JPH05237375A - 消臭剤及びそれに用いる銅化合物 - Google Patents

消臭剤及びそれに用いる銅化合物

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JPH05237375A
JPH05237375A JP4273081A JP27308192A JPH05237375A JP H05237375 A JPH05237375 A JP H05237375A JP 4273081 A JP4273081 A JP 4273081A JP 27308192 A JP27308192 A JP 27308192A JP H05237375 A JPH05237375 A JP H05237375A
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JP
Japan
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acid
deodorant
copper
anion
compound
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Withdrawn
Application number
JP4273081A
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English (en)
Inventor
Teiji Sato
悌治 佐藤
Masanori Tanaka
正範 田中
Toshihiko Fujitani
敏彦 藤谷
Kinichi Ono
金一 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Mizusawa Industrial Chemicals Ltd, Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸性系及び塩基性系悪臭成分に広い消臭スペ
クトルと高い消臭能とを有する塩基性銅塩を主成分とす
る消臭剤を提供する。 【構成】 この消臭剤は、アニオンを構成する酸が炭
酸,硫酸等の無機酸及びフマル酸等のジカルボン酸であ
る。塩基性の銅塩を主成分に、この塩を酸強度凾数Ho
が+4.8以下の酸量が0.2meq/g以上である多
孔性の無機固体酸に担持されていることを特徴とするも
のである。 【効果】 硫化水素,メルカプタン,アンモニア及びア
ミン等の悪臭成分に対し、優れた触媒的,吸着的な脱臭
作用を示し、特に高湿度雰囲気下においても消臭能が全
く低下しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い消臭性能と広い消
臭スペクトルとを有する新規消臭剤に関する。本発明は
また、上記消臭剤に有用な塩基性ジカルボン酸銅にも関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、悪臭成分を低減する方法として
は、活性炭、アルミナ、ゼオライト等の多孔質吸着剤に
よる吸着法、触媒燃焼法、オゾンによる酸化法、化学薬
品を用いた中和法、あるいはバクテリアによる分解法等
が知られている。しかし、吸着剤を用いた吸着法の場合
は、吸着容量が小さく吸着速度も遅い。また、触媒燃焼
法、オゾンによる酸化法、あるいはバクテリア分解法で
は装置が複雑で、ランニングコストも高い。さらに、化
学薬品を用いて中和する中和法は、消臭容量が比較的小
さい。
【0003】化学的消臭剤の有効成分として、銅化合物
を用いることについても既に幾つかの提案がなされてお
り、例えば特開平1−262868号公報には、シアノ
基及び該シアノ基と錯体結合した塩基性炭酸銅から成る
消臭剤が記載されている。また、特開昭63−1326
61号公報には、明礬、有機酸、アスコルビン酸及び銅
化合物から成る消臭剤が記載され、更に特開昭63−4
1408号公報には、銅化合物とオキソカルボン酸とか
ら成る消臭剤が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
提案にみられる塩基性炭酸銅錯体は、硫化水素やメチル
メルカプタンには比較的高い消臭効果を示すものの、ア
ンモニアやアミン類のような塩基性悪臭成分に対する消
臭効果が比較的弱く、消臭スペクトルが比較的狭く、実
用上の消臭性能に劣るという問題がある。
【0005】一方、後者の提案に係る消臭剤組成物は、
本質的に水溶性の系であるため、固体の状態での吸着法
的用途に使用することが困難であり、一方液体による中
和法的使用では効果の持続性に欠けるという問題があ
る。各種の悪臭成分に対して広範な消臭スペクトルを示
すと共に、大きな消臭容量を有し、しかも固体の状態で
安定に吸着法的用途に使用し得る消臭剤は、家庭,事務
所,病院,汚物処理場,各種畜産設備,工場等において
広く望まれているところである。
【0006】本発明の目的は、銅化合物を消臭成分とし
て含有しながら安全であり、各種の悪臭成分に対して広
範な消臭スペクトルを有すると共に、消臭容量が大き
く、しかも固体の状態で安定に悪臭成分を吸着し、且つ
これと反応して消臭性能を発現できる新規消臭剤を提供
することにある。本発明の他の目的は、この消臭剤の成
分として特に有用な新規塩基性ジカルボン酸銅を提供す
るにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、一般式 「化1」 nCuO・MY2/X ・mH2 O 式中、nは1/3〜9の数であり、Mは2価の金属原子
を表わし、Yは1価乃至3価アニオンを表わし、xはア
ニオンの価数であり、mはゼロ乃至18の数である、で
表わされる銅化合物を、酸強度凾数Hoが+4.8以下
の酸量が0.2meq/g以上である無機固体酸に担持
させるときには、強い消臭性能と広い消臭スペクトルと
を組合せで有し、しかも固体の状態で取扱いの容易な消
臭剤となり得ることを見出した。
【0008】本発明者等は更に、上記化合物の内でも、
一般式 「化2」 CuO・MZ・mH2 O 式中、Mは2価金属原子であり、Zはジカルボン酸のア
ニオンを示し、mは0〜7の数を示す、で表わされる新
規化合物、即ち塩基性ジカルボン酸銅は、特に優れた消
臭スペクトルを有することを見出した。
【0009】
【作用】本発明では、種々の銅化合物の内でも、nCu
O・MY2/X ・mH2 Oの塩基性銅塩を一方の消臭成分
として選択することが第一の特徴である。上記nCuO
・MY2/X ・mH2 Oの塩基性銅塩は水に不溶乃至殆ん
ど不溶であり、そのため、例えば冷蔵庫中のような湿度
の高い雰囲気中においても、安定に固体の状態で吸着法
的使用が可能となり、更に銅イオンによる汚染が少ない
ため安全であるという利点もある。
【0010】また、この塩基性銅塩は、硫化水素やメル
カプタン等の硫黄系の悪臭成分に対して化学的吸着より
もむしろ触媒的な脱臭作用を示す。例えば塩基性フマル
酸銅の場合、全ての銅原子が硫化銅に転化するとして算
出した硫化水素の理論的化学吸着量は、7.29m m
ol/gであるが、実際に測定される消臭容量は理論的
吸着容量の5乃至10倍にも達することから、硫化水素
を硫黄迄酸化する接触酸化反応も生じていることが了解
される。このことは勿論、塩基性フマル酸銅以外の塩基
性銅塩についても当てはまる。
【0011】上記塩基性銅塩は、アニオン成分を含有す
ることに関連して、アンモニアやアミン類に対する消臭
性を持っていることも付加的な利点である。nCuO・
MY2/X ・mH2 Oの塩基性銅塩を、酸強度凾数Hoが
+4.8以下の酸量が0.2meq(ミリイクイバレン
ト)/g以上の無機固体酸に担持させたことが本発明の
第二の特徴である。即ち、塩基性固体酸に塩基性銅塩を
担持させることにより、少なくとも3つの有効な作用が
得られる。
【0012】第一に、塩基性銅塩自体は塩基性有臭成分
に対する吸着容量を保持しているが、上記無機固体酸が
アンモニアやアミン類のような塩基性成分に対する吸着
性がより大であることから、消臭スペクトルを広げ、且
つ消臭容量を増大させるのに役立つ。
【0013】第二に、無機固体酸は塩基性銅塩を担持す
る能力に優れているばかりではなく、使用時等に塩基性
銅塩から銅イオンが溶出したとしても、この銅イオンを
強固に捕捉し、系外にこれが溶出するのを防止する作用
を示す。
【0014】第三に、無機固体酸における酸量は全て表
面酸性度に基づくものであり、結局上記酸量を有する無
機固体酸は比表面積も大きく、この無機固体酸に塩基性
銅塩を担持させたものでは、この表面積の増大に伴っ
て、消臭容量も大きくなり、消臭速度も大きくなる。実
際に、塩基性銅塩を無機固体酸に担持させたものでは、
両者の算述平均値よりもかなり大きい消臭容量を示し、
相乗作用が認められる。
【0015】本発明において、無機固体酸の酸量を、酸
強度凾数Hoが+4.8以下のものとしているのは、酸
強度凾数+4.8以下のものは塩基性有臭成分の化学的
吸着や有効金属イオンの捕捉に有効であるが、酸強度凾
数が+4.8を越えるものは有効に作用しないためであ
り、また酸量が0.2meq/g以上と特定しているの
は、酸量が上記範囲を下廻ると、上記第一項乃至第三項
の作用が有効に発現されないためである。上記塩基性銅
塩の内、CuO・MZ・mH2 Oで示される化合物は文
献未載の化合物であり、優れた消臭性能を示す。
【0016】
【発明の好適態様】塩基性銅塩 前記式nCuO・MY2/X ・mH2 Oにおいて、2価の
金属原子Mとしては、いかなる2価金属であってもよい
が、周期律表第Ib族、第IIa族及び第IIb族の2価金
属が好ましい。なかでも銅,亜鉛,マグネシウム,バリ
ウムが好適例として挙げられる。好ましい具体例は銅お
よび亜鉛である。また2価金属Mは、銅,亜鉛,マグネ
シウムおよび/またはバリウムの組合せであってもよ
い。その場合前記式で示される化合物中の2価金属原子
は、銅以外の金属が金属原子比で50%以下の量で存在
するのがよい。Yで示される1価乃至3価のアニオンと
しては、無機アニオンおよび有機アニオンのいずれであ
ってもよい。
【0017】該無機アニオンは、通常の無機酸から誘導
される1価乃至3価の無機アニオンである。そのような
例としては、炭酸アニオン;硫黄のオキシ酸のアニオ
ン、例えば硫酸,亜硫酸,過硫酸等のアニオン;窒素の
オキシ酸のアニオン、例えば硝酸,亜硝酸等のアニオ
ン;リンのオキシ酸のアニオン、例えばリン酸,亜リン
酸、次亜リン酸,メタリン酸,ピロリン酸等のアニオ
ン;ハライドアニオン、例えばクロライドアニオン;ハ
ロゲンのオキシ酸、例えば過塩素酸,塩素酸等のアニオ
ンのアニオンなどが挙げられる。
【0018】該有機アニオンは、モノカルボン酸、ジカ
ルボン酸、トリカルボン酸の各アニオンである。そのモ
ノカルボン酸の例としては、ギ酸、酢酸等が代表的に挙
げられる。そのジカルボン酸としては、脂肪族不飽和ジ
カルボン酸、脂肪族飽和ジカルボン酸、芳香族ジカルボ
ン酸、脂環し貴ジカルボン酸が挙げられる。該脂肪族不
飽和ジカルボン酸は、好ましくは炭素数4〜6のもので
ある。具体的にはフマル酸、マレイン酸、イタコン酸、
シトラコン酸等が挙げられる。該脂肪族飽和ジカルボン
酸は、好ましくは炭素数2〜6のものである。具体的に
は、コハク酸、マロン酸、グルタル酸,アジピン酸等が
挙げられる。該芳香族ジカルボン酸は、ベンゼン環を有
する好ましく、具体的にはフタル酸,イソフタル酸,テ
レフタル酸が挙げられる。該脂環式ジカルボン酸は、シ
クロヘキシル環を有する酸が好ましい。具体的にはシク
ロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。トリカルボン
酸としてはクエン酸が代表的に挙げられる。
【0019】これらアニオンを構成する酸は実質上、無
臭で且つ形成される塩基性銅塩が水不溶性乃至難溶性で
あるのが好ましい。前記のうちで好ましいアニオンを構
成する酸としては、脂肪族不飽和ジカルボン酸であり、
なかでも炭素数4〜6のものである。具体的な最適酸は
フマル酸である。
【0020】また、新規化合物であるCuO・MZ・m
2 Oにおいては、そのMは2価の金属原子であり、よ
り具体的には銅,亜鉛,マグネシウム,バリウムが挙げ
られる。これらは組合せであってもよい。最も好ましい
ものとしては銅および亜鉛である。また、そのZの定義
はジカルボン酸であり、その具体例等は前記Yの定義と
同じである。好ましいものも同じである。
【0021】前記nCuO・MY2/X ・mH2 O中、数
nは化合物により1/3乃至9の値をとる。好ましくは
nは1である。また、式中の水分は、水和水(ヒドロキ
シ基)又は結晶水として存在するが、脱水の程度により
ゼロ乃至18の範囲で変化する。好ましくはmは0〜7
である。
【0022】nCuO・MY2/X ・mH2 Oの化合物の
適当な例は、無機塩として塩基性炭酸銅(マラカイト
等),塩基性硫酸銅(ブロシャンタイト等),3CuO
・CuCl2 ・3H2 O(アタカマイト)等の塩基性塩
化銅、1/3CuO・Cu(PO4 2/3 ・1/3H2
O等の塩基性リン酸銅,3CuO・Cu(NO3 2
3H2 O等の塩基性硝酸銅等が挙げられる。また、新規
物質であるCuO・MZ・mH2 Oの塩基性ジカルボン
酸銅の適当な例は、塩基性フマル酸銅,含亜鉛塩基性フ
マル酸銅,塩基性イソフタル酸銅等である。
【0023】塩基性銅塩の製法 CuO・MZ・mH2 Oの塩基性ジカルボン酸銅は、水
溶性銅塩或いは水溶性銅塩と他の2価金属塩との組合
せ、水溶性ジカルボン酸塩及び水酸化アルカリを実質上
化学量論的量比で水中で反応させることにより得られ
る。反応はpH6乃至8で行うのがよく、室温で十分反
応が進行するが、勿論加熱下に反応を行ってもよい。他
の2価金属塩を併用すると、Mの一部に他の2価金属が
導入された化合物が生成する。
【0024】上記製造法において、水溶性ジカルボン酸
塩の代りに炭酸ナトリウム等の水溶性炭酸塩を使用する
と、塩基性炭酸銅が得られる。また、対応する無機酸銅
塩をアルカリで或いは水中で部分加水分解すると所望の
塩基性銅塩が得られる。
【0025】無機固体酸 本発明では、上記銅化合物を担持させる担体として、酸
強度凾数Hoが+4.8以下の酸量が0.2meq/g
以上、特に0.5meq/g以上の無機固体酸を使用す
る。無機固体酸の酸量は後述する例に示す通り、メチル
レッドをハメット指示薬として使用し、1/10規定の
N−ブチルアミンのベンゼン溶液で滴定を行うことによ
り求めることができる。
【0026】具体的な固体酸としては非晶質シリカ,シ
リカ−アルミナ,シリカ−マグネシア,アルミナ・ボリ
ア、酸性白土、活性白土、水素イオン型合成ゼオライ
ト、モルデナイト或いはクリノプチロライト等の天然ゼ
オライト、各種合成ケイ酸塩各種合成アルミノケイ酸
塩、リン酸ケイ酸、リン酸アルミ、リン酸チタン等の
内、上記酸性度を有するものが使用される。
【0027】好適な固体酸として、特開昭61−100
20号,同61−10021号,同61−10019
号,同61−275126号,同61−275127
号,同62−182111号,同63−210017号
各公報に記載の合成フイロケイ酸塩鉱物が挙げられる。
これは前記合成アルミノケイ酸塩の一種であるフライポ
ンタイト型合成粘土鉱物のように亜鉛を構成成分として
含む固体酸が本発明の目的に特に好ましい。
【0028】無機固体酸の比表面積(BET法)は10
0m2 /g以上、特に200乃至800m2 /gの範囲
にあるのが望ましく、その粒径は可及的に微細であるこ
と、特にコールターカウンター法で測定した平均粒径が
10μm以下、特に1乃至5μmの範囲にあることが望
ましい。
【0029】吸着剤及びその製法 本発明において、塩基性銅塩を無機固体酸に担持させる
が、一般に塩基性銅塩の一種又は二種以上の組合せを全
体当り1乃至50重量%、特に5乃至30重量%となる
割合いで担持させるのがよい。具体的な担持量は要求さ
れる消臭スペクトルによって、上記範囲内で適宜変更す
る。例えば硫黄系の成分に対する消臭性能がより強く望
まれる場合には、銅塩の量を多くすればよく、塩基性成
分に対する消臭性能がより強く望まれる場合には、無機
固体酸の量を多くすればよい。本発明によれば、上記量
比で両者を組合せで用いることにより、消臭容量の相乗
的増加が達成される。
【0030】無機固体酸に対する塩基性銅塩の担持は、
予じめ塩基性銅塩を合成し、この塩基性銅塩と無機固体
酸とを混合すること、特に乾式或いは湿式で共粉砕混合
することによっても行い得るが、前述した塩基性銅塩を
合成するための水性媒体中に無機固体酸を予じめ分散さ
せておき、無機固体酸の共存下に塩基性銅塩を合成する
ことにより、担持を行わせるのが最も好ましい。後者の
共存下合成担持法によれば、消臭性能に特に優れた消臭
剤組成物が得られる。
【0031】勿論、本発明に用いる消臭剤は、上記2成
分の組成に限定されることなくそれ自体公知の担体,増
量剤,改質剤等の成分、例えばセピオライト、パリゴル
スカイト、活性炭、ゼオライト、活性炭素繊維、セピオ
ライト混合紙、シリカゲル、活性白土、アルミナ、バー
ミキュライト、ケイソウ土などの無機質多孔性担体の
他、パルプ、繊維、布、高分子多孔体などの有機質多孔
性担体などを併用してよい。
【0032】この消臭剤は、粉末もしくは顆粒状の複合
消臭剤とすることができる他、練合物を、例えば、棒
状、ペレット状、ハニカム状に押出し成形を行うなど、
公知の方法により用途に応じた適宜の形状に容易に成形
することができる。さらに本発明の消臭剤をシート状基
材に担持させ、シート状消臭剤とすることが可能であ
る。このようなシート状消臭剤としては、本消臭剤を梳
き込んだ抄紙や被覆したコート紙等の消臭紙(この場
合、シート状基材は紙またはパルプである)、不織布等
の薄いシート状基材とシート状物などが上げられる。シ
ート基材とシート基材との間に本発明消臭剤を保持せし
めたシート状物やコルゲート加工したシート状物に用い
られるシート状基材としては、少なくとも通気性のある
もので、さらには,液中の臭気成分を除去するためから
濾布のような通液性のあるものであればよい。用いるシ
ートの基材としては、天然繊維や合成繊維のいずれでも
よく、例えば、不織布として一般に知られているものが
好ましく、これらの素材としては、ナイロン−6、ナイ
ロン6,6、ポリエステル,ポリエチレンテレフタレー
ト,ビニロン,ポリプロピレン,ポリビニルアルコール
などの合成繊維,麻,綿,製紙用パルプなどの天然繊維
が挙げられる。また本消臭剤の使用条件によっては該シ
ートに対し,親水性,発水性,透水性などの材質を用い
て、使用条件に適したものとすることができる。
【0033】本発明の消臭剤をシートの間に保持せしめ
る方法としては、特に限定されるものではない。例え
ば、2枚のシートの間に本発明の消臭剤を均等に挟み込
み、両シートを接着または接合することによって、該消
臭剤を保持することができる。また1枚のシートを折り
曲げて、その間に本発明の消臭剤を挟み、上下シートを
接合することによって、該消臭剤を保持する。保持させ
る本発明の消臭剤の目付け量は,1000g/m2
下、好ましくは10〜850g/m2、より好ましくは
15〜600g/m2である。
【0034】さらに本発明の消臭剤を天然繊維や合成繊
維と水に分散し、これを混抄して抄紙を得ることができ
る。また、本発明の消臭剤を水に分散しシート基材に含
浸させてシート状消臭剤を得ることもできる。また、上
記の繊維類を原料としてそれ自体公知の方法により不織
布の形態にすることもできる。例えば紡糸の過程で予め
繊維と該消臭剤とを混ぜた後、不織布にすることもでき
る。(化学便覧[応用化学編]改訂3版,第660
頁)。ここで用いられる原料繊維としては、綿、麻、パ
ルプ等の天然繊維、セルロース系(レーヨン等)、ポリ
アミド系(ナイロン等)、ポリエステル系、ポリ塩化ビ
ニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリアクリロニトリル
系(アクリル等)、ポリオレフィン系(ポリプロピレ
ン,ポリエチレン等),ポリウレタン系,ポリビニルア
ルコール系(ビニロン等)等の化学繊維が挙げられる。
【0035】かくして本発明の消臭剤を混抄して抄紙し
たり、シート基材に担持させる際には,通常の抄造法な
どにおいて用いられる分散剤、凝集剤、結合剤、湿潤
剤、可塑剤、接着剤等を適宜必要に応じて添加してもよ
い。
【0036】該凝集剤や分散剤としては、一般に抄紙に
用いられるものであればよい。例えば、アニオン系有機
高分子やカチオン系有機高分子などの高分子凝集剤が用
いられる。該アニオン系有機高分子としてはアクリルア
ミド重合体の部分加水分解物等が挙げられる。さらにこ
れらは、アクリルアミドと共重合可能な不飽和酸との共
重合体、アクリル酸の単独または共重合体、アニオン変
性でんぷん(酸化でんぷん等)、その他のアニオン性糊
剤も併用可能である。該カチオン系有機高分子として
は、カチオン変性ポリアクリルアミド樹脂、マンニッヒ
反応物、ホフマン分解物、4級アミン含有モノマーとの
共重合体,カチオン化でんぷんなどが挙げられる。
【0037】該結合剤としては、スチレン,アクリロニ
トリル,イソプレン等とブタジエンの共重合体やアクリ
ル酸エステル、酢酸ビニル、塩化ビニル等の単独または
共重合体、或いは天然ガム類、アルギン酸ナトリウム、
CMC、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホ
ルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、アル
キッド樹脂などが挙げられる。
【0038】該可塑剤としては、フタール酸エステル系
可塑剤等が、オレイン酸アンモニウム石鹸で乳化、分散
した後、使用することができる。該接着剤としては、カ
ゼイン、ラテックス、でんぷん、ポリビニルアルコール
などが用いられる。
【0039】その他の分散剤や湿潤剤等もそれ自体公知
のものを用いることが可能である。前記の各種添加剤
は、適宜必要に応じて適量が配合される。混合抄紙消臭
剤やシート状消臭剤における消臭素材の割合は、全体重
量に対して、1〜70重量%、好ましくは5〜50重量
%である。消臭剤の含有量が少ないと消臭能力が劣り、
また多すぎると紙やシートの強度が十分でなくなった
り、また消臭剤の保持が困難となる。
【0040】このようにして得られた混合抄紙消臭剤
は、各種の用途に応用可能である。例えば、そのまま使
用して部屋やトイレの消臭壁紙やオムツの材料として使
用して消臭紙オムツ、箱や蓋の内貼り用として使用して
消臭ごみ箱、押し入れやタンス等の中敷き、水槽の濾過
材、多孔性プラスチックや布の間に挟み込んだトイレの
消臭床敷き、小さくカットしたものを布袋等に入れたハ
ンドバックやカバンの消臭袋、袋状に加工した消臭ゴミ
袋等が挙げられる。特にトイレの床敷き用には、吸湿剤
の使用やエンボス加工をすると効果的である。
【0041】
【実施例】本発明を次の例で更に説明する。本発明にお
ける評価試験は次の方法によった。 (1)BET法比表面積 自動BET比表面積測定装置(CARLO−ERBA社
製 Sorptomatic Series 180
0)を用いて、試料面に単分子層で吸着する窒素ガス吸
着量Vm 〔cc/g〕を求め、下記式で比表面積を求め
た。
【数1】 比表面積 SA=4.35×Vm 〔m2 /g〕
【0042】(2)固体酸量 n−ブチルアミン測定法〔参考文献:「触媒」Vol.
11,No.6,p.210−216(1969)〕に
より測定した。試料0.5gを50mlの共栓付三角フラ
スコに採り、150℃で3時間乾燥し、その時の重量を
精秤しておく、この中に蒸留法により精製したベンゼン
溶液約10mlを加え、酸度関数Hn =+4.8のハメッ
ト指示薬メチルレッド(酸性色:紫色,塩基性色:薄い
黄色)を添加して呈色させる。N/10のn−ブチルア
ミン溶液を用いて約2日間掛けて滴定し、この時に要し
たn−ブチルアミン溶液量から酸強度凾数Ho≦+4.
8の固体酸量を下記式により求めた。
【0043】
【数2】A=(F×V)/(10×W) 式中、A:固体酸酸量 (ミリモル/g) F:N/10n−ブチルアミンのファクター V:N/10n−ブチルアミンの滴定量(ml) W:試料の重量(g) なお、滴定終点の色相は「三属性による表示方法」日本
規格協会編(JISZ8721)の色相で5Yとした。
【0044】(3)X−線回折 理学電機(株)製X線回折装置(X線発生装置4036
A1、ゴニオメーター2125D1、計数装置507
1)を用いた。回折条件は下記のとおりである。 ターゲット Cu フィルター Ni 検 出 器 SC 電 圧 35KVp 電 流 15mA カウント・フルスケール 10,000c/s 時 定 数 1sec 走 査 速 度 2゜/min チャート速度 2cm/min 放 射 角 1゜ スリット巾 0.3mm 照 角 6゜
【0045】(4)消臭試験方法(1) 内容積925mlのマヨネーズ瓶に本実施例で得た消臭剤
の粉末10mgを入れ、シリコーンゴム製のガス注入口を
付けた樹脂製の中蓋をして蓋の周囲を封じ、その上から
ガス注入口にあたる部分をくりぬいた上蓋をした。つい
で測定対象ガス(硫化水素、メチルメルカプタン及びア
ンモニア)をマヨネーズ瓶中の濃度がほぼ200ppm に
なるように注射器により注入し(あらかじめほぼ同量の
瓶内の気体を注射器で取り出した)、以後室温に放置し
た。瓶内のガス濃度を経時的に、硫化水素およびメチル
メルカプタンの場合はガスクロマトグラフィー(島津製
作所製)、アンモニアの場合は検知管(ガステック製)
を用いて測定した。注入後48時間経過時に瓶の中のガ
ス濃度が5ppm 以下であれば再びガス濃度がほぼ200
ppm になるようにガスを補給し、注入後48時間後の濃
度が初期濃度の50%を上回った時点で、消臭能力の終
点とみなした。そのとき、試料単位重量(g)あたりの
処理したガスの総量(m mol)を求めた。
【0046】(5)消臭試験方法(2) 内容液2.7リットルのデシケータ内に5.2cm×
5.2cm角に切ったシート状消臭剤(下記実施例11
〜14に記載)をつるし、該デシケータ内に(A)硫化
水素ガスを濃度約100ppmになるように注入し、以
後デシケータ内の該ガス濃度を経時的にガスクロマトグ
ラフ装置(島津製作所製)で測定、または(B)アンモ
ニアガスを初期濃度が150ppmになるように注入
し、以後該ガス濃度の経時変化を検知管(ガステック
製)で測定、またはアンモニア水からのアンモニアガス
揮散抑制効果については、(C)該デシケータ内に直径
6.6cmのシャーレを置き、その上に直径5.6cm
の円形に切った該シート状消臭剤を載せ、0.25%濃
度のアンモニア水5mlをシャーレ内に注加し、直ちに
該デシケータ内のアンモニアガス濃度の経時変化を検知
管で測定した。本発明に用いる無機固体酸種を以下の参
考例に基づき調製し、それぞれ参考例1乃至5とした。
【0047】参考例1.(フイロケイ酸マグネシウム) 新潟県中条町産・酸性白土を硫酸で酸処理をし、SiO
2 分が92.7%(110℃乾燥物基準)である活性シ
リカを調製した。得られた活性シリカのケーキをポット
ミルに入れ、湿式粉砕し、SiO2 分を15%含むスラ
リーを得た。つぎに得られたスラリー200g(SiO
2 分:30g)と水酸化マグネシウム(試薬一級)22
gを1リットルのオートクレーブ容器にとり、更に水3
70gを加えて、500回転/分の攪拌条件下で160
℃で5時間水熱合成反応を行なった。冷却後反応物をと
りだし、濾過により水を分離したのち、130℃で乾燥
した。乾燥品を卓上小型サンプルミルで粉砕し、白色微
粉末を得た。得られた白色微粉末のBET比表面積は5
30m2 /g,Ho≦+4.8の固体酸量は0.82m
eq/g,アンモニア吸着容量は2.1m mol/
g,硫化水素吸着容量は0.15m mol/gであっ
た。
【0048】参考例2.(活性白土) BET比表面積が250m2 /g,Ho≦+4.8の固
体酸量が0.9meq/g,アンモニア吸着容量が1.
9m mol/g,硫化水素吸着容量が0.09m m
ol/gである。水澤化学工業(株)製の活性白土を参
考例2として用いた。
【0049】参考例3.(水素イオン型合成ゼオライ
ト) BET比表面積が590m2 /g,Ho≦+4.8の固
体酸量が2.1meq/g,アンモニア吸着容量が3.
1m mol/g,硫化水素吸着容量が0.17m m
ol/gであるH−Y型ゼオライトを参考例3として用
いた。
【0050】参考例4.(複合フイロケイ酸塩) 3号ケイ酸ソーダ(SiO2 :22.0%,Na2 O:
7.0%)330gと35%塩酸約80gを用いてpH
2〜4の酸性条件下で中和反応させて調製したシリカゾ
ルを加熱によりゲル化させ、水洗し、シリカヒドロゲル
を得た。得られたヒドロゲルを水とともに家庭用ミキサ
ーにて解砕し、非晶質シリカスラリー液(SiO2 分:
4.8%)を得た(第1工程)。3号ケイ酸ソーダ20
5gと水酸化ナトリウム221g(NaOH分:5.5
モル)を水に溶かして全量を1リットルとし、これをA
液(SiO2 分:0.75モル)とする。一方、塩化亜
鉛(無水塩)180gと塩化アルミニウム(6水塩)2
41gを水に溶かして全量を1リットルとし、これをB
液(ZnO分:1.2モル、Al2 3 分:0.6モ
ル)とする。第一工程にて得たシリカスラリー液1.5
kg(SiO2 分:1.2モル)を5リットルビーカーに
とり、攪拌下、液温を40℃に保ちながらA液とB液を
それぞれ25cc/分の速度で同時に注加した。注加終
了後この反応液のpHは約7.2であった。さらに攪拌
を続け、1時間熟成した。反応液を吸引濾過水洗し、1
10℃で乾燥した。得られたケーキを小型衝撃粉砕機
(サンプルミル)を用いて粉砕し白色微粉末を得た(第
2工程)。得られた白色微粉末のBET比表面積が29
0m2 /g,Ho≦+4.8の固体酸量が0.71me
q/g,アンモニア吸着容量は2.5m mol/g,
硫化水素吸着容量は3.5m mol/gであった。
【0051】参考例5.(微粉末ケイ酸) BET比表面積が305m2 /g,Ho≦+4.8の固
体酸量が0.28meq/g,アンモニア吸着容量が
1.3m mol/g,硫化水素吸着容量が0.05m
mol/gである水澤化学工業製の微粉末ケイ酸を参
考例5として用いた。
【0052】参考例6 1リットルの水に10gのパルプを均一に分散させ、こ
れに0.07gのカチオン化でんぷんを加え、かきまぜ
てかゆ状とする。得られたパルプスラリーを手抄き機で
抄紙して乾燥を行いシート(厚さ2mm、紙重量(目付
量)710g/m2)を得た。
【0053】参考例7 パルプの量を5g、カチオン化でんぷんの量を0.04
gとしてほかは参考例6と同様にして抄紙し、シート
(厚さ1mm、紙重量(目付量)359g/m2)を得
た。
【0054】実施例1 2リットルビーカーに水酸化ナトリウム(試薬一級)
5.6gをとり、水500gを加えて溶解しA液とし
た。別のビーカーに無水塩化第二銅(試薬化学用)1
8.2gをとり、水を加えて溶解し500mlのB液とし
た。さらに別のビーカーにフマル酸ナトリウム(試薬一
級)10.9gをとり、水を加えて溶解し500mlのC
液とした。A液を攪拌し、これにB液とC液を約17ml
/分の速度で注加した。注加終了後のpHは6.5であ
った。30分間室温にて攪拌放置後、吸引ろ過によりろ
過し、さらに1リットルの脱イオン水にて洗浄した。洗
浄ろ過ケーキを110℃の恒温乾燥器にて乾燥し、1
8.0gの青色の塩基性フマル酸銅の粉末を得た。得ら
れた粉末のCu−Kα線によるX線回折図を図1に、消
臭試験結果を表1に示した。
【0055】2.87mgの得られた粉末を下記の条件
下に熱分析し,熱分析曲線から製造物を確認した。製造
物は「CuO・Cu(C424)・H2O」で示される
塩基性フマル酸銅であった。 (1)測定装置:Thermoflex TG-8110((株)リガク
製) (2)初期温度:27℃ (3)最終温度:500℃ (4)昇温速度:5℃/分
【0056】実施例2 イソフタル酸(試薬一級)11.3g及び水酸化ナトリ
ウム(試薬一級)5.6gを水500gに溶解しC液と
した以外は実施例1と同様の手順で合成し、18.3g
の青色の塩基性イソフタル酸銅の粉末を得た。得られた
粉末の消臭試験結果を表1に示した。1.76mgの得
られた粉末を用いて,初期温度31℃と設定した以外は
実施例1と同様にして、製造物を確認した。製造物は
「CuO・Cu(C844)・7H2O」で示される塩
基性イソフタル酸銅であった。
【0057】実施例3 無水塩化第二銅(試薬化学用)9.1g及び無水塩化亜
鉛(試薬一級)9.2gを水500gに溶解しB液とし
た以外は実施例1と同様の手順で合成し、15.1gの
青白色の塩基性フマル酸複合金属塩の粉末を得た。得ら
れた粉末の消臭試験結果を表1に示した。2.60mg
の得られた粉末を用いて,実施例1と同様にして、製造
物を確認した。製造物は「CuO・Zn(C424
・H2O」で示される塩基性フマル酸銅ー亜鉛であっ
た。
【0058】実施例4 無機固体酸として参考例1のフイロケイ酸マグネシウム
50gを2リットルのビーカーにとり、水酸化ナトリウ
ム5.6gと水500gを加えてスラリーとし、これを
液とした以外は実施例1と同様の手順で合成し、6
7.3gの青白色の本発明の消臭剤粉末(塩基性フマル
酸銅をフィロケイ酸マグネシウムに担持させたもの)を
得た。得られた粉末の消臭試験結果を表1に示した。
【0059】実施例5 無機固体酸として参考例2の活性白土を用いた以外は実
施例4と同様の手順で合成し68.5gの青白色の本発
明の消臭剤粉末(塩基性フマル酸銅を活性白土に担持さ
せたもの)を得た。得られた粉末の消臭試験結果を表1
に示した。
【0060】実施例6 無機固体酸として参考例3の水素イオン型合成ゼオライ
ト粉末を用いた以外は実施例4と同様の手順で合成し6
8.2gの青白色の本発明の消臭剤粉末(塩基性フマル
酸銅水素イオン型合成ゼオライトに担持させたもの)を
得た。得られた粉末の消臭試験結果を表1に示した。
【0061】実施例7 無機固体酸として参考例4の複合フイロケイ酸塩の粉末
を用いた以外は実施例4と同様の手順で合成し、67.
3gの青白色の本発明の消臭剤粉末(塩基性フマル酸銅
を複合フィロケイ酸塩に担持させたもの)を得た。得ら
れた粉末の消臭試験結果を表1に示した。
【0062】実施例8 無機固体酸として参考例5のシリカ粉末を用い、無水塩
化第二銅18.2gの代わりに無水塩化第二銅9.1g
と無水塩化亜鉛(試薬一級)9.2gの組み合わせを用
いた以外は実施例4と同様の手順で合成し、68.8g
の青白色の本発明の消臭剤粉末(塩基性フマル酸銅をシ
リカに担持させたもの)を得た。得られた粉末の消臭試
験結果を表1に示した。
【0063】実施例9 実施例1にて得た塩基性ジカルボン酸銅粉末10gと参
考例1にて得た合成フイロケイ酸マグネシウム粉末90
gを0.5リットルのV型混合器を用いて30分間混合
し、青白色の本発明の消臭剤粉末を得た。得られた粉末
の消臭試験結果を表1に示した。
【0064】実施例10 実施例7で得た本発明の消臭剤粉末10mgを相対湿度9
8%のデシケータ(飽和硫酸カリウム溶液)に24時間
放置し、実施例1〜9と同様の手順で行なった臭試験結
果を表1に示した。
【0065】実施例11 1リットルの水および10gのパルプ、実施例7で得た
消臭剤粉末3gを均一に分散するように攪拌する。ここ
に0.07gのカチオン化でんぷんを入れ、かゆ状とな
った消臭剤含有パルプスラリ−を手抄き機で抄紙して乾
燥を行い、シート状消臭剤(消臭剤含有量:23重量
%;紙重量(目付量):828g/m2)を得た。得ら
れたシート状消臭剤は淡青色であり、その消臭試験結果
を表2に示した。
【0066】実施例12 実施例7で得られた消臭剤粉末の量を6gとした以外は
実施例11におけると同様にしてシート状消臭剤(消臭
剤含有量:37重量%;紙重量(目付量):999g/
2)を得た。得られたシート状消臭剤は淡青色であ
り、その消臭試験結果を表2に示した。
【0067】実施例13 パルプの量を5gとし、カチオン化でんぷんの量を0.
04gとした以外は実施例11におけると同様にしてシ
ート状消臭剤(消臭剤含有量:37重量%;紙重量(目
付量):451g/m2)を得た。得られたシート状消
臭剤は淡青色であり、その消臭試験結果を表2に示し
た。
【0068】実施例14 通気性を有するポリプロピレン不織布(52cm×52
cm、目付量50g/m2)に、12〜30meshの
顆粒状にした実施例7の消臭剤500mgを不織布表面
にほぼ均一になるように広げた。その上から同じ不織布
で覆い、ヒートシーラーで上下両方のシートの四周をシ
ールし、シート状消臭剤を得た。2.7リットルデシケ
ーターの中に該シート状消臭剤をつるし、消臭試験方法
(2)によりデシケーター内の硫化水素の濃度の経時変
化を調べた。尚、対照として該消臭剤粉末を保持しない
シートを入れ、全く同様にテストを行った。両テストの
結果を表3に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、特に硫化水素,メルカ
プタン等の硫黄系悪臭成分の消臭性に優れる炭酸銅,硫
酸銅等の無機酸塩又はフマル酸銅等のジカルボン酸塩の
該塩基性銅塩は、水に不溶であることから、銅成分が安
定な固体状態で触媒的,吸着的な脱臭作用を呈し、且つ
上記銅塩を多孔性の無機固体酸に担持させてなる本発明
の消臭剤は、両者の相乗作用によって、酸性系の他にア
ンモニア,アミン等の塩基性系の悪臭成分に対して広い
消臭スペクトルを示し、その臭消容量も著しく増大させ
ることが可能である。また、本発明の消臭剤は、その能
力を損なうことなく抄紙等の方法によりシート状に加工
することが可能であり、各種消臭用途に応用可能なもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例による塩基性ジカルボン酸銅
のCu−Kα線によるX−線回折スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤谷 敏彦 茨城県つくば市松代3丁目12番地の1武田 松代レジデンス501号 (72)発明者 小野 金一 新潟県北蒲原郡黒川村大字下館178番地

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】nCuO・MY2/X ・mH2 O 式中、nは1/3〜9の数であり、Mは2価の金属原子
    を表わし、Yは1価乃至3価アニオンを表わし、xはア
    ニオンの価数であり、mは0〜18の数である、で表わ
    される銅化合物を、酸強度凾数Hoが+4.8以下の酸
    量が0.2meq/g以上である無機固体酸に担持させ
    た消臭剤。
  2. 【請求項2】 銅化合物の重量比が、銅化合物および無
    機固体酸の合計量に対して、1〜50重量%である請求
    項1記載の消臭剤。
  3. 【請求項3】 Mが周期律表第Ib族、第IIa族また
    は第IIb族に属する2価金属原子である請求項1また
    は2に記載の消臭剤。
  4. 【請求項4】 Mが銅または亜鉛である請求項1〜3の
    何れかに記載の消臭剤。
  5. 【請求項5】 xが2である請求項1〜4の何れかに記
    載の消臭剤。
  6. 【請求項6】 Yが有機ジカルボン酸アニオンである請
    求項1〜5の何れかに記載の消臭剤。
  7. 【請求項7】 Yが脂肪族不飽和ジカルボン酸アニオン
    である請求項1〜6の何れかに記載の消臭剤。
  8. 【請求項8】 Yが炭素数4〜6の脂肪族不飽和ジカル
    ボン酸アニオンである請求項1〜7の何れかに記載の消
    臭剤。
  9. 【請求項9】 nが1でmが1〜7である請求項1〜8
    の何れかに記載の消臭剤。
  10. 【請求項10】 無機固体酸が100m2/g以上のB
    ET比表面積を有するものである請求項1〜9の何れか
    に記載の消臭剤。
  11. 【請求項11】 無機固体酸が、常温で固体の天然ゼオ
    ライト、合成ケイ酸塩、合成アルミノケイ酸塩から選ば
    れた少なくとも一種である請求項1〜10の何れかに記
    載の消臭剤。
  12. 【請求項12】 2価金属原子のうち銅が金属原子比で
    50%以上である銅化合物を含有する請求項1〜11の
    何れかに記載の消臭剤。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12の何れかに記載の消臭
    剤をシート状基材に担持させたシート状消臭剤。
  14. 【請求項14】 一般式 【化2】CuO・MZ・mH2 O 式中、Mは2価の金属原子を示し、Zはジカルボン酸の
    アニオンを示し、mは0〜7の数を示す、で表わされる
    化合物。
  15. 【請求項15】 Mが周期律表第Ib族、第IIa族ま
    たは第IIb族に属する2価金属原子である請求項1記
    載の化合物。
  16. 【請求項16】 Mが銅または亜鉛である請求項14ま
    たは15の何れかに記載の化合物。
  17. 【請求項17】 Zが脂肪族不飽和ジカルボン酸アニオ
    ンである請求項14〜16の何れかに記載の化合物。
  18. 【請求項18】 Zが炭素数4〜6の脂肪族不飽和ジカ
    ルボン酸アニオンである請求項14〜17の何れかに記
    載の化合物。
  19. 【請求項19】 Zがフマル酸アニオンである請求項1
    4〜18の何れかに記載の化合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008188437A (ja) * 2008-03-14 2008-08-21 Toyota Central R&D Labs Inc 脱臭成形体
KR20170097605A (ko) 2014-12-24 2017-08-28 도아고세이가부시키가이샤 소취제 및 소취 제품

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