JPH05222811A - 谷樋の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一方の長尺金属板１の側縁部と他方の長尺金
属板２の側縁部とをシール材３を挟んで重合し、更に、
この重合部の上下に金属板４を重合し、ボルト５とナッ
ト６とで長尺金属板１、２と金属板４、４とを止着す
る。この接続された長尺金属板１、２を谷樋状に成形し
て谷樋を製造する。 【効果】 一方の長尺金属板１の側縁部と他方の長尺金
属板２の側縁部とをシール材３を挟んで重合し、この重
合部の上下に金属板４、４を重合してボルト５とナット
６とで止着するから、長尺金属板１、２の重合部全体を
金属板４、４が押さえ、この挟まれているシール材３が
収縮した状態になり、シール材３の弾性によりこの部分
が水密になる。従って、この方法で接続した長尺金属板
１、２で製造した谷樋は雨水が漏れることがなく安心で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は谷樋の製造方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】谷樋は屋根と屋根との間に設けられるも
のであって、両側の屋根の上に降った雨水を集めて所定
の場所に移動させるものである。

【０００３】このように、両側の屋根に降った雨水を集
水するから、通常、谷樋は一方の屋根に降った雨水を集
水する軒樋より大きい。そして、この谷樋は通常１枚の
金属板を谷樋状に形成しているが、大きな谷樋となる
と、２枚以上の金属板の側縁部を長手方向に接続し、こ
の接続した金属板を成形して大きな谷樋に製造すること
もある。

【０００４】この２枚以上の金属板を長手方向に接続す
る従来の方法は、一般にハゼ継ぎ方法といわれている方
法で、図４に示すように、２枚の金属板１０１、１０２
の側縁をＵ字型に折り曲げ（イ）、この折曲部を係止
し、押し潰して接続し、この接続部を一定ピッチ（通常
約５ｃｍピッチ）のボルト・ナットまたはリベット１０
４で止着し（ロ）、この部分にシール材１０３を塗布し
て（ハ）、この接続部を水密にしていた。

【０００５】図５には３枚の長尺金属板を使用し、両側
壁１０５、１０６をハゼ継ぎ方法で接続した谷樋が示さ
れている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で２
枚以上の金属板を接続した谷樋ではシール材が剥がれた
り接続部が緩み易く、従って、この接続部から雨水が漏
れることがある。

【０００７】特に、約５ｃｍピッチのボルト・ナットま
たはリベットで止ているが、このボルト・ナットまたは
リベットで止着した場所の中間部から雨水が漏れ易かっ
た。そこで、本発明の目的は２枚以上の長尺金属板の側
縁部を長手方向に接続して谷樋状に成形して谷樋を製造
するとき、この接続部から雨水が漏れることがないよう
に接続部分を水密にできる谷樋の形成製造を提供するこ
とである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記問題を解決
し、上記目的を達成するためになしたものであって、一
方の長尺金属板の側縁部と他方の長尺金属板の側縁部と
を接続し、谷樋状に成形して長手方向に接続部を有する
谷樋となす谷樋の形製造法において、一方の長尺金属板
の側縁部と他方の長尺金属板の側縁部とをシール材を挟
んで重合し、更に、この重合部の上下に金属板を重合
し、ボルト・ナットまたはリベットで長尺金属板と金属
板とを止着し、この側縁部が接続された長尺金属板を谷
樋状に成形して長手方向に接続部を有する谷樋となるも
のである。

【０００９】本発明に使用するシール材とは一方の長尺
金属板と他方の長尺金属板の間に設けて、一方の長尺金
属板と他方の長尺金属板との間を水密にするものであっ
て、シーリング材やガスケット材が好適なものである。

【００１０】又、本発明では一方の長尺金属板の側縁部
と他方の長尺金属板の側縁部とをシール材を挟んで重合
し、更に、この重合部の上下に金属板を重合するが、こ
の金属板を重合するときに、長尺金属板と金属板との間
にシール材を挟んでもよい。

【００１１】又、従来と同じように接続した後に、この
接続部の上からシール材を設けて更に水密性を向上させ
てもよい。

【００１２】

【作用】本発明では、一方の金属板の側縁部と他方の長
尺金属板の側縁部とをシール材を挟んで重合し、この重
合部の上下に金属板を重合してボルト・ナットまたはリ
ベットで長尺金属板と金属板とを止着するから、ボルト
・ナットまたはリベットで止着する力は上下の金属板全
体に分散され、従って、中間部の長尺金属板も押さえら
れる。しかも、この一方の長尺金属板と他方の長尺金属
板との間にはシール材が挟まれているから、ボルト・ナ
ットで止められている場所のシール材も中間部のシール
材も押さえられ、この押さえられたシール材の弾性によ
り全体が水密になる。

【００１３】又、この重合部の面積は従来のハゼ継ぎ方
法の折曲部分より面積を大きくすることができる。この
ように、金属板でほぼ均一に押さえた力により圧縮され
たシール材で水密になることと重合部の面積が大きくす
ることができることとが相まって、この接続部が完全に
水密になり、この部分から水が漏れることがない。

【００１４】又、この金属板は接続部を補強する作用も
有する。

【００１５】

【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。図１〜３
は本発明の一実施例を示すものであって、図１は一方の
長尺金属板と他方の長尺金属板との接続方法を示し、
（イ）は一方の長尺金属板の側縁部と他方の長尺金属板
の側縁部とを重合した状態を示す説明図、（ロ）はこの
重合部の上下に金属板を重合した状態を示す説明図、
（ハ）は重合部をボルト・ナットで止着した状態を示す
説明図、図２は谷樋の斜視図、図３は接続部の断面を示
す断面図である。

【００１６】図１〜３において、Ａは谷樋である。１は
一方の長尺金属板であり、２は他方の長尺金属板であ
る。３はシーリング材からなるシール材である。

【００１７】４は長尺金属板１、２を重合した部分の上
下に重合される金属板である。５はボルトであり、６は
ナットである。次に、この谷樋Ａの製造方法について説
明する。

【００１８】一方の長尺金属板１の側縁部の上にシール
材３を塗布し、この塗布部分の上に他方の長尺金属板２
の側縁部を重合する。更に、この重合部の上下にシール
材３を塗布し、上下に金属板４、４を重合する。

【００１９】次に、金属板４の上からビス孔を長手方向
に２列５ｃｍピッチで穿ち、このビス孔にボルト５を通
し、ナット６を螺入して、金属板４、４と長尺金属板
１、２を止着する。

【００２０】この接続部の上からシール材３を塗布して
水密性を更に向上させた。同様にして一方の長尺金属板
１の他の側縁部に別の他方の長尺金属板２を止着して、
３枚の長尺金属板２、１、２を接続した。

【００２１】このようにして接続した３枚の金属板２、
１、２を図３に示すように、谷樋状に成形して谷樋を製
造した。この谷樋を屋根と屋根との間に取り付けたとこ
ろ、長期間雨水が漏ることがなかった。

【００２２】

【発明の効果】本発明では、一方の長尺金属板の側縁部
と他方の長尺金属板の側縁部とをシール材を挟んで重合
し、この重合部の上下に金属板を重合してボルト・ナッ
トまたはリベットで止着しているから、長尺金属板の側
縁部の重合部全体が金属板で押さえられ、この長尺金属
板の間に挟まれているシール材が収縮した状態になり、
シール材の弾性により、この部分が水密になる。又、重
合部の面積が大きいから、この部分の水密性が完全にな
る。

【００２３】従って、この発明方法で製造した谷樋は雨
水が漏れることがなく安心である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施例を示すものであって、
一方の長尺金属板と他方の金属板との接続方法を示し、
（イ）は一方の長尺金属板の側縁部と他方の長尺金属板
の側縁部とを重合した状態を示す説明図、（ロ）はこの
重合部の上下に金属板を重合した状態を示す説明図、
（ハ）は重合部をホルト・ナットで止着下状態を示す説
明図である。

【図２】図２は谷樋の斜視図である。

【図３】図３は接続部の断面を示す断面図である。

【図４】図４は従来の谷樋を製造するときに使用される
一方の長尺金属板と他方の金属板との接続方法であっ
て、（イ）は金属板の側縁をＵ字型に折り曲げた状態を
示す説明図、（ロ）は接続部をリベットで止着した状態
を示す説明図、（ハ）は接続部にシール材を塗布した状
態を示す説明図である。

【図５】図５は従来の方法で接続した谷樋の斜視図であ
る。

【符号の説明】

Ａ 谷樋 １ 一方の長尺金属板 ２ 他方の長尺金属板 ３ シール材（シーリング材） ４ 金属板 ５ ボルト ６ ナット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方の長尺金属板の側縁部と他方の長尺
   金属板の側縁部とを接続し、谷樋状に成形して長手方向
   に接続部を有する谷樋となす谷樋の製造方法において、
   一方の長尺金属板の側縁部と他方の長尺金属板の側縁部
   とをシール材を挟んで重合し、更に、この重合部の上下
   に金属板を重合し、ボルト・ナットまたはリベットで長
   尺金属板と金属板とを止着し、この側縁部が接続された
   長尺金属板を谷樋状に成形して長手方向に接続部を有す
   る谷樋となすことを特徴とする谷樋の製造方法。