JPH05222975A - エンジンの遠心式ガバナ - Google Patents

エンジンの遠心式ガバナ

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JPH05222975A
JPH05222975A JP5701692A JP5701692A JPH05222975A JP H05222975 A JPH05222975 A JP H05222975A JP 5701692 A JP5701692 A JP 5701692A JP 5701692 A JP5701692 A JP 5701692A JP H05222975 A JPH05222975 A JP H05222975A
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JP
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lever
governor
low speed
fuel
speed
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JP5701692A
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Hidenobu Nakajima
英伸 中島
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Kubota Corp
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Kubota Corp
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低速回転時に整定速度変動率が適性値よりも
過大になるのを解消しながら、調速レバーの関係位置を
広範囲に設定可能として設計の自由度を増大する。 【構成】 エンジンの燃料調量供給器1の燃料調量具2
を、ガバナレバー3を介してガバナスプリング4の張力
Jで燃料増量側Fへ弾圧するとともに、遠心錘5の遠心
力Kで燃料減量側Gへ押圧する事により、その力J・K
の釣り合った位置に制御操作するように構成する。 ガ
バナスプリング4の基端部4aを調速レバー6で張力調
節方向へ移動操作可能に構成する。 そのガバナスプリ
ング4の先端部4bは、中間伝動レバー7と伝動リンク
8とを介して、ガバナレバー3に連動連結する。 この
中間伝動レバー7と前記ガバナスプリング4との開角θ
のうち、前記調速レバー6を高速位置Hに設定した場合
の高速設定時開角θHに対して、その調速レバー6を低
速位置Lに設定した場合の低速設定時開角θLの方が、
90°からより遠ざかる角度となるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンンジンの遠心式ガ
バナに関する。
【0002】
【前提構造】本発明のエンンジンの遠心式ガバナは、例
えば図1・図5又は図6に示すように、次の前提構造を
有するものを前提とする。すなわち、エンジンの燃料調
量供給器1の燃料調量具2を、ガバナレバー3を介して
ガバナスプリング4の張力Jで燃料増量側Fへ弾圧する
とともに、遠心錘5の遠心力Kで燃料減量側Gへ押圧す
る事により、その力J・Kの釣り合った位置に制御操作
するように構成する。そして、そのガバナスプリング4
の基端部4aを、調速レバー6で張力調節方向へ移動操
作可能に構成する。尚、前記燃料調量供給器1とは、ガ
ソリンエンジンの場合は気化器、ガスエンジンの場合は
ガスミキサ、ディーゼルエンジンの場合は燃料噴射ポン
プのことである。前記燃料調量具2とは、ガソリンエン
ジン若しくはガスエンジンの場合はスロットルレバー、
ディーゼルエンジンの場合は燃料噴射ポンプのコントロ
ールラックのことである。
【0003】
【従来の技術】上記前提構造において、ガバナレバー3
と調速レバー6との連係部分は、従来技術では、例えば
図5又は図6に示すように構成されたものがある。 ○従来例1(図5参照、実開平3−32146号公報) この図5は強制空冷汎用ガソリンエンジンの遠心式ガバ
ナを示す。前記ガバナスプリング4の先端部4bはガバ
ナレバー3に連結される。このガバナレバー3とガバナ
スプリング4との開角のうち、前記調速レバー6を高速
位置Hに設定した場合の高速設定時開角θHに対して、
その調速レバー6を低速位置Lに設定した場合の低速設
定時開角θLが、ほぼ同じ角度となるように構成されて
いる。 ○従来例2(図6参照、特開平3−194141号公
報) この図6は水冷縦型ディーゼルエンジンの遠心式ガバナ
を示す。前記ガバナスプリング4の先端部4bはガバナ
レバー3に直接連結される。このガバナレバー3とガバ
ナスプリング4との開角のうち、前記調速レバー6を高
速位置Hに設定した場合の高速設定時開角θHに対し
て、その調速レバー6を低速位置Lに設定した場合の低
速設定時開角θLが、より小さい鋭角となるように構成
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では次
の問題がある。 ○従来例1(図5・図7参照) (イ)整定速度変動率が低速回転時に過大になる。図5
に示すように、前記高速設定時開角θHに対して、前記
低速設定時開角θLが、ほぼ同じ角度となる。このた
め、図7(A)に示すように、調速レバー6の設定回転
位置Nに対してガバナスプリング4がガバナレバー3を
燃料増量側Fへ搖動させる有効張力Jの変化曲線J0は
右上りの直線状になる。これに対し、図7(B)・
(D)に示すように、エンジンの実回転速度nに対し
て、ガバナレバー3を燃料減量側Gへ搖動させる遠心力
Kの変化曲線K0は二次曲線になる。図7(C)は、燃
料調量具2の調量位置Qに対する前記有効張力Jの変化
曲線J0H・J0Lを示す。高速設定時有効張力変化曲線
J0Hは、調速レバー6を高速位置Hにセットした場合
を示す。低速設定時有効張力変化曲線J0Lは、調速レ
バー6を低速位置Lにセットした場合を示す。図7
(A)の有効張力変化曲線J0が右上りの直線状である
ことから、図7(C)の高速設定時有効張力変化曲線J
0Hと比べて、低速設定時有効張力変化曲線J0Lは、有
効張力Jが小さくて変化率が同じになる。図7(D)
は、前述の図7(B)の遠心力二次変化曲線K0と、上
述の図7(C)の有効張力変化曲線J0H・J0Lとの力
の釣り合いの関係を示す。この遠心力二次変化曲線K0
上の高速時釣合い曲線部分K0Hは、高速設定時有効張
力変化曲線J0Hと釣り合う部分であり、高速無負荷回
転位置nH0と高速全負荷回転位置nH4との間で高速側
ガバナ差nHを生じさせて、図7(E)に示すように、
高速位置Hでの整定速度変動率dを適正値dHにする。
これに対し、低速時釣合い曲線部分K0Lは、低速設定
時有効張力変化曲線J0Lと釣り合う部分であり、低速
無負荷回転位置nL0と低速全負荷回転位置nL4との間
で低速側ガバナ差nLを生じさせる。この低速時釣合い
曲線部分K0Lが、高速時釣合い曲線部分K0Hよりも変
化率が小さくなっているのに対し、図7(C)の低速設
定時有効張力変化曲線J0Lは高速設定時有効張力変化
曲線J0Hと同じ値になっている。このため、図7
(D)の低速側ガバナ差nLが高速側ガバナ差nHより
も大きくなり、図7(E)に示す低速位置Lでの整定速
度変動率dが、適正値dHよりも遥かに大きい過大値d
Lになるのである。
【0005】○従来例2(図4・図6参照) 従来例2では、次の(ロ)の利点があるが、(ハ)・
(ニ)の問題が残る。 (ロ)整定速度変動率が低速回転時に過大になる事を解
消する。図6に示すように、前記高速設定時開角θHに
対して、低速設定時開角θLの方がより小さい鋭角とな
る。このため、図4(A)に示すように、ガバナスプリ
ング4の有効張力Jの変化曲線J1は、右上りに変化率
が大きくなるサインカーブ部分状になり、図4(B)・
(D)に示すように、遠心錘5の遠心力Kの変化曲線K
0の二次曲線に近似する。図4(A)の有効張力変化曲
線J1が右上りに変化率が大きくなるサインカーブ部分
状であることから、図4(C)の高速設定時有効張力変
化曲線J1Hと比べて、低速設定時有効張力変化曲線J1
Lは、有効張力Jが小さくて変化率も小さい。図4
(D)の遠心力二次変化曲線K0上において、高速時釣
合い曲線部分K1Hは、高速設定時有効張力変化曲線J1
Hと釣り合って高速側ガバナ差nHを生じさせて、図4
(E)に示すように、高速位置Hでの整定速度変動率d
を適正値dHにする。これに対し、低速時釣合い曲線部
分K1Lは、低速設定時有効張力変化曲線J1Lと釣り合
って、低速側ガバナ差nLを生じさせる。この低速時釣
合い曲線部分K1Lが、高速時釣合い曲線部分K1Hより
も変化率が小さくなっているのに対応して、図4(C)
の低速設定時有効張力変化曲線J1Lは、高速設定時有
効張力変化曲線J1Hよりも変化率が小さくなってい
る。このため、図4(D)の低速側ガバナ差nLが高速
側ガバナ差nHとほぼ等しくなり、図4(E)に示す低
速位置Lでの整定速度変動率dが、ほぼ適正値dHに近
い近似値dLになるのである。 (ハ)ガバナレバー3と調速レバー6との燃料増減方向
が単一方向に決まる。 (ニ)調速レバー6の配置の自由度が狭い。ガバナスプ
リング4がガバナレバー3に直接連結されている。この
ため、燃料増減方向が単一方向に決まるうえ、ガバナレ
バー3に対してガバナスプリング4及び調速レバー6の
取付位置や取付角度が決まってしまい、調速レバー6の
配置の自由度が狭い。本発明は、整定速度変動率が低速
回転時に過大になることを解消しながら、燃料増減方向
を自由に選定できるようにして、調速レバーの配置の自
由度を広くする事を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記前提構造
において、上記課題を達成するために、例えば図1・図
2又は図3に示すように、次の改良構造を追加したもの
である。すなわち、ガバナスプリング4の先端部4b
は、中間伝動レバー7と伝動リンク8とを介してガバナ
レバー3に連動連結する。そして、この中間伝動レバー
7と前記ガバナスプリング4との開角θのうち、前記調
速レバー6を高速位置Hに設定した場合の高速設定時開
角θHに対して、その調速レバー6を低速位置Lに設定
した場合の低速設定時開角θLの方が、90°からより
遠ざかる角度となるように構成したものである。
【0007】
【作用】本発明は次のように作用する。図1に示すよう
に、高速設定時開角θHに対して低速設定時開角θLの
方が、90°からより遠ざかる角度となる。このため、
ガバナスプリング4の有効張力Jの変化曲線J1は、上
述の従来例2の(ロ)項の場合と同様に、図4(A)に
示す右上りに変化率が大きくなるサインカーブ部分状に
なり、図4(B)・(D)に示す遠心錘5の遠心力Kの
変化曲線K0の二次曲線に近似する。その結果、上述の
(ロ)項で説明したと同じ理由により、図4(C)の低
速設定時有効張力変化曲線J1Lは高速設定時有効張力
変化曲線J1Hよりも変化率が小さくなり、低速側ガバ
ナ差nLが高速側ガバナ差nHとほぼ等しくなり、図4
(E)に示す低速位置Lでの整定速度変動率dが、ほぼ
適正値dHに近い近似値dLになるのである。
【0008】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成され作用す
ることから、次の効果を奏する。 (A)高速設定時開角θHに対して低速設定時開角θL
の方が、90°からより遠ざかる角度となるため、ガバ
ナスプリング4の有効張力Jの変化曲線J1は、右上り
に変化率が大きくなるサインカーブ部分状になり、遠心
錘5の遠心力Kの変化曲線K0の二次曲線に近似する。
その結果、低速側ガバナ差nLが高速側ガバナ差nHと
ほぼ等しくなり、低速位置Lでの整定速度変動率dが、
ほぼ適正値dHに近い近似値dLになる。 (B)ガバナスプリングは、中間伝動レバーと伝動リン
クとを介してガバナレバーに連動連結してあるから、こ
の中間伝動レバーの形状及び取付位置や取付角度を選定
する事により、燃料増減方向及び調速レバーの配置や角
度を広範囲に選定する事ができ、設計の自由度が大き
い。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面で説明する。 ○第1実施例 図1(A)は強制空冷汎用ガソリンエンンジンの遠心式
ガバナの要部正面図、図1(B)はその作動説明図であ
る。図において、ガソリンエンジン20は、燃料調量供
給器1としての気化器21の、燃料調量具2としてのス
ロットルバルブ22が吸気管23に設けられ、そのスロ
ットルバルブ22をリンク24を介してガバナレバー3
に連係させてある。この燃料調量供給器1の燃料調量具
2を、ガバナレバー3を介してガバナスプリング4の張
力Jで燃料増量側Fへ弾圧するとともに、ガバナの遠心
錘5の遠心力Kで燃料減量側Gへ押圧する事により、そ
の力J・Kの釣り合った位置に制御操作するように構成
してある。そして、ガバナスプリング4の基端部4aを
調速レバー6に架着し、その調速レバー6で張力調節方
向へ移動操作可能に構成してある。又、ガバナスプリン
グ4の先端部4bは中間伝動レバー7の先端部7aに架
着し、その中間伝動レバー7の回転軸25の反対側先端
部7bに搖動可能に取り付けた伝動リンク8を介して、
ガバナレバー3の中央寄り部に連動連結させてある。さ
らに、この中間伝動レバー7と前記ガバナスプリング4
との開角θのうち、前記調速レバー6を高速位置Hに設
定した場合の高速設定時開角θHに対して、その調速レ
バー6を低速位置Lに設定した場合の低速設定時開角θ
Lの方が、90°からより遠ざかる角度となるように構
成してある。
【0010】○第2実施例 図2に示す第2実施例では、前記伝動リンク8を中間伝
動レバー7の回転軸25の反対側先端部7bに搖動可能
に取り付けるのに代えて、その伝動リンク8を中間伝動
レバー7の中間部7cに取り付けてある。そのため、中
間伝動レバー7によるガバナレバー3の作動方向が前記
第1実施例とは反対向きになり、調速レバー6の取付方
向を変更する事ができる。 ○実施例3 さらに、図3に示す第3実施例では、上記伝動リンク8
・中間伝動レバー7・調速レバー6及びガバナスプリン
グ4を、ガバナレバー3の回転軸26の反対側に位置さ
せてある。尚、前記伝動リンク8は、構成上の都合によ
り省略する事も自由である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示し、図1(A)は強制
空冷汎用エンンジンの遠心式ガバナの要部正面図、図1
(B)はその作動説明図である。
【図2】本発明の第2実施例を示し、図1に相当する図
である。
【図3】本発明の第3実施例を示し、図1に相当する図
である。
【図4】本発明実施例の有効張力・遠心力及び整定速度
変動率の説明図である。
【図5】従来例1を示し、図1に相当する図である。
【図6】従来例2を示し、ディーゼルエンジンにおける
図1に相当する図である。
【図7】従来例における有効張力・遠心力及び整定速度
変動率の説明図である。
【符号の説明】
1…燃料調量供給器、2…燃料調量具、3…ガバナレバ
ー、4…ガバナスプリング、4a…基端部、4b…先端
部、5…遠心錘、6…調速レバー、7…中間伝動レバ
ー、8…伝動リンク、F…燃料増量側、G…燃料減量
側、H…高速位置、J…張力、K…遠心力、L…低速位
置、θ…開角、θH…高速設定時開角、θL…低速設定
時開角。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 エンジンの遠心式ガバナ
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 エンジンの遠心式ガバナ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの遠心式ガバ
ナに関する。
【0002】
【前提構造】本発明のエンジンの遠心式ガバナは、例え
ば図1・図5又は図6に示すように、次の前提構造を有
するものを前提とする。すなわち、エンジンの燃料調量
供給器1の燃料調量具2を、ガバナレバー3を介してガ
バナスプリング4の張力Jで燃料増量側Fへ弾圧すると
ともに、遠心錘5の遠心力Kで燃料減量側Gへ押圧する
事により、その力J・Kの釣り合った位置に制御操作す
るように構成する。そして、そのガバナスプリング4の
基端部4aを、調速レバー6で張力調節方向へ移動操作
可能に構成する。尚、前記燃料調量供給器1とは、ガソ
リンエンジンの場合は気化器、ガスエンジンの場合はガ
スミキサ、ディーゼルエンジンの場合は燃料噴射ポンプ
のことである。前記燃料調量具2とは、ガソリンエンジ
ン若しくはガスエンジンの場合はスロットルレバー、デ
ィーゼルエンジンの場合は燃料噴射ポンプのコントロー
ルラックのことである。
【0003】
【従来の技術】上記前提構造において、ガバナレバー3
と調速レバー6との連係部分は、従来技術では、例えば
図5又は図6に示すように構成されたものがある。 ○従来例1(図5参照、実開平3−32146号公報) この図5は強制空冷汎用ガソリンエンジンの遠心式ガバ
ナを示す。前記ガバナスプリング4の先端部4bはガバ
ナレバー3に連結される。このガバナレバー3とガバナ
スプリング4との開角のうち、前記調速レバー6を高速
位置Hに設定した場合の高速設定時開角θHに対して、
その調速レバー6を低速位置Lに設定した場合の低速設
定時開角θLが、ほぼ同じ角度となるように構成されて
いる。 ○従来例2(図6参照、特開平3−194141号公
報) この図6は水冷縦型ディーゼルエンジンの遠心式ガバナ
を示す。前記ガバナスプリング4の先端部4bはガバナ
レバー3に直接連結される。このガバナレバー3とガバ
ナスプリング4との開角のうち、前記調速レバー6を高
速位置Hに設定した場合の高速設定時開角θHに対し
て、その調速レバー6を低速位置Lに設定した場合の低
速設定時開角θLが、より小さい鋭角となるように構成
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では次
の問題がある。 ○従来例1(図5・図7参照) (イ)整定速度変動率が低速回転時に過大になる。図5
に示すように、前記高速設定時開角θHに対して、前記
低速設定時開角θLが、ほぼ同じ角度となる。このた
め、図7(A)に示すように、調速レバー6の設定回転
位置Nに対してガバナスプリング4がガバナレバー3を
燃料増量側Fへ揺動させる有効張力Jの変化曲線J0は
右上りの直線状になる。これに対し、図7(B)・
(D)に示すように、エンジンの実回転速度nに対し
て、ガバナレバー3を燃料減量側Gへ揺動させる遠心力
Kの変化曲線K0は二次曲線になる。図7(C)は、燃
料調量具2の調量位置Qに対する前記有効張力Jの変化
曲線J0H・J0Lを示す。高速設定時有効張力変化曲
線J0Hは、調速レバー6を高速位置Hにセットした場
合を示す。低速設定時有効張力変化曲線J0Lは、調速
レバー6を低速位置Lにセットした場合を示す。図7
(A)の有効張力変化曲線J0が右上りの直線状である
ことから、図7(C)の高速設定時有効張力変化曲線J
0Hと比べて、低速設定時有効張力変化曲線J0Lは、
有効張力Jが小さくて変化率が同じになる。図7(D)
は、前述の図7(B)の遠心力二次変化曲線K0と、上
述の図7(C)の有効張力変化曲線J0H・J0Lとの
力の釣り合いの関係を示す。この遠心力二次変化曲線K
0上の高速時釣合い曲線部分K0Hは、高速設定時有効
張力変化曲線J0Hと釣り合う部分であり、高速無負荷
回転位置nH0と高速全負荷回転位置nH4との間で高
速側ガバナ差nHを生じさせて、図7(E)に示すよう
に、高速位置Hでの整定速度変動率dを適正値dHにす
る。これに対し、低速時釣合い曲線部分K0Lは、低速
設定時有効張力変化曲線J0Lと釣り合う部分であり、
低速無負荷回転位置nL0と低速全負荷回転位置nL4
との間で低速側ガバナ差nLを生じさせる。この低速時
釣合い曲線部分K0Lが、高速時釣合い曲線部分K0H
よりも変化率が小さくなっているのに対し、図7(C)
の低速設定時有効張力変化曲線J0Lは高速設定時有効
張力変化曲線J0Hと同じ値になっている。このため、
図7(D)の低速側ガバナ差nLが高速側ガバナ差nH
よりも大きくなり、図7(E)に示す低速位置Lでの整
定速度変動率dが、適正値dHよりも遥かに大きい過大
値dLになるのである。
【0005】○従来例2(図4・図6参照) 従来例2では、次の(ロ)の利点があるが、(ハ)・
(ニ)の問題が残る。 (ロ)整定速度変動率が低速回転時に過大になる事を解
消する。図6に示すように、前記高速設定時開角θHに
対して、低速設定時開角θLの方がより小さい鋭角とな
る。このため、図4(A)に示すように、ガバナスプリ
ング4の有効張力Jの変化曲線J1は、右上りに変化率
が大きくなるサインカーブ部分状になり、図4(B)・
(D)に示すように、遠心錘5の遠心力Kの変化曲線K
0の二次曲線に近似する。図4(A)の有効張力変化曲
線J1が右上りに変化率が大きくなるサインカープ部分
状であることから、図4(C)の高速設定時有効張力変
化曲線J1Hと比べて、低速設定時有効張力変化曲線J
1Lは、有効張力Jが小さくて変化率も小さい。図4
(D)の遠心力二次変化曲線K0上において、高速時釣
合い曲線部分K1Hは、高速設定時有効張力変化曲線J
1Hと釣り合って高速側ガバナ差nHを生じさせて、図
4(E)に示すように、高速位置Hでの整定速度変動率
dを適正値dHにする。これに対し、低速時釣合い曲線
部分K1Lは、低速設定時有効張力変化曲線J1Lと釣
り合って、低速側ガバナ差nLを生じさせる。この低速
時釣合い曲線部分K1Lが、高速時釣合い曲部分K1H
よりも変化率が小さくなっているのに対応して、図4
(C)の低速設定時有効張力変化曲線J1Lは、高速設
定時有効張力変化曲線J1Hよりも変化率が小さくなっ
ている。このため、図4(D)の低速側ガバナ差nLが
高速側ガバナ差nHとほぼ等しくなり、図4(E)に示
す低速位置Lでの整定速度変動率dが、ほぼ適正値dH
に近い近似値dLになるのである。 (ハ)ガバナレバー3と調速レバー6との燃料増減方向
が単一方向に決まる。 (ニ)調速レバー6の配置の自由度が狭い。ガバナスプ
リング4がガバナレバー3に直接連結されている。この
ため、燃料増減方向が単一方向に決まるうえ、ガバナレ
バー3に対してガバナスプリング4及び調速レバー6の
取付位置や取付角度が決まってしまい、調速レバー6の
配置の自由度が狭い。本発明は、整定速度変動率が低速
回転時に過大になることを解消しながら、燃料増減方向
を自由に選定できるようにして、調速レバーの配置の自
由度を広くする事を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記前提構造
において、上記課題を達成するために、例えば図1・図
2又は図3に示すように、次の改良構造を追加したもの
である。すなわち、ガバナスプリング4の先端部4b
は、中間伝動レバー7と伝動リンク8とを介してガバナ
レバー3に連動連結する。そして、この中間伝動レバー
7と前記ガバナスプリング4との開角θのうち、前記調
速レバー6を高速位置Hに設定した場合の高速設定時開
角θHに対して、その調速レバー6を低速位置Lに設定
した場合の低速設定時開角θLの方が、90°からより
遠ざかる角度となるように構成したものである。
【0007】
【作用】本発明は次のように作用する。図1に示すよう
に、高速設定時開角θHに対して低速設定時開角θLの
方が、90°からより遠ざかる角度となる。このため、
ガバナスプリング4の有効張力Jの変化曲線J1は、上
述の従来例2の(ロ)項の場合と同様に、図4(A)に
示す右上りに変化率が大きくなるサインカーブ部分状に
なり、図4(B)・(D)に示す遠心錘5の遠心力Kの
変化曲線KOの二次曲線に近似する。その結果、上述の
(ロ)項で説明したと同じ理由により、図4(C)の低
速設定時有効張力変化曲線J1Lは高速設定時有効張力
変化曲線J1Hよりも変化率が小さくなり、低速側ガバ
ナ差nLが高速側ガバナ差nHとほぼ等しくなり、図4
(E)に示す低速位置Lでの整定速度変動率dが、ほぼ
適正値dHに近い近似値dLになるのである。
【0008】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成され作用す
ることから、次の効果を奏する。 (A)高速設定時開角θHに対して低速設定時開角θL
の方が、90°からより遠ざかる角度となるため、ガバ
ナスプリング4の有効張力Jの変化曲線J1は、右上り
に変化率が大きくなるサインカーブ部分状になり、遠心
錘5の遠心力Kの変化曲線K0の二次曲線に近似する。
その結果、低速側ガバナ差nLが高速側ガバナ差nHと
ほぼ等しくなり、低速位置Lでの整定速度変動率dが、
ほぼ適正値dHに近い近似値dLになる。 (B)ガバナスプリングは、中間伝動レバーと伝動リン
クとを介してガバナレバーに連動連結してあるから、こ
の中間伝動レバーの形状及び取付位置や取付角度を選定
する事により、燃料増減方向及び調速レバーの配置や角
度を広範囲に選定する事ができ、設計の自由度が大き
い。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面で説明する。 ○第1実施例 図1(A)は強制空冷汎用ガソリンエンジンの遠心式ガ
バナの要部正面図、図1(B)はその作動説明図であ
る。図において、ガソリンエンジン20は、燃料調量供
給器1としての気化器21の、燃料調量具2としてのス
ロットルバルブ22が吸気管23に設けられ、そのスロ
ットルバルブ22をリンク24を介してガバナレバー3
に連係させてある。この燃料調量供給器1の燃料調量具
2を、ガバナレバー3を介してガバナスプリング4の張
力Jで燃料増量側Fへ弾圧するとともに、ガバナの遠心
錘5の遠心力Kで燃料減量側Gへ押圧する事により、そ
の力J・Kの釣り合った位置に制御操作するように構成
してある。そして、ガバナスプリング4の基端部4aを
調速レバー6に架着し、その調速レバー6で張力調節方
向へ移動操作可能に構成してある。又、ガバナスプリン
グ4の先端部4bは中間伝動レバー7の先端部7aに架
着し、その中間伝動レバー7の回転軸25の反対側先端
部7bに描動可能に取り付けた伝動リンク8を介して、
ガバナレバー3の中央寄り部に連動連結させてある。さ
らに、この中間伝動レバー7と前記ガバナスプリング4
との開角θのうち、前記調速レバー6を高速位置Hに設
定した場合の高速設定時開角θHに対して、その調速レ
バー6を低速位置Lに設定した場合の低速設定時開角θ
Lの方が、90°からより遠ざかる角度となるように構
成してある。
【0010】○第2実施例 図2に示す第2実施例では、前記伝動リンク8を中間伝
動レバー7の回転軸25の反対側先端部7bに描動可能
に取り付けるのに代えて、その伝動リンク8を中間伝動
レバー7の中間部7cに取り付けてある。そのため、中
間伝動レバー7によるガバナレバー3の作動方向が前記
第1実施例とは反対向きになり、調速レバー6の取付方
向を変更する事ができる。 ○実施例3 さらに、図3に示す第3実施例では、上記伝動リンク8
・中間伝動レバー7・調速レバー6及びガバナスプリン
グ4を、ガバナレバー3の回転軸26の反対側に位置さ
せてある。尚、前記伝動リンク8は、構成上の都合によ
り省略する事も自由である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示し、図1(A)は強制
空冷汎用エンジンの遠心式ガバナの要部正面図、図1
(B)はその作動説明図である。
【図2】本発明の第2実施例を示し、図1に相当する図
である。
【図3】本発明の第3実施例を示し、図1に相当する図
である。
【図4】本発明実施例の有効張力・遠心力及び整定速度
変動率の説明図である。
【図5】従来例1を示し、図1に相当する図である。
【図6】従来例2を示し、ディーゼルエンジンにおける
図1に相当する図である。
【図7】従来例における有効張力・遠心力及び整定速度
変動率の説明図である。
【符号の説明】 1…燃料調量供給器、2…燃料調量具、3…ガバナレバ
ー、4…ガバナスプリング、4a…基端部、4b…先端
部、5…遠心錘、6…調速レバー、7…中間伝動レバ
ー、8…伝動リンク、F…燃料増量側、G…燃料減量
側、H…高速位置、J…張力、K…遠心力、L…低速位
置、θ…開角、θH…高速設定時開角、θL…低速設定
時開角。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの燃料調量供給器(1)の燃料調
    量具(2)を、ガバナレバー(3)を介してガバナスプリン
    グ(4)の張力(J)で燃料増量側(F)へ弾圧するととも
    に、遠心錘(5)の遠心力(K)で燃料減量側(G)へ押圧す
    る事により、その力(J)・(K)の釣り合った位置に制御
    操作するように構成し、 そのガバナスプリング(4)の基端部(4a)を、調速レバ
    ー(6)で張力調節方向へ移動操作可能に構成したエンン
    ジンの遠心式ガバナにおいて、 前記ガバナスプリング(4)の先端部(4b)は、中間伝動
    レバー(7)と伝動リンク(8)とを介してガバナレバー
    (3)に連動連結し、 この中間伝動レバー(7)と前記ガバナスプリング(4)と
    の開角(θ)のうち、前記調速レバー(6)を高速位置(H)
    に設定した場合の高速設定時開角(θH)に対して、その
    調速レバー(6)を低速位置(L)に設定した場合の低速設
    定時開角(θL)の方が、90°からより遠ざかる角度と
    なるように構成したことを特徴とするエンンジンの遠心
    式ガバナ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100646762B1 (ko) * 2004-09-10 2006-11-23 인하대학교 산학협력단 수술용 스테이플 및 이를 구비한 수술용 자동 문합기
DE102016110183A1 (de) 2015-06-17 2016-12-22 Denso Corporation Rotierende elektrische Maschine mit integrierter Steuerungsvorrichtung

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KR100646762B1 (ko) * 2004-09-10 2006-11-23 인하대학교 산학협력단 수술용 스테이플 및 이를 구비한 수술용 자동 문합기
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