JPH05217531A - X線装置 - Google Patents

X線装置

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JPH05217531A
JPH05217531A JP4265666A JP26566692A JPH05217531A JP H05217531 A JPH05217531 A JP H05217531A JP 4265666 A JP4265666 A JP 4265666A JP 26566692 A JP26566692 A JP 26566692A JP H05217531 A JPH05217531 A JP H05217531A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、X線管に余分の部品を付加する
ことなく、回転起動前に効率よく金属潤滑剤の融解さ
せ、安定な動作をするX線装置を提供することを目的と
する。 【構成】 この発明のX線装置は、ステータ駆動電源12
からステータ電磁コイル11b に交流電圧を印加して上記
軸受構成部材を電磁誘導発熱させて該軸受内の潤滑剤を
融解する動作プロセスを備えていることを特徴とするX
線装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、X線装置に係わり、
とくに液体金属を潤滑剤として使用するすべり軸受を内
蔵するX線管を備えたX線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、CTスキャナとして普及してい
るX線撮影装置や、X線露光装置等のX線装置には、多
くの場合、X線放射源として回転陽極型X線管が組み込
まれている。この回転陽極型X線管は、周知のように、
円盤状の陽極ターゲットを、相互間に軸受部を有する回
転体および固定体で機械的に支え、真空容器外に配置し
たステータの電磁コイルを付勢し高速回転させながら陰
極から電子ビームを放出して陽極ターゲットに当て、X
線を放射する。軸受部は、ボールベアリングのようなこ
ろがり軸受や、軸受面にらせん溝を形成するとともにガ
リウム(Ga)、又はガリウム−インジウム−錫(Ga
−In−Sn)合金のような、動作中に液状となる液体
金属潤滑剤を用いた動圧式すべり軸受で構成される。後
者のすべり軸受を用いた例は、たとえば特公昭60- 2146
3 号、特開昭60-97536号、特開昭 60-117531号、特開昭
60-160552号、特開昭 62-287555号、特開平2-227947
号、あるいは特開平2-227948号等の各公報に開示されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記各公報に開示され
ている回転陽極型X線管のすべり軸受の軸受面間に充填
される液体金属潤滑剤は、実用になる比較的低い融点を
もつものでも、その融点が約10℃である。すなわち、
例えばGa−In−Sn合金の融点は、低融点のもので
も10.7℃であり、ビスマス(Bi)を相対的に多く
含むBi−In−Pb−Sn合金では同様に57℃であ
る。X線装置は、少なからずこのような液体金属潤滑剤
の融点以下の温度環境で使用される場合があるので、装
置の運転前はX線管の軸受部の潤滑剤は凍った状態にな
っている。この状態では陽極ターゲットの回転が不可能
であるとともに、無理に回転力を加えると軸受面が損傷
を受けてしまう。したがって、X線管の陽極ターゲット
の回転開始前に、軸受部を融点以上の温度に加熱して潤
滑剤を液状に融解してから動作を開始するようにする必
要がある。その目的で、上記の特開昭 60-160552号公報
には、X線管の管内または管外に、加熱コイル、熱放射
体、あるいは高周波放射体のような熱源を設けること
や、陰極フィラメントの熱放射を利用することが開示さ
れている。
【0004】しかしながら、X線管の管内または管外に
加熱コイルや熱放射体、高周波放射体のような熱源を設
けることは、余分の熱源を配置する必要があり、不都合
である。また、陰極フィラメントの熱放射を利用するこ
とは、軸受部の温度上昇に長時間要する不都合がある。
【0005】この発明は、以上のような不都合を解消
し、X線管に余分の部品を付加することなく効率よく軸
受部の金属潤滑剤を融解し、安定に回転起動させること
ができるX線装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、ステータ駆
動電源からステータ電磁コイルに交流電圧を印加してら
せん溝軸受の構成部材を電磁誘導発熱させ、この軸受内
の潤滑剤を融解する動作プロセスを備えているX線装置
である。
【0007】
【作用】この発明によれば、潤滑剤が凍っている場合に
も、ステータ電磁コイルに印加した交流電圧によりらせ
ん溝軸受部を含む回転体又は固定体に電磁誘導電流損に
よる熱が発生し、軸受部の潤滑剤の温度が効率よく上昇
する。したがって、確実に潤滑剤が融点以上の温度に達
して液状となった状態で回転体を回転起動することがで
きる。それにより、金属潤滑剤の融点以下の温度環境の
下でも、X線装置の安全、安定な動作が保証される。
【0008】
【実施例】以下その実施例を図面を参照して説明する。
なお同一部分は同一符号であらわす。図1に示す実施例
のX線装置は、回転陽極型X線管10と、図示しない陰極
および陽極付勢電源と、ステータ11と、ステータ駆動電
源12と、X線撮影装置の主制御装置13とを備えている。
【0009】回転陽極型X線管10は、真空容器14の内部
に重金属からなる円盤状陽極ターゲット15が円筒状回転
体16の一端に突設された回転軸部17に固定ナット18によ
り一体的に固定されている。円筒状回転体16の内側に
は、円柱状の固定体19が同軸状に嵌合されており、回転
体の下端開口部にリング状の開口部閉塞体20が固着され
ている。固定体19の下端部は、陽極支持部17に結合さ
れ、それは真空容器のガラス円筒容器部14a に気密接合
されている。回転体16と固定体19との嵌合部分は、前述
の各公報に示されるような、動圧らせん溝軸受部22を構
成している。そのため、固定体側のすべり軸受面となる
固定体外周壁、端面及び開口部閉塞体20には、前述の各
公報に記載されているようなヘリンボン・パターンから
なるらせん溝23,24 が形成されている。これと対面する
回転体側のすべり軸受面は、単なる平滑な面でもよく、
あるいは必要に応じてらせん溝を形成したものでもよ
い。これら回転体及び固定体の両軸受面は、およそ20
マイクロメートルの軸受間隙をもって近接している。回
転中心軸上にある固定体19には、その中心部分が軸方向
にくり抜かれた孔からなる潤滑剤収容室25が形成されて
いる。また、この固定体19の中間部の外周壁がわずかに
削られて径小部26が形成され、潤滑剤収容室25からこの
径小部26に通じる4つの放射方向通路27が等角度で対称
的に形成されている。こうして、潤滑剤収容室25から延
びる放射方向潤滑剤通路27は、2組のラジアル方向軸受
のらせん溝23,23 の中間部分、すなわちらせん溝のない
位置に開口している。さらに、中心部の潤滑剤収容室25
の図示上端開口部25a は、スラスト方向軸受を構成する
サークル状のヘリンボン・パターンからなるらせん溝24
をもつ軸受面の同じくらせん溝のない中心部に位置し、
このスラスト方向軸受の軸受間隙に連通している。回転
体16の主要部を構成している有底円筒16a の外周部に
は、鉄のような強磁性体円筒16b および銅円筒16c が一
体的に嵌合固定されている。これらは、回転体の外周の
ガラス円筒容器部14a の外側に配置されたステータ11と
協動して電磁誘導モータの回転子として動作する。ステ
ータ11は、円筒状鉄心11a と、それに巻かれたステータ
電磁コイル11b とを備えている。このステータ電磁コイ
ル11b は、ステータ駆動電源から駆動電圧が印加される
ように回路接続されており、動作時に回転体の内部に及
ぶ回転磁界を発生する。
【0010】そこで、X線管の固定体とともに管外に延
長された陽極支持部17に、温度検出器28が取り付けられ
ている。らせん溝軸受部から陽極支持部の温度検出器28
までの伝熱係数を加味することにより、温度検出器28で
得られる信号レベルはらせん溝軸受部の温度に対応する
ものとして扱うことができる。そのため、温度検出器28
から得られる信号は、温度検知比較器29に供給されるよ
うになっている。さらにこの温度検知比較器29の出力制
御信号は、制御器30を経てステータ駆動電源12に供給さ
れるように構成されている。温度検知比較器29は、温度
検出器28から供給される検出温度対応の信号レベルを、
予め設定された潤滑剤の融点に対応する基準レベルと比
較演算し、温度対応信号レベルが基準レベルよりも低い
場合、逆にそれが高い場合に応じたそれぞれの制御出力
信号を、制御器30に送る。この制御器30は、軸受温度対
応信号レベルが基準レベルよりも低い場合には、ステー
タ駆動電源12から商用電源周波数(50Hzまたは60
Hz)よりも高い周波数で且つ回転体を回転起動しない
範囲の低い交流電圧をステータ電磁コイル11b に供給す
るように、制御出力信号をステータ駆動電源12に供給す
る。ステータ駆動電源12には、商用電源周波数よりも高
い周波数の電圧を発生するインバータ電源回路が組み込
まれている。一方、軸受温度対応信号レベルが基準レベ
ルよりも高い場合には、主制御装置13から供給される回
転体起動指令信号があれば直ちにステータ駆動電源12か
らステータ電磁コイル11b に定常の回転駆動電圧が供給
されるようになっている。このような動作、信号処理を
可能にするように、各部にはマイクロコンピュータが備
えられ、それらにシーケンス制御プログラムが設定され
ている。
【0011】図2により、動作例を説明する。X線管の
すべり軸受部に充填されている金属潤滑剤は、約10℃
の融点をもつ材料であるとする。温度検知比較器29に予
め設定する基準レベルは、潤滑剤の融点よりも十分高い
温度、例えば15℃に対応するレベルに設定する。今、
X線装置の置かれている環境が約5℃であるとする。軸
受部固定体の温度(T)は、同じく約5℃である。ほぼ
この温度にある潤滑剤は、当然、凍った状態である。こ
の温度が検出器28で検出され、それに対応する信号が温
度検知比較器29に入力される。この状態を、図2の時間
軸(t)における(a)の時点としてあらわしている。
温度検知比較器29では、軸受部の温度が基準レベルより
も低いことを演算、比較して判定し、前述のように制御
器30からステータ駆動電源12に商用電源周波数よりも高
い周波数(例えば210Hz)で且つ回転体を回転起動
しない範囲の低い電圧(E)(例えば50V)をステー
タ電磁コイル11b へ供給するように制御出力信号を送出
する。それに応じてステータ電磁コイル11b から高周波
回転磁界(上記の例では、210Hz)が発生され、X
線管の回転体および固定体に電磁誘導うず電流損が生
じ、軸受部の温度(T)は徐々に上昇する。とくにこの
実施例は、ステータ電磁コイル11b の内側領域にらせん
溝軸受が同軸的に配置されているので、ステータ電磁コ
イルで発生する交流磁界が軸受構成部材に効率よく及
び、誘導電流損により効率よく発熱する。こうして、例
えば3分程度経過すると、軸受部の温度は15℃の基準
レベルを越える。この状態で、軸受部の金属潤滑剤は融
解し、完全に液状となっている。この温度関係は温度検
知比較器29で比較、判定され、ステータ電磁コイル11b
への供給電力を回転体の回転起動に十分な電圧(例えば
400V)に切り換えるように制御信号が制御器30から
ステータ駆動電源12に供給される。この切り換え時点
が、同図の(b)点である。その後、回転体の回転速度
が所定の回転数に達すると、(c)時点から定常回転の
周波数および電圧(例えば70Hz、150V)に切り
換えられる。なお、初期(a)における軸受部温度が基
準レベルよりも高い場合は、(a)から(b)の間の制
御は不要であり、直ちに(b)からの起動が開始され
る。この発明のX線装置は、このようなシーケンスによ
って自動制御される構成を有している。なお、潤滑剤を
融解するために、(a)から(b)の間にステータ電磁
コイル11b に供給する電圧は、例えば1kHz程度の高
い周波数の電圧でもよい。
【0012】なお、温度検出器は、前記実施例では軸受
部に熱的に繋がる陽極支持部に固定して軸受部の温度を
間接的に検出する構造であるが、それに限らず、例えば
次の構成としてもよい。すなわち、固定体に管外から軸
受部近傍に達する小さい穴を穿ち、熱電対のような温度
検出器を軸受部近傍に埋め込んだ構成にしてもよい。そ
れによって、軸受部の温度をほぼ直接検出することがで
き、より高精度の制御ができる。あるいは、X線管を収
容し内部に絶縁油が充填されたX線管収容容器(ハウジ
ング)の絶縁油の温度を検出するようにし、それによっ
て、X線管の陽極ターゲットの回転起動の開始前の潤滑
剤の温度を間接的に検知し、その軸受温度対応信号に基
いて、前述のような潤滑剤の予熱過程を減るシーケンス
制御としてもよい。あるいはまた、X線装置が置かれる
室温を検出して軸受部の温度をさらに間接的に検出する
構成にしてもよい。その場合、基準レベルを適切な温度
に設定すれば、潤滑剤が凍った状態で回転体に強い起動
モーメントがかからないようにできる。
【0013】図3に示すシーケンス制御図により、この
発明の他の実施例を説明する。X線装置の主電源を入れ
る前の状態は、回転陽極型X線管のらせん溝軸受部が潤
滑剤の融点以下の温度になっており、したがって潤滑剤
が凍っている状態である。そこで、まず(a)時点で、
ステータ駆動電源から70Hz、160Vの交流電圧E
をステータ電磁コイルに印加し、(b)時点まで2分間
この電圧を供給し続ける。この間に、軸受部は電磁誘導
発熱により温度上昇し、潤滑剤は融解し、陽極ターゲッ
トは回転を始める。(b)時点で、ステータ電磁コイル
に供給する電圧は50Vに下げる。なおその周波数は7
0Hzのままである。ターゲットの回転数Rは、点線で
示すように一旦上昇した後に約3,000rpmで安定
する。この状態で、(d)時点でX線管に陰極−陽極間
電圧を加え、透視診断を行い、撮影を要する部位やタイ
ミング等を定める。そして、透視を終了した後の時点
(e)で、ステータ駆動電源からステータ電磁コイルに
供給する電圧を210Hz、400Vに切り換える。そ
れによって、陽極ターゲットの回転数は約10,000
rpmに上昇する。この時点(f)で、高い陰極−陽極
間電圧をX線管に加えてX線写真撮影を行う。この撮影
終了と同時にステータ電磁コイルに供給する電圧を70
Hz、130Vに落とし、所定時間へた時点(g)で7
0Hz、50Vに変える。それにより、陽極ターゲット
の回転数は約3,000rpmに安定するので、次の透
視診断に移る。このような制御を繰り返す。
【0014】因みに、固体金属潤滑剤で潤滑される玉軸
受をもつX線管を使用した従来のX線装置は、潤滑剤図
4に示すように、透視診断の前(h)に5秒以下の短時
間だけ180Hz、200Vの回転駆動電圧をステータ
電磁コイルに供給し、回転起動させる。そして、直ぐに
(i)時点で60Hz、50Vに下げ、透視を行い、、
その後上述と同様に撮影を行う。そして、撮影が終了し
た後は、軸受の磨耗や潤滑剤の飛散消耗を極力低減する
ため、ステータ電磁コイルへの電圧供給を停止、又は逆
回転磁界を印加してブレーキ作用を生じさせ、陽極ター
ゲットの回転を早く停止させるようにしている。そのた
め、次の透視の前に再び(h)から(i)の起動制御を
行う必要がある。このような繰り返しを行う結果、回転
駆動電力は少ないものの、X線管内の回転機構部に無理
な応力が繰り返しかかり、軸受の磨耗や振動、騒音が生
じやすい。
【0015】それに対してこの発明によれば、回転駆動
電力はやや多いが、潤滑剤を一旦融解させれば、その後
は常時、低振動、低騒音で3,000rpm程度で回転
させることができ、透視も必要な時に比較的早い繰り返
しで行うことができる。また、X線管内の回転機構部に
不所望な応力がかかりにくく、長時間、安定にX線管を
使用することができる。
【0016】ところで、ステータ電磁コイルの主巻線、
補助巻線の各電流、又は各電流の位相差には、回転体が
回転している状態と非回転状態とで、相互間に顕著な差
がある。そこで、ステータ電磁コイルのこれらの電流を
検出するように構成し、定常の回転状態に対して非回転
状態の比較を演算処理して軸受部の潤滑剤の凍結の有無
を判断して制御するようにしてもよい。すなわち、まず
ステータ電磁コイルに所定の交流電圧を所定時間印加し
て各コイルの電流又はその位相を検出し、回転体が非回
転状態に対応するコイル電流や位相差である場合には、
潤滑剤を融解させるために適切な電流および供給時間を
演算処理により得てステータ電磁コイルへの供給電圧を
自動制御するように構成する。この場合、最初に印加す
る電圧は、潤滑剤が溶融状態であれば直ちに回転を始め
るに十分な値とする。なお、ステータ電磁コイルの各電
流や位相が、潤滑剤が溶融状態であるためにすぐに回転
を開始した状態に相当する場合には、そのまま定常回転
の電圧をステータ電磁コイルに加える制御構成とする。
これによれば、軸受部の潤滑剤の溶融、非溶融状態をほ
ぼ直接的に検知でき、それぞれの状態に応じた適切な回
転駆動制御ができるように装置を構成することができ
る。したがって、信頼性が高く、しかも軸受部の温度検
出手段等が不要であり、比較的簡略な装置構成にするこ
とができる。
【0017】一方、周波数は任意で、潤滑剤が液状にな
っていても回転体が回転しない範囲の低い電圧をステー
タ電磁コイルに所定時間(例えば10秒以上、10分以
下の任意設定時間)印加するプロセスを必ず経るように
シーケンス制御された構成にしてもよい。それによっ
て、装置使用温度の如何にかかわらずほぼ確実にらせん
溝軸受を構成する回転体又は固定体を電磁誘導発熱させ
て軸受部の金属潤滑剤を融解してから陽極ターゲットを
回転起動することができる。したがって、温度検出器を
備えないでもよく、比較的簡単な装置構成で安全、安定
な動作を維持することができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
X線管の内外に余分の加熱手段を付加することなく、軸
受部の潤滑剤を効率よく加熱して融解し、回転起動させ
ることができる。したがって、潤滑剤の融点以下の温度
環境下でも、X線装置の安定な動作が保証される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の要部を縦断面で示す概略構
成図である。
【図2】図1の装置の動作を説明するシーケンス制御の
図である。
【図3】この発明の他の実施例を示すシーケンス制御図
である。
【図4】従来の玉軸受を使用したX線管のシーケンス制
御図である。
【符号の説明】
10…X線管、 11…ステータ、 11b …ステータ電磁コイル、 12…ステータ駆動電源、 13…主制御装置、 14…真空容器、 15…陽極ターゲット、 16…回転体、 19…固定体、 22…らせん溝軸受部、 28…温度検出器、 29…温度検知比較器、 30…制御器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 誠 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極ターゲットが固定された回転体、こ
    の回転体に同軸状に嵌合する固定体、これら回転体及び
    固定体の嵌合部に所定の融点をもつ液体金属潤滑剤が充
    填されたらせん溝軸受を有するX線管と、このX線管の
    回転体の外周に配置されたステータ電磁コイルと、この
    ステータ電磁コイルに電圧を与えるように設けられたス
    テータ駆動電源とを具備するX線装置において、 上記ステータ駆動電源からステータ電磁コイルに交流電
    圧を印加して上記軸受構成部材を電磁誘導発熱させて該
    軸受内の潤滑剤を融解する動作プロセスを備えているこ
    とを特徴とするX線装置。
  2. 【請求項2】 軸受部の温度を直接または間接的に検出
    する温度検出器を備え、この温度検出器を経て得られる
    の軸受部温度対応信号レベルを液体金属潤滑剤の融点に
    対応する基準値と比較し、軸受部温度対応信号レベルが
    潤滑剤の融点対応基準値を超えた場合のみ、回転体を回
    転起動させるように自動制御される構成を有する請求項
    1記載のX線装置。
  3. 【請求項3】 ステータ電磁コイルの電流を検出し、回
    転体が非回転状態に対応するコイル電流である場合に、
    液体金属潤滑剤を融解させるためにステータ電磁コイル
    に印加する電力又は印加時間を自動設定する手段を備え
    る請求項1記載のX線装置。
  4. 【請求項4】 回転体を回転起動させる前にステータ電
    磁コイルに印加する電圧は、商用電源の周波数よりも高
    い周波数である請求項1記載のX線装置。
  5. 【請求項5】 陽極ターゲットが固定された回転体、こ
    の回転体に同軸状に嵌合する固定体、これら回転体及び
    固定体の嵌合部に所定の融点をもつ液体金属潤滑剤が充
    填されたらせん溝軸受を有するX線管と、このX線管の
    回転体の外周に配置されたステータ電磁コイルと、この
    ステータ電磁コイルに電圧を与えるように設けられたス
    テータ駆動電源とを具備するX線装置において、 上記ステータ駆動電源から回転体を回転起動するための
    起動電圧をステータ電磁コイルに印加する前に、潤滑剤
    が溶融状態でも回転体が回転しない範囲の交流電圧を上
    記ステータ電磁コイルに所定時間印加する動作プロセス
    を備えていることを特徴とするX線装置。
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