JPH05230913A - プレキャストコンクリート製型枠およびコンクリート打込工法 - Google Patents

プレキャストコンクリート製型枠およびコンクリート打込工法

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JPH05230913A
JPH05230913A JP3506292A JP3506292A JPH05230913A JP H05230913 A JPH05230913 A JP H05230913A JP 3506292 A JP3506292 A JP 3506292A JP 3506292 A JP3506292 A JP 3506292A JP H05230913 A JPH05230913 A JP H05230913A
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JP
Japan
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concrete
formwork
wall
precast
plate member
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JP3506292A
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English (en)
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Hideo Tanaka
秀夫 田中
Chikako Tanaka
千佳子 田中
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TANAKA KOMUTEN KK
Original Assignee
TANAKA KOMUTEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 壁、床などの躯体を施工する際に、木製の型
枠材を用いることなく種々の形状の躯体の施工が可能で
あり、施工された壁などの表面の仕上げ工事を省略し
て、工期の短縮が可能であり、同時に品質の良い躯体工
事が可能な工法および型枠を提供する。 【構成】 表面10.aが平滑に仕上げられた薄板上の
プレキャストされたコンクリート板からなるPC型枠1
0.1〜10.nを連結金物13により組立、コンクリ
ート打込空間40に躯体コンクリートを打ち込む壁を施
工する。施工後は、バタ材33、34を取り外すだけ
で、PC型枠10.1〜10.nを仕上げ材として表面
の仕上げられた壁が完成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物のコンクリート製
の壁、基礎などを構築する際に、型枠として用いられ
て、同時に打ち上がった際にはその壁、基礎などの壁面
を構成する薄板状のプレキャストコンクリート製型枠お
よびそのプレキャストコンクリート型枠を用いてコンク
リート打ち込み用の空間を規定するコンクリート打込工
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マンション、ビルなどのコンクリ
ート製の壁面を建築する際に用いられる建築用型枠は、
加工が容易である熱帯樹林のラワン合板が多用されてい
る。しかし、近年、地球環境の保全などの面からラワン
材の伐採が制限されており、このような熱帯樹林から伐
採された板材を用いずに壁面などを施工する工法を開発
することが急務となっている。また、木製の型枠を組み
立てるためには、少なくとも5年程度の経験を積み、熟
練した型枠工が必要であるが、近年このような熟練工を
確保することが困難となっている。加えて、型枠の組
立、解体するためには、数多くの施工部品を必要とする
ために、現場が混乱し易く、乱雑な現場となることが多
い。このような状況下において、図13に示すようなP
Cブロック工法が開発され、ホテル、マンションなどに
用いられている。このPCブロック工法は、100〜1
50mm程度以上の厚みのプレキャストされたコンクリ
ート製のブロック(PCブロック)21を積み重ね、そ
の内側にコンパネ材22を組み立てる工法である。PC
ブロック工法においては、PCブロック21とコンパネ
材22との間に空間24が形成されており、この空間2
4に配筋加工23を施した後コンクリートを打ち込み壁
20を施工する。その後、コンパネ材22は取り外され
壁が完成する。このようなPCブロック工法において
は、PCブロック21が型枠の一面を形成すると共に、
施工後は壁の外面を構成するため外面の仕上げが不要な
ため、壁面を施工する工期が短縮でき、また、型枠材も
削減できるというメリットがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、壁の内面を規
定するコンパネ材22としては、千差万別の形状を構成
するために合板などの木材が使用されることが多く、こ
れらの木材は、数回使用された後廃棄されてしまう。ま
た、壁20を施工した後にこれらのコンパネ材22を解
体する時間も必要となる。木材に代わり、鉄板をコンパ
ネ材22として用いることも可能であるが、現場加工は
難しく様々な形状にデザインされる壁、柱などにフレキ
シブルに対応することが困難となる。そして、PCブロ
ック21も、内部に鉄筋24を配置し強度を保持するた
めに幅は厚く、プレキャストによるユニット化を行い価
格を低く抑えるために1枚当たりの面積が大きいため、
非常に重いブロックである。従って、PCブロック工法
は、ホテル、ビルなどの大型クレーンを使用可能な建築
現場でしか採用できない。さらに、その重量が過大であ
るため、建物の重量が増加し、建屋基礎が大きくなって
しまう問題、また、PCブロックの鉄筋との接続工事が
大変であるという問題などがある。
【0004】これに対し、壁を型枠は一切用いずに、幅
が300mm程度の石を積み重ねて構成する建築工法も
あるが、建築費用が高く、設計上の柔軟性に乏しいなど
問題は多い。また、内装などに用いられている石綿セメ
ント板等を型枠として壁を施工する工法もあるが、厚さ
に比して強度を確保することが困難であり、型枠を支持
するため多くのバタ材を用いなくてはならない。従っ
て、工程を短縮する効果に乏しく、また、強度が足らな
いため、壁の施工においても歪みなどが生じ易いという
問題もある。また、石綿、セメント板などを建築現場に
て板材にすることは困難であり、材料に過不足がある場
合は、工程遅れの原因となったり、継ぎ足しにより壁の
美観を損ねるなどの問題も多い。
【0005】そこで、本発明においては、上記の問題点
に鑑みて、通常の建築現場には取り扱いが可能な程度に
軽く、十分な強度を有し、さらに、壁などの施工にかか
る工程を短縮可能な型枠を実現することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明においては、薄板状のコンクリート板を用
いて型枠を形成するようにしている。すなわち、本発明
に係る型枠は、プレキャストされた薄板状のコンクリー
ト板部材からなるプレキャストコンクリート製型枠であ
って、そのコンクリート板部材の少なくとも片面が壁面
として使用可能な仕上面であることを特徴としている。
さらに、コンクリート板部材としては、コンクリート板
部材の厚さ方向に貫通する少口径の孔を複数備えたセパ
レータ設定用コンクリート板部材であることが望まし
く、また、その厚さ方向の略中程にワイヤーメッシュの
埋設された補強コンクリート板部材であることが有効で
ある。さらに、このようなコンクリート板部材を製造す
る際に、プレキャストコンクリート製型枠同士を接続す
るジョイント、プレキャストコンクリート製型枠の剥離
を防止するアンカー設定用のインサート、電線工事用の
埋設金物、配管用のスリーブなどを埋め込むことによ
り、施工現場において能率的で経済的な躯体工事を行う
ことができる。
【0007】そして、これらのプレキャストコンクリー
ト製型枠を少なくとも1部に用いてコンクリートを打ち
込むための空間を規定する打込空間規定工程を有するこ
と特徴とするコンクリート打込工法により、木材を用い
ることなく、安価に精度の良い壁などを施工することが
できる。
【0008】
【作用】本発明に係る薄板状のプレキャストコンクリー
ト製型枠は、薄いため重量は軽く、現場での移動、組立
が容易である。そして、コンクリート製であるので型枠
としての強度は十分に保持可能であり、さらに強度を高
め、ひび、割れなどを防止するためには、ワイヤーメッ
シュの埋設された補強コンクリート板部材を用いること
が可能である。従って、このようなプレキャストコンク
リート製型枠を用いてコンクリートを打ち込むための空
間を規定することにより、木材を用いた型枠は不要とな
る。
【0009】さらに、本発明に係るプレキャストコンク
リート製型枠は、薄板状のコンクリート板部材を用いて
構成されるので、このコンクリート板部材は平滑な表面
を有するプレキャスト用のパレットを用いて容易に製造
することができる。従って、プレキャストされた時点で
平滑なパレットの表面にそって、プレキャストコンクリ
ート製型枠の少なくとも1面が仕上げられている。この
ため、このプレキャストコンクリート製型枠の仕上げら
れた面を壁面、床面等として壁を施工することが可能で
あり、型枠材を解体する作業を省き、施工工程を短縮で
きる。そして、型枠材の集散もないため、施工現場の整
頓も容易である。加えて、すでに、壁面などの仕上げが
略完了した状態であるので、壁を施工した後の高所など
での工事が減り、危険が多く、作業効率の悪い佐官作業
が簡略化され、一層工程の短縮化が実現可能である。
【0010】また、本発明に係るプレキャストコンクリ
ート製型枠は、壁、床などを構成する主部材であるコン
クリートと同じ材質のため、馴染みが良く、物性値も同
じため、壁面を施工した後の剥離、割れなどの発生を防
止でき、壁などの品質の向上を図ることが可能である。
さらに、コンクリート板部材の厚さ方向に貫通する少口
径の孔を複数備えたセパレータ設定用コンクリート板部
材からなるプレキャストコンクリート製型枠により、セ
パレータを用いてコンクリートを打ち込む空間を寸法を
精度良く規定でき、壁厚、床厚などを精度が高く、品質
の良い壁などを施工することができる。また、プレキャ
ストコンクリート製型枠をプレキャストする際に、雌ね
じ加工されたアンカー設定用の孔を持つインサートなど
が埋設されている場合は、アンカーを用いて打ち込まれ
るコンクリートとの密着性をさらに高め、剥離のない壁
等を施工することが可能である。
【0011】また、本発明に係るプレキャストコンクリ
ート製型枠は、コンクリート製であるので、現場でも容
易に製造することができる。従って、予めプレキャスト
コンクリート製型枠を製造することにより工期を短縮で
きると同時に、様々な形状の壁、柱、床などに柔軟に対
応して現場でも手直し、製造が可能であり、施工を効率
良く、綺麗に行うことができる。
【0012】
【実施例】以下に図面を参照して、本発明の実施例を説
明する。
【0013】図1ないし図5に、本実施例に係るプレキ
ャストコンクリート製型枠(以下PC型枠)の製造過程
の一例を示してある。先ず、図1に示すパレット1に仕
切り板2を設置する。本例のPC型枠を製造するための
パレット1は、縦横がそれぞれ略2m前後の長方形をし
た板材の製造用型枠であり、深さは略25mm程度であ
る。そして、そのパレット1内を、必要なPC型枠の大
きさを製造するために、仕切り板2を設置し、PC型枠
の外形を決定する。従って、このパレット1を用いて製
造されるPC型枠の厚みは、建築設計に余分な負荷を与
えないように、略25mm程度であり、一般の壁などの
仕上げに用いられるモルタルの厚みと略等しい。
【0014】次に図2に示すように、仕切り板2により
外形の規定されたパレット1に、補強用のワイヤーメッ
シュ3、このワイヤーメッシュ3の浮き上がりなどを防
止するスペーサー4、PC型枠同士を止めるためのジョ
イント5、セパレータを設置するための孔を形成する孔
開け材6、さらにコンセント、電話線等を設置するため
の埋め込み金物7を所定の位置に設定する。これらは設
定用の釘先が自分本体に形成されていたり、プラスチッ
ク製の釘を用いるなどにより木製のパレット1に設定可
能である。ワイヤーメッシュ3は、径が5mm程度で1
00メッシュ程度のものが採用されており、薄板状のP
C型枠を補強し、ひび、割れなどの発生を防止するため
のものである。スペーサー4は、本例のPC型枠のよう
に薄板状のコンクリート板内に補強用のワイヤーメッシ
ュを固定するために設置するものであり、ワイヤーメッ
シュの上下方向の移動を制限できる構造となっている。
また、スペーサー4には、後述するアンカー設定用の孔
11が設けてあり、60cmピッチ程度に設定する。こ
のスペーサー4の構造は、本出願人による実願平4−5
147に詳しく開示されている。また、ジョイント5
は、複数のPC型枠を相互に固定するためのものであ
り、略直方体の本体に雌ねじ加工された連結孔12が形
成されている。そして、このジョイント5をPC型枠の
周囲に所定のピッチで設定する。従って、この連結孔1
2を用いて連結用金物を設置することが可能であり、複
数のPC型枠を現地で組立易いようになる。このジョイ
ント5の構造は、本出願人による実願平4−5149に
詳しく開示されている。孔開け材6は、後述するセパレ
ータを設置するための孔を開けるためのものであり、本
例においては、先端に設定用の釘先の形成された円柱状
のものを採用している。埋め込み金物7は、例えば、壁
にコンセントを埋設設置するための空間を確保するため
の金物であり、本例においては、このため、PC型枠の
厚みと略同じ25mm程度の深さで一方が開放端となっ
た直方体の金物を設定する。
【0015】このようなワイヤーメッシュ3、スペーサ
ー4などを所定の位置に設定した後、図3に示すよう
に、コンクリート8をパレット1に流し込み、図4に示
すようにPC型枠10を成形する。パレット1は平滑な
面が形成されているので、パレットに面したPC型枠の
面10aは平面状に仕上げられる。一方、この面10a
と対峙するコンクリート8の打ち込まれる面10bは、
後述するようにPC型枠を用いてコンクリートを打ち込
む際にコンクリートと接する面であり、コンクリートと
の付着性を考慮するとバイプレーターなどで表面を均し
た程度で良く、PC型枠の製造は手間がかからない。ま
た、PC型枠の量産性を向上させるために、両面を仕上
げたものとしても良く、このようなPC型枠であって
も、アンカーなどを用いることにより十分な付着力を確
保することができる。そして、所定の時間養生したの
ち、パレット1からPC型枠10を取外し、図5に示す
ようなPC型枠10を製造できる。
【0016】従って、製造されたPC型枠10には、先
ず、周囲に連結用の連結孔12が一定の間隔で形成され
ており、その連結孔12に連結金具13をボルト14に
より設定することができる。そして、この連結金具13
の他端を他のPC型枠の連結孔に接続することにより、
複数のPC型枠を組み立てることができる。また、PC
型枠10の所定の場所には、孔開け材6によるセパレー
タ設定用孔15が設けられており、この孔15を用いて
セパレータ15を設定することができる。セパレータ1
6は、並列に設置された2枚のPC型枠10の間隔を一
定に保持するためのものであり、ロッド16aの両側に
形成されたロート状の導入部16bを持ち、その内側は
雌ねじ加工されている。そして、このセパレータ16は
PC型枠10の外側から先端が雄ねじ加工された固定具
17により、セパレータ設定用孔15に固定できる。セ
パレータ16および固定具17の構造は、本出願人によ
る実願平4−5148に詳しく開示されている。
【0017】また、スペーサーの設定された箇所には、
スペーサーに形成されているアンカー設定用孔11が用
意されており、この孔11にアンカー18をPC型枠1
0の裏面側10bから設定することにより、このPC型
枠10により打施される壁とPC型枠10との剥離を防
止することができる。さらに、埋め込み金物7として
は、市販されているような電線工事用のボックスを用い
ることができ、このボックスを設置しておくことによ
り、建築現場で容易にコンセント19を挿入したり、電
気、電話などの配線工事を行うことができる。そして、
このPC型枠10の表面10aは、パレット1により平
滑に仕上げられているので、このまま壁面などに用いる
ことが可能となっている。
【0018】次に、図6ないし図10を参照して、上記
にて製造されたPC型枠10を用いて壁を施工する様子
を説明する。先ず、図6に示すように、所定の場所に複
数のPC型枠10.1〜10.nを設定する。本例のP
C型枠10は、厚さが25mm程度のものであり、1枚
当たりの重量は、約300kg程度に収まっている。
【0019】従って、家屋などの建築現場にて用いられ
るクレーン30を用いて容易に設定することできる。加
えて、上記にて製造されたPC型枠10の強度は十分あ
り、ワイヤー31をPC型枠の周囲に掛けて横持ち可能
であるため、横持ち用の特殊な工具は不要であり、建築
現場における組立は非常に簡単である。これら複数のP
C型枠10.1〜10.nを、壁厚として確保される距
離を空けて平行に設置し、隣接するPC型枠、例えば1
0.3と10.5の連結孔12を、連結金具13を用い
て接続する。そして、これらのPC型枠10.1〜1
0.nにより形成されたコンクリート打込空間40内
に、壁を補強する鉄筋32を組み立てる。
【0020】図7は、PC型枠10.1〜10.nによ
り形成されるコンクリート打込空間40の距離、すなわ
ち、壁厚を精度良く確保するためにセパレータ16を固
定具17により設定する様子を示してある。なお、セパ
レータ16が設置される様子を明示するため、コンクリ
ート打込空間40に組み立てられる鉄筋は図示していな
い。本例のPC型枠10においては、1枚の型枠に4つ
のセパレータ設定孔15が用意されている。従って、壁
の両面を形成するPC型枠10.1と10.2の間には
4つのセパレータ16が設定され、PC型枠10.1お
よび10.2の間隔を強固に、精度良く保つことができ
る。従って、コンクリートが流しこまれるときに発生す
る側圧力に対抗して均一な厚みの壁を施工することでき
る。セパレータ16は、セパレータ設定孔15から挿入
される固定具17により固定される。そして、セパレー
タ16にはロート状の導入部16bが形成されているの
で、固定具17の雄ねじの形成された先端が設定孔15
から挿入されることより、セパレータ16が自動的に所
定の位置に固定できる。さらに、この固定具17は、セ
パレータ16を固定すると同時に、PC型枠10の表面
10aからPC型枠をサポートするバタ材33、34も
固定可能である。従って、PC型枠10.1〜10.n
は、パイプ製の縦バタ材33および同じくパイプ製の横
バタ材34により表面からサポートされ、上記の連結金
具13およびセパレータ16により設定された位置関係
が保持可能となっている。また、セパレータ16の設定
される方向に、アンカー設定用孔11からアンカー18
も設定可能である。
【0021】図8に、PC型枠10.1〜10.nが縦
バタ材33、横バタ材34により支持された様子を示し
てある。このようにPC型枠10.1〜10.nにより
形成され、鉄筋32が組み立てられたコンクリート打込
空間40に、躯体用コンクリート35を打ち込み、壁を
施工する。本図に示してあるように、PC型枠10.1
および10.2には窓41が、また、PC型枠10.5
および10.6には窓42が形成可能である。上述した
ように、PC型枠10は、パレット1および仕切り板2
などにより現場でも容易に製造することができるため、
この他にも、ドアなどに対応した様々な形状の型枠を容
易に実現することができ、種々の形をした壁を施工する
ことができる。
【0022】図9に、PC型枠10.1〜10.nを用
いて施工された壁を示してある。本例のPC型枠10.
1〜10.nは、そのまま壁面として用いることができ
る。
【0023】従って、図8において躯体用コンクリート
35を打ち込んだ後、所定の養生期間が経過してから固
定具17、バタ材33、34、および連結金具13を取
り外すだけで、壁が完成できる。このため、従来の型枠
工法のように型枠を解体する必要もなく、非常に短期間
で壁を完成することができる。また、PC型枠10.1
〜10.nの表面はすでに仕上げがほどこされているた
め、佐官作業も少なくて済、安全で、短期間に作業を終
了させることが可能となる。さらに、本例のPC型枠に
用いられているスペーサー4、ジョイント5などはその
PC型枠10の表面に露出する本体がプラスチックなど
の樹脂により形成されている。このため、PC型枠の表
面を塗装する際などにおいても、そのまま塗装を行うこ
とができる。また、雨などにより錆が壁面に発生するこ
ともない。
【0024】図10に、本例のPC型枠10を用いて施
工された壁の断面を示してある。外壁を形成するPC型
枠10.1の内面などには、断熱材36を張り付けるこ
とも可能であり、本例のPC型枠10を用いて種々の構
成の壁を施工することができる。また、PC型枠10.
1に設定されたアンカー18は、躯体コンクリート35
により構成された壁本体を補強する鉄筋32と接続する
ことも可能であり、さらに、PC型枠10においては、
このアンカー18は、ワイヤーメッシュ3を支持するス
ペーサー4と接続されているので、PC型枠10と壁本
体との剥離を略完全に防止することができる。また、固
定具17を取り外した後のセパレータ設定孔15は、本
例のセパレータ16がロート状の導入部16bを有して
るため、小径の孔で済む。従って、壁を施工した後に、
この孔15をコーキング材37により容易に塞ぐことが
できる。
【0025】図11に、本例のPC型枠10を用いて、
壁から床、天井を施工する様子を示してある。本例にお
いては、PC型枠10.10と10.12を、またPC
型枠10.14と10.15などを直角に組み立てるた
め、L字型の連結金具13aを用いてこれらのPC型枠
10.10〜10.15に用意された連結孔12を接続
している。そして、上記にて説明したような同じ方向に
組み立てられるPC型枠10.10と10.4の連結孔
12は、平板状の連結金具13を用いて固定している。
このように複数のPC型枠を直角に、また、平行に組み
立てることにより、壁面から床面、天井面など施工する
ための型枠を簡単に組むことができる。
【0026】そして、これらのPC型枠10により形成
されたコンクリート打込空間40に、上記と同様に鉄筋
32を組み込み、この空間40に躯体用コンクリート3
5を打ち込みことにより、壁、床、天井を一体として施
工することができる。特に、本例においてはワイヤーメ
ッシュ3により補強されたコンクリート製のPC型枠1
0を用いて型枠を構成しているため、天井などを施工す
る際においても、型枠自体が十分な強度を有しており、
サポート材なども少なくて済む。そして、天井、床など
の歪みも発生し難く、品質の良い床などを施工すること
ができる。勿論、壁と同様に、バタ材、固定具、連結金
具13を取り外すだけで床、天井を完成でき、工期を大
幅に短縮することが可能である。壁面と同様に、床、天
井面の仕上げも済んでいるため、天井面を仕上げるため
の高所での上向き作業などを大幅に減少することができ
る。なお、セパレータを設置し、躯体コンクリートを打
ち込む工程などは、上記にて説明した壁の施工と同様に
つき、説明を省略する。
【0027】図12は、本例のPC型枠10.20〜1
0.22を用いて柱を施工する様子を示してある。柱を
施工する場合も、本例のPC型枠10.20〜10.2
2を直角に組み立てれば良く、床、天井と同様にL型の
連結金具13bを用いて、これらのPC型枠10.20
〜10.22に用意された連結孔12を接続している。
そして、それぞれのPC型枠10.20〜10.22の
アンカー固定孔11から柱の中心方向にアンカー18を
設定し、また、柱の寸法を保持するために、セパレータ
設定孔15を用いてセパレータ16を固定具17により
設定すれば良い。このようにPC型枠を用いて柱状に規
定されたコンクリート打込空間40に上記と同様に躯体
用コンクリートを打ち込むことにより、コンクリート製
の柱を施工することができる。そして、この柱の表面は
PC型枠により構成されるため、床、壁と同様に佐官仕
上げの必要は殆どなく、工期の短縮を図ることができ
る。
【0028】また、柱と同様に梁なども本例のPC型枠
を用いて容易に施工することができる。さらに、本例の
PC型枠は、現場などにおいても容易に製造することが
できることから、図12に示すような切り欠き38を用
意することも用意であり、現場の様子を見ながら型枠を
製造することもできる。勿論、ユニット化したPC型枠
を製造し、工期を大幅に短縮することもできる。
【0029】このように、本例のPC型枠は型枠兼仕上
げ材として用いることができ、このPC型枠を用いて
壁、床を施工することにより、大幅な工期の短縮を図る
ことができる。また、本例のPC型枠は薄板状で軽く、
ハンドリングも容易であり、どの様な建築現場において
も採用することができる。そして、型枠材の解体作業も
不要であることから、とかく汚くなりやすい現場コンク
リートを打ち込む期間も現場を綺麗に保つことができる
というメリットもある。さらに、ラワン材などの木材資
源を使わずに型枠工事ができることから、従来の使い捨
てに近い型枠材と比較し、省資源の工法である。そし
て、型枠と同時に、PC型枠を壁面の仕上げ材をとして
用いることができるため、佐官工事を大幅に削減でき
る。勿論、従来のコンクリート製の壁面などと同様に、
これらのPC型枠により形成された壁面に、壁紙、タイ
ルなどの仕上げを施すこともできる。
【0030】
【発明の効果】以上において説明したように、本発明に
係るプレキャストコンクリート製型枠およびこの型枠を
用いた工法は、多用な形状の壁面を適時施工でき、しか
も、熱帯樹林の保護等の面から問題となっている板材を
型枠として用いる必要のない工法である。さらに、本発
明に係るプレキャストコンクリート製型枠は仕上げ材と
しての機能も有しており、壁などの躯体を施工した後に
型枠材を解体し、壁面を仕上げるための工期を省略する
ことが可能である。そして、施工された壁面はすでに平
面状に仕上がっているため、このような平面状のコンク
リートの打ち上げ面を得るために必要であった熟練した
型枠工を確保する必要もない。このように、このプレキ
ャストコンクリート製型枠を用いることにより、品質を
保持しながら、壁、床などの建築工程を大幅に短縮する
ことができる。
【0031】また、ワイヤーメッシュなどの補強部材を
用いることにより、薄いながら十分な強度を有する型枠
材を実現することができ、天井、床などを施工する際に
も、安心して使用することができ、壁を施工する際に
も、バタ材が少なくて済むなどの有利な点が多い。そし
て、本発明に係る型枠材は、建築現場にて多用されるコ
ンクリートにより構成されているため、現場にて製造す
ることも可能である。このため、現場の状況に即時対応
可能であり、多種多様な要求に対しても柔軟に対応する
ことができる型枠材および工法である。
【0032】このように本発明に係るプレキャストコン
クリート製型枠を用いることにより、短期間に、品質の
良い壁、床などの構造部材を容易に、また木材などを浪
費することなく施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るPC型枠を製造するために、パ
レットに仕切り板を設定する工程を示す斜視図である。
【図2】図1に示すパレットに、ワイヤーメッシュなど
を設定する様子を示す斜視図である。
【図3】図2に示すパレットに、コンクリートを流し込
む様子を示す斜視図である。
【図4】パレット上に製造されたPC型枠を示す斜視図
である。
【図5】製造されたPC型枠およびPC型枠を現場に設
定する際に用いるセパレータなどの接続方法を示す説明
図である。
【図6】建築現場にPC型枠を設置する様子を示す説明
図である。
【図7】セパレータなどを用いてPC型枠を組み立てる
様子を示す斜視図である。
【図8】組み立てられたPC型枠を示す斜視図である。
【図9】PC型枠を用いて施工された壁を示す斜視図で
ある。
【図10】図9に示す壁の構造を示す断面図である。
【図11】PC型枠を用いて床、天井を施工する様子を
示す説明図である。
【図12】PC型枠を用いて柱を施工する様子を示す説
明図である。
【図13】従来のPCブロックを用いた工法を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 ・・・パレット 2 ・・・仕切り板 3 ・・・ワイヤーメッシュ 4 ・・・スペーサー 5 ・・・ジョイント 6 ・・・孔開け材 7 ・・・埋め込み金物 8 ・・・コンクリート 10・・・PC型枠 11・・・アンカー設定孔 12・・・連結孔 13・・・連結金物 14・・・ボルト 15・・・セパレータ設定用孔 16・・・セパレータ 17・・・固定具 18・・・アンカー 19・・・コンセント 20・・・壁 21・・・PCブロック 22・・・コンパネ材 23、32・・・鉄筋 30・・・クレーン 31・・・ワイヤー 33、34・・・バタ材 35・・・躯体コンクリート 36・・・断熱材 37・・・コーキング 38・・・切り欠き 40・・・コンクリート打込空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04G 11/00 7040−2E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレキャストされた薄板状のコンクリー
    ト板部材であって、そのコンクリート板部材の少なくと
    も片面が壁面として使用可能な仕上面であることを特徴
    とするプレキャストコンクリート製型枠。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記コンクリート板
    部材は、このコンクリート板部材の厚さ方向に貫通する
    少口径の孔を複数備えたセパレータ設定用コンクリート
    板部材であることを特徴とするプレキャストコンクリー
    ト製型枠。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記コンク
    リート板部材は、その厚さ方向の略中程にワイヤーメッ
    シュの埋設された補強コンクリート板部材であることを
    特徴とするプレキャストコンクリート製型枠。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のプ
    レキャストコンクリート製型枠を少なくとも1部に用い
    てコンクリートを打ち込むための空間を規定する打込空
    間規定工程を有すること特徴とするコンクリート打込工
    法。
JP3506292A 1992-02-21 1992-02-21 プレキャストコンクリート製型枠およびコンクリート打込工法 Pending JPH05230913A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07305436A (ja) * 1994-05-12 1995-11-21 Taisei Prefab Kk プレキャストコンクリート板
WO2020003726A1 (ja) * 2018-06-29 2020-01-02 ダイセルファインケム株式会社 コンクリート段差部用型枠ユニットおよびコンクリート構造物施工方法
JP2020139353A (ja) * 2019-03-01 2020-09-03 美藤 雅康 梯子状に固定した成型部材で造るコンクリート構築物。
CN113668751A (zh) * 2021-09-03 2021-11-19 江苏诚意住宅工业科技发展有限公司 一种柔性材料等代出筋的叠合板预制底板及其制作方法

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