JPH0521551B2 - - Google Patents

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JPH0521551B2
JPH0521551B2 JP59013456A JP1345684A JPH0521551B2 JP H0521551 B2 JPH0521551 B2 JP H0521551B2 JP 59013456 A JP59013456 A JP 59013456A JP 1345684 A JP1345684 A JP 1345684A JP H0521551 B2 JPH0521551 B2 JP H0521551B2
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JP
Japan
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plasminogen activator
affinity
substance
fibrin
double
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JP59013456A
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JPS60158117A (ja
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Toshito Mori
Shigeo Yoshizaki
Akio Hasegawa
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Kogyo KK
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Publication date
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Priority to DE8585100804T priority patent/DE3582338D1/de
Priority to ES539925A priority patent/ES8605583A1/es
Publication of JPS60158117A publication Critical patent/JPS60158117A/ja
Priority to ES548974A priority patent/ES8701840A1/es
Publication of JPH0521551B2 publication Critical patent/JPH0521551B2/ja
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、新規なプラスミノーゲン・アクチベ
ーターおよびその製法ならびにこれを有効成分と
して含有する血栓溶解剤に関する。さらに詳しく
は、人の正常組織由来細胞の組織培養液より採取
した二本鎖プラスミノーゲン・アクチベーターお
よびこれを分離精製して得る方法ならびにこれを
有効成分として含有する血栓溶解剤としての医薬
用途に関する。 プラスミノーゲン・アクチベーターとしては今
日、尿または培養腎細胞から分離精製されたウロ
キナーゼ、およびストレプトコツキより採取され
るストレプトキナーゼが血栓溶解剤として実用に
供されている。 しかし、これらはフイブリンに対する親和性の
点で劣るので、治療に際し必要な効果を得るには
大量に投与する場合が多く、内出血等の副作用が
発現することが知られている。すなわち、これら
によつて循環血液中で生成されるプラスミンは、
血中のプラスミンインヒビターと結合して速やか
に失活するため、治療効果をあげるためには、こ
れらを大量に投与して、血中のプラスミンインヒ
ビターの量を上回るプラスミンを生成する必要が
ある。しかし、大量のプラスミンが生成されると
フイブリノーゲンを分解して、出血傾向という副
作用を引き起すことになる。これに対してフイブ
リンに親和性が高く、フイブリン上でプラスミン
を生成することができれば、循環血液中のプラス
ミンインヒビターの影響を受けることなく、少量
でフイブリンを分解することができ、循環血液中
のフイブリノーゲンを分解する作用も弱くなる。
かかる実情からフイブリン親和性が高く、少量で
かつ血栓溶解活性が高く、副作用の少ない血栓溶
解剤が望まれている。 先に、本発明者らは、種々の人の正常組織由来
細胞の組織培養液について検索したところ、ウロ
キナーゼとは異なるプラスミノーゲン・アクチベ
ーター活性を有する物質が含まれていることを見
い出し、これを分離精製することに成功し、特許
出願した(特開昭59−51220号)。 その後、このプラスミノーゲン・アクチベータ
ー活性を有する物質について種々研究を重ねた結
果、該物質が複数の蛋白よりなる混合物であるこ
と、さらに、それらが一本鎖、二本鎖のプラスミ
ノーゲン・アクチベーターからなることを見出
し、本発明に到達した。 本発明の目的は、フイブリン親和性が高く、少
量で効果を有する新規な二本鎖プラスミノーゲ
ン・アクチベーターを提供することにある。 他の目的は、該二本鎖プラスミノーゲン・アク
チベーターを分離精製して製造する方法、および
得られた二本鎖プラスミノーゲン・アクチベータ
ーを有効成分とする新規な血栓溶解剤を提供する
ことである。 かかる目的で、本発明者らは、二本鎖プラスミ
ノーゲン・アクチベーターを選択的に製造する方
法、すなわち、一本鎖または二本鎖との混合状態
のプラスミノーゲン・アクチベーターを二本鎖プ
ラスミノーゲン・アクチベーターに変換する方
法、および二本鎖プラスミノーゲン・アクチベー
ターの性質について検討し、本発明を完成した。 本発明の二本鎖プラスミノーゲン・アクチベー
ターは、適当な生育培体中で人の正常組織由来細
胞、たとえば、人胎児の腎、腸、肺、心臓、輸尿
管、皮膚、***および全胎児由来の細胞、人の胎
盤由来の細胞あるいは人の腎、腸、肺、甲状腺、
心臓、輸尿管、皮膚由来の細胞等、より好ましい
細胞としては、ヒト胎児腎、ヒト胎児肺あるいは
ヒト胎児***由来の細胞を用いた組織培養液から
プラスミノーゲン・アクチベーター活性を有する
画分を分取し、これを、酵素処理または10〜80
℃、より好ましくは20〜40℃で5〜10日間インキ
ユベートし、分離精製することにより製造するこ
とができる。すなわち、これらの細胞は通常の動
物細胞の培養に用いられる培養方法、たとえば
「Tissue Culture Methods and Applications」
(P.K.Kruse and M.K.Patterson Academic
Press New York San Fransisco London
1973)記載の方法で増殖させた後、炭素源、窒素
源および必要な場合は無機塩類または/およびそ
の他の添加物を含む溶液と接触させることによつ
て、本発明物質を生産せしめることができる。共
存させる添加物としては、アミノ酸類、ビタミン
類、ペプタイド類、糖類、有機酸類などを挙げる
ことができる。本発明物質の生産は、通常細胞10
万個あたり0.2ml以上の培養液を用いて25℃〜40
℃、好ましくは35℃〜38℃の温度範囲で、6.0〜
8.0、好ましくは7.0〜7.4のPHの範囲で行われる。
生産の日数は通常4日ないし30日であるが、30日
を越えることも可能である。本発明物質の生産速
度は、生産の後半で次第に遅くなるので、工業的
生産の場合は、最も効率のよい日数が選ばれる。 培養液からの分離精製方法としては、蛋白質化
学において通常使用される方法、たとえば、担体
による吸着法、イオン交換法、分別沈殿法、ゲル
過法、電気泳動法、各種アフイニテイクロマト
グラフイー特に特異抗体を用いた方法が望まし
く、そのような例として、フイブリンを結合させ
たセフアロースを用いるフイブリンセフアロース
カラムクロマトグラフイー、カルボキシメチル基
を結合させたセフアロースを用いるCMセフアロ
ースカラムクロマトグラフイー、リジンを結合さ
せたフアロースを用いるリジンセフアロースカラ
ムクロマトグラフイー、亜鉛キレートセフアロー
スを用いる配位子交換クロマトグラフイー、コン
カナバリンAを結合させたセフアロースを用いる
レクチンカラムクロマトグラフイー、本発明物質
と特異的に結合する抗体を結合した抗体アフイニ
テイークロマトグラフイー、架橋したデキストラ
ン粒子を用いるゲル濾過法を挙げることができ、
これらを単独または組み合わせて使用できる。か
くして得られたプラスミノーゲン・アクチベータ
ーの用途としては、血栓溶解剤としての医薬用途
以外に、たとえば、人工血管、人工臓器等の材料
に結合させ、血栓の形成を防止する薬剤として、
あるいは血栓症等の診断薬としての用途があげら
れる。 本発明で用いる人の正常組織由来細胞の組織培
養液は、プラスミノーゲン・アクチベーター産生
能を有する細胞を種々の培養液中で培養したもの
を用いることができ、たとえば、特開昭54−
107510号公報、特開昭54−107511号公報、特開昭
55−19001号公報、特開昭55−139323号公報、特
開昭57−5159号公報記載の培養液等があげられ
る。代表的な培養方法については、参考例1,2
に例示する。 培養液からのプラスミノーゲン・アクチベータ
ー混合物または一本鎖プラスミノーゲン・アクチ
ベーターから本発明の二本鎖プラスミノーゲン・
アクチベーターの変換は、分離精製の任意の工程
で行うことができ、酵素処理法または単に10〜80
℃、より好ましくは20〜40℃でインキユベートす
ることにより達成できる。 酵素処理の方法は、直接酵素を作用させるか、
あるいは固定化酵素と接触させる方法等、通常の
酵素反応に用いる方法が使用できる。酵素として
は、プラスミン、カリクレイン、活性化された血
液凝固の第因子および第因子等、固定化
用担体としては、セフアロース等、通常酵素固定
用に使用される担体を用いることができる。 本発明のプラスミノーゲン・アクチベーターの
具体的な分離精製方法の一例を上げれば、組織培
養液あるいは濃縮した培養液をプラスミンセフア
ロースカラムに通した後、硫酸アンモニウムを加
えて生ずる沈殿を分取し、塩化ナトリウムを加え
たロダンアンモニウム溶液に溶解させ、抗ウロキ
ナーゼIg−Gセフアロースカラムに通し、フイプ
リンセフアロースカラムに吸着させる。これをア
ルギニンを溶出溶媒として用いて得られる溶出液
を、さらに抗ウロキナーゼIg−Gセフアロースカ
ラムに通した後、凍結乾燥処理し濃縮する。 濃縮液をセフアデツクスG−150(フアルマシア
社登録商標)を用いゲル過することにより、目
的の二本鎖プラスミノーゲン・アクチベーターが
得られる。本物質はプラスミノーゲンを含まない
フイブリンは溶解せず、プラスミノーゲンを含む
フイブリンを溶解することからプラスミノーゲ
ン・アクチベーターであることは明らかである。 かくして得られる本発明の二本鎖プラスミノー
ゲン・アクチベーターの物理化学的性質につい
て、以下に説明する。なお、力価測定は次の方法
で行なつた(以下の実験についても同じ。) 95%凝固フイブリノーゲン(プラスミノーゲン
含量約50カゼイン単位/g凝固蛋白)を原料とし
て作製した寒天加フイブリン平板を用い、ウロキ
ナーゼを標準品とするプレート法で測定した。本
発明物質溶液を、1%ゼラチン、0.1M塩化ナト
リウムおよび0.1%窒化ナトリウムを含む0.067M
トリス塩酸緩衝液(PH8.0)で希釈し、フイブリ
ン平板上で10IU/mlのウロキナーゼと同じ溶解
窓を示す本発明物質溶液の濃度を10U/mlとし
た。 a 分子量:63000±10000 1.5M塩化ナトリウム、0.1MEDTA、0.1Mアル
ギニンおよび0.1%ツイン80(花王アトラス登録商
標)を含む0.01Mリン酸緩衝液(PH7.0)で平衡
化したセフアデツクスG−150を用いるゲル過
法にて測定した。 b 等電点:7.0〜8.5 アンフオトライトを用いた等電点電気泳動法に
て等電点分画し測定した。 c フイブリンに対する親和性: 生理食塩水に溶解したプラスミノーゲンフリー
フイブリノーゲン溶液(0.2%)950μに、本発
明物質(500U/ml)20μを加え、さらに、トロ
ビン(30U/ml)50μを加えて、室温で1時間
放置する。生じたフイブリンを分取し、脱水後、
生理食塩水で洗浄する。2Mアンモニウムチオシ
アネート溶液1mlで、フイブリン中の本発明物質
を抽出する。この結果、本発明物質は、その約70
%がフイブリン塊へ取り込まれた。一方、対照と
して、ウロギナーゼ(500IU/ml)を用いた場合
には全く取り込まれなかつた。 d コンカナバリンAに対する親和性: 本発明物質(30U/ml)2mlを生理食塩水に溶
解してコンカナバリンA−セフアロース(フアル
マシア社製)のカラム(0.5×4cm)に吸着させ、
1M塩化ナトリウム溶液で洗浄したところ、ほぼ
100%が吸着した。 e 至適PH:7〜9.5 生理食塩水に溶解した本発明物質50μに、10
%グリセリンを含む生理食塩水に溶解したプラス
ミノーゲン(8CU/ml)50μおよび0.10M塩化
ナトリウムを含む0.05Mクエン酸緩衝液(PH5.0,
6.0)、リン酸緩衝液(PH6.0,7.0,8.0)またはグ
リシン−水酸化ナトリウム緩衝液(PH8.0,9.0,
10.0,11.0)(PH5.0,6.0,7.0,8.0,9.0,10.0,
11.0の7種)を100μずつ混合し、37℃で30分間
プレインキユベートする。次いで、0.15Mトリス
塩酸緩衝液(PH8.0)で溶解したBoc−Glu−Lys
−Lys−MCAを500μ加え、さらに37℃で15分
間インキユベートした後、酢酸1mlを加え反応を
停止させて、生成するアミノメチルクマリンを螢
光法にて測定し、至過PHを求めた。 f 安定性: 0.02%トウイーン80を含む生理食塩水に溶解し
た本発明物質(100U/ml)に、55℃、3時間の
加熱処理を施したが、活性の低下は認められな
い。 g 各種合成基質に対する水解活性: 本発明物質(100U/ml)50μに、0.1M塩化
ナトリウムを含む0.05Mトリス塩酸緩衝液(PH
8.0)450μで溶解した各種基質0.1mMを加え、
37℃で15分間反応させる。20%酢酸0.5mlを加え
反応を停止させ、これを励起波長370nm、スリツ
ト幅5nm、螢光波長460nm、スリツト幅5nmで生
ずるアミノメチルクマリンを測定し、水解活性を
求めた。 結果を第1表に示す。
【表】 ※※ −:<2%
h 各種蛋白分解酵素阻害剤の影響 本発明物質(100U/ml)50μに、各種蛋白分
解酵素阻害剤の溶液50μと0.1M塩化ナトリウム
を含む0.05Mトリス塩酸緩衝液(PH8.0)300μ
を加え、37℃で5分間反応を行う。次に、本発明
物質に対しては0.1mMのBoc−Phe−Ser−Arg
−MCA(ペプチド研究所)を、ウロキナーゼに対
しては0.1mMのGlt−Gly−Arg−MCA(ペプチ
ド研究所)をそれぞれ100μを加え、37℃で60
分間反応させる。ついで20%酢酸0.5mlを加え、
反応を停止させ、これを励起波長370nm、スリツ
ト幅2nm、螢光波長460nm、スリツト幅2nmで生
ずるアミノメチルクマリンを測定し、水解活性を
求めた。 本発明物質の活性を50%阻害する蛋白分解酵素
阻害剤の濃度(IC50)を求め、その結果を第2表
に示す。
【表】 i 還元処理に対する挙動 本発明物質(0.5mgプロテイン/ml)を2%ド
デシル硫酸ナトリウム、2%β−メルカプトエタ
ノールおよび40%グリセリンのトリス塩酸緩衝液
(PH6.8)と等量混合し、100℃で5分間加熱処理
する。この溶液をLeammli等の方法
(Nature227,680,1970)にしたがつて、BDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動に付した。本発
明物質は、分子量約33000および約35000に二つの
バンドとして分解していることが確認された。な
お、分子量はカリブレーシヨンキツト(フアルマ
シア・フアインケミカル社製)を用いて同定し
た。 j フイプリンによる活性増強 プラスミノーゲン(10CU/ml)溶媒50μ、
本発明物質50μ、0.1mM Boc−Val−Leu−
Lys−MCA100μおよびトロンビン(2U/ml)
溶液100μを、順次0.05%フイプリノーゲンを溶
解した0.1M塩化ナトリウムを含む0.05Mトリス
塩酸緩衝液(PH7.5)200μに加え、25℃で1時
間反応させる。20%酢酸500μで反応を停止さ
せ、試験gと同様にして水解活性を求めた。な
お、フイブリノーゲン無添加の場合と比較した。 結果を第3表に示す。
【表】 以上の各種性質から、本発明の二本鎖プラスミ
ノーゲン・アクチベーターは、人尿あるいは腎細
胞の組織培養物由来のウロキナーゼとは異なる新
規な物質である。 次に、本発明二本鎖プラスミノーゲン・アクチ
ベーターの血栓溶解剤をチヤンドラ・ループ法
〔Quart.Exp.Physiol.46,1(1961)〕により測定
した結果を第1図に示す。なお、血液はヒト新鮮
血を用い、血栓形成時間は30分、血栓溶解時間は
4時間で行なつた。 この結果、本発明二本鎖プラスミノーゲン・ア
クチベーターの血栓溶活性は、ウロキナーザに比
べて30倍強力であることが確認された。 したがつて、本発明プラスミノーゲン・アクチ
ベーターは、少量の投与で強力な血栓溶解効果が
得られる血栓溶解剤として極めて有用である。 本発明物質は、血管内、特に血栓発生部位の血
管内に投与することができ、通常は静脈内投与す
るのが好ましく、投与量は患者の状態により異な
るが、1日当り50〜1000000単位の範囲で投与で
きる。静脈内投与の方法としては、注射による投
与が好ましく、輸液等に溶解して投与することも
できる。 製剤例 1 本発明物質 12000単位 精製ゼラチン 20mg マンニトール 100mg 塩化ナトリウム 7.8mg リン酸ナトリウム 15.4mg 上記成分を注射用蒸溜水2mlに溶解し、無菌バ
イアルに入れ、−30℃〜−40℃で2時間予備凍結
し、−30℃+20℃、真空度0.05〜0.1 Torrで35時
間、一次乾燥し、次いで30℃、真空度0.01〜0.05
Torrで5時間、二次乾燥して、注射用バイアル
を製造した。 このものは、用時生理食塩水もしくはブドウ糖
注射液500mlに溶解して点滴静注する。 製剤例 2 本発明物質 6000単位 アルブミン 5mg マンニトール 25mg 塩化ナトリウム 1.95mg リン酸ナトリウム 3.85mg 上記成分にて、製剤例1と同様にして注射用バ
イアルを製造した。 参考例 1 ヒト胎児腎細胞を100mmプラスチツクデイツシ
ユに7×104cells/mlの密度で植え込み、37℃、
5%炭酸ガスを含む空気中で、成育培地として10
%ウシ胎児血清を含むメジウムMEMを10ml添加
し、充分増殖させた後、生理食塩水で洗浄し、血
清を含まない0.5%ラクトアルブミン水解物およ
び0.8%フマール酸を含むメジウム199から成る生
産培地20mlにおきかえる。7日間保持した後、新
鮮な生産培地と交換し、本発明物質を含む培養液
を回収する。 参考例 2 ヒト胎児肺細胞を500ml容スピナ−フラスコに
105cells/mlの密度で2.5mg/ml濃度のサイトデツ
クス(細胞培養用ビーズ担体、フアルマシア社
登録商標)と共に植え込み、37℃、5%炭酸ガス
を含む空気中で、成育培地として10%ウシ胎児血
清を含むメジウムMEMを300ml添加し、60rpm
の回転数で攪拌しながら懸濁培養する。8日間培
養し、細胞を充分増殖させた後、生理食塩水で細
胞が接着したビーズ担体を洗浄し、血清を含まな
い0.5%ラクトアルブミン水解物を含むメジウム
199 300mlにおきかえ、60rpmの回転数で攪拌し
ながら培養する。5日間毎に、この培地を交換し
ながら、本発明物質を含む培養液を回収する。 実施例 1 参考例1の培養をアプロチニンの存在下に行つ
て分離精製した一本鎖プラスミノーゲン・アクチ
ベーターを、1%ヒト血清アルブミンおよび
0.14M塩化ナトリウムを含む0.01Mリン酸緩衝液
(PH7.4)に溶解し、250U/mlに調製する。この
溶液200μにプラスミン液(1)300μを加え、37
℃で反応させる。一定時間後にアプロチニンの緩
衝溶液200μを加え、プラスミン活性を中和し、
反応を停止させる。 この溶液70μを用い、0.1mMの合成基質Boc
−Phe−Ser−Arg−MCA(2)の水解活性を測定
した。処理前後の本発明物質の力価を測定した。
結果を第2図に示す。プラスミン処理した結果、
100%の本発明物質が得られている。また、プラ
スミン処理前後で活性の低下は認められない。 なお、20分以上反応させた反応液を、()項
に示したβ−メルカプトエタノールを用いた還元
処理に付した結果、100%分解した。このことか
ら、プラスミン処理により、完全に二本鎖プラス
ミノーゲン・アクチベーターに変換していること
がわかる。 注1 市販のプラスミン液(ミドリ十字社製)を
抗ウロキナーゼIg−Gセフアロースカラムおよ
びリジンセフアロースカラムで処理し、ウロキ
ナーザを含まないプラスミン液を調製し、これ
を上記リン酸緩衝液で0.04CU/mlに希釈して
用いた。 注2 合成基質Boc−Phe−Ser−Arg−MCAは、
一本鎖プラスミノーゲン・アクチベーターによ
り、ほとんど水解されない。 実施例 2 参考例1で製造した培養液を濃縮して得た一本
鎖、二本鎖プラスミノーゲン・アクチベーター溶
液3000U/mlを、0.15M塩化ナトリウムを含む
0.02Mトリス塩酸緩衝液に溶解する。この溶液2
mlとプラスミンセフアロース1ml()を混合し、
25℃で5時間反応させる。反応後、プラスミンセ
フアロースを去し、変換例(1)と同様にして、合
成基質に対する水解活性および還元処理の結果か
ら、二本鎖プラスミノーゲン・アクチベーター含
量を測定した。この結果、プラスミンセフアロー
ス処理により、100%二本鎖プラスミノーゲン・
アクチベーターに変換されたことが確認された。 (注) プラスミン・セフアロースは以下の方法
で調製したものを用いた。 ヒトプラスミノーゲン(100CU/ml)1mlをウ
ロキナーゼセフアロース(100IU/ml)0.1mlと混
合し、室温で1晩反応し、プラスミンに変換す
る。このプラスミン液を過してウロキナーゼセ
フアロースを除去した後、プロムシアン
(BrCN)で活性化したセフアロースと反応させ
て、プラスミンセフアロースを作製する。これを
合成基質(Boc−Glu−Lys−Lys−MCA)を用
い、活性測定したところ、樹脂1ml当り約0.5CU
の活性を示した。 実施例 3 人胎児***由来の細胞培養液3.6に60%飽和
になるよう硫安を加え、0℃で2時間攪拌する。
生じた沈殿を5000rpm30分間の遠心分離にて集
め、0.15M塩化ナトリウムおよび0.1%ツイン80
を含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(PH7.5)に溶解
し、この溶解液と同じ組成の溶液に対して4℃一
晩透析する。次いで、25℃で1週間インキユベー
トした後、これを亜鉛セフアロースカラム(2.6φ
×6cm)に吸着させ、50mMイミダゾール、
0.5M塩化ナトリウムおよび0.1%ツイン80を含む
0.05Mトリス塩酸緩衝液(PH7.5)で溶出する。
得られた溶出液は液量156ml、本発明物質の活性
は173U/ml、比活性850U/A280であつた。 得られた溶液を0.1%ツイン80を含む0.02Mト
リス塩酸緩衝液(PH7.6)で10倍に希釈し、この
希釈に用いた緩衝液と同一組成の溶液で平衡化し
たリジンセフアロースカラム(1.6φ×6cm)に吸
着させた後、0.05M塩化ナトリウム、0.5Mロダ
ンカリウム、0.1M ε−アミノ−n−カプロン酸
および0.1%ツイン80を含む0.02Mトリス塩酸緩
衝液(PH7.6)で溶出する。得られた溶出液は液
量20.5ml、本発明物質の活性は103U/ml、比活
性21000U/A280であつた。 このものを()項に示した還元処理し、SDS
電気泳動法により、処理前後の本発明物質含量を
測定した結果、25℃,1週間処理により、ほぼ
100%本発明物質が得られたことがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明物質の濃度と血栓溶解率の関係
を示すグラフ、第2図は一本鎖プラスミノーゲ
ン・アクチベーターのプラスミン処理時間と合成
基質分解活性およびフイブリン分解活性との関係
を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 人の正常組織由来細胞の組織培養液より採取
    した、下記の性質を有する二本鎖プラスミノーゲ
    ン・アクチベーター。 a 分子量:63000±10000 b 等電点:7.0〜8.5 c フイブリンに対する親和性:あり d コンカナバリンAに対する親和性:あり e 至適PH:7〜9.5 f 安定性:55℃,3時間処理で安定 g 還元処理に対する挙動:分解 h 合成基質に対する水解活性:第1表のとおり 2 人の正常組織由来細胞の組織培養液よりプラ
    スミノーゲン・アクチベーターを含む画分を分取
    し、これを酵素処理または10〜80℃でインキユベ
    ートした後、精製することを特徴とする下記の性
    質を有する二本鎖プラスミノーゲン・アクチベー
    ターの製法。 a 分子量:63000±10000 b 等電点:7.0〜8.5 c フイブリンに対する親和性:あり d コンカナバリンAに対する親和性:あり e 至適PH:7〜9.5 f 安定性:55℃,3時間処理で安定 g 還元処理に対する挙動:分解 h 合成基質に対する水解活性:第1表のとおり 3 下記の性質を有する二本鎖プラスミノーゲ
    ン・アクチベーターを有効成分として含有する血
    栓溶解剤。 a 分子量:63000±10000 b 等電点:7.0〜8.5 c フイブリンに対する親和性:あり d コンカナバリンAに対する親和性:あり e 至適PH:7〜9.5 f 安定性:55℃,3時間処理で安定 g 還元処理に対する挙動:分解 h 合成基質に対する水解活性:第1表のとおり
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