JPH05236981A - ガラクトオリゴ糖の製造方法 - Google Patents

ガラクトオリゴ糖の製造方法

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JPH05236981A
JPH05236981A JP4043292A JP4329292A JPH05236981A JP H05236981 A JPH05236981 A JP H05236981A JP 4043292 A JP4043292 A JP 4043292A JP 4329292 A JP4329292 A JP 4329292A JP H05236981 A JPH05236981 A JP H05236981A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ステリグマトマイセス属、ロドトルラ属、シ
ロバシディウム属またはリポミセス属に属し、乳糖から
ガラクトオリゴ糖を生成する能力を有する微生物を、ア
ミノ態窒素含有量が0.01%以下でありかつ鉄イオ
ン、銅イオンもしくは亜鉛イオンを添加した乳糖含有液
体培地中で培養し、培養液中にガラクトオリゴ糖を生成
蓄積せしめるか、または増殖した菌体を水性媒体中にて
乳糖もしくは乳糖含有物に作用させてガラクトオリゴ糖
を生成蓄積せしめる。 【効果】 本発明の方法により、乳糖または乳糖含有物
からガラクトオリゴ糖を高蓄積、高収率、高純度で製造
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガラクトオリゴ糖の製造
方法に関する。ガラクトオリゴ糖はビフィズス菌の増殖
促進剤としての機能があることから機能性食品素材とし
て、また家畜の下痢軟便防止用飼料添加物として利用価
値の高い糖質である。
【0002】
【従来の技術】乳糖を原料として酵素あるいは微生物を
作用させてガラクトオリゴ糖を製造させる方法として
は、糸状菌アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryz
ae)のβ−ガラクトシダーゼを用いる方法(特公昭58
−20266号公報)、細菌バチラス・サーキュランス
(Bacillus circulans)のβ−ガラクトシダーゼを用い
る方法(Agric. Biol. Chem.、第48巻、3053頁、1984
年)、リポミセス(Lipomyces)属、ロドトルラ(Rhodo
torula)属、クルイベルミセス(Kluyveromyces)属、
デバリオミセス(Debaryomyces)属等の酵母の静止菌体
を用いる方法(特開昭63−185373号公報)があ
る。また酵母クリプトコッカス・ローレンティー(Crypt
ococcus laurentii)を乳糖を含む培地で培養し培養液中
にガラクトオリゴ糖を生成蓄積させる方法も知られてい
る(発酵工学、第66巻、225頁、1988年)。
【0003】しかしながら、β−ガラクトシダーゼや静
止菌体を用いる方法では、反応中に副生するグルコース
がガラクトオリゴ糖生成反応を阻害するためにガラクト
オリゴ糖の生成収率が30〜40%と低くなるという欠
点がある。
【0004】また、乳糖を含む培地で酵母を培養し培養
液中にガラクトオリゴ糖を生成蓄積させる方法では、副
生グルコースを菌体が資化し反応系外へ除去するために
グルコースによるガラクトオリゴ糖生成の阻害は回避さ
れるが、菌体が十分に増殖していない培養初期から高濃
度の乳糖を培地に添加すると乳糖が菌体の生育阻害を引
き起こしてしまう。したがってこの場合は、高濃度の乳
糖を培地に仕込むことができず、結果としてガラクトオ
リゴ糖の収率は高くなるが蓄積濃度は低くなるという欠
点がある。
【0005】さらに、本発明者らによって、ステリグマ
トマイセス属、ロドトルラ属またはシロバシディウム属
に属し、乳糖からガラクトオリゴ糖を生成する能力を有
する酵母を培養し、培養の途中に乳糖を添加しそのまま
培養を継続することによって培養液中に高濃度かつ高収
率でガラクトオリゴ糖を生成蓄積させる方法が開発され
ている(日本農芸化学会誌、第63巻、309頁、1989
年)。しかしこの方法においても、培地の成分としてア
ミノ態窒素含有量の高い酵母エキスやペプトンが多く含
まれているために、培地のコストが高くなるばかりでな
く、培養液中にこれらが不純物として残存しガラクトオ
リゴ糖が高濃度かつ高収率で製造できても培養終了後の
ガラクトオリゴ糖の単離精製が容易でなく精製コストが
高くなるという欠点がある。さらに有機窒素化合物に富
んだ工業廃液を排出することにもなるから、環境保護の
観点からも有機窒素化合物の培地への使用は最小限にと
どめることが望ましい。しかしながら、培地中のペプト
ン、酵母エキスを単に低減するとガラクトオリゴ糖生産
能の高い酵母菌体が得られず、ガラクトオリゴ糖が効率
よく生産できないため、アミノ態窒素の含有量が低い培
地を用いて効率的にガラクトオリゴ糖を製造する方法の
開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
窒素化合物濃度が低い、すなわちアミノ態窒素含有量と
して0.01%以下の培地を用いて、高蓄積、高収率、
高純度でガラクトオリゴ糖を得る新規な製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の事
情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ステリグマトマイセ
ス属、ロドトルラ属、シロバシディウム属またはリポミ
セス属に属し、乳糖からガラクトオリゴ糖を生成する能
力を有する微生物を、アミノ態窒素含有量が0.01%
以下でありかつ鉄イオン、銅イオンもしくは亜鉛イオン
を添加した乳糖含有液体培地中で培養することにより培
養液中に著量のガラクトオリゴ糖が生成蓄積されるこ
と、さらに当該培地で増殖した菌体が高いガラクトオリ
ゴ糖生産活性を有しており水性媒体中にて乳糖もしくは
乳糖含有物に作用させると著量のガラクトオリゴ糖が生
成蓄積されることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は、ステリグマトマイセ
ス属、ロドトルラ属、シロバシディウム属またはリポミ
セス属に属し、乳糖からガラクトオリゴ糖を生成する能
力を有する微生物を、アミノ態窒素含有量が0.01%
以下でありかつ鉄イオン、銅イオンもしくは亜鉛イオン
を添加した乳糖含有液体培地中で培養し、培養液中にガ
ラクトオリゴ糖を生成蓄積せしめ、これを採取すること
を特徴とするガラクトオリゴ糖の製造方法を提供するも
のである。
【0009】さらに、本発明は、ステリグマトマイセス
属、ロドトルラ属、シロバシディウム属またはリポミセ
ス属に属し、乳糖からガラクトオリゴ糖を生成する能力
を有する微生物を、アミノ態窒素含有量が0.01%以
下でありかつ鉄イオン、銅イオンもしくは亜鉛イオンを
添加した液体培地中で培養し、増殖した菌体を水性媒体
中にて乳糖もしくは乳糖含有物に作用させてガラクトオ
リゴ糖を生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴と
するガラクトオリゴ糖の製造方法を提供するものであ
る。
【0010】本発明において使用される微生物として
は、ステリグマトマイセス属、ロドトルラ属、シロバシ
ディウム属またはリポミセス属に属し、乳糖からガラク
トオリゴ糖を生成する能力を有する微生物であればいず
れでも使用できるが、具体的に例示すると以下のものが
挙げられる。 ステリグマトマイセス・エリビアエ(Sterigumatomyces
elviae) CBS8119 ステリグマトマイセス・エリビアエ(Sterigumatomyces
elviae) CBS5922 ステリグマトマイセス・エリビアエ(Sterigumatomyces
elviae) CBS8120 ステリグマトマイセス・エリビアエ(Sterigumatomyces
elviae) CBS8121 ロドトルラ・ミヌタ(Rhodotorula minuta) CBS4
407 ロドトルラ・ミヌタ(Rhodotorula minuta) CBS2
177 ロドトルラ・マリナ(Rhodotorula marina) IFO1
432 ロドトルラ・マリナ(Rhodotorula marina) CBS5
695 シロバシディウム・マグナム(Sirobasidium mugnum)
CBS6803 シロバシディウム・マグナム(Sirobasidium mugnum)
CBS6804 シロバシディウム・マグナム(Sirobasidium mugnum)
CBS6805 シロバシディウム・マグナム(Sirobasidium mugnum)
CBS6806 リポミセス・スターキー(Lipomyces starkyei) JC
M5995 リポミセス・スターキー(Lipomyces starkyei) JC
M5996 リポミセス・スターキー(Lipomyces starkyei) JC
M5997 リポミセス・スターキー(Lipomyces starkyei) JC
M5998
【0011】これらの微生物の培養のための培地として
は、グルコース、シュクロース、乳糖等の炭素源;アン
モニア、硫安等の無機窒素源;リン酸塩、マグネシウム
塩、カリウム塩等の無機塩類;ビオチン、チアミン、パ
ラアミノ安息香酸等のビタミン類を適宜配合した液体培
地が用いられる。また、ビタミン類の代替としてこれを
含有する酵母エキス等の有機栄養源を用いることもでき
る。この場合酵母エキスの添加濃度は0.1%以下でよ
く、培地中のアミノ態窒素含有量としては0.01%以
下である。
【0012】本発明において最も重要な部分は、アミノ
態窒素含有量が0.01%以下であるかかる培地に微量
金属イオンである鉄イオン、銅イオンもしくは亜鉛イオ
ンを添加することである。微量金属イオンの添加濃度
は、鉄イオンの場合、FeSO4・7H2Oとして0.0
1〜1000mg/l、銅イオンの場合、CuSO4
5H2Oとして0.01〜100mg/l、亜鉛イオン
の場合、ZnSO4・7H2Oとして0.1〜1000m
g/lである。
【0013】上記のような培地を用いて培養液中にガラ
クトオリゴ糖を生成蓄積させる方法としては、培養開始
前もしくは培養途中に原料である乳糖または乳糖含有物
を培養液に添加し、培養を行えばよい。この場合、菌体
が十分に増殖していない培養初期から高濃度の乳糖を培
地に添加すると乳糖が菌体の生育阻害を引き起こしてし
まうため、乳糖は菌体をある程度増殖させた後添加する
ことが好ましい。培養の方法としては、好気条件下で培
養液のpHを4.0〜9.5の範囲に制御しつつ20〜
40℃で12時間〜5日間培養する。かくして培養を行
うことにより、培養液中にガラクトオリゴ糖が高蓄積、
高収率、高純度で得られる。
【0014】また、上記のような培地を用いて培養して
増殖させた菌体は高いガラクトオリゴ糖生産活性を有し
ているため、この菌体を遠心分離、限外濾過膜等により
培養物から分離し、水性媒体中にて乳糖もしくは乳糖含
有物に作用させてガラクトオリゴ糖を生成蓄積させるこ
ともできる。この場合、上記と同様の培地を用いて好気
条件下で微生物菌体の増殖代謝を行わせつつ反応を行っ
てもよいし、静置条件下で反応を行ってもよい。さら
に、これらの微生物菌体を担体に固定化し、固定化増殖
菌体として反応に用いることもできる。
【0015】上記反応において、水性媒体中の乳糖また
は乳糖含有物の濃度は特に制限されないが、乳糖として
100〜700g/l、好ましくは25〜500g/l
の範囲である。反応温度は、微生物菌体の増殖代謝を行
わせつつ反応を行う場合は通常20〜40℃、好ましく
は25〜30℃であり、静置条件下で菌体の増殖代謝を
行わせずに反応を行う場合は通常40〜90℃、好まし
くは50〜70℃である。また、反応pHは2〜8、好
ましくは3〜7の範囲である。かくして2時間〜10日
間反応を行うことにより、反応液中にガラクトオリゴ糖
が高蓄積、高収率、高純度で得られる。
【0016】また、好気条件下で微生物菌体の増殖代謝
を行わせつつ反応を行った場合、ガラクトオリゴ糖生産
と同時に高いガラクトオリゴ糖生成能を有する菌体を調
製することができるので、反応終了後の菌体を繰り返し
ガラクトオリゴ糖生産反応に用いることができる。
【0017】培養終了後の培養液もしくは反応終了後の
反応液からは、必要に応じて菌体を分離した後、イオン
交換樹脂、ゲル濾過、活性炭吸着等のクロマトグラフィ
ーにかけることによりガラクトオリゴ糖を精製できる。
【0018】かくして得られるガラクトオリゴ糖は、主
として3糖及び4糖から成っており、その結合様式は3
糖はGalβ1→4Galβ1→4Glc、4糖はGa
lβ1→4Galβ1→4Galβ1→4Glcである
(Galはガラクトース残基、Glcはグルコース残基
を示す)。
【0019】
【実施例】以下、実施例にて本発明をさらに詳細に説明
する。なお、実施例における生成ガラクトオリゴ糖、残
存乳糖並びに副生グルコースの定量は、高速液体クロマ
トグラフィー(ポンプ:日立製作所製655型、検出
器:昭和電工製SE-51型、カラム:昭和電工製Sh
odex−801、カラム温度:80℃、溶媒:水、流
量:0.7ml/分)を用いピーク面積により求めた。
(保持時間:ガラクトオリゴ糖3糖:16.1分、ガラ
クトオリゴ糖4糖:15.0分、乳糖:17.8分、グ
ルコース:21.0分)
【0020】実施例1 表1に示す組成の培地(培地中のアミノ態窒素含有量
0.0035%)にFeSO4・7H2O、CuSO4
5H2O及びZnSO4・7H2Oをそれぞれ15mg/
lずつ添加し、500ml容フラスコに50ml分注し
て115℃、15分間加熱殺菌した。これに予めマルツ
エキス寒天培地上にて30℃、3日間培養して得たステ
リグマトマイセス・エリビアエ CBS8119、ロド
トルラ・ミヌタ CBS4407、シロバシディウム・
マグナム CBS6803またはリポミセス・スターキ
ー JCM5995の菌体を一白金耳量接種し、30
℃、3日間振とう培養した。その後各フラスコに20g
の乳糖を投入しさらに培養を継続した。
【0021】
【表1】
【0022】乳糖投入直前の菌体の増殖量と、乳糖投入
70時間後の培養液中に生成蓄積したガラクトオリゴ糖
の量を表2に示した。また、比較対照として、FeSO
4・7H2O、CuSO4・5H2O及びZnSO4・7H2
Oを添加しない培地で同様に培養した場合と、FeSO
4・7H2O、CuSO4・5H2O及びZnSO4・7H2
Oの代わりにポリペプトン(日本製薬製)を10g/
l、粉末酵母エキスS(日本製薬製)を9g/l添加し
アミノ態窒素含有量を0.1%とした培地で培養した場
合の結果をあわせて示した。なお、菌体の増殖は培養液
の26倍希釈液の562nmにおける吸光度を測定する
ことにより求めた。
【0023】
【表2】
【0024】この結果から明らかなように、アミノ態窒
素含有量0.1%の培地で培養した場合と比較して、ア
ミノ態窒素含有量0.01%以下の培地では鉄イオン、
銅イオン及び亜鉛イオンを添加しないと得られる培養液
中のガラクトオリゴ糖の蓄積量は低下したが、培地中に
鉄イオン、銅イオン及び亜鉛イオンを添加して培養を行
うことにより、ほぼ同量のガラクトオリゴ糖が培養液中
に生成蓄積された。また、乳糖投入直前の菌体増殖量は
鉄イオン、銅イオン及び亜鉛イオンを添加した場合と添
加しない場合とで顕著な差は認められないことから、鉄
イオン、銅イオン及び亜鉛イオンの添加による効果は菌
体増殖を促進することではなく、増殖した菌体のガラク
トオリゴ糖生成活性を高めることにあることがわかる。
【0025】実施例2 表3に示す組成の培地(培地中のアミノ態窒素含有量
0.0035%)に各金属イオンをFeSO4・7H
2O、CuSO4・5H2O、ZnSO4・7H2Oとして
それぞれ15mg/lずつ単独または組み合わせて添加
し、500ml容フラスコに50ml分注して115
℃、15分間加熱殺菌した。これに予めマルツエキス寒
天培地上にて30℃、3日間培養して得たステリグマト
マイセス・エリビアエ CBS8119の菌体を一白金
耳量接種し、30℃、3日間振とう培養した。培養終了
後遠心分離により菌体を集め、100mMリン酸緩衝液
(pH6.0)で1回洗浄した。この湿菌体を等容量の
同緩衝液に懸濁し、酵素菌体液とした。
【0026】
【表3】
【0027】次に、乳糖10gを溶解した100mMリ
ン酸緩衝液(pH6.0)45mlに各酵素菌体液を5
ml加え、60℃、2時間静置条件下で反応を行った。
反応液中に生成蓄積したガラクトオリゴ糖の量を表4に
示した。
【0028】
【表4】
【0029】この表から明らかなように、鉄イオン、銅
イオン、亜鉛イオンを単独または組み合わせて添加した
培地で培養することにより、増殖した菌体のガラクトオ
リゴ糖生成活性が高くなった。また、各金属イオンは単
独添加でも効果はあるが、組み合わせて添加することに
よってより好ましい結果が得られた。
【0030】実施例3 表5に示す組成の培地にFeSO4・7H2O、CuSO
4・5H2O、ZnSO4・7H2Oをそれぞれ単独で各濃
度添加し、500ml容フラスコに50ml分注して1
15℃、15分間加熱殺菌した。この培地で実施例2と
同様にしてステリグマトマイセス・エリビアエ CBS
8119を培養し、各酵素菌体液を調製してガラクトオ
リゴ糖生成反応を行った。60℃、2時間静置条件下で
の反応により反応液中に生成蓄積したガラクトオリゴ糖
の量は表6の通りであった。
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】実施例4 表7に示す組成の培地を用いて、実施例2と同様にして
ステリグマトマイセス・エリビアエ CBS5922、
CBS8120、CBS8121、ロドトルラ・ミヌタ
CBS4407、CBS2177、ロドトルラ・マリ
ナ IFO1432、CBS5695、シロバシディウ
ム・マグナム CBS6803、CBS6804、CB
S6805、CBS6806、リポミセス・スターキー
JCM5995、JCM5996、JCM5997及
びJCM5998の各酵素菌体液を調製した。これを用
いてそれぞれ実施例2と同様にして60℃、2時間ガラ
クトオリゴ糖生成反応を行った。なお比較対照として、
FeSO4・7H2O、CuSO4・5H2O、ZnSO4
・7H2Oのいずれも無添加の培地で同様に培養を行
い、調製した酵素菌体液を用いて反応を行った。結果を
表7に示した。
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】この結果から明らかなように、いずれの菌
株についても培地に鉄、銅、亜鉛の各金属イオンを添加
して培養することにより、得られる菌体のガラクトオリ
ゴ糖生成量は顕著に向上した。
【0037】実施例5 表9に示す組成の培地を500ml容フラスコに50m
l入れ、115℃、15分間加熱殺菌した。これに予め
マルツエキス寒天培地上にて30℃、3日間培養して得
たステリグマトマイセス・エリビアエ CBS8119
の菌体を一白金耳量接種し、30℃で3日間振とう培養
した。培養終了後遠心分離により菌体を集め、100m
Mリン酸緩衝液(pH6.0)で1回洗浄した。この菌
体を等容量の同緩衝液に懸濁し、酵素菌体液とした。
【0038】
【表9】
【0039】表10に示す組成の基質液を調製し、50
0ml容坂口フラスコに45ml分注して115℃、1
5分間加熱殺菌した。これに上記酵素菌体液を5ml添
加し、30℃で振とうさせることによってガラクトオリ
ゴ糖生成反応を行なった。なお、12時間毎にpHを塩
酸または水酸化カリウム水溶液にて6.0に調整した。
【0040】
【表10】
【0041】70時間反応させた後遠心分離により菌体
を集め、100mMリン酸緩衝液(pH6.0)で1回
洗浄した。この菌体を等容量の同緩衝液に懸濁し、これ
を酵素菌体液として順次繰り返して反応を実施した。
【0042】ガラクトオリゴ糖生成反応を70時間ごと
に繰り返し実施した時の反応液の糖組成を表7に示し
た。本発明の方法では、酵母菌体を繰り返し使用しても
ガラクトオリゴ糖の生産能の低下は認められなかった。
【0043】
【表11】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステリグマトマイセス属、ロドトルラ
    属、シロバシディウム属またはリポミセス属に属し、乳
    糖からガラクトオリゴ糖を生成する能力を有する微生物
    を、アミノ態窒素含有量が0.01%以下でありかつ鉄
    イオン、銅イオンもしくは亜鉛イオンを添加した乳糖含
    有液体培地中で培養し、培養液中にガラクトオリゴ糖を
    生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とするガラ
    クトオリゴ糖の製造方法。
  2. 【請求項2】 ステリグマトマイセス属、ロドトルラ
    属、シロバシディウム属またはリポミセス属に属し、乳
    糖からガラクトオリゴ糖を生成する能力を有する微生物
    を、アミノ態窒素含有量が0.01%以下でありかつ鉄
    イオン、銅イオンもしくは亜鉛イオンを添加した液体培
    地中で培養し、増殖した菌体を水性媒体中にて乳糖もし
    くは乳糖含有物に作用させてガラクトオリゴ糖を生成蓄
    積せしめ、これを採取することを特徴とするガラクトオ
    リゴ糖の製造方法。
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