JPH0523183A - 新規なα−ガラクトシダーゼ及びそれを用いた糖類の製造法 - Google Patents
新規なα−ガラクトシダーゼ及びそれを用いた糖類の製造法Info
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- JPH0523183A JPH0523183A JP3203372A JP20337291A JPH0523183A JP H0523183 A JPH0523183 A JP H0523183A JP 3203372 A JP3203372 A JP 3203372A JP 20337291 A JP20337291 A JP 20337291A JP H0523183 A JPH0523183 A JP H0523183A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 工業的に有利に生産できる菌体外分泌型の新
規なα−ガラクトシダーゼと、この酵素を用いてガラク
トマンナンからマンノオリゴ糖、マンノース、ガラクト
ース等の糖類を効率的に製造する方法を提供する。 【構成】 バチルス・ステアロサーモフィラス JD-72株
(Bacillus stearothermophilus JD-72 、微工研菌寄第
12274 号)を培養して、α−ガラクトシダーゼを菌体外
に生産させ、培養上清中からα−ガラクトシダーゼを採
取する。ガラクトマンナンに、このα−ガラクトシダー
ゼと、マンナナーゼ及び/又はマンノシダーゼとを作用
させて、マンノオリゴ糖、マンノース、ガラクトース等
の糖類を生産させる。
規なα−ガラクトシダーゼと、この酵素を用いてガラク
トマンナンからマンノオリゴ糖、マンノース、ガラクト
ース等の糖類を効率的に製造する方法を提供する。 【構成】 バチルス・ステアロサーモフィラス JD-72株
(Bacillus stearothermophilus JD-72 、微工研菌寄第
12274 号)を培養して、α−ガラクトシダーゼを菌体外
に生産させ、培養上清中からα−ガラクトシダーゼを採
取する。ガラクトマンナンに、このα−ガラクトシダー
ゼと、マンナナーゼ及び/又はマンノシダーゼとを作用
させて、マンノオリゴ糖、マンノース、ガラクトース等
の糖類を生産させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なα−ガラクトシ
ダーゼと、この酵素を用いてガラクトマンナンからマン
ノオリゴ糖、マンノース、ガラクトース等の糖類を製造
する方法に関する。
ダーゼと、この酵素を用いてガラクトマンナンからマン
ノオリゴ糖、マンノース、ガラクトース等の糖類を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、低う蝕性であり、腸内菌叢を改善
する等の機能を有する機能性食品として各種のオリゴ糖
が注目されている。これらのうち、β−ガラクトシダー
ゼの転移反応を利用して製造されるβ−ガラクトオリゴ
糖はすでに市販されている。これは、β−ガラクトシダ
ーゼは、工業的に容易に、効率よく、安価に製造するこ
とができるからである。
する等の機能を有する機能性食品として各種のオリゴ糖
が注目されている。これらのうち、β−ガラクトシダー
ゼの転移反応を利用して製造されるβ−ガラクトオリゴ
糖はすでに市販されている。これは、β−ガラクトシダ
ーゼは、工業的に容易に、効率よく、安価に製造するこ
とができるからである。
【0003】一方、ガラクトマンナンは、例えばイナゴ
マメやグアーの種子に含まれる粘質物、すなわちローカ
ストビーンガム、グアーガムなどとして得られ、天然界
に比較的多量に存在する。このガラクトマンナンは、澱
粉と同様に、そのまま、又は化学的改質処理を施した
後、糊料、増粘剤、食品材料等として、繊維、化粧品、
食品、農薬等の各分野において広く利用されている。
マメやグアーの種子に含まれる粘質物、すなわちローカ
ストビーンガム、グアーガムなどとして得られ、天然界
に比較的多量に存在する。このガラクトマンナンは、澱
粉と同様に、そのまま、又は化学的改質処理を施した
後、糊料、増粘剤、食品材料等として、繊維、化粧品、
食品、農薬等の各分野において広く利用されている。
【0004】ところで、ガラクトマンナンを効率よく加
水分解する酵素が得られれば、これを分解してマンノオ
リゴ糖、マンノース、ガラクトース等の糖類とし、これ
らの糖類をより付加価値の高い製品に利用することがで
き、また、ガラクトマンナン自体として利用した後に、
これを分解、除去するという分野にも応用できる。
水分解する酵素が得られれば、これを分解してマンノオ
リゴ糖、マンノース、ガラクトース等の糖類とし、これ
らの糖類をより付加価値の高い製品に利用することがで
き、また、ガラクトマンナン自体として利用した後に、
これを分解、除去するという分野にも応用できる。
【0005】このような目的に沿って、近年、β−マン
ナナーゼ及びβ−マンノシダーゼが開発され、既に工業
化されようとしている(特開昭63-56289号、 特開昭63-3
6779号、特開昭63-49093号参照)。
ナナーゼ及びβ−マンノシダーゼが開発され、既に工業
化されようとしている(特開昭63-56289号、 特開昭63-3
6779号、特開昭63-49093号参照)。
【0006】しかしながら、ガラクトマンナンは、マン
ノースがβ-1,4結合した主鎖に、ガラストースがα-1,4
結合した側鎖を有する構造をなすので、上記のようなβ
−マンナナーゼやβ−マンノシダーゼを作用させたと
き、側鎖の近傍で反応が中断されてしまい、分解効率、
経済性の観点からは満足の行くものではなかった。
ノースがβ-1,4結合した主鎖に、ガラストースがα-1,4
結合した側鎖を有する構造をなすので、上記のようなβ
−マンナナーゼやβ−マンノシダーゼを作用させたと
き、側鎖の近傍で反応が中断されてしまい、分解効率、
経済性の観点からは満足の行くものではなかった。
【0007】このような観点から、本発明者らは、ガラ
クトマンナンに、マンナンの主鎖を実質的に分解するこ
となく、側鎖のガラクトースを遊離させることができる
酵素を作用させれば、マンノオリゴ糖、マンノース、ガ
ラクトースなどの糖類を効率よく回収、利用することが
できると考えた。
クトマンナンに、マンナンの主鎖を実質的に分解するこ
となく、側鎖のガラクトースを遊離させることができる
酵素を作用させれば、マンノオリゴ糖、マンノース、ガ
ラクトースなどの糖類を効率よく回収、利用することが
できると考えた。
【0008】このような酵素としては、α−ガラクトシ
ダーゼが考えられる。α−ガラクトシダーゼは、メリビ
オース、ラフィノース、スタキオースなどのα−D−ガ
ラクトシドに作用し、これを加水分解してガラクトース
を遊離する酵素である。
ダーゼが考えられる。α−ガラクトシダーゼは、メリビ
オース、ラフィノース、スタキオースなどのα−D−ガ
ラクトシドに作用し、これを加水分解してガラクトース
を遊離する酵素である。
【0009】これまでに知られているα−ガラクトシダ
ーゼは、植物、細菌、酵母及び高等動物臓器由来のもの
である。これらのうち、糸状菌、放線菌、バクテリア由
来のα−ガラクトシダーゼは、従来より甜菜糖工業にお
いて自家生産され、甜菜より抽出した糖液中に含まれる
ラフィノースの分解に用いられてきた。
ーゼは、植物、細菌、酵母及び高等動物臓器由来のもの
である。これらのうち、糸状菌、放線菌、バクテリア由
来のα−ガラクトシダーゼは、従来より甜菜糖工業にお
いて自家生産され、甜菜より抽出した糖液中に含まれる
ラフィノースの分解に用いられてきた。
【0010】また、後述するように、バチルス・ステア
ロサーモフィラスに属し、α−ガラクトシダーゼ生産能
を有する菌株についての報告もいくつかなされている。
ロサーモフィラスに属し、α−ガラクトシダーゼ生産能
を有する菌株についての報告もいくつかなされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たα−ガラクトシダーゼは、いずれもα−D−ガラクト
シダーゼ力価が低く、培養法、精製法が煩雑なものが多
く、工業的に安価に生産することは困難であるという問
題を有し、したがってその用途も、甜菜糖工業以外には
研究用に若干用いられているにすぎなかった。
たα−ガラクトシダーゼは、いずれもα−D−ガラクト
シダーゼ力価が低く、培養法、精製法が煩雑なものが多
く、工業的に安価に生産することは困難であるという問
題を有し、したがってその用途も、甜菜糖工業以外には
研究用に若干用いられているにすぎなかった。
【0012】また、前記バチルス・ステアロサーモフィ
ラスに属し、α−ガラクトシダーゼ生産能を有する菌株
は、そのほとんどが、α−ガラクトシダーゼを菌体内に
生産するものであり、培養物から酵素を容易に分離精製
することができず、工業的な利用には適していなかっ
た。
ラスに属し、α−ガラクトシダーゼ生産能を有する菌株
は、そのほとんどが、α−ガラクトシダーゼを菌体内に
生産するものであり、培養物から酵素を容易に分離精製
することができず、工業的な利用には適していなかっ
た。
【0013】したがって、本発明の目的は、工業的に有
利に生産できる菌体外分泌型の新規なα−ガラクトシダ
ーゼと、この酵素を用いてガラクトマンナンからマンノ
オリゴ糖、マンノース、ガラクトース等の糖類を効率的
に製造する方法を提供することにある。
利に生産できる菌体外分泌型の新規なα−ガラクトシダ
ーゼと、この酵素を用いてガラクトマンナンからマンノ
オリゴ糖、マンノース、ガラクトース等の糖類を効率的
に製造する方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは、工業的に有利な菌体外分泌型で力価
の高いα−ガラクトシダーゼを生産する微生物を得るべ
く広く天然界を検索した結果、静岡県函南町畑毛温泉の
源泉付近の土壌中から採取したバチルス属に属するある
種の微生物が、上記要件を備えた新規なα−ガラクトシ
ダーゼを量産性よく産生することを見出し、本発明を完
成するに至った。
め、本発明者らは、工業的に有利な菌体外分泌型で力価
の高いα−ガラクトシダーゼを生産する微生物を得るべ
く広く天然界を検索した結果、静岡県函南町畑毛温泉の
源泉付近の土壌中から採取したバチルス属に属するある
種の微生物が、上記要件を備えた新規なα−ガラクトシ
ダーゼを量産性よく産生することを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0015】すなわち、本発明の新規なα−ガラクトシ
ダーゼは、下記の理化学的性質を有することを特徴とす
る。
ダーゼは、下記の理化学的性質を有することを特徴とす
る。
【0016】(イ)作用:メリビオース、ラフィノー
ス、スタキオースなどのオリゴ糖及びガラクトマンナン
など側鎖にガラクトシル基を有するヘテロ多糖類の側鎖
に存在するガラクトピラノシド結合を特異的に加水分解
し、ガラクトースを生成する。
ス、スタキオースなどのオリゴ糖及びガラクトマンナン
など側鎖にガラクトシル基を有するヘテロ多糖類の側鎖
に存在するガラクトピラノシド結合を特異的に加水分解
し、ガラクトースを生成する。
【0017】(ロ)基質特異性:メリビオースを完全に
分解し、ラフィノース、スタキオースなど非還元末端に
ガラクトースを含むオリゴ糖に作用しガラクトースを遊
離する。p−ニトロフェニル−グルコシドのα−D−ガ
ラクトピラノシドを基質となし得るが、β−D−ガラク
トピラノシド、α−L−アラビノピラノシド、α−及び
β−D−グルコシド、α−及びβ−D−キシロシド、α
−及びβ−L−フコシド、β−D−フコシド、α−及び
β−D−マンノシドを基質となし得ない。
分解し、ラフィノース、スタキオースなど非還元末端に
ガラクトースを含むオリゴ糖に作用しガラクトースを遊
離する。p−ニトロフェニル−グルコシドのα−D−ガ
ラクトピラノシドを基質となし得るが、β−D−ガラク
トピラノシド、α−L−アラビノピラノシド、α−及び
β−D−グルコシド、α−及びβ−D−キシロシド、α
−及びβ−L−フコシド、β−D−フコシド、α−及び
β−D−マンノシドを基質となし得ない。
【0018】(ハ)至適pH及び安定pH範囲:至適pHは6.
0 であり、45℃、20分間の加熱条件下ではpH6〜8の範
囲内で安定である。
0 であり、45℃、20分間の加熱条件下ではpH6〜8の範
囲内で安定である。
【0019】(ニ)温度に対する安定性:pH7.0 、20分
間の加熱条件下では45℃まで安定である。
間の加熱条件下では45℃まで安定である。
【0020】(ホ)作用適温の範囲:55℃近傍に至適作
用温度を有する。
用温度を有する。
【0021】(ヘ)失活条件:45℃、20分間の処理条件
下では、pH3.0 及び10.0で完全に失活する。また、pH7.
0 、20分間の処理では、70℃で完全に失活する。
下では、pH3.0 及び10.0で完全に失活する。また、pH7.
0 、20分間の処理では、70℃で完全に失活する。
【0022】(ト)阻害及び活性化:塩化第二水銀及び
鉛、亜鉛、銅、第一鉄、p−クロロマーキュリベンゾエ
ート、N−ブロモサクシニミドにより阻害を受ける。
鉛、亜鉛、銅、第一鉄、p−クロロマーキュリベンゾエ
ート、N−ブロモサクシニミドにより阻害を受ける。
【0023】(チ)等電点電気泳動による等電点: 5.
6
6
【0024】(リ)SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動による分子量: 約80,000
気泳動による分子量: 約80,000
【0025】また、本発明の糖類の製造法は、ガラクト
マンナンに、上記のα−ガラクトシダーゼと、β−マン
ナナーゼ及び/又はβ−マンノシダーゼとを作用させる
ことを特徴とする。
マンナンに、上記のα−ガラクトシダーゼと、β−マン
ナナーゼ及び/又はβ−マンノシダーゼとを作用させる
ことを特徴とする。
【0026】以下、本発明について好ましい態様を挙げ
て更に詳細に説明する。
て更に詳細に説明する。
【0027】本発明のα−ガラクトシダーゼは、本発明
者らによって静岡県函南町畑毛温泉の源泉付近の土壌中
から新たに分離された新規な微生物である、バチルス・
ステアロサーモフィラス JD-72株によって生産される。
この菌株は、α−ガラクトシダーゼを菌体外に生産する
能力を有している。
者らによって静岡県函南町畑毛温泉の源泉付近の土壌中
から新たに分離された新規な微生物である、バチルス・
ステアロサーモフィラス JD-72株によって生産される。
この菌株は、α−ガラクトシダーゼを菌体外に生産する
能力を有している。
【0028】このバチルス・ステアロサーモフィラス J
D-72株の菌学的諸性質は、以下の通りである。
D-72株の菌学的諸性質は、以下の通りである。
【0029】
1.形態学的性質
形状 桿菌
サイズ 0.8 〜1.2 ×3.0 〜4.0
運動性 有り(周鞭毛)
グラム染色 陽性
胞子嚢 膨らまないか僅かに膨らんでいる
胞子の形 楕円形で末端
胞子のサイズ 0.8 〜1.0 ×1.7 〜2.0
【0030】
2.各種培地での生育
肉汁寒天平板培養 白色を呈し、円形状の集落を形成。表
面の***は偏平状。周縁は糸状。
肉汁寒天斜面培養 拡布状に生育
肉汁ゼラチン穿刺培養 液化しない
グルコース肉汁液体培地による
嫌気的生育 −
硝酸塩からの嫌気的ガスの生成 −
5.0 %食塩肉汁液体培地 −
7.5 %食塩肉汁液体培地 −
【0031】3.生化学的性質
ゼラチンとカゼインの加水分解 −
澱粉の加水分解 +
クエン酸の利用 −
硝酸塩の還元 +
VP−テスト −
インドールの生成 −
硫化水素 +
無機窒素源の利用 +
色素の生成 −
ウレアーゼ +
オキシダーゼ −
カタラーゼ +
酸素に対する態度 好気
【0032】4.生育のpHと温度
生育pH 5.0 〜8.0
生育温度 30〜70℃
【0033】5.糖の資化
L−アラビノース、L−キシロース、D−グルコース、
D−マンノース、D−フラクトース、D−ガラクトー
ス、マルトース、蔗糖、乳糖、メリビオース、ラフィノ
ース、澱粉、グリセリンを資化する。また、L−アラビ
ノース、L−キシロース、D−グルコース、D−マンノ
ース、D−フラクトース、D−ガラクトースから酸を生
成し、ガスは生成しない。
D−マンノース、D−フラクトース、D−ガラクトー
ス、マルトース、蔗糖、乳糖、メリビオース、ラフィノ
ース、澱粉、グリセリンを資化する。また、L−アラビ
ノース、L−キシロース、D−グルコース、D−マンノ
ース、D−フラクトース、D−ガラクトースから酸を生
成し、ガスは生成しない。
【0034】
6.GC含量 52.4%
【0035】なお、上記2、3の項目において、+は生
育する又は陽性、−は生育しない又は陰性を表わす。
育する又は陽性、−は生育しない又は陰性を表わす。
【0036】この菌株を、バージェーズ マニュアル
オブ システマチック バクテリオロジー(Bergey's M
annual of Systematic Bacteriology)、第1版、及びザ
・ジーナス・バチルス[The Genus Bacillus: 米国農務
省(Dept.of Agriculture)刊行]に従って同定すると、
好気性有胞子桿菌であり、運動性があり、周鞭毛を有
し、グラム染色陽性であることから、バチルス属(Baci
llus sp.) に属することが明らかとなった。また、カタ
ラーゼ陽性、V−P反応陰性で、65℃以上で生育するこ
とから、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus
stearothermophilus) と同定された。
オブ システマチック バクテリオロジー(Bergey's M
annual of Systematic Bacteriology)、第1版、及びザ
・ジーナス・バチルス[The Genus Bacillus: 米国農務
省(Dept.of Agriculture)刊行]に従って同定すると、
好気性有胞子桿菌であり、運動性があり、周鞭毛を有
し、グラム染色陽性であることから、バチルス属(Baci
llus sp.) に属することが明らかとなった。また、カタ
ラーゼ陽性、V−P反応陰性で、65℃以上で生育するこ
とから、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus
stearothermophilus) と同定された。
【0037】一方、α−ガラクトシダーゼ生産能を有す
るバチルス・ステアロサーモフィラスとしては、これま
でにも次のものが報告されている。 SBTF株 「J.Delente et al, Biotech. Bioeng.,16, 1227-1243
(1974)」 AT−7株 「D.M.Pederson et al, Canadian J.Microbiol., 26, 9
78-984(1980)」 KVE39株 「C.Ganter et al, J.Biotechnol., 8, 301-310(1988)
」 (ATCC)株 「G.Talbot et al, Appl. Environ. Microbiol., 56, 3
505-3510(1990)」
るバチルス・ステアロサーモフィラスとしては、これま
でにも次のものが報告されている。 SBTF株 「J.Delente et al, Biotech. Bioeng.,16, 1227-1243
(1974)」 AT−7株 「D.M.Pederson et al, Canadian J.Microbiol., 26, 9
78-984(1980)」 KVE39株 「C.Ganter et al, J.Biotechnol., 8, 301-310(1988)
」 (ATCC)株 「G.Talbot et al, Appl. Environ. Microbiol., 56, 3
505-3510(1990)」
【0038】しかしながら、上記〜の菌株は、α−
ガラクトシダーゼを菌体内に生産するのに対し、本発明
者らが分離した上記菌株は、α−ガラクトシダーゼを菌
体外に生産する点で異なっている。また、上記の菌株
は、α−ガラクトシダーゼとともに、β−マンナナーゼ
を生産するが、上記菌株は、β−マンナナーゼを生産し
ない点で異なっている。上記の菌株は、α−ガラクト
シダーゼとともに、β−マンナナーゼを生産するので、
粗酵素として使用する場合、両酵素が同時に存在するこ
とにより、使用量のコントロールが難しいという欠点が
ある。
ガラクトシダーゼを菌体内に生産するのに対し、本発明
者らが分離した上記菌株は、α−ガラクトシダーゼを菌
体外に生産する点で異なっている。また、上記の菌株
は、α−ガラクトシダーゼとともに、β−マンナナーゼ
を生産するが、上記菌株は、β−マンナナーゼを生産し
ない点で異なっている。上記の菌株は、α−ガラクト
シダーゼとともに、β−マンナナーゼを生産するので、
粗酵素として使用する場合、両酵素が同時に存在するこ
とにより、使用量のコントロールが難しいという欠点が
ある。
【0039】以上の検討結果により、上記菌株は、バチ
ルス・ステアロサーモフィラスに属する新菌株であると
判断された。この菌株は、工業技術院微生物工業技術研
究所に、「Bacillus stearothermophilusJD-72 」、微
工研菌寄第12274 号として寄託されている。
ルス・ステアロサーモフィラスに属する新菌株であると
判断された。この菌株は、工業技術院微生物工業技術研
究所に、「Bacillus stearothermophilusJD-72 」、微
工研菌寄第12274 号として寄託されている。
【0040】本発明のα−ガラクトシダーゼは、上記の
バチルス・ステアロサーモフィラスJD-72株を培養し、
この培養物から採取することができる。
バチルス・ステアロサーモフィラスJD-72株を培養し、
この培養物から採取することができる。
【0041】培養を行なう培地は、炭素源と、窒素源
と、必要に応じて無機塩、微量栄養素等とを含むものが
好ましい。
と、必要に応じて無機塩、微量栄養素等とを含むものが
好ましい。
【0042】炭素源としては、ガラクトース、アラビノ
ース、乳糖が好ましく、そのほか、玉蜀黍種子外皮及び
そのアルカリ抽出物、グアガム部分分解物、コプラミー
ル等も用いることができる。
ース、乳糖が好ましく、そのほか、玉蜀黍種子外皮及び
そのアルカリ抽出物、グアガム部分分解物、コプラミー
ル等も用いることができる。
【0043】また、窒素源としては、酵母エキス、コー
ンスティープリカー、脱脂大豆粉等が好ましく用いられ
る。なお、有機態窒素源は炭素源にもなることは言うま
でもない。
ンスティープリカー、脱脂大豆粉等が好ましく用いられ
る。なお、有機態窒素源は炭素源にもなることは言うま
でもない。
【0044】更に、必要に応じて添加される無機塩、微
量栄養素等としては、一般に使用されている各種のもの
を用いることができ、例えば、マグネシウム塩、カリウ
ム塩、燐酸塩、鉄塩等の無機塩、ビタミン等を用いるこ
とができる。
量栄養素等としては、一般に使用されている各種のもの
を用いることができ、例えば、マグネシウム塩、カリウ
ム塩、燐酸塩、鉄塩等の無機塩、ビタミン等を用いるこ
とができる。
【0045】上記成分を含有する培地として、具体的に
は、例えば、1%の乳糖、2%の脱脂大豆粉、0.2 %の
K2HPO4、及び0.02%のMgSO4・7H2Oを含有する液体培地を
用いることができる。
は、例えば、1%の乳糖、2%の脱脂大豆粉、0.2 %の
K2HPO4、及び0.02%のMgSO4・7H2Oを含有する液体培地を
用いることができる。
【0046】培養は、バッチ式、連続式のいずれの方法
によっても行なうことができる。
によっても行なうことができる。
【0047】上記のような培地は、pHを5.0 〜7.5 、好
ましくは6.5 〜7.0 に調整した後、バチルス・ステアロ
サーモフィラス JD-72株を接種し、37〜60℃、好ましく
は45℃付近の温度下に、72時間前後、好気的に培養する
のが好ましい。このようにして培養すると、培養液中
に、菌体外分泌型酵素として、α−ガラクトシダーゼが
生成、蓄積される。
ましくは6.5 〜7.0 に調整した後、バチルス・ステアロ
サーモフィラス JD-72株を接種し、37〜60℃、好ましく
は45℃付近の温度下に、72時間前後、好気的に培養する
のが好ましい。このようにして培養すると、培養液中
に、菌体外分泌型酵素として、α−ガラクトシダーゼが
生成、蓄積される。
【0048】生成、蓄積されたα−ガラクトシダーゼの
分離・精製は、例えば以下のようにして実施することが
できる。
分離・精製は、例えば以下のようにして実施することが
できる。
【0049】まず、培養液中の菌体を、遠心分離、濾過
等の公知の手段により菌体と濾液とに分離する。
等の公知の手段により菌体と濾液とに分離する。
【0050】こうして得られた濾液には、α−ガラクト
シダーゼが含まれており、この濾液をそのまま、マンノ
オリゴ糖の加水分解反応、ガラクトオリゴ糖の転移反応
などに使用することも可能であり、これは経済的に有利
である。
シダーゼが含まれており、この濾液をそのまま、マンノ
オリゴ糖の加水分解反応、ガラクトオリゴ糖の転移反応
などに使用することも可能であり、これは経済的に有利
である。
【0051】また、上記濾液からα−ガラクトシダーゼ
を更に精製することもでき、その方法としては、例え
ば、硫安による塩析、エタノール、アセトン、イソプロ
パノール等による溶媒沈殿法、限外濾過法、ゲル濾過
法、イオン交換樹脂等による一般的な酸素精製法等が採
用される。
を更に精製することもでき、その方法としては、例え
ば、硫安による塩析、エタノール、アセトン、イソプロ
パノール等による溶媒沈殿法、限外濾過法、ゲル濾過
法、イオン交換樹脂等による一般的な酸素精製法等が採
用される。
【0052】本発明のα−ガラクトシダーゼは、より具
体的には、次のような方法によって製造することができ
る。
体的には、次のような方法によって製造することができ
る。
【0053】バチルス・ステアロサーモフィラス JD-72
株を、前述した液体培地に植菌し、45℃で、72時間好気
的に培養して得られる培養液を、4℃で、10,000g ×20
分間遠心分離して菌体を除き、上澄み液を得る。次い
で、この上澄み液に、硫酸アンモニウムを加えて90%飽
和とし、4℃で、一夜放置して塩析を行う。生じた沈殿
を、遠心分離して集め、pH7.0 の20mM燐酸緩衝液に溶解
させ、4℃で、一夜、上記と同じ緩衝液に対して透析す
る。
株を、前述した液体培地に植菌し、45℃で、72時間好気
的に培養して得られる培養液を、4℃で、10,000g ×20
分間遠心分離して菌体を除き、上澄み液を得る。次い
で、この上澄み液に、硫酸アンモニウムを加えて90%飽
和とし、4℃で、一夜放置して塩析を行う。生じた沈殿
を、遠心分離して集め、pH7.0 の20mM燐酸緩衝液に溶解
させ、4℃で、一夜、上記と同じ緩衝液に対して透析す
る。
【0054】透析により生じた沈殿を、遠心分離して除
き、上澄み液を、前記と同様の燐酸緩衝液で平衡化した
「DEAE−トヨパール650M」(商品名、東ソー株式会社
製)に吸着させた後、0〜0.5Mの塩化ナトリウムを含有
する前記と同様の燐酸緩衝液の濃度勾配法によって、酵
素を溶出させる。
き、上澄み液を、前記と同様の燐酸緩衝液で平衡化した
「DEAE−トヨパール650M」(商品名、東ソー株式会社
製)に吸着させた後、0〜0.5Mの塩化ナトリウムを含有
する前記と同様の燐酸緩衝液の濃度勾配法によって、酵
素を溶出させる。
【0055】上記で溶出した活性画分を集め、この画分
を平均分画分子量10,000の限外濾過膜を用いて濃縮し、
0.2Mの塩化ナトリウムを含む前記と同様の燐酸緩衝液で
平衡化した「セファクリルS-300HR 」(商品名、ファル
マシア株式会社製)に充填し、溶出する。得られた活性
画分を、再度、「DEAE−トヨパール650M」及び「セファ
クリルS-300HR 」で処理した後、活性画分を濃縮し、次
いで、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法にかけて、均
一なバンドからなる精製酵素を得る。
を平均分画分子量10,000の限外濾過膜を用いて濃縮し、
0.2Mの塩化ナトリウムを含む前記と同様の燐酸緩衝液で
平衡化した「セファクリルS-300HR 」(商品名、ファル
マシア株式会社製)に充填し、溶出する。得られた活性
画分を、再度、「DEAE−トヨパール650M」及び「セファ
クリルS-300HR 」で処理した後、活性画分を濃縮し、次
いで、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法にかけて、均
一なバンドからなる精製酵素を得る。
【0056】本発明において、α−ガラクトシダーゼ活
性の測定法及び活性表示法は、以下の通りである。
性の測定法及び活性表示法は、以下の通りである。
【0057】2mM のp−ニトロフェニル−α−D−ガラ
クトピラノシドを含むpH6.0 の50mMの燐酸緩衝液1.0mL
(ミリリットル)に、酵素液50μL (マイクロリット
ル)を混合し、50℃で、10分間反応させた後、0.2Mの炭
酸ナトリウム水溶液1.0mL を添加して酵素を失活させ、
反応を停止する。得られた溶液の着色度を、1μmol/mL
のp−ニトロフェノールを標準として、波長420nm の紫
外光により測定する。
クトピラノシドを含むpH6.0 の50mMの燐酸緩衝液1.0mL
(ミリリットル)に、酵素液50μL (マイクロリット
ル)を混合し、50℃で、10分間反応させた後、0.2Mの炭
酸ナトリウム水溶液1.0mL を添加して酵素を失活させ、
反応を停止する。得られた溶液の着色度を、1μmol/mL
のp−ニトロフェノールを標準として、波長420nm の紫
外光により測定する。
【0058】また、酵素活性の単位は、上記条件下で、
1分間に1μmol のp−ニトロフェノールを遊離させる
酵素量を1単位として表示する。
1分間に1μmol のp−ニトロフェノールを遊離させる
酵素量を1単位として表示する。
【0059】こうして得られた本発明のα−ガラクトシ
ダーゼは、前述したような理化学的性質を有しており、
これまでに報告されているα−ガラクトシダーゼのいず
れとも相違し、新規な酵素であると判断された。因み
に、本発明のα−ガラクトシダーゼと、前述した(AT
CC)株が生産するα−ガラクトシダーゼとを比較する
と表1に示す通りである。
ダーゼは、前述したような理化学的性質を有しており、
これまでに報告されているα−ガラクトシダーゼのいず
れとも相違し、新規な酵素であると判断された。因み
に、本発明のα−ガラクトシダーゼと、前述した(AT
CC)株が生産するα−ガラクトシダーゼとを比較する
と表1に示す通りである。
【0060】
【表1】
(なお、表中、pNP-α-Galは、p−ニトロフェニル−α
−D−ガラクトピラノシドを意味する。)
−D−ガラクトピラノシドを意味する。)
【0061】次に、本発明の糖類の製造法は、ガラクト
マンナンに、上記のα−ガラクトシダーゼと、β−マン
ナナーゼ及び/又はマンノシダーゼとを反応させて、マ
ンノオリゴ糖、マンノース、ガラクトースなどの糖類を
製造する方法である。
マンナンに、上記のα−ガラクトシダーゼと、β−マン
ナナーゼ及び/又はマンノシダーゼとを反応させて、マ
ンノオリゴ糖、マンノース、ガラクトースなどの糖類を
製造する方法である。
【0062】ガラクトマンナンにα−ガラクトシダーゼ
を作用させると、マンノースの側鎖となっているガラス
トースを遊離させることができる。そして、β−マンナ
ナーゼを作用させると、マンナンの主鎖がいくつかの分
子量単位にランダムに分解されて、マンノースが2〜9
分子連結されたマンノオリゴ糖が生成される。また、β
−マンノシダーゼを作用させると、マンナンの主鎖が端
から1分子ずつ分解されて、マンノースが生成される。
を作用させると、マンノースの側鎖となっているガラス
トースを遊離させることができる。そして、β−マンナ
ナーゼを作用させると、マンナンの主鎖がいくつかの分
子量単位にランダムに分解されて、マンノースが2〜9
分子連結されたマンノオリゴ糖が生成される。また、β
−マンノシダーゼを作用させると、マンナンの主鎖が端
から1分子ずつ分解されて、マンノースが生成される。
【0063】したがって、マンノオリゴ糖を得たい場合
には、α−ガラクトシダーゼと、マンナナーゼとを作用
させることが好ましく、マンノースを得たい場合には、
α−ガラクトシダーゼとマンノシダーゼとを作用させる
か、あるいはα−ガラクトシダーゼ、マンノシダーゼ及
びマンナナーゼを作用させることが好ましい。これらの
酵素は、反応系に全てを同時に添加して反応させてもよ
いが、最初にα−ガラクトシダーゼを反応させ、次いで
β−マンナナーゼ及び/又はマンノシダーゼを反応させ
てもよい。
には、α−ガラクトシダーゼと、マンナナーゼとを作用
させることが好ましく、マンノースを得たい場合には、
α−ガラクトシダーゼとマンノシダーゼとを作用させる
か、あるいはα−ガラクトシダーゼ、マンノシダーゼ及
びマンナナーゼを作用させることが好ましい。これらの
酵素は、反応系に全てを同時に添加して反応させてもよ
いが、最初にα−ガラクトシダーゼを反応させ、次いで
β−マンナナーゼ及び/又はマンノシダーゼを反応させ
てもよい。
【0064】本発明において、β−マンナナーゼとして
は、特開昭63-56289号に開示された酵素が好ましく用い
られる。また、β−マンノシダーゼとしては、特開昭63
-36779号に開示された酵素が好ましく用いられる。これ
らの酵素の調製方法については、上記公報に詳細に説明
されているので、その説明を省略する。
は、特開昭63-56289号に開示された酵素が好ましく用い
られる。また、β−マンノシダーゼとしては、特開昭63
-36779号に開示された酵素が好ましく用いられる。これ
らの酵素の調製方法については、上記公報に詳細に説明
されているので、その説明を省略する。
【0065】基質をなすガラクトマンナンとしては、例
えばローカストビーンガム、グアガムなど、各種植物由
来のものを利用することができる。反応液中における基
質濃度は、特に限定されないが、1〜100mg/mLとするこ
とが好ましい。
えばローカストビーンガム、グアガムなど、各種植物由
来のものを利用することができる。反応液中における基
質濃度は、特に限定されないが、1〜100mg/mLとするこ
とが好ましい。
【0066】反応液中の各酵素の濃度は、基質1g に対
して、α−ガラクトシダーゼについては10〜1000 U(単
位)、β−マンナナーゼについては100 〜10000 U 、β
−マンノシダーゼについては100 〜10000 U が好まし
い。
して、α−ガラクトシダーゼについては10〜1000 U(単
位)、β−マンナナーゼについては100 〜10000 U 、β
−マンノシダーゼについては100 〜10000 U が好まし
い。
【0067】また、反応液のpHは5〜7が好ましく、反
応温度は40〜60℃が好ましく、反応時間は1〜72時間が
好ましい。
応温度は40〜60℃が好ましく、反応時間は1〜72時間が
好ましい。
【0068】こうして酵素反応を行わせた後、例えば脱
色、脱塩、各種カラムによる分画処理、濃縮、乾燥など
の常法によって処理することにより、マンノオリゴ糖、
マンノース、ガラクトースなどの糖類を、個別にあるい
は混合した状態で、濃縮液、粉末などとして得ることが
できる。
色、脱塩、各種カラムによる分画処理、濃縮、乾燥など
の常法によって処理することにより、マンノオリゴ糖、
マンノース、ガラクトースなどの糖類を、個別にあるい
は混合した状態で、濃縮液、粉末などとして得ることが
できる。
【0069】
【作用】本発明のα−ガラクトシダーゼは、菌体外に生
産されるので、酵素の分離、精製が極めて容易であり、
労力、製造コストの点で、工業的に非常に有利である。
また、この酵素は、高温安定性に優れ、ほぼ中性領域に
酵素反応の至適pHを有するので、希アルカリで抽出され
たガラクトマンナン液に対し、わずかなpH調節を施した
後、次の分解反応に移行することができる。更に、この
酵素は、α−D−ガラクトシダーゼ力価が高く、メリビ
オース、ラフィノース、スタキオースなどのオリゴ糖、
及びガラクトマンナンなど側鎖にガラクトシル基を有す
るヘテロ多糖類の側鎖に存在するガラクトピラノシド結
合を特異的に加水分解し、ガラクトースを生成するの
で、各種糖類の製造に応用することができる。
産されるので、酵素の分離、精製が極めて容易であり、
労力、製造コストの点で、工業的に非常に有利である。
また、この酵素は、高温安定性に優れ、ほぼ中性領域に
酵素反応の至適pHを有するので、希アルカリで抽出され
たガラクトマンナン液に対し、わずかなpH調節を施した
後、次の分解反応に移行することができる。更に、この
酵素は、α−D−ガラクトシダーゼ力価が高く、メリビ
オース、ラフィノース、スタキオースなどのオリゴ糖、
及びガラクトマンナンなど側鎖にガラクトシル基を有す
るヘテロ多糖類の側鎖に存在するガラクトピラノシド結
合を特異的に加水分解し、ガラクトースを生成するの
で、各種糖類の製造に応用することができる。
【0070】また、本発明の糖類の製造方法によれば、
ガラクトマンナンにα−ガラクトシダーゼを作用させる
ことにより、ガラクトマンナンの側鎖のガラクトースを
遊離させることができる。そして、α−ガラクトシダー
ゼとともに、β−マンナナーゼを作用させると、マンナ
ンの主鎖がいくつかの分子量単位にランダムに分解され
て、マンノオリゴ糖が生成され、また、β−マンノシダ
ーゼを作用させると、マンナンの主鎖が端から1分子ず
つ分解されて、マンノースが生成される。この場合、α
−ガラクトシダーゼにより側鎖であるガラクトースが遊
離されるので、β−マンナナーゼやβ−マンノシダーゼ
が立体障害を受けることなく、ガラクトマンナンを効率
よく分解することが可能となる。
ガラクトマンナンにα−ガラクトシダーゼを作用させる
ことにより、ガラクトマンナンの側鎖のガラクトースを
遊離させることができる。そして、α−ガラクトシダー
ゼとともに、β−マンナナーゼを作用させると、マンナ
ンの主鎖がいくつかの分子量単位にランダムに分解され
て、マンノオリゴ糖が生成され、また、β−マンノシダ
ーゼを作用させると、マンナンの主鎖が端から1分子ず
つ分解されて、マンノースが生成される。この場合、α
−ガラクトシダーゼにより側鎖であるガラクトースが遊
離されるので、β−マンナナーゼやβ−マンノシダーゼ
が立体障害を受けることなく、ガラクトマンナンを効率
よく分解することが可能となる。
【0071】
実施例1
乳糖1.0 %、酵母エキス1.0 %、燐酸二カリウム(無水
塩)0.1 %、硫酸マグネシウム(7水塩)0.02%を含む
液体培地250mL を、2L(リットル)容の三角フラスコ
に入れ、バチルス・ステアロサーモフィラス JD-72株を
植菌し、45℃で、72時間、180 回転/分で回転振盪培養
した。
塩)0.1 %、硫酸マグネシウム(7水塩)0.02%を含む
液体培地250mL を、2L(リットル)容の三角フラスコ
に入れ、バチルス・ステアロサーモフィラス JD-72株を
植菌し、45℃で、72時間、180 回転/分で回転振盪培養
した。
【0072】次いで、この培養液を、4℃で、10,000g
×20分間遠心分離して菌体を除去し、培養上澄み液を回
収した。得られた上澄み液のα−ガラクトシダーゼの活
性を測定した結果、14.6単位/mL であった。
×20分間遠心分離して菌体を除去し、培養上澄み液を回
収した。得られた上澄み液のα−ガラクトシダーゼの活
性を測定した結果、14.6単位/mL であった。
【0073】この上澄み液に、硫酸アンモニウムを加え
て90%飽和とし、4℃で、一夜放置して沈殿を生じさせ
た。この沈殿を、遠心分離して集め、pH7.0 の20mM燐酸
緩衝液に溶解させ、4℃で、一夜、上記と同じ緩衝液に
対して透析した。
て90%飽和とし、4℃で、一夜放置して沈殿を生じさせ
た。この沈殿を、遠心分離して集め、pH7.0 の20mM燐酸
緩衝液に溶解させ、4℃で、一夜、上記と同じ緩衝液に
対して透析した。
【0074】透析により生じた沈殿を、遠心分離して除
き、上澄み液を、前記と同様の燐酸緩衝液で平衡化した
「DEAE−トヨパール650M」(商品名、東ソー株式会社
製)に吸着させた後、0〜0.5Mの塩化ナトリウムを含有
する前記と同様の燐酸緩衝液の濃度勾配法によって、酵
素を溶出させた。
き、上澄み液を、前記と同様の燐酸緩衝液で平衡化した
「DEAE−トヨパール650M」(商品名、東ソー株式会社
製)に吸着させた後、0〜0.5Mの塩化ナトリウムを含有
する前記と同様の燐酸緩衝液の濃度勾配法によって、酵
素を溶出させた。
【0075】上記で溶出した活性画分を集め、平均分画
分子量10,000の限外濾過膜を用いて濃縮し、0.2Mの塩化
ナトリウムを含む前記と同様の燐酸緩衝液で平衡化した
「セファクリルS-300HR 」(商品名、ファルマシア株式
会社製)に充填し、溶出した。得られた活性画分を、再
度、「DEAE−トヨパール650M」及び「セファクリルS-30
0HR 」で処理した後、活性画分を濃縮し、次いで、ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動法により、均一なバンドか
らなる酵素標品0.624mg を得た。活性収率は4.8 %であ
った。
分子量10,000の限外濾過膜を用いて濃縮し、0.2Mの塩化
ナトリウムを含む前記と同様の燐酸緩衝液で平衡化した
「セファクリルS-300HR 」(商品名、ファルマシア株式
会社製)に充填し、溶出した。得られた活性画分を、再
度、「DEAE−トヨパール650M」及び「セファクリルS-30
0HR 」で処理した後、活性画分を濃縮し、次いで、ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動法により、均一なバンドか
らなる酵素標品0.624mg を得た。活性収率は4.8 %であ
った。
【0076】実施例2
実施例1で得られた酵素標品を用いて、その作用に関す
る実験を行った。 (1)各種多糖類に対する作用 起源を異にする各種の多糖類の1.0 %水溶液(pH6.0 )
1mLに、実施例1で得た精製α−ガラクシトダーゼを3.
3 単位添加し、50℃で24時間反応させ、その後、100 ℃
で3分間加熱失活し、遊離されたガラクトースを、乳糖
/ガラクトース分析用Fキット(ベーリンガーマンハイ
ム社製)を用いて定量した。その結果を表2に示す。
る実験を行った。 (1)各種多糖類に対する作用 起源を異にする各種の多糖類の1.0 %水溶液(pH6.0 )
1mLに、実施例1で得た精製α−ガラクシトダーゼを3.
3 単位添加し、50℃で24時間反応させ、その後、100 ℃
で3分間加熱失活し、遊離されたガラクトースを、乳糖
/ガラクトース分析用Fキット(ベーリンガーマンハイ
ム社製)を用いて定量した。その結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】表2の結果から、この酵素は、ガラクトマ
ンナンなど側鎖にガラクトシル基を有するヘテロ多糖類
の側鎖に存在するガラクトピラノシド結合を特異的に加
水分解し、ガラクトースを生成することがわかる。
ンナンなど側鎖にガラクトシル基を有するヘテロ多糖類
の側鎖に存在するガラクトピラノシド結合を特異的に加
水分解し、ガラクトースを生成することがわかる。
【0079】(2)基質特異性
2mMの各種p−ニトロフェニル誘導体、あるいは10mMの
各種糖液を含む50mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)1mL
に0.16単位のα−ガラクトシダーゼを添加し、50℃で10
分間反応させた。反応後、遊離されたp−ニトロフェノ
ールあるいはガラクトースを定量し、比較した。各種合
成基質について測定した結果を表3に示す。また、その
中で基質となり得たもの及び天然少糖類について反応速
度を測定した結果を表4に示す。
各種糖液を含む50mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)1mL
に0.16単位のα−ガラクトシダーゼを添加し、50℃で10
分間反応させた。反応後、遊離されたp−ニトロフェノ
ールあるいはガラクトースを定量し、比較した。各種合
成基質について測定した結果を表3に示す。また、その
中で基質となり得たもの及び天然少糖類について反応速
度を測定した結果を表4に示す。
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】(3)至適pH及び安定pH範囲
各pHの50mM緩衝液に溶解させた2mMのpNP-α-D- ガラク
トピラノシドに、本発明の精製酵素液50μL を混合し、
前述した方法で活性測定し、最大活性を100 とする相対
活性を求めた。この結果を図1左欄に示す。なお、使用
した緩衝液は、酢酸ナトリウム緩衝液(〜pH6.0 )、燐
酸ナトリウム緩衝液(pH6.0 〜8.0 )、グリシン−NaCl
−NaOH緩衝液(pH8.0 〜)である。
トピラノシドに、本発明の精製酵素液50μL を混合し、
前述した方法で活性測定し、最大活性を100 とする相対
活性を求めた。この結果を図1左欄に示す。なお、使用
した緩衝液は、酢酸ナトリウム緩衝液(〜pH6.0 )、燐
酸ナトリウム緩衝液(pH6.0 〜8.0 )、グリシン−NaCl
−NaOH緩衝液(pH8.0 〜)である。
【0083】また、pH4.0 〜10.0の範囲で前記の緩衝液
を用いて、各pHで45℃、20分間の加熱処理を行い、その
残存活性を測定し、前記と同様に最大活性を100 とする
相対活性を求めた。この結果を図1右欄に示す。
を用いて、各pHで45℃、20分間の加熱処理を行い、その
残存活性を測定し、前記と同様に最大活性を100 とする
相対活性を求めた。この結果を図1右欄に示す。
【0084】(4)作用適温の範囲及び温度に対する安
定性 精製酵素の活性をpH6.0 において各温度で測定した。こ
の結果を図2左欄に示す。
定性 精製酵素の活性をpH6.0 において各温度で測定した。こ
の結果を図2左欄に示す。
【0085】また、精製酵素を40〜80℃の各温度で、pH
7.0、20分間の加熱処理後の残存活性を測定した。この
結果を図2の右欄に示す。
7.0、20分間の加熱処理後の残存活性を測定した。この
結果を図2の右欄に示す。
【0086】(5)阻害及び活性化
20mM MOPS緩衝液(pH7.0 )に溶解した精製酵素液
に、終濃度0.01〜1mMとなるように各種金属の塩化物を
添加し、20℃で20分間処理後、その活性を測定し、無添
加時の活性を100 として相対活性を求めた。この結果を
表5に示す。
に、終濃度0.01〜1mMとなるように各種金属の塩化物を
添加し、20℃で20分間処理後、その活性を測定し、無添
加時の活性を100 として相対活性を求めた。この結果を
表5に示す。
【0087】同様に、各種酵素阻害剤について測定した
結果を表6に示す。
結果を表6に示す。
【0088】
【表5】
【0089】
【表6】
【0090】(6)等電点
セルバ社製セルバライトプレコート(PI 3〜10)を
用いる等電点電気泳動法により、本発明のα−ガラクト
シダーゼの等電点を求めた。この結果は、図3に示す通
りであり、5.6 であった。
用いる等電点電気泳動法により、本発明のα−ガラクト
シダーゼの等電点を求めた。この結果は、図3に示す通
りであり、5.6 であった。
【0091】(7)分子量
第一化学薬品製のSDS−PAGプレート(4/20)
を用いるSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
り分子量を求めた。この結果は、図4に示す通りであ
り、約80,000であった。
を用いるSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
り分子量を求めた。この結果は、図4に示す通りであ
り、約80,000であった。
【0092】実施例3
1%のガラクトマンナン溶液(pH6.0 )に、市販工業用
マンナナーゼ(ノボ社製、商品名「ガマナーゼ」)5,00
0 VHCU/g-ds 及び本発明のα−ガラクトシダーゼ100 U/
g-dsを添加し、50℃で48時間反応させた。反応液に少量
の活性炭を加えて煮沸し、0.45μmのメンブレンフィル
ターで濾過し、サンプルとした。バイオラッド社製の高
速液体クロマトグラフィー用カラム(商品名「アミネッ
クスHPX42A」)を用いて、上記サンプルの糖組成
を分析した。
マンナナーゼ(ノボ社製、商品名「ガマナーゼ」)5,00
0 VHCU/g-ds 及び本発明のα−ガラクトシダーゼ100 U/
g-dsを添加し、50℃で48時間反応させた。反応液に少量
の活性炭を加えて煮沸し、0.45μmのメンブレンフィル
ターで濾過し、サンプルとした。バイオラッド社製の高
速液体クロマトグラフィー用カラム(商品名「アミネッ
クスHPX42A」)を用いて、上記サンプルの糖組成
を分析した。
【0093】ガラクトマンナンとしてローカストビーン
(イナゴマメ)ガム及びグアガムを用い、それぞれ本発
明のα−ガラクトシダーゼを添加した場合としなかった
場合の比較を行った結果を、表7、8に示す。
(イナゴマメ)ガム及びグアガムを用い、それぞれ本発
明のα−ガラクトシダーゼを添加した場合としなかった
場合の比較を行った結果を、表7、8に示す。
【0094】
【表7】
【0095】
【表8】
【0096】表7、8に示されるように、ガラクトマン
ナンに、マンナナーゼとともに、本発明のα−ガラクト
シダーゼを添加すると、α−ガラクトシダーゼを添加し
た場合に比べて、ガラクトース、マンノース、分子数2
〜4のマンノオリゴ糖などの糖類の生成量が増大するこ
とがわかる。
ナンに、マンナナーゼとともに、本発明のα−ガラクト
シダーゼを添加すると、α−ガラクトシダーゼを添加し
た場合に比べて、ガラクトース、マンノース、分子数2
〜4のマンノオリゴ糖などの糖類の生成量が増大するこ
とがわかる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のα−ガラ
クトシダーゼは、菌体外分泌型の酵素であるため、酵素
の分離、精製が極めて容易であり、工業的生産に適して
いる。また、この酵素は、α-D- ガラクトシダーゼ力価
が高く、高温安定性に優れており、ほぼ中性領域に酵素
反応の至適pHを有するので、希アルカリで抽出されたガ
ラクトマンナン液に対して、わずかなpH調節を施した
後、次の分解反応に移行できるなど、優れた特性を有し
ている。また、本発明の糖類の製造法によれば、ガラク
トマンナンの側鎖であるガラクトースをα−ガラクトシ
ダーゼで遊離させるとともに、マンナナーゼやマンノシ
ダーゼを作用させるので、ガラクトマンナンを効率的に
分解して、マンノオリゴ糖、マンノース、ガラクトース
などの糖類の生成量を増大させることができる。
クトシダーゼは、菌体外分泌型の酵素であるため、酵素
の分離、精製が極めて容易であり、工業的生産に適して
いる。また、この酵素は、α-D- ガラクトシダーゼ力価
が高く、高温安定性に優れており、ほぼ中性領域に酵素
反応の至適pHを有するので、希アルカリで抽出されたガ
ラクトマンナン液に対して、わずかなpH調節を施した
後、次の分解反応に移行できるなど、優れた特性を有し
ている。また、本発明の糖類の製造法によれば、ガラク
トマンナンの側鎖であるガラクトースをα−ガラクトシ
ダーゼで遊離させるとともに、マンナナーゼやマンノシ
ダーゼを作用させるので、ガラクトマンナンを効率的に
分解して、マンノオリゴ糖、マンノース、ガラクトース
などの糖類の生成量を増大させることができる。
【図1】本発明のα−ガラクトシダーゼの至適pH及び安
定pH範囲を示す図である。
定pH範囲を示す図である。
【図2】本発明のα−ガラクトシダーゼの作用適温の範
囲及び温度に対する安定性を示す図である。
囲及び温度に対する安定性を示す図である。
【図3】本発明のα−ガラクトシダーゼの等電点電気泳
動法による等電点測定結果を示す図である。
動法による等電点測定結果を示す図である。
【図4】本発明のα−ガラクトシダーゼのSDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動による分子量測定の結果を
示す図である。
アクリルアミドゲル電気泳動による分子量測定の結果を
示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 以下の理化学的性質を有することを特徴
とする新規なα−ガラクトシダーゼ。 (イ)作用:メリビオース、ラフィノース、スタキオー
スなどのオリゴ糖及びガラクトマンナンなど側鎖にガラ
クトシル基を有するヘテロ多糖類の側鎖に存在するガラ
クトピラノシド結合を特異的に加水分解し、ガラクトー
スを生成する。 (ロ)基質特異性:メリビオースを完全に分解し、ラフ
ィノース、スタキオースなど非還元末端にガラクトース
を含むオリゴ糖に作用しガラクトースを遊離する。p−
ニトロフェニル−グルコシドのα−D−ガラクトピラノ
シドを基質となし得るが、β−D−ガラクトピラノシ
ド、α−L−アラビノピラノシド、α−及びβ−D−グ
ルコシド、α−及びβ−D−キシロシド、α−及びβ−
L−フコシド、β−D−フコシド、α−及びβ−D−マ
ンノシドを基質となし得ない。 (ハ)至適pH及び安定pH範囲:至適pHは6.0 であり、45
℃、20分間の加熱条件下ではpH6〜8の範囲内で安定で
ある。 (ニ)温度に対する安定性:pH7.0 、20分間の加熱条件
下では45℃まで安定である。 (ホ)作用適温の範囲:55℃近傍に至適作用温度を有す
る。 (ヘ)失活条件:45℃、20分間の処理条件下では、pH3.
0 及び10.0で完全に失活する。また、pH7.0 、20分間の
処理では、70℃で完全に失活する。 (ト)阻害及び活性化:塩化第二水銀及び鉛、亜鉛、
銅、第一鉄、p−クロロマーキュリベンゾエート、N−
ブロモサクシニミドにより阻害を受ける。 (チ)等電点電気泳動による等電点: 5.6 (リ)SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による
分子量: 約80,000 - 【請求項2】 バチルス・ステアロサーモフィラス JD-
72株 (Bacillus stearothermophilus JD-72 、微工研菌
寄第12274 号)により生産された菌体外分泌型酵素であ
る請求項1記載の新規なα−ガラクトシダーゼ。 - 【請求項3】 ガラクトマンナンに、請求項1記載のα
−ガラクトシダーゼと、β−マンナナーゼ及び/又はβ
−マンノシダーゼとを作用させることを特徴とする糖類
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3203372A JPH0523183A (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 新規なα−ガラクトシダーゼ及びそれを用いた糖類の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3203372A JPH0523183A (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 新規なα−ガラクトシダーゼ及びそれを用いた糖類の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0523183A true JPH0523183A (ja) | 1993-02-02 |
Family
ID=16472947
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3203372A Withdrawn JPH0523183A (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 新規なα−ガラクトシダーゼ及びそれを用いた糖類の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0523183A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002018614A1 (fr) * | 2000-08-30 | 2002-03-07 | Amano Enzyme Inc. | Methode visant a augmenter le rendement d'oligosaccharides contenant $g(a)-galactosyle et compositions anti-candida |
JP2008054508A (ja) * | 2006-08-29 | 2008-03-13 | Taiyo Kagaku Co Ltd | ガラクトマンナン酵素分解物の製造方法 |
CN100441198C (zh) * | 2002-12-10 | 2008-12-10 | 西安大鹏生物科技股份有限公司 | 一种含水苏糖的排铅保健品 |
JP2009207452A (ja) * | 2008-03-06 | 2009-09-17 | Asahi Kasei Chemicals Corp | Bacilluscoagulansに属する菌株を用いたメリビオースの製造方法 |
JPWO2008081817A1 (ja) * | 2006-12-26 | 2010-04-30 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | α−ガラクトオリゴ糖の製造方法 |
-
1991
- 1991-07-19 JP JP3203372A patent/JPH0523183A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002018614A1 (fr) * | 2000-08-30 | 2002-03-07 | Amano Enzyme Inc. | Methode visant a augmenter le rendement d'oligosaccharides contenant $g(a)-galactosyle et compositions anti-candida |
JPWO2002018614A1 (ja) * | 2000-08-30 | 2004-09-30 | 天野エンザイム株式会社 | α−ガラクトシル基を含むオリゴ糖の増収方法及び抗カンジダ組成物 |
US7491518B2 (en) | 2000-08-30 | 2009-02-17 | Amano Enzyme Inc. | Method of elevating yield of oligosaccharides containing α-galactosyl and anti-candida compositions |
CN100441198C (zh) * | 2002-12-10 | 2008-12-10 | 西安大鹏生物科技股份有限公司 | 一种含水苏糖的排铅保健品 |
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JP2009207452A (ja) * | 2008-03-06 | 2009-09-17 | Asahi Kasei Chemicals Corp | Bacilluscoagulansに属する菌株を用いたメリビオースの製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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