JPH05215553A - ナビゲーション装置 - Google Patents

ナビゲーション装置

Info

Publication number
JPH05215553A
JPH05215553A JP1778692A JP1778692A JPH05215553A JP H05215553 A JPH05215553 A JP H05215553A JP 1778692 A JP1778692 A JP 1778692A JP 1778692 A JP1778692 A JP 1778692A JP H05215553 A JPH05215553 A JP H05215553A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
center point
geomagnetic sensor
output components
magnetization
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1778692A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironobu Ariyoshi
寛展 有吉
Akira Iwasaki
晃 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Home Electronics Ltd
NEC Corp
Original Assignee
NEC Home Electronics Ltd
Nippon Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Home Electronics Ltd, Nippon Electric Co Ltd filed Critical NEC Home Electronics Ltd
Priority to JP1778692A priority Critical patent/JPH05215553A/ja
Publication of JPH05215553A publication Critical patent/JPH05215553A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Navigation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両走行中に地磁気センサの着磁補正を可能
にする。 【構成】 地磁気の水平分力を検出する地磁気センサ2
を旋回させたときに、その2軸出力成分Hx,Hyを合
成して得られるベクトル軌跡により形成される旋回円に
ついて、地磁気センサ2が所定角度を越えて方向転換し
たさいに得られる3組の2軸出力成分から中心点Pを求
め、この中心点Pに相当する2軸出力成分Hxo,Hy
oを外乱磁界による磁気として地磁気センサ2の出力を
着磁補正することにより、地磁気センサ2を完全に1旋
回させることなく、確実に着磁補正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、着磁補正が簡単に行
えるようにした地磁気センサ利用のナビゲーション装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】車載用のナビゲーション装置は、衛星か
らの電波を頼りに現在地を割り出しながら走行する電波
航法を利用するものと、出発点からの走行経路を逐次割
り出しながら現在地を把握する推定航法を利用するもの
の2種類に大別できるが、推定航法は電波航法に比べ低
コストで実現できる反面、車両方位の検出に様々な問題
を抱えており、特に地球を南北に走査する地磁気を検出
する地磁気センサを方位センサとして用いる場合には、
外乱磁界の影響をいかに排除して検出精度を確保するか
が重要な鍵となる。
【0003】図6に示す従来のナビゲーション装置1
は、地磁気センサ2と距離センサ3を接続した中央処理
装置4を中心に、走行地域を示す地図に車両の現在地を
重ねて表示する表示装置5や、CD−ROM等の記憶媒
体から地図データを読み出すための外部記憶装置6、表
示装置5の表示内容や地図データの縮尺を切り替えたり
するときに運転者等がキー操作する入力装置7等が接続
してある。地磁気センサ2は、車両8の天井部に取り付
けてあり、図7に示したように、リング状のヨーク2a
の外径をまたぐようにして一対の線輪2y,2xを十字
形状に交差させて巻き付け、ヨーク2aの一部に巻き付
けた励磁巻き線2cに通電して、バイアスとなる交流磁
界を誘起させる構成としてある。線輪2yと2xは、そ
れぞれ車両8の長手方向とこれに直交する方向に固定し
てある。従って、路面に平行な地磁気の水平分力をH
(ただし、北向きを正としてある)、地球の南北方向と
車両8の進行方向がなす角度、すなわち方位をθとする
と、線輪2x,2yに直交する磁界Hx,Hyは、定数
をkとして Hx=kHcosθ Hy=kHsinθ で表される。従って、これら2式から求める方位θは、
【0004】
【数1】
【0005】となり、簡単な演算によって算出できるこ
とが分かる。
【0006】しかし、地磁気センサ2は、車両8が対向
車とすれちがったり、踏み切りや高圧線下のような強磁
場地帯を通過したりしたときに、車両8自体が着磁変化
し、これが外乱磁界として地磁気センサ2に与える影響
を無視することができない。こうした外乱磁界が線輪2
x,2yに及ぼす外乱磁界をHxo,Hyoとすると、
前述の2式は、 Hx=kHcosθ+Hxo Hy=kHsinθ+Hyo と補正しなければならず、方位θについても
【0007】
【数2】
【0008】と補正する必要が生ずる。従って、当然の
ことながら、外乱磁界Hxo,Hyoの大きさを常に監
視し、正確に把握しておくことが、方位検出精度を高め
る上での前提となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のナビゲーシ
ョン装置1は、地磁気センサ2に作用する外乱磁界を把
握するため、走行開始前に必ず車両8を1回旋回させ、
2軸出力成分Hx,Hyを合成して得られるベクトル軌
跡として、図8に示した旋回円を形成しなければならな
い。この旋回円は、前述の補正2式から方位パラメータ
θを消去して得られる式
【0010】
【数3】
【0011】で表され、その中心点P(Hxo,Hy
o)が外乱磁界によるバイアスを与えることになる。実
際には、車両2を旋回させたときに、地磁気センサ2の
2軸出力成分の最大値Hxmax,Hymaxと最小値Hxmi
n,Hyminを求め、中点を与える 公式 Hxo=(Hxmax+Hxmin)/2 Hyo=(Hymax+Hymin)/2 に従って旋回円の中心点Pを(Hxo,Hyo)を求め
ることができ、このときに得られたバイアス分Hxo,
Hyoを、その後に実際に得られる地磁気センサ2の出
力Hx,Hyから差し引くことで、着磁補正が行われ
る。
【0012】しかし、車両8を走行させる前に旋回させ
て初期着磁を補正するといっても、駐車場や車庫の近く
に車両8を旋回させられるだけの広い場所がある場合は
よいが、一般には車両8を旋回させることのできる手頃
なスペースなど簡単に見付けにくいのが実情であり、ま
た仮に車両8を旋回するに足る広場が近くにあっても、
わさわざその場所にまで出向いて車両8を旋回させる人
は少ないと言わざるを得ず、初期着磁の補正が確実に実
行される保証は少ないものであった。また、車両を出発
させた後で走行中に着磁した途中着磁に対しては、適当
な時期に車両を旋回させて着磁補正するしかないため、
初期着磁の補正よりもさらに困難が予想され、交通法規
に触れない場所を探してまで車両を旋回させて行うとい
った着磁補正は、甚だしく実用性を欠くといった課題を
抱えていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決したものであり、地磁気の水平分力を直交2軸に分
解して検知し、2軸に分解された地磁気の比にもとづい
て方位を検出する地磁気センサと、この地磁気センサを
旋回させたときにその2軸出力成分を合成して得られる
ベクトル軌跡により形成される旋回円について、前記地
磁気センサが所定角度を越えて方向転換したさいに得ら
れる少なくとも3組の2軸出力成分から中心点を求め、
該中心点に相当する2軸出力成分を外乱磁界による磁気
として前記地磁気センサの出力を着磁補正する着磁補正
手段とを具備することを特徴とするものである。
【0014】
【作用】この発明は、地磁気の水平分力を検出する地磁
気センサを旋回させたときに、その2軸出力成分を合成
して得られるベクトル軌跡により形成される旋回円につ
いて、地磁気センサが所定角度を越えて方向転換したさ
いに得られる少なくとも3組の2軸出力成分から中心点
を求め、該中心点に相当する2軸出力成分を外乱磁界に
よる磁気として地磁気センサの出力を着磁補正すること
により、地磁気センサを完全に1旋回させることなく、
着磁補正を行う。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例について、図1ない
し図5を参照して説明する。図1は、この発明のナビゲ
ーション装置の一実施例を示す回路ブロック図、図2
は、円周上の3点から旋回円の中心点を求める方法を説
明するための図、図3は、図1に示した中央処理装置に
よる着磁補正動作を説明するためのフローチャート、図
4は、図1に示したリングバッファに格納されるデータ
例を示す図、図5は、図3に示した円周上の3点の存在
範囲を説明するための図である。
【0016】図1に示すナビゲーション装置11は、車
両の現在地を推定するための各種演算を行う中央処理装
置12に、実際に車両を旋回させることなく着磁補正す
る自動着磁補正機能をもたせたものである。この中央処
理装置12には、地磁気センサ2や距離センサ3の外
に、コリオリの力を利用して車両の進行方向を検出する
ジャイロ13と、衛星からの電波を捕捉するGPS受信
機14が接続してある。ジャイロ13は、車両の進行方
位の変化量を数度の精度をもって検出できるため、その
出力と距離センサ3の出力から合成される走行ベクトル
を継ぎ合わせることで、現在地に至る車両の走行軌跡を
割り出すことができる。また、こうした推定航法と並行
して、GPS受信機14が受信した衛星からの電波を使
って直接車両の現在地を割り出す電波航法により、車両
の現在地を様々な角度から特定することができるように
なっている。
【0017】ただし、上記の推定航法は、走行距離が増
えるほどジャイロ13の出力誤差が積算されるため、一
定距離を走行する都度しかるべき補正が必要であり、ま
たGPS受信機14による測位法も、衛星からの電波が
地表近くで遮られる市街地や山岳部或はトンネル内を走
行するときは全く役立たないといった制約を抱えてい
る。このため、ジャイロ13による推定航法を補完する
ものとして、地磁気センサ2による車両の絶対方位の検
出に負うところは大きく、以下に説明する地磁気センサ
3の着磁補正の良否がナビゲーション装置11の航法精
度に及ぼす影響はきわめて大であると言える。
【0018】ナビゲーション装置11は、車両走行中に
得られる地磁気センサ5の出力を一定の数値処理プログ
ラムに従って処理するようにしているため、走行中に得
られる必要なデータを一時保存するためのメモリとし
て、第1,第2,第3の計3個のリングバッファ15,
16,17が中央処理装置12に接続してある。実施例
では、車両が直進走行している期間中に地磁気センサ2
から得られる30組の2軸出力成分Hx,Hyが、第1
のリングバッファ15に格納される。また、第2のリン
グバッファ16には、方向が80度以上異なる3本の直
進路で統計処理を施して得られた3組の2軸出力成分H
x,Hyが格納され、また第3のリングバッファ17に
は、統計処理を施して得られた3組の2軸出力成分から
割り出される旋回円の中心点候補が3組格納されるよう
になっている。
【0019】ところで、旋回円の中心点P(Hxo,H
yo)は、地磁気センサ2から得られる3組の2軸出力
成分Hx,Hyすなわち旋回円の周上の3点S1(Hx
1,Hy1),S2(Hx2,Hy2),S3(Hx
3,Hy3)が判れば、図2に示したように、点S1,
S2を結ぶ弦の垂直二等分線と点S2,S3を結ぶ弦の
垂直二等分線の交点として求めることができる。従っ
て、ここでは2直線の交点を与える公式を用い、 Hxo={α(Hx2+Hx3)-β(Hx1+Hx2)-(Hy1-Hy3)(Hy3-Hy2)(H
y2-Hy1)}/2(α-β) Hyo={α(Hy1+Hy2)-β(Hy2+Hy3)-(Hx1-Hx3)(Hx3-Hx2)(H
x2-Hx1)}/2(α-β) に従って旋回円の中心値(Hxo,Hyo)を算出する
ことにする。ただし、 α=(Hx3−Hx2)(Hy2−Hy1) β=(Hx2−Hx1)(Hy3−Hy2) である。
【0020】実際の着磁補正動作は、車両がπm(約
3.14m)移動するつど行われ、以下その具体的手順
について図3〜5を併せ順を追って説明する。まず、図
3のステップ(101)において、地磁気センサ2の出
力Hx,Hyとジャイロ13の出力θを読み取り、続く
ステップ(102)において、これらの出力をHx1,
Hy1,θ1として第1のリングバッファ15に取り込
む。第1のリングバッファ15は、30組のデータが格
納できる容量を有しており、31組目は1組目のデータ
を、そして32組目は2組目のデータをというように、
書き換え箇所をリング状に循環させることで常に最新の
30組のデータが格納されるようになっている。そこ
で、ここでは1組目のデータHx1,Hy1,θ1から
30組目のデータHx30,Hy30,θ30が、図4
(A)に示したように、第1のリングバッファ15に格
納された時点で、判断ステップ(103)の肯定結果を
受けてステップ(104)に移行する。
【0021】ステップ(104)では、31組目のデー
タと1組目のデータのそれぞれの進行方位θ31,θ1
の角度差θ31−θ1を算出する。そして、算出された
角度差θ31−θ1が3度以内である場合、すなわち車
両が30πm走行した区間の最初と最後で進行方位θが
殆ど変わらない場合に、判断ステップ(105)の肯定
結果を受けるステップ(106)において、今度は31
組目のデータとそれまでの30組すべてのデータの進行
方位の角度差θ31−θ1,θ31−θ2,..θ31
−θ30を算出する。そして、算出された30個の角度
差θ31−θ1,θ31−θ2,..θ31−θ30
が、いずれも5度以内である場合、すなわち車両が30
πm走行した区間中5度を越える方位変化が一度もなか
った場合に、着磁補正に必要な安定したデータ検出が可
能な直進走行が行われたものと判断する。なお、車両が
30πm走行した区間の最初と最後で進行方位θが3度
を越えて変化したことが判明した場合は、その時点で直
進走行でないと判断されるため、ステップ(106),
(107)を無意味に消化することはあり得ず、このよ
うな僅かな工夫でも、直進判断における無駄を省くこと
によって、中央処理装置12の負担軽減に寄与すること
ができる。なお、上記角度差の許容数値や或は着磁補正
を行う間隔(30πm)は一例であり、いずれも使用状
況に合わせて任意に設定することができる。
【0022】こうして、直進判断がなされると、判断ス
テップ(107)の肯定結果を受けるステップ(10
8)において、第1のリングバッファ15に格納された
30組のデータのうち、地磁気センサ2の出力Hx,H
yについてソートし、XY2軸に分けてそれぞれ小さい
もの順に並べ変える。次に、ステップ(109)におい
て、並べ変えを終えた30組のデータHx1〜Hx30
とHy1〜Hy30について、バラツキの大きな最小側
と最大側のデータを切り捨てるため、中間の20個のデ
ータだけを抽出してそれらの平均をとる。こうして、あ
る直進走行区間における30組の地磁気センサ2の出力
から、統計的にもっとも信頼のおけるデータを得ること
ができ、これまでに得られた30組のデータは用済みで
あるため、続くステップ(110)において、第1のリ
ングバッファ15をクリアする。
【0023】ところで、旋回円の中心点Pを求めるため
には、前述したように、円周上に最低3個の点S1,S
2,S3が必要である。そこで、ステップ(110)ま
でに得られたデータが何個目の点に関するデータである
かを調べる必要があり、ステップ(111)において、
ジャイロ13の最新の出力θ31と第2のリングバッフ
ァ16に既に格納されているデータに関する進路方位θ
とを比較し、以下に示すi〜vの条件に従って資格分け
する。すなわち、 i) 最新のデータが最初に得られたデータである場合
は、これを第1番目の点S1に関するデータとして無条
件で第2のリングバッファ16に格納する。
【0024】ii) また、最新のデータが第2番目の
点S2に関するデータである場合は、第1番目の点S1
に関する進路方位θ1と第2番目の点S2に関する進路
方位θ2との角度差θ1−θ2が、80度以上135度
以内である場合に、旋回円の中心点Pを求めるにふさわ
しい第2番目の点S2に関するデータとして、第2のリ
ングバッファ16に格納する。
【0025】iii) ただし、角度差θ1−θ2が1
35度を越える場合は、第1番目の点S1に関するデー
タをクリアし、第2番目の点S2に関するデータを第1
番目の点S1に関するデータに置き換えて第2のリング
バッファ16に格納する。
【0026】iv) また、角度差θ1−θ2が80度
に満たない場合は、既に試みた実験の結果から旋回円の
中心点Pについての誤差が大きく、従って角度差θ1−
θ2が80°未満のときは、第2番目の点S2に関する
データを採用せず、次に得られるデータを待つことにす
る。
【0027】v) さらにまた、第3番目の点S3に関
するデータについても、すでに格納された第1番目の点
S1と第2番目の点S2に関する進路方位θ1,θ2と
第3番目の点S3に関する進路方位θ3との角度差θ1
−θ3とθ2−θ3が、いずれも80°以上である場合
に限り、第3番目のデータとして採用する。
【0028】こうして、上記の条件を満たしたデータだ
けが、判断ステップ(112)に続くステップ(11
3)において第2のリングバッファ16に格納される。
そして、図4(B)に示したように、第2のリングバッ
ファ16に旋回円上の3点S1,S2,S3に関するデ
ータが格納されると、判断ステップ(114)に続くス
テップ(115)において、前述の計算式 Hxo={α(Hx2+Hx3)-β(Hx1+Hx2)-(Hy1-Hy3)(Hy3-Hy2)(H
y2-Hy1)}/2(α-β) Hyo={α(Hy1+Hy2)-β(Hy2+Hy3)-(Hx1-Hx3)(Hx3-Hx2)(H
x2-Hx1)}/2(α-β) に従って、旋回円上の3点S1(Hx1,Hy1),S
2(Hx2,Hy2),S3(Hx3,Hy3)から中
心点P(Hxo,Hyo)を求め、これを中心点候補デ
ータとして、第3のリングバッファ17に格納する。
【0029】次に、ステップ(116)において、第2
リングバッファ16に格納された旋回円上の点S1,S
2,S3のうち、最新の点すなわちS2,S3につい
て、進行方位の角度差θ2−θ3を算出する。そして、
続く判断ステップ(117)において、角度差θ2−θ
3が135度以内であるかどうかを判定する。これは、
3点S1,S2,S3が80度以上離れているという条
件だけでは、仮に第2点S2が第1点S1から180度
離れている場合に、条件に適合する第3点S3の存在範
囲が、図5(A)に斜線を付して示したように、80〜
100度と260〜280度の計40度の範囲しか残ら
ず、実際問題として第3点S3のデータ採取が困難にな
るため、上限値として135度を設定するようにしたか
らである。これにより、図5(B)に示したように、条
件に適合する第3点S3の存在範囲が215〜280度
の範囲に拡大され、それだけデータ採取が容易になる。
従って、角度差θ2−θ3が135度以内であれば、ス
テップ(118)において、第2のリングバッファ16
内の一番古いデータすなわち点S1に関するデータだけ
をクリアする。また、そうでない場合は、第2のリング
バッファ16内の最新のデータすなわち点S3に関する
以外のデータをクリアする。すなわち、旋回円の中心点
Pに関する演算が済んでも、第2のリングバッファ16
内のデータをすべてクリアしてしまわずに、一部を保留
しておくことで、限られたデータを次なる旋回円の更新
に有効活用するのである。なお、80度以上135度以
内という条件は、理論値よりも余裕をもたせてあり、理
論的には70度以上120度以内の範囲であればよい。
【0030】こうした処理を繰り返し、図4(C)に示
したように、最終的に第3のリングバッファ17に3個
の中心点候補P1,P2,P3が格納されたならば、判
断ステップ(120)に続くステップ(121)におい
て、3個の中心点候補P1,P2,P3について、デー
タのバラツキをチェックするため、3個の中心点候補P
1,P2,P3について、X座標とY座標のそれぞれ最
大値と最小値の差dを求める。そして、この差dが後述
する許容値D以内にあれば、判断ステップ(122)に
続くステップ(123)において、3個の中心点候補P
1,P2,P3のデータを平均し、これを旋回円の中心
値として更新する。すなわち、その場合の旋回円の中心
点Pは、X座標が(Hox1+Hox2+Hox3)/
3であり、Y座標が(Hoy1+Hoy2+Hoy3)
/3である。
【0031】なお、許容値Dは、図2において、旋回円
の円周上の一点から真の中心点Pと偽の中心点P’を見
込んだときに許容できる角度をφとしたときに、 D=kHtanφ で表される。ただし、kHは旋回円の半径であり、一例
としてkH=390,φ=8°なる値を用いた場合、D
は55程度になる。
【0032】このように、上記ナビゲーション装置11
によれば、車両に搭載した地磁気センサ2を車両ごと1
旋回させなくとも、車両が進路を変更する度に得られる
地磁気センサ2の2軸出力成分Hx,Hyを最低3組は
収集することで、幾何学の原理に従って旋回円の中心点
Pを求めることができ、旋回円の中心点Pを求めるのに
用いる3点S1,S2,S3について、できるだけ中心
角度の離れたものを採用することで、求まる中心点Pの
誤差を抑えることができ、これにより地磁気センサ2を
方位検出に採用する上で問題とされた着磁変化にともな
う旋回円の更新が随時可能であり、推定航法における航
法精度を十分高めることができる。また、地磁気センサ
2とは別個に設けたジャイロ13から、車両が一定のぶ
れの範囲で直進走行していることが判ったときに、直進
走行期間中に得られた30組の地磁気センサ2の2軸出
力成分から、極端にバラツキのある10組を除外した上
で20組を平均処理にかけるなどの統計的手法を使っ
て、もっとも誤差の少ない2軸出力成分を求める構成で
あるため、旋回円上の一点一点を慎重に決定することが
でき、これにより円周上の3点から求めようとする中心
点Pの確度を最大限にまで高めることができる。さら
に、旋回円上で中心角度にして互いに80度以上離れた
3点S1,S2,S3から旋回円の中心点Pを求める構
成したことで、地磁気センサ2を搭載した車両が右折又
は左折などにより進路をほぼ直角に変更した場合に、多
くの場合90±10度の範囲で旋回が行われると考えら
れ、しかも実験からは3点S1,S2,S3が少なくと
も70度以上離れていれば、実用に支障のない精度でも
って中心点Pを求めることができるため、ここでは進路
変更等の後に旋回円上で80度以上離れた点が決定され
たときに、地磁気センサ2の出力を取り込むようにし、
これにより旋回円上での3点S1,S2,S3を十分に
距離を置くことができるので、幾何学的な手法を用いた
中心点Pの算出に、十分な精度を確保することができ
る。さらにまた、旋回円の中心点PとしてP1,P2.
P3の3個が集まったときに、一定のバラツキ範囲内に
あるデータを平均することで真の中心点Pを決定する構
成としたので、一度の演算で求まった中心点をそのまま
採用するのではなく、統計学的にみて信頼のおける中心
点Pを決定することができ、これにより車両が実際に公
道を走行するときに時々刻々と得られる限られるデータ
を、最大限活用して信頼のおける着磁補正を行うことが
できる。
【0033】なお、上記実施例では、旋回円上の3組の
2軸出力成分を用いて旋回円の中心点を求めたが、3組
に限らず、3組以上の2軸出力成分を用いて旋回円の中
心点を求めてもよく、その場合例えば3組以上の2軸出
力成分を記憶しておき、そのなかから条件に適合する少
なくとも3組の2軸出力成分を抽出して旋回円の中心点
を求めるようにすることもできる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、地磁
気の水平分力を検出する地磁気センサを旋回させたとき
に、その2軸出力成分を合成して得られるベクトル軌跡
により形成される旋回円について、地磁気センサが所定
角度を越えて方向転換したさいに得られる少なくとも3
組の2軸出力成分から中心点を求め、該中心点に相当す
る2軸出力成分を外乱磁界による磁気として地磁気セン
サの出力を着磁補正する構成としたから、車両等に搭載
した地磁気センサを車両ごと1旋回させなくとも、車両
が進路を変更する度に得られる地磁気センサの2軸出力
成分を最低3組は収集することで、幾何学的な原理に従
って旋回円の中心点を求めることができ、旋回円の中心
点を求めるのに用いる3点について、できるだけ中心角
度の離れたものを採用することで、求まる中心点の誤差
を抑えることができ、これにより地磁気センサを方位検
出に採用する上で問題とされた着磁変化にともなう旋回
円の更新が、随時可能であり、推定航法における航法精
度を十分高めることができる等の優れた効果を奏する。
【0035】また、この発明は、着磁補正手段が、直進
中に前記地磁気センサから得られた一定数を越える前記
2軸出力成分を統計処理し、旋回円上の一点を特定する
ことにより、例えば地磁気センサとは別個に設けたジャ
イロ或はステアリング角度センサ等の方位検出手段か
ら、車両が一定のぶれの範囲で直進走行していることが
判ったときに、直進走行期間中に得られた一定数を越え
る地磁気センサの2軸出力成分を、極端にバラツキのあ
るものを除外した上で平均処理にかけるなどの統計的手
法を使って、もっとも誤差の少ない2軸出力成分を求
め、旋回円上の一点一点を慎重に決定することができ、
これにより円周上の3点から求めようとする中心点の確
度を最大限にまで高めることができる等の効果を奏す
る。
【0036】さらに、この発明は、着磁補正手段が、旋
回円上で中心角度にして互いに70度以上離れた3点以
上の点から旋回円の中心点を求めることにより、地磁気
センサを搭載した車両等が右折又は左折などにより進路
をほぼ直角に変更したときに、多くの場合進路変更後に
旋回円上で80度以上離れた点が決定されるため、道路
事情にも妥当する適当な条件に従って地磁気センサの出
力を取り込むことができ、しかも旋回円上での3点を十
分に距離を置くことができるので、幾何学的な手法を用
いた中心点の算出に、十分な精度を確保することができ
る等の効果を奏する。
【0037】さらにまた、この発明は、着磁補正手段
が、旋回円上の少なくとも3点から旋回円の中心点を求
め、この旋回円の中心点がある個数に達したときに、一
定のバラツキ範囲内にあるデータを平均することで真の
中心点を決定することにより、一度の演算で求まった中
心点をそのまま採用するのではなく、いくつかの中心点
を求めた段階で、やはり統計学的にみて信頼のおける中
心点を決定することができ、これにより車両が実際に公
道を走行するときに時々刻々と得られる限られたデータ
を、最大限活用して信頼のおける着磁補正を行うことが
できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のナビゲーション装置を適用した車両
の一実施例を示す回路ブロック図である。
【図2】円周上の3点から旋回円の中心点を求める方法
を説明するための図である。
【図3】図1に示した中央処理装置による着磁補正動作
を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示したリングバッファに格納されるデー
タ例を示す図である。
【図5】図3に示した円周上の3点の存在範囲を説明す
るための図である。
【図6】従来のナビゲーション装置の一例を示す回路ブ
ロック図である。
【図7】地磁気センサの一例を示す回路図である。
【図8】円周上の3点から旋回円の中心点を求める方法
を説明するための図である。
【符号の説明】
2 地磁気センサ 11 ナビゲーシション装置 12 着磁補正手段(中央処理装置) 13 ジャイロ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地磁気の水平分力を直交2軸に分解して
    検知し、2軸に分解された地磁気の比にもとづいて方位
    を検出する地磁気センサと、この地磁気センサを旋回さ
    せたときにその2軸出力成分を合成して得られるベクト
    ル軌跡により形成される旋回円について、前記地磁気セ
    ンサが所定角度を越えて方向転換したさいに得られる少
    なくとも3組の2軸出力成分から中心点を求め、該中心
    点に相当する2軸出力成分を外乱磁界による磁気として
    前記地磁気センサの出力を着磁補正する着磁補正手段と
    を具備することを特徴とするナビゲーシション装置。
  2. 【請求項2】 前記着磁補正手段は、直進中に前記地磁
    気センサから得られた一定数を越える前記2軸出力成分
    を統計処理し、旋回円上の一点を特定することを特徴と
    する請求項1記載のナビゲーション装置。
  3. 【請求項3】 前記着磁補正手段は、旋回円上で中心角
    度にして互いに70度以上離れた3点以上の点から旋回
    円の中心点を求めることを特徴とする請求項1記載のナ
    ビゲーション装置。
  4. 【請求項4】 前記着磁補正手段は、旋回円上の少なく
    とも3点から旋回円の中心点を求め、この旋回円の中心
    点がある個数に達したときに、一定のバラツキ範囲内に
    あるデータを平均することで真の中心点を決定すること
    を特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
JP1778692A 1992-02-03 1992-02-03 ナビゲーション装置 Pending JPH05215553A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1778692A JPH05215553A (ja) 1992-02-03 1992-02-03 ナビゲーション装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1778692A JPH05215553A (ja) 1992-02-03 1992-02-03 ナビゲーション装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05215553A true JPH05215553A (ja) 1993-08-24

Family

ID=11953402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1778692A Pending JPH05215553A (ja) 1992-02-03 1992-02-03 ナビゲーション装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05215553A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006088057A1 (ja) * 2005-02-17 2006-08-24 Alps Electric Co., Ltd. 方位計測装置
JP2006337057A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 方位角計測装置、および、方位角計測方法
JP2007205944A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Yamaha Corp 磁気センサ制御装置、磁気測定装置、オフセット設定方法及びオフセット設定プログラム
JP2007225325A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Yamaha Corp 磁気センサ制御装置、磁気測定装置、並びにオフセット設定方法及びプログラム。
JP2007271414A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Yamaha Corp 磁気データ処理方法、装置及びプログラム
JP2008107367A (ja) * 2002-03-01 2008-05-08 Gentex Corp 電子コンパスシステム
JP2010048826A (ja) * 2009-12-01 2010-03-04 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 方位角計測方法および方位角計測装置
WO2010058594A1 (ja) * 2008-11-20 2010-05-27 旭化成エレクトロニクス株式会社 物理量計測装置および物理量計測方法
JP2011095277A (ja) * 2011-02-14 2011-05-12 Yamaha Corp 磁気センサ制御装置、磁気測定装置、並びにオフセット設定方法及びプログラム。
JP2011145306A (ja) * 2011-04-13 2011-07-28 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 方位角計測装置、および、方位角計測方法
JP2016061762A (ja) * 2014-09-22 2016-04-25 カシオ計算機株式会社 電子機器及びセンサ較正方法、センサ較正プログラム

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008107367A (ja) * 2002-03-01 2008-05-08 Gentex Corp 電子コンパスシステム
WO2006088057A1 (ja) * 2005-02-17 2006-08-24 Alps Electric Co., Ltd. 方位計測装置
JP2006337057A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 方位角計測装置、および、方位角計測方法
JP2007205944A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Yamaha Corp 磁気センサ制御装置、磁気測定装置、オフセット設定方法及びオフセット設定プログラム
JP2007225325A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Yamaha Corp 磁気センサ制御装置、磁気測定装置、並びにオフセット設定方法及びプログラム。
JP2007271414A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Yamaha Corp 磁気データ処理方法、装置及びプログラム
JP2012058257A (ja) * 2008-11-20 2012-03-22 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 物理量計測装置および物理量計測方法
WO2010058594A1 (ja) * 2008-11-20 2010-05-27 旭化成エレクトロニクス株式会社 物理量計測装置および物理量計測方法
US8768649B2 (en) 2008-11-20 2014-07-01 Asahi Kasei Microdevices Corporation Physical amount measuring device and physical amount measuring method
JP4908637B2 (ja) * 2008-11-20 2012-04-04 旭化成エレクトロニクス株式会社 物理量計測装置および物理量計測方法
CN102224394A (zh) * 2008-11-20 2011-10-19 旭化成微电子株式会社 物理量测量装置以及物理量测量方法
JP2010048826A (ja) * 2009-12-01 2010-03-04 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 方位角計測方法および方位角計測装置
JP2011095277A (ja) * 2011-02-14 2011-05-12 Yamaha Corp 磁気センサ制御装置、磁気測定装置、並びにオフセット設定方法及びプログラム。
JP2011145306A (ja) * 2011-04-13 2011-07-28 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 方位角計測装置、および、方位角計測方法
JP2016061762A (ja) * 2014-09-22 2016-04-25 カシオ計算機株式会社 電子機器及びセンサ較正方法、センサ較正プログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0566390B1 (en) Apparatus for detecting the position of a vehicle
JP3380727B2 (ja) 方位検出センサを使用して角速度補正を行うナビゲーション方法
JPH0518770A (ja) 方位検出装置
JP2011145159A (ja) 道路学習装置
JP2002333331A (ja) ナビゲーション装置
JPH05215553A (ja) ナビゲーション装置
US5151872A (en) Method and apparatus for correcting the output of an onboard vehicle terrestrial magnetism sensor
JP3540106B2 (ja) 移動体用ナビゲーション装置、及びその現在位置決定方法、並びに現在位置決定用プログラムを記憶した媒体
JP3381312B2 (ja) ナビゲーション装置
JPS63113309A (ja) 地磁気センサのデ−タ処理方法
JPH06289778A (ja) 車両位置検出装置
JP2723352B2 (ja) 車載用ナビゲーションシステム
JPH1073442A (ja) ナビゲーション装置
JP2744664B2 (ja) 車両用ナビゲーション装置
JPS62282222A (ja) ナビゲ−シヨン装置
JPS63172917A (ja) 車両位置検出装置
JP4268581B2 (ja) 車載用ナビゲーション装置
JPH03148010A (ja) 車載方位検出装置
JP4741291B2 (ja) ナビゲーション装置
JPH03148009A (ja) 車載方位検出装置
JPH0198920A (ja) 地磁気方位センサの着磁補正方法
JPH0690040B2 (ja) 車両位置検出装置
JPH07218277A (ja) 車両用ナビゲーション装置
JPH02132321A (ja) 車載用ナビゲータ装置
JPS63109318A (ja) 車両の方位検出方法