角を変えてピストンサポートを揺動させる斜板と、
斜板を支持し摺動可能な斜板スリーブと、斜板スリーブ
を介してピストンサポートと連結するサポートスリーブ
とを備え、斜板の傾転角を変えて容量制御を行う可変容
量斜板式圧縮機において、サポートスリーブと連動させ
て設けた検出ロッドを外部に取り出し、検出ロッドの変
位量を検出する手段を外部に設けた構成でもよい。
【0011】さらにピストンと、ピストンを駆動するピ
ストンサポートと、主軸により回転されかつ主軸に対す
る傾転角を変えてピストンサポートを揺動させる斜板
と、斜板を支持し摺動可能な斜板スリーブと、斜板スリ
ーブを介してピストンサポートと連結するサポートスリ
ーブとを備え、斜板の傾転角を変えて容量制御を行う可
変容量斜板式圧縮機において、斜板スリーブと連動させ
て設けた検出ロッドを主軸を介して外部に取り出し、検
出ロッドの変位量を検出する手段を外部に設けた構成で
もよい。
【0012】そしてピストンと、ピストンを駆動するピ
ストンサポートと、主軸により回転されかつ主軸に対す
る傾転角を変えてピストンサポートを揺動させる斜板
と、斜板を支持し摺動可能な斜板スリーブと、斜板スリ
ーブを介してピストンサポートと連結するサポートスリ
ーブとを備え、斜板の傾転角を変えて容量制御を行う可
変容量斜板式圧縮機において、サポートスリーブに検出
ロッドを設け、検出ロッドの変位量を検出する手段は、
ピストンサポートの回転を防止しサポートスリーブに挿
着されたスライドピンに設けた変位計である構成でもよ
い。
【0013】またピストンと、ピストンを駆動するピス
トンサポートと、主軸により回転されかつ主軸に対する
傾転角を変えてピストンサポートを揺動させる斜板と、
斜板を支持し摺動可能な斜板スリーブと、斜板スリーブ
を介してピストンサポートと連結するサポートスリーブ
とを備え、斜板の傾転角を変えて容量制御を行う可変容
量斜板式圧縮機において、サポートスリーブに検出ロッ
ドを設け、検出ロッドの変位量を検出する手段は、ピス
トンサポートの回転を防止しサポートスリーブに挿着さ
れたスライドピンに設けた変位計である構成でもよい。
【0014】さらにピストンと、ピストンを駆動するピ
ストンサポートと、主軸により回転されかつ主軸に対す
る傾転角を変えてピストンサポートを揺動させる斜板
と、斜板を支持し摺動可能な斜板スリーブと、斜板スリ
ーブを介してピストンサポートと連結するサポートスリ
ーブとを備え、斜板の傾転角を変えて容量制御を行う可
変容量斜板式圧縮機において、サポートスリーブに被検
出体を設け、被検出体の変位量を検出する変位計を被検
出体に対向させて配設した構成でもよい。
【0015】そしてピストンのストロークまたは斜板の
傾転角に対応して変位する部材の変位量を検出する手段
と、その検出信号を増幅する手段と、その増幅した信号
を入力し駆動源の回転速度制御を行う駆動源の制御回路
とを備えた構成でもよい。
【0016】また斜板の傾転角を変える制御弁と、ピス
トンのストロークまたは斜板の傾転角に対応して変位す
る部材の変位量を検出する手段と、その検出信号を増幅
する手段と、その増幅した信号を入力し制御弁を制御す
る手段とを備えた構成でもよい。
【0017】さらにピストンのストロークまたは斜板の
傾転角に対応して変位する部材の変位量を検出する手段
は、変位計またはスリップリングである構成でもよい。
【0018】そして自動車においては、請求項1〜12
のいずれか1項記載の可変容量斜板式圧縮機を備えた自
動車において、エンジンおよび可変容量斜板式圧縮機の
少なくともいずれか一方の回転速度信号を入力し、いず
れか一方の回転速度が予め決められた回転速度を越える
際に可変容量斜板式圧縮機の容量を減少させる制御手段
を有する構成とする。
【0019】
【作用】本発明によれば、ピストンのストロークあるい
は斜板の傾転角に対応して変位する部材、例えばピスト
ンサポートを揺動支持するサポートスリーブの変位、主
軸上を摺動し斜板を回転支持する斜板スリーブの変位、
揺動運動するピストンサポート等の変位を直接検出する
ため、ピストンストロークが確実かつ簡単に計測され
る。
【0020】また、サポートスリーブの変位を検出する
構成においては、圧縮機容量の変化にともないサポート
スリーブは、斜板スリーブ上を主軸方向に摺動するもの
の主軸回りには回転しないため、検出精度と信頼性が向
上される。
【0021】さらに、ピストンのストローク検出手段に
より検出した信号を基に圧縮機あるいは圧縮機を駆動す
る駆動源が制御されるため、幅広い統合制御が行えると
ともに圧縮機の容量制御性が向上され、しかも消費動力
を小さくするような空調システムを構築できる。
【0022】
【実施例】本発明の第一の実施例を図1〜図5を参照し
ながら説明する。図1及び図2は、本実施例の可変容量
斜板式圧縮機の全体構造を示したもので、図1はピスト
ンストロークが最大、つまり斜板傾転角度が最大となっ
ている状態を示しており、図2は斜板傾転角度が最小と
なっている状態を示したものである。図3は図2のA−
A線断面図である。図4および図5はサポートスリーブ
組立体を示す断面図であり、図4は図2のB−B線断面
図であり、図5は図4のC−C線断面図である。
【0023】ハウジングはフロントハウジング1及びシ
リンダブロック2とからなる。すなわち、円筒状のシリ
ンダブロック2の一端側には、お椀状のフロントハウジ
ング1が設置されて固定されている。これらの断面中央
部には両端に設けたラジアル針状ころ軸受18、19を
介して主軸13が回転自在に支承されており、フロント
ハウジング1内には斜板12を収納する斜板室10が形
成されている。シリンダブロック2内には主軸13を中
心として主軸と平行に複数のシリンダ33(本実施例で
は6個)が円周方向に配置されている。
【0024】主軸13には圧入あるいはピンまたは塑性
結合などによりドライブプレート14が固定されてい
る。このドライブプレート14には耳部141が形成さ
れ、この耳部141に球面座142が設けられている。
球面座142には、半球シュー16が摺動可能に取り付
けられている。また、ドライブプレート14の耳部14
1と斜板12の耳部(図示せず)とは互いに側面が接触
するとともに、離脱しないような構造となっている。こ
れにより、主軸13の回転によりドライブプレート14
の耳部141から斜板耳部に回転力が与えられ、斜板1
2が回転する。
【0025】主軸13には、斜板スリーブ15が主軸1
3に対して軸方向に摺動可能に組み込まれており、斜板
スリーブ15と斜板12とは、斜板スリーブピン17に
よって結合されている。
【0026】ピストンサポート21の内側には外輪22
が挿入されており、その外輪22の内側にはさらに内輪
23が配置され、これらの部材はサポートスリーブピン
24によって連結されている。サポートスリーブピン2
4は、内輪23及び外輪22と接する部分はその断面が
円筒形状であるが、ピストンサポート21との接触部分
は主軸13の軸方向に平行な二面幅を有しており、ピス
トンサポート21と外輪22との間でサポートスリーブ
ピン24の軸回りの回転を防止している。一方、内輪2
3とサポートスリーブ25とはサポートスリーブピン2
6によって締結されている。したがって、上記サポート
スリーブピン24及びサポートスリーブピン26によっ
て自在継手を構成している。なお変位する部材は、サポ
ートスリーブ、斜板スリーブ又はピストンサポートで形
成される。
【0027】以上のように構成されたピストンサポート
21と斜板12とは、斜板スリーブ15を介してサポー
トスリーブ25に連結されている。すなわち、斜板スリ
ーブ15は、弾性体27及びバネ支持軸受28を介して
サポートスリーブ25に機械的に連結されるとともに、
転がり軸受29によって両者間を転がり対遇としてい
る。弾性体27は、斜板12と斜板スリーブ15、斜板
12とピストンサポート21とに予圧を与えるためのも
のである。斜板12と斜板スリーブ15とは、弾性体2
7の弾性力によって、斜板スリーブ15を図1の右方向
に押しつけられて、斜板スリーブピン17を介して斜板
12を右方向に押しつけることになり、その結果、斜板
12と斜板スリーブ15とが互いに離脱することなく、
しかも斜板12は斜板スリーブピン17を中心として傾
転運動を行う。一方、斜板12とピストンサポート21
とは、弾性体27によってサポートスリーブ25を左方
向に押す力が発生する。その弾性力はサポートスリーブ
25→サポートスリーブピン26→内輪23→サポート
スリーブピン24→外輪22→ピストンサポート21の
順に作用し、その結果、ピストンサポート21を左方
向、すなわち斜板12側に押しつけることとなり、ピス
トンサポート21が斜板12から離れることを防止して
いる。また、斜板12とピストンサポート21の間には
スラスト軸受30が設けられており、斜板12の回転を
容易にしている。
【0028】サポートスリーブ25の外周面には軸方向
に∪所部251が形成されており、∪所部251がシリ
ンダブロック2の軸受ハウジング201に固定されたス
ライドピン60上を軸方向に滑動可能になっている。こ
れにより前記ピストンサポート21が主軸13の回りに
回転しないよう軸回りの運動を規制している。ピストン
サポート21には、ロッド323の両端にボール32
1、322を有する複数個のコンロッド32の一端が、
ボール321の中心回りに回転自在に取り付けられ、他
端にはボール322の中心回りに回転自在にピストン3
1が取り付けられている。
【0029】複数個のピストン31は、シリンダブロッ
ク2に設けられた複数個のシリンダ33に組み込まれて
いる。ピストン31には、ピストンリング34、35が
装着されている。また、シリンダブロック2には、吸入
弁板5、シリンダヘッド4、吐出弁板6、パッキン7、
リアカバ3とが配置され、ドライブプレート14、斜板
12、ピストンサポート21などを取り囲むように配置
されたフロントハウジング1と一体に、ボルト(図示せ
ず)などでリアカバ3に固定されている。フロントハウ
ジング1とシリンダブロック2との気密はOリング38
により、リアカバ3とシリンダブロック2との気密はO
リング39で保たれている。
【0030】リアカバ3には吸入口(図示せず)と吐出
口(図示せず)が設けられている。この吸入口(図示せ
ず)は吸入通路302とつながり、制御弁400を経て
吸入室8につながっている。この吸入室8及び吐出室9
はそれぞれ吸入弁板5と吐出弁板6を介して各々吸入ポ
ート401と吐出ポート402に通じている。これらの
吸入ポート401と吐出ポート402は各々シリンダ3
3に対応してシリンダヘッド4に設けられている。
【0031】制御弁400の上流側とフロントハウジン
グ1内の斜板室10とは、リアカバ3、止めピン75及
び主軸13後端部のラジアル針状コロ軸受18などの隙
間により連通しており、同一圧力となっている。また、
制御弁400の下流側は吸入室8に通じている。
【0032】つぎに制御弁400の構造について説明す
る。
【0033】ピストン状のメインバルブ410は、吸入
通路302と吸入室8を結ぶ流路中間に配置され、メイ
ンバルブ410、メインバルブばね412とともにメイ
ンバルブケース411内に挿入されている。メインバル
ブケース411はOリング414、415及びフタ43
5によってリアカバ3に気密及び固定されており、メイ
ンバルブ410と共に制御弁下流側の流路413を形成
している。前記メインバルブばね412によりメインバ
ルブ410の開度が増加するように付勢されている。メ
インバルブばね412の反対側には、ベローズ420を
収納するベローズ室421が形成されており、ベローズ
室421と吸入通路302は均圧孔422で連通してい
る。ベローズ室421を形成しているケース423の外
壁とリアカバ3には均圧孔424が設けられており、リ
アカバ3に設けられた連通路303と通じている。
【0034】パイロットバルブ430は、パイロットバ
ルブばね431でベローズ420側に付勢されている。
ベローズ420には、ベローズばね425がベローズ4
20を縮める方向に付勢するように設置されている。パ
イロットバルブばね431を介してヘッドスプリング4
51を有するプランジャ450が設置されており、プラ
ンジャ450の回りに電磁コイル452が形成されてい
る。
【0035】パイロットバルブ430が設けられている
パイロットバルブ室432は、連通孔433、434及
び304によって吐出室9と連通していると共に、パイ
ロットバルブ430を介して連通路440によってメイ
ンバルブ410の頭部と連通している。
【0036】圧縮機の最小容量の規制は、図2に示すよ
うにサポートスリーブ25のシリンダヘッド4側端部2
52をシリンダブロック2の軸受ハウジング201の斜
板室10側端部202に接触させることにより行ってい
る。また、最大容量の規制は、ドライブプレート14に
設けられた傾転規制座(図示せず)と、斜板12の傾転
規制座(図示せず)とが接触する。このとき、互いに接
触する部材以外には適当な間隙を設けているため各部材
が接触することを回避している。
【0037】ガスを圧縮する際に主軸13に作用するス
ラスト力(軸方向の力)は、前記ドライブプレート14
を経てフロントハウジング1との間に設置したスラスト
軸受42で支持される。該スラスト軸受42のフロント
ハウジング1側のスラストレースは球面形状を有してい
る。主軸13に作用するラジアル力(半径方向の力)
は、フロントハウジング1及びシリンダブロック2の軸
受ハウジング201に設けられた2個のラジアル針状コ
ロ軸受19及び18で支持される。
【0038】以上の構成とすることにより、エンジン
(図示せず)により圧縮機の主軸13が駆動されると、
ドライブプレート14、斜板12が回転し、主軸13の
回転軸に対しピストンサポート21が揺動運動を行う。
これによりピストン31がシリンダ33内を往復運動す
ることによって、冷凍サイクル(図示せず)から帰還し
た冷媒は、吸入口(図示せず)内に流入し、制御弁40
0で適正な圧力に制御(減圧)され、制御弁400上流
の圧力すなわち、斜板室10における圧力との間に適正
な制御差圧をもって、リアカバ3内に形成された吸入室
8に導入される。そして、シリンダヘッド4の吸入ポー
ト401、吸入弁板5を経て、シリンダ33内に流入
し、吸入行程を終了する。ピストン31により圧縮され
た冷媒は、シリンダヘッド4の吐出ポート402、吐出
弁板6を経て、リアカバ3内に形成される吐出室9に排
出され、吐出口(図示せず)から冷凍サイクル(図示せ
ず)に送り出される。
【0039】つぎに、容量制御のメカニズムについて説
明する。蒸発器(図示せず)の熱負荷が減少すると、圧
縮機の吸入圧力、すなわち吸入通路302内の圧力が低
下するためベローズ420が伸長する。その結果、パイ
ロットバルブ430が開いて、パイロットバルブ室43
2内の吐出圧力が連通路440を介してメインバルブ4
10の頭部に作用し、メインバルブ410を押し下げ
る。よって、制御弁下流側流路413が絞られるため、
吸入室8内の圧力、すなわち吸入ポート401直前の圧
力が低下することになる。その結果、ピストン31の左
右の圧力差が増大するため、吸入室側に斜板が引かれて
斜板の傾転角が減少し、ピストンストロークが減少す
る。
【0040】一方、蒸発器(図示せず)の熱負荷が増加
した場合には、上記動作とは逆になる。つまり、熱負荷
が増大して吸入圧力が上昇し、ベローズ420が収縮し
てパイロットバルブ430が閉じる。その結果、メイン
バルブ410の頭部圧力が低下するため、制御弁下流側
流路413が開くので、ピストン31の左右の圧力差が
減少し、斜板傾転角が増大してピストン31のストロー
クが大きくなる。
【0041】つぎに、外部制御による容量制御について
説明する。電磁コイル452の印加電流を外部信号(例
えば、温度、圧力など)によって変化させて、圧縮機の
吸入圧力をコントロールするものである。例えば、クー
ルダウン時などの冷力が必要なときには、電磁コイル4
52の印加電流を下げると、プランジャ450の吸引力
が小さくなり、ヘッドスプリング451の押しつけ力が
大きくなるためにパイロットバルブ430が閉まる。そ
の結果、メインバルブ410が全開となるため、圧縮機
は最大ストローク、すなわち最大容量で運転されること
になる。
【0042】このように、圧縮機の容量制御は制御弁4
00により吸入室8と斜板室10との間の差圧、すなわ
ちピストン31の両側間の差圧を調節して、各ピストン
31からコンロッド32を介してピストンサポート21
に作用する力の合力の作用位置と大きさを変化させ、斜
板12の傾転モーメントを制御することにより行われ
る。
【0043】次に、ピストンストロークの検出手段につ
いて説明する。前記のように、サポートスリーブ25の
外周面には軸方向に∪所部251が形成されており、該
∪所部251がシリンダブロック2の軸受ハウジング2
01に固定されたスライドピン60上を軸方向に滑動可
能になっている。これによりサポートスリーブ25にサ
ポートスリーブピン24、26により結合されたピスト
ンサポート21が主軸13の回りに回転しないよう軸回
りの運動が規制されている。シリンダブロック2の軸受
ハウジング201に固定されたスライドピン60は、主
軸13に対し軸対称に2箇所設けられており、そのうち
の一本は変位検出器(変位計)600を兼ねている。す
なわち、変位検出器600は、差動変圧器であり、円筒
状のハウジング601と、コイル602と、コア603
およびリード604からなっている。コア603には、
L字状の検出ロッド605が連結されており、さらに検
出ロッド605の斜板12側端はサポートスリーブ25
に固定されている。したがって、コア603はサポート
スリーブ25の変位に対応してコイル602内を変位す
ることになる。
【0044】前記構成とすることによって、ピストンス
トローク、すなわち圧縮機容量が最大容量から減少して
いく過程(図1から図2)おいて、斜板12は図1にお
いて反時計方向に回転し、それにともなって斜板スリー
ブ15が主軸13上を右方向に摺動する。この斜板スリ
ーブ15の移動にともないサポートスリーブ25が上記
スライドピン60および変位検出器600のハウジング
601上を右方向に移動する。このときサポートスリー
ブ25は、斜板スリーブ15とはころがり軸受29によ
り支持されているため主軸13の軸回りには回転せず、
軸方向のみの運動を行う。したがって、サポートスリー
ブ25に固定されている検出ロッド605およびコア6
03がコイル602内を右方向に移動する。すなわち、
ピストンのストロークの変位に応じて変位検出器600
のコア603がコイル602内を主軸方向のみに変位
し、このコア603の変位量を検出することにある。な
お、差動変圧器の作動原理についての説明は省略する。
【0045】本実施例によれば、ピストンストロークあ
るいは斜板の傾転角に対応して変位するサポートスリー
ブの変位量を直接検出することによって、検出手段の構
成を簡単にでき、しかも確実にピストンストロークを検
出できる。さらに、検出精度や信頼性を向上することが
できるといった効果がある。
【0046】図6は本発明の他の実施例を示す、サポー
トスリーブ組立体を示す拡大断面図である。本実施例も
前記同様にサポートスリーブの変位量を検出する手段で
ある。図5に示した実施例と比較して、同一部品には同
一番号を付記したので構造の説明は省略する。
【0047】サポートスリーブ25のシリンダヘッド4
側外周端部252に被検出体610を設置し、被検出体
610に対応した位置のシリンダブロック2の軸受ハウ
ジング201に変位計611を配設する構成である。変
位計611にはたとえば渦電流式や静電容量式の変位計
が好敵である。
【0048】前記構成とすることによって、ピストンス
トロークの変化に対応してサポートスリーブ25が変位
し、被検出体610と変位計611との相対位置が変化
するため、あらかじめ最大ピストンストロークあるいは
最小ピストンストローク位置での変位計611の電気出
力を決めておけば、サポートスリーブ25の変位量、す
なわち任意のピストンストロークを一義的に検出するこ
とができる。
【0049】本実施例によれば前記の実施例と同様の効
果を発揮できるとともに、さらに検出手段を簡単にする
ことができる。
【0050】つぎに、本発明の他の実施例を示す。図7
及び図8は、本実施例の可変容量斜板式圧縮機の全体構
造を示したもので、図7は圧縮機容量が最大容量状態を
示しており、図8は最小容量状態を示したものである。
ここで、図1および図2に示した実施例と比較して、同
一部品には同一番号を付記したのでその部分の構造の説
明は省略する。
【0051】サポートスリーブ25には、軸方向に検出
ロッド620が設けられており、検出ロッド620は、
シリンダブロック2、吸入弁板5、シリンダヘッド4、
吐出弁板6、パッキン7およびリアカバ3に形成された
それぞれの貫通穴を通して、圧縮機の外部に取り出され
ている。検出ロッド620の設置場所は、軸受ハウジン
グ202内で主軸13に近いところである。シリンダブ
ロック2、吸入弁板5、シリンダヘッド4、吐出弁板6
およびパッキン7に設置されたそれぞれの貫通穴と検出
ロッド620との間には適当な隙間を有しており、検出
ロッド620がスムーズな動きができるようになってい
る。リアカバ3の中央部には止めピン75を収納する室
80が形成されており、室80は主軸13後端部のラジ
アル針状コロ軸受18などの隙間によって、斜板室10
と連通しているため、斜板室圧力、すなわち吸入圧力と
なっている。したがって、検出ロッド620と前記の各
部材とはガスの気密保持を行う必要はない。
【0052】リアカバ3の室80とは反対側に∪部62
1が形成されており、∪部621に変位検出器600が
設置されている。変位検出器600は、差動変圧器であ
り、円筒状のハウジング601と、検出ロッド620
と、コイル602およびリード604とから構成されて
おり、ハウジング601が∪部621に固定されてい
る。検出ロッド620とリアカバ3とのガス気密は∪部
621に設けた軸封装置622によって行う。室80の
圧力が低圧であることや検出ロッド620が回転運動を
しないで往復運動のみであり、その往復運動も容量が変
化するときだけであることなどからそのガス気密は比較
的容易に実施できる。
【0053】前記構成とすることにより、圧縮機容量の
変化にともないサポートスリーブ25が軸方向に移動
し、検出ロッド620が変位検出器600のコイル60
2内を軸方向に変位するため、その変位量を一義的に計
測することができる。
【0054】本実施例によれば、変位検出器をリアカバ
3の外側に設置することができるので、変位検出器60
0のメンテナンスなどをリアカバ3を開放せずに行うこ
とができるとともに、検出手段を非常にコンパクトに構
成することができるといった効果がある。
【0055】つぎに、本発明の他の実施例を示す。図9
および図10は、本実施例の可変容量斜板式圧縮機の全
体構造を示したもので、図9は圧縮機容量が最大容量状
態を示しており、図10は最小容量状態を示したもので
ある。ここで、図1および図2に示した実施例と比較し
て、同一部品には同一番号を付記したのでその部分の構
造や作用についての説明は省略する。
【0056】主軸13上を滑動する斜板スリーブ15に
は、L字型の検出ロッド151が固定されており、検出
ロッド151の変位量より若干大きい軸方向幅で切欠き
部138が、下記する連通路131に開口するように主
軸13に設けられている。該検出ロッド151は、主軸
13の中心部に検出ロッド151の外径よりも若干大き
な径で穿孔された連通路131内を通して、斜板スリー
ブ15の変位量よりも長くなるように、圧縮機外部へ取
り出されている。検出ロッド151の先端部は、主軸1
3の先端部にねじ止めされたねじ部材139と軸封手段
152とによってガスの気密を保持している。本実施例
では検出ロッド151を一体型で図示しているがこの限
りにあらず、たとえば、組立性を考慮すれば、斜板スリ
ーブ15に固定する部分と主軸13の連通路131内を
通す部分とを別部材とする構成でもよい。なお、した検
出ロッド151の変位量を検出する具体的な手段につい
ては後で説明する。
【0057】前記構成とすることによって、ピストン3
1のストロークが最大、すなわち最大容量状態から容量
が減少していく場合(図9から図10に変化する過程に
おいて)、斜板傾転角の減少に伴って、斜板スリーブ1
5が図9において右方向に移動する。したがって、斜板
スリーブ15に固定された検出ロッド151も同様に右
方向に変位し、最終的には図10に示したような状態に
なる。すなわち、ピストンストロークあるいは斜板傾転
角に対応して変位する斜板スリーブ15の変位量を検出
するものである。
【0058】本実施例によれば、ピストンストロークあ
るいは斜板傾転角に対応して変位する斜板スリーブの変
位量を検出することによって、検出手段を簡単に構成す
ることや確実にピストンストロークを検出することがで
き、しかも変位量を圧縮機の外部で計測できるのでメン
テナンスなどをフロントハウジング1を開放せずに行え
ることができるといった効果がある。
【0059】図11および図12は、斜板スリーブ15
に固定した検出ロッド151の変位量を検出する具体的
な手段について開示した部分断面図である。図9あるい
は図10と比べて、フロントハウジング1の左側端部に
は、エンジン等の回転動力を該圧縮機に伝達する電磁ク
ラッチ136が取り付けられている以外は同一である。
【0060】まず図11に示す検出手段は、主軸13の
先端部に固定されたねじ部材139には、差動変圧形変
位計150が斜板スリーブ15に固定された検出ロッド
151を囲むように取り付けられている。差動変圧形変
位計150は、有底円筒状のハウジング156と、検出
ロッド151およびコイル153から成っており、ハウ
ジング156の一端はねじ部を有する。また、変位計1
50あるいはねじ部材139にはスリップリング154
が、変位計150と電気的に結線されている。スリップ
リング154は、回転子(図示せず)と固定子(図示せ
ず)から構成されており、変位計150との結線は上記
回転子との間で行われる。したがって、外部への変位計
の電気信号155はスリップリング154の固定子から
取り出すことになる。よって、主軸13とともに回転す
る部材は、検出ロッド151、軸封手段152、コイル
153、ハウジング156、ねじ部材139およびスリ
ップリング154の回転子(図示せず)である。
【0061】前記構成とすることによって、ピストンあ
るいは斜板傾転角に対応して変位する検出ロッド151
の変位量を圧縮機外部に電気信号として取り出すことが
できる。なお、図11では変位計150を圧縮機外部に
取り付けている実施例を示しているが、本発明はこの限
りではなく、たとえば変位計150を主軸13内に取り
付けるなどの方法もある。
【0062】図12は変位計150を圧縮機以外に取り
付けた場合を示す。つまり、圧縮機以外の部材100、
たとえば圧縮機をエンジンなどに取り付けるためのブラ
ケットなどに変位検出器150のハウジング156を固
定して、斜板スリーブ151に固定された検出ロッド1
51の移動量を測定する構成である。よって、主軸13
とともに回転する部材は、検出ロッド151、軸封手段
152およびねじ部材139であり、静止したハウジン
グ156から電気信号155を得るものである。
【0063】本実施例では、変位計を固定して使用でき
るため使用する変位計の種類が拡大することや計測手段
が簡単になる。
【0064】図13は本発明の他の実施例を示す。フロ
ントハウジング1の外周壁には複数個の変位計101、
102、103が気密保持されて固定されている。該変
位計101、102及び103は、ピストンサポート2
1の外周端部に設けられた被検出体210の変位を検出
するように、しかも斜板12傾斜角に対応して配置され
ている。一方、主軸13の先端部に固定された電磁クラ
ッチ136のアーマチャ板137には突起部108が設
けられており、突起部108に対応して回転検出器10
9が設置されている。
【0065】つぎに、本実施例の動作について説明す
る。回転検出器109からは主軸13が1回転する毎に
1パルス、すなわち1パルス/1回転の回転パルスを検
出または出力する。圧縮機が最大容量、すなわち最大斜
板傾転角で運転されている場合(図13はその状態を示
している)、ピストンサポート21は最大振れ幅で揺動
するため、被検出体210も斜板室10内を最大幅で往
復運動する。被検出体210は、主軸13が一回転する
毎に斜板室10内を一往復する。変位計101は、被検
出体210が図中軸方向に対して最も左端に位置したと
きに、検出体210と当接するように配置されている。
同様に、変位計102は、圧縮機が最大容量と最小容量
の中間容量で運転されているとき、被検出体210と対
応する位置に、変位計103は最小容量の位置にそれぞ
れ設置されている。
【0066】したがって、最大容量時には主軸13が一
回転するにつき、被検出体210と変位検出器101、
102および103とで発生するパルスの数は6個とな
る。中間容量時には、変位計101からのパルスがない
ことから、一回転当たり4個のパルス列となる。最小容
量時では、変位計103のみパルスが発生するため、主
軸13の一回転当たりのパルスは2個となる。ここで、
図中に示したユニット104、105および106は、
変位計101、102および103の入出力装置および
増幅器である。したがって、回転検出器109によって
得られる主軸13の一回転当たりのパルス信号を基に、
変位計101、102および103の発生するパルス数
を計測することによって、圧縮機の容量を計測すること
ができる。また、自動的に計測する装置107は、回転
検出器109と、ユニット104、105および106
から出力されるパルス信号を入力する装置、増幅器、パ
ルス演算器、圧縮機容量を算出する演算装置およびその
結果を出力する装置などから構成されている。
【0067】なお、本実施例では変位計を3個使用した
場合を示したが、本発明においてはこの限りではなく、
例えば変位計の数を増やすことによってもっときめ細か
く圧縮機の容量状態を計測することができる。
【0068】以上説明したように本実施例によれば、揺
動する部材、例えばピストンサポートの変位を計測する
ことができるので、圧縮機の容量状態を的確に計測する
ことができる。
【0069】つぎに、図14から図16は、前記の手段
などによって得られた圧縮機のピストンストロークある
いは容量制御状態の信号をもとにした制御手段について
その実施例を示す。
【0070】図14は、ピストンストロークあるいは斜
板傾転角などに対応して変位する部材の変位量を検出す
る手段(以下ストロークセンサ510と称する)と、ス
トロークセンサ510の電気信号を増幅する増幅器52
0とから構成され、増幅器520からの出力信号、すな
わちピストンストローク信号によって、圧縮機の駆動
源、例えばエンジンなどを制御している制御回路530
に入力して、圧縮機の熱負荷の変動等によるエンジンな
どの回転速度変動が小さくなるように制御する。
【0071】図15は、ストロークセンサ510および
増幅器520から得られる信号をもとに、圧縮機の制御
弁400のコントロール信号とする制御手段である。す
なわち、急速冷房が必要なときなど圧縮機を最大容量で
運転したいときなどは、ストロークセンサ510の信号
により常に圧縮機を最大容量で運転するように、圧縮機
の制御弁400の電磁コイルの印加電流を下げる制御信
号とする。また、圧縮機の回転速度が上昇し、必要冷力
が低下した場合などは、制御弁400の電磁コイルの印
加電流を上げる制御信号とする。また、エンジンおよび
圧縮機の少なくともいずれか一方の回転速度信号を認知
して、一方の回転速度がある予め決められた回転速度以
上になれば制御手段により強制的に圧縮機の容量を減少
させるようにしてもよい。
【0072】図16は、圧縮機および圧縮機を駆動する
駆動源を含めた統合制御手段について開示したものであ
る。ストロークセンサ510及び増幅器520から得ら
れる圧縮機のピストンストロークの信号を圧縮機を駆動
する駆動源、例えばエンジンなどの制御回路530に入
力するとともに、圧縮機の制御弁400へ入力とする構
成である。すなわち、ピストンストローク信号を用いた
駆動源および圧縮機の両方を制御するものである。たと
えば、自動車用エンジンに搭載される場合について述べ
る。圧縮機を駆動しながら登坂しているときには、圧縮
機動力はエンジン側からみるとかなりの負担となる。そ
こで、このようなときには圧縮機の容量を減じることに
よって、エンジンの動力の負荷を軽減してやる。また、
エンジンがアイドル回転速度で運転されているときの圧
縮機駆動に伴うエンジン回転速度のばらつきを解消する
ため、圧縮機の容量をコントロールする。これらの制御
は、いずれもエンジンの動力負荷を冷凍サイクル側の熱
負荷より優先した制御であり、これによって自動車の走
行性を向上させることができる。また、逆に真夏時の急
速冷房が必要なときなどは圧縮機を最大容量で運転し、
しかもエンジンなどの回転速度を高めて冷房能力を増大
させる。なお、図16においてはストロークセンサの信
号による制御の流れが一方向、すなわち直列になってい
るが、本発明においてはこの限りにあらず、例えばスト
ロークセンサの信号を圧縮機の制御弁400および圧縮
機を駆動する駆動源の制御回路に並列に入力して制御す
る手段でもよい。
【0073】以上説明したように、ストロークセンサに
よる信号をもとに圧縮機あるいは圧縮機を駆動する駆動
源を制御することにより、圧縮機の容量制御性を向上で
き、しかも消費動力を極力小さくするような空調システ
ムを構成することができるといった効果がある。
【0074】以上の実施例の説明はすべて斜板室の圧力
を一定として、制御弁によりシリンダ吸入口の圧力を斜
板室の圧力よりも低下させることにより、斜板傾転角を
変える方式の可変容量斜板式圧縮機について開示した
が、たとえば、特公昭58−4195号公報などに開示
されているごとく、シリンダ入口圧力を一定として、ブ
ローバイガスや吐出ガスなどを利用することにより斜板
室の圧力を高め、斜板傾転角の制御を行う形式の可変容
量斜板式圧縮機についても同様の効果を得ることができ
る。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、ピストンストロークあ
るいは斜板傾転角に対応して変位する部材の変位量を直
接検出することができるため、ピストンストロークを確
実に計測することができ、しかもストロークの検出手段
及び構造を簡単にできて小型化することができる。
【0076】また、主軸回りに回転しない部材の変位量
を検出することができるため、検出精度を向上でき、か
つ信頼性を向上することができる。
【0077】さらに、ストロークの検出手段により検出
した信号をもとに圧縮機あるいは圧縮機を駆動する駆動
源を制御できるため、幅広い統合制御が行えるとともに
圧縮機の容量制御性を向上でき、しかも消費動力を減少
させた空調システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の最大容量状態を示す縦断面
図である。
【図2】本発明の一実施例の最小容量状態を示す縦断面
図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】本発明のサポートスリーブ組み立て体を示す図
2のB−B線断面図である。
【図5】図4のC−C線断面図である。
【図6】本発明の他の実施例のサポートスリーブ組立体
を示す拡大断面図である。
【図7】本発明の他の実施例の最大容量状態を示す縦断
面図である。
【図8】本発明の他の実施例の最小容量状態を示す縦断
面図である。
【図9】本発明の他の実施例の最大容量状態を示す縦断
面図である。
【図10】本発明の他の実施例の最小容量状態を示す縦
断面図である。
【図11】本発明による斜板スリーブに固定した検出ロ
ッドの変位量を検出する手段の部分断面図である。
【図12】本発明による斜板スリーブに固定した検出ロ
ッドの変位量を検出する手段の部分断面図である。
【図13】本発明の他の実施例を示すピストンサポート
の変位量を計測するための図である。
【図14】本発明のピストンストロークあるいは容量制
御状態の信号を基にした制御手段を示す図である。
【図15】本発明のピストンストロークあるいは容量制
御状態の信号を基にした制御手段を示す図である。
【図16】本発明のピストンストロークあるいは容量制
御状態の信号を基にした制御手段を示す図である。
【符号の説明】
12 斜板 13 主軸 14 ドライブプレート 15 斜板スリーブ 21 ピストンサポート 25 サポートスリーブ 31 ピストン 33 シリンダ 600 変位検出器

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンと、該ピストンを駆動するピス
    トンサポートと、主軸により回転されかつ該主軸に対す
    る傾転角を変えて前記ピストンサポートを揺動させる斜
    板と、該斜板を支持し摺動可能な斜板スリーブと、該斜
    板スリーブを介して前記ピストンサポートと連結するサ
    ポートスリーブとを備え、前記斜板の傾転角を変えて容
    量制御を行う可変容量斜板式圧縮機において、前記ピス
    トンのストロークまたは前記斜板の傾転角に対応して変
    位する部材の変位量を検出する手段を設けたことを特徴
    とする可変容量斜板式圧縮機。
  2. 【請求項2】 変位する部材は、サポートスリーブで形
    成され、検出する手段は、前記サポートスリーブの変位
    量を検出するものであることを特徴とする請求項1記載
    の可変容量斜板式圧縮機。
  3. 【請求項3】 変位する部材は、斜板スリーブで形成さ
    れ、検出する手段は、前記斜板スリーブの変位量を検出
    するものであることを特徴とする請求項1記載の可変容
    量斜板式圧縮機。
  4. 【請求項4】 変位する部材は、ピストンサポートで形
    成され、検出する手段は、前記ピストンサポートの変位
    量を検出するものであることを特徴とする請求項1記載
    の可変容量斜板式圧縮機。
  5. 【請求項5】 ピストンと、該ピストンを駆動するピス
    トンサポートと、主軸により回転されかつ該主軸に対す
    る傾転角を変えて前記ピストンサポートを揺動させる斜
    板と、該斜板を支持し摺動可能な斜板スリーブと、該斜
    板スリーブを介して前記ピストンサポートと連結するサ
    ポートスリーブとを備え、前記斜板の傾転角を変えて容
    量制御を行う可変容量斜板式圧縮機において、前記サポ
    ートスリーブに検出ロッドを設け、該検出ロッドの変位
    量を検出する手段を設けたことを特徴とする可変容量斜
    板式圧縮機。
  6. 【請求項6】 ピストンと、該ピストンを駆動するピス
    トンサポートと、主軸により回転されかつ該主軸に対す
    る傾転角を変えて前記ピストンサポートを揺動させる斜
    板と、該斜板を支持し摺動可能な斜板スリーブと、該斜
    板スリーブを介して前記ピストンサポートと連結するサ
    ポートスリーブとを備え、前記斜板の傾転角を変えて容
    量制御を行う可変容量斜板式圧縮機において、前記サポ
    ートスリーブと連動させて設けた検出ロッドを外部に取
    り出し、該検出ロッドの変位量を検出する手段を前記外
    部に設けたことを特徴とする可変容量斜板式圧縮機。
  7. 【請求項7】 ピストンと、該ピストンを駆動するピス
    トンサポートと、主軸により回転されかつ該主軸に対す
    る傾転角を変えて前記ピストンサポートを揺動させる斜
    板と、該斜板を支持し摺動可能な斜板スリーブと、該斜
    板スリーブを介して前記ピストンサポートと連結するサ
    ポートスリーブとを備え、前記斜板の傾転角を変えて容
    量制御を行う可変容量斜板式圧縮機において、前記斜板
    スリーブと連動させて設けた検出ロッドを前記主軸を介
    して外部に取り出し、該検出ロッドの変位量を検出する
    手段を前記外部に設けたことを特徴とする可変容量斜板
    式圧縮機。
  8. 【請求項8】 ピストンと、該ピストンを駆動するピス
    トンサポートと、主軸により回転されかつ該主軸に対す
    る傾転角を変えて前記ピストンサポートを揺動させる斜
    板と、該斜板を支持し摺動可能な斜板スリーブと、該斜
    板スリーブを介して前記ピストンサポートと連結するサ
    ポートスリーブとを備え、前記斜板の傾転角を変えて容
    量制御を行う可変容量斜板式圧縮機において、前記サポ
    ートスリーブに検出ロッドを設け、該検出ロッドの変位
    量を検出する手段は、前記ピストンサポートの回転を防
    止し前記サポートスリーブに挿着されたスライドピンに
    設けた変位計であることを特徴とする可変容量斜板式圧
    縮機。
  9. 【請求項9】 ピストンと、該ピストンを駆動するピス
    トンサポートと、主軸により回転されかつ該主軸に対す
    る傾転角を変えて前記ピストンサポートを揺動させる斜
    板と、該斜板を支持し摺動可能な斜板スリーブと、該斜
    板スリーブを介して前記ピストンサポートと連結するサ
    ポートスリーブとを備え、前記斜板の傾転角を変えて容
    量制御を行う可変容量斜板式圧縮機において、前記サポ
    ートスリーブに被検出体を設け、該被検出体の変位量を
    検出する変位計を該被検出体に対向させて配設したこと
    を特徴とする可変容量斜板式圧縮機。
  10. 【請求項10】 ピストンのストロークまたは斜板の傾
    転角に対応して変位する部材の変位量を検出する手段
    と、その検出信号を増幅する手段と、その増幅した信号
    を入力し駆動源の回転速度制御を行う前記駆動源の制御
    回路とを備えたことを特徴とする請求項1記載の可変容
    量斜板式圧縮機。
  11. 【請求項11】 斜板の傾転角を変える制御弁と、ピス
    トンのストロークまたは前記斜板の傾転角に対応して変
    位する部材の変位量を検出する手段と、その検出信号を
    増幅する手段と、その増幅した信号を入力し前記制御弁
    を制御する手段とを備えたことを特徴とする請求項1記
    載の可変容量斜板式圧縮機。
  12. 【請求項12】 ピストンのストロークまたは斜板の傾
    転角に対応して変位する部材の変位量を検出する手段
    は、変位計またはスリップリングであることを特徴とす
    る請求項1〜11のいずれか1項記載の可変容量斜板式
    圧縮機。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1項記載の
    可変容量斜板式圧縮機を備えた自動車において、エンジ
    ンおよび前記可変容量斜板式圧縮機の少なくともいずれ
    か一方の回転速度信号を入力し、いずれか一方の回転速
    度が予め決められた回転速度を越える際に前記可変容量
    斜板式圧縮機の容量を減少させる制御手段を有すること
    を特徴とする自動車。
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Cited By (8)

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